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脳卒中片麻痺患者に対する下肢ボツリヌス療法が歩行時の筋活動および歩行の時間・距離因子に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 43 巻第 6 号 477脳卒中患者に対するボツリヌス療法が歩行パラメータに与える影響 ∼ 485 頁(2016 年). 477. 研究論文(原著). 脳卒中片麻痺患者に対する下肢ボツリヌス療法が歩行時の筋活動 および歩行の時間・距離因子に及ぼす影響* 藤 田 和 樹 1)2)# 三 秋 泰 一 3) 中 川 敬 夫 3) 堀   秀 昭 1) 小 林 康 孝 4). 要旨 【目的】脳卒中片麻痺患者の下肢痙縮に対する A 型ボツリヌス毒素製剤(以下,BoNT-A)投与が歩行に 及ぼす影響を検討すること。【方法】対象は発症後 6 ヵ月以上が経過している慢性期脳卒中患者 15 例と した。BoNT-A は足関節底屈筋群に計 300 単位投与した。BoNT-A 投与前,投与 2 週後に 10 m 歩行時の 下肢筋電図,歩行速度,歩行周期,歩幅,ストライド長を測定した。筋電図の解析は,歩行周期を相分 けし(荷重応答期,単脚支持期,前遊脚期,遊脚期),各相の平均振幅および同時活動指数を算出した。 【結果】BoNT-A 投与後の筋活動は,前脛骨筋が荷重応答期で有意に増加し,ヒラメ筋は荷重応答期で有 意に減少した。大. 直筋と大. 二頭筋の同時活動指数は,荷重応答期で有意に増大した。時間および距離. 因子は,投与前後で有意差を認めなかった。 【結論】BoNT-A 投与にて下肢筋活動の変化は認められたが, 時間・距離因子が改善する可能性は低い。 キーワード ボツリヌス,脳卒中,筋電図,歩行. はじめに  脳卒中片麻痺患者の四肢痙縮に対する治療として, 1) 『脳卒中治療ガイドライン 2015』 では,痙縮に対し.  痙縮下肢に対する BoNT-A 投与は,腓腹筋,ヒラメ 筋,後脛骨筋を対象としている報告. 3‒9). が多く,関節. 可動域,筋緊張,クローヌスの改善といった受動的な評 価の改善が報告されている. 3)4). 。能動的動作に関しては, 5‒9). が 多 い が,. BoNT-A を使用したボツリヌス療法が強く勧められてい. 歩行速度にて効果判定している報告. る(グレード A) 。また,International Consensus State-. BoNT-A 投与が歩行速度を改善させるか否か見解は一致. ment(ICS)において,ボツリヌス療法は痙縮による疼. していない。BoNT-A の作用は,神経伝達物質であるア. 痛や関節可動域などの改善に対しては推奨レベル A で. セチルコリンの放出に関与する SNAP-25 を切断し,結. あるが,能動的動作の改善に対しては推奨レベル C と. 果的に筋を弛緩させる. 2). されている 。 *. The Effects of Muscle Activity and Spatio Temporal Parameters after Botulinum Treatment for Hemiparetic Gait 1)福井医療短期大学リハビリテーション学科理学療法学専攻 (〒 910‒3190 福井県福井市 55‒13‒1) Kazuki Fujita, PT, MSc, Hideaki Hori, PT, PhD: Department of Rehabilitation Physical Therapy, Fukui College of Health Sciences 2)金沢大学大学院医薬保健学総合研究科保健学専攻 Kazuki Fujita, PT, MSc: Division of Health Sciences, Graduate School of Medical Sciences, Kanazawa University 3)金沢大学医薬保健研究域保健学系 Hiroichi Miaki, PT, PhD, Takao Nakagawa, MD, PhD: Faculty of Health Sciences, Institute of Medical, Pharmaceutical and Health Sciences, Kanazawa University 4)福井総合病院リハビリテーション科 Yasutaka Kobayashi, MD, PhD: Department of Rehabilitation, Fukui General Hospital # E-mail: k.fujita-fchs@kvj.biglobe.ne.jp (受付日 2016 年 4 月 27 日/受理日 2016 年 8 月 25 日) [J-STAGE での早期公開日 2016 年 10 月 15 日]. 2). 。さらに γ 運動ニューロンの神. 経終末にも作用し,筋紡錘およびⅠa 感覚ニューロンの 興奮性を減少させ,伸張反射を抑制することが報告され ている 報告. 10). 。BoNT-A 投与後に歩行速度の改善を認めた. 8)9). が散見されることから,BoNT-A は伸張反射. を抑制することで歩行能力を改善させる可能性がある。 しかし,伸張反射は歩行能力に影響しないといった報 告. 11)12). や BoNT-A 投与後に歩行速度の改善を認めな. かったという報告. 5‒7). も多く,BoNT-A 投与が歩行速. 度に及ぼす影響は明らかにされていない。  また,BoNT-A 投与による歩行の変化を運動生理学的 な観点から調査した報告は少ない。Boudarham ら は大. 13). 直筋への BoNT-A 投与前後における歩行時の膝. 関節角度変化および膝関節周囲筋の筋活動変化を調査し.

(2) 478. 理学療法学 第 43 巻第 6 号. 表 1 対象者内訳(n=15) 年齢. 57.3 ± 10.6 歳. 性別. 男性:11 名. 発症後日数. 81.2 ± 50.6 ヵ月. 病型. 脳出血:8 名. 脳梗塞:7 名. 麻痺側. 右:8 名. 左:7 名. Fugl-meyer assesment(下肢). 21 ± 4 点. modified Ashworth scale. 1 +:2 名. 2:12 名. 感覚障害. なし:4 名. 有り:11 名. 歩行形態(測定時). 独歩:8 名. T 字杖歩行:7 名. 装具の使用(日常生活時). なし:3 名. 短下肢装具:12 名. ている。足関節底屈筋への投与前後における運動生理学 14). 女性:4 名. 3:1 名. 用) ,⑤ modified Ashworth scale(以下,MAS)にて. の報告がある. 足関節底屈筋群に「1 +」以上の痙縮を有している者と. が,症例数が少なく,筋電図波形は正規化されていない. した。除外基準は,①足関節の他動背屈可動域が 0 度以. 実測値を採用している。このように脳卒中後遺症に対し. 下である,②介入や評価に支障をきたすような高次脳機. て最も BoNT-A が頻繁に投与される足関節底屈筋の治. 能障害を有している,③運動を制限するような循環器疾. 療前後に詳細な運動生理学的評価を行った報告はほとん. 患を呈している,④過去 4 ヵ月以内に BoNT-A を投与. どなく,その影響は不明な点が多い。前述したように. されている者とした。本研究は新田塚医療福祉センター. BoNT-A は伸張反射を抑制するため,BoNT-A 投与筋. 倫理審査委員会の承認(承認番号:新倫 26-66)を得て. は歩行時に筋活動変化を起こす可能性が高い。また,骨. 実施しており,被験者には書面および口頭にて十分に説. 格筋に投与された BoNT-A は運動神経の逆行性軸索輸. 明し同意を得た。18 例中 16 例が上記の基準を満たし,. 送により脊髄内に到達し,レンショウ細胞に影響を及ぼ. 本研究を完遂できた者は 15 例であった(表 1) 。. 的評価を行ったものとしては Hesse ら. すとされている. 15). 。レンショウ細胞は反回性抑制への. 関 与 に 加 え, 相 反 性 抑 制 に 関 与 す る Ⅰa 抑 制 性 介 在 ニューロンにシナプスを結合する. 16). 。また,大. 四頭. 筋の運動ニューロンはヒラメ筋の反回性抑制から影響を 受けるとされている. 17). 。したがって,BoNT-A は投与. 2.介入方法  BoNT-A は麻痺側の腓腹筋内側頭および外側頭,ヒラ メ筋,後脛骨筋に各 75 単位ずつ計 300 単位投与した。 足趾屈曲筋の痙縮が強い者(8 名)に対しては,長趾屈. 筋のみならず異名筋にも影響を及ぼすことが予想され,. 筋,長母趾屈筋にも投与し,総投与量が 300 単位になる. 筋活動が変化することで歩行速度や歩行パターンが変化. よう他筋への投与量を減量させ調整した。また,深部筋. す る こ と も 考 え ら れ る。 こ れ ら を 解 明 す る こ と は,. に対する投与は超音波エコーガイダンスによって注射針. BoNT-A 投与のみで歩行時の筋活動や時間・距離因子が. および筋の位置を確認しながら行った。効果判定は. 改善するか検討することになり,BoNT-A 投与に理学療. BoNT-A 投与の直前および痙縮抑制効果が十分に現れる. 法を併用する必要性の検討にもつながる。. 投与 2 週後に機能評価を行った。なお,その間のリハビ.  したがって本研究の目的は,足関節底屈筋群に対する. リテーションは行っていない。. BoNT-A 投与前後に歩行時の下肢筋活動や時間・距離的 なパラメータを測定し,BoNT-A 投与が歩行に及ぼす影. 3.評価方法. 響を詳細に検討することである。.  評価項目は痙縮の評価として,足関節背屈時の MAS. 対象と方法. およびクローヌススコア. 3)8). を背臥位で測定した。ま. た,足関節背屈可動域(以下,足背屈 ROM)を背臥位. 1.対象. における膝関節 90 度屈曲位および伸展 0 度で,角度計.  対象は,外来診療で下肢痙縮筋に BoNT-A を投与し. を使用し 1 度刻みで測定した。歩行パラメータの評価は,. た慢性期脳卒中患者 18 例とした。包含基準は,①大脳. 快適歩行速度における 10 m 歩行時の筋電図および時間. の一側病変を呈している,②脳卒中発症後 6 ヵ月以上が. 距離パラメータとした。歩行路は,計測路の両端に 3 m. 経過している,③独歩もしくは T 字杖使用にて監視レ. の予備路を加えた 16 m の直線路を用い,快適歩行速度. ベル以上の歩行能力を有している(装具不使用),④歩. における 10 m 歩行を 3 回試行し,所要時間をストップ. 行速度が 0.1 m/s ∼ 1 m/s で前型歩行である(装具不使. ウォッチにて計測した。歩行に際して杖の使用は許可し.

(3) 脳卒中患者に対するボツリヌス療法が歩行パラメータに与える影響. 479. 図 1 各歩行相における平均振幅(% Avg)の算出方法 歩行時の平均振幅により正規化された波形から,各歩行相の平均振幅(% Avg)を算出した.. 13). たが,下肢装具は使用せず,靴着用での歩行とした。. た,Boudarham ら. は BoNT-A 投与後では筋出力が.  筋電図の記録には,テレマイオ DTS(Noraxon 社製). 低下するため,ピーク値による正規化の方法は適さない. を用い,16 bit で A/D 変換の上パーソナルコンピュー. としている。したがって本研究では,生波形を全波整流. タ内に記録した。サンプリング周波数は 1,500 Hz とし,. した後に,解析に用いた 3 歩行周期分の平均振幅により. バンドパスフィルターは 10 ∼ 500 Hz とした。被験筋. 正規化した。これは,Turns ら. は麻痺側の前脛骨筋,ヒラメ筋,腓腹筋内側頭,大. 直. を対象とした歩行分析で用いられた正規化方法を参考に. 20). によって片麻痺患者. 二頭筋の 5 筋とし,双極誘導法により筋活動電. しており,歩行周期全体の平均振幅に対する相対値であ. 位を導出した。なお,アルコール綿およびスキンピュア. るため,BoNT-A 投与による筋出力変化の影響を受けに. (日本光電社製)を使用し,皮膚抵抗を 10 kΩ 以下まで. くいと考えられる。次に,1 歩行周期を 100%として 3. 減少させた後に,電極間距離 2 cm の銀塩化銀デュアル. 歩行周期をそれぞれ時間正規化した後に,3 歩行周期を. 電極(EM-272,Noraxon 社製)を貼付した。電極貼付. 加算平均した。さらに,歩行周期を相分けするために麻. 位 置 は SENIAM(Surface ElectroMyoGraphy for the. 痺側下肢の足底に貼付した 4 つのフットスイッチのいず. 筋,大. 18). NonInvasive Assessment of Muscles). が推奨する位. れかが反応した時点を初期接地とし,そこから荷重応答. 置を参考にした。両足底の母趾底部,第 1 中足骨頭底部,. 期(前半の両脚支持期) ,単脚支持期,前遊脚期(後半. 第 5 中足骨頭底部,踵底部にフットスイッチ(Noraxon. の両脚支持期),遊脚期の 4 相に相分けした。なお,同. 社製)を装着し,10 m 歩行路の中間地点で歩行路から. 期させたビデオカメラの動画より,遊脚相のひきずりに. 5 m 側方に離した地点にビデオカメラ(サンプリング周. よるフットスイッチデータのエラーを確認しながら歩行. 波数:30 Hz)を設置した。これらの機器の同期には,. 相を決定した。. マイオシンクロおよびシンクロライト(Noraxon 社製).  筋活動として,Turns らの報告. を使用し,同期信号および光信号によって時間軸を一致. された振幅から各歩行相の平均振幅(以下,% Avg). させた。. を算出した(図 1) 。また,前脛骨筋と腓腹筋および大 直筋と大 21). 20). を参考に,正規化. 二頭筋の同時活動指数として,Chow らの. を参考に,各歩行相における屈筋と伸筋の振幅. 4.データ解析. 報告.  筋電図波形の解析には,マイオマッスルマスター. が重なっている部分の面積を算出し,歩行相の時間. (Noraxon 社製)を用いた。解析に用いる EMG 波形は,. (データ数)で除したものを Co-activation Index(以下,. フットスイッチデータを基準に 10 m 歩行路の中間地点. CoI)とした(図 2)。CoI は数値が大きいほど 2 つの筋. における連続した 3 歩行周期分の波形とした。Sousa. の同時収縮パターンを呈していることを意味する。ま. 19). は,振幅の正規化には最大等尺性収縮の振幅を使. た,時間的パラメータとしてストップウォッチにて計測. 用する方法を推奨しているが,一方で随意的な筋出力が. した歩行時間から歩行速度を算出し,フットスイッチ. 低下している症例には適さないとしており,歩行中の. データからケイデンス,歩行周期割合を算出した。距離. ピーク値や平均値を使用する方法を推奨している。ま. 的パラメータは,10 m 歩行路の中間地点に設置した. ら.

(4) 480. 理学療法学 第 43 巻第 6 号. 図 2 各歩行相における同時活動指数(CoI)の算出方法 各歩行相における正規化された伸筋の波形(破線)と屈筋の波形(実線)が重なっている部分の面積(灰 色)を算出し,各歩行相の時間(データ数)で除したものを Co-activation Index(以下,CoI)とした.. 表 2 筋緊張および ROM の変化 pre. post. p値. ES. modified Ashworth scale. 3 (0). 2 (0). 0.001. 0.822. クローヌススコア 膝伸展位. 0 (0.5). 0 (0). ns. 0.347. 0 (1). 0.043. 0.523. 0.008. 0.681. クローヌススコア 膝屈曲位. 1 (1). 自動足背屈 ROM 膝伸展位(°). ‒ 33 (18). ‒ 25 (29). 自動足背屈 ROM 膝屈曲位(°). ‒ 7 (21). 4 (26). 0.011. 0.657. 他動足背屈 ROM 膝伸展位(°). 4 (8). 5 (9). 0.002. 0.790. 他動足背屈 ROM 膝屈曲位(°). 15 (6). 18 (6). 0.003. 0.758. 中央値(四分位偏差)  ES:効果量. 1 m の目印を基準に,動画上において症例が画面中心部. した 15 段階で評価した。. を通過する際の 1 歩行周期から歩幅,ストライドを算出 した。鈴木ら. 22). は,ビデオカメラを用いた矢状面歩行. 5.統計解析. 解析において,本研究と同様に歩行路の 5 m 側方にビ.  統計ソフト Statcel3 を用い,各データに対する正規. デオカメラを設置しており,各関節の位置座標が三次元. 性の検定の結果と被験者数を考慮し,Wilcoxon signed-. 動作解析装置を用いた位置座標と高い一致を示したこと. rank test により危険率 5%で BoNT-A 投与前後の差を. を報告している。なお,上記の筋活動分析,時間距離パ. 解析した。なお,MAS における「1 +」はスコア 2 と. ラメータの全データは,10 m 歩行 3 試行分の平均値と. みなし,スコア 2 以上を繰り上げて解析した。また,. したため,筋活動および時間パラメータは 9 歩行周期分. Cohen. (3 歩行周期× 3 試行)の平均値,距離パラメータは 3 歩行周期分(1 歩行周期× 3 試行)の平均値を算出した。 また,BoNT-A 投与 2 週後における,症例の歩行に対す る主観的満足度を,Global rating of change scale. 23). (以. 24). ,水本ら 25)の方法を参考に,各データの効果. 量(Effect Size:ES)を算出し,0.1 ∼ 0.3 を効果量小,0.3 ∼ 0.5 を効果量中,0.5 以上を効果量大とした。 結   果. 下,GRCS)にて評価した。GRCS では,質問紙表を用. 1.筋緊張および ROM(表 2). い「治療をする前に比べて歩行に変化はありました.  BoNT-A 投与前に比べ投与後では,MAS(p = 0.001). か?」といった問いに対し,変化なしを 0 点,改善をプ. およびクローヌススコア(p = 0.043)は有意に減少し. ラス方向に最大 7 点,悪化をマイナス方向に最大 7 点と. た。自動足背屈 ROM は,膝関節伸展位(p = 0.008) ,.

(5) 脳卒中患者に対するボツリヌス療法が歩行パラメータに与える影響. 481. 表 3 % Avg の変化 荷重応答期  . pre. 前脛骨筋. ヒラメ筋. 腓腹筋. 大. 直筋. 大. 二頭筋. 単脚支持期. post. 97.3. 111.0. (38.5). (58.2). pre *. 前遊脚期. post. 64.5. 71.1. (31.7). (42.9). 176.3. 142.4. *. 156.2. 148.8. (39.4). (36.1).  . (24.8). (25.6). 155.6. 148.8. 131.6. 143.0. (44.8). (51.9). 162.4. 193.6. (49.9). (48.5). 199.1. 186.0. (69.0). (86.2).  .  .  . (36.0). (37.3). 97.4. 107.9. (42.0). (64.5). 131.2. 150.0. (36.1). (50.8). pre. 遊脚期. post. pre. post. 121.6. 117.2.  . (38.3). (47.1).  . 71.3. 86.7. *. 41.2. 52.3.  . (17.5). (25.6).  . (27.1). (9.0). 72.8. 79.4.  .  .  . 114.1. 117.5. (20.0). (21.5). 72.2. 58.7. (25.8). (28.2).  . (34.0). (28.3). 83.5. 65.6. *. 78.6. 86.6. (57.1). (46.7).  . (23.2). (29.1). 46.7. 39.9. 66.6. 54.4. (29.0). (22.4). (32.3). (38.6).  . 中央値(四分位偏差)  * p < 0.05. 表 4 CoI の変化(%) 荷重応答期. 単脚支持期. 前遊脚期. 遊脚期.  . pre. post. pre. post. pre. post. pre. post. 前脛骨筋−. 74.0. 70.4. 57.8. 54.9. 45.9. 47.7. 54.9. 51.0. 腓腹筋. (23.5). (33.1). (23.1). (37.6). (20.7). (23.1). (25.2). (20.1). 大. 直筋−. 112.9. 129.5. *. 73.2. 72.5. 30.2. 31.2. 43.2. 34.3. 大. 二頭筋. (33.8). (38.1).  . (30.2). (41.9). (13.5). (14.1). (15.6). (19.8).  .  . 中央値(四分位偏差)  * p < 0.05. 表 5 時間・距離パラメータの変化   歩行速度    (m/sec). pre. post. p値. ES. 0.57 (0.31). 0.54 (0.26). ns. 0.367. ケイデンス   (steps/min). 79.4 (26.3). 77.4 (19.2). ns. 0.000. 1 歩行周期時間 (sec). 1.51 (0.54). 1.55 (0.37). ns. 0.203. 荷重応答期   (%). 15.1 (6.1). 14.2 (5.4). 0.036. 0.543. 単脚支持期   (%). 26.6 (4.3). 27.5 (4.9). 0.008. 0.690. 前遊脚期    (%). 18.5 (5.2). 18.0 (5.3). ns. 0.367. 遊脚期     (%). 39.3 (4.6). 40.1 (4.0). ns. 0.352. 両脚支持期   (%). 33.8 (7.7). 32.4 (3.1). 0.047. 0.514. ストライド   (cm). 88.2 (34.5). 82.8 (28.0). ns. 0.118. 歩幅 麻痺側  (cm). 42.1 (20.3). 38.8 (17.2). ns. 0.000. 歩幅 非麻痺側 (cm). 42.6 (13.0). 44.9 (11.3). ns. 0.088. 中央値(四分位偏差)  ES:効果量. 屈曲位(p = 0.011)のいずれも有意に増大した。他動. 効果量 = 0.778) (表 3) 。大. 足背屈 ROM においても,膝関節伸展位(p = 0.002) ,. 意 に 減 少(p = 0.027, 効 果 量 = 0.572) し た( 表 3)。. 屈曲位(p = 0.003)のいずれも有意に増大した。. CoI は,大. 直筋と大. 直筋では,前遊脚期で有. 二頭筋は荷重応答期において有. 意に増大(p = 0.02,効果量 = 0.602)したが,前脛骨 2.筋活動(表 3,4). 筋と腓腹筋には有意差が認められなかった(表 4) 。.  BoNT-A 投与前に比べ投与後の% Avg は,前脛骨筋 が荷重応答期で有意に増加(p = 0.023,効果量 = 0.587). 3.時間・距離因子(表 5). し,ヒラメ筋は荷重応答期で有意に減少(p = 0.047,.  BoNT-A 投与前に比べ投与後では,荷重応答期割合が. 効果量 = 0.514) ,前遊脚期で有意に増加した(p = 0.003,. 有意に減少(p = 0.036)し,単脚支持期割合が有意に.

(6) 482. 理学療法学 第 43 巻第 6 号. 増加(p = 0.008)した。また,荷重応答期と前遊脚期. 輸送により脊髄内のコリン作動性神経終末を遮断するこ. の和を示す両脚支持期割合が有意に減少(p = 0.047). とでレンショウ細胞の活動を抑制する. した。歩行速度,ケイデンス,歩幅,ストライドは有意. ウ細胞はⅠa 抑制性介在ニューロンに抑制性シナプスを. 差が認められなかった。. 結合しているため,BoNT-A によるレンショウ細胞の活 動抑制はⅠa 相反性抑制を改善させる. 30)31). 。レンショ. 30). 。本研究では,. 4.主観的満足度. 足関節底屈筋に BoNT-A を投与しているため,ヒラメ.  GRCS は,中央値 1,最大値 5,最小値 ‒ 2 であり,0. 筋のレンショウ細胞を介して,ヒラメ筋から前脛骨筋へ. 以下になった者は 1 名のみであったが,BoNT-A 投与に. のⅠa 相反性抑制のみが改善するように考えられる。し. よる歩行の主観的満足度は低い傾向であった。. かし,興奮性および抑制性の介在ニューロンは,主動作 筋と拮抗筋 α 運動ニューロンのそれぞれに同時に信号. 考   察. を送り,収縮力の総和が絶えず一定になるように調整し ているとされている. 1.筋緊張の変化  本研究では,先行研究. 3‒5). と同様に MAS,クローヌ. 32). 。つまり,抑制性介在ニューロ. ンはヒラメ筋と前脛骨筋に相互に作用すると考えられ,. ススコア,他動足背屈 ROM といった受動的な評価の改. ヒラメ筋に投与された BoNT-A がレンショウ細胞を介. 善が認められた。また本研究は,BoNT-A 投与のみの介. して抑制性介在ニューロンの活動性を調整することで,. 入であるが,自動足背屈 ROM に関しても改善が認めら. 前脛骨筋からヒラメ筋への相反性抑制を改善させた可能. れた。片麻痺患者の足関節背屈運動障害は,錐体路障害. 性がある。したがって,荷重応答期におけるヒラメ筋早. による影響のみではなく,足関節底屈筋の痙縮による背. 発性活動の改善は,伸張反射の抑制と相反性抑制の改善. 屈筋へのⅠa 相反性抑制増大が関与すると報告されてい. が影響したことが考えられる。. 26). 。また,BoNT-A は γ 運動ニューロンの神経終末.  しかし,相反性抑制の改善が起こった場合,足関節. に作用し,結果的に筋紡錘からのⅠa 感覚ニューロンの. CoI は BoNT-A 投与後に減少すると考えられるが,有. る. 興奮性を低下させる. 10). ため,底屈筋から背屈筋への過. 剰なⅠa 相反性抑制が減少するものと考えられる。. 意差は認められなかった。これは,足関節底屈筋は荷重 応答期で活動性が低下した一方で前脛骨筋の活動性は増 加したため,CoI は変化しなかった可能性がある。前脛. 2.筋活動変化. 骨 筋 の 活 動 性 増 加 に は, ヒ ラ メ 筋 の Ⅰ a 抑 制 性 介 在.  正常歩行では,ヒラメ筋は立脚中期から立脚終期にか. ニューロンへの入力減少. けて活動性の増加を示すが. 27). ,本研究における. BoNT-A 投与前のヒラメ筋の筋活動は,単脚支持期に比 べ荷重応答期で高値を示した。これは Perry ら. 28). が報. 26)31). 制御による相反性抑制の改善. とレンショウ細胞の活動. 30). が関与していると考え. られる。また,関節運動を測定していないため言及でき ないが,正常歩行において前脛骨筋は踵接地後の足関節 27). ,BoNT-A. 告している片麻痺患者特有のヒラメ筋早発性活動である. 底屈モーメントに対抗して活動するため. と考えられ,BoNT-A 投与後に減少が認められた。本研. 投与後に踵接地が可能となり前脛骨筋の活動性が増加し. 究では,三次元動作解析装置を用いた関節運動の測定は. た可能性もある。. 行っていないが,15 名中 12 名で日常生活時に短下肢装.  一方で前遊脚期においては,ヒラメ筋の活動性は有意. 具を使用していること,Fugl-meyer assesment より中. に増加したが,ヒラメ筋は BoNT-A 投与筋であるため,. 等度の運動障害を有する者が多かった点を考慮すると,. 活動性が増加することは考えにくい。本研究で用いた各. 初期接地時に前足部接地になっていた症例が多かったも. 歩行相の% Avg は全歩行周期の平均値に対する相対値. のと考えられる。前述したように BoNT-A は筋紡錘か. である。したがって,前遊脚期におけるヒラメ筋の筋活. らのⅠa 感覚ニューロンの興奮性を低下させるため,本. 動は,実際には増大していないが,荷重応答期で筋活動. 研究における多くの症例で,荷重応答期における足関節. の減少が起こったため,相対的に前遊脚期では筋活動が. 背屈に伴う伸張反射が抑制されたことでヒラメ筋の早発. 増加を示したものと考えられる。. 性活動が改善したものと考えられる。.  また,BoNT-A は足関節底屈筋に投与しているにもか.  また,前脛骨筋は初期接地から荷重応答期にかけて活. かわらず,膝関節周囲筋においても筋活動変化が認めら. 動性の増加を示すが. 27). ,脳卒中患者では足関節背屈筋. れた。Dyer ら. 17). は,片麻痺患者ではヒラメ筋が活動. の活動性増加は同時に足関節底屈筋の活動性を増加さ. する際に大. せ,足関節の尖足を引き起こすことが示唆されてい. ている。この報告によれば,ヒラメ筋が活動する際,脊. る. 29). 。これはⅠa 抑制性介在ニューロンへの入力減少. により起こる,拮抗筋に対する相反性抑制の減少. 26)30). であると考えられる。一方で BoNT-A は,逆行性軸索. 四頭筋も同時に強く活動することを報告し. 髄内のレンショウ細胞はヒラメ筋への反回性抑制に加 え,大. 四頭筋運動ニューロンに抑制性のシナプスを結. 合するが,片麻痺患者ではこれらの脊髄回路に異常が起.

(7) 脳卒中患者に対するボツリヌス療法が歩行パラメータに与える影響. こり足関節と膝関節の同時収縮が起こるとされている。 また,Pauvert ら. 33). は,ヒラメ筋への BoNT-A 投与後. 483. は,歩行速度の改善を報告しているが,理学療法を併用 している研究が混在している。本研究では,理学療法を 38)39). と同様の変化が起. にレンショウ細胞の活動が抑制され,外側広筋の H 反. 併用していないため,先行研究. 射 が 減 少 す る こ と を 報 告 し て い る。 し た が っ て,. こらなかった可能性がある。Nudo ら. BoNT-A 投与後では,荷重応答期におけるヒラメ筋の活. の回復には,行動学的代償による運動皮質の機能的組織. 動性低下に伴い,大. 化が起こることを報告している。つまり,本研究のよう. 直筋の活動性も低下することが推. 40). は,運動機能. に脳卒中発症後数年が経過した症例では,代償的な戦略. 察された。  しかし,本研究において大 いて増加傾向であり,大. 直筋の活動は立脚期にお. 直筋と大. 二頭筋の CoI は. 荷重応答期で有意に増大していた。逆行性軸索輸送の速 度は 200 mm/ 日とされているため. 34). ,BoNT-A は脊髄. による歩行パターンが確立しているものと考えられる。 大畑ら. 41). は,より効率的に運動学習を行うためには,. 生理的な運動を反復させる工夫が必要であると述べてい る。本研究における治療は BoNT-A による無意識下で. 内に到達しレンショウ細胞に作用しているはずである。. の神経活動制御のみである。歩行の改善には運動学習理. それにもかかわらず膝関節周囲筋の活動が増加した可能. 論に基づいた歩行トレーニングが必要であり,BoNT-A. 性として,荷重応答期におけるヒラメ筋の活動性低下に. 投与のみで時間・距離因子が改善する可能性は低い。し. より下. 直筋の活動. たがって,歩行の時間・距離因子の改善を目的として下. 性が増加,あるいはヒラメ筋の活動性低下により支持性. 肢痙縮筋に BoNT-A を投与する場合は,理学療法を併. を高めるために大. 用させる必要性が示唆される。. 前傾に伴う膝関節屈曲が起こり大. 直筋の活動性が代償的に増加したこ. となどが挙げられる。しかしながら,本研究において, 関節角度や関節パワーの測定は行っておらず,膝関節周. 本研究の限界. 囲筋の活動性増大について言及することはできない。足.  本研究は筋電図評価が主であり,歩行時の関節角度は. 関節底屈筋への BoNT-A 投与が歩行時の膝関節筋活動. 測定していないため,筋活動変化が関節運動に及ぼした. にもたらす影響に関してはさらなる検討が必要である。. 影響は不明である。本研究の被験者は痙縮や運動障害が 中程度のものが多かった。したがって,軽度あるいは重. 3.時間・距離因子の変化. 度の障害をもった脳卒中患者に対しても同様の結果にな.  本研究において,歩幅,ストライド,ケイデンスなど. るとは限らない。また,倫理上の問題により対照群とし. の歩行速度に直接かかわる因子について BoNT-A 投与. て BoNT-A 非投与群を設定することは困難であった。. 前後で有意差は認められなかった。さらに歩行周期割合. BoNT-A 投与後に理学療法は行わず,被験者を慢性期の. においては有意な荷重応答期の減少,単脚支持期の増大. 症例のみとしたことで,BoNT-A の効果を抽出できるよ. が認められたが,中央値の差は 1%未満であった。また,. う配慮したが,本研究の結果が BoNT-A 投与のみの影. 本研究において歩行の改善に対する主観的満足度は低. 響であるか明らかではない。. かったが,時間・距離因子の改善が少なかったため,被 験者が歩行の変化を認知できなかった可能性がある。. 結   論.  片麻痺患者は歩行時に伸張反射が異常に亢進したパ.  脳卒中片麻痺患者の下肢痙縮筋に BoNT-A を投与す. 35). ることで,おもに荷重応答期で各筋の筋活動変化が確認. ターンを呈する者が多い. が,歩行時の伸張反射は. Ⅰa 感覚ニューロン由来の短潜時伸張反射とⅠb および. された。BoNT-A 投与筋であるヒラメ筋の活動が減少,. Ⅱ群感覚ニューロン由来の中潜時伸張反射に分けられ. 拮抗筋である前脛骨筋は活動が増大し,膝関節筋では同. 36). 。また,片麻痺患者の下肢機能性には短潜時伸張. 時活動指数が増大した。しかしながら,歩行周期やスト. 反射の亢進よりも中潜時伸張反射の減少が重要視されて. ライド長に関して著明な変化は認められず,BoNT-A 投. る. いる. 12). 。BoNT-A はⅠa 感覚ニューロンの興奮性を減 10)37). 与のみでそれらが改善する可能性は低い。したがって,. ため,短潜時伸張反射に与える影響が大. 慢性期脳卒中患者に対して時間・距離因子の改善を目的. きいと考えられる。本研究において,伸張反射の変化が. に BoNT-A を投与する場合は,理学療法を併用する必. 歩行の時間距離因子に与えた影響については言及できな. 要があると考えられ,その併用効果についてはさらなる. いが,中潜時伸張反射が改善した可能性は低い。. 検討が必要であろう。. 少させる.  我々の先行研究において. 38). ,片麻痺患者への BoNT-A. 投与後に理学療法を併用し,立位姿勢における足関節内 反尖足の減少,足底接地面積の増大を認め,さらに歩行 速度およびストライドの増大を認めた。BoNT-A 投与が 歩行速度に与える影響を調査したメタアナリシス. 39). で. 文  献 1)小川 彰,出江紳一,他:脳卒中治療ガイドライン 2015. 協和企画,東京,2015,pp. 295‒298. 2)Sheean G, Lannin NA, et al.: Botulinum Toxin assessment intervention and after-care for upper limb hypertonicity.

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(9) 脳卒中患者に対するボツリヌス療法が歩行パラメータに与える影響. 〈Abstract〉. The Effects of Muscle Activity and Spatio Temporal Parameters after Botulinum Treatment for Hemiparetic Gait. Kazuki FUJITA, PT, MSc, Hideaki HORI, PT, PhD Department of Rehabilitation Physical Therapy, Fukui College of Health Sciences Kazuki FUJITA, PT, MSc Division of Health Sciences, Graduate School of Medical Sciences, Kanazawa University Hiroichi MIAKI, PT, PhD, Takao NAKAGAWA, MD, PhD Faculty of Health Sciences, Institute of Medical, Pharmaceutical and Health Sciences, Kanazawa University Yasutaka KOBAYASHI, MD, PhD Department of Rehabilitation, Fukui General Hospital. Purpose: The purpose of this study was to investigate the impact of botulinum toxin type A (BoNT-A) administered for lower limb spasticity on the gaits of hemiplegic stroke patients. Methods: Subjects comprised 15 chronic stroke patients at least 6 months after their stroke. A total of 300 units of BoNT-A was injected into the gastrocnemius, soleus, tibialis posterior, flexor digitorum longus and/or flexor hallucis longus according to each patient’s condition. Each subject was asked to walk 10 m, and lower limb electromyography (EMG), gait velocity, gait cycle, and stride length were measured before and 2 weeks after BoNT-A injections. For EMG analysis, the gait cycle was divided into phases (i.e., loading response, single support, pre-swing, and swing), and the average amplitude and coactivation index of each phase were calculated. Results: After BoNT-A treatment, there was a significant increase in the muscle activity of tibialis anterior (97.3% ‒ 111.0%), significant decrease in the muscle activity of soleus (176.3% ‒ 142.4%), and significant increase in the coactivation index of rectus femoris and biceps femoris (112.9% ‒ 129.5%) during the loading-response phase. There were no significant differences in spatial or temporal parameters before and after treatment. Conclusion: BoNT-A treatment changed soleus muscle activity during gait, which resulted in changes in the muscle activity of tibialis anterior and the coactivation of knee joint. However, the lack of change in spatial and temporal parameters indicated that walking ability was not improved by BoNT-A treatment alone. Therefore, while BoNT-A treatment resulted in changes in lower limb muscle activity, it is unlikely that it alone can improve spatial and temporal parameters. Key Words: Botulinum, Stroke, Electromyography, Gait. 485.

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