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伊豆大島で観察されたムラサキオカヤドカリ

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(1)

C arcin% gica/ Society

0/

Japan

伊豆大島で観察されたムラサキオカヤドカリ

R e c o r d o f l a n d h e r m i t crabs,

Coenobita purpureus

f r o m

Izu

O s h i m a, T o k y o, J a p a n

小宅昭樹

l Shoji O y a k e . は じ め に オカヤドカリ属

Coenobita

は十脚甲殻類の陸生の ヤドカリで,十脚目異尾下目オカヤドカリ科に属す る. 世界で 15 種が確認されており( 沖縄県教育委 員会, 2006),これまでに国内では 7 種が確認され ている( 朝倉,2004). 国内では沖縄諸島・奄美諸 島 ・小笠原諸島 ・高知県 ・南紀 ・八丈島等に生息す る と さ れ る (三宅, 1982). 伊豆大島を含む伊豆諸島北部でも種は不明だが, オカヤドカリ属の生息が報告されている( 東京都大 島支庁, 2006). 筆者は 2009年 8 月に伊豆大島の西 岸部にてフィ ールド調査を行い,オカヤドカリ属の 生息、種を確認した. 今回,確認できたのは 33 個体であり,全てムラ サキオカヤドカリ

Coenobita purpureus

であった. 各 個体は前甲長,鉛脚幅の体部位を計測し,雌雄の別 を記録した. また宿貝の貝高,貝幅,貝口高,貝口 幅を計測し,貝種を記録した. 確認した個体は計測 後,全て解放した. このフィールド調査の結果と,生息の条件となる 気象状況について,従来,オカヤドカリ属の生息が 確認されている南紀白浜と,調査地の伊豆大島との 比較を報告する. また,調査方法を評価するために 実施した,沖縄本島の恩納村での観察を併せて報告 l 湘南大磯生物研究会 干255--0005 神奈川県中郡大磯町西小磯 Shounan Ooiso Biological Society

Nishikoiso, Naka思m Oisom achi, Kanagawa 255--0005,

Japan E-mail: [email protected] する. 本稿は,日本甲殻類学会第 49 回大会のポスタ ー 発表内容を基に,補足 ・再構成したものである. . 材 料 と 方 法 1. 調査地 調査地の伊豆大島は,伊豆諸島北部に位置する伊 豆諸島最大の島である . 本州で最も近い伊豆半島か らは南東方約 2 5 k m に位置する . 伊豆大島は富士箱 根伊豆国立公園の一部で,全島の 90% 以上が国立 公園に指定されている . 地番: 東京都大島町( 北緯 34 度 44 分 東 経 139 度 24分) 調査地および調査地に生息する個体群の保護の観 点、から,正確な地番の公聞は差し控える. 調査地を 図 l に示す. フィールド調査は島の西岸部にて実施 した. 図1 . 調査地( 出典:

i

電 子 国 土J U R L h即 :// cyberjapan.jp/,一部改変) .

(2)

図2. 調査地N 浜,岩礁浜の聞の小規模な砂磯浜. 体の収集は,順行跡が多く観察された H 浜で実施し fこ. (1) 個体収集 個体の収集には撒き餌収集法を利用 した. 撒き餌収集法では,誘引用飼料

80

gを調査地 の砂浜と草地 の境目に5 m毎lこ10箇所,草地に5 m ほど入った地点に並行して10箇所,計2 0箇所に散 布した . 散布は夕刻6時に行い, 以降夜間3時間お きに観察した. 誘引用飼料はウズラ飼育用の餌を利 用した. 3. 個体観察 (1) 記 録 個 体採取時には状況をデジタルカメラ (μ830,オ リンパスイメ ー ジング社製) で撮影した. ま た 採 取 地 表 の 気 温 湿 度 を 温 湿 度 デ ー タ ロ ガ ー CSK-L200TH IIα,佐藤計量器製作所製) で小数点 以下 l位まで測定した. 合わせて天候 ・風向を記録 した. (2) 個体 採取個体は麻酔をかけて,体部位の測定 と雌雄の確認を行った. 体部位は前甲長と左鉛脚幅 を測定した. 測定はデジタ ルノギ ス

Cs

Cal P R O, シルパック社製) で小数点以下2 位ま で測定した. 麻 酔 は オ イ ゲ ノ ールが 主 成 分 の 甲 殻 類 用 麻 酔 剤 (FA IOO,田村製薬製) を使用し, 0.5% 水溶液を調 図3. 査地 H 浜,火山岩が砕かれた砂浜, 左上構 製して10 分間浸水させた. 造物は飛砂防止用の竹囲い (3) 宿貝 利用している員穣の確認と貝形の測定を 行った.

i

JlIJ定は同様にデジタルノギスを使用した. (1) N浜 西岸部北部に位置し ,岩礁浜の多い伊豆 貝表面の著しい突起や陥没は測定から除いた. 大島では稀な砂磯浜である . 砂磯浜に続いてハマ ゴ ウ,ハマウド ,ハマカンゾウ,チガヤ , スス キ等の 草地, 更にシノダケ, トベラ,ヤブツバキが生育す る疎林から崖へと続く. N 浜を図 2 に示す. (2) H 浜 西岸部南部に位置し,火山岩が砕かれた 黒い砂浜である . 南端は岩礁帯になる. 砂浜に続い てハマゴウ,ハマウド ,ハマナタマメ , チガヤ等の 草地,更に飛砂防止用の若い黒松の植樹林が続く. H 浜を図 3 に示す. 2. 調査方法 調査は 2009年 8月8日か ら9 日に,昼夜をかけて日 中は海岸域の踏査,夜間は個体の収集と観察を行っ た. 調査地では,日 中に何箇所かの砂地で個体の照 行跡を観察できたが,生体は観察できなかった. 個 4. 情報収集 (1) 文献調査とインタビュー 今回のフィ ールド調 査の契機となった ,東京都大島支庁の『管内概要』 について,オカヤドカリ属の記載の経緯を確認し た. また,伊豆大島にて活動するネ イチャーガイド に,オカヤドカリ属の生息情報のインタビューを 行った. インタビューは電子メール及び電話で問い 合わせを行った. (2) 南紀白浜と伊豆大島の気象状況 南紀白浜と伊 豆 大 島 の 気 象状況について,情報の収集と分析を 行った. データは気象庁の気象統計情報を利用した. 5. 調査方法の検証 筆者は 個 体 の収集に撒き餌収集法を採用してい

(3)

観察個体一覧 表1 . 前甲長 (m m) 体色 11 白 白 白 灰 白 灰 灰 灰 灰 紫 青 紫 紫 紫 紫 白 白 白 白 白 白 白 茶 茶 茶 灰 茶 凶 灰 紫 紫 紫 乳 乳 灰 青 乳 紫 青 紫 青 薄 乳 乳 乳 乳 乳 乳 乳 薄 薄 薄 青 薄 手 雌雄 ♂ ♂ 早 早 平 ♂ 宇 宇 ♂ 平 ♂ ♂ 。 ? ♂ 早 ♂ ♂ ♂ ♀ ♀ 平 ♂ ♂ 平 ♂ ♀ 宇 ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ 5.12 5.90 6.33 6.58 9.54 9.87 11.56 11.62 13.01 13.31 14.52 14.78 16.27 17.39 18.92 19.09 4.00 4.15 4.20 5.04 5.62 6.02 6. 14 6.59 7.85 8.32 10.16 10.65 10.82 12.33 12.93 16.63 16.64 C. purpureus 〆 〆 種 類 11 11 No. 11 11 11 11 11 11 ノノ 11 11 11 11 11 11 11 11 〆1 11 11 11 11 f〆 11 -a 今 & 今 J A 守 , 、 “ ζ U 勺 F O o n y A V ' E 今 , “ 今 J A 斗 ペd ぷ U 勺 J O O O Y A U t a 今 L 司 J A 崎 町 弓 d ぷ U マ ' 0 0 0 フ ハ υ 1 1 ぺ 54 今 3 l l l R I S I B I l i -1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 3 3 3 る. この撒き餌による調査方法を評価するため, 2009年5月と7月,沖縄本島中央部の恩納村で, 夜 間に撒き餌による収集を実施した. 収集は5月23日から24日と. 7月4日か ら5日の2 回,海岸域にて撒き餌をそれぞれ10箇所に散布し た. 散布は夕刻6時に行い,以降夜間3時間おきに 観察した. 誘引用飼料は同様にウズラ飼育用の餌を 利用した. 11 1. 個体観察 ( 1 ) 観察された個体 H浜にて観察した個体の一覧 を表1に示す. 観察できたのは33個体である. N浜 では日中の踏査で艇行跡は確認できたが,夜間観察 は行っておらず,生体は観察されていない. 観察し た順行跡を図 4 に示す. (2) 生 息 種 朝倉 (2004) の検索表か ら生息種の同 定を行った. 眼柄が扇平であること ,左紺脚拳部外 面上部に斜向頼粒列があること,左鉛脚拳部上縁に 毛東列があること,左第 3 脚前節が短く丸まってい ること,雄の第 5 脚底節突起は右側が伸長し後方に 湾曲して いること,眼柄に 黒斑がないことから ,全 てC .purpureusと判定した. 体色は乳白色から紫色 まで様々である . 観察個体の l例を図 5 に示す. (3) サ イ ズ 分 布 と 雌 雄 比 観察された個体につい て,前甲長のサイズ分布と雌雄数を比較した. ここ m m未満を小型個体,同 m m未満を中型個体. 1 5 m mを超える個体を 大型個体と表記する. また5 m m未満を極小個体と m m未 満の小型 ・中型個体に偏りがある . また,前甲長 2 0 m mを超える特大個体は観察できなかった. 採取 された個体のサイズ比を図 6 に示す. 観察された雌の最小個体は前甲長4 . 2 m m . 最大 個体は同18. 9 m mである. 雄の最小個体は前甲長 4 . 0 m m . 最大個体は同19.0 m mである. 雌雄のサイ ズ分布を図 7 に示す. 雌雄比は5 8 % : 4 2 %であり,若干雄が優位であった. (4) 宿 貝 宿 員 の一覧と貝種組成を表 2 と図 8 に示 す. 中型個体以上ではサザエ,テツボラが主に宿貝 として利用されていた. 小型個体ではレイシ, 果

国 語

オカヤドカリ属の! 随行跡. 図4. コシ

(4)

表 2. 宿貝一覧 No. 貝種 貝高 貝幅 適合度 (m m ) (m m) レイシ 20.04 14.50 適合 2 レイシ 28.30 2 1.35 大 3 レイシ 28.53 19.26 過大 4 レイシ 26.95 18. 15 適合 5 コシダカサザ、エ 30.23 23 .98 6 サザエ 47.38 36.45 過大 7 テツボラ 40.05 32.1 1 適合 8 カコボラ 56.41 35 .12 適合 9 テツボラ 46.60 29.81 過小 図 5. 観察されたムラサキオカヤドカリ. 10 サザエ 41.26 34.66 過小 11 サザエ 40.36 36.00 12 サザエ 44.85 37.52 13 サザ、エ 43.31 41.23 過小 14 サザエ 44.09 37.64 過小 15 サザエ 52.35 41.95 過小 16 サザエ 46.96 42.48 過小 ロ極小 (.開6長官) 過大 17 レイ シ 23 .79 15.67 ロ小型 (.附叫L上1曲師事ミ盲) 過大 18 レイシ 21.35 13.22 ロ中型 (,印刷品上" " 靴乳首) 19 レイシ 19.35 13 .28 大 ロ大型(15",,",1土2加E末盲) 20 レイ シ 20.16 16.12 大 2 1 コシダカサザ、エ 19.46 16. 15 図 6. 観察個体のサイズ比. 22 イボニシ 25 .1 4 16.90 適合 23 コシダカサザエ 19.98 17.57 大 24 レイシ 29.69 20.24 大 ヲイズ分布♀ 11 25 レイシ 29.64 20. 15 適合 26 レイシ 38.20 26. 10 大 20.0. 1120.0.

I Idτ

コ│ 27 テツボラ 42.80 31.70 適合 28 レイシ 40.39 25.36 適合 29 テツボラ 38.11 27.49 30 サザエ 39.41 35.64 適合 15.0. 1115.0. 1 11 31 テツボラ 44.95 29.47 32 サザエ 47.89 35.69 過小 33 サザエ 44.09 41.34 過小 適合度: 個体と宿員の組合せサイズを,個体から見た 尺度 10.0.111 0 0. 11 過大: 左鈎脚が貝口から見えなくなっている状態 大 : 左錯脚が貝口から奥まっている状態 適合: 左錯脚,左第三脚指節で 員口が閉ざされてい る状態 小 左第三脚指節が員口から露 出している状態 5.0. 11 5.0. 11 過小・左第三脚指節以外が貝口 から露 出して いる状 態 ダカサ ザエが主 に利用されていた. 利用されていた 宿 貝 は い ずれ も 調 査 地 で は 普 通 種 で あ った . 4 3 2 。0.0. 11 0.0. 2 3 41 2. 文 献 謁 査 と イ ン タ ビ ュ ー 結果 図 7. 観察個体 のサ イズ分布. 今 回の調査の契機となった, 東 京都 大 島 支 庁 の

(5)

前甲畏 1蜘晶、11 0 =16 前甲長 1僧欄以よ 附=17 団

"

5叫

"

1α鴻 図8. 宿貝の貝種組成. 『管内概要』は年報である. オカヤドカリ属の初報 は,平成18年度版 (2006年11月発行) である. こ の記載について,東京都教育庁大島出張所に問い合 わせた. 『管内概要』の記載は当時,地元住民からのオカヤ ドカリ属の生息情報が寄せられたものが起因であっ た. 教育庁による調査の結果,オカヤドカリ属の生 息が実際に確認され,管内文化財として記載された とのことであった. 残念ながら,当時の担当者は離 任されており,調査記録も残されておらず,当時の 調査地 ・個体数 ・観察種などは確認できなかった. また,伊豆大島にて活動するネイチャ ーガイドに, オカヤドカリ属の生息情報のインタビュ ーを行った. 伊豆大島では筆者が調査した西岸部以外に,東岸部 でも個体が確認されており,オカヤドカ リ属の生息 は関係者の間では広く知られているとのことであっ た. また,伊豆大島在住のヤドカリ類の研究者から は, 60歳代の地元住民か らの話として,

i

子供の ころ はもっと多くのオカヤドカリがいた」との証言も得 ていた. 東京都大島支庁の報告も,この住民からの 報告により調査が行われた結果であった. 3. 気象状況 ( 1 ) 伊

E

大島の気象状況 伊豆大島の気象状況を表 3と図 9 に示す. 伊豆大島の 気候区分は,黒潮暖流 の影響を受ける温暖多雨の海洋性気候である. (東 京都港湾局,2003) 伊豆大島では l月から 2 月にかけて最低気温,平 均気温共に最寒期である. 期間内に記録された最低 気温は2006年 の一 1.60 Cである. 氷点下まで低下し ない温暖な年もあり, 2007年の最低気温は1 .50 Cで ある. なお,気象統計情報は「大島北 ノ山 アメダ 表3. 伊豆大島における気象観測結果 2003年 20 11年( 出典「気象庁気象統計情報J U R L http://w w w.jma.go.jp. 一部改変) 気温

CC)

区分 最高 最低 平均 2003年 32.0 - 0.3 16.4 2004年 33.5 0.9 17.5 2005年 31.7 - 0.1 16.3 2006年 32.0 - 1.5 16.4 2007年 31.7 1.5 17.0 2008年 32.9 0.3 16.7 2009年 30.6 0.8 16.7 2010年 33.4 0.7 17.1 2011年 32.1 - 1.4 16.7 期間内 32.2 - 0.1 16.8 2003-10年 32.2 0.0 16.8 t 月平均眠、墨田年間聖化(1刊E柑司2 c 四年-2011年)

"

30

2

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2

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10 0 1月 2月 3月 4月 s月 e月 7月 8月 8月 10月 11月 12月 図9. 伊豆大島の年間気温変化. ス( 標高38 m, 北 緯34度46.9分 , 東 経139度21.7 分)J を利用しており,資料年数は8年間である. また観測地点は海岸域ではない. (2) 南紀白浜の気象状況 南紀白浜の気象状況を表4 と図 10 に示す. 南紀白 浜の気候は温暖で,隣接する潮岬の暖かさは九州の 鹿児島県にほぼ匹敵する( 和歌山県企画部,2007). 南紀白浜では l月から 2 月にかけて最低気温,平 均気温共に最寒期である. 期間内に記録された最低 気温は1981年の- 3 f Cである . 氷点下まで低下し ない温暖な年もあり, 2007年の最低気温はO.4O Cで ある. なお,気象統計情報は「南紀白浜 アメダス ( 標高32 m,北緯33度40.7分,東経135度20.8分)J

(6)

を利用しており , 資 料 年 数 は 2 9 年 間 で あ る . ま た 観 測 地 点 は 海 岸 域 で は な い . な お , 南 紀 白 浜 ア メ ダスは 2010 年以降,観測を停止してい る. 表 4. 南紀白浜における気象観測結果 1981 年 2009年( 出典 「気象庁気象統計情報JU R L http://www.jma.go.jp. 一部改変) 気温

CC)

最 低 区分

4.

沖縄本島における調査結果 収集さ れた個体の種は,ナキオカヤドカリC . rugo-sus とC . purpureus であ った. 5月にはオオナキオカ ヤドカリC . brevimanus も確 認 さ れ た . 個 体 の種は いずれの月 も, C. rugosus が優勢であった . 個 体 の サイズは,小型と中型が多く, 一 部 に大型の個体も 確認できた . 雌雄の別は確認していない . 調査地では日中,海岸の磯の間や岩の窪みで,当 年に鮮化したと恩われ る多数の微小個体を確認して いた. しかし,撒き餌では夜間に微小個体を収集す ることはできなかった. 思、納村での5月の調査地と 収 集 状 況 を 図 11, 図 12 に示す. 7 月 の調査地 と 収集 状 況 を 図 13 ,図 14 に示す. 最高 33.4 32.1 34.7 32.9 34.3 33.5 32.1 32.5 32.0 33.6 33.9 32.7 31. 7 34.5 33.8 33.2 33 .3 35.1 32.7 34.3 34.2 34.1 33.4 33 .9 33 .6 34.4 34.3 34.8 33.4 観測停止 平均 1981年 1982年 1983年 1984年 1985年 1986年 1987年 1988年 1989年 1990年 1991年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 期間内 9 1 5 9 0 3 0 4 0 3 2 8 5 6 7 6 1 a 2 4 2 1 4 2 8 9 3 7 1 5 -a ・ ・ ・ ・ ・ 目 ・ ・ ・

d r o f o q d 勺 j r O 守 / ζ U 勺 / 弓 / 司 / r O ぷ U 弓 f ぷ U 4 U 勺 I 。 。 勺 t 勺 f 勺 J 守 f 勺 , 勺 f r O 守 / 守 / 勺 / 司 / I l l 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 - 3.7 1.4 - 1.1 - 1.6 J.3 - 1.5 0.2 - 1.5 0.3 - 0.7 - 1.0 - 0.2 - 0.6 - 2.0 - 0.9 - 1.0 2.4 しO 1.6 - 1.2 - 1.3 - 0.1 2.4 1.2 - 0.5 1.0 0.4 - 0.5 - 0.4 図 11. 恩納村 5 月, 調査地は樹高 3 m ほどのアダン林. 33.5 34.0 - 1.1 17.0 17.4 2003-10年 0.8 'c 月平均百旦の年間変化( 評恒Js'..:198 1- 2 010年) 35 30 25 20 15 10 図 12. 恩 納 村 5 月, 右 上 の 撒 き 餌 に 誘 引 さ れ た Coenobita rugosus (4), Coenobitas purpu陀 削

(3), Coenobita brevimanus (2).

0

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 8月 10月 11月 12月

図 10. 南紀白浜の年間気温変化.

(7)

図13. 恩納村 7月,調査地はサンゴ砂と隆起石灰 岩の海岸.

図14. 恩納村7月,中央下の撒き餌に誘引され たCoenobita rugosus (約30),Coenobila purpureus (約 20). 考 察 1. 伊豆大島での生息情報 文献調査とインタビューから,オカヤドカリ属は 伊豆大島の複数個所で,観察されていることが判っ た. また近年,いわゆる 「温暖化」により,生物層 の北進が話題になることが多い. しかし,伊豆大島 2. 観察した種 今回の調査で同定できた生息種は,全てC .purpureus であった. 南西諸島で多く生息する, C. rugosusは 観察されていない. 南紀白浜の記録でもC .purpu問us 102個体に対して, C. rugosusは9 個体であった (今 福 ・池田, 1987). 筆者が 2008 年に行った神奈川県 真鶴岬の調査でも,観察されたのはC .purpureusの みであった( 小宅 ・藤川, 2009). 沖縄県及び鹿児島県の調査で, C. rugosωに比較 してc . p uψur印,Sは生息の中心が北方に偏っている ことが報告されている ( 沖縄県教育委員会, 1987; 鹿児島県教育委員会,1987). これらか ら, C. purpureus は,南西諸島で観察されるオカヤドカリ属6種のな かで,より低温に適応した種ではないかと推定され る. 3. 観察した個体群 個体群を分析すると ,前甲長を基準としたサイズ る. 前甲長 5 m m 未満の極小個体は観察数が少な い. 沖縄島南部での観察では,個体のサイズ分布は 育委員会, 1987) ,今回の調査 と差異が見られる. 5.5 m mの個体は鮮化後 2 年であることが確認されて いる. このことから,今回の調査では,勝化後 l年 未満の微小個体は観察されていないことになる. 観察した個体群が自然分布ならば,サイズ分布は 微小個体ほど多い,いわゆるピラミッド型を示すは ずである. この点は疑問があるが,調査回数 ・観察 数が僅かなため,今回は判断できない. でのオカヤドカリ属の観察は,近年に限ったことで 4. 調査方法の評価 はない. 前述の個体群のサイズ分布は,神奈川県の真鶴岬 伊豆大島と南紀白浜の気象状況は,対比可能な の調査でも,問機な偏りが見られた(小宅・藤川, 2003年から 2010 年を比較すると最低気温に関して 2009) . 沖縄本島の恩納村での観察でも,日中に自 は,伊豆大島のほうが温暖である . 気象状況から見 然状態で確認でき た微小個体が,夜間の撒き餌では ると,オカヤドカリ属の生息は十分可能である. 収集することが出来なかった. これらのことから,伊豆大島に生息するオカヤド 筆者の調査では,いずれも誘引用の撒き餌を利用 カリ属は,自然、分布と考えても良いだろう. しており,自然、状態での観察ではない. 当年に解化 した微小個体にとって,より大型の個体が集まる撒 2 9

(8)

き 餌 は , 騒 が し く 危 険 な 場 な の で あ ろ う か . ま た は,微小個体には用いた撒き餌が有効では無いのか も しれない. 夜行性の生き物であるオカヤドリ 属を 収集するには,撒き餌法は非常に有効だが,極小個 体の生息状況など,生息の実態を調査するには,別 の手法を考案する必要があると考える.

E

語 辞

今 回の報告にあたり ,貝種の 同定をいただいた葉 山しおさい博物館の池田等館長に 心か ら感謝する.

E

7

朝 倉 彰 , 2004. ヤド カリ類の分類学,最近の話題一 オカヤドカリ科. 海洋と生物, 26 (1): 83-89. 池田久平日・ 今福道夫, 1987. 白浜におけるオカヤドカ 3 0

I. C

滋初. ,.

21

(;却

12)

リの越冬. 南紀生物,29 (2): 84-88. 鹿児島県教育委員会,1987. 鹿児島県 のオカ ヤド カリ 属. 生息実態緊急調査報告 64 pp. 鹿児島県教育 庁文化課,鹿児島. 三宅貞祥, 1982. 原色日本大型甲殻類図鑑( l ). 3 刷, 115-117. 保育社,大阪. 沖縄県教育委員会,1987. 沖縄県 天然記念物調査シ リーズ第 29 集. ["あ まん

J.

オカヤドカリ 生息実態 調査報告. 254 pp 緑林堂出版,沖縄. 小宅昭樹 ・藤川知之, 2009. 相模湾真鶴岬におけ るオ カヤドカリ属の観察記録について. 神奈川自然誌 資料, (30): 55-63 東京都大島支庁, 2008. 管内概要. 平成 20 年版. 第 6 章 2 項 (8) 文化財, 92- 195 . 東京都大島支庁総務 課,東京都. 東京都港湾局, 2003. 伊豆小笠原諸島沿岸海岸保全基 本計画. 第 2 章 伊豆小笠原諸島沿岸の 現況. 2-1 自然特性, 5-7. 東京都港湾局,東京都. 和歌山 県企画部,2007. 図表で見る県勢. 第 l章 総 論. 1 気象 ・地勢, 1 和歌山県企画部,和歌山 県.

図 2. 調査地N 浜,岩礁浜の聞の小規模な砂磯浜. 体の収集は,順行跡が多く観察された H 浜で実施しfこ.(1)個体収集 個体の収集には撒き餌収集法を利用した. 撒き餌収集法では,誘引用飼料80g を調査地の砂浜と草地 の境目に5 m毎lこ10箇所,草地に5 mほど入った地点に並行して10箇所,計2 0箇所に散布した
表 2. 宿貝一覧 No.  貝種 貝高 貝幅 (m m )   (m m)   適合度 レイシ 20.04   14.50  適合 2   レイシ 28.30  2 1 .3 5   大 3   レイシ 28.53  19.26  過大 4   レイシ 26.95  18
図 13. 恩納村 7月,調査地はサンゴ砂と隆起石灰 岩の海岸.

参照

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