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目録の現在と未来

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Academic year: 2021

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目録の現在と未来

– その価値を考える

-慶應義塾大学メディアセンター本部 佐藤 康之

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本日のトピック

 目録の価値を考えてみる

 従来の価値とはなんだったんだろう? (省略)

 インターネットの時代における価値とは?

 海外では、どのように考えられているのか?

 目録の価値を向上させるために

目録の現在と未来。正直言って先のことは良く分からない。

ですので、今日は普段考えていることを話します。

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まずは、図書館の蔵書の価値

 記載された情報としての価値

 物としての価値、存在そのもの

 極端な話、並べておくだけでも利用できれば価値がある

 空気、鉄、ガス、水道、電気、電話、自動車、新幹線、航空機…

 「情報資源」といわれる所以

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それでは、目録の価値は?

 目録そのものに価値があるのか?

 目録を手がかりに蔵書に辿りつけるから価値がある。

 目録は図書館蔵書の付加価値サービスだと思う。

・ どのように目録を利用したいか、されるかが重要

・ 付加価値は、環境変化(ニーズ)に強い影響を受ける

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あらゆる情報が氾濫するインターネット

 情報キャリア(搬送者)としてのマルチメディア(媒体)

 情報の意味は変わりつつある?

・ コンテンツ

・ サービス

– Google、Amazon、PodCast、YouTube …

・ コンテンツとサービス

– ブログ、Wikipedia、Mixi …

 自己責任の(品質の保証がない)世界

 「インターネットにない情報は存在しない」と思いたい人達

 情報の意味は、バーチャルとリアルの融合でさらに複雑化

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全てを一元的に探索し、発見し、入手する

 HTMLテキスト、PDF、音声、静止画像、動画、そしてサービス

 全てに全文(フルテキスト)がある訳ではない

 一元的に探索し、発見し、入手するには?

 現在の情報技術では、文字による共通情報表現のみが頼り

 情報の内容を説明する情報(=メタデータ/目録)が鍵になる

・ W3C – Resource Description Framework (RDF)

・ LC – Metadata Object Description Schema (MODS)

・ LC – Resource Description and Access (RDA)

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図書館蔵書を探索、発見の対象にする

 図書館蔵書の存在をインターネットへ押し出すこと

 ハイブリッドな図書館サービスの一側面

図書館蔵書をインターネットでの探索、発見の対象にすることでユーザの 視認性を高めるとともに、他の電子資源と同様に図書館蔵書への誘導経 路を確立する

 図書館蔵書の価値を向上させる=付加価値サービス

 メタデータ/目録標準の向かう先はクロスウォーク

・ MARCXML

・ Metadata Object Description Schema (MODS)

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RLG Programs の行動計画

 RLG Programs

RLGとの合併により誕生したOCLC Programs and Research内の活動

 行動計画

RLG Programs Work Agenda. Public Version 1.0 May 23, 2007

 6つのテーマと18のプログラム

テーマ1:研究、教育、学習の新たな形態を支える テーマ2:全体的なコレクションを管理する テーマ3:記述と組織化作業の刷新 テーマ4:新たなサービス基盤を形成する テーマ5:計測と挙動

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RLG Program:記述と組織化作業の刷新

 メタデータの作成過程を変える

・ 最初に検索エンジンを利用するユーザコミュニティ ・ 図書館、文書館、博物館の所蔵する資料に導くためのメタデータ ・ データ内容レベルでの記述の違いの解決する ・ ワークフロー及び組織的に異なる作業を解決する 

効率的なメタデータの作成過程を支援するツールとサービス

・ プロセスの標準化 ・ 目録担当者に必要な変化を起こさせる新たなツールを普及させる

 効果的な発見のための語彙の活用

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カルホーン・レポート

 米国議会図書館(LC)委託調査最終レポート

The Changing nature of the catalog and its integration with other

discovery tool. Karen Calhoun, Cornell University Library, March 17, 2006

 現状認識

・ 他の発見ツールを好み図書館目録を素通りする学生、研究者 ・ 図書館目録の価値(需要)は相対的に衰退、一方で運用は供給過剰

 ビジネスにおける製品ライフサイクルモデルを援用

 研究図書館の目録の再活性化戦略

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カルホーン・レポート:目録の再活性化戦略

 延命:機能改善とコスト削減により目録を延命させる

目録の中に電子資源を含める、ブラウジングのための機能を追加する、 パスファインダーの設置、文献管理ソフトウェアとの連携、コピーカタロギ ングの徹底、品質よりも作業スピードの重視、自動処理の強化

 拡大:外部機関との連携によって新しいユーザを獲得する

目録をウェブの発見ツールと統合する

 先導:教育・研究を支援する情報システムにおける役割

図書館のデータを大学や授業のポータルへ提供する

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カルホーン・レポート:インタビューの声(1)

・目録検索の方法を知っているユーザは優れた結果を得る。 ・学生や若手の教員は、伝統的な書誌ツールの教育を受け図書館の伝統に深く依存する旧世代の ユーザと異なった期待を持っている。 ・目録レコードにおける図書館の独自仕様は少しの利点もない。そのような「無駄なバリエーション」は 今、重要には思えない。1980年代、90年代においてそのようなバリエーションは正当化できたが永く は続かない。 ・フルテキストの中で人名や地名を(コンピュータ的に)識別又は正規化することには大いなる価値があ る。地名辞典や人名典拠ファイルは、より顕著に必要とされる。 ・AACRや関連する目録規則の背後にある知的な考えは失われるべきではない。しかし多くの詳細事 項はコンピュータ処理には上手く適合しない。 ・メタデータを使った発見のための書誌構造的なアプローチは極めて重要である。とりわけユニークな 特殊コレクションにとって。 ・目録規則に関連するより重要な課題は、コンピュータ媒体でコンテンツがより多く使えるようになる世 界で、どのように変わるかだ。 ・RDAは明確なビジョンだ。どのようにコミュニティがメタデータをコード化するか、またコミュニティを横 断した情報検索に関してグローバルなインパクトを持つ。

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カルホーン・レポート:インタビューの声(2)

・図書館は、目録データを過去よりも積極的に使い、より多く処理し、より広く渡るようにするべきだ。 ・目録は全てを持つ必要はない。しかしユーザは全てを一緒にもたらしてくれる検索エンジンやポータ ルを望む。 ・図書館コレクションに関するデータは、図書館のインターフェースと同様にGoogle又はその他のよく 知られているサイト上にあることを必要とする。 ・Google検索のための図書館目録のインデックスは社会を混乱させるだろう。なぜなら、Google内に おける数百万のノイズレコードを引き合わせるから。 ・Googleはその場で得られる満足を提供できる。図書館は一般的にそうはできない。特に物理的な所 蔵に関しては。 ・目録は、検索エンジン経由では得られない情報(図書館の内部のみで得られる情報)へのアクセスを 提供するときに唯一の利点を持っているラスト・マイル技術だ。 ・館内業務のための目録の支援は、より重きを置かれるだろう。…我々は目録記述を財産取引や情報 を使う利用者、権利取引、財産管理システム、書庫システムにつなげる必要がある。

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メタデータ/目録担当者として

目録規則の専門家は、メタデータの専門家ではない

・ 情報媒体の特性を理解し、それをどう表現するか ・ 新しい記述方法(コーディング)を生み出す目利き ・ 常に利用される側から考える姿勢

 アーキビストとしてのメタデータ/目録担当者

・ 流用という仕組みは、あまり機能しない ・ 単に発見、誘導のための記述だけではない ・ 特殊コレクションに適合した記述の選択 ・ 様々な媒体に適応する管理・保存技術に対する知識

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目録の経済性を見直す

 経済性を維持するために思い切った妥協を

・ 各図書館個別の目録仕様の意味 ・ 流通経路の川上を効率よく使う ・ 精度よりも網羅性とスピードが重要 ・ 共同分担ではなく、集中処理・共同利用の発想

 遡及:蔵書の再活性化のために

・ 書架にあるだけでは、ますます存在は薄くなる ・ 目録仕様の選択と集中による低コスト化

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さらにリッチなコンテンツに

 表紙画像や目次、書評も

・ 記述の拡大や新しい作業はコストがかかりすぎる ・ 目録仕様への影響も大きい ・ マッシュ・アップ:インターネットの他のサービスとの連携

 フォークソノミー:利用者参加型の目録を理解する

・ 主題分析は最もコストのかかる作業 ・ 統制語の維持は常に後手に回る ・ ユーザの用語との間にギャップがある ・ タギングは、これらを補完するかもしれない

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目録を図書館から解き放つ

 図書館とインターネットとの相互運用性を確立する

・ XMLというレコードシンタックスが持つ力 ・ AACRはRDAへ、MARCはMARCXML、MODSへ ・ NCR、NACSIS-CATは?

 「誘導のための種まき(データフィード)」という考え方

・ RSS ・ リンク・リゾルバとGoogle Scholar ・ CiNiiとGoogle Scholar

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目録の価値を向上させるために

 情報サービスとしての目録を考える

・ 既存の慣習にとらわれないユーザの視点によるサービス重視の意識

 目録作成の経済性を維持する努力

 価値ある図書館蔵書への誘導経路を確立する

・ あらゆる情報資源を一元的に発見し入手できるように目録を再活用 ・ 総合目録の新しい役割:他のインターネット・サービスとの接点

 Web2.0的な発想で目録のリッチ・コンテンツ化を考える

 アクセスからデスクトップへ、新しいOPACのあり方を考える

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私、個人としては

目録の未来のために必要なことは、従来の規則や慣習にとらわれて単に現 状の仕事を継続することではない。 最重点事項はユーザに支持される付加価値の高いサービスの実現であり、 目録はその基礎となるべきものでなれければならない。 目録のための目録ではなく、新しいサービスのために何が必要か、何が変わ らなければならないかを考える必要がある。 一図書館が単独で実現できることは限られている。図書館界全体でインター ネットの新しいプレイヤーとの連携を模索する時代に差し掛かっている。 …と思っています。皆さんは、いかがですか?

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御清聴いただき、ありがとうございました。

21世紀の図書館サービスを要約すると、財産目録の配送ではない。関 連したものへの仲介の提供である。我々は、規則に基く目録や書誌を 作成するわけではない。また、選書をするのでなく、リンクやコネクション を確立するのである。資料を準備するのではなく、抽出するのである。レ ファレンスサービスを提供するのではなく、知的なものを与えたり、正し い規則にのっとりそのコネクションを掘り出し創り出すことにある。機会 があり挑戦がある。それが、過去長い間理路整然と優雅に存在してい た原理原則に戻ることなのです。

参照

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