― ―塁文化 間教育・ ユース ヮー クに関す る実地調査研究報告――
社会教育教室 生
Practices and Tasks Of lntercultural(3oexistence
in 4 Cities in Germany
A Report Of the Research On lntercultural EducatiOn and Youth WOrk―
IKUTA Sh
i `ま じめ に 本論文 は,平
成8年
度文部省海外研究開発動向等に係 る研究者派遣 として ,「ドイツ連邦共和国の4都
市 における異文化間教育・ユースヮークの理論 と実践 に関する調査研究」のテーマの下に,1996
年10月 13日か ら12月 12日までの 2カ 月間 ドイツに滞在 した報告書的性格 を持つIち4都
市 とは,
トル コ人や旧ユーゴな どか らの難民が多 く,外
国人比率の高い旧西独側 のフランクフル ト
Frankfurt am Main(ヘ
ッセン州),フ
ライブル クFreiburg im Breisgau(バーデン・ ブュ ルテンベルク州
),2∼
4%の
外国人比率であるが却 って外国人敵視の傾向が強いと言われる旧東独 側の (東)ベ
ル リンBerlin,ロ ス トックRostOck(メ
クレンブル ク・フォアポメル ン州)で
ある。 そ れぞれの都市の人 口,面
積,外
国人比率,失
業率 は,以
下の通 りである。 表0-1:4都
市の人口,面
積,外
国人比率,失
業率 (1995年 12月 31日現在) 人 口(人)
面積(1♂)
外国人比率(%)
失業率(%) フランクフル ト653,241 248.3 28.8(内
旧ユーゴ24.6) 8.0
フライブル ク185,294 153.0
11.5(内イタ リア人13.0) 9.7
ベル リン3,471,418 889.1 12.6(内
トル コ人31.6) 14.2
ロス トツク224,571 180.6 2.0(内
ベ トナム人20.3) 15.8
周 田 これ ら4つの地域 のユース ワー クを下記 のプ ロジェク し相互 の コ ミュニ ヶ― シ ョンの確立 を図 るス トラテジー した。 卜を中心 に比較 検討 し,異
文化共生 を目指,各
都市の問題状況の違い と共通性 を検討1)フ
ランクフル ト:国際青少年セ ンターの活動 と外国出 自の青少年 との共生 をはかるユース・ コ ミュニティ活動 特 に,
トル コ人 の多い地区での国際青少年セ ンターにお ける職業訓練 と余暇提供,
トル コ人団 体の活動,及
びアメ リカ青年・ ドイツ青年 。トル コ青年 によるプロジェク ト「暴力 を止 めよう」 を通 じての共 同活動2)フ
ライブル ク :言 語・ 職業訓練 と地域施設での文化活動の実態 旧ソ連か らの ドイツ人三世 の青年 に対す る言語・職業訓練,外国人 自主団体Auslanderinitiat e e.V.の活動,職
業訓練促進援助(ABH),底
辺層の外国人 の多い地区での青少年施設の活動3)ベ
ル リン:外国人 の相談援助組織RAAの
活動 と職業訓練並 びにス トリー トワーク 東側でのRAAに
よる学校施設 を活用 した「生徒 クラブ」,東側 を中心 とす るス トリー トワーク団 体「ギャングウェイ」,及
び外国人代理人の事務局で実施 す る積極的 トレーニ ングコース4)ロ
ス トック:外国人への対応 とドイツ系帰国移住者への対策 ロス トック外国人評議会ABROの
活動,外
国人問題解決の地域活動団体(RAA)に
よる児童施 設等での活動 と民衆大学 プロジェク ト「東西統合OWIJ
特 に,次
の点 を参考 にし,ユ
ースワークと学校・ 職業訓練 の関わ りについて,比
較的細か く検討 している。 「 これ まで,異
文化間教育 を,一
貫する行動原理 として移 し替 える事 はうま くいっていないが, 学校 と職業訓練 は,し
か しなが ら安定 した社会的統合機関 として示 され る。学校 と職場 において外 国人児童 。青年の統合 のための特有の助成 。支持措置が,第
二世代 にも必要である。 とりわけ学校 か ら職業への移行 の ような段階 に。観点 はしか しなが ら,外
国人児童・ 青年の欠損 にあってはな ら ない。次の点が問題 になるべ きである。彼 らが三言語・ 多言語 そ してバイカルチャーな経験 を通 し て獲得 した,そ
して これ までほ とん ど用い られなかった社会的潜在力 を表す強 さを助成することで ある。 目標 は,異
文化間教育・ コミュニケーシヨンを学校前段階,学
校,職
業訓練 における自明の 行動原理 にす ることである。」 (BiaminO:3) 第1章
か ら第3章
までは,「外国人の置かれている状況 と教育・ 職業的統合の必要性」「一般教育 学校及び職業訓練 における外国人・ドイツ系帰国移住者の助成」「 ドイツ系帰国移住者への対応」 に ついて述べ,第
4章
か ら第7章
まで各都市の異文化間教育・ ユースワークの状況 を叙述する。 第1章
外 国 人 の 置 か れ て い る状 況 と教 育 ・ 職 業 的 統 合 の 必 要 性 フライブル ク専門大学のMaierら は,外
国人 を社会的カテゴ リー として用いている。「他 の文化 と 言葉の中で育ち,な
い しはこれ らによって多かれ少なかれ強 く規定 され,国
内の住民 によってよそ 者 と見 なされ,取
り扱われ る人々」で,そ
こか ら「出自や社会化 に基づいているだ けではな く,そ
の環境 によって どう見 られ取 り扱われ るかにもよる」ため,法
的規定 とは別 に,
ドイツ系帰国移住 者やシンティ・ ロマな ども含 まれる (Maier u.a.:9)。 職業的統合 は,本
質的要素 として,学
校終了の成功,学
校 か ら職業訓練制度への移行,職
業訓練 の終了の成功,資
格 ある就業者 として労働過程への組 み込み,中
・ 長期的な保障 された資格 ある職 業活動 を含んでいる (Maicr u.a.:9)。 さらに学校や職業訓練 との関連で,外
国人 を4グ
ループに分 けている (Maier u.a.:1617)。a)ド
イツに生 まれ育 ち,最
初か らドイツの学校 に通 った外国人:特にガス トアルバイターの第2,3世
代b)既
に故国で学校 に通い,ほ
んの数年 しか ドイツの学校 に通 っていない外国人 :16歳 の移住年齢 制限の直前 に ドイツヘ来た トル コ人C)故
国での学校教育修了後 ドイツヘ来たが,一
部数年学校義務 にある外 国人 :「 新 しい中途入学 者Seiteneilasteiger」 としての難民 と庇護権 申請者,及
び ドイツ系帰国移住者d)故
国で学校 を終了せず ドイツで も全 くかほんの一時期 しか学校 に通わなか った外国人。1.滞
在 承認Aufenthaltsgenehmigung規
定 外国人青少年の生活現実の背景 を大 き く規定 している1991年 1月 1日 発効 の新外国人法及 び庇護 権手続 き法 によれば,滞
在権 は,下
記の通 り細か く分岐 している。 一期限付 き滞在許可befristete Aufellthaltserlaubnis(21条) 最初 の申請の際に得 るもので, 2年
毎の延長がある。 また,連
邦 内で生 まれた子 どもにも与 えら れ るが,そ
の条件 は,母
親が滞在許可か滞在資格Aufenthaltsberechtigungを 有 してい ることで あ る。 一無期限滞在許可ulabefristete Aufenthaltserlaubnis(26条 ) 16歳になった子 どもに付与 され るが,条
件 は8年
前か ら期限付 き滞在許可 を持 ち,十
分な ドイツ 語能力があることである。 一滞在資格Aufellthaltsberechtigung(27条) 時間的 。空間的に無制限の資格で,青
少年 は, 8年
の継続的・合法的な滞在 の後,最
短 は保障義 務のある営利的活動Erwel‐bstatigkeitの 確保の後5年
で得 ることがで きる。 一滞在付与Aufenthaltsbewilligung 外国人が一時的に,一
定の 目的のために連邦内に滞在す る場合 (例えば研究 のため)に
,最
長2 年間与 えられる。 一滞在権限Aufenthaltsbefugnis(30条 ) 外国人が,他
の滞在承認 を得 られないが,国
際法上あるいは緊急の人道的理 由か ら連邦 内での受 け入れ と滞在 を認 めるケースである。 一黙認Duldulag(55,56条
) 国外退去の一時的な延期措置で,そ
の条件 は,帰
国により危険が生 じる,あ
るいは法的 。事実上 の理由があ り退去が不可能 な どの場合である。 一滞在認可Aufenhaltsgestattung(庇 護権手続 き法Asylverfahrensgesetz 55条) 庇護権 の手続 きをする外国人 のための滞在許可である。さらに
,新
外国人法では,帰
還への権利Recht auf Wiederkehr(16条)が
規定 され,「未成年の 時,合法的 に連邦内において普通の滞在 を行 っていた外国人 は,滞在許可Aufenthaltserlaubnis付 与 の権利主張 を持つ」(Kampe■ 49)。 条件 は,出
国前 に8年
間合法的に滞在 し6年
間通学 していた こ と,生
計 を自己の営利的活動 によ りあるいは第二者 の扶養義務 により継続的に5年
間保障 されてい ること,満
15歳か ら満21歳前及 び出国後5年
経過以前の3つである。 滞在権 の具体例では,ア
ラビア人青年の多 くは,滞
在権限Aufellthaltttefugnisを持 つか,市
民権 獲得Einburgerung分 をす る。滞在権限の場合,付
与す る理由が続 いていれば, 2年
ごとに更新 で き,8年
後 に生計の維持が 自己の経済活動で行われていれば無期限の滞在許可Aufenthaltserlaubnisが付与 され る。 トル コ青少年 はたいてい,家族構成員 として滞在許可か滞在資格Aufenthaltsberechtigungを 持 っ ている。 しか し
,様
々な種類 の滞在資格 の存在が,社
会的緊張 を拡大 していると言われている。 ま た,次
に見 る労働促進法AFGに
関連す る規定が,か
えって外国人への労働許可 との関連で,状
況の 悪化 に貢献 している (Gangway,1996:21)。 一家庭 内では,親
の不安定 な滞在資格 が帰国志向に向か う一方で,青
年 は定着志向が強い。 一青少年間で は,嫉
み と喧嘩の種 となる傾向がある。 一青少年 自身の中で も,不
安定 な滞在資格 の場合,第
二市民 にしか過 ぎない とい う小価値 コンプレ ックスに陥 りやす く,無
志向性,価
値 と将来展望 の喪失 につなが るケースがある。2.労
働 許 可Arbeitseriaubnis 労働許可 は,「非 ドイツ雇用者 に対す る労働許可規定」Arbeitserlaubnisverordnung(AEV)(94
年 9月30日最終改正)に
定 め られてお り,滞
在権 の地位 との関係(5条
)で
は,「労働許可 は,滞
在 承認 を受 けているものだけに付与 され る」 とい う原則 の下 にある。a)一
般的労働許可allgemeine Arbeitserlaubnis i労 働市場状況 に対応 して,一
定 の企業 あるいは一定 の職業活動 に付与 され る。最長
3年
で,請
求権 はない。b)特
別労働許可besOndere Arbeitserlatlbnis i労働市場状況 とは別で,一
定 の企業 での一定 の職 業活動への限定 はない。最近6年
間,継
続的に滞在 し,滞
在許可か滞在権限 を持 つ ときな どに付 与 され,原
則的に期間は無制限である。 外国人青少年 は,親
について連邦域 内に来た時,労
働許可 を受 ける次の特別条件 の下 にある。 一 さしあた り労働許可への要求 はで きない 一最初の従業への労働許可 は, 1年
の待機期間Wartezeitの 後,付
与 される 一滞在許可や滞在権限を持 ち,次
の場合 に,特
別労働許可が付与 される1.普
通学校 の修了資格,あ
るいは国家的 に承認 されたあるいは同等の規定の職業訓練 の修了 を得 た場合2.職
業全 日学校年あるいは学校外職業準備的全 日措置 に少な くとも10カ月定期的 に,そ
して適切 な職員の下で参加 した場合,あ
るいは3.国
家的に承認 されたあるいは同等の規定の職業訓練職種 において職業訓練 のための訓練契約 を 結んだ場合-18歳
未満の青少年が,滞
在許可や滞在権限 を持 ち, 5年
の継続的滞在の後,特
別労働許可の要求 がで きる (Kampe■ 50)。 以上 の労働許可の規定 をめ ぐる状況 により,特
に生 まれてか らドイツに暮 らしている「第二・第 二世代 の外国人青少年 は,
ドイツ人の同世代 と自らを比較 し,明
らかに不利益 を被 っていると思 っ ている。不 当な もの として,彼
らは, どこに もドイツ人 と同 じチャンスはない ことを体験す る。J (Kampe■ 50-1)具体的には,Biaminoに
よれば,全
ドイツ人 の2.1%,全
外国人 の5.1%が
,職
業 訓練 の場が紹介 されない状況である。ベル リンでは,職
業訓練関係数 は1076件上昇(2.0%)し
てい るが,外
国人 との契約数 は19件減少(0.4%)し
ている。下記の統計か らも,平
均以上 に多 くの外国 人が職業訓練がな く,仕
事がない状況が映 し出されている。 1994年の外国人青年の失業率:20歳
未満 (西ベル リン) 31 % ;20-25歳 30 %
一般的失業率 との比較 (1995年):20歳
未満 (西ベル リン) 12.3% ;20-25歳
15.2%
3.外
国人 青年 の問題 Maierら は,外
国人青年の特有の困難 について,国
籍,法
的地位,出
身国の文化,入
国時 の年齢, 個人的人格構造 な どにより様々であるが,以
下の点 を指摘 してい る (Maier u.a.:2021)。a)学
校修了資格 の低 さ 特 に基幹学校終了 を持たないケースが顕著で,職
業訓練法 によれば基幹学校終了は前提 ではな いが,実
際 には最低条件 として求め られている。比率的高いのは,促
進学校,職
業準備年,職
業 基礎教育年 とこ欄 わ つてい る青年である。Biaminoは,大
都市で は,基
幹学校が「ゲ ッ トー学校 GettoschulenJになる傾向があ り,1993年
で は外国人生徒 の21%が
基幹学校 を修了せずやめてお り,
ドイツ人生徒 の3倍
に上 っている点 を子旨摘 している (BiaminO:1)。b)不
十分 な ドイツ語能力 これ は,学
校 の成績 の低 さ,申
請手続 きでの機会 の少なさ,訓
練での理論獲得の際の困難,顧
客志向的活動 に入 り込 めない という問題 に通 じる。C)実
践的成績 は良いが,理
論的訓練での問題 この背景 には,第
一 にb)と
も関わるが,言
葉 の問題,特
に専門用語の理解の困難,第
二 に授 業が体系的 に組 み立て られ問題志向性があまりないため,抽
象性が高 く分か りに くい ことが挙 げ られている。つ まり,外
国人 に とって,提
示 され る物質的・ 文化的な考 え方が表面的にしかわか らない とい う問題である(ABH,199&3)。
d)家
族の将来計画 と帰還計画Ruckkettplane 青年の生活計画や職業選択 に直接影響す る問題である。e)親
の職業的地位がハー ドルになるケース 特 に自己経営者の子 どもにあてはまり,親
の経営で未熟連労働 をす る場合が多い。 この背景 に は,「多 くの親 は自分 自身,職
業訓練 を終 えてお らず,そ
れゆえ子 どもの職業訓練 に関連す る必要 性 を見 ない」 (Maier u.a.:21)傾 向が指摘 されている。 また,子
どもが職業訓練 を通 して親 よ り 高い地位 を得 るのを恐れ る傾向 もあると言われるもf)性
特有 の役割付与Rollenzuweねungen 特 に トル コ人の少女の場合,職
業資格 に対す る親 の否定的な態度が,基
幹学校終了ですむ技術 的業種へ と少女達 を向かわせ る。男性青年の場合,自
動車修理工,電
気関係職種が多 く,女
性青 年 の場合,美
容 師,医
師助手 (南バ ーデ ンで は,訓
練生 の19.2%が
外 国人,8.5%が
強制移 住 者),店
員 といつた状況である。外国人の女性 の訓練への参加 は,男
性 より明 らかに低 い。 また,こ
れに関わつて,「一般的に言 えるのは,人
種主義 と暴力の増力日が第一 に男性 の現象で あ れば,自
己免疫的autoaggress で抑鬱的な反応 は少女の場合 に見 られる」(ABH,199段 4)と
い う指摘 もある。つ まり,暴
力的行動が 日立 った少女 グループはほ とん どな く,保
守的役割設定, 将来 の人生観,グ
ループ内での(見かけ上)忍
耐的な従属,「多 くの場合,個
々の少年の女友達 と して,あ
るい は『添 え物Anhangsel」 としてグループ内 に統合 されている」 とい う実態が あ る (Galagway,199&98)。g)モ
チベ ー シ ョンの少 なさあ るいは無 さ この背景 には,第
一 に不安定 な個人 的将来展望,第
二 に トラウマ的経験,す
なわ ち迫 害,逃
亡, 社会文 化 的故 郷 の喪失,厄
介 な家族 関係 とい う重荷 に よる心理 的作用が特筆 され る。 また,社
会 扶助 受給 者 の場合 さ らに,彼
らの労働 へ の少 ない俸給 が生活費 へ の援助 によって差 し引かれ る実態 も労働への動機づけを減退 させている。
h)少
ない情報 ドイツの学校制度,様
々な職業訓練可能性 について,特
に親 の側 で,そ
の必要性や仕組 みにつ いて知 らないケースが多い ことである。 このため,保
護者活動の重要性が指摘 されている。1)上
記にさらに,政
治的,経
済的,社
会・ 文化的要因が力日わ る。外国人 の多 くは,手
工業,工
業 やサー ビス業で,事
務や公的業務 は少ない。 その背景 には,職
業訓練企業 の人員獲得戦略の際の 選別 メカニズムが あ り,企
業の主 目標 は,自
らの必要のため,資
格 と専門性 を有する専門家の育 成 を目指す。 また,顧
客への配慮,つ
まり顧客 によって拒否 され ることを回避するため,重
要 な 基準 として統合の程度,特
に言葉,月艮装の習慣,社
会的行動 に基準が置かれる点が指摘 され る。これは
,Maierが
引用 している企業教育連邦研究所Bundesinstitut fur betriebliche Bildung(BIBB)の調査 によるが
,外
国人 に対する人事課長の個人的態度 も重要で,企
業で外国人 の採用 に留保が付 けられ るケースが多い。二言語性,社
会的行動, 2つ
の文化的背景の中で動 ける能力 は,付
加的能力 としてあまり承認 されない とも言われている (Maier u.a.:22)。 また,外
国人 は,労
働局 を通 じて職業訓練 の場 を見つけようとす る傾向にあるが,労
働局 に対する企業 の一般 的にネガテ ィブなイメージか らすれば,か
えってマイナスである。 公的業務 における外国人 の採用であるが,「工業,商
業,手
工業が若い移民の職業訓練 と資格付与 に意義 ある貢献 をしている一方で,公
的業務 は,今
日まで この社会 的課題設定 を拒否 してい る」(BiaminO:2)現
状があると言われ,外
国人比率 を高める措置の必要性が指摘 されている。 それ以上 に,東
西統一後 の景気の悪化で,現
在,就
職機会の劇的な悪化 に見舞われている。80年 代 に職業訓練 の場 の提供の増加 と申請者数の減少 によ り,外
国人青年 に とって有利 な状況が生 まれ, 外国人青年 (15∼ 18歳)の
職業訓練参加率 は,バ
ーデ ン・ ヴュルテンベル ク州では1985年26%か
ら 92年46%に
増加 したが,
ドイツ人(71%)に
比べなお3分
の1少
ない。職業訓練関係の数 は,1993
年か ら94年にか けて連邦全体で10%の
後退で,公
的業務30%,工
業・商業8%そ
れぞれ後退 し,手
工業だけは少 し増力日した。 フライブルクでは,訓
練 の場が20%後
退す る一方で,訓
練 の場 を求 める 青年の数の増加が見 られ る。また,Maierに
よれば,1993年
には職業訓練生の8.6%が
外国人であっ た。移民の統合 は,労
働市場 における位置 と不可分 の関係 にあ り,よ
り確かな労働 の場 と十分 な収 入が,自
立 した,自
己意識 ある生活経験の前提 となる。 しか し,
ドイツで は,若
い移民の失業率 は, 1990年7.5%,1993年
14.1%と倍加 している (BiaminO:2)。 社会・ 文化的には,日
常的に,外
国人生徒 は,同
化への圧力 と排除 を,次
のように学校 の構造 と 内容 を通 して経験 しているといわれ る。 「 ドイツの学校 は国民的学校 である。 その歴史的任務 は,国
民国家の実施 の中にあるので,そ
れ は自明のごとく19世紀 においては単一言語 とモノカルチャーであった。多数派 に即 した原則的 にエ スノセン トリックな造 りは,変
化 しないままである。少数派 には,多
数派の価値 と規範への適応が 求められる (例えば明 らかに外国人児童の母語 との付 き合 いの際に)。」 (Biamino:2) 外国人敵視的 。人種主義的心的態度 。行動様式 について,日
立 った暴力 はめったにないが,拒
否 は以前 よりも多 く感 じられているとも言われてい る。移民児童 。青年 に緊張 と対立 を生み出す元 は, こうした拒否への不安Versagenangste,よ そよそしい経験Unzulalaglichkeitserfahrungen,子巨否 と 不利益 の感覚である。 また,不
安 は,男
子青年 と親 の場合,失
業 を通 じて大 き くな り,諦
め と場合 により怒 りとなる。 そうした意味で,指
摘 されているのが,「学校や職業訓練施設で,労
働措置の枠内で,異
文化間学より大 きな受容が彼 習への価値をもっと重視 しなければならないだろう。外国人青年が統合され, らに対 して生 じうるために。」
(Gangway,1996:13)と
いう点である。 第2章
一 般 教 育 学 校 及 び職 業 訓 練 にお け る外 国 人・ 強 制 移 住 者 の助 成1.一
般教育学校 での助成 Maierら の叙述を元に整理すると,普
通学校で特に問題 になる点は,言
葉の助成,資
格ある学校修 了の達成,職
業選択への準備で,下
記の措置が行われている。a)国
際的準備クラスIltternationale Vorbereitungsklasse(IV)普通クラスヘの準備のため
, 1年
間,少
な くとも10人の生徒がいれば作 られる。フライブルクでは
,1994/95年
度に,251人
の外国人に対 して5基
礎・基幹学校 に15クラスが設置された。b)付
力日的助成コースZusatzliche FOrderkurse高い外国人比率のため
,中
心的教科 (特にドイツ語 と数学)で
クラスを分 ける措置である。フライブルクでは
,5基
礎・基幹学校 (Adolf Reichwein Schule,Anne Frank Schule,Karls―Schule, Loretto― Schule, Pestalozzi― Schule)と こ置 か れて ヤゝる。
C)ド
イツ系帰 国移住者 ,助成 クラスAussiedler―FOrderklassenフライブル クには
,6つ
の普通学校,8学
級,134人
の生徒 がお り,こ
れ以外 に,25人
が実科学 校助成 ク ラスRealschule FOrderklassen,20人が ギム ナ ジウム助 成 クラスGymnasial Fёrderk‐lassenに 在籍 す る。 さ らに
,カ
リタス協会実業・ 語学学校 に1995/96年
度 51人 が在 籍 して いた。 1994/95年度には
, ドイツ系帰国移住者の特別言語助成のための教師給付の3分 の1が切 られて
いる。 以上3つの内,IVと
ドイツ系帰国移住者・助成 クラスは,中
途入学者Quereinsteigerの ための措 置である。IVの 場合,フ
ライブル クでは,参
加者全員が5年
未満の ドイツ滞在であ り,ま
た中途 放棄率の低 さ(3%)が
指摘 されている。彼 らの半数が学校や職業学校へ,約
3分
の1が
職業訓 練へ,13%が
継続す る措置へ,失
業率 は僅か3%で
,職
業的統合への よいチ ャンスを作 るきっか けとなっている。d)実
習Praktika 基幹学校で提供 されている,生
徒 に とって労働生活や労働分野 を良 く知 る理想的な分野である。e)保
護者活動 年 に数回集 まる「親 の夕べ」の形態 は,外
国人の親か ら不評 で,新
しい形態の保護者活動が模 索 されている。f)学
校 ソーシャルワーク 個人的カウンセ リングや授業 とは別のケアで,こ
うした専門能力 を持 つた形態 は,フ
ライブル クでは存在 しない。例外 として総合制学校 とIVク ラスがあげられ る。「基幹学校での学校 ソーシャ ルワークの設置 は,外
国人青年の職業的統合のへのチャンスを改善す るおそ らく最 も重要な貢献 であるだろう」(Maier u.a.:30)と 言われている。2.カ
ウ ンセ リングa)労
働局の職業カウンセ リング 普通学校 の最終学年での情報提供 の企画で,労
働局での個別 カウンセ リングヘの招待や職業情 報セ ンター も紹介が行われ る。b)青
年職業援助Jttgendberufshilfe 職業学校センターでの重要な補完的機能 を持ち,職
業発見 と職業選択 の際の動機づ けと情報提 供 を,個
人面談,グ
ループ企画,余
暇提供 な どを通 して実施 している。 また,今
後役立つ もの と して,職
業的統合への様々 な援助 についての情報誌 の発行が指摘 されている。3.職
業準備a)職
業準備年Berufsvorbereitulagttahr(BVJ) バーデン・ ヴュルテンベル ク州では,職
業学校義務 の始 めに職業訓練関係 を持たない生徒 のた めに導入 されている。そのため,主
に職業教育への直接的な移行が うま くいかなかった以前の促 進学校生,学
校修了資格 を持たない,あ
るいは低 い学校修了資格の基幹学校生が中心 となってお り,旧
ソ連か らの ドイツ系帰国移住者,旧
ユーゴか らの難民,若
い外国人 (トル コ,イ
タ リア) が全参加者の50%以
上 に上 っている (ABH,1995:2)。 この課程 は, 1年
間,全
日学校 に通 った後,職
業学校義務 を満たす。 この期間の課題 は,様
々 な職業分野 における専門理論的科 目と専門実践的科 目による職業基礎知識の伝達である。 また, 十分 な ドイツ語能力のない青少年 に とって,
ドイツ語授業 に重 きを置いた特別形態が採 られてい る。フライブルクでは,1995/96年
度 に,4職
業学校 に計12クラス,186人
の生徒が参加 し,そ
の3分
の1が
外国人 (州では3分
の2)で
あった。 しか しフライブルクでは,外
国人比率が低 いた め,職
業学校 にBVJ言
語 コースが無 く,言
語助成 を必要 とす る外国人 は,民
間団体 の職業準備的 措置 に通 うことになる。BVJの
活性化のためには, 1)実
践的部分の強化, 2)ク
ラス担当教師制 の採用, 3)助
成学 校,基
幹学校,職
業学校 との連携の強化, 4)保
護者活動の強化 と措置終了後 も継続す る学校 ソ ー シャルワークの構築が指摘 されている。b)基
礎職夢ξ訂II練課程Grundausbildungslehrttnge 職業訓練 の場や職場が無 い青年のために提供 され,参
加 は学校教育の達成段階 を前提 にせず, 訓練 に対す るモチベーションを強化す る目的がある。期間は,12カ 月である。 フランクフル トの 国際青少年センターの例 を参照 されたい。C)助
成課程Forderungslehrgttge 学校義務 を果た したが,一
時的な発達困難 のために,生
活状態の理 由で,あ
るいは学習困難の ために,特
別 な援助 を必要 とす る青年のための提供である。期間 は,最
大12カ月である。 フライ ブル クでは,特
別 に外国人 の青年 とドイツ系帰国移住者のために作 られた助成課程がある。課程 内で,基幹学校修了への準備 も可能で,修 了後,修 了証明 と共 に,「特別労働許可besondere Arbeit―serlaubnis」 を終詰る ( raier u.a.:32)。
d)職
業実習年Berufspraktisches」 ahr失業青年のための措置で
,職
業活動への接続 と継続的組 み込みが意図 されている。―シャルワーク的な個人的世話 を保障
, 3)基
幹学校修了資格獲得への可能性, 4)労
働行政 に よ り扶養費が保障 され,高
いモチベーシ ョンが得 られ,他
方,同
時 に成績が不十分な場合 の制裁 もある点である。 基礎職業教育課程 と助成課程の参加者 は,フ
ライブルクで は90%が 5年
未満の ドイツ滞在で, 中退率 は9%と
低 く,す
べての措置の平均中退率16%を 7ポ
イン ト下回つている。 また,39%が
修了後,職
業訓練 を受 け,19%が
学校や職業学校 に通い,17%が
継続措置 に移 り,失
業率 は3%
に過 ぎない。職業的統合への機会 についての職員 による評価(1=「
)F常によいsehr gut」 の5段
階評定)で
は,基
礎職業教育課程 と促進課程 は3.0,職
業実習年2.8と評価が高い。e)基
幹学校修了資格 コースKurse zur Erreichung des Hauptschulabschlusses独 自に
,フ
ライブル クの作業・ 言語学校Werk u.Sprachschuleと
民衆大学VHSで
提供 されて いる。参加者 は,旧
ユーゴ50%,ア
ジア21%で
,86%が
5年
未満 の滞在者である。中退率 は4%
と低 い。
29%が
修了後,企
業的職業訓練 に移 り,14%が
学校や職業学校へ通い,46%が
失業 と高 く,評
価 も3.8と低 い。f)自
発的社会年Freiwilliges Soziales」 ahr:社会的職業の準備 に向けての重要な援助 となっている措置であるが
,フ
ライブル クでは,外
国 人 と強制移住者 はこの措置 をほ とん ど利用 していない。4.職
業訓練a)職
業訂キ1練同伴的援助Auttildungsbegleitende Hilfen(ABH)訓練 中に
,学
校での問題や社会的問題が発生 した青年が利用す る措置で,特
に外国人や ドイツ 系帰国移住者 に とって重要である。特 に対象 となるのは, 1)学
校や社会的環境 において困難 を 抱 える職業訓練生, 2)外
国人 とドイツ系帰国移住者 の職業訓練生, 3)BVJに
通 っていた職業 訓練生, 4)青
少年援助領域の青年である(ABH,o.」
.)。 援助措置 は,青
少年教育福祉的側面では, 1)家
庭,友
人関係,学
校・ 企業で困難 に道遇 した 場合 の個人的カウンセ リング, 2)余
暇提供,週
末セ ミナー,研
究旅行, 3)訓
練 の場 を探す際 の援助である(ABH,o.」
.)。 理論面での援助措置 は, 1)数
学,
ドイツ語,経
済学,社
会科の 基礎 コース, 2)専
門理論 と専門計算 における助成 コース, 3)中
間及び修了試験への集 中的準 備があ り,実
践面では, 1) Jll練関連的プロジェク トの実施, 2)職
業学校 との共同,職
業学校 教師 との連携, 3)訓
練企業 との接触,職
業訓練 の経過 についての職業訓練者 との会話が実施 さ れ る。6人
までの小学習 グループ単位で,訓
練 の後,夕
方あるいは週末 に行われ,参
加 は自由, 無料である。 例 えば,フ
ライ ブル ク近郊 の ミュールハ イムMullheim市
の職 業 学校 で は,2人
の教 育 者 PadagOglnnenがBVJと
職業専門学校 の生徒 を対象 に,学校 ソー シャル ワーカー と協力 して,学校 か ら職業訓練への移行 (第1の関門)の
ための援助 として,カ
ウンセ リング,職
業準備への援助, 助成授業 な どを行 ってい る。訓練 の最初 の半年 が訓練 中退 の危 険が最 も高 い といわ れ て い る(ABH,199段
6)。 職業訓練か ら職業への移行 (第2の関門)は
,男
性の場合,兵
役の始 め まで の期限付 き受 け入れが増 え,1998年
では,サ
ー ビス業の卒業生の55%が
職 を得たが,金
属業42%,
エ レク トロ業31%に
留 まっている。 この第2関
門でのABH参
加者への移行援助 は, 1)イ固人的指 導 を伴 つた応募訓練, 2)労
働市場へのカウンセ リング と情報, 3)仕
事場 を探す際の援助, 4)
応募段階での動機づ け, 5)青
年 と若 い親 の安定化 に向けた余暇提供である(ABH,199&7)。
b)企
業外職 業訂│1練uberbetriebliche Ausbildungen ωBA)
フライブル クで は,金
属 労働 者 。金属精密労働者,家
政 的技能援助者,家
政経済,木
材 専 門カロ エ,塗
装 専 門工 の訓練 が行 われ てい る。 フラ ンクフル トの国際青少年 セ ンターで も実施 されて い る。ABH,も
BAの
参加者 は,フライブル クの場合,5分
の4は ドイツに生 まれたか,5年
以上 ドイツ に滞在 している者で,中
途入学者が非常 に少 ない。終了後, 3分
の1が
職業訓練 にお り, 3分
の1が
実業 に就 き,16%が
失業中である。評価 は2.6で,比
較的 よい。C)一
年制職業専門学校eilliahrige Berufsfachschule(l BFS) 職業訓練 の場が見つか らない時,職
業資格 を与 える学校 を終 える可能性 となる措置で,「企業 は,対
応す る職業分野で行われた時 は, 1年
制職業専門学校 の修了 を訓練年Leh ahrとして認定 する義務があるJ(Maier u.a.:34)。 ここでは,一
定 の職業分野での基礎訓練が行われ る。 フラ イブルクでは,
この提供 の外国人比率 は9%で ,対
応す る年齢層の外国人比率15。7%に
比べて低 い。 この措置 は,BVJや
職業準備的措置 より優れているといわれ,基
幹学校修了資格 を持つ生徒 に限定 している。d)職
業訓練 同伴的モデルプロジェク トausbildungsbegieitende Modellproiekte フライブル ク地域では提供 されていないが,企
業 における外国人職業訓練生のために,職
業学 校で困難が生 じた際の言葉の助成 と援助授業が中心である。教育科学省が助成 している。 社会扶助受給者の場合,訓
練費が扶助か ら差 し引かれる結果,職
業訓練 を受 けようとす るモチ ベー ションの阻害 となっている問題が指摘 されている。e)段
階的 。モジュール職業訓練Stufen oder WIodulausbildungen多 くの外国人青年 に とって
, 3∼ 3年
半の職業訓練期間 は過重す ぎるため,低
い資格の訓練・ 訓練的職業で,実
業生活への統合への重要な橋渡 しとなることが期待 されている。f)特
別継続教育措置spezielle Weiterbildungsma8nahmen 教師や職業訓練者 に対す る継続教育で,外
国人 の青年や異文化間問題 に関連する対応である。5.実
業 生活 への組 み入 れ 参加者の33%が
,職
業訓練後,労
働関係 に入 る上での援助である。a)編
入援助Einghederungshilfen 様々な民間団体 による,シ
ンティSindhisと 若い ドイツ系帰国移住者への提供で,青
少年教育福 祉的援助,作
業所提供,経
済的 。社会的 。文化的生活への組 み入れ,教
育・ 情報企画な どが含 ま れ る。 フライブルクでは約半数が事前 に破綻 し,40%が
直接実業生活へ向かい, 4%だ
けが職業 訓練 を受 け, 8%が
継続措置へ代わる。 このため,評
価 も4と 良 くない。b)職
場での訓練 レベル内での資格付与Qualifizierung unterhalb der Ebene der beruflichen Ausbildung訓練へのチ ャンスのない外国人青年 に とって
,デ
ュアル システム内での適切 な職業的統合への 可能性 を開 くものである。模範例 は,カ
リタス協会 の外国人・ ドイツ系帰国移住者 に対す る労働 市場資格付与措置 プロジェク トAQUA―
Projekt(Arbeitsmarktqualifizierende MaBnahmen furAuslander und Aussiedler)des caritas― Verbandes Freiburgである。
6.外
国人青 年 の職 業 世界 への統 合 困難 フライブルク外国人 自主団体 は,学
校か ら職業への様々な移行援助が行われているが,わ
ずかな 外国人青年 しか職業訓練 を修了 しえない理由 として,下
記の点 を指摘 している (図2参
照)。 ・ ドイツの青年 と比べて悪 い学校前提 ・ 基幹学校 と比べて高い,職
業学校 の水準 ・ 企業の選抜手続 :外国人 の申請者 の構造的不利益性 をもた らす。 この背景 には,ネ
ッ トワーク採 用,選
抜手続 における社会的背景 メル クマールの考慮,一
体的労働 グループ形成への傾向がある といわれている。 ・青年の職業選抜行動 と,学
校か ら職業への移行の際のカウンセ リング提供の不十分 さ ・家庭全体 の将来計画 との関連での職業選択決定 (青年の意向は下位 的な役割) ・ 親が母国か ら職業の選択基準 を ドイツに持 ち込むことがあ り,こ
こでの職業訓練 の構造 と布置 を 理解 しない 。出身国の職業訓練 システムか らもた らされる好みが,職
業選択 の幅 を狭 める。 このため,親
によ る職業選択 の際の,援
助可能性 の少なさが見 られる。 第3章
ドイ ツ 系 帰 国 移 住 者 へ の 対 応1.民
衆大学広報誌『知 り合おう』の「 ドイツ系帰国移住者を知る」から
ドイツ人 の東欧 。ロシアヘの入植 は,約
200年以上前,ロ
シアのエカテ リーナ2世
Katharina Ⅱ(1729-1796)が
ドイツ人農民のボルガ流域,黒
海沿岸,コ
ーカサス地方への入植 を促進 したのが 始 まりとされる。1930年頃のスター リン主義的集団化 とともに大農民Kulakenと しての ドイツ人へ の抑圧が始 まり,ナ
チズムの発生 と1941年の ソ連侵攻で,
ドイツ人 は,敵
,犯
罪者 として扱われ, 追放,強
制労働,迫
害 を受 け,シ
ベ リアや中央アジアヘ強制移住 させ られた。ナチスの ドイツ国防 軍 によ り占領 された地域 の ドイツ人Volksdeutscheは,ヴ
ァルテガ ウWarthegau,シ
ュレジエ ン Schlesienに 移住 したが,戦
後,シ
ベ リアや中央アジアヘ強制送還 された。1955年 12月,ソ
ビエ トド イツ人 に対す る制限が公式 に撤廃 されたが,現
実化す るまで数年かか り,し
か も完全 な同権 は達成 されず,以
前のボルガ地域 に戻 ることは許 されず,接
収 された財産 は諦 めざるをえなかった。 しか し,195094年
の間に,強
制移住者の内3,238,170人が主 にソ連か らドイツに帰国 した。特 に東西の 壁 の崩壊後,毎
年,20万
人規模 で帰 国が続 いている (1994年213,214人,1995年
209,409人)。 彼 ら は,各
州の面積や人 口を考慮 して,割
り当て られ,言
葉の学習過程 と職業的統合のための措置が最 も重要なもの として位置づ けられているが,社
会的。文化的領域での統合 の困難 も指摘 され る(ken‐ nenlernen,1/96)。 連邦 内務省 は,
ドイツ民衆大学協会 と共同 して,プ
ロジェク ト東西統合OWIを
13の拠点都市 において実施 している。 民衆大学の広幸叉誌では,「ドイツ系帰国移住者 を知 るJ(kennenlernen,2/95)に
おいて,出
国以 降の経緯 について次 のように紹介 している。1)出
国:カザフスタン→ハ ンブルク→受入 キャンプ・フリー ドラン トFriedland(1週
間)→
移行 キャンプ。ウナーマ ッセ ンUnna Massen(6週
間)→
ビー レフェル トヘの割当 (希望地 は ミンデンMinden)
2)転
換教育 :高 齢者 も学校 の椅子 に座 らなければな らないため中途放棄 も多 く,半
減す るケース もある。3)言
葉 :労 働局 による, 6カ
月の言語 コースの補助(1クラス20∼30人,就
業中の18∼ 60歳参加)4)学
校 :多 くの生徒 は言葉上授業 についていけない (出身国ではギムナジウムに通 っていて も, ここでは基幹学校 に通 っている)。5)ア
イデンティティ:ドイツでの国民的アイデ ンティティを求 めるが,歴
史 を共有せず,生
活習 慣が違い,言
葉 も習わなければな らない。 『ロシアでは私たちはファシス トで,こ
こで はロシア人だ。私たちは本当の ドイツ人 なのか? 私たちが何なのか分か らない。』,[私
は ドイツ人だが,う ま くしゃべれない。それで多分本 当の ド イツ人ではないんだろう。』 (kennenlernen,2/9段 4)6)期
待 :旧 ソ連 において敵視 されたマイノ リテ ィとして,
ドイツ人た ろうとす る意識 を持 ち, ド イツを純化 した聖 なる世界 と見 る傾 向がある。7)ド
イツ人 :旧 ソ連 内になお約200万人 の ドイツ人が居住 し,彼
らのパ スポー トには「 ドイツ人」 の刻EΠ ドイツ・ ソ連 の関係改善後,学
校で ドイツ語授業が行われるが,
ドイツ人 として不利益 と抑圧 を受 ける。農村部 に暮 らす ドイツ人 の多 くは,な
おク リスマス,低
地 ドイツ語Plattdeutschの使 用,
ドイツ人同士の結婚,
ドイツ的な子 どもの名前(Johann,Emma),新
聞 “Freundscha■", “Neues Leben"の
購読 な ど文化的独 自性 を保持 しているが,都
市 に暮 らす ドイツ人の場合,ア
イデンティティの喪失,子
ども違 は ドイツ語 を話 さない,祖
父母 はロシア語が分か らないな ど, 独 自の地位 を保つ困難がある。8)緊
急滞在 :受 入キャンプ と移行住居の中で,長
年,狭
い関係の中で暮 らす傾向が続 き,自
分の 住居の発見が遅れる。2.東
西統合 :よ そ者敵視,右
翼過激主 義,暴
力 への反対 1989年,90年
か ら強制移住者 の帰還 に伴い,住
宅・ 労働市場 において深刻 な社会問題が発生 し, ルサ ンチマンや過度のよそ者の流入への不安もberfremdungsangsteが 生 じている。ドイツ系帰国移 住者 の側で も,緊
急宿泊,過
渡的住宅,体
育館での狭い空間な どの物理的制約 によ り,コ
ンタク ト をつ くり,住
居や仕事 を見つける困難がある。 よそ者敵視 について,一
つには,見
知 らぬ ことが不 安 を駆 り立てる面,第
二 に政治的転換 と社会的困窮の時期 には,す
べての問題 の原因 をよそ者で説 明す る傾 向が大 きい面,第
二 に,自
らの歴史か らそうした考 えが どんなに巨大化す るか歴史 に学ぶ ことが重要である面が指摘 されている。特 に,「ドイツ系帰国移住者 と住民 は,相
互 に準備がな く, それぞれ相手の歴史や文化 についてほ とん ど何 も知 らないままに対立 していた。言葉 の障壁が,両
者 に偏見が生 じ,
ドイツ系帰国移住者 はしばしばロシア人,つ
まりほ とん ど外国人 として見なされ ることに力日担 した。」(Volkshochschule Lippe West,1995:6)と い う点があ り, これ に対 す るプ ロジェク トが東西統合OWIで
ある。「私たちが相互 に向 き合 い
,共
に語 り合い,よ
く聞 く時;他者 を,自
分 自身が取 り扱われたいよ うに敬意 を込め理解 を込 めて取 り扱 う時,一
誰が ドイツ系帰国移住者で外 国人か どうか,月Jの言葉 を話すか どうか,月」の肌の色,宗
教,文
化 を持 っているか どうかはどうで もよ く―,相
互 に知 り合 お うとす る勇気 を育てる時,見
知 らぬ人 への不安が無 くな り,問
題 を克】及で きる。」(Volkshochs‐chule Lippe―West, 1995:83)
3.プ
ロジ ェク ト東 西統合(OWI)の
歴 史リッペ郡Kreis Lippe,と りわけラーゲLageと アウグス ドル フAugusdorfにおいて,ド イツ系帰国 移住者の移住 に反対す る市民団体が作 られ
,状
況が先鋭化 した。民衆大学 リッペ西部Lippe Westの 課題 は,情
報 。教育提供 により,状
況の緊張緩和 に貢献す ることであった。基礎学習 プログラム「社 会 について」“Grundstudienprogramm Gesellschaftskunde"の 対象 は,ド
イツ系帰国移住者 と市民 の両方で,そ
の目標 は「緊張の除去 と情報,啓
蒙,出
会 いによる偏見及び市民 とドイツ系帰国移住 者間の社会的対立潜在力の減少」(Volkshochschule Lippe West,1995:6)で ある。人件費 (教育 職員1,管
理職員0.5)な
どの資金 は,大
部分が労働局のABM資
金か ら出され,事
務費 は,郡
もち であった。1989年春か ら2年
間,文
化事務局「計画 と提示」Kulturburo“ Planen und Prasentieren"と共同で
,様
々な出身地域か らの ドイツ系帰国移住者 の歴史 を話 し,
ドイツ人の東西移民 を解明す る移動展示「東か ら西へ」が行われた。他 の民衆大学の関心 を集 め,プ
ロジェク ト東西統合が,民
衆大学 リッペ西部 の世話 と指導の もとに,
ドイツ民衆大学協会 の協力で全国に広が った。1991年春 か らは連邦内務省 による助成 を受 け,近
隣の民衆大学 との協力 に発展 した。 1992年 :Bielefeld,Bremen,Delmelhorst,Georgsmarienと lutte,HOf,Kassel 1993年:Marl,Chemnitz,Rostock
1994年:Weiden,Kirchberg,Leibzlg,Meppen
この段階で,14の 民衆大学で実施 され,1995年には,Berlin,Munsingen,Gifhorn,Volkmarsen,
Osnabruckで 開設 され,代
わつて既 に終了 したのは,Bielefeld,Bremen,Delmelhorst,Georgs‐
marienhutte,HOf,Kasselな
どである。 年 に2回
の専門会議が開催 され,職
員の活発 な意見 。経験交流 を通 じて,内
容的発展が図 られ る。 取 り組 みは,第
一 に ドイツ系帰国移住者 に対 す る情報・ 教育企画,第
二 に市民への情報 。教育企画 である。4.ド
イツ系帰 国移住 者 に対 す る情 報 。教 育企 画 ドイツ系帰国移住者 に対する情報 。教育企画の目標 は, 1)生
活実践的知識の伝達, 2)民
主主 義的基本知識の伝達, 3)自
己価値感情の向上, 4)寛
容の促進である (Volkshochschule Lippe West,1995:9)。 最初 の生活実践的知識の伝達 については,
ドイツ系帰国移住者到来 の当初 は,保
険,契
約権,消
費者問題 についての情報企画が中心で,緊
急宿泊所や過渡的住宅で実施 され る。 次 に,民
主主義的基本知識の伝達 とは,そ
れ までの中央集権 的経験か ら,選
挙のロールプレイに よるシュ ミレー ションを経て,民
主的生活 に参加 する障害の除去 を行 う。 第三の自己価値感情の向上 は,特
に重要で,プ
ロジェク ト職員が ドイツ系帰国移住者 とともに地 域 の催 し (市の祭 りや文化的催 し)を
訪ね,そ
うした取 り組 みを通 じて,深
く根差す敷居が高い不 安が徐々 に減少 してゆ く。 最後の寛容の促進 は,
ドイツ系帰国移住者が過去 に様々な国籍 グループ との確執 を持 っているこ とへの対応である。すなわちロシア人,カ
ザ フ人 な どによる抑圧 と拒絶の経験 を有 してお り,見
知 らぬ民族 グループヘの敵意 を連邦内に居住す る外国人,移
民,難
民 に転化する危険性が高 い ことが 懸念 されている。 しか し,他
方では,彼
ら自身 これに類する偏見 を ドイツにおいて 日常的 に体験 し ている。「寛容の促進 の日標 は短期 にうま くい くので はな く
,長
期的な集 中的な教育活動 を必要 とす る。 その際,前
進への小 さな一歩が,絶
えざる新 しい出会 いを通 して,行
なわれる。」(Volkshochschule Lippe―West,199段
9-10)5.市
民 への情報・ 教 育企 画 市民への啓発活動 として,第
一 に,
ドイツ系帰国移住者の生活 についての基本的な情報 の伝達が ある。 これは,住
民の間に,
ドイツ系帰国移住者 に対す る表面上の特権,出
国動機,出
身国での生 活状態,共
通の歴史的つなが りをめ ぐる少ない情報 のため,誤
解が生 じるのを回避す る目的 を持つ。 ドイツ系帰国移住者 自身が 自分の生活経験や体験 を伝 える多 くの企画が実施 された後では,住
民間 に受容 の機運が高 まる傾 向が見 られ る。 特 に重要なテーマは,以
下の通 りである :「 出身国の社会 と文化」,「出身国での ドイツ人マイノ リティの歴史」,「ドイツ人マイノ リティの現実の状況」,「出国動機 と期待,
ドイツ連邦共和国 との 関連で」,「ドイツ系帰国移住者の ドイツ像」,「ドイツ系帰国移住者 の法的地位」,「ドイツ系帰 国移 住者への財政的割当金」,「連邦共和国での ドイツ系帰国移住者の居住状況J,「新旧市民 に対す る労 働市場 の状況」,「新 旧市民の もとでの学校 と家庭 における社会化経験 としつけ方法」,「教会生活の 意味 と近隣 との関係J,「新 旧市民の消費行動」。 第二 に,メ
デ ィアの発行 としては,情
報誌「知 り合お う一私たちの中にいる東欧か らの ドイツ人J が,年
4回,無
料で出 され,ロ
ス トックの場合,下
記 の場所で入手可能である :民 衆大学,一
時滞 在施設むbergangswohnheime,学
校,市
役所社会局,労
働局,AWO。
赤十字,デ
ィア コニー事業 会,市
民会館・ 民主主義の家Burgerhauser/Haus der Demokratie,教 会,ロ
ス トック・ ヨー ロッ パセンター。情報誌 の中には,「私 の人生」 コーナーが あ り,例
えば『知 り合お う』95年第2号
で は,1939年
生 まれで,1994年
4月22日か らロス トックに居住 してい るエルヴィン・ カム ピンErwin
Kampin氏
の手記が掲載 されている (kennenlernen,2/95)。 第二 に,1993年春か ら,展
示,スライ ドTonbildschau,情報誌 を装備 した広幸艮車InfOmobilが 導入 され,公
共 の道路や広場で活動 を展開 し,会
話 と出会 いが期待 されている。 また,新
旧市民 による見学 と出会 いが企画 され,郡
役所,州
議会,連
邦議会,ナ
チスの遺跡 の訪 問な ども行われ る。例 えば,ドイツ系帰国移住者 の要望が高いのは,『モスクワか らのニ ュース よ りもむしろよ く聞いていた』(Volkshochschule Lippe West,1995:10)と いわれ る放送局「 ドイツ の波」の訪聞である。
今後 の課題であ り
,最
近強 まっている傾 向は,統
合圧力が高す ぎるため逆 に「自らの教会施設 の 建設 としばしばゲ ッ トー的な居住関係 に条件付 けられて,
ドイツ系帰国移住者の多 くは,自
己弧立 化 にはまり込 んでいる」(VolkshochsclШle Lippe West,1995:7)と 言われる統合活動の困難化 と,教育活動の新 しい道の模索の必要である。
第
4章
フ ラ ン ク フ ル トにお け る異 文 化 問 教 育 とユ ー ス ワー クフランクフル トにおける外国人を取 り巻 く状況 と多文化業務局及び青少年センター・ コスモスに
ついて
,拙
論 (生田1996)で
示 したので,本
節では トルコ人団体である トルコ人民の家 とトルコ人1.国
際青少 年 セ ンターこの施設の起源 は
,1974年
9月 の「開かれた扉 の日」の枠で行 なわれた国際ス トリー ト。フェス ティバルに始 ま り,こ
れ をきっか けに,青
少年局,参
加 した外国人 グループ,フ
ランクフル ト青少 年協議会Jugendringが 共 同 して,国
際青少年 セ ンターの概念的検討 を行 う活動 グループがで き,1976年 3月
,社
会・ 職業的教育 プロジェク トとして始 まった (Stadt Frankfurt am Main:7)。 センターには,2つ
の基本的視点があ り,第一 は,外国青少年の社会的統合である。統合 は,「個々のグループが
,一
面的 に支配的な関係 に適応す るのではな く,
ドイツ人 と外国人のグループがその 行動 と心的態度 を相互 に近づ ける過程」(Stadt Frankfurt am Main:6)と して位置づ けられ,文
化的特殊性の県持,同
権的生活,権
利 の知覚が重要視 されている。 第二 に,下
記の(2)で検討す る失業青少年 に対す る職業教育 と青少年余暇施設 との結合である。 センターの活動の検討 は,外
国人 グループ,青
少年協議会,職
業教育的措置 と余暇領域か らの青 少年のそれぞれの代表,及
びセ ンターの職員か らなる評議会Beiratが行 う。 現在の活動領域 は,外
国人 グループの独 自の活動,労
働行政 と共同 した職業教育的措置,公
開青 少年余暇活動の3つの場面がある。(1)外
国人グループの独 自の活動 チ リ,ギ
リシャ,イ タ リア,ユ
ーゴ, トル コ,ス
ペインの団体があ り,第
一 に,「独 自のナショナ ルアイデンテ ィテ ィを,独
自の文化的価値 を保護 し知 ることを通 して守 り,自
己意識 を強 める」(Stadt Frankfurt am Main:9)とい う目標 の もとに
,ダ
ンス,フ
ォークソング,劇
な どの基本的にフォルクロー ン的な活動 を行 なっている。 第二 に
,外
国人青少年 のためのカウンセ リング活動,及
びグループの出会いが企画 され,「ドイツ における生活・労働状況 の問題 と,故
国の社会的発展 について議論」(Stadt Frankfurt am Ma9)す
る場 となる。12)労
働行政 と共同 した職業教育的方策a)基
礎職業訓練課程Grundausbildungslehrgangen i l年 間,金
属カロエ(エレク トロ技術 を含む) 15∼ 18歳の15人の失業青少年 を対象 とし,外
国人 は3分
の2を占める。 また,労
働市場 におけ る可能性 を高めるため,同
種 の職業領域 に関わる付加的コース (ガス・ 電気溶接,電
気技術,二
輪車メカニ ック)が
設定 され,手
工的技能・ 知識 を伝達 している。 一般教育の助成 と青少年教育福祉的ケア (カウンセ リング,個
別援助,保
護者活動,自
己の経 験 を助成 し自己意識 を強める相互作用的学習提供,青
少年陶治週間,週
末余暇)も
合わせて行 な われ,失
業や家庭 内の対立か ら来 る青少年の発達心理的困難 に対応 している。現実 は職業訓練 と 職場が十分 にな く,社
会的・ 教育的に不利益な状態 にある青少年 に とって基本的職業訓練過程 は 必要不可欠であ り,さ
らに長期の職業的訓練提供 の必要性が求 め られている。b)企
業外職業訂‖練uerbetriebliche Berufsausbidlulag i 1982年 か ら実施, 金属力III1985年には
,最
初 の7人
のグループが専門労働者試験で平均以上 の成績 を収 めた。1986年現在,第3学年 に
9人
,第
2学
年6人
,第
1学年9人
で,外
国人比率 は5分
の4で
ある。C)プ
ロジェク ト「労働 と学習」PrOiekt“ Arbeiten und Lernen''必要 とする者の希望 に対応す るため
,1985年
8月 か ら,労
働行政 と共同で,こ
のプロジェク トが 実施 された。当初,16∼
18歳の青年6人
で,ABMの
枠 内で, 1年
間,週
30時間 (ペンキ・塗装) 助手 としてセ ンターや公開施設協会Verein Haus der Offenen Turの 余暇施設の改修 と美化のた めに働 き,並
行 して10時間の一般教育的・ 専門理論的授業 を受 ける。 このプ ロジェク トの 目標 は,手
工業 の資格付与 と並 んで,志
向性 能 力,や
り抜 く力Durch‐ haltevermogenの 伝達,青
年失業者の個人的強化 とカウンセ リング とされ,心
理・社会的困窮化 と それに起囚す る麻薬入手のための犯罪Beschaffungskriminalitatに 対応 し,よ
り良い自己価値観 Selbstwertgefuhlの 確立 に貢献 しようとす るものである。しか し,外 国人及び ドイツ人の女性 の場 合,基
幹学校修了後職業訓練 をほ とん ど受 けることがで きない問題があ り,セ
ンター内に少女の ための訓練 コースを充実す る必要性 も指摘 されている。 以上 の訓練計画以外 に,以
下の特徴 を持 っている。第一 に,職
業教育 の青少年教育福祉的志向性 である。 ソーシャルワーカーの課題 は,下
記の通 りである。1)青
年 と職業訓練職人 とのカウンセ リング会話2)家
庭訪間の際の青少年の親 のカウンセ リング3)セ
ンターでの親のタベ4)当
局 (労働局,社
会局,裁
判所,警
察,市
民課Ordllungsamt)と関わ る際の,青
年の援助 とカ ウンセ リング5)労
働局 との継続的な接触 :補完的職業訓練援助 の許可 を摩擦 な く行 うため6)青
少年教育福祉的 。職業関連的週末 。余暇提供7)労
働訓練終了後 の仕事場 の確保の際の援助 (Stadt Frankfurt am Mam 21)。職業教育 。青少年教育福祉 の統合が求 め られ
,ソ
ーシャルワーカー も,作
業所での共同作業 を通 して,職
業関連的能力や知識 を身 に付 けるようになる。 「職業教育 と青少年教育福祉の統合 は,職
業訓練者,ソ
ーシャル ワーカー,教
師の同権的・ 集約 的共同行動,及
び職業訓練 プロジェク トの共通の計画化 と準備 を求 める。」(Stadt Frankfurt am A/1aini 21) こうした職業的資格付与 と青少年教育福祉的活動 を通 して,「限定的な社会的可能性 にもかかわ ら ず,自
己Ich Starkeを 発展 させ ることがで き,そ
れ以上 に労働者 としての将来の役割 に対する展望 を発展 させ る能力が付 く」 ことを目指 している (Stadt Frankfurt am Main:12)第二 に,実践的訓練 におけるプロジェク トメソッ ドである。例 えば,グリル機能付 きの庭小屋Gar‐
tenlaube mit Grillanlage作りの実践 な どである。普通の訓練で行われてい る「説明erklaren一具体 例 の提示
vormachen一
実践nachmachen lassen―誤 りの提示Fehler aufzeigen」 を拡大 し,職
場の 領域 を越 えた知識技能の獲得 を目指 している。実習生 自身が設計図を描 き,訓
練指導者 は活動技術 の提示だけで,出
来 る限 り介入 しない。「プロジェク トメソッ ドが可能 にする成功体験 と学習進歩 は
,完
成 した仕事 との一体感 を生み出 し,更
なる学習への強い動機づ けに作用す る。それ以上 に,青
少年の自己意識 と人格発達 を促進す る。」 (Stadt Frankfurt am WIain:24)第三 に,企業実習Betriebspraktikaで ある。企業 の専門労働者 と数週間仕事 をす ることで,訓練作 業所での仕事 よ りも高い柔軟性 とフラス トレーション寛容 を必要 とす ることを学ぶ。特 に企業外訓 練課程では
,企
業的な必要条件が不十分 な「保護空間状態Schonraumsituation」 への対応 とい う位 置づ けもある。訓練の2年
目か ら,企
業実習 を行 うが,対
応す る企業の場が見つか らなければ,企
業外の訓練所で続 ける。企業実習の課題 は
,1)「
実習生 を潜在的な受 け入れ企業 に紹介 し,実
習生 を引 き受 けようとい う企業の関心 と心構 えを促進す る」, 2)セ
ンターの設備では不可能 な知識 (軽金属カロエ
,高
級鋼・ プラスチ ックカ日工 な ど)の
伝達である (Stadt Frankfurt am Main:25)。 第四に,付
加的授業 と個人的補習である。近年のテクノロジーの発展 と,実
科学校生やギムナジ ウム学生 も手工業の職 を求める傾 向にあるため,職
業学校 での必要条件が高 まり,「目標づ け られた 付加的な助成がなければ,弱
い基幹学校生や特殊学校生 に とって,学
校 の必要条件 に合 わせ る可能 性 はほ とん どない」 (Stadt Frankfurt am Maini 26)と い う状況である。 そのため,弱
者 プログラ ム として付加 的学校助成 と訓練 グループ毎 に教師の半分が財政援助 されている。付力目的授業 は,管
轄す る職業学校 の教師 と扱 う授業のテーマを検討 し,週
10時間,普
通の授業外で集 中的 に行われ る。 補習 は,午
前の職業学校授業の後の仕事のない年後,全
訓練生 の義務である。土曜 日の個人補習 は, 職業訓練 に困難 を抱 える,セ
ンターの他の来館者 も受 け入れている。 第五 に,技
術 の発展 を視野 に入れた職業訓練計画の展開 と拡大で,例
えばマイクロエ レク トロニ クスや コンピュータの導入 により,訓
練内容 を拡大 し青少年 に基礎 を伝達するЬ13)公
開青少年余暇活動 1978年 1月 末の完全開館以来,毎
日約120人(85%外
国人:60%ト
ル コ人,20%モ
ロ ッコ人),平
均年齢17歳の青年が利用 している。来館者の主要地域 は,市
内Innenstadt,ノ ル トエ ン トNordend, ボル ンハイムBornheim,オ
ス トエ ン トOstendである。 青少年教育福祉的・ 健康上の理 由か ら施設でのアル コールの提供 はない。アル コールな しに くつ ろぎ,遊
び,楽
しむ ことがで きる具体的経験 を作 ることを目的 としているが,共
同の祭 りの時だけ, 軽 いアル コール飲料が限定的にある。余暇提供 は,次
の10領域 に分かれる。a)青
少年喫茶部門JugendCafebereich庭付 きの青少年喫茶JugendCafe mit Garten(月 ・ 火 。木 。金15∼ 20時
)に
おいて,音
楽鑑賞,団築
,遊
びによる出会い と情報交換・提供 の場である。10∼ 13歳対象の生徒喫茶Schulercafe・ 太 陽 (月・ 火,木
・ 金12:00∼ 18:00時
)も
あ り,放
課後,昼
食 を作 った り,音
楽や遊 び,宿
題援 助が行 なわれ る。b)公
開提供offene Angebote デ ィスコ,催
し物,映
画・ 討論の催 しな どが行 なわれ,隔
週土曜 日夜 (16∼21時)に
は国際デ ィスコInternationale Discoが催 され る。また,1996年には以下の各種の トーナメン トが実施 され ている (それぞれ17時開始,申
し込みは青少年喫茶):キ
ッカー・ トーナメン ト(2/8),ビ
リ ヤー ド・ トーナメン ト(3/7),卓
球 。トーナメン ト(4/11),ス
トリー トボール・ トーナメ ン ト(5/23),バ
レーボール・ トーナメン ト(6/20),ス
トリー トサ ッカー・ トーナメ ン ト(7/
11),ス
トリー トボール・ トーナメン ト(9/19),キ
ッカー・ トーナメン ト(10/24),ビ
リヤー ド・ トーナメン ト (■/14)。C)ト
ル コ人少女 との活動Arbeit mit turkischen A/1adchen及 び少女の出会いMadchentreffトル コ人少女 との活動,ま
,1979年
以来,裁
縫作業所 と連携 して,週
3日,14時
∼19時 に,60人
の トル コ女性 (14∼20歳
)と
の青少年教育福祉的活動 として行われている。裁縫作業所 について は,縫
製だけでな く,遊
具や催 し物で展示・ 販売 され る工芸品が作 られる。失業 している少女 は,小遣 いを得 られ