指導者 渡部 英里 ○ 本単元は,小学校学習指導要領国語科第1学年及び第2学年,「A 話すこと・聞くこと」の指導事項 「イ 相手に応じて,話す事柄を順序立て,丁寧な言葉と普通の言葉との違いに気を付けて話すこと。」 「エ 大事なことを落とさないようにしながら,興味をもって聞くこと。」の内容を受けて設定した ものである。ここでは,「A 話すこと・聞くこと」の言語活動例「ア 事物の説明や経験の報告をした り,それらを聞いて感想を述べたりすること。」を具体化し,自分たちが作ったオリジナルじゃんけん で楽しく遊ぶために,話す事柄を順序立てて説明することをねらいとしている。 教材文「じゃんけんやさんをひらこう」は,オリジナルじゃんけんを友達に説明するときの順序を 考えるための資料として扱う。また,オリジナルじゃんけんを自分で考えるためには,普段使ってい るグー・チョキ・パーの勝ち負けの仕組みを確かめることや,勝ったり負けたりする3つのものの組 み合わせを考え,どのような身振りで表すのかという考え方を知ることも重要である。これらの考え について教材文を使って学習する。教材文で読み取ったことを生かして児童が新しいじゃんけんを創 造し,そのじゃんけんで遊ぶために,学級のみんなに分かりやすく説明する方法を考えるという単元 構成とした。 ○ 本学級の児童は,「学びの変革パイロット校事業に関連する児童質問紙」の結果において,「授業で は,自分の考えとその理由を明らかにして,相手に分かりやすく伝わるように発表を工夫しています。」 という項目では,よく当てはまると答えた児童は50%,やや当てはまると答えた児童は33%,あ まり当てはまらない,まったく当てはまらないと答えた児童は合わせて27%であった。この結果か ら,相手意識をもって自分の考えと理由を表そうとしているという意識が十分でないことが分かった。 普段の様子を見ていても,朝の会のスピーチや授業での発表では,自分の話したい気持ちが先行する あまり,主語が抜けていたり,順序を考えずに話していたりする姿が見受けられる。聞くときにも「わ かりました。」と反応するが,友達の発表した内容を説明することを要求すると黙り込んでしまった り,的外れなことを言ったりする児童がいる。 ○課題を発見・解決する力 導入時には,普段の帰りの会にさよならじゃんけんをし,楽しく帰りの会ができていることを想起 させる。そのさよならじゃんけんがいつも同じであることに対して疑問を投げかけ,毎日のさよなら じゃんけんをアレンジすることはできないかと問いかける。インドネシアでは,「ぞう」「あり」「ひと」 でじゃんけんをしていることを知らせ,インドネシアのじゃんけんで遊ぶ。じゃんけんは必ずしも「グ ー」「チョキ」「パー」だけではないことに気付かせ,自分たちでオリジナルのじゃんけんを作りたい という思いをもたせる。 オリジナルじゃんけんを作るためには,「何を使ってじゃんけんをするのか。」「勝ち負けはどのよ 第1学年1組 国語科 学習指導案
単元名: オリジナルじゃんけんであそぼう
「じゃんけんやさんをひらこう」
男子14名 女子16名 計30名単元について
たい。そのために,日本のじゃんけんとインドネシアのじゃんけんを比較して共通点に気付かせる。 オリジナルじゃんけんは6人班で,3つのものの勝ち負けの仕組み,その身振りになった理由を考え させる。 オリジナルじゃんけんを考えた後に,説明の仕方を指示せずに伝える場を設けることで,説明が上 手にできなくてルールや身振りを理解できず,オリジナルじゃんけんを楽しめないことを体感させる。 みんなが楽しくじゃんけんをするためには,相手を意識し説明する順序に気を付ける必要があること に気付かせ,教材文を使って説明の順序を考える活動をしかけたい。 その後,自分たちの考えたじゃんけんの説明の原稿を作り,班ごとに練習を行う。聞き合うときに, 話し合う順序だけでなく,丁寧な言葉と普通の言葉との違いに気を付けて話しているかという点にも 注意してアドバイスし合うことを指示する。 じゃんけんを伝える場は,一人ひとりが伝える場を確保するために班6人に番号を付け,各班の同 じ番号同士の人が集まって説明する形式をとって行いたい。 ○深く考える力 この単元を通して,「使うもの」「勝敗の仕組み」「身振り」の3つを関連付ける力,その3つを相手に 分かりやすく伝える力を育成する。 「石」「はさみ」「紙」のようにじゃんけんに使う3つのものはお互いに勝ったり負けたりする関 係をもっている。そのような3つの使うものを考えるために,動物や植物の図鑑を並行読書として 読ませ,動植物の関係性の知識を持たせておく。また,3つの使うものを考える際には,3つのも のを矢印で関係付ける思考ツールを用いる。矢印の先に○や×を記しておき,どちらがどちらに勝 つのか視覚的に分かるようにする。 ○自己を理解する力 この単元を通して,普段の授業での発表やスピーチを振り返る機会にしたい。自分の意見を言うと きには,自分の思いつくままに言うのではなく,相手を意識して話すことが自分の意見を効果的に伝 えられることだと気付かせたい。そのためにこの単元の間は,毎時間ごとに相手を意識して話す活動 ができたか振り返らせたい。 ○ オリジナルじゃんけんを作って,じゃんけんの仕組みを説明することに関心をもち,進んで取り組 もうとしている。 【関心・意欲・態度】 ○ 相手に応じて,話す事柄を順序立て,丁寧な言葉と普通の言葉との違いに気を付けて話すことが できる。 【話すこと・聞くこと イ】 ○ 大事なことを落とさないようにしながら,興味をもって聞くことができる。 【話すこと・聞くこと エ】 ○ 言葉には,事物の内容を表したり伝えたりする働きがあると気付くことができる。 【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項(1)イ(ア)】
単元の目標及び内容について
国語への 関心・意欲・態度 話す・聞く能力 言語についての 知識・理解・技能 【言語活動】 オリジナルじゃんけんを作り,友達に説明してみんなで遊ぶ。 ・オリジナルじゃんけんについ て,じゃんけんの仕組みを説明 することに関心をもち,進んで 話している。 ・友達の紹介するじゃんけんに興 味をもって聞いている。 ・話す事柄を順序立て,丁寧な言葉と普通 の言葉との違いに気を付けてオリジナル じゃんけんを説明している。 ・友達の紹介するじゃんけんの「使うもの」 「勝敗の仕組み」「身振り」の3つを落と さないように聞いている。 ・言葉には,事物の 内容を表したり 伝えたりする働 きがあることに 気付いている。 全 11 時間 次 時 学習内容 評 価 関 話 聞 言 評価規準 評価方法 一 1 ○・自分たちのオリジナルじゃんけんを作学習の計画を立てる。 って遊ぶための学習の見通しを立て る。 ○ ・オリジナルじゃん けんを作ることに 関心をもち,学習の 見通しを立ててい る。 行動 観察 ノート 二 2 ○じゃんけんの仕組みを確かめる。 ・じゃんけんは「使うもの」「身振り」「勝 敗の仕組み」を満たして成り立ってい ると教材文を読むことで知る。 ○ ・オリジナルじゃん けんを考えるため に必要な材料を集 めている。 行動 観察 ノート 3 ○オリジナルじゃんけんを作る。 ・「使うもの」を決め,「勝敗の仕組み」を 班で考える。 ○ ・オリジナルじゃん けんを考えるため に必要な「使うも の」「勝敗の仕組み」 を考えている。 行動 観察 ワークシート 4 ○オリジナルじゃんけんを作る。 ・「使うもの」と「勝敗の仕組み」から「身 振り」を班で考える。【本時】 ○ ・オリジナルじゃん けんをするために 必要な「身振り」を 考え友達に伝わる ように話す言葉を 考えている。 行動 観察 ワークシート 5 ○オリジナルじゃんけんの効果的な説明の仕方を考える。 ・分かりやすく説明するためにはどのよ うな内容を話すとよいのか考える。 ○ ・友達に分かりやす く伝えるためには, 「使うもの」「勝敗 の仕組み」「身振り」 をどの順で話せば よいか考えている。 行動 観察 ワークシート ノート
単元の評価規準
指導と評価の計画
動 物 や 植 物 図 鑑 の 並 行 読 書 課題の設定(1) 情報の収集(1) 整理・分析(2) 情報の収集(2)次 時 学習内容 評 価 関 話 聞 言 評価規準 評価方法 二 6 ○オリジナルじゃんけんの効果的な説明の仕 方を考える。 ・分かりやすく説明するためには「使うも の」「勝敗の仕組み」「身振り」をどの順番に 伝えるとよいか考える。 ○ ・友達に分かりやす く伝えるためには, 「使うもの」「勝敗 の仕組み」「身振り」 をどの順で話せば よいか考えている。 行動 観察 ワークシート ノート 7 ○オリジナルじゃんけんの説明の仕方を原稿 に書く。 ・「何を使ってじゃんけんをするのか。」「勝 ち負けはどのように決まるのか。」「どのよう な身振りで表すのか。」の順番で書く。 ○ ・友達に分かりやす く伝えるためには, 「使うもの」「勝敗 の仕組み」「身振り」 の順で,理由や具体 的な動作を付け加 えて話の構成して いる。 行動 観察 ワークシート ノート 8 ○オリジナルじゃんけんの説明の仕方を原稿 に書く。 ・班で作った原稿を読む練習をし,他の班の 人に伝わる話し方であるか確かめ合う。 ○ ・丁寧な言葉と普通 の言葉との違いに 気を付けてオリジ ナルじゃんけんを 説明している。 行動 観察 9 ・ 10 ○他のグループの友達に自分の班で考えたじ ゃんけんを説明する。 ・班の中で個人に番号を割り振り,他の班の同 じ番号の人に説明し,じゃんけんをして遊 ぶ。 ◎ ○ ○ ・丁寧な言葉と普通 の言葉との違いに 気を付けてオリジ ナルじゃんけんを 説明している。 ・友達の紹介するじ ゃんけんの「使う もの」「勝敗の仕組 み」「身振り」の3 つを落とさないよ うに聞いている。 行動 観察 三 11 学びのモニタリング ○自らの学びや学び方を振り返る。 ・学習計画に沿って,学んだことを振り返 る。 ・学んだことを今後どのように生かすこと ができるか考える。 ○ ・学習したことをも とに自らの学びを 振り返り,今後の学 習に向けて生かせ ることを考えてい る。 行動 観察 ワークシート 振り返り(1) まとめ・創造・表現(2) 整理・分析(2)
(1)本時の目標 ○ オリジナルじゃんけんを楽しむために必要な「身振り」を決め,友達に伝わるように話す言葉を考え ることができる。 (2)本時の評価規準 ○ オリジナルじゃんけんを楽しむために必要な「身振り」を考え友達に伝わるように話している。 【話す・聞く能力】 (3)本時の学習展開(7時間目/全 11 時間) 学習活動 ○主な発問 ・予想される児童の反応 □思考の場の工夫 ◇指導上の留意事項 ★めざす児童の姿 ◆「努力を要する」状況と判断した 児童への指導の手立て 評価規準〔観点〕 (評価方法) ◎本時で付けたい力 ☆育成したい資質・能力 1 本時の学習課題を確認する。 2 どのような身振りにするか個人 で考えた後,班で話し合う。 3 どのように説明すると友達に身 振りが伝わるか,全体で考える。 4 二人一組で身振りの説明の練習 をする。 ◇オリジナルじゃんけんを作るために 必要な「使うもの」「勝敗の仕組み」 を考えたことを想起し,「身振り」を 考えないとじゃんけんが成り立たな いことから今日の学習課題を立て る。 ◇班で考えさせる前に個人で身振りを 考える時間を設ける。個人の意見を もった上で,話し合いの手順に沿っ て,班でどの身振りがじゃんけんに 適しているか練る。 ◆話し合いの手順が書かれたカードを 渡しておく。 ◇インドネシアのじゃんけんで使った 身振りを体現し,その説明のために は「このように」という言葉を使い, 実際に身振りをしながら説明すると よいことに気付かせる。 ◇自分の班で考えた身振りの説明を二 人一組で行う。 ◆「このように,てを(あしを)○○し ます。」という話型を記したヒントカ ☆考えた身振りを友 達に分かりやすく 説明するための方 法を考えている。
本時の学習
オリジナルじゃんけんのみぶりをきめて,せつめいのしかたをかんがえよう。 めあて □思考の場の工夫 関連付ける じゃんけんに使う3つのもの を丸の中に絵と言葉で書き込 む。その間の線に書かれている○
と×
のマークを見て関係性を 把握させる。この思考ツールを 見ながら身振りを考える。 A:オリジナルじゃんけんのみぶりをはんできめ、わかりやすくせつめいするしかたをかんがえて はなすことができる。 B:オリジナルじゃんけんのみぶりをはんできめ,せつめいできる。 本時のゴールの見通し学習活動 ○主な発問 ・予想される児童の反応 □思考の場の工夫 ◇指導上の留意事項 ★めざす児童の姿 ◆「努力を要する」状況と判断した 児童への指導の手立て 評価規準〔観点〕 (評価方法) ◎本時で付けたい力 ☆育成したい資質・能力 5 振り分けられた番号同士で集ま って,自分の班の身振りを知らせ る。 6 本時の学習を振り返る。 ◇一人ひとりが他の班の人に伝える役 目をもたせることで,全員が話せる ようにする。 ◆「このように,てを(あしを)○○し ます。」という話型を記したヒントカ ードを渡す。 ◇次の時間は,今まで決まったことを 違う班の友達に教えるために原稿を 書くことを伝えて,今日の時間をど のように生かしたいか考える。 ◎ オリジナルじゃ んけんを楽しむた めに必要な「身振 り」を友達に伝わ るように話してい る。〔話す・聞く能 力〕(行動観察) (4)板書計画 ★めざす児童の姿 このように,ぞうは手を鼻の前にもってきて振ります。 このように,ひとは手を組みます。 このように,ありは頭の上に人差し指を立てます。(身振りを付けながら)