遊びと脳科学
H28.8.9 医療的ケアと重症児教育研究会・元代表幹事
**** ****研修会
切れる子供と脳科学
VTR• 扁桃体(好き嫌い/快不快の判断/闘争か 逃走か)の興奮と沈静 • 46野(≒前頭前野背外側部・DLPFC)が扁桃 体の興奮を抑制 • この二つの中枢の興奮と抑制の調整(神経 線維の繋がりを太く)することが大切 → 扁桃体の充分な興奮とその後の鎮静 を繰り返す ※BOKS
ブロードマンの脳地図(外側)
(線条体<被殻・尾状核>と淡蒼球)
(大脳辺縁系)
(大脳辺縁系)
扁桃体
海 馬 ( 記 憶 の 保 持 や 想 起 に 関 係 ) 扁 桃 体 は そ の 前 に あ る
46野と扁桃体の繋がりを強める
• GO NO-GO反応 (GO=やれ NO-GO=やらない) 「積極的に行ったり、積極的にやらない(やりたく てもやらない)」ことを繰り返す<ex.ゲームで順 番を待つ ex.音楽が鳴ると動き、止まると動きも 止める遊び ex.充分な活動の後の片づけ> ※NO-GOで褒める ※初めは少しの「待ち」で褒める 46野と扁桃体の繋がりが切れると VTR遊びの意味
• 身体能力 遊びに熱中し熟達していく過程で筋力,持久力,柔軟性,敏捷 性等のさまざまな身体能力を総合的に発達させていく。 • 認知能力 知覚や言語・思考などを用いて判断・行動していく能力。 遊びを通して,自分の思いを実現するために,人や環境にどう かかわればよいかを考え,試行錯誤をする中で認知能力を発達 させる。 • 社会性 友だちとの調整や譲り合いなどの解決を重ねていき,多くの友 だちと協力しながら一つの活動をつくり上げる感情の3原色
ドーパミン (快感) セロトニン (落ち着き) ノルアドレナリン (覚醒) 竹内修二 (慈恵会医科大学)【
主な神経伝達物質
とその性質 】
ノルアドレナリン 覚醒・注意・集中・怒り・お びえ セロトニン 落ち着き、鎮痛・癒し・安 心感 ドーパミン 快感・やる気 βエンドルフィン ホッとする・落ち着く GABA がまん・切り替え・抑制 アセチルコリン 記憶・運動神経など グルタミン酸 記憶・学習 などやる気と脳
• 側座核(腹側線条体)が活動 (ドーパミンの放出による・A10神経) → やる気が起こる 動き出さないと活動しない ・小さいことから始める(小さい目標) ・初めに、出来たという感覚を得る (最初に簡単な課題を行う) ・楽しく運動をすることによりドーパミンを出す報酬系
• 側坐核
ネズミの実験
A10神経
精神的安定
• セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンのバランス • 縫線核(脳幹)1秒に2~3回のリズムでセロトニン を放出⇒ リズム的な運動(ジョギング、ドラム・・) ・背筋が伸びる ・顔の輝きが出る ・平常心が保てる ・痛みに強くなる 増やし方 ・朝、太陽の光を浴びる ・リズム運動 ・トリプトファン(バナナ、大 豆製品、乳製品、アーモン ド、豚肉など)を取る神経伝達物質
(VTR)の過不足とその影響
伝達物質 神経末端からの放出 が多すぎる場合 神経末端からの放出 が少なすぎる場合 ドーパミン 統合失調症 (セレネース、リスパダールなど) パーキンソン病 (L-ドーパなど) ノルアドレナリン セロトニン 不安、そう病 うつ病 (SSRI・SNRIなど) アセチルコリン パーキンソン症候群 アルツハイマー病 (アリセプト) ADHD治療薬:ストラテラ(成分アトモキセチン)ノルアドレナリン再吸収阻害薬/DPも増 リタリン/コンサータ(メチルフェニデート):ドーパミン、ノルアドレナリンを増やす 自閉症治療薬:オキシトシン点鼻薬? リスパダール(ドーパミン・セロトニン拮抗薬)扁桃体が壊れると
• クリューバー・ビューシー症候群(両方損壊) 何でも口に入れる 恐怖心の消失 性行動の異常 攻撃性の低下 ※カプグラ症候群etc言語中枢(左脳)が壊れると
• 左脳<右利きの99%、左利きの60~70%> • ウェルニッケ野(感覚性言語野/39.40野.22野) 聞いた言葉を理解できない • ブローカー野(運動性言語野/44,45野) 思った言葉を声に出すことができない ※4歳までに半球を切除 した場合は、話し読み書 きなどへの問題はほとん どない(生田) 弓状束:自閉症児 で弱い 東出君も視力を失った人の聴力
• 聴力はよくなるか? 聴力検査は変化がない 周辺聴力はよくなる 視覚野でも「聞く」ようになる(視覚野の活動) *触覚が鋭い(視覚野の活動 ※点字をする 人は人差し指の脳領域が拡大する) *言葉を思い出すだけで、視覚野が活動する • 目に関係する脳細胞 30~40% • 情報量の70%は目から得ている聴力を失った人の視力
• 視力はよくなるか? 視力検査はよくならない 周辺視野の感度が上がる 特に周辺視野での動体視力が格段に上がる 視覚野が聴覚野まで拡大する(脳の再構成)神経細胞の新生と可塑性
• 運動により新生が生じやすいVTR (BDNFの産生) ※IGF-1、VEGF • 年齢が高くなっても新生は生じる(要運動)。 • 嗅球(1年で70%入れ替る)と海馬で確認 • 能動的な外界との関わりにより、脳の再構築が 行われやすい(脳の可塑性VTR)自閉症に関係ある領域の例 【※扁桃体、海馬、ミラーニューロン・・】 上側頭溝? 人の意図を読み 取る ※東出 弓状束 繊維の束 ※東出 ブローカー野≒ 隠喩の理解など ウェルニッケ野 紡錘状回
マシュマロテスト
VTR • 4(~6歳)の子供たちに、マシュマロを一つ見 せて、「15分待つことができたらもう一つもら える」、と伝えて部屋を出る。 • 15分待つことができた子供たちは1/3程度。 10年後の社会性や学業の成績がよい傾向が あり、その傾向は生涯続いていた。 • 責任部位として、46野、下前頭回の(44、45 、47野・・)etc.など諸説あり。幻肢痛(ファントムペイン)
• 失われた腕が痛むことがある ない腕が痛むとはどういうことか → 脳が混乱することにより起こる • 治療は、 脳をだますこと ミラーボックス→TMS(経皮頭蓋磁気刺激療法)
磁気の作用により、 脳の働きを部分的 に強めたり弱めた りする • 脳卒中 • てんかん • パーキンソン病 • 頭痛 • 耳鳴り • うつ病 • ジストニア • など具体的アプローチの提案
• 有田秀穂(東邦大学医学部) ランニングと46野の活性化VTR、セロトニン ・久保田競(元京大霊長類研究所所長) 1、走る、歩く。その経路を覚えて地図上に書きこむ。 2、アカペラでうたを歌う。 3、おいしいものを食べる 4、二つ以上のことを同時に行う。(料理を作るなど) ※10野(前頭極) が,複雑な行動(遅延反応またはGO-NOGO課題のいずれかを主課題として,他のいずれかを 副課題とした,いわゆるブランチング課題)の制御に関係ストレスについて
• 視床下部・脳下垂体から多くのホルモンが分泌される • ストレスホルモン ≒ACTH(副腎皮質刺激 ホルモン)コルチゾールの 分泌 ・抗炎症作用 ・免疫力の低下 ・長期多量に分泌されると 海馬が萎縮 被験者に風邪ウイルスを滴下し、 風邪の発症率を調べたものストレスへの対応
怒
り
の
分
類
マインドセットチェンジ
~ストレスへの考え方を変える~•
ストレスには悪い面もあるが、良い面もある
• 良い面に目を向けると、ホルモンの出方が変わり 、免疫力や体力、精神力が強くなる • 「闘争・逃走反応」から ➡「チャレンジ反応」(DHEA 男性ホルモンの 一種で、若返り・免疫強化・抗肥満・抗糖尿・・) ➡「思いやり、絆反応」 へ(オキシトシン 愛情 ホルモンとも言われ、不安の軽減・免疫強化・痛 みの抑制・好奇心・・・) ※ユーチューブで「ストレスを友達にする方法」視聴オキシトシン
(脳下垂体ホルモン) 働き ・安らぎを高め、不安を軽減 ・ストレスホルモンの抑制 ・好奇心の向上 ・愛着行動の強化 ・痛みの抑制 ・免疫機能の強化 ※仲間への愛着と敵への攻撃性 いつ出るか ・スキンシップ(撫でる・タッピングタッチ・・・) ・人に優しくする時、される時 ・ボランティア ・バラやかんきつ類の香り・湯船に浸かった時具体的には
•(その人に合わせた)豊富な、変化に富んだ環境 •スキンシップをしっかりする •やさしい言葉かけ •やさしい抱き上げや抱き降ろし •揺れの感覚、温かい感覚を気持ちよく感じられる •笑顔、笑い声がたくさん聞こえる •好きなことを中心にし、その楽しさを共有する(情 動の共有) ・・・・・・BOKS(ボックス)http://boks.jp/
レイティ博士の提唱する授業前運動プロム。その後の授業 で集中力や学力の向上が認められることから、米国で(ネー パーヴィル203学区を中心に)広がりつつある。 【効果】 ・普段使わない筋肉を使うことにより、体力や運動能力の向上 ・運動により脳の活性化を促すことで、集中力や学力の向上 ・運動能力の優劣に左右されないプログラムで、運動不足・ス トレスの解消 ・仲間とコミュニケーションを取りながら楽しむことで、社交性が 身に付く ・実践校:宇都宮市立瑞穂野南小学校、さくら市立南小学校 他 推進団体:ユナイテッド・スポーツ・ファウンデーション(USF)番外編
・ストレスは海馬を傷つけるが、 BDNFはそれに抵抗する ・妊娠中の適度な運動は赤ん坊の刺激に対する反応を よくする。5歳時点でIQや言語能力を高めるという報告も。 ・脳活動の80%はグルタミン酸とGABA 1%がドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリン ・オキシトシンと自閉症(点鼻スプレーで) ・ミラーニューロン(共感、ごっこ遊び、模倣、心の理論等と関係) ・突出風景理論(視覚野と扁桃体との関係に問題) ・自閉症とテストステロン(男4:女1?) ・後天サヴァン ・右角回と幽体離脱 ・左側頭葉てんかんと宗教体験 ・共感覚 ・抱っこ法46 37 22 角回 左 左
脳の中の逆さ小人 (脳のホムンクルス)
生
命
活
動
の
中
枢
(
脳
幹
)
機能 ・睡眠のリズム ・意識覚醒のレベルを調整 ・呼吸 ・循環 ・ホルモンの調整
脳幹の部位
錐 体 外 路 系 【 ス ム ー ズ な 動 き 】