第
2
会場2
日目 共催:イーサイトヘルスケア株式会社基礎からの
DICOM
,
PACS
そして外部保存
7月17日(日) 8: 20∼8: 50 座長:松尾義朋 (イーサイトヘルスケア) 上杉正人(北海道情報大 医療情報学部) モーニングセミナー2
基礎からの
DICOM
PACSそして外部保存
2016.7.17
北海道情報大学 医療情報学部
上杉 正人
目 次
DICOMの歴史と特徴
DICOMの基礎とPACS
DICOM規格の歴史
1970 1980 1990 20001993年 DICOM ver3.0
1983年 医療画像規格委員会結成(米国) 1985年 ACR-NEMA Ver1.0 1988年 ACR-NEMA Ver2.0 1976年 John Keys SPECT開発 1972年 Hounsfield CT開発 1978年 NMRによる初の人体画像撮影に成功 1983年 最初の臨床機であるFCR101が発売 PACSの普及 1989年 北海道大学病院 PACS稼働DICOM規格の誕生の背景
•
1970年代のデジタル画像診断装置の普及
• 当時は診断装置ごとの接続方法が異なり、接続のための費用と時間が膨大であった。 • ユーザ、ベンダーともに負担であった。•
装置間での共通利用のための標準規格が求められた
。
•
1993年 RSNA(北米放射線学会)で規格として承認される
•
DICOMは毎年見直しされ
、
改善が行われている
。
DICOMの特徴
•
ネットワーク
環境に対応している
• イーサネットなど•
オブジェクト指
向に基づいて情報が定義されている
• 患者情報や検査情報がオブジェクトとして画像の先頭(ヘッダー)に記述されている•
コンフォーマンス・ステートメント
(適合性宣言書)によりサポート
範囲を明確にしている
• DICOM装置がどのような機能(サービスクラス)を実装しているか文書化されている。 • 機器を接続する前にサービスが利用できるか確認することができる•
追加・拡張
が継続的に行われている
。
• Part 1からPart20から構成されている。 • これまで多くの補遺(Supplements)が提示され、追加・拡張が行われている。 5DICOM規格はどこにあるの?
http://dicom.nema.org/
http://www.jira-net.or.jp/dicom/
dicom_data_02_01.html
DICOM規格の概要
The DICOM Standard 2015
DICOM Part 1: Introduction and Overview DICOM Part 2: Conformance
DICOM Part 3: Information Object Definitions DICOM Part 4: Service Class Specifications DICOM Part 5: Data Structures and Encoding DICOM Part 6: Data Dictionary
DICOM Part 7: Message Exchange
DICOM Part 8: Network Communication Support for Message Exchange DICOM Part 10: Media Storage and File Format for Media Interchange DICOM Part 11: Media Storage Application Profiles
DICOM Part 12: Media Formats and Physical Media for Media Interchange DICOM Part 14: Grayscale Standard Display Function
DICOM Part 15: Security and System Management Profiles DICOM Part 16: Content Mapping Resource
DICOM Part 17: Explanatory Information DICOM Part 18: Web Services
DICOM Part 19: Application Hosting
DICOM Part 20: Imaging Reports using HL7 Clinical Document Architecture
検査画像に関する 情報オブジェクトが 定義されている DICOMデータにどの ように情報を格納す るか定義されている DICOMタグ情報が定 義されている
DICOM規格はPart 1からPart 20から構成されているが、ただしPart9(1対1通信)、 Part13(1対1のプリント通信)は廃止されている。
サービスクラスと情報オブジェクト
DICOMでは「何をするか」(サービス)と「対象となるデータ」(情報オブジェクト)の組み
合わせで機能が定義されている。
サービス名 機能概要 Storage Service Class 装置間で画像転送し、保存するサービス Print Management Service Class 画像をプリントするサービス Modality Worklist Management Service Class 検査情報を管理するサービス Query/Retrieve Service Class 画像検索と転送をするサービス○サービスクラス(何をするか)
・PS3.4で定義されている。
・サービスを提供する側:SCP(Service Class Provider)
・サービスを利用する側:SCU(Service Class User)
・サービスを提供する側と利用する側を明確に分けて定義している。
例)
サービスクラスと情報オブジェクト
DICOM機器の接続
Storage Service Class SCU Storage Service Class SCP Query / Retrieve Service Class SCP Query / Retrieve Service Class SCU Print Service Class SCU Print Service Class SCP DICOM画像を保存管理する DICOM画像を検索表示 DICOM画像を印刷 l 「DICOM対応機器」同士であっても、サポート範囲が異なれば 通信(データ交換)できない。 PACSサーバ 画像参照端末 レーザーイメージャー SCU : Service Class of User SCP : Service Class of Providerサービスクラスと情報オブジェクト
情報オブジェクト定義
○情報オブジェクト(対象データ)
・PS3.3(Information Object Definition, IOD)で定義されている
・画像検査などにかかわるすべのデータが対象である
。
・CT画像
、
CR画像
、
患者情報
、
検査情報
、
構造化レポート
、
etc
IE(Informa)on En)ty)
情報実体 Module Reference Usage
PaEent PaEent C.7.1.1 必須
Study General Study PaEent Study C.7.2.1 C.7.2.2 オプション 必須
Series General Series C.7.3.1 必須 image General Image C.7.6.1 必須 Image Pixel C.7.6.3 必須 Contrast/Bolus C.7.6.4 条件により必須 例)CT画像のIOD
AOribute Name Tag Type ---
Study Instance UID (0020,000D) 1 Study Date (0008,0020) 2 Study Time (0008,0030) 2 ・・・・・・・・・・ (・・・・,・・・・) ・
DICOM画像はData Elementから構成される
Data Elementは次の4つの情報を含んでいる
。
Tagはグループ番号(2バイト)とエレメント番号(2バイト)の16進数で構成される 値に付けられたタグで、タグから値の意味を特定することができる VR( Value RepresentaEon)には2バイトの文字列が入る 明示的に値の表現形を示す。数値、文字、日付など VL (Value Length)にはVFに入るデータの長さが16進数で保存される 氏名やコメントなどの長さ(可変長)を表すことができる VF( Value Field )に必要な情報が保存されている 実際に検査日や患者氏名などが入る VF 可変長 値そのものData Element Data Element Data Element Data Element Data Element Data Element
Tag
0010,0020 “LO”VR
VL
10Value Feild
0123456789Data Element
の最後に画素データが含まれている
・・・・・ 最後のデータエレメ ントに画素データが 格納される互換性の保証 Data Element Type
○各Data Elementが必須かどうかを定義している
。
・CT画像であればCTのIODに必須のData Elementが含まれなければなら
ない。
・ベンダー間の相互接続性や画像表示の一貫性を担保することができる。
Type 説明 例 1 必須項目、有効なデータを含めなくてはならない Study Instance UID 2 必須項目であるが、有効なデータがない場合は空のデータを 含めること PaEent Name PaEent ID 3 オプション。なくてもよい。また、からのデータを入れてもよい。 PaEent Comment 1C 条件によってType1となる属性。 Pixel Spacing 2C 条件によってType2となる属性 LateralityData Elementの情報表現を明示的に示す
VR(Value Representation)
○VRはデータの取りうる値を2文字で表す
。
・PS3.5(Data Structures and Encoding)で定義されている
。
・VF(Value Field)に格納される情報を定義する
。
VR名 定義・使用可能な文字 値の長さ/データ種 CS(Code String) 大文字のアルファベット、“0”-“9”、スペース、”_” (例)モダリ ティ名”MR” 最大16バイト/文字列 DA(Date) YYYYMMDDで表される日付文字列 (例)検査日“20160716” 8バイト固定/文字列 TM(Time) HHMMSS.FFFFFFで表す文字列 (例)検査時 間“131526.000000” 最大14バイト/文字列 PN(Person Name) 人名 (例)Kobe^Taro=神戸^太郎=こうべ^たろう 構成要素グループごと に最大64文字/文字列 DS(Decimal String) 固定または浮動小数点を表す文字列 (例)スライス厚“12.399” 最大16バイト/文字列 UI(Unique IdenEfier) 識別子(例)SOP instance UID “1.2.392.200054.1.21000001.1.6.1” 最大64バイト/文字列 US(Unsigned short) 符号なし16ビットの整数 (例)画像の縦横の画素数 2バイト固定/数値 OB(Other Byte String) バイト列 (例)画像データ 別定義/バイト列DICOMオブジェクト
世界にひとつの検査
、
ひとつの画像
○検査や画像が重複しないようにUIDでDICOM画像は管理されている
・他院から持ち込まれた画像も自院の画像と重複することはない
。
DICOMの定義 説明 患者 (0010, 0020) PaEent ID 施設内で一意に管理される 検査 (0020, 000D) Study Instance UID 世界に一つしかない番号で検査を区別する シリーズ (0020, 000E) Series Instance UID 世界に一つしかない番号でシリーズを区別する 画像 (0008, 0018) SOP instance UID 世界に一つしかない番号で画像を区別するSOP instance UIDの例
1.3.12.2.1107.5.6.1.7520.30000015041304542343700000002 root 組織を表す 常に同じ値 suffix 組織ごとにルールに則って発番する
DICOMのタグと値
検査基本情報と患者情報
Tag 項目 値 0008, 0008 画像タイプ 'ORIGINAL\PRIMARY\TOMO\EMISSION' 0008, 0016 SOP Class UID '1.2.840.10008.5.1.4.1.1.20' 0008, 0018 SOP Instance UID '1.3.12.2.1107.5.6.1.7520.300000150413045 42343700000002' 0008, 0020 検査日 '20150413' 0008, 0030 検査時間 '095142.265000' 0008, 0050 アクセッション番号 '5000002748447000' 0008, 0060 モダリティ 'NM' 0008, 0070 製造者 'SIEMENS NM' 0008, 1030 検査記述 'Brain Scan' 0008, 1090 製造モデル名 'IP2' 0010, 0010 患者名 KANJA^SHINEI 0010, 0020 患者ID 1234567890 0010, 0030 患者誕生日 19570412 0010, 0040 患者性別 MCT
画像に対してユニー クな番号が付与され る オーダ番号が入りHISと 連携を撮ることができる
DICOMのタグと値
CT検査(収集)情報
それぞれの検査に特化した検査情報が格納されている
msec mA Head First-Supine mmDICOMのタグと値
CT画像情報
1画素のサイズ(縦/横mm) 画像の縦の画素数 最後のデータエレメント。 このタグの次に画像の データエレメント。画素 値が524Kバイト続く 1画素のビット数 16bit = 2バイト 画像表示のための出 ディフォルトのWC=40と WW=88 画素の最低値を黒 として解釈するDICOM通信の3つのステップ
Step1:アソシエーション確立要求 Step2:画像転送要求 Step1:アソシエーション確立応答 Step2:画像送信 C-Store Step3:アソシエーション解放要求 Step3:アソシエーション解放 ワークステーションからQ/Rして画像を受信する ワークステーション Q/R SCU PACS Q/R SCP ①PASC AE Etle に通信の確立 要求 ②許可している AEか?サポート しているサービ スクラスか? ③画像の転送 要求と受信確認 ④画像の送信 ⑥アソシエーショ ンの解放して転 送を終了する ⑤アソシエー ションの解放を 要求DICOM通信
Transfer Syntax(転送構文)
VRの有無
、
圧縮の有無(圧縮手法)やバイト並びなどを転送構文で示す
。
VR データ形式 UID名 UID値
なし Raw(非圧縮) Implicit VR LiOle Endian(DICOM default Transfer
Syntax) 1.2.840.10008.1.2 あり Raw(非圧縮) Explicit VR LiOle Endian 1.2.840.10008.1.2.1 JPEG JPEG Baseline(非可逆8ビット圧縮のdefault) 1.2.840.10008.1.2.50 JPEG Extended(非可逆12ビット圧縮のdefault) 1.2.840.10008.1.2.51 JPEG Lossless Non-Hierarchical 1.2.840.10008.1.2.57 Non-Hierarchical、First-OderPredicEon 可逆JPEG圧縮のdefault 1.2.840.10008.1.2.70 JPEG-LS JPEG-LS Lossless Image Compression 1.2.840.10008.1.2.80 JPEG-LS Lossy image Compression 1.2.840.10008.1.2.81 JPEG 2000 JPEG2000 Image Compression(Lossless) 1.2.840.10008.1.2.90 JPEG 2000 Image Compression 1.2.840.10008.1.2.91