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RNC 西日本放送ラジオ CHIT CHAT RADIO :25~13:50 パーソナリティ : 鈴木先生が研究されている 非認知能力 非常に注目されていますが 改めてどういう能力なのかというところから教えてください 鈴木 : はい 人間の能力には認知能力と非認知能力の二つが

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RNC 西日本放送ラジオ CHIT CHAT RADIO

2020.4.21 13:25~13:50

パーソナリティ:鈴木先生が研究されている「非認知能力」。非常に注目されていますが、 改めてどういう能力なのかというところから教えてください。 鈴木:はい、人間の能力には認知能力と非認知能力の二つがあります。認知能力は私たちに なじみのある学力やIQ などの点数でわかるもので、非認知能力はそれ以外の人間力のよう なものです。人間が生きていくために大切な能力で、自己実現をするための原動力になった り、成功に導くものなんですね。具体的に言うと、意欲、積極性、やり抜く力、自制心、協 調性、社交性などのいろいろな能力がありますが、見えないもやもやっとした能力のことを いいます。 非認知能力は、認知能力には非ずと書いて、非認知能力なんですが、人間にとってものすご く大事な力なんですね。 そうです。いろいろな研究が何十年もされているのですが、学力ではなくてこの非認知能力 が高いと自分自身が思い描いた人生を送ったりするのにもっと重要な要素であることがわ かっています。 今、教育現場でもこの非認知能力を高めるための教育が、どんどん施されていると聞きます がいかがでしょうか? この 3 年間、香川県の教育委員会さんと一緒に小学校や幼稚園でこの能力を伸ばすための プロジェクトを行っていました。みなさんの関心がとても高いなと感じます。 具体的に非認知能力を高めるにはどうしたらいいでしょうか? 最も大事なことは土台をつくるということです。それを愛着と言っているのですが、その愛 着という土台ができないと、どんなに後からいい環境を整えたとしても非認知能力の芽が 伸びていかない。能力が育つことができない。一番大事なことは最初に土台を作ることです ね。 親子での土台作り、愛着というのは愛するに着くと書いて、愛着なんですね? そうですね。親が子どもに適切に関わることでできあがるものなんですが、この土台がない と非認知能力は伸びてこないので、まず、そこをつくるということが大きな課題になると思

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いますね。 ついつい方法論とか、何を取り入れたらいいとかって思いがちなんですが、基本は親子関係 というところがスタートなんですね。 そうですね。それができていないと、何も始まらないと言うか。その土台というのはよく子 どもの頃、1 歳から 3 歳につくると言われますが、うまく土台ができていなくても、子ども が中学生になったり高校生になったり、例え成人していたとしても、もう一度土台を作り直 すことができます。非認知能力は嬉しいことに後から伸びていくものです。生まれつき備わ っているものではなく、育てていくものなので、10 歳、20 歳でどんどん伸びていくもので す。ですから土台さえ作り直せば、非認知能力を伸ばして、人生をどんどんいい方向に変え ていけると言われています。 例えば、小さい頃に十分時間が取れなくていい関係をつくれなかったんだけど、その後から でも親も子どもの方もその気になれば、それは回復できるという、身につけることができる と言うことなんですか? そうですね。大事なのは親がその気になると言うことです。親が子どもにどう関わるかなの で、子どもが希望する、努力するとかではなく、親がどれだけ覚悟をもってやるかというこ とになります。ですから、親がやる気になればいつでもやれますよ、ということです。 具体的にその土台というのは親子の何になるのでしょうか? これはすごくシンプルなことなんですけど、子どもが求める3つのことを親がしっかり理 解して満たしていくことができれば、土台をつくることができます。 3つのこと? 子どもが求める1 番大事なことは「愛してほしい」、愛情ですよね。もう一つは「見てほし い」という気持ちがあります。「見てほしい、聞いてほしい、自分の気持ちをわかってほし い、困ったら手を差し伸べてほしい」、という自分に対する「関心」がほしいわけです。も う一つ大事なのは「認めてほしい」という気持ちを満たすことです。認めると言うのは、そ の子自身が生まれてきた時から積み上げてきている積み木を、それでいいと認めることで すね。まだ積みあがっていない積み木を見て不満に思ったり、隣の子の高い積み木と比べた りしないで、その子の積み木だけを見るということです。 ついつい年齢が低ければ低いほど、成長を周りと比べてしまいがちですよね。焦ってしまっ

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たり。わかってはいるけど、ついついやってしまう。なんでうちの子はまだできないのかな と焦ってしまいます。焦る気持ちはあるけど、その気持ちは抑えて、その子自身に注目をす るということなんですね。 その子自身を見る、ということですよね。すごく難しいのですが、この子の積み木は何だろ うと探すことですね。例えば小学2 年生の子だったら、跳び箱ができる、九九ができるとか で、みんなできているのに自分の子どもだけできていないとか気になると思いますが、半年 前や 1 ヵ月前と比べれば話せるようになった言葉やできるようになったことも増えている はずで、そういうところを見る。そうすると子どもが自分の積み木でいいんだと安心して、 もう一つ積み木を積み上げてみようと言う勇気ややる気につながっていくのです。やっぱ り勇気ややる気がないと、非認知能力は基本的に育っていかないので、そこがすごく大事な とこなんですね。 これはみんなわかっていてもやってしまう最たるものですよね。 「愛してほしい」「見てほしい」「認めてほしい」というのをつまずきがちな親子関係の時に 振り返ってみる。親からしたら「愛せているか」「見ているか」「認めているか」ということ になるわけですね。さきほど先生がおっしゃったように、土台作りはいくつになってもでき るということでしたので、少しおかしくなってきたなというときに、振り返って親御さんか ら子どもにこういう気持ちを確認するという作業をすると、また土台がつくれるというこ となんですね? そうです。 この言葉はとても勇気づけられますよね。例えばもし、「しまった、我が子に愛情をそそげ てなかった」って気づいたときに、例えば 3 歳ぐらいの子だったら、何をしてあげたらいい でしょうか? 3 歳ぐらいですと、スキンシップを喜びますよね。人間の五感の中に視覚、聴覚、触覚とあ りますので、その中の触覚を満たすと言うことで触ってあげることがいいことですし、視覚 では笑顔を見せて愛情を感じさせる。聴覚では優しい声で話しかけると言うのがあります。 また、兄弟姉妹がいた時には、弟や妹に注目をして、兄や姉を構ってあげられなかったり、 こっちの子の方はすごく好きだけど、もう一人は見ているだけでイライラするということ もあります。これは相性がありますし、人間だから仕方がないことです。でも、自覚してい ると思うので、足りないと思う方に2~3 倍声をかけたり、笑顔を向けたり、大好きだよと 言ったり、抱きしめたり、心がけるとちょうどいいと思います。

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アドバイスはよくわかりますが、愛情を持っていたら、自然にできることばかりですよね。 でも、親も生活があって仕事場で嫌なことがあったり、自分の想い通りにならなかったり、 何かしらあるので、それを家に持ち込むなと言われても持ち込んでしまいますよね。 親も人間ですもんね。その中で子育てって行われているものだから、今日はちゃんとがんば ろうとか思うことが大事かもしれませんね。少しずつでもいいんですよね。 そうです。決めておくといいかもしれません。1 日に 1 回だけ抱きしめるとか、1 日 1 分目 を見て話を聞く、1 日 1 回あなたのこういうところがよかったとか、ありがとうと言うと か。そういう小さいことを積み重ねていけばいいので、あとの 9 割怒りまくっていたとし ても、そういう小さなことを続けてしていくということが大きな違いになっていくと思い ます。 そう思ったら親子関係は親の方がその気になったらできますけど、夫婦関係でだんなさん にイラっとすることはあると思うんですが、かといってある日から奥さんの方がこれでは いけないとだんなさんに優しい笑顔を見せたり、抱きしめたりとかってすぐにはできない ですよね。そう思ったら、親子はわりともう気持ち 1 つでぐっとできる気がしますよね。 そうですね。子どもは無条件に親が好きですよね。親に頼らなければならない存在ですし。 ですから、親子の方がやりやすいと思います。子どもは条件付きで親を好きになったりしな いですよね。絶対的に好きなので、親が変われば子どもはすっと受け入れてくれますよね。 確かに夫婦や会社の関係の人よりは関係を作りやすいと思います。 この言葉に勇気づけられた方も多いかと思いますが、今、政府が推奨しているステイホーム。 親子が家で一緒にいる時間が非常に長くなっています。こういう状況の中で心配されるこ とってあるんでしょうか? はい、ステイホームで子どもが朝から晩まで家にいるという状態なので、多分みなさん、本 当にイライラしていると思います。ふだん、見てない、見えないところが見えているので。 イラつくと言うのは子どもが期待通りのことをしない、動かない、自分でいろんなことがコ ントロールできないからイライラするわけですが、かっとなったときに手が出てしまうと か、家にずっといるから「うっとうしい」「うざい」「あっち行って」など言ってしまうとか。 家にいなくちゃいけないのに、居場所がなくなるような言葉を言って傷つけてしまうとか。 反対にべたべたしてくるとイライラしていると「キモい(気持ち悪い)」って言ってしまっ たりして、言葉で子どもを傷つけるというような心配があります。

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親からキモいなんて言われたら、一生忘れられませんよね。言った方は忘れがちだけど、言 われたほうはずっと残ったりしますからね。実際、そういう家庭内の問題、暴力も含めて増 えていると聞きますね。親側も子ども側も不安や不満がつのってイライラするわけなので すが、こういうときはどうすればいいのでしょうか? いろいろな方法があると思うのですが、一つは勉強が進まないことなど不安なことが多い かとは思いますが、朝起きて夜寝ればいいと思うことですよね。それが一番大事なことです よね。昼夜逆転していなければ、それでよしとするんです。たくさん期待するからできない とイライラするんですよね。 望むからいけないんですね。 夫婦もそうですけど、これやっといてくれればいいのに、暇なんだからごみも片づけてくれ ればいいのに、皿も洗っといてくれればいいのにとか、そういう期待をしてやってもらえな いとイライラするので、まず、期待値を下げておく。このステイホームで、大変でコロナの ことがあるから、いろいろ心配なことはあるけれど、とにかく元気で朝起きて夜寝れば良し とする、というのが一つ大事なことだと思います。 これ、ものすごく極端のように聞こえますけど、でも本当に追い詰められたときとか、この ような状況の中で、すごくありがたいアドバイスですよね。 きちっと睡眠をとるとか、生活リズムを整えておくというのが、結局は学習をした時によく 頭に入るとか、なにか活動をする時に重要なことで、昼間のパフォーマンスを最大限にする ためにはよい睡眠をとると言うのが一番なので、そのリズムを崩さないというのが最も大 事だと思うんです。あれもしない、これもしないと思うと、イライラすると思うのですが、 少なくとも朝起きて夜寝ていれば良しとしてほしいと思います。 その通りかもしれません。年齢が上がってきて親子関係が難しくなる思春期の子は、よりイ ライラして話もできないと聞くのですが、思春期のお子さんをお持ちの方はどうしたらい いでしょうか? 思春期の子は、「見ざる、言わざる、聞かざる」と言いますけど、聞くはそのまま保つんで すけど、「見ざる言わざる」ですよね。私の子どもが思春期だった時には、風呂に入れ、歯 磨きしろ、洗濯物出せ、ご飯食べろ、弁当出せってすごく口うるさかったんですけど、すご く嫌がられて、言ってもやらないのでイライラしてけんかになっていたんですね。で、ある 時弁当を朝までに洗って出さなければ、弁当を作らないというふうにしたんです。出してい なければ、自分の小遣いでお昼ご飯を買うことにしたので、弁当が出されていなくても、私

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はイライラしないですむし、弁当を出せと言う必要もないんです。洗濯かごに入れない洗濯 物は洗わないと決めておく。そうしないと自分が洗濯物を部活の鞄から取り出して洗った りしてしまうんですね。洗濯されないと本人が困るんだから、もう親が洗濯物を取り出さな いと決める。あとは子どもが小さい時にやっていたのは、私が皿を洗っている間に食べ終わ って皿を持ってこなかったら、自分で洗いなさいとか。そういうふうにしておくと、いちい ち言わなくて済みますよね。 そういうルールをあらかじめ宣言しておけばいいわけですね? そうですね。ある意味、子どもが風呂に入らなくても親は困らないじゃないですか。親は、 ま、いいかって思っちゃうことですよね。歯を磨かなくても私は困らないとか、そんなふう に思うとイライラする気持ちを抑えられるので。見ないようにするわけです。 逆に家の中でお互いつんつんしている時の空気の方がよくないですから、それなら言わな い。ルールを作っておいて、やらなければ自分に全部降りかかってくるという。じゃ、子ど もはお弁当つくってもらわないと困っちゃうな、小遣い減っちゃうし、皿洗い自分でやるの めんどくさいから、早く食べて洗ってもらおうとか、思考が変わるんですね。 ルールというか、選択肢があるわけですよね。その時にやるかやらないか選択があって。自 分でやらなければこうなるっていうのがあるので、自由にさせる。自分で選択したことの結 果を受けるというふうに、大きかったらするかなと思います。 それと、せっかくステイホームで家にいるので、さっき言った愛着ですよね。「愛してほし い」、「見てほしい」、「認めてほしい」っていうのをする時間にするのもいいかと思うんです。 イライラするのも嫌なことばかり見るからで、この土台作りをこのステイホームの時にす るんだって思えば、子どものいいところや頑張っているところに注目しようとか、子どもの 思っていること、興味を持っていることを聞いてみようとか、子どもに注意を向けると子ど もも嬉しくなってどんどん話してくれたり、もっと手伝いをしようとか、変わってきます。 そうすると気持ちよく時間をすごすことができますので、いろいろルール作らなきゃとか、 計画立てなきゃとか考えると思うんですが、まずはこの土台作りをステイホームのときに しようとすると物事がうまくいくんじゃないかと思います。 この大変な時にこそ、この土台作りができる時期なんだよという発想を変えていくという ことが大事なんですね。 鈴木先生の話を聞いてすぐにでもできることがたくさんありました。ですからすぐにでも 始めてもらえる方が一人でも多くいればいいなと思います。

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