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571 心疾患における高感度トロポニン I(hsTnI) の有用性 森さゆり 1) 小笠佐知子 1) 中尾隆之 1) 高松典通 1) 国立大学法人徳島大学病院 1) はじめに 近年心筋トロポニン測定は高感度化が進み 急性心筋梗塞 (AMI) をはじめとした急性冠症候群の診断補助に留まらず 慢性心不全

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Academic year: 2021

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(1)

【はじめに】近年心筋トロポニン測定は高感度化が進み、 急性心筋梗塞(AMI)をはじめとした急性冠症候群の診断 補助に留まらず、慢性心不全の重症度・予後評価のバイオ マーカーとしても重要な役割を果たしている。今回、高感 度心筋トロポニンI を他の循環器バイオマーカーと比較検 討する機会を得たので報告する。 【対象と方法】2014 年 9 月から 10 月の間に、当院検査部 にCK-MB 測定依頼のあった患者検体 99 例を対象とした。 測定項目は高感度トロポニンI(hsTnI)、トロポニン T 簡 易法(TnT)、CK-MB、ミオグロビン、BNP とした。各マ ーカーの試薬添付文書に基づきcut-off 値を超えた場合を陽 性として、測定結果の比較を行った。測定機器は、CLIA 法 を測定原理とする全自動化学発光免疫測定装置 ARCHITECT i1000SR(アボットジャパン(株))を用い、測 定試薬は「アーキテクト®high sensitive トロポニン I、

CK-MB、ミオグロビン、BNP-JP」(アボットジャパン (株))、「トロップ T センシティブ」(ロシュ(株))を使 用した。 【結果】全症例におけるhsTnI と TnT との一致率は 83.7% であった。AMI 症例において hsTnI、CK-MB、ミオグロビ ンの測定値を比較したところ、hsTnI は全例陽性であったの に対し、発症後72 時間以上経過した CK-MB 1 例、ミオグ ロビン2 例においては陰性であった。AMI 症例における BNP(pg/mL)の平均値±SD は 114.1±94.04、hsTnI(ng/mL)の 平均値±SD は 40.6±35.16 で、非 AMI 症例では BNP(pg/mL)は 182.8±388.95、hsTnI(ng/mL)は 0.7±3.20 と なり、BNP では有意差が認められなかったが、hsTnI では 有意差が認められた(p<0.05)。 【まとめ】高感度トロポニンI は急性心筋梗塞やその他心 疾患において高値を示し、他のバイオマーカーと比較して 心疾患における高い感度が示唆された。また、今回の検討 でBNP に hsTnI の情報を追加することで、より AMI とそ れ以外の心疾患を鑑別することに有用な情報となる可能性 が示唆された。 連絡先-088-633-9307

心疾患における高感度トロポニン

I(hsTnI)の有用性

◎森 さゆり1)、小笠 佐知子1)、中尾 隆之1)、高松 典通1) 国立大学法人 徳島大学病院1)

571

(2)

【はじめに】急性冠症候群の診断には、トロポニンの測定 が重要であり、その測定には非常に高い精度が要求されて いる。ESC/ACCF/AHA/WHF ガイドラインではトロポニンの測 定基準値を健常人の99%値と定め、その分析精度がCV10%以 下である高感度なトロポニン測定試薬の使用を求めている。 今回、化学発光免疫測定法(CLIA法)を用いて高感度心筋 トロポニンI(hsTnI)の基礎的検討を行ったので報告する。 【対象および方法】当院にて2014年10月~11月に高感度心 筋トロポニンIの測定依頼があった検体を対象とした。検討 試薬はアボット社の「アーキテクト・high sensitive トロ ポニンI ST」(以下“hs-cTnI”)を用い、分析装置として 「アーキテクトi2000SR」で測定を行った。また比較では LSIメディエンス社の「パスファーストcTnI」(測定装置: PATHFAST)を用いた。 【検討内容および結果】①同時再現性(n=10)は3濃度のコ ントロール試料を用いた結果、CVは1.62~2.87%であり、 日差再現性(n=10)はCV2.46~3.92%であった。②希釈直 線性は3濃度のプール血清を専用希釈液にて10段階の希釈系 列を作成し測定した結果、いずれも良好な直線性を認めた。 ③キャリブレータA(0ng/ml)を測定し求めたブランク上 限(LoB)は0.39 pg/mlであり、検出限界(LoD)は0.74 pg/mlであった。また、定量限界(LoQ)は6濃度の検体を測 定し、平均値とCV値からprecision profileを作成し、 CV10%を示す濃度は2.8pg/mlであった。④パスファーストと の相関性は比較可能な検体(n=125)でSpeamannの順位相関 係数rs=0.8586、y=0.629x+0.410(Passing-Bablok法)、 R2=0.9712となった。双方のカットオフ値での判定一致率は 90%であった。 【まとめ】今回の検討結果よりhs-cTnIの基礎性能は良好で あり高感度試薬として優れた実効感度を示し、低濃度領域 まで高い精度で測定が可能であることが確認できた。測定 は15分と短時間であり、急性冠症候群の診断に有用である と考えられる。また測定試薬間において、カットオフ付近 ではエピトープの違いや測定感度により判定が異なる可能 性が示唆された。 連絡先 0770-22-3611(内線4240)

「アーキテクト・ high sensitive トロポニン I ST」の基礎的検討

◎東 正浩1)、小野 早織1)、高城 茂弘1)、川端 しのぶ1)、窪田 映里子1)、川端 直樹1) 市立敦賀病院1)

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【目的】近年、心筋トロポニンI(以下 cTnI)および心筋 トロポニンT(以下 cTnT)の高感度測定が可能となり、心 筋梗塞の超急性期の診断における有用性が示唆されている。 しかしながら、心筋トロポニンは腎機能障害で高値を示す ことが報告されており、その傾向はcTnT でより顕著であ るとされている。今回我々は、cTnI および cTnT の高感度 測定試薬を用いて、慢性腎臓病(CKD)患者における測定 値への影響を評価した。 【対象および方法】当院、臨床検査・輸血部に提出された 入院・外来患者血清260 例を用いた。試薬はアーキテクト ®・ high sensitive トロポニン I ST(Abbott)およびエクル ーシス®試薬トロポニン T hs STAT(Roche)を用いた。測 定機種にはアーキテクトi2000SR(Abbott)および cobas6000(Roche)をそれぞれ使用した。患者血清を、 eGFRcreat(mL/分/1.73m2)に基づき、CKD の重症度に応 じて6 段階(G1:42 例、G2:45 例、G3a:48 例、G3b: 44 例、G4:46 例、G5:35 例)に分類し、各々について cTnI(カットオフ値:26 pg/mL)と cTnT(カットオフ値: 14 pg/mL)の測定値より、判定一致率および各マーカーの 相対値(測定値/カットオフ値)を各々算出し、評価した。 【結果】判定一致率は、G1~G5 まで 83.3 %~28.6 %と 徐々に低下した。cTnT 陽性例は、全体で 143 例認められた。 そのうちcTnT 単独陽性例は 122 例であり、その割合は G1~G5 の各段階で 14.3 %~71.4 %と CKD の重症度が増す ごとに高率化した。一方で、cTnI 陽性例は、全体で 23 例 であり、cTnI 単独陽性例は全体で 2 例認めた。そのうちカ ットオフ値を大きく超えた1 例は敗血症の症例であった。 また、各重症度において相対値はcTnT > cTnI の傾向を認 めた (p<0.01)。 【まとめ】本検討の中で、CKD 重症度 G1~G5 の全段階で、 cTnI は cTnT に比べ、腎機能障害による影響を受けにくく、 CKD 患者の高感度心筋トロポニン測定試薬を用いた心筋梗 塞の超急性期の診断にも有用であると考えられた。一方で、 心筋トロポニンは、敗血症などでも高値を示す症例を認め ることから、臨床症状も考慮した評価が不可欠であると考 えられた。       連絡先:0166-69-3360

慢性腎臓病(CKD)患者における高感度心筋トロポニン測定値への影響

◎伊藤 敦巳1)、新関 紀康1)、黒瀬 瞳1)、橘 峰司1)、友田 豊1)、藤井聡1) 旭川医科大学病院1)

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(4)

[目的]ヘリコバクター・ピロリ(以下,HP)は十二指腸潰瘍を 伴う慢性萎縮性胃炎患者の多くで感染が認められる.HP 抗 体検査は,プレートを使用した EIA 法が主流であるが,栄研 化学より汎用機で測定可能なラテックス凝集法(以下,LIA 法)を原理とした「LZ テスト‘栄研’H.ピロリ抗体」が発売 され,今回基礎的性能の評価を行ったので報告する.[測定機 器]LIA 法は日立自動分析装置 7700P モジュールを使用し, EIA 法は全自動マイクロプレート分析装置 EVOLIS を使用 した.[方法]同時再現性は 2 濃度の患者試料と 2 濃度の HP 抗体専用コントロールを用いて20 回連続測定を行った.ま た,日差再現性は同時再現性と同様の試料を用いて連続 5 日 間2 重測定を行った.検出限界はメーカー試料を 10 段階希 釈し,得られた値を 2.6SD 法にて評価を行った.共存物質の 影響は2 濃度の患者試料を用いて,リウマチ因子(以下,RF) と溶血の影響を確認した.相関では当施設に HP 抗体検査の 依頼のあった615 件について LIA 法と EIA 法との一致率を 確認した.[結果]同時再現性の変動係数(CV%)は 1.81~3.67 %で,日差再現性の変動係数(CV%)は 0.70~4.15%であった. 検出限界は1.41U/mL であった.共存物質の影響において RF は 300IU/mL まで,溶血は 500mg/dL まで影響を認め なかった.相関については全体一致率 88.1%,陽性一致率 85.3 %,陰性一致率 91.5%であった.[考察]同時再現性,日差再現性, 検出限界,共存物質の影響,相関についてはそれぞれ良好な結 果であった.判定不一致検体については,ほとんどの検体で判 定境界域付近の値であり,誤差範囲と考えられた.不一致検体 のうち,大幅に乖離した検体について LIA 法と EIA 法の再検 査およびペプシノーゲン(以下,PG)検査を実施した.測定した PG については各々の乖離の原因を示唆するような傾向は認 められなかった.不一致の原因については測定原理が異なる ため測定値に影響が生じた可能性が示唆された.[まとめ]今 回,「LZ テスト‘栄研’H.ピロリ抗体」は基本性能において良好 な結果が得られた.汎用機での運用により大量処理が可能と なり,迅速性が向上すると考えられた. (代表:03-3956-4101)

ラテックス凝集法を用いたヘリコバクター・ピロリ抗体検査法の基礎的検討

◎福島 辰之1)、小林 清孝1) 一般財団法人東京保健会 病体生理研究所1)

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(5)

【はじめに】 Helicobacter pylori(以下 Hp)の感染は胃がんの発症に深 く関与していることから、2013 年には Hp の除菌療法の適用 拡大に伴い、胃炎のみでも除菌が可能となり、Hp 感染診断の 重要性が高まった。中でも、血清Hp 抗体検査は同じく血清 検体を用いたペプシノゲン検査(以下 PG 検査)との組合 せによる胃がんのリスク分類(ABC 分類)も注目されてい る。今回、LA 法を測定原理とし、汎用自動分析装置で測定可 能な「LZテスト’栄研’H.ピロリ抗体」(栄研化学、以下 LA 法)に ついて従来法の「Eプレート’栄研’H.ピロリ抗体Ⅱ」(栄研化学、以 下ELISA 法)と比較検討したので報告する。 【検討内容と結果】 1. 再現性: 2 濃度のプール血清を用いて 20 重測定したと きの同時再現性はCV 0.9~2.6%、7日間測定したとき の日差再現性はCV 1.2~1.5%と良好であった。 2. 直線性: 約 100U/mL まで原点を通る良好な直線性が確 認できた。 3. 検出限界: 約 11U/mL の患者血清を 10 段階希釈し、 2.6SD 法で求めた検出限界は 2.1U/mL であった。 4. 相関性: 当社に依頼のあった血清検体 100 例を用い、 ELISA 法と判定を比較した結果、陰性一致率 90%、陽性 一致率91%、判定一致率は 90%と概ね良好であった。 5. ABC 分類: PG 検査に「LZテスト’栄研’ペプシノゲンⅠ」、「LZ テスト’栄研’ペプシノゲンⅡ」(ともに栄研化学)、Hp 抗体 検査にLA 法と ELISA 法を用いて ABC 分類を比較し た結果、判定一致率は90%と概ね良好であった。 【まとめ】 検討の結果、「LZテスト’栄研’H.ピロリ抗体」は ELISA 法と同 等の性能を有していることを確認した。また、汎用自動分 析装置に適用可能であり、同じ血清検体を用いてPG 検査 と同時測定が可能となることから、Hp 感染の診断および ABC 分類が迅速かつ効率化され、臨床的に有用であると 考える。   連絡先092-623-2111

LA法を原理とする「LZテスト’栄研’H.ピロリ抗体」の基礎的検討

◎塚本 郁子1)、秋吉 かおり1)、養父 淳一1)、吉川 拓希1)、竹川 亮太1)、久枝 厚嗣1)、岩川 明子1) 株式会社 シー・アール・シー総合研究所1)

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参照

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