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Academic year: 2021

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慢性下痢の鑑別疾患(110221)

慢性下痢の鑑別といっても、項目だけ羅列するとかなりの数がある。もちろん、身体所見と問診 をキーワードに何らかの手がかりから診断にたどり着くようなプロセスが王道と思う。勉強になりそ うな点をまとめておこうと思う。 参考文献 6 には鑑別診断として、VITAMIN という整理方法が紹介されている。 は先進国で 多いとされている原因という。 1. 血管性(vascular):虚血性大腸炎 2. 医原性(iatrogenic): a. 薬物や添加物 i. 抗菌薬、メトホルミン、抗不整脈薬、化学療法、緩下薬(たいてい患者により否定さ れる) ii. 非吸収性甘味料(ミントの中のソルビトールなど)、カフェイン b. 放射線照射 c. 腸手術 i. 回腸切除は胆汁酸の吸収障害をきたし大腸性下痢を生じる ii. 広範な腸切除は短腸症候群を来す iii. 胃切除はダンピング症候群を生じる 3. 感染性(infectious): a. C.difficile、G.lamblia(ランブル鞭毛虫)、E.histolytica(赤痢アメーバ) b. 細菌繁殖異常 c. HIV 関連感染症 4. 毒性(toxin): a. セリアックスプルー(グルテン) b. 慢性膵炎(アルコール) 5. アレルギー性(allergic):食物アレルギー 6. 代謝性/内分泌性(metabolic/endocrine): a. 乳糖不耐症 b. 甲状腺機能亢進 c. 副腎不全 7. その他(miscellaneous):過敏性腸症候群 8. 炎症性(inflammatory): a. Crohn 病

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b. 潰瘍性大腸炎 c. 膠原病性腸炎 9. 腫瘍性(neoplastic): a. 大腸癌 b. VIP 腫瘍 c. カルチノイド腫瘍 これらの鑑別疾患に重みをつける必要があると思うが、ここで重要なのが、問診や身体所見だ。 なかなか疾患が想起できない場合や、もれが無いかを確認するために、ROS やスクリーニングの 身体検査を行うことも必要かもしれない。参考文献 6 には以下のような診断アプローチ法が紹介さ れていて、役に立ちそうな気がする。

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そのほか、大事そうなところを各論文、書籍を読んでまとめてみる。  臨床における実践的な下痢の評価としては、急性下痢症と慢性下痢症に分類するのが実用 的。1)  下痢の継続期間によって 2 週間以上続く場合は持続性下痢、1 ヵ月以上続く場合は慢性下 痢と定義されている。1)  慢性下痢症は、非感染性の可能性が高く、最も頻度の高い疾患は乳糖不耐症や過敏性腸 症候群(IBS)である。その次に炎症性腸疾患(IBD)や悪性腫瘍などが続き、感染性としては アメーバ赤痢やランブル鞭毛虫、クリプトスポリジウム等の寄生虫感染の他、結核やサイトメ ガロウイルスなどがある。その他甲状腺疾患や糖尿病による胃腸症、慢性膵炎や膵腫瘍な どの膵疾患と鑑別を要する。2)  (慢性の下痢の場合)まず、感染症以外を考えます。過敏性腸症候群や炎症性腸疾患、吸収 不良(スプルー)が鑑別に入ります。浸透圧の大きいジュースなどを習慣的に飲んでいる場 合も慢性の下痢の原因になりますし、ダイエット目的で下剤や漢方薬を飲んでいるのが原因 のこともあります。5)  感染症であれば、アメーバ赤痢、ランブル鞭毛虫、クリプトスポリジウムなどの寄生虫感染症 が鑑別に入ります。海外渡航歴のある患者が多いですが、アメーバ赤痢などは海外旅行をし ていなくても発症することがあります。(アメーバ赤痢→血清検査や便の塗抹、クリプトスポリ ジウムは抗酸菌染色をすると見えることがあるので、探してくださいと特別にお願いする。)5)  ジアルジア症は急性または慢性の下痢のいずれかを呈することがある。ジアルジア属は米 国で生じる寄生虫性下痢の最も多い原因である。キャンプ中や感染が流行している国への 旅行中に暴露されるのが典型的。下痢を 96%に認める。治療されない患者のおよそ 10%に 慢性感染が生じる。6)  腸結核を鑑別に入れる。(→塗抹検査と培養、ときに腸生検が重要。PCR 検査は感度が低 い。)5)  調理不十分なチーズなどに関連したリステリア感染症は特に免疫力の弱い高齢者、小児、 妊婦、(免疫抑制剤使用者)などで注意。全身性の症状を起こすことが特徴で、髄膜炎や敗 血症を起こすことがある。5)  慢性の下痢でもウイルスや細菌が原因となることもありますが、相対的にはぐっと少なくなり ます。5)  慢性腸炎は、腸管の器質的な変化、全身疾患が多いと考えます。慢性下痢の鑑別では、便 秘と下痢を繰り返す場合や便線の狭小化は、大腸癌を考えます。また、若年者の場合には クローン病や潰瘍性大腸炎などを鑑別に入れます。粘血便が続く場合は、強く潰瘍性大腸 炎を疑いましょう。慢性膵炎の既往がある場合は、慢性の脂肪性下痢を生じます。内分泌の 異常に関連し、下痢を引き起こす疾患では、① 十二指腸潰瘍の既往に加えて、やせがある 場合 Zollinger-Ellison 症候群を考えます。②頻脈、振戦、食欲尤進、微熱があれば、甲状腺

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機能克進症などが鑑別診断にあげられます。3)  慢性下痢では内分泌検査は大事です。甲状腺機能尤進→Free T3、Free T4、TSH など。アミ ロイドーシス→直腸や歯肉生検。Zollinger-Ellison 候症群→血清ガストリン値とセクレチン負 荷(正常と異なり上昇する)。カルチノイド症候群→血中セロトニン測定。WDHA 症候群や Addison 病も鑑別にあげられます。最近は HIV 陽性患者も増加傾向にあり、原因不明のリン パ節腫脹や発熱などを伴う場合は AIDS なども鑑別に入れます。3)  慢性下痢症のおもな原因は過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、生活習慣である。過敏性腸症 候群は便通異常(便秘下痢)と腹痛や腹部不快感を訴える機能的消化器疾患の症候群で、 心理的ストレスで悪化しやすいのが特徴である。過敏性腸症候群の診断は Roma 皿診断基 準に準じる。1)  (慢性膵炎の下痢は)頻回で軟らかく、悪臭のする排便が一般的で、体重減少も生じる。患 者は便器を洗浄するために何度か水を流す必要があることに気づくかもしれない。流すこと が困難な便、体重減少、便中の脂肪は脂肪便を意味する。水に浮かぶ便は脂肪便に特異的 では無い(細菌性のガスも浮遊便を起こすことがある)。6)  高齢者の便通異常の原因として、大腸癌、偽膜性大腸炎、虚血性大腸炎などの器質的疾患 が多く存在する。4)  抗癌剤、利胆剤、プロスタグランジン製剤、レセルピンやβブロッカーなどの降圧剤は、慢性 の下痢を引き起こすことがある。4)  様々な慢性疾患の治療のために服用している薬剤の影響も考える必要あり。4)  過敏性腸症候群のローマ lll 診断基準  過去 3 ヵ月間、月に 3 日以上にわたって腹痛や腹部不快感が繰り返し起こり、下記の 2 項 目以上がある。  排便によって症状が軽減する  発症時に排便頻度の変化がある  発症時に便形状(外観)の変化がある ※ 6 ヵ月以上前から症状があり、最近 3 ヵ月間は上記の基準を満たしていること。  (セリアック病は)典型的には、慢性下痢、脂肪便、および体重減少を呈する。鉄やビタミン の欠乏もみられるかもしれない。北欧では有病率は 1/300~500。小麦蛋白の成分である グリアジンに対する免疫反応により起こる。グリアジン、組織トランスグルタミナーゼ(tTG)、 筋内膜に対する抗体が産生される。抗tTG 抗体:感度 95~98%、特異度 94~98%、LR+ 47、LR- 0.04、IgA 型抗筋内膜抗体:感度 85~95%、特異度 97~100%、LR+ 60、LR- 0.1。 6)  乳糖不耐症はきわめて多い。小腸感染のエピソードは誰にでも一過性の乳糖不耐症を起 こしうるが、基礎的なラクタマーゼ活性の低い人々では、より症状が起こりやすい。日本人 の 20%でラクタマーゼ活性が低いと言われている。なお、人類は乳児期から成長するにつ れラクタマーゼ活性が低下するようになっているので、もともと生理的な現象であるという意

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見もある。6)  慢性下痢症の治療はそれぞれの疾患に対する薬物療法と止瀉薬・整腸薬の投与。1) 参考文献 1. 山名哲郎症状別にみた実践的な評価と治療方針 2. 排便障害 B)下痢.Modern Physician, 29(11) : 1639-1642, 2009. 2. 関野雄典, 小山茂.下痢へのアプローチ.綜合臨牀, 57(12) : 2929-2930, 2008. 3. 仲瀬裕志.便通異常(下痢・便秘).臨床研修プラクティス, 4(2) : 60-62, 2007. 4. 河村朗, 木下芳一.高齢者の便通異常.老年消化器病, 16(1) : 31-34, 2004. 5. 岩田健太郎ら.感染症外来の帰還.東京,医学書院,2010.

6. Scott D. C. Stern, Adam S Cifu, Diane Altkorn. 考える技術 臨床的思考を分析する.東京,日 経 BP,2007.

参照

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