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Ⅰ 緑園東小学校の研究の概要
1 研究テーマ
本校は、「自分の考えに自信をもって友達に伝えることのできない子どもが多いこと」「自己肯定感が低い傾向にあ ること」等の子どもの実態から、「子どもが自らの思いを大切にして主体的に学校生活を送ること」が、子どもたちが 自信をもち、自己肯定感を向上することにつながると考え、平成 26 年度より、学校教育目標を「よりよい自分、よ りよい仲間づくり」として、主体的・協働的な学習に重きを置き研究を進めてきた。また、横浜市の「読書活動活性化 拠点校」の指定を受け、井上一郎先生のご指導のもと、「学校図書館改造」に着手し、「学校図書館活用」と「学校司書 連携」の充実を図って情報活用能力、読解力を身につけることを中心として取り組んできた。 平成 30 年度の「全国学力学習状況調査」の結果からは、主体的な課題解決学習や協働的な学習に対する意識の向 上や、複数の資料をもとに課題解決をする力の向上が見られ、今までの取組から、新学習指導要領に示された「主体的 対話的で深い学び」が少しずつ子どもたちの身に付きつつあることが窺える。 今年度は、研究テーマにもあるように、テキストをより多方面に広げながら、子どもが自ら課題を明確にして主体 的に取り組む力や、課題解決のために情報を効果的に活用する力(ICT 活用を含む)を、各教科の基盤となる力と捉え て育成している。その際、英語の語彙や本・資料等の情報も併せて提供することで、子どもが英語に親しんだり、英語 と日本語を比べたりできるようにしている。さらに、いろいろな教科で英語と関連した学習を行うことによって、英 語も含めて子どもたちの読解力を高め、英語教育の質の向上を図ることをめざしている。 「よりよい自分、よりよい仲間づくり」~自分の思いをもち、自分の力で積極的に学び続ける子~ 「エンジン全開フルパワー・ガッツ緑園・大きな心をもつ緑園の子」2
2 研究の歩み
(1)平成26年度、27年度 主体的・協働的学習をめざした「学校図書館改造」〇学校図書館改造について
・「読書コーナー・調べ学習コーナー」分離 ・「新聞やパンフレット、広報誌」の配架 ・「子どもの成果物」の展示 ・「効果的な学校司書連携」の在り方等 ・「日常的に学校図書館で行う授業、子どもが学校図書館 に調べにいく学習」をめざした授業改善 ・主体的・協働的な学習となるための授業スタイルの転換 学校図書館自由読書コーナー 学校図書館調べ学習コーナー 学校司書連携授業 新聞を活用した授業 (2)平成28年度 「読解力向上」をめざした授業改善〇子どもが主体的に取り組むための手立て
・「自分の学びがわかるためのKWL(メタ認知)」 ・「学習計画の3次構造(ゴールを明確にして、導入学 習で個々のめあてをはっきりともつ)」 ・「学びのプロセスを意識する」 ・「思考スキルの活用(子どもが情報と情報の関連性を 理解して、複数の複数の資料を使いこなすことは汎用 的な能力として大切である)」〇読解力を向上させる学校図書館授業のあり方
・読解力は、学習の基盤として、情報化の進展の中でま すます重要性が高まっている。 ・言語活動や ICT を活用した学習活動等を通じて情報操 作力を育成する。 ・教科横断的な視点で汎用的能力を育成する。 ・複数の資料として英語の資料も含まれる。学校図書館 に「英語コーナー」を作り読書活動と英語活動を行 う。 複数のテキストで調べ学習 グループによる協働思考 学校図書館にPCを配置 情報操作を明確にした学習計画 3次構造を明確にした指導案 Classroom English3 (3) 平成29年度 「読解力向上」をめざした学校図書館活用・外国語授業の具体的な展開
① 「情報操作力・読書活動を生かした読解力」の向上
〇国語と同じ言語として考えた英語教育の未来
・基盤となるクラスルームイングリッシュに取り組み、 英語の語彙を増やしていく。 ・教科用語を英語でも示していく。 ・学校図書館の英語コーナーを改善して、英語の資料も テキストとして扱えるようにする。 ・生活の中の場面設定や思考操作を伴う英語の授業を考 えていく。(教科学習と英語の語学学習の関連を考 え、言語活動は英語と一緒に行っていくことが大切で ある) 思考スキルを英語で併記 教材の一部を英語で学習 昔話の言葉を英語カルタで 英語の資料を交えた調べ学習 ② 多様なテキストを用いた読書活動カリキュラム〇学校図書館について
・学校図書館教育全体計画をもとに 「各学年年間計画」「司書連携授業 支援表」「授業支援成果と課題表」 を作成し、各教科、単元で扱ったテ キストの成果と課題をまとめ、次年 度に生かす。 学校図書館教育全体計画 各学年年間計画 司書連携授業支援表 授業支援成果と課題表 英語教材リスニングコーナーの様子 英和辞典を使った学習 複数の資料を活用した英語学習4
Ⅱ 今年度の取組
本校の取組において、中心的な役割を担っているのが、学校図書館である。子どもたちが英語に自然と出会い、親しみな がら、少しずつ英語を学ぶことができるようにするためには、全校の子どもたちが日常からよく通い、自分の課題解決の ために活用している「学校図書館」を基盤とすることが効果的であると考えた。そこで、平成28年度末に、学校図書館に 「英語コーナー」を設けた。本年度は英語版図書の蔵書を増やし、次のように改良を図り、分類配架をして、物語(文学) だけではなく、英語版資料による調べ学習にも取り組むことができるようにした。1 学校図書館英語コーナー
社会科関連読み物コーナー 読書サイコロ(低学年) 読書サイコロ(高学年) ワールドライブラリーの絵本 英語コーナー全体 文学コーナー リスニングコーナー 世界の絵本コーナー 科学読み物コーナー2 自然と英語にふれる機会をもたらす掲示・展示
日本語版と英語版を並べた展示 図書館マップに英語も併記 学校図書館外壁の様子5
3 授業実践
(1) 英語版の本の活用 国語では、教材を日本語と英語で 比べ読みをしている。学校図書館の 英語版絵本をリスニングで活用し、 特定の語彙(character、repeat 等) に注目しながら音読することで、日 本語での音読にも生かすことができ た。朝学習での読み聞かせにおいて も同様の学習を行っている。(1年生) 「大きなかぶ」を日本語と英語で比べ読み 英語モジュール学習での読み聞かせ 国語の物語文の単元では、英語の 本も並行読書した。日本語版と英語 版を比べることにより、物語のキー ワードを日本語と英語でつなげるこ とができた。また、シリーズ読書をす ることにより、英語のお手紙の書き 方等、物語の背景となる外国の文化 に興味をもつことができた。(2年生) ふたりシリーズを日本語と英語で比べ読み 英語で司会に挑戦 国語では、日本語版と英語版の本 を使い、和英・英和辞書を用いて、英 語を交えた表現活動を行ってきた。 算数等他教科でも学習用語を英語表 記することで、どの子も英語に興味 をもち、自分たちで英語の本をもと に考えた言語活動に取り組むことが できるようになってきた。(3年生) 「あらしのよるに」を日本語と英語で比べ読み 英語の本をもとに自分たちで物語をつくり紙芝居に (2) 学習用語の英語表記 教科等学習の中で、学習と関連し た英語(学習で用いる用語・思考語 彙・単元におけるキーワード等)を用 いる取組をしている。たとえば、説明 文 の は じ め (introduction) 、 中 (body)、まとめ(conclusion)などを 英語で併記した。このような学習用 語については他学年・他教科でも活 用するようになった。(5年生) 総合的な学習の時間で調べた内容について英語併記 説明文の文のつくりを英語で説明6 (3) 学びのプロセスにおけるICT活用 学習の中で、ICT支援員と連携 し、タブレット端末のアプリを扱った 学習を計画的に行い、プレゼンテーシ ョンのバリエーションを増やした。I CT機器に興味をもつ子の強みを生 かし、自分の思いを伝えることが苦手 な子どもにとって有効な手立てとな った。(個別支援学級) PCを使った行事紹介 タブレット端末を使ったプレゼンテーション 国語では調査報告文をリライトし、 一人ひとりがタブレット端末を用い て発表をした。理科では、学びのプロ セスにおいて、タブレット端末を用い て学習をした。自分のめあてに沿って 有効に活用することができるように なってきている。(4年生) タブレット端末を使って調査報告文のリライト 理科「夏の星」 情報収集・加工 総合的な学習の時間では、「地域活 性化」に取り組み、地域の方々に取材 をして、まち紹介 HP とマップを作っ た。イベントでは、HP をタブレット 端末で紹介したり、クイズをだしたり するなど、積極的にコミュニケーショ ンを図ることができた。(6年生) タブレット端末を使った HP の紹介 自分たちが作成したクイズに答えてもらう (4) 学校全体での取組 オーストラリア姉妹校交流の様子 タブレット端末を使った図書委員の発表 学校生活の中で英語を用いる取組 (4) 成果と課題 ○学びのプロセス(3次構造)を明確にすることにより、子どもたちが既知と未知をメタ認知し、単元のゴールに向 けての意欲が増し、めあてをはっきりさせて学習に取り組むことができるようになってきている。 ○英語も含めて子どもたちの学習意欲が増し、自主学習力がついてきている。 ●第2次の学習では、その単元での付けたい力をしっかり身に付けるために、教師は個の実態に応じた手立てや教 科としての指導事項をさらに明確にしておく必要がある。 ●単元のねらいに適した、英語の資料や題材を吟味する必要がある。