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福岡市における公立小・中学校の整備状況とリニューアルの計画課題 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)福岡市における公立小・中学校の整備状況とリニューアルの計画課題. 樊. 潼. 2.研究の方法. 1.はじめに. 本研究は福岡市内の全小・中学校(小学校 142 校、. 1−1.研究の背景と目的 戦後、高度成長期の日本は人口増加や経済発展など. 中学校 67 校、計 209 校)を対象として施設台帳、学校. に伴い、RC 造学校建築の急激な整備がなされた。一時. 利用状況図(H16 年度)をもとに各学校の建設年度、建. 期に集中して建設されたこれらの RC 造学校建築の多く. 設過程、学級数の現状と経年変化などの各学校の現状. は、校舎の老朽化による耐震性や構造上の安全性も低. と整備状況を、市の統計書、住民基本台帳(H16 年度). い。また、いわゆる旧来の片廊下型を基本とした学校. などから校区の実態や大規模開発、大型団地などの建. 校舎であり、多様化する現代の教育プログラムとの整. 設履歴を調査し、市内の小・中学校における学校規模. 合性が取れているとは言えず、その機能性も決して高. 別の学級数の推移とその傾向、余裕教室の活用実態及. いものとはいえない。これらの RC 造学校建築は今後一. び校舎の耐震基準別の構造条件の分析を行った。. 斉に更新の時期を迎えるが、そのリニューアルには、. 3.福岡市の現状と市内公立小・中学校建設概要. 適正な投資の平準化や将来の学校教育の動向、地域施. 福岡市は人口 1,337,576 人、面積 340.60k ㎡、 608,510. 設としての位置付け、人口変動などの多様な条件に配. 世帯(H16 年住民基本台帳)、209 校(小学校 142 校、. 慮する必要がある。. 中学校 67 校)の小・中学校を有しており、このうち約. これまでの研究では、建替え時期を迎えた東京都板. 98%にあたる 204 校が RC 造の学校建築である。. 橋区の RC 造学校建築を対象に、増改築の変遷と地域特. この RC 造学校建築は 1970 年代の高度経済成長期に. 性別の余裕教室の転用、地域開放、学区形状などの分. 集中して建設されたもので、S52 年には小・中学校あわ. 析を行った関澤らの研究や、利用者の拡大や活動内容. せて 18 校が建設され、年間学校建設数のピークに達し. の変化などから多様化・複雑化する学校建築へのニー. ている。これを小・中学校別に見ると、小学校では S47、. ズに対応するため、ファシリティマネジメントの導入. 54 年(共に年間 12 校が建設) 、中学校では S52、57 年. 過程と活用実態を分析した柳澤らの研究があるが、学. (順に年間 8、7 校が建設)と、それぞれ 2 度のピーク. 校建築を対象とした施設整備・維持管理とリニューア. が見られ、S50∼60 年の 10 年間で、実に市内の全小・. ルの手法に関する既往研究は十分とはいえない。一方、. 中学校の 54.9%にあたる 117 校(全小学校の 53.8%の 78. 学校建築に比べ更新の早い公営住宅などの建築物では、. 校、全中学校の 57.4%の 39 校)が建設されたというこ. これまで数多くのストック活用に関する研究がなされ. とになる(図 1) 。. ている。老朽化が進行し、近い将来修繕や改修が必要 となる官庁施設を対象に、より安定した保全を行うこ とを目的にした足立らによる一連の研究や、住宅統計 調査の結果を用いて建築動態統計調査のデータを加工 し、住宅ストックの時期別データを概算する方法とそ の結果の検討を行った大野の研究などは、リニューア ルの手法研究において参考となる点が多い。. 小学校数. 18 16 8. 14. 5. 学 校 10 数. 3 5. 8 1. 3. 12 4. 2. 校の整備と利用状況を把握し、より合理的・効果的な リニューアルを可能とするための学校建築整備上の諸. 2 2 0 S1 (S51). 2. 1 S6 (S56). S32 (H19). 1 1. 5. 4 2. S37 (H24). 2. 1 1 S42 (H29). 1010. 9. 44. 2 3. 10 7. 6 4. 7. 12. 2 1. 4. ーアルに対し、福岡市をモデルに現状の公立小・中学. 4. 1. 12. 6. 本研究は、改築時期を迎えた RC 造学校建築のリニュ. 中学校数. 20. 5 3. 1 S47 (H34). S52 (H39). 3. 6. S57 (H44). 4. 1 2. 22. 1 3. 1. S62 (H49). 2. 13 11. 11. H4 (H54). 2. 11 H9 (H59). 建設年度( 改築年度) ※ 対象は市内全小中学校213校中、209校のRC造校舎。(残り4校は木造校舎。) ※ 校舎全体の8割以上が建設された年度を建設年度とし、建設年度より50年経過時点を改築年度とする。. 要素の整理とその計画課題を明らかにすることを目的 とする。. 図 1.福岡市内の RC 造小中学校の建設・改築年度. 29-1. H14 (H64).

(2) からといえる。. 4.福岡市公立小・中学校校区別学級数推移の傾向. 中学校では 6 学級未満の学校(6 校)の 33.3%、6∼. 4−1.校区別学級数の推移の分類 市内の全小・中学校の過去 15 年(H1∼16 年)の学級. 11 学級の学校(11 校)の 100%、12∼17 学級の学校(29. 数の推移を、将来予測も含め、A∼E の 5 つのタイプに. 校)の 69.0%、18 学級以上の学校(22 校)の 59.1%が E. 分類した(表 1)。まず、A 型は学級数が一貫して増加. に該当しており、学校規模を問わず中学校の学級数は. する傾向にあるものに対し、E 型は学級数が一貫して減. 減少傾向にあるといえる。また、6 学級未満の小規模校. 少する傾向である。一方、B 型は学級数が一時的減少傾. で C が 50.0%と高い値を示しているのは、小学校と同様. 向から増加傾向に変動するものに対し、D 型は学級数が. に学級数の減少が限界に達しているためと考えられる。. 一時的増加傾向から減少傾向に変動するものである。C. 5.福岡市公立小・中学校余裕教室の活用実態. 型は、学級数の変動がなく、一定の学級数を保有して. 5−1.余裕教室の発生とその数 近年の少子化による児童・生徒数の減少から多く学. いるものである。これらの類型をもとに学校規模別に 学級数の推移を示したのが表 2 及び図 2 である。. 校で余裕教室が発生しており、文部科学省では「余裕. 4−2.校区別学級数の推移と学校規模. 教室活用指針」などによる余裕教室の活用を推進して. 小学校において、12∼23 学級の標準的な学級数の学. 表1.学級数の推移の類型(H1∼16 年の推移). 校(103 校)では E 型が 48.5%と、全体として学級数は. 特徴. 主な要因. A. 学級数が一貫して増加傾向にあ るもの。. ・校区内が良好な住宅地として発展 しているため、児童・生徒数が増 加。. B. 学級数が一時減少傾向にあった が、増加傾向に転じたもの。. ・校区内で大規模な開発、大型団地 などの建設があり、急激に児童・ 生徒数が増加。. C. 学級数の変化がない、もしくは1 ・校区内で特に大規模な開発、大型 ∼2学級の増減はあるものの一 団地などの建設もなく、安定した 定の学級数を保っているもの。 児童・生徒数を維持。. D. 学級数が一時増加傾向にあった が、減少傾向に転じたもの。. E. 学級数が一貫して減少傾向にあ ・少子化にともなう校区内の児童・ るもの。 生徒数の減少。. 減少傾向にある。一方、24 学級以上の大規模校(19 校) では、B 型が 47.4%と最も多い割合を占めている。この 要因として、該当校区において市の大規模な開発や大 型団地の建設が行われたことなどが考えられる。また、 6 学級未満(6 校)の小規模校のすべてが C 型に該当し ているが、これは該当校が既に学級数減少の限界に達 しており、これ以上学級数を減らすことが不可能であ るという運営上の理由によるものであると考えられる。. ・過去に校区内で大規模な開発、大 型団地などの建設があり急激に児 童・生徒数が増加したが、その後、 少子化により減少。. 6∼11 学級(17 校)の小規模校で E 型の 52.9%に次いで C 型が 35.3%と高い割合を示していることも同様の理由 表 2.学校規模と学級数の推移 規模別学校数(小学校) 6学級未満. 6∼11学級. 12∼23学級. 規模別学校数(中学校). 24学級以上 合 計. 6学級未満. 6∼11学級. 12∼17学級 18学級以上. 合 計. 学校数. 6 4.1%. 1711.7%. 10371.0%. 1913.1%. 145. 学校数. 6 8.8%. 1116.2%. 2942.6%. 2232.4%. 68. A. 0 0.0%. 0 0.0%. 3 2.9%. 315.8%. 6. A. 0 0.0%. 0 0.0%. 0 0.0%. 2 9.1%. 2. B. 0 0.0%. 211.8%. 1817.5%. 947.4%. 29. B. 0 0.0%. 0 0.0%. 2 6.9%. 1 4.5%. 3. C. 6 100%. 635.3%. 2221.4%. 421.1%. 38. C. 350.0%. 0 0.0%. 2 6.9%. 1 4.5%. 6. D. 0 0.0%. 0 0.0%. 10 9.7%. 1 5.3%. 11. D. 116.7%. 0 0.0%. 517.2%. 522.7%. 11. E. 0 0.0%. 952.9%. 5048.5%. 210.5%. 61. E. 233.3%. 11 100%. 推 移. 推 移. 100. 100 6学級未満. 80. 6学級未満. 6∼11学級. 80. 12∼23学級. 6∼11学級 12∼17学級 18学級以上. 学校数( %). 24学級以上. 学校数(%). 2069.0% 1359.1% 46 ※数値はすべて H16年現在 ※学級数には特殊学級も含める. 60. 40. 20. 60. 40. 20. 0. 0 A. B. C. D. E. A. 学級数の推移(小学校). B. C. 学級数の推移( 中学校). 図 2.学校規模と学級数の推移. 29-2. D. E.

(3) はいるものの、その一方で新設校などのように設備の. に拘らず高い一方で、外部用途系での活用は余裕率に. 整った多目的スペースやコンピュータ室などの空間を. 拘らず低くなっている。また、管理諸室系での活用は. 十分に確保できていないなど、学校校舎の建設時期の. 余裕率の上昇にあわせて増加しており余裕率 20∼30%. 違いによる差が大きくなっている。今後のリニューア. 未満で高い活用率を示している。生活関連室系での活. ルによってこれらの学校間格差が是正され、学校空間. 用は余裕率 30∼50%未満で低下するものの、40∼60%未. をよりよいものとして再構築するためにも、余裕教室. 満で再び増加している(表 3) 。. の活用実態の把握を行った。. 6.耐震基準別にみる構造条件の整理. 福岡市内の小学校(145 校)の余裕教室総数は 993. 6−1.耐震基準の変化とその内訳. 室であり(1 校平均 6.85 室) 、1 校あたりの平均余裕教. RC 造学校建築の構造上の性能は、建築基準法の改定. 室数は学級数 11(平均 10.8 室/校)で最も多い。一方、. を期に、大きく旧旧耐震基準期(∼1970 年)、旧耐震基. 中学校(68 校)の余裕教室総数は 501 室であり(1 校 余裕教室数. 平均 7.37 室)、1 校あたりの平均余裕教室数は学級数. 0. 2. 4. 6. 8. 10. 12. 14. 1. 14(平均 12.1 室/校)で最も多い(図 3) 。. 2 3. 5−2.余裕教室の活用用途と余裕率. 1.0 1.0. 4 5 0.5. 活用される余裕教室は用途別に共通学習室系、管理. 6.6. 6. 諸室系、生活関連室系、特別教室系、外部用途系と 5. 5.5. 7 8. つに大きく分類できる。小学校において、共通学習室 系(34.7%)と管理諸室系(34.7%)での活用が最も多. 10. くみられる一方、中学校では共通学習室系(41.5%)で. 12. 9.7. 7.0 2.0. 9. 8.8 6.3 10.8. 11. 10.1 5.0 9.3. 13. の活用が最も多くみられる。小学校では外部用途系の. 5.5 9.3. 14. 12.1 6.3. 学 15 級 16 数 17. 留守家庭室での活用と地域交流室での活用が多いのに 対し、中学校では特別教室系の視聴覚室(45 室;9.0%). 5.3 9.7 9.3 7.7 8.0 7.1 6.8 7.6 8.0 6.1 5.7 6.3 6.0. 18. での活用が多いのが特徴的である。. 19 20. 次に、余裕教室を保有教室数で除したものを余裕教. 21. 室発生率(以下、余裕率)とし、それぞれの内訳を小・. 22. 中学校別に分析する。まず、小学校では、管理諸室系. 24. 4.0 5.0 5.5 4.8. 23. 4.4 5.0. 25. での活用は余裕率が低下するほど増加する。一方で、. 26. 0.5. 外部用途系での活用は余裕率の上昇にあわせて増加し. 27. ている。また、共通学習室系での活用は 10∼20%未満を. 29. 2.0. 30. 2.0. 3.0. 28. 除くすべでの余裕率ほぼ一定の活用率を示している。. 小学校. 中学校 4.0 4.0. 31. 一方、中学校では、共通学習室系での活用は余裕率 表3.余裕教室の活用用途と余裕率. 図 3.1 学校あたりの余裕教室数(A/N). [小学校] 活用用途. 余裕率. 活用室数. ∼10% 未満. 10∼20% 未満. 20∼30% 未満. 30∼40% 未満. 40∼50% 未満. 50∼60% 未満. 60% ∼. 共通学習室系. 345. 34.7%. 9. 34.6%. 13. 15.7%. 62. 38.3%. 86. 34.8%. 79. 37.8%. 63. 35.6%. 33. 管理諸室系. 345. 34.7%. 14. 53.8%. 37. 44.6%. 52. 32.1%. 79. 32.0%. 70. 33.5%. 66. 37.3%. 27. 37.5% 30.7%. 生活関連室系. 117. 11.8%. 2. 7.7%. 11. 13.3%. 19. 11.7%. 30. 12.1%. 22. 10.5%. 17. 9.6%. 16. 18.2%. 特別教室系. 106. 10.7%. 1. 3.8%. 18. 21.7%. 20. 12.3%. 31. 12.6%. 19. 9.1%. 11. 6.2%. 5. 5.7%. 外部用途室系. 75. 7.6%. 0. 0.0%. 3. 3.6%. 9. 5.6%. 17. 6.9%. 19. 9.1%. 20. 11.3%. 7. 8.0%. 空き教室・ 閉鎖. 5. 0.5% 993. 0. 0.0% 26. 1. 1.2% 83. 0. 0.0% 162. 4. 1.6% 247. 0. 0.0% 209. 0. 0.0% 177. 0. 0.0% 88. 合 計. [中学校] 活用用途. 余裕率. 活用室数. ∼10% 未満. 20∼30% 未満. 10∼20% 未満. 30∼40% 未満. 40∼50% 未満. 50∼60% 未満. 60% ∼. 共通学習室系. 208. 41.5%. 1. 100.0%. 23. 46.9%. 21. 31.3%. 51. 42.1%. 43. 46.2%. 53. 41.4%. 16. 管理諸室系. 101. 20.2%. 0. 0.0%. 5. 10.2%. 10. 14.9%. 29. 24.0%. 20. 21.5%. 25. 19.5%. 12. 38.1% 28.6%. 生活関連室系. 84. 16.8%. 0. 0.0%. 7. 14.3%. 15. 22.4%. 13. 10.7%. 12. 12.9%. 27. 21.1%. 10. 23.8%. 特別教室系. 99. 19.8%. 0. 0.0%. 13. 26.5%. 21. 31.3%. 28. 23.1%. 17. 18.3%. 20. 15.6%. 0. 0.0%. 外部用途室系. 2. 0.4%. 0. 0.0%. 0. 0.0%. 0. 0.0%. 0. 0.0%. 1. 1.1%. 0. 0.0%. 1. 2.4%. 空き教室・ 閉鎖. 7. 1.4% 501. 0. 0.0% 1. 1. 2.0% 49. 0. 0.0% 67. 0. 0.0% 121. 0. 0.0% 93. 3. 2.3% 128. 3. 7.1% 42. 合 計. ※数値はすべで H16年現在. 29-3.

(4) 表4.建設年度区分別学校数. 準期(1971∼1981 年)、新耐震基準期(1982 年∼)の 3. 小学校. sつに分けられる。現在の学校校舎は、度重なる増改. 建設年度区分. 築により、同一校舎でこれらの耐震基準期の建物が混. ∼ 1970年 旧旧耐震基準期. 1971∼ 1981年 旧耐震基準期. 1982年 ∼ 新耐震基準期. 合計. 21. 89. 32. 142. 14.8%. 62.7%. 22.5%. ∼ 1970年 旧旧耐震基準期. 1971∼ 1981年 旧耐震基準期. 1982年 ∼ 新耐震基準期. 合計. 11. 34. 22. 67. 16.4%. 50.7%. 32.8%. 学校数. 在しており、今後のリニューアルによる校舎の更新手. 中学校 建設年度区分. 法には、それらの混在状況の把握による構造条件の整. 学校数. 理が必要不可欠である。これら耐震基準の時期別に市 内の RC 造小・中学校の建設年の割合をみると、小学校. 表5.耐震基準の混在化. (142 校)は旧耐震基準期に建設されたものが 89 校で. 小学校 混在タイプ. 最も多く、新耐震期が 32 校、旧旧耐震期が 21 校とな. 学校数. っている。一方、中学校(67 校)では、旧耐震基準期. ア型. イ型. ウ型. エ型. 合計. 8. 3. 57. 44. 112. 5.6%. 2.1%. 40.1%. 30.9%. ア型. イ型. ウ型. エ型. 合計. 0. 3. 24. 23. 50. 0.0%. 4.4%. 35.8%. 34.3%. 中学校. に建設されたものが 34 校と最も多く、新耐震基準期が. 混在タイプ. 22 校を占め、旧旧耐震基準期が 11 校となっている(表. 学校数. 4) 。. ※数値はすべで H16 年現在. 4)小学校では、分割学習や合同学習などの機会の増加. 6−2.校舎耐震基準期の混在 学校建築は大規模な建築物であるため、棟別の整備. から共通学習室系での活用が余裕率に関わらず多く見. 年の差や、増改築などが原因で、同一校舎の中に異な. られ、地域利用に対応した外部用途室系での活用も顕. る耐震基準期の建物が混在している。福岡市の RC 造. 著である。5)中学校でも余裕率に関わらず共通学習室. 小・中学校のうち、小学校 112 校(77.2%)、中学校 50. 系での活用が多く見られるが、屋内競技用の活動室に. 校(73.5%)が異なる耐震基準期に建設された建物が混. あてるなど、小学校に比べてその活用内容に相違が見. 在した校舎である。これを旧旧耐震期+旧耐震期(ア. られる。一方で、メディア機器を利用した学習への対. 型)、旧旧耐震期+新耐震期(イ型)、旧旧耐震期+旧. 応にともない特別教室系での活用も多いことが明らか. 耐震期+新耐震期(ウ型)、旧耐震期+新耐震期(エ型). となった。. の 4 つのタイプに分類すると、小学校では、ウ型が. 耐震基準別の構造条件に関しては、小・中学校とも. 40.1%(57 校)で最も多く、エ型が 30.9%(44 校)、ア. に旧耐震基準期に建設されたのが最も多いが、同一校. 型が 5.6%(8 校)、イ型が 2.1%(3 校)を占めている。. 舎内に異なる耐震基準期の建物を有する学校が大半を. 一方、中学校では小学校と同様に、ウ型が 35.8%(24. 占めており、6)今後建替や増改築などによる学校校舎. 校)が最も多く、エ型が 34.3%(23 校)、イ型が 4.4%. の適切なリニューアルでは、これらの構造条件に配慮. (3 校)を占めている。なお中学校では、ア型はみられ. する必要がある。. なかった(表 5)。 7.まとめ まず、学級数の推移と学校規模に関して、小・中学. 謝辞. 校ともに全体として学級数は減少の傾向にあるが、1) 学級数の増加傾向を示す A、B 型では、将来の増築の際. 本研究にあたり,福岡市教育委員会の方々に多大なご協力をい ただきました.記して深謝いたします.. に、諸室の関係性や増築可能な空間の把握などの最適 な配置計画の検討を行うべきである。2)一方、学級数. 参考文献. が増加傾向から減少傾向に転じる D、E 型では、部分的. 1) 関澤勝一、村田逸平、岡田真人、佐藤直樹:小学校の施設再. な解体によって諸室の連携が損なわれないようにすべ きである。3)さらに、小規模校で顕著となる C 型は、 それが中・大規模校のような学級数の安定を示すもの とは異なり、学級数減少の限界を示すものとして、標 準的な児童・生徒数を割り込んだ小規模校での空間計 画のあり方を示す必要があると考えられる。 次に、余裕教室の活用実態に関して、余裕教室はそ の活用用途別に共通学習室系、管理諸室系、生活関連 室系、特別教室系、外部用途系の 5 つに大別されるが、. 整備に関する研究(その 1∼その 3)、日本建築学会大会学術 講演梗概集、E-1 分冊、pp.265~268,1997.、E-1,pp.213~214、 1998 2) 柳澤要,山藤祐子:公立学校施設整備及び維持管理における ファシリティマネジメント導入に関する研究,日本建築学会 大会学術講演梗概集,E-1,pp.97~98,2005. 3) 足立守、辻川孝夫、林理、秋月聡二郎、鬼沢浩志、川元茂、 石塚義高:官庁施設のストックマネジメント技術の構築(そ の 1∼その 7)、日本建築学会大会学術講演梗概集、F-1、 pp.1131~1138,2000.、F-1、pp.1167~1170,2001.、F-1、 pp.1249~1250、2002. 4) 大野隆司:公表資料による住宅ストックの時期別戸数の推定 (その 1∼その 2)、日本建築学会計画系論文集,第 550 号、 pp.165~169、2001.12.、第 559 号、pp.153~158、2002.9.. 29-4.

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