3次元複合非線形骨組解析法の開発に関する研究 [ PDF
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(2) ここで、ε 0 はグリーンの歪として定義する。. 3.1 概要 1 . ( 3 )) 要素剛性関係式. 弾性範囲内における解析法の検証として平行弦トラ. (6)式より、歪と変位の変分は次式の関係を持つ . スの曲げねじれ座屈解析を行う。トラスの曲げねじれ. δe = Bδde (7). に対して、鋼管トラスでは、弦材のねじれ剛性が大き. [. ]. δe t = δε 0 δφ δκ y δκ z ここで (8). いために、腹材・引張弦材が圧縮弦材の構面外への移. δde t = [δue δφ e δθ yi δθ zi δθ yj δθ zj ] (9). 動を拘束する効果が高いことが指摘されている。4)ここ. B B は歪-材端変位マトリックスである。δ de の各成分. では弾性解析によりその影響を検証し、文献 3),4),5)で. は、図 1を参照する。仮想仕事式より次式が成立する。. 示された結果との比較を行う。. l. (10) δe t Sdx = δde t fe 0. 3.2 解析モデル 2 . (10)式より断面力と材端力の関係式が得られる。. ラスとした。. ∫. 解析モデルは腹材斜角60°のワーレン形鋼管剛節ト. l. fe =. ∫ B Sdx t. 0. h. 次に、歪と材端変位の関係の増分形は、(7)式より、. i : 弦材の回転半径. P. P. n : 格間. l. 増分形の仮想仕事の原理は次式である。. 1). l. P. 60°. Δe = BΔde (12). 図 3 ワーレン形鋼管剛節トラス. l. Δv dδv dΔw dδw + dx = δd ∫ δe ΔSdx + ∫ N ddxΔu ddxδu + ddx dx dx dx . ls=30 ⋅ i. P. (11). t. t. e. 弦材の径厚比(角形鋼管は幅厚比)D/Tは50とし、弦. Δfe (13). 0 0 . 材の格間の細長比は 30とした。弦材に対する腹材の断. ここで、(13)式の左辺第 1 項は以下のように表せる。. 面の諸量は、弦材と腹材の管厚が等しい場合を想定し. K a は接線剛性マトリックスである。. て次の関係式を仮定して定めた。. l. ∫. t. t. Iw =(d/D)3 ⋅ Ic 、 Ktw =(d/D)3 ⋅ Ktc (43). δe ΔSdx = δde K a Δde 0. l . K a = ∫ Bt Dt Bdx. I w、I c は腹材と弦材の断面二次モーメントを表し、. (14). Ktw、K tc は腹材と弦材のサンブナンねじり定数を表す。. 0. (11)式左辺第 2 項は周知の幾何剛性マトリックス K g. 3.3 解析結果 3 . である。軸力 N はキルヒホッフの応力で表すと次式と. 図 4 に円形鋼管トラスの変形図を示す。腹材の径が. なる。. 大きいほど腹材と引張弦材が圧縮弦材の構面外への移. ne 1 + ue / l. 動を拘束していることが示された。図 5 (a)∼(d)には、 座屈荷重を圧縮弦材の座屈長さ lk に換算して横補剛支. (15) ∫ N dΔu dδu + dΔv dδv + dΔw dδw dx = δde t K gΔde l. 0. dx dx. dx dx. dx. dx . 点間距離 l で無次元化して示した。座屈長さは、文献 3). (14)式と(15)式を(13)式に代入すると(16)式となる。. [. ,4),5)に記された値とほぼ一致した。 。. ]. Δfe = K a + K g Δd e (16). 1400 1200. これは部材要素の接線剛性関係を表す。. 1000. 2.4 3 次元空間における有限回転を考慮した要素 4 剛 性 関 係 式 2)5). 部材せい(mm). N=. 800 600 400 200. 剛体の 3 次元空間における回転については、微小で. - 200 -1. ない場合はベクトルで表現できない。しかし、増分解 析での各段階では回転量は微小と仮定できるので剛体. 1. 2. 3. 4. 構面外変形(mm). 5. 6. 7. 1400 1200. クス)を求めることができる。回転マトリックスを用い. 部材せい(mm). 1000. た要素剛性関係式は、. ). 0. (a) 腹材の径 /弦材の径 =0.1. の回転前後の座標系の変換マトリックス(回転マトリッ. { (. 変形前 変形後. 0. }. (17) ΔF = L Ted K a + K g Ted t + K G Lt ΔD ここで、L は回転を考慮した座標変換マトリックス、 T edは6自由度から12自由度への平衡マトリックス、K G は要素の剛体回転を考慮した剛性マトリックスとなる。 3 .. 弾性範囲内での解析法の検証 弾性範囲内での解析法の検証 3)). 800 600 400 200. 変形前 変形後. 0 - 200 -1. 0. 1. 2. 3. (b) 腹材の径 /弦材の径 =0.8. 図 4 円形鋼管トラスの変形図. 25-2. 4. 構面外変形mm). 5. 6. 7.
(3) l /l. l /l. 1. 1. k. k. 0.75. 地震応答解析では Newmark β法(β =1/4)を用い、入. 0.75. 0.5. 力地震動は最大速度を 100cm/s に規準化した El Centro. 0.5 n=2 n=4 n=6 n=8. 0.25. 0 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. I /I w. 0.6. 0. c. 0. l /l. 1. 1. k. 0.75. 0.75. 0.5. 0.5 n=2 n=4 n=6 n=8. 0 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 1940の NS 成分とする。減衰定数は 1次と 2次の減衰が I /I w. 0.6. 2%のレーリー型とする。軸力比 N/Ny は C1の柱に対し. c. (b) 円形鋼管トラス(本解析法). l /l. 0.25. n=2 n=4 n=6 n=8. 0.25. (a) 円形鋼管トラス(文献 5)) k. 4.3 解析条件 3 . 4.4 応力 - 歪関係 4 使用する応力-歪曲線については図8(a)に示す座屈を 考慮しない単純なバイリニアモデル、および図 8(b),(c) n=2 n=4 n=6 n=8. 0.25 I /I 0.6. w. c. (c) 角形鋼管トラス(文献 5)). て 0.5 とする。. 0 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. に示す局部座屈を考慮したモデルの2つを用いる。図8 I /I 0.6. w. (b)の履歴曲線は秋山等の規則に従い、スケルトン部分. c. (d) 角形鋼管トラス(本解析法). を順次履歴曲線として消費していくものとする。ただ. 図 5 腹材の強さに対する座屈長さの割合. し、バウシンガー部分の取り扱いとスケルトン部分の. 4 .. 1 層 1 スパン立体骨組の地震応答解析. 移動は大井等に従い、スケルトン曲線と除荷・バウシ. 4.1 概要 1 . Pintoモデルを用いる。図8(c). に差がある場合、地震時にねじり応答を起こすことが. (a) バイリニアモデル. 300(N/mm)とする。. 解析モデル 4.2 2 . σ. a part of skeleton curve. 解析モデルは剛床を持つ1層1スパンの立体骨組であ Δεp ΨΔεp. る。骨組 1は 4本の柱を同一断面とし、骨組 2は 2本の. ε. X. B1. C2 B1. 12m. B1. B1. (b) 繰り返し履歴曲線. C1. C1. 12m. 12m. 0. εbu. εbu+0.01. の低いC1柱の柱脚部の累積エネルギーを示す。主な解 析結果を以下に示す。. Z. 5m. (1)バイリニアモデルを用いた場合 (a)骨組 1 の方が骨組 2 よりも早く倒壊した。. X. (b)骨組2はねじり応答を起こしC1柱にエネルギーが 集中したが、座屈を起こさずにエネルギーを吸収. 12m. し続けた。よって耐力の高い C2柱を持つ骨組 2の. (c) 骨組 1,2 立面図. 図 6 骨組解析モデル. 方が骨組 1 よりも高い耐力を示した。 (2)局部座屈モデルを用いた場合. 表 1 部材断面形状 部材番号. 部材. C1. □-300×300×6×6. 断面形状. 幅厚比. (a)骨組 2 の方が骨組 1 よりも早く倒壊した。 (b)骨組 2は 2.26秒後に C1柱の柱頭、柱脚が座屈を起. t. D. D/t=50. t. D. D/t=25. t. D. D/t=3. こし倒壊した。骨組1は3.22秒後にすべての柱の柱. D. C2. □-300×300×12×12. 頭、柱脚が座屈を起こし倒壊した。. D. B1. □-300×300×100×100. (c)骨組2はねじり応答によりC1柱にエネルギーが集 中し、早期に座屈を起こし倒壊した。. D. 25-3. ε. (c) 局部座屈を考慮した応力 - 歪関係. 図 8,9,10,11 に骨組 1,2 についての変形図および耐力. C1. (b) 骨組 2 平面図. (a) 骨組 1 平面図. -0.005E. σps. 図 7 鋼材の応力 - 歪関係 4.5 解析結果 5 . B1. B1 C1. unloading and Bauschinger curve. C2. 12m. B1. τbE. E. 床を剛な梁とブレースに置換している。. B1. σ. skeleton curve σbu σy. 柱の耐力を 1.88 倍したものとする。また、解析では剛. B1. ε. (N/mm2)、降伏応力度σ y は. のような影響を及ぼすのかを考察する。. C1. E. εy. 材のヤング係数 E は 200000. 地震時の応答について、ねじり応答が建物の倒壊にど. B1. E -εy. モデルは山田等に従う。鋼. した場合と、2本の柱の耐力を増して偏心を持つ場合の. C1. τE σy. に示す局部座屈を考慮した. 予想される。ここでは 4 本すべての柱を同一な断面と. Y. σ. ンガー曲線には Menegotto-. 1層 1スパンの整形な鋼構造骨組について、柱の耐力.
(4) 400. 鉛直方向変形(mm). 350 300 250 200 150 100. 変形前 変形後. 50 1.5 10. 4. 4. 1 10. 5000. 0. 5000. 4. 1 10. 変形前. 変形後. 変形後. 1.5 10. - 5000 - 5000. 4. - 50. 0. 50. 水平方向変形(mm). 100. 150. 8. 0. 変形前. X座標(mm). - 100. 3 10. 5000. 0. 0. 0 - 150. 4. (d) 14 秒後 C1 柱脚変形図. 4. 5000. - 5000 - 5000. 1.5 10. 1 10. Y座標(mm). Y座標(mm). 1 10. 4. 累積エネルギー(N* mm). 4. Y座標(mm). 1.5 10. 0. 4. 5000. 1 10. 変形前. 8. 2 10. 8. 1.5 10. 8. 1 10. C1. 7. 5 10. 変形後. 1.5 10. 4. X座標(mm). (a) 2 秒後. 8. 2.5 10. - 5000 - 5000. 0 0. 5000. 4. 1 10. 1.5 10. 0. 4. (b) 5.6 秒後. 2. 4. 6. 8. 10. 12. 14. 経過時間(s). X座標(mm). (c) 14 秒後. (e) C1 柱累積エネルギー. 図 8 バイリニアモデルを用いた骨組 1 の変形図、累積エネルギー 400. 鉛直方向変形(mm). 350 300 250 200 150 100. 変形前 変形前. 50 1.5 10. 4. 5000. 4. 1 10. 1.5 10. 変形前. 変形前. 変形後. 変形後. - 5000 - 5000. 4. X座標(mm). 0. 50. 100. 150. (d) 14 秒後 C1 柱脚変形図. 0. 変形後. 5000. - 50. 水平方向変形(mm). 8. 5000. 0. 0. - 100. 3 10. 変形前. - 5000 - 5000. 0 - 150. 4. 5000. 0. 4. 1 10. 4. 1 10. Y座標(mm). Y座標(mm). 1 10. 1.5 10. 4. 累積エネルギー(N* mm). 4. Y座標(mm). 1.5 10. 0. 4. 5000. 1 10. 1.5 10. - 5000 - 5000. 4. 0. 4. 1 10. 1.5 10. 8. 8. 2 10 1.5 10. 8. 7. 5 10. 0 0. 4. 2. 4. 6. 8. 10. 12. 14. 経過時間(s). (e) C1,C2 柱累積エネルギー. (c) 14 秒後. (b) 5.6 秒後. C1 C2. 8. 1 10. X座標(mm). X座標(mm). (a) 2 秒後. 5000. 2.5 10. 400. 400. 350. 350. 300 250 200 150 100. 変形前 変形後. 50. 1.5 10. 0 - 150. 4. 鉛直方向変形(mm). 鉛直方向変形(mm). 図 9 バイリニアモデルを用いた骨組 2 の変形図、累積エネルギー. - 100. - 50. 0. 50. 水平方向変形(mm). 100. 300 250 200 150 100. 変形前 変形後. 50. 150. 1.5 10. 0 - 150. 4. 0. 50. 100. 150. 7. 2 10. 7. 0 変形前 変形後. 7. 1 10. 0. 0. 5000. 1 10. 1.5 10. X座標(mm). 4. 5000. 7. - 1 10. 0. 7. - 2 10. C1. 7. - 3 10. 変形前 変形後. 7. 4. - 4 10. 0. 0.5. 1. 1.5. 2. 経過時間(s). 2.5. 3. 3.5. - 5000 - 5000. 7. 1 10. 0 7. - 1 10. C1 C2. 7. - 2 10. 7. - 3 10. 7. 0. 5000. 4. 1 10. 1.5 10. 4. - 4 10. X座標(mm). (a) 2.26秒後. (c) C1 柱累積エネルギー. (a) 2.26 秒後. 累積エネルギー(N* mm). 5000. Y座標(mm). 2 10. 累積エネルギー(N* mm). Y座標(mm). - 50. 水平方向変形(mm). 4. 1 10. 4. 1 10. - 5000 - 5000. - 100. (b) 2.26秒後 C1 柱脚変形図. (b) 2.26 秒後 C1 柱脚変形図. 0. 0.5. 1. 1.5. 2. 経過時間(s). 2.5. 3. 3.5. (c) C1,C2 柱累積エネルギー. 図 11 局部座屈モデルを用いた骨組 2 の変形図、. 図 10 局部座屈モデルを用いた骨組 1 の変形図、. 累積エネルギー. 累積エネルギー 参考文献. 5 .. 結論. 1) A Kawano, R F Warner : NONLINEAR ANALYSIS OF THE TIME-DE-. (1)3 次元複合非線形骨組解析法の有限要素法による標. PENDENT BEHAVIOR OF REIFORCED CONCRETE FRAMES. 準的な定式化と解析プログラムを開発を行った。. 2) 前田幸雄、林正 : 立体骨組構造物の有限変形解析,土木学会論文報告集、 第 253 号、1979 年 9 月. (2)鋼管トラスの構面外座屈に対する計算例を示し解析. 3) 松井千秋、河野昭彦 : 鋼管トラス柱の曲げねじれ座屈に対する設計法,. 法の妥当性を検証した。. 構造工学論文集、Vol.34B、1988 年 3 月. (3)局部座屈を考慮した偏心を持つ鋼構造骨組ではねじ. 4) 日本建築学会 : 鋼管トラス構造設計施工指針・同解説 , 2002 年 11 月 5) 倉光正人、河野昭彦:3次元非線形骨組解析法による平行弦トラスの曲. り応答を伴う倒壊が重要な破壊事象であることを示し. げねじれ座屈解析、日本建築学会大会学術講演梗概集、2003 年 9 月. た。. 25-4.
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