学 位 論 文 題 名
博 士( 水 産 科 学 ) 周 賀
Genetic studies on polyploid varlationSOfSturgeon ●
SpeCleSandhybridS 一
(チョウザメ類とその雑種の倍数性変異に関する遺伝学的研究)
学位論文内容の要旨
チ ョウ ザメ 類 は原 始的 な 体制 をも つ 生き た化 石 とい われ る 貴重 な魚 類 であ る。そして、その卵 は貴重 な 食 材キ ャビ ア とし て高 額 で取 引さ れ るた め、 各 国で 過度 な 漁獲 が行 な われ できた。さらに、近 年の産 業 化 によ る生 息 環境 の悪 化 も影 響し て 、多 くの 種 が絶 滅あ る いは 絶減 の 危倶 に到っている。従っ て、保 護 と 保全 を目 的 とし た人 為 的な 種苗 生 産の みな ら ず、 養殖 産 業化 も注 目 され ている。希少なチョ ウザメ 類 資 源の 保護 お よび その 復 活、 さら に 、北 方冷 水 域に おけ る 養殖 実現 が 水産 科学上のゴールであ るが、
そ の 実現 のた め には チョ ウ ザメ 類に 関 する 基礎 生 物学 的な 知 見の 収集 と 集積 が必要である。本研 究は、
チ ョ ウザ メ類 の 生物 学的 特 徴と して 、 特に 顕著 な 種間 およ び 種内 の倍 数 性変 異に注目して、その 実態と 起 源 につ いて 、 遺伝 学的 研 究を 行っ た 結果 をと り まと めた も ので ある 。
チ ョ ウ ザ メ 類 は 染 色 体 数 お よ び 核DNA量 から 推定 し たゲ ノム サ イズ に基 づ ぃて 、機 能 的な 二倍 体 あ る い は 進 化 的 な 四 倍 体 と 考 え ら れ るAグ ル ー プ ( 体 細 胞DNA量 約3.2‑4.6 pg,染 色体 数 約120)、 四 倍 体 あ る い は ハ 倍 体 と 考 え ら れ るBグ ル ー プ(DNA量 約6.1‑9.6 pg、 染 色 体 数 約240)、 お よ び 六倍 体 あ る い は 十 二 倍 体 と 考 え ら れ るCグ ル ー プ(DNA量 約13.1‑14.2 pg)の3群 に 大 別 さ れ る 。 し か し 、 過 去 の 研 究 報 告 に お い て は 、 同 じ 種 で あ っ て も 大 き な 相 違 が 見 ら れ 、 特 に 極 東 の ミ カ ド チ ョ ウ ザ メ AcゆeロsermIbd0え カ ル ー ガmsDd訊n由 恥 の ゲ ノ ム サ イ ズ に つ い て は 研 究 者 間 で 異 論 が あ っ た 。 し か し 、 本 研 究 の 基 盤 とな る、 博 士前 期課 程 まで の結 果 をと りま と めたZhouetaL(2011) によ り、 こ れ ら 二 種 は い ず れ も 約8・9pgのDNA量 を も ち 、 グ ル ー プBに 属 す る こ と が 明 ら か に さ れ た 。 さ ら に 、 い く っか のチ ョ ウザ メ類 の 飼育 個体 、 人工 受精 に より 生じ た ミカ ドチ ョ ウザ メおよびその交雑種 におい て 、 遺伝 的な 三 倍体 、四 倍 体が 比較 的 高い 頻度 で 出現 する こ とか ら、 現 在も 倍数性変異が生じて いるこ と も 明ら かに さ れた 。以 上 の事 実は 、 チョ ウザ メ 類は 倍数 性 変異 の出 現 メカ ニズムやそれによる 進化を 研 究 する ため の 好適 なモ デ ルで ある こ とを 示す と とも に、 将 来の 養殖 に おけ る倍数体育種の素材 として も 有 望で ある こ とを 示す 。
本 研 究 で は 、 先 ず 現 在 飼 育 さ れ て い る チ ョ ウ ザ メ 類 の 純 粋 種5種 、 カル ーガ ■dawむ 珊, アム ー ル チ ョ ウ ザ メA8c轟 他 ロ 心 區 ミ カ ド チ ョ ウ ザ メA,mibd面 シ ロ チ ョ ウ ザ メAt髄 五smDnta五HSロ シ ア
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チ ョ ウ ザ メA. gueldenstaedtnお よび 複 数組 の交 雑 種、 なら び に、 これ ら の人 工繁 殖 子孫 にお い て、 で き る だ け 多 数 の 標 本 に っ い て 、DNA量 フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー(FCM)を 行 な う こ と に よ り 、 ゲ ノ ム サ イ ズ に 基 づ く 倍 数 性 を 決 定 し ょ う と し た 。 特 にZhou et al. (201Dに お い て 、DNA量4pgと8pgを示 す 個 体の 両 方が 出現 し グル ープ が 決定 でき な かっ たロ シ アチ ョウ ザ メの グル ー プ分 けを 行った 。加えて、
雑 種を 含 めた 飼育 個 体、 人工 繁 殖個 体に お ける 倍数 性 変異 の出 現 状況 を詳 細 に検 討す ること により、チ ヨ ウザ メ 類の 倍数 性 変異 の実 態 を明 らか に しよ うと し た。
そ こ で 、 ド ジ ョ ウMisgurnusangrnDicaudatus (DNA量 、2.53 pg)を 標 準 対 照 標 本 と し て 、 フ ロ ー サ イ ト メ ー タ ー(PA,Partec GmbH, ド イツ )に よ り分 析し た とこ ろ、 分 析し たカ ル ーガ 、ア ム ール チ ヨ ウ ザ メ 、 ミカ ドチ ョ ウザ メ、 シ ロチ ョウ ザ メ、 ロシ ア チョ ウザ メ はい ずれ も8‑9 pgを 示 し、Bグル ー プ で あ っ た 。 ロ シ ア チ ョ ウ ザ メ 成 魚 に つ い て は10個 体 の測 定結 果 は約8 pgで あり 、本 種 はBグ ルー プ と 判 定 し た 。 し か し 、 交 雑 種 ロ シ ア チ ョ ウ ザ メ 雌xミ カド チ ョウ ザメ 雄 の子 孫( エF32)には 、 ゲノ ム が 半減 し た一 個体 (4 pg)が見 られ た こと から 、 チョ ウザ メ 類に おいてはゲ ノムの倍加のみな らず、減少 も 起こ り うる 可能 性 が示 唆さ れ た。
人工 受 精か ら生 じ たミ カド チ ョウ ザメ の 幼魚 には 、 遺伝 的三 倍 体が出現した(16.7%)。同 様に交雑種 カ ル ー ガ 雌xミ カ ド チ ョ ウ ザ メ 雄 、カ ルー ガ 雌xア ムー ルチ ョ ウザ メ雄 、 ベス テルBester(ベ ル ーガ 且 huso雌xコ チ ョ ウ ザ メA. ruthenus雄 )F1、F2、 ベ ス テ ル 雌xカ ル ー ガ 雄 、 カ ラ ムKalam( カ ル ー ガx アム ール)雌xアムール雄のいず れにおいても、遺 伝的三倍体の出現 が1.4・11.8%の率で見ら れた。以上 の よう に 、純 粋種 お よび 交雑 種 子孫 に倍 数 体が 出現 す るこ とか ら 、現 在に お いて も倍 数性変 異がチョウ ザ メ類 に 生じ てい る こと が再 確 認さ れた 。
紫外 線 (w) 照射 精子 による受精、お よび、圧力処理(PS)による第二極体 放出阻止による染 色体操作を 行 った 。 その 結果 、 ベス テルxシロ チ ョウ ザメ の 交配 後、 圧 力処 理を行った 群より生じた子孫 (ベステル xシ ロチ ョウ ザ メ暦S)か らは 三 倍体 が、 カ ラム 卵の ベ ステ ル由 来UV精 子に よ る受 精か ら生じ た子孫(カ ラ ムxベ ス テルmv)か らは 雌 性発 生半 数 体、 そし て 、カ ラム 卵 をベ ステ ル 由来UV精 子 で受 精後 、 圧力 処 理 を行 っ た群 より 生 じた 子孫 ( カラ ムxベ ステ ルmV.PS) か らは 雌性発生二 倍体が生じた。三 倍体、雌性 発 生 半 数 体 お よ び 雌 性 発 生 二 倍 体 の 作 出 はDNA量 の 測 定か ら 確認 した 。 また 、雌 性 発生 を確 認 する た め に 、 複 数 の プ ラ イ マ ー に よ るRAPD(RandomAmplifledPolymorphicDNA) .PCRを 行 っ た 。 そ の 結 果 、 カ ラ ムxベ ス テル んV.PSお よ びカ ラムxベス テ ル′UVは 、 母系 ゲノ ム のみ で発 生 して いる こ とが 示 さ れた 。 以上 の結 果 は染 色体 操 作技 術が チ ョウ ザメ 類 の育 種の た め、 今後 利 用可 能で あるこ とを示す。
次 に 、DNA量 に 基 づ く 倍 数 性 を 細 胞 遺 伝 学 的 に 確 認 する た めに 、予 め 倍数 性判 定 を行 った ミ カド チ ヨ ウザ メ の遺 伝的 二 倍体 (約8・9pg)と 三 倍体(約12pg) 仔魚にコルヒチン 処理(0.0025%、6時間)、
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低 張 処 理(0.075M KC1、30分 ) 、カ ル ノ ア 固 定を 施 し 、空気 乾燥 法で染 色体標 本を作 成し 、ギム ザ染色 の 後 、 顕 微 鏡観 察 と 核 型 分析 に 供 し た 。そ の 結 果 、 ミカド チョウ ザメ の中期 分裂像 には250‑272の 染色 体 が 見 ら れ た。 多 数 の 微 小染 色 体の存 在によ り正確 な計 数は著 しく困 難であ った が、最 も良好 な分裂 像 に つ い て 、 核型 分 析 を 行 った と こ ろ 、 ニ倍 体(2n=268)の核 型 は80M/SM( 中部/ 次中 部着系 型染色 体)
十48T(端 部 着 系 型 染色 体 ) 十140m( 微 小 染色 体 ) の 構 成で あ っ た 。 遺伝 的 に 三 倍 体と 考 え ら れ る標 本 は360‑402の 染 色 体 数 を 示 し 、 最 も 良 好 な 分 裂 像 か ら の 核型 は120M/SM十72T十210mで あ った 。 以 上 の 結 果 はDNA量 か ら遺 伝 的 三 倍 体を 考 え ら れ る 個体 は 、 同 種 の遺 伝 的 二 倍体の1.5倍の染 色体要 素、
す な わ ち 、3セ ッ ト の 相 同染 色 体 を も っこ と を 示 し た。
さ ら に、 ヒ ト 由 来5.8S‑28SrDNA配 列 を プ ロー ブ と してFISH (fluorescence血situ hybridization)を 二 倍 体 の50分 裂 像 、 三倍 体 の20分裂 像 に つ い て行 っ た と こ ろ 、前 者 で は 最大18、後 者では27のシグ ナ ル が 見 ら れ た。 以 上 の 結 果はDNA量か ら 遺 伝 的 三 倍体 と 考 え ら れる 個 体 は 、相同 染色 体を3セッ トもつ こ と を 支 持 した 。
最 後 にマ イ ク ロ サ テラ イ トDNAマ ー カ ー 分 析を 用 い て倍数 性を 推定す ること にした 。Fontana et al.
(2008)は チョウ ザメ 類の三 グルー プを二 倍体、 四倍 体、六 倍体、Blacklidge and Bidwell (1993)は四 倍 体 、 ハ 倍 体 、十 二 倍 体 と 考え て いる。 しかし 、現在 まで 、これ らのど ちらが 妥当 である か確証 は得ら れ な か っ た 。 そこ で 、 本 研 究で は マ イ ク ロサ テ ラ イ トDNAマ ー カ ー座 あ た り の 最大 ア レ ル 数 から 相 同 染 色 体 数 を 推 定し 、 倍 数 性 を確 認 し ょ う とし た 。
材 料 とし て、Aグル ープよ ルホシ チョウ ザメA. stellatus, コチョ ウザメ ,雑種 ベス テルの3種 、Bグ ル ー プ よ ル カ ルー ガ 、 ア ム ール チ ョウザ メ、ミ カドチ ョウ ザメ、 ロシア チョウ ザメ 、シベ リアチ ョウザ メ A.baeniの5種の チ ョ ウ ザ メを 選 び 、 こ れら よ ル ゲ ノ ムDNAを 抽 出、 精 製 し た 。そ し て 、 チ ョ ウザ メ 科 魚 類 に お い て 配 列 が 報 告 され て い る24プ ラ イ マ ー セッ ト(May et al.,1997; Welsh et al.,2003;
McQuown et al.,2000; Rozen and Skaletsky,1996; Henderson‑Arzapalo and King,2002)に っいて 、 PCR増 幅 が 可 能 で 多 型 性が あ る か 否 かを 検 討 し た 。そ の 結 果 、21セ ッ ト は 全て の 種 でPCR増 幅 が で き る こ と が 判 明し た 。 し か し、Atr1173、LS‑54に よる 増 幅は一 部の種 に限ら れ、Sp127で は増幅 がみら れ な か っ た 。
通 常 、硬 骨 魚 類 で は、 ヘ テ ロ 接 合 体で あ っ て も 、2つの アレル が見ら れる のみで あった が、チ ョウ ザ メ 類 で は 多 数の ア レ ル が 検出 さ れ た 。 個体 あ た り 座 あたり の最大 アレ ル数を 見ると 、Aグルー プのチ ョ ウ ザ メ は 最 大4、Bグ ルー プ は8で あっ た 。 こ れ ら の結 果か らAグルー プは四 倍体、Bグ ループ はハ 倍体で あ る こ と が 推定 さ れ た 。
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学位論文審査の要旨 主査 副査
副査 副査
教授 教授 准教授 教授
足立 荒井 藤本 山羽
学 位 論 文 題 名
伸次 克俊 貴史
悦郎(北方 生物圏フイールド科学センター)
Genetic studies on polyploid variations of sturgeon ●
specleSandhybridS 一
(チョウザメ類とその雑種の倍数性変異に関する遺伝学的研究)
チ ョウ ザメ 類は 原 始的 な体 制を もつ 生き た化 石と いわ れる 貴重 な魚類であ る。 そし て、 その卵は貴重な食 材キャビアとして高額で取引されるため、各国 で過 度な 漁獲 が行なわれてきた 。さらに、近年の産業化による生息環境の悪化 も影 響し て、 多くの種が絶滅あ るいは絶減の危機に到っている。従って、保護 と保 全を 目的 とした人為的な種 苗生産のみならず、養殖産業化も注目されてい る。 希少 なチ ョウザメ類資源の 保護およびその復活、さらに、北方冷水域にお ける 養殖 実現 が水産科学上のゴ ールであるが、その実現のためにはチョウザメ 類に 関す る基 礎生物学的な知見 の収集と集積が必要である。本研究は、チョウ ザメ 類の 生物 学的特徴として、 特に顕著な種間および種内の倍数性変異に注目 して 、そ の実 態と起源について 、遺伝学的研究を行い、以下の評価すべき成果 を得た。
(1 ) チョ ウザ メ類 は染 色体 数お よび 核DNA 量か ら推 定し たゲ ノム サイズに基 づ い て 、 A グ ル ー プ ( 体 細 胞 DNA 量 約 3.2‑4.6 pg , 染 色 体 数 約 120) 、 B グ ル ープ (DNA 量約 6 .1‑9 .6pg 、 染色 体数 約240) 、C グループ(DNA 量約13 .1‑14 .2 pg 、 染 色 体 数 372) の3 群 に大 別さ れる が、 過去 の報 告で は、 同じ 種 であ って も大きな相違が見られ、極東のミカド チョウザメAcipenser rn えぬd 弧カルーガ ロ.‖舶d 齏泌カ珊のゲノムサイズについては異論があった。しかし、本研究の基 盤となる、博士前期課程までの結果を とりまとめたZhouetal .(2011 )により、
こ れ ら 二 種 は い ず れ も 約 8 ・ 9pg の DNA 量 を も ち 、グ ルー プB に属 す るこ と、
いく っか のチ ョウザメ類の飼育 個体、人工受精により生じたミカドチョウザメ およ びそ の交 雑種において、遺 伝的な三倍体、四倍体が比較的高い頻度で出現 する こと が明 らかにされた。本 研究では、以上の結果をさらに確認するため、
現 在 飼 育 さ れ て い るチ ョウ ザメ 類純 粋 種5 種、 カル ーガ 豆ぬ ぱを 弧 アム ール チョ ウザ メ4 . 馳轟re .融丘薗ミカドチョウザメ4 .m 嵒孤城 シロチョウザメ4 . 缸齟 8 凪伽 ぬm 鳩ロシアチョウザ メ4 .舒旭擁ロ8 ぬe 班d および複数組の交雑種、
な ら び に 、 こ れ ら の 人 工 繁 殖 子 孫 に お い て 、 DNA 量 フ ロ ー サ イ ト メ ト リ ー
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(FCM)に よ り 、 チ ョ ウ ザ メ 類 の 倍 数 性 変 異 の 実 態 を 明 ら か に し よ う と し た 。 ド ジ ョ ウlVL18gurnus anguE脇a捌bオ 珊 (DNA量 、2.53pg) を 標 準 対 照 標 本 と し て 、 フ ロ ー サ イ ト メ ー タ ー ( 王APartecGmbH, ド イ ツ ) に よ り 分 析 し た と こ ろ 、 カ ル ー ガ 、 ア ム ー ル チ ョ ウ ザ メ 、 ミ カ ド チ ョ ウ ザ メ 、 シ ロ チ ョ ウ ザ メ 、 ロ シ ア チ ョ ウ ザ メ は い ず れ も8‐9pgを 示 し 、Bグ ル ー プ で あ っ た 。 ロ シ ア チ ョ ウ ザ メ 成 魚10個 体 の 測 定 結 果 は 約8pgで あ り 、 本 種 はBグ ル ー プ と 判 定 し た 。 人 工 受 精 か ら 生 じ た ミ カ ド チ ョ ウ ザ メ の 幼 魚 に は 、 遺 伝 的 三 倍 体 が 出 現 し た
(16.7% ) 。 同 様 に 交 雑 種 カ ル ー ガ 雌xミ カ ド チ ョ ウ ザ メ 雄 、 カ ル ー ガ 雌xア ム ー ル チ ョ ウ ザ メ 雄 、 ベ ス テ ル Be8ter( ベ ル ー ガ Eゐ u鉛 雌 xコ チ ョ ウ ザ メ4. ru曲 釦 珊 雄 )F1、F2、 ベ ス テ ル 雌xカ ル ー ガ 雄 、 カ ラ ムKalam( カ ル ー ガxア ム ー ル ) 雌xア ム ー ル 雄 の い ず れ に お い て も 、 遺 伝 的 三 倍 体 の 出 現 が1.4.n.8% の 率 で 見 ら れ た 。 し か し 、 交 雑 種 ロ シ ア チ ョ ウ ザ メ 雌xミ カ ド チ ョ ウ ザ メ 雄 の 子 孫
( 炉32) に は 、 ゲ ノ ム が 半 減 し た 一 個 体 (4pg) が 見 ら れ た こ と か ら 、 チ ョ ウ ザ メ 類 に お い て は ゲ ノ ム の 倍 加 の み な ら ず 、 減 少 も 起 こ り う る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 以 上 の よ う に 、 純 粋 種 お よ び 交 雑 種 子 孫 に 倍 数 体 や ゲ ノ ム 半 減 個 体 が 出 現 す る こ と か ら 、 現 在 に お い て も 倍 数 性 変 異 が チ ョ ウ ザ メ 類 に 生 じ て い る こ と が 再 確 認 さ れ た 。
紫 外 線 照 射 (Uめ 精 子 に よ る 受 精 、 お よ び 、 圧 力 処 理 (PS) に よ る 第 二 極 体 放 出 阻 止 に よ る 染 色 体 操 作 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 ベ ス テ ルxシ ロ チ ョ ウ ザ メ の 交 配 後 、 圧 力 処 理 を 行 っ た 群 よ り 生 じ た 子 孫 ( ベ ス テ ルxシ ロ チ ョ ウ ザ メ 毋s冫 か ら は 三 倍 体 が 、 カ ラ ム 卵 の べ ス テ ル 由 来UV精 子 に よ る 受 精 か ら 生 じ た 子 孫 ( カ ラ ムxベ ス テ ル ノIJ功 か ら は 雌 性 発 生 半 数 体 、 そ し て 、 カ ラ ム 卵 を ベ ス テ ル 由 来UV精 子 で 受 精 後 、 圧 力 処 理 を 行 っ た 群 よ り 生 じ た 子 孫 ( カ ラ ムxベ ス テ ルmV.PS) か ら は 雌 性 発 生 二 倍 体 が 生 じ た 。 三 倍 体 、 雌 性 発 生 半 数 体 お よ ぴ 雌 性 発 生 二 倍 体 の 作 出 は DNA量 の 測 定 か ら 、 雌 性 発 生 は 複 数 の プ ラ イ マ ー に よ る RAPD( R岨 dom
」 虹p駈edPolymorpMcDN帥 .PCRに よ り 確 認 し た 。 そ の 結 果 、 カ ラ ムxベ ス テ ル 肌r.PSお よ び カ ラ ムxベ ス テ ル 肌 ′ は 、 母 系 ゲ ノ ム の み で 発 生 し て い る こ と が 示 さ れ た 。 以 上 の 結 果 は 染 色 体 操 作 技 術 が チ ョ ウ ザ メ 類 の 育 種 の た め 、 今 後 利 用 可 能 で あ る こ と を 示 し た 。
(2)DNA量 に 基 づ く 倍 数 性 を 細 胞 遺 伝 学 的 に 確 認 す る た め に 、 予 め 倍 数 性 判 定 を 行 っ た ミ カ ド チ ョ ウ ザ メ の 遺 伝 的 二 倍 体 ( 約8・9pg) と 三 倍 体 ( 約12pg) 仔 魚 に コ ル ヒ チ ン 処 理 (0.0025% 、6時 間 ) 、 低 張 処 理 (0.075MKC1、30分 ) 、 カ ル ノ ア 固 定 を 施 し 、 空 気 乾 燥 法 で 染 色 体 標 本 を 作 製 し 、 ギ ム ザ 染 色 の 後 、 顕 微 鏡 観 察 と 核 型 分 析 に 供 し た 。 そ の 結 果 、 ミ カ ド チ ョ ウ ザ メ の 中 期 分 裂 像 に は 250・272の 染 色 体 が 見 ら れ た 。 多 数 の 微 小 染 色 体 の 存 在 に よ り 正 確 な 計 数 は 著 し く 困 難 で あ っ た が 、 最 も 良 好 な 分 裂 像 に つ い て 、 核 型 分 析 を 行 っ た と こ ろ 、 二
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倍体 (2n=268) の核型は80M/SM (中部/次中部着系型染色体)十 48T (端部着 系型染色体)十140m (微小染色体)の構成であった。遺伝的に三倍体を考えら れ る 標 本は 360‑402 の染 色 体 数を 示し、最 も良好な分 裂像から の核型は 120M/SM 十 72T 十 210m であっ た。以上 の結果は DNA 量から遺伝的三倍体を考 えられる個体は、同種の遺伝的二倍体の1 .5 倍の染色体要素、すなわち、3 セッ トの相同染色体をもつことを示した。
さらに、ヒト由来5.8S‑28SrDNA 配列をプローブとしてFISH (fluorescence ヱロ 8 丑uhybridizatiom を二倍体の50 分裂像、三倍体の 20 分裂像について行ったとこ ろ、前者では最大18 、後者では27 のシグナルが見られた。以上の結果はDNA 量 から遺伝的三倍体と考えられる個体は、相同染色体を3 セットもつことを支持し た。
( 3 )前述したチョウザメ類の三っグループを二倍体、四倍体、六倍体と考え ている研究者と、四倍体、ハ倍体、十二倍体と考えている研究者がおり、いず れが妥当であるか結論は得られていない。そこで、マイクロサテライトDNA マ ーカー座あたりの最大アレル数から相同染色体数を推定し、倍数性を確認しょ うとした。
材料として、A グループよルホシチョウザメA .s 絶Z 函細8 コチョウザメ,雑種 ベステルの3 種、B グループよルカルーガ、アムール、ミカドチョウザメ、ロシ アチョウザメ、シベリアチョウザメィ,ぬ口i め5 種のチョウザメを選び、これら よルゲノムDNA を抽出、精製した。そして、チョウザメ類魚類において配列が 報告されている24 プライマーセットについて、PCR 増幅が可能で多型性がある か否かを検討した。その結果、21 セットは全ての種でPCR 増幅ができることが 判明した。しかし、Atrn73 、 LS .54 による増幅は一部の種に限られ、Sp127 で は増幅がみられなかった。
通常、硬骨魚類では、ヘテロ接合体であっても、2 つのアレルが見られるのみ であったが、チョウザメ類では多数のアレルが検出された。個体あたり座あた りの最大アレル数を見ると、A グループのチョウザメは最大4 、B グループは8 であった。これらの結果からA グループは四倍体、B グループはハ倍体である ことが推定された。
申請者による以上の研究成果は、チョウザメ類野生集団の保全および養殖集 団の育種に寄与する、基礎生物科学および水産科学上重要な成果と評価でき、
審査員一同は、申請者が博士(水産科学)の学位を授与される資格のあるもの と判定した。
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