• 検索結果がありません。

ウサギ の胃の培養壁細胞の形態と 酸分泌 動態とに関する基礎的検討

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ウサギ の胃の培養壁細胞の形態と 酸分泌 動態とに関する基礎的検討"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 医 学 ) 大 瀧 敏 裕

     学 位論文 題名

ウサギ の胃の培養壁細胞の形態と 酸分泌 動態とに関する基礎的検討

学位論文内容の要旨

【 緒 言 】 胃 粘 膜 細 胞 を 遊 離 さ せ 細 胞 浮 遊 液 の 状 態 に す る方 法 は , 胃 の 蠕動 運 動 や 粘 膜血 流 の 影 響 を除 外 し ,さ ら に 自 律 神経 の 影 響 を も除 外 し て , 胃粘 膜 細 胞 の 酸 分泌 を 研究 できる 利点 を有す る.し かし, 遊離 胃 腺 細胞 の 細 胞 浮 遊液 にtま ガ スト リ ン 含 有 細胞 ,主 細胞お よび粘 液分泌 細胞も 高い 比率で 含まれ ている ため , 胃 酸分 泌 動 態 を それ ら の 影 響 を除 外 し て 研 究す る こ と は 困 難で あ った .一方 ,細 胞浮遊 液の状 態では 数時 間 し カ湘 胞 と し て の機 能 を 保 持 でき な い と い うB寺間 的制限 があっ たため ,臨床 的に 重要な ,長囎 間にわ たる 酸 分泌の 観察や 薬剤 の微量 長期投 与の効 果を 観察す るには 不適当 であっ た, そこで ,本研 究では 胃粘 膜ネIEH包を 壁 細胞 単 独 の 細 胞浮 遊 液 に し て, 酸 分 泌 動 態を 形 態 と 機 能 との 面 から 検討し た. さらに 壁細胞 を初代 培養 す る こと に よ り , その 形 態 と 細 胞機 能 が ど の よう に 変 化 す る のか , 一方 ,薬剤 の微 量長期 投与が どのよ うな 影 響を与 えるの かを も検討 した・

【 方法 】 ウ サ ギ 単離 壁 細 胞tま体 重 約3 Kgの 日 本 白ウ サ ギ ( 雄 性 )か ら 摘 出 し た胃 を 用 い て作製 した. 胃体 部半占 膜を罰 離し1 nrn角 に細切した後,col lagenase,dispase,ウシ血清アルブミンを含むMediLrrr199溶液に加 え 混合 う も 疉 気 下で3TC,50分 問 イ ンキ ュ ベ ート して細 胞を単 離し た.こ の単離 細胞を 滅菌 ガーゼ で数回 瀘過 し た後35%Perooll溶 液 に 浮 遊さ せ30.OOOG,15分 聞 の 超 遠心 を2回行 って単 離壁細 胞を得 た. 初代培 養の方 法 はChewらの 方 法 に 準 じてHamのF一12とDulbeccoの イ ーグ ル 培 地 の1対1の 混 合 液に ウ シ 血 清 ア ルブ ミ ン , 上 皮成 長 因 子 , ハイ ド 口 コ ー チゾ ン , イ ン スリ ン,ト ランス フェリ ン,sodiun selenite,グ ルコー ス,ゲ ン タ マ イ シ ン を 加 えた 培 養 液 を 用い て 行 っ た .超 遠 心 に よ り得 た 単 離 壁 紐 胞をamphotericineBで 洗 浄 し た 後 polystylene tube内 で30分 間イ ン キ ュ ベ ート し て 線 維 芽 細胞 を 管 壁に 接着さ せて除 去した .こ の細胞 浮遊液 をMatrigelを 塗 布し たtissue culture dishに 移 し .1日 か ら4日 間培 養 し た . 培養 壁 細 胞 の 生 存率 はrvrrr assayを 用い てi平f面 し た , す な わち 培 養 細 胞の付 着し ているdishにcvnT容 液を 入れ,60分問イ ンキ ュベ― ト し,産 生され たformazanの量を 分光光 度計 にて預 |睫し ,細胞 の生 存率を 検索し た.酸 分泌はl c‑zrninopyrin e(14CーAP)の壁細 胞への 取り込 みによ ってiflil定 した. すな わち細 胞浮遊 液ある いは細 胞の 付着し ているdish に 各種 薬 剤 と3.7kBqのI C一APを加 え20分 問イン キュベ ート した後 ,細胞 の放射 活性を 液体 シンチ レーシ ョン カウン ターて 顎I健した .形 態嵜と 的解析 は光顕 ,電 顕を用 いて行 った. 電顕標 本は ,細胞 を2.5Xグ ルタル アル デ ヒ ド 溶 液 で 固 定し ,1 %Os04で後 固 定 し た 後 ,2酒 繊 ウ ラ ン水 溶 液 で ブ 口ッ ク 染 色 を 行い , さ ら に アル コ

→ ル脱 水 し た 後 ,エ ポ キ シ 植 書貝 旨 に 包 埋 して 作 製 し た . これ をHitachi HS−9型 電子 顕 微鏡 で観察 した,

【結果 】◎単 離直 後の壁 細胞の 形態と 機能

131

(2)

単離 直 後 の 壁 細 胞は 光 顕で |ま好 酸性で エオジ ンに濃 染す るほぽ 同じ大 きさの 球形 細胞と して認 められ た.電 顕で は 細 胞 内 の 分泌 細 管| よ教と 太さで 多様性 を示し ,ほ とんど 細管の 見られ ない ものか ら著明 に拡張 してい るも の ま で 多 彩 な像 カ¥め ら れた , 単 離 直 後の 壁 細 胞 は ヒス タ ミ ン , カル バ コ ― ル で は濃 度依 存性に 酸分泌 反応を 示した がガ ストリ ンで| よ反応 を認め なか った.

@培養 壁細胞 の形 態と酸 分泌反 応

電顕 で 観 察 す る と, 培 養48時 間 後 の 壁 細 胞は ほ ぽ 均 一 の球 形 細 胞 となり ,核 の周囲 にやや 拡張し た分 泌細管 ij12から3個 認めら れた, 培養24,48,72嘲 司後 の壁細 胞につ いて酸 分泌 反応を 検討し たとこ ろ,ヒ スタ ミンで はす べ て の 場 合 に単 離 直後 の細胞 と同様 に濃度 依存性 に酸 分泌反 応が認 められ た, 培養48ロ 寺間後 ,カ ルバコ

―ル で は 濃 度 依 存性 に 酸 分 泌 反応 が 認 め ら れた が , ガ ス トリ ン で は反 応を認 めな かった .48時間 培養 した壁 細胞 に ヒ ス タ ミ ン10― Mを 加え て5な いし15分刺激 したと ころ ,拡張 した分 泌細管 が数 個,核 の周囲 に認め ら れた. この分 泌細 管には 特徴的 な細胞 質のふ ちど りが認 められ た.

◎H2ブ口 ッカ ―の長 期投与 カ遅翳 田胞 に与え る影響

シメ チ ジ ン , ラ ニチ ジ ン, フフモ チジン の3種類のH: ブ口ッ カ―の 各濃度 をculture dishに加 え,壁 細胞を48 哺司 培 養 し た , MTT assayで 評価さ れる培 養壁 細胞のviability0よ シメチ ジンで 濃度依 存性 に上昇 したが ,他 の2斉11で| よ変化 を認 めなか った. 電顕的 には3斉1lに共通して分泌細管がほとんど認められず,細胞内には細胞 障害を 示唆す る大 小不同 の小胞 力流満 してい る所 見が認 められ た,

【 考 案 】 従 来 | 単 離 胃 粘 膜 細 胞 の 培 養 は 表 層 粘 膜 細 胞 以外 は 困 難 で あっ た が 、Chewら は ウ サギ の 壁 細 胞 の初 代 培 養 を 行 い, 酸 分 泌 の 機能 を 有 す る 状態 で7日 聞 培養 す る こ と に成 功 し た と 報 告し た. 本研究 におい て もChewの 方 法 に 準 じ て培 養 を 行 っ たが , 壁 細 胞 の単 離 はChewの 方 法 と 異な るPercollによ る 超 遠 心 を2回 繰り 返 す と い う 独自 の 方 法 で 純度 の 高 い , しか も 酸 分 泌 能を 温 存 した 培養細 胞を 安定し て得る ことに 成功し た, 接 着 物 質 と して 用 い たMatrigelは ラ ミ ニン と4型 コ ラー ゲ ン が 主 成 分で 壁 細 胞 の 基底 膜の 組成に 極め て 近い た め ,dishへ の 接 着に 適 切 で あ った と 考 えられ るが ,今後 より適 切な接 着物質 の開 発カ迎 鑷gと考え られ る,単 離直後 の壁 糸田胞 は分泌 細艚の 拡張の 程度 カ鷲兼 々であ ったカjiこの原因として倣単雛するi疉程で酵素に よる 障 害 , 機 械 的な 刺 激 を 受 けた 可 能 性 や ,粘 膜 内 の 細 胞か ら ヒ スタ ミン, ガス トリン などが 遊離し 壁細胞 を刺 激 し た 可 能 性が 考 え ら れ た, 形 態 学 的 に検 討 す る と ,培 養 後 の壁 細胞は 分泌 細管が ほぽ均 一な形 態を示 すこ と が 多 く , 単離 直 後 の 壁 細胞 を 用 い た 実験 系 よ り 安 定し た 結 果が 得られ ると 考えら れる, 今回の 実験で は, 培 養 壁 細 胞 にお け る 酸 分 泌反 応 に お い てカ 価 の 点 で ヒス タ ミ ン が 他 の2っ よ り 優 れて おり ,ウサ ギでは ヒス タ ミ ン カ 濺 分泌 反 応 に お ける 最 も 重 要 な経 路 で あ る と考 え ら れた .今回 ,培 養壁細 胞をヒ スタミ ンで刺 激す る と 生 体 内 では 認 め ら れ ない ふ ち ど り が分 泌 細 管 の 周囲 に 認 めら れたが ,こ の変化 が意味 すると ころは 不明 で あ る , 本 研究 で はMFT assay上 ,シメ チジン が培養 壁細 胞のviabilityを 上昇さ せたが ,形 態学的 に|ま むし ろ 細 胞 障 害 を示 竣 す る 所 見が 認 め ら れ た, こ の 矛 盾 の原 因 を 解明 するた めNffT assayの意義 を検 討する 必要 が あ る と 考 えら れ た , 今 回使 用 し たH:ブ ロッカ ーは いずれ も臨床 的有効 濃度 とほぽ 同程度 であっ たこと よ り ,H2ブ ロッ カ ― の 長 期に わ た る 大 量投 与 カ 廻 醉 田 胞に 非 可 逆 的 な障 害 を 与 え る可 能 性 カ 萌 破さ れ た .

【 結 語 】 ◎ 単 離 壁 細 胞 の 初 代 培 養 が 接 着 因 子 等 の 工 夫 に よ り 可 能 に な っ た . @ 単 離 直 後 の 壁 細 胞 は 形

(3)

ことができた,◎ウサ ギにおいてはヒスタミンが酸分泌の刺激物質として最も重要であると考えられた.

◎培養壁細胞のヒスタ ミンによる形態学的変化として,拡張した分泌細管周囲に特徴的なふちどりを認め た,◎臨床的に長期にわたり大量のH:ブ口ッカーを投与すると,壁細胞の非可逆的障害を起こす可能性の あることが示唆された .

‑ 133 ‑

(4)

学位論 文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

ウサギの胃の培養壁細胞の形態と 酸分泌動態とに関する基礎的検討

   【緒言】 胃粘膜の 細胞を遊 離させ, さらに壁細 胞単独の細胞浮遊液にすることによ り,胃の 蠕動運動 ,粘膜血 流,神経 などの影響 を除外し て,細胞レベルで胃酸分泌動 態を研究 すること が可能に なる,し かし,今ま での方法 による細胞浮遊液の状態では 数時間程 度しか細 胞として の機能を 保持できな いという 時間的制限があったため,長 時間にわたる酸分泌の観察や薬剤の微量長期投与の効果を観察するに|よ適切でt よなか った.

   そこで本 研究では ,長時間 にわたっ て壁細胞を 培養できる適切な方法を考案し,胃 壁細胞の 酸分泌動 態を形態 と機能と の面から検 討した. また,薬剤の微量長期投与が 胃壁細胞にどのような影響を与えるのかも検討した.

   【材料 と方法】 日本白ウ サギから 摘出した胃 の胃体部 粘膜を剥 離し, 1mm 角 に細切 した後, collagenase , dispase ,ウシ血清アルブミンを含むMedium ー 199 に加え,混合 気通気下 で 37 ℃, 50 分 間インキ ュベ―ト して細胞を 単離した.これを滅菌ガーゼで数 回瀘過し た後, 35 % Percoll 溶液に浮 遊させ, 30 , OOOG , 15 分間の超遠心を2 回行って 単離壁 細胞を得 た.初代 培養の方 法は Chew らの方 法に準じ て DMEM と Ham の F ー 12 の 1 対 1 の混合液 にウシ血 清アルプ ミン,上皮成長因子,ハイドロコ―チゾン,インスリン,

トラン スフェリ ン, sodium selenite ,グ ルコース ,ゲンタマ イシンを 加えた培 養液 を 用 い て 行 った , 超 遠心 に より 得 た 単離 壁 細 胞を amphotericineB で 洗 浄し た 後 , polystylene tube 内で 30 分間 インキュ ベ―トし ,線維芽 細胞を管壁に付着させて除去 した , こ の細 胞 浮遊 液 を Matrigel を塗布し たtissue culture dish に移し, 1 日から 4 日間培養 した.培 養壁細胞 の生存率 は MTT assay を用いて評価した,酸分泌は I C ― aminopyrine の壁細胞 への取り込みによって測定した.形態学的に|よ光顕,電顕によ って検索した.

保 夫

   

   

崎 野

宮 菅

授 授

教 教

査 査

主 副

(5)

として認 められた .電顕で|ま細胞内の分泌細管は数と太さで多様性を示し,ほとんど 分泌細管 が認めら れないものから著明に拡張しているものまで多彩な像が認められた。

単離直後 の壁細胞 はヒスタ ミン,カ ルバコー ルでは濃 度依存性に 酸分泌反 応を示した が,ガス トリンで は反応を 認めなか った.

@培養壁 細胞の形 態と酸分 泌反応

電顕で観 察すると 培養 48 時間 後の壁細 胞はほぽ 均一の球 形細胞とな り,核の周囲にや や拡 張 し た分 泌 細 管が 2 か ら 3 個 認め ら れた . 培 養 48 時間 後の壁細 胞につい て酸分泌 反応を検 討したと ころ,ヒ スタミン ではすべ ての場合 に単離直後 の細胞と 同様に濃度 依存性に 酸分泌反 応が認め られた. 培養 48 時間 後,カル バコ―ルで は濃度依存性に酸 分泌反応 が認めら れたがガ ストリン では反応 を認めなかった. 48 時間培養した壁細胞 にヒスタ ミン 10‑4M を加 えて5 ない し 15 分刺激 したとこ ろ,拡張 した分泌細 管が数個,

核の周囲 に認めら れた.こ の分泌細 管には特 徴的な細 胞質のふち どりが認 められた.

@ H エブロ ッカ―の 長期投与 が壁細胞 に与える 影響

シメ チ ジ ン, ラ ニ チジ ン ,フ フ モ チジ ン の 3 種類 の H2 ブ ロッカー の各濃度 をculture dish に加 え 壁 細胞 を 48 時間培養 した.形 態学的に 憾電顕上 , 3 剤に共 通した所 見とし て分泌細 管はほと んど認められず,細胞質に|ま細胞障害を示唆する大小不同の小胞と 脂肪滴が 多数認め られた.

   【考案な らびに結 語】@単 離壁細胞 の初代培 養が接着 因子等の工 夫により可能にな った . 今 回の 研 究 では , 壁細 胞 の 単離 は Percoll を 用いた密 度勾配遠 心を 2 回繰 り返 すという 独自の方 法を用い ,純度の 高い,し かも酸分 泌能を温存 した培養 壁細胞を安 定して得 ることに 成功した .今回接 着因子と して使用 した Matrigel はマウ スの肉腫か ら抽 出 し た物 質 で ,ラミ ニンと 4 型 コラーゲ ンとが主 成分であ り基底膜 の組成と極 め て近いた めに,壁 細胞の dish へ の接着に 有効であ ったが, 今後,より 有効な接着物質 の開発が 必要と考 えられる ,@単離 直後の壁 細胞は形 態学的に多 彩な像を 示したが,

この原因 |よ単離 する過程で酵素による障害,機械的な刺激を受けた可能性や粘膜内の 細胞から ヒスタミ ン,ガストリンなどが遊離し壁細胞を刺激した可能性が考えられた。

◎培養壁 細胞は形 態学的に かなり均 亠でしか も培養 72 時間まで t よ単離直後とほぼ同様 の酸分泌 を起こす ことより ,壁細胞 の機能を 検討する 上で良好な 実験系と して用いる ことがで きた.@ ウサギに おいては ヒスタミ ンカ j 酸分泌の刺激物質として最も重要で あると考 えられた .◎培養 壁細胞の ヒスタミ ン刺激に よる形態学 的変化と して,拡張 した分泌 細管周囲 に特徴的 なふちど りを認め た,◎臨床的に長期にわたり大量のH よブ ロッカ― を投与す ると,壁 細胞の非 可逆的な 障害を起 こす可能性 のあるこ とが電顕所 見から示 唆された .

以上に より,本 研究は博士(医学)の学位論文として妥当なものと判断される,

‑ 135

参照

関連したドキュメント

本研究は、tightjunctionの存在によって物質の透過が主として経細胞ルー

しかしながら生細胞内ではDNAがたえず慢然と合成

の多くの場合に腺腫を認め組織学的にはエオヂ ン嗜好性細胞よりなることが多い.叉性機能減

題護の象徴でありながら︑その人物に関する詳細はことごとく省か

の点を 明 らか にす るに は処 理 後の 細菌 内DNA合... に存 在す る

 1)血管周囲外套状細胞集籏:類円形核の単球を

RNAi 導入の 2

・微細なミストを噴霧することで、気温は平均 2℃、瞬間時には 5℃の低下し、体感温 度指標の SET*は