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博 士 ( 工 学 ) 木 村 健 学 位 論 文 題 名 Characterization and Control of III− VSemiconductor Surfaces and Interfaces

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 木 村    健

     学 位 論 文 題 名

    Characterization and Control of III − VSemiconductor Surfaces and Interfaces

( m ―V 半導体表面および接合界面の評価と制御)

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  シリコン(Si)は半導体材料の中核であるが、光デバイス応用の観点からは、ガリウム砒素(GaAs)、

イ ンジウム リン(InP)、窒化ガリウム(GaM等の直接遷移型Iu−V半導体が優位である。をかでも 青 色〜紫外 の短波長光デバイスとして注目されてきたのが、GaNを中心とするワイドギャップ半導 体 であり、 近年、 青色uヨD・LDが実用化されるなど、今後もますます注目される材料である。ー 方 、赤色〜 赤外の領域においては、GaAsやInPを中心とした材料が用いられている。また、III・V 半導体は、高い飽和電子速度や電子移動度を有しており、電子デバイス応用においても非常に有望 な 材料であ る。特 にGaNは 高周波高 出カデ バイス として のポテンシャルが示されつっあり、また InP系 材料は 、耐圧 は低い ものの、 超高速 デバイ スとし ての特 性はGaNを 凌駕し 、lTHz帯の動作 が期待されている。

  現在までの半導体デパイス技術の進展は、Siデバイスの微細加工技術の進展でもある。最近では 量 産化レベ ルの32nmプロセ スが報 告された 。しか し、そ れ以降 の次世 代半導 体デバイスの指針 において、Siだけでをく他の材料との融合による技術進展が提唱されるに至った。一例としては、

Siデ バイス を基礎 とし、チ ャネル 部分をm‐V半導体に置き換えることによる高性能化への試みが 挙げられる。しかしをがら、III.V半導体では、Si02/si界面のようを良好誼絶縁体/半導体界面を 形成することが困難であったため、現在の多くのI−V半導体デバイスのゲート制御には金属/半導 体界面に形成される「ショットキー障壁」が広く用いられており、金属/半導体界面の特性が、m‐V 半 導体デバ イスの 基本性 能を大 きく左右する。そのため`m‐V半導体表面,界面の評価は今後ま す ます重要 とをっ てくる 。特にGaN系材料 におい ては、 結晶成長技術が未成熟であり、結晶中の 残留不純物や結晶欠陥により、ショットキー界面において大きをりーク電流が流れるという問題が あ る。また 、InP系材料においては、界面でフェルミ準位が固定される「フェルミ準位のピンニン グ 現象」に より、接触させる金属の仕事関数を変えてもショットキー障壁高さ(SBH)が制御でき ず、SBHが総じて低いという問題がある。

  こ のよう を背景 のもと、 本論文 では、I‐V半導体表面および接合界面の評価と制御について検 討 を行なっ た。GaNにおい ては、高 温熱処 理や不 純物混 入がGaN表 面およ び金属 接合界面の電気 的 ・化学的 特性に与える影響について検討を行をった。InPにおいては、電気化学プロセスによル フ ェルミ準 位ピンニングを緩和したP岨nPショットキーダイオードの作製を行をい、さらにガスセ ンサヘの応用を試みた。

  本論文は6章から構成されている。以下に各章の要旨を示す。

  第 1章 で は 、 本 研 究 の 背 景 と 目 的 を 述 べ る と 共 に 、 各 章 の 概 要 を 記 し た 。     ―797―

(2)

  第2章では、半導体表 面・界面準位に関して述べ た。まず、半導体表面・界面準位とフェルミ準 位ピンニングについて 簡単に説明し、続いて、これ までに提案されている表面・界面準位の起源お よ び フ ェ ル ミ 準 位 ピ ン ニ ン グ 機 構 に 関 す る 主 要 を モ デ ル に つ い て 紹 介 し た 。   第3章では、金属/半 導体界面の基本物性と、界面における電流輸送機構に関して述べた。また、

金属/半導体界面の構造と物性の実験的評価方法について説明した。

  第4章で は、GaN表面および接合界面 の電気的・化学的特性に関 して評価した。まず、保護膜 と してSiNx膜 を電 子サ イク ロト ロ ン共 鳴化 学気 相堆 積 法(ECR―CVD)に より 堆積したSiNx/n−GaN 構造 を窒 素 雰囲 気中 にお いて1000℃ ・2時間の高温熱処理をし、 その後n−GaN表面を評価した 。 X線光電子分光法(XPS)および電流―電圧(IーV)特 性の結果より、高温熱処理によりn−GaN表面に Ga空孔およびその複合 欠陥が生成している可能性を 見出した。続いて、デバイスプロセス中にお.

ける意図しをい不純物 混入、特に炭素不純物がGaN表面特性に及ばす影響に関して検討するため、

炭素源として窒化炭素 (CNx)を用いたSiNエ/CNエ/GaN構造を高温熱処理することにより、炭素を 意図的にGaN中へと混入させ、その表 面特性に関して評価した。XPSの結果から、SiNエノGaN構 造 と同様にGaの外方拡散が起こっている ことを確認した。また、二 次イオン質量分析法(SIMS) に より 、高 温 熱処 理に より 炭素がGaN中 ヘ混入していることを確認 した。その後、ショットキー ダ イオードを作製し、そ のI‐V特性を初期試料と比較 したところ、炭素混入試料ではりーク電流が大 きく増加 していた。また、150K〜300Kの範囲で、I―V特性に温度 依存性がほとんどみられをか っ た。 これ は 、GaNにお い て両極性不純 物である炭素が、Gaと置換 することで浅いドナーとして 振 る舞 い、 さ らにGaN表 面 に高濃度で存 在するためにショットキー ポテンシヤルが薄層化し、そ の ためショットキー界面 においてトンネル電流が支配 的とをるというThinSurfaceBarrier(TSB)モ デルで説明が可能であ る。そして、実際にTSBモデ ルに基づぃたフイッティングにより、IJゾ特性 がほ ば完 全 に再 現さ れた 。ま た 、2層 ホ ール 解析 により炭素混入GaN層のみのキャリア密度を 求 め、その結果がSIMSの結果と矛盾していをいことを示した。

  第5章では、まず、金 属/半導体接合における界面準位の影響を緩和する手法のーっとして電気化 学プロセスを用い、従 来フェルミ準位ピンニングの 影響によルショットキー障壁高さ(SBH)が低 いことが 問題とをっていたInP系材料 を対象として、P帆nPショッ トキーダイオードを作製した 。 電気化学プロセスは、 半導体表面のエッチングと金 属の堆積を連続的に行社うinーsituプロセスで ある 。そ の 結果 、650ー810meVと いう 高 いSBHを実 現した。これ は、電気化学プロセスにより 得 られる金属/半導体界面が、真空蒸着法で形成した界面と比較して、界面におけるストレスが抑制さ れ、酸化物等の汚染が無く、半導体のストイキオメトりが保たれた清浄な金属/半導体界面が得られ ることを示している。 続いて、金属/半導体接合を 利用したデバイスアプリケーションのーっとし てガスセンサを提案し 、P飢nPショットキーダイオ ードを用いた水素センサに関して、その動作特 性とセンシングメカニ ズムに関して述べた。Pt/n‐InPショットキーダイオードのI―V特性は、水素 ガスを照射することで、逆方向電流が大きく増加し7と。また、容量一電圧(C―V)測定の結果、C…―V プロ ット が 平行 移動 を示 した。これ は、バルク中のドナー密度が 変化せずにSBHが変化したこ と を示して いる。以上の結果より、次の ようをセンシングメカニズ ムを提案した。水素分子はPt表 面上で分離し、原子状 水素(H゛)を形成する。その後、H゛はR層を拡散し、ショットキー界面に到 達す る。 そ れら が界 面ダ イポールを 形成し、SBHを減少させるこ とにより、ダイオードの逆方 向 電流が増加する。上記 のモデルに基づぃた解析によ り、水素照射に対する電流のオン反応やその飽 和電流値に関して説明が可能であることを示した。

  第6章では、本論文の結諭を述べた。

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(3)

学位論文審査の要旨 主査    教授    橋 詰    保 副査    教授    福 井孝志 副査   准教授   葛西誠也

     学位論文題名

    Characterization and Control of m − V Semiconductor Surfaces and Interfaces

( m ―V 半導体表面および接合界面の評価と制御)

    現在まで の半導体デバイス技術の進 展は、Siデバイスの微細加工 技術の進展でもある。しか し、それ以降 の次世代半導体デバイスの指針において、Siだけでなく他の材料との融合による技術 進展が提唱さ れるに至った。一例として は、Siデバイスを基礎とし、チャネル部分をIII‑V半導体 に 置き 換えることによる高性 能化への試みが挙げられる 。しかしながら、ImV半導体 では、酸化 Si膜/Si界面のような良好な絶縁体/半導体界面を形成することが困難であったため、現在の多くの IH‑v半導体デ バイスのゲート制御には金属/半導体界面に形成される「ショットキー障壁」が広く 用いられており 、金属/半導体界面の特性が、m‑v半導体デバイスの基本性能を大きく左右する。

また、半導体 デパイス・集積回路の高性能化を目指して種々のナノ構造が利用されている。このよ うなナノ構造 ではデバイス全体に占める表面積の割合が増すため、その特性は表面欠陥や表面特有 の構造に起因 する表面電子準位に非常に 敏感となる。そのため、Ic‑v半導体表面・界面の評価は 今後ますます 重要となってくる。

    こ のような背景のもと、 本論文では、m‑v半導体表面 および接合界面の評価と制 御について 系 統的 な検討を行ぬっている 。窒化ガリウム(Gal.Dにお いては、高温熱処理や不純物 混入がGaN 表面および金 属接合界面の電気的・化学的特性に与える影響を系統的に考察している。インジウム リ ン(bP)については、電気 化学プロセスによルフェルミ 準位ピンニングを緩和したP恤Pショツ ト キ ー ダ イ オ ー ド の 作 製 を 行 な ぃ 、 さ ら に ガ ス セ ン サ ヘ の 応 用 を 試 み て い る 。     本論文は6章から構成されている。

    第1章 で は 、 本 研 究 の 背 景 と 目 的 を 述 べ る と 共 に 、 各 章 の 概 要 を 記 し て い る 。     第2章で は、半導体表面・界面におけ るフェルミ準位ピンニングにっいて概説し、続いて、こ れまでに提案 されている表面・界面準位の起源およびフェルミ準位ピンニング機構に関する主要な モデルにっい てまとめている。

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(4)

    第3章では、金属/半導体界面の基本物性と、界面における電流輸送機構に関して述ぺている。

ま た 、 金 属 / 半 導 体 界 面 の 構 造 と 物 性 の 実 験 的 評 価 方 法 に つ い て 説 明 し て い る 。     第4章 では、GaN表面お よび接 合界面の電気的・化学的特性に関して評価している。まず、Si 窒化 膜‑GaN構 造を評価 し、保 護膜が 設けら れてい ても、1000℃程度 の高温 熱処理 によりn‑GaN 表面にGa空孔お よぴそ の複合 欠陥が 生成し ている可 能性を 指摘し た。続 いて、 デバイスプロセ ス中に おける 意図し ない不 純物混入 、特に 炭素不 純物がGaN表面特性に及ばす影響に関して検討 して い る 。 炭素源 として 窒化炭 素(CNx)を用 いたSiNx/CNx/GaN構造を 高温熱 処理す ること によ り、炭 素を意 図的にGaN中へと 混入さ せ、GaN表 面の特 性を評 価した 。高温 熱処理により炭素が GaN中へ混 入していることを確認し、その表面に形成したショットキーダイオードの評価より、炭 素混入 試料ではりーク電流が大きく増加することを明らかにした。さらに詳しい評価により、GaN におい て両極 性不純 物であ る炭素がGaと置 換するこ とで浅 いドナーとして振る舞い、GaN表面に 高濃度で存在するためにショットキーポテンシヤルが薄層化し、そのためショットキー界面におい てトンネル電流が支配的となるという機構を提案している。

    第5章 では、金属/半導体接合における界面準位の影響を緩和する手法のーっとして電気化学 プロセ スを用 い、Pt/bPを 対象と して650‑810 meVという 高い障 壁高さ を実現 した。これは、電 気化学プロセスにより得られる金属/半導体界面が、真空蒸着法で形成した界面と比較して、界面 におけるストレスが抑制され、酸化物等の汚染が無く、半導体表面の化学量論的組成が保たれた金 属/半導体界面が得られることを示しているニさらにこの構造を水素ガスセンサに応用し、その動 作特性 とセン シング 機構を 詳しく解析した。その結果、水素分子はPt表面上でPtの触媒作用によ り解離 し原子 状水素(H*)を形成 する。 その後 、H*はPt層 を拡散 し、シ ョット キー界面に到達す る。それらが界面ダイポールを形成し、ショットキー障壁高を減少させることによルダイオードの 逆方向電流が増加するというモデルを確立し、このモデルにより水素ガス導入に対する電流の時間 変化やその飽和電流値を説明できることを示している。

    第6章では、本論文の結論が述ぺられている。

    これを要するに、本論文は、プロセス条件や不純物混入がI]匸I‑v半導体表面に与える影響と金 属/m‑v半導 体界面 の詳細 な評価 に基づく接合特性の制御を検討しており、ここで得られた基礎的 知見は、次世代半導体デバイス研究に貢献するところ大である。

    よ っ て 著 者 は 、 北 海 道 大 学 博 士 ( 工 学 ) の 学位 を 授 与 され る 資 格 ある 者 と 認 める 。

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