• 検索結果がありません。

博 士 ( 理 学 ) 古 田 公 司

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "博 士 ( 理 学 ) 古 田 公 司"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 理 学 ) 古 田 公 司

学 位 論 文 題 名

Completely positive completion of partial matrices    whose entries are completely bounded maps

( 完 全 有 界 写 像 を 成 分 に も つ 部 分 行 列 の 完 全 正 補 完 )

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

  部 分 行 列 と は 確 定 し た 成 分 と未 定の 成分 とを もつ 行列 であ る, 部分 行列 のcompletion の 問 題 は こ の 未 定 の 成 分 を 補 い , 与 え ら れ た 条 件 を 満 た す よ う な 行 列 を 得 る こ と を 扱 う , こ の 問 題 は , 成 分 が ス カ ラー ある いは ヒル ペル ト空 間上 の有 界線 形作 用 素の 場合 に 正 値性 ,縮 小性 等の 条件 の下 で研 究されて いる.例をあげるとH. Dym,I.Gohberg(1981) は 帯行 列がpositive completionを もっための条件,すなわち帯行列のcompletionで正定値 となるものが存在するた めの条件を与えている.またR. Grone,C.R.Johnson,E.M. Sa, H. WolkoWicz(1984)は有限グラフgから定義されるスカラー成分の多ー部分行列がpositive completionを も っ た め の 条 件 を9の性 質を 用い て 特徴 付け てい る. 一方V.I.Paulsen S.Power,R.R.Smith(1989)は部分行列を行列環の部分空間の上のSchur積写像とみなし,

写像としての観点からcompletionの問題を扱っている.

  本 論 文 はC゛ 代 数Aの ヒ ル ベ ル ト 空 間H上 の 有 界 線 形 作 用 素 の 全 体B(H) へ の 完 全 有 界 写 像 を 成 分 に も つ 有 限 グ ラ フ9か ら 定 義 さ れ る9. 部 分 行 列 を 対 象 と し て . こ れ がCP completionを も っ た め の 条 件 に つ い て 研 究 し て い る . こ こ で9は ル ー プ を も つ 位 数nの 無 向 グ ラ フ で あ り , ¢ ‐ 部 分 行 列 と は 確 定 成 分 が9の 辺 の集 合と 対応 して い るも ので あ る .9‐ 部 分 行 列 のcompletionは , 各 成 分 ご と の 対 応 に より4の元 を成 分に もつn次行 列 の全体Mn(4)からAん(B(H))への写像を定義する.このときCPcompletionとはこの写像が 完全正値写像であること を表わす,

  完 全 有 界 写 像 を 成 分 に も つ 部 分 行 列 はPamsenら が 導 入 したSchur積 写像 を 典型 的な 例 と し て も っ て い る , 本 論 文 で は 彼 ら の 研 究 を 一 般 化 し た 結果 を得 てい る. またGroneら

(2)

コ ン パ ク ト 群 のFourier代 数の 完全 有界 乗関 数か ら定 まる 完全 有 界写 像を 成分 にも つ¢ ‐ 部 分 行 列 を 与 え , こ れ がCP completionを も っ た め の 条 件 を 特 徴 付 け て い る .     ¢ を有 限無 向グ ラフ ,¢ を完 全有 界写 像を 成 分にもつ9‐部 分行列とする.もし面の確 定 成 分 か ら 得 ら れ る 主 小 行 列 が す べ て 完 全 有界 写像 なら ば¢ は ¢‐ 部分 完全 正値 行列 と よ ぱれ る. ¢がCP completionをも っな らば 垂は ¢‐部分完全正 値行列でなければならなぃ が,逆は一般には成立し ない.

  最初 に, すべ ての9‐部 分完 全正 値行 列がCP completionをも った めの 必要 十分条件は多 がchorddで あ る こ と が 証 明 さ れ る , こ れ は9‐ 部 分 行 列 に 対 す るStinespdng型の 同時 表 現 を 用 い る と ,C゛ 代 数 の 表 現 の 可 換 子 環 の 作用 素を 成分 にも つ9‐ 部分 行列 のpositive completionの 可 能 性 の 問 題 に 帰 着 さ れ る . こ れ にGroneら の 議 論 を 用 い るこ とに より 証 明 す る こ と が で き る . こ の 結 果 はGr0馳 ら の 結 果 の 一 般 化 と な っ て い る ,   上 の 結 果 か ら グ ラ フ がchorddで な い 場 合 が 考 察 の 対 象 と な る . こ の と き 完 全 有 界 写 像 の 特 別 な 場 合 で あ る 有 界 線 形 汎 関 数 を 成 分 と す る 部 分 行 列 がCPcompletionを も っ た めの条件が与えられる.

  成 分 が 有 界 線 形 汎 関 数 で あ るn次 行 列 がMふ (qか らn次 複 素 行 列 の 全 体M‥ へ の 写 像 と し て 正 値 で ・ あ る な ら ば 必 然 的 に 完 全 正 値写 像と なる こと が わか る. 実際 より 一般 的 に ,4のMカ ヘ の 有 界 線 形 写 像 を 成 分 と す るn次行 列が 弧( メ) のM・n(Mm) へのm正値 写 像 を 定 義 す る な ら ば . 完 全 正 値 で あ る と い う こ と が 示 さ れ る . こ の 結 果 は そ れ 自 身 ,4のM・mへ のm‐ 正 値 写 像 は 完 全 正 値 で あ る と い う 事 実 の , 行 列 化 と し て の 拡 張 と なっている,このことを 用いると,多・部分行列のCPcompletioIlが存在することとpositive completion,す なわ ちMふ (qの上 の正 値写 像を 定 めるcompletionが 存在 する ことは同値と なることがわかる.

  グラ フ¢ に対 しAん (メ )の 単位 元を 含む 自己 共役な部分空間 町(川がグラフから標準的 に 定 義 さ れ る . ま た ¢ ー 部 分 行 列 ¢ に 対 し , & (qのMふ へ の 写 像n七 が 各成 分ご との 対 応 によ り自 然に 定義 され る, この とき 垂がpositivecompletionをも った めの 必要十分条件 は 写 像nう が 正 値 な こ と で あ る こ と が 示 さ れ る , さ ら に こ れ は , 垂 の 各 成 分 が4の 表 現 と 表 現 空 間 のn個 の べ ク 卜 ル に よ っ て 表 示 さ れ る こ と と 同 値 で あ る こ と が 示 さ れ る . こ れ ら はC 代 数 の 部 分 空 間 上 の 正 の 汎 関 数 に 関 す るKrdnの 拡 張 定 理 を 用 い て 示 さ れ る . さ ら に2次 の ブ ロ ッ ク 拡 大 を 用 い て 同 様 の 議 論 を 行 う こ と に よ り , 有 界 線 形 汎 関

20 ‑

(3)

数を成分にもつ(必ずしもループをもたない)有向グラフ9の縮小的¢.部分行列の表現 を得るこ・とができる.すなわちAうが縮小写像ならぱ,¢の各成分をメの表現と表現空 間 の ノル ム が1以下 の2n個 の べ クト ル を用 いて 表わすこ とができ る,さら に系とし て, 部分行列亜のcompletionでn¢のノルムを変えないものが存在することがわかる.

これらの結果はPaulsenらの結果の一般化となっている.

  上述 の結果は 局所コン パクト群Gの群von Neumann代数VN(G)上の特別な完全有界写 像に 応用され る.すな わちGのFourier代 数の完全 有界乗関数 ヤから誘導されるVN(G) 上の乗関数写像Mアを成分にもつg‑部分行列がCP completionをもっための条件が与えら れる.Mいが完全正値写像であるためのャの条件より,¢‐部分完全正値行列¢〓【M{ei,]¢

の各 成分ヤむ はGのユニ タリー表 現の係数 の空間B(G)の元 であるこ とがわかる.この こと からCP completionについては成分がB(G)の元の場合を考えれば十分であることが わか る.最初 にB(G)を群C゛ 代数C゛(G)の 双対空間 と同一視し て,B(G)の元を成分に もつn次行列垂=[ヤむ1がMn(C.(G))の脇への写像として正値であることと,蚕から定義 され るG上の行 列値関数 が正定値 であるこ とが同値で あること が示される.さらにこ の条件は,乗関数写像M<恥を成分にもつn次行列がM. (レN(G))上の完全正値行列を与 える ことと同 値である ことが示 される.このことと成分が線形汎関数の部分行列の場 合のcompletionの結果を用いることにより,補う写像を乗関数写像に制限した場合に乗 関数写像を成分にもつ9‐部分行列¢がCP completionをもつことと,対応するB(G)の元 を成分にもつ多‐部分行列がpositive completionをもっことが同値であることがわかる.さ らに群の従順性等の条件の下で,¢が乗関数写像に制限した場合にCP completionをもつ

(4)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

Completely positive completion of partial matrices    whose entries are completely bounded maps

(完全有界 写像を成 分にもつ 部分行列 の完全正補完)

  部分行列 とは確定 した成分と 未定の成 分とを持つ行列である。部分行列の補完問題 は、この 未定の成 分を補い、 与えられ た条件を 満たす行列を構成できるかどうかを扱 う。この 問題は、 成分がスカ ラーある いはヒル ベルト空間上の有界線形作用素の場合 に正値性及び縮小性等の条件を中心に研究されてきた。

  本 論 文で 申 請者 は 、C 代 数4からヒ ルベルト 空間襾上 の有界線 形作用素 の全体 B(H)への完全 有界写像を成分にもつ有限グラフ9から定義される¢―部分行列を対象と し て 、 こ れ が 完 全 正 値 補 完 を も っ た め の 条 件 に つ い て 研 究 し て い る 。   .ここで9は各頂点 にループを 持つ位数nの無向グラフであり、9‐部分行列とは9の 辺に対応する箇所に確定成分が与えられたものである。¢‐部分行列の完全正値補完と は、未定のところを補って、各成分ごとの対応によりMn(川からM・ (B(H))への写像を 定義し、その写像を完全正値写像にしようとするものである。

  完全有界写像を威分にもつ¢.部分行列の確定成分からえられるどの主小行列も完全 正値写像であるとき、この9‐部分行列は多‐部分完全正値行列とよばれる。申請者は、

    ´

グラフ¢に対して、そ´のすべての9‐部分完全正値行列が完全正値補完をもつ必要かっ 十分条件 は9かchordalグラ フ、すなわ ちどの最 短サイク ルも長さ3であるこ とである

22 ‑

毅 憲

孝 一

   

   

靖 晶

美 貴

藤 部

本 我

(5)

ことを 証明した 。この¢に 対する条 件自身は 、スカラ―または有界線形作用素を成分 に もつ 部 分行 列 の 正値 補完 に関しての 場合と同 一である のは興味 あるとこ ろである が、申請者は完全正値写像に関するStinespringの表現定理を媒介として、Grone等の確 定 成 分 が 行 列 の 場 合 の 正 値 補 完 の 結 果 に 帰 着 す る こ と に よ り 達 成 し て い る 。   この結果から、個々の9‐部分完全正値行列の完全正値補完可能性の検証は9がchorQd でない 場合のみ が対象とな る。正値 補完に関 しては、Pamsen等は行列を確定成分にも つ多‐部分行列を行列環のある部分空間の上のS出ur積型写像とみなし、写像としての観 点から 補完の問 題を扱って いる。申 請者は、 完全有界写像の特殊な場合である有界線 形 汎 関 数 を 成 分 と す る 部 分 行 列 の 完 全 正 値 補 完 を 追 求 し て い る 。   まず申 請者は、 成分が有界 線形汎関 数であるn次行列がMふ(川か らn次複素 行列空 間M・nへ の写像と して正値で あれば必 然的に完 全正値写像となるという基本的な事実 を 確 立 し て 、 完 全 正 値 補 完 の 問 題 を 正 値 補 完 の 問 題 に 帰 着 さ せ た 。   グラフ¢に対しAム(りの単位元を含む自己共役な部分空間5¢(メ)が9から標準的に定 義され る。また9‐部分行列 亜に対し 昆(qの弧 への写像Aうが各成 分ごとの 対応によ り自然 に定義さ れる。このとき¢が正値補完をもっための必要十分条件は写像Aうが正 値なこ とである ことを、示した。これ等はC゛代数の部分空間上の正の汎関数に関する Krdnの拡張定理を用いて達成された。

  申請者 は、この 結果を局所ヨンパクト群Gの群vonNeumann代数レN(G)上の特別な完 全有界 写像に応 用した。す なわちGの フーリエ 代数の完 全有界乗 関数ヤか ら誘導され るレN(G)上の乗関数写像Mザを成分にもつ9−部分行列が完全正値補完をもっための条 件を求 めた。ま ず各成分はGのユニタリ―表現の係数関数のなす空間B(G)の元とみな すことができることを示した。次にB(G)を群C゛代数C゛(G)の双対空間と同一視して、

M″ ( C. ( G) ) か ら M・ nへ の 写 像 の 正 値 性 の 問 題 に 帰 着 さ せ た 。   さらに申請者は、群に従順性(amenabiuty)があるときは、乗関数写像に制限して完全 正値補完をもっことと、レN(G)上の一般の完全有界写像による完全正値補完をもっこ とが同値であることも示した。

参照

関連したドキュメント

山ハ 嚮ワ 六二西 六一

[r]

柴田 正良 副学長 SHIBATA Masayoshi 山本 博 副学長. YAMAMOTO Hiroshi

リポ多糖(LPS)投与により炎症を惹起させると、Slco2a1 -/- マウス肺、大腸、胃では、アラキ ドン酸(AA)およびエイコサペンタエン酸(EPA)で補正した PGE 2

[r]

The result demonstrates the capability of 3D-SFM to visualize complicated inhomogeneous molecular adsorption structure and its effectiveness in various research fields on

主任審査委員 早稲田大学文学学術院 教授 博士(文学)早稲田大学  中島 国彦 審査委員   早稲田大学文学学術院 教授 

1)研究の背景、研究目的