Analysis of the promoter of the Dd‑GPI gene in Dictyostelium discoidium
著者 田端 和仁
著者別名 Tabata, Kazuhito
雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査
結果の要旨/金沢大学大学院自然科学研究科
巻 平成14年9月
ページ 64‑68
発行年 2002‑09‑01
URL http://hdl.handle.net/2297/16416
田端和仁 氏名
生年月曰 本籍 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目
愛知県 博士(理学)
博甲第437号 平成13年9月28日
課程博士(学位規則第4条第1項)
AnalysisofthepromoteroftheDd-GPIgenemDictyostelium Discoideum(細胞性粘菌DictyosteliumDiscoideumDd-GPl遺伝子の 発現調節機構の解析)
正宗行人(薬学部・教授)
中西義信(医研究科・教授)松永司(薬学部・教授) 山口和男(遺伝子実験施設・教授)
安川洋生(富山大学工学部・教授)
論文審査委員(主査)
論文審査委員(副査)
学位論文要 ABSTRACT
Wehaveanalyzedahomologoftheglucosamine-e-phosphateisomerase (GPI)inthecellularslimemoldD/Ct)/osle"umd7Sco/deum Thegene disruptionmutantwasarrestedatthemoundstage,demonstratingthatthegene wasimportantfordevelopment、Thegenewasexpressedinvegetatively growingceIls,silenceduponstaⅣation,andexpressedagaininprestalkceIIs duringthemulti-cellularstagesWeclonedandsequencedtheupstream region(13アebprelativetoATG)ofthegenetostudythecontrolmechanismof
transcription・ AnalysisofdeIetionmutantsandasite-directedmutant indicatedthattheMyb-bindingsequence(S-AACTG),whichislocalizedinthe upstreamregion,isimportantfo「geneexpression.Theresultsofgelshift assaysshowedbindingofanMyb-relatedproteintothesequenceduriring growingphaseandbindingofotherproteinstothesequenceduringother developmentalstages・Theadditionofanantibodytothegelshiftassay suggestedthatthedecreaseofbindinginvegetativelygrowingcellshadac-Myb OriginNorthernblottingoftheMyb-relatedgeneandevolutionarytree analysisshowedthepossibilitythatcontrolofDd-GPlwasmediatedbyanew Myb-relatedproteinThisarticleshowsthatDd-GPIwascontrolledbytwo
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kindsofMyb-relatedproteins.
細胞性粘菌(以下粘菌と略す)の生活史には、ユニークな特徴がある。1 つは、栄養源の有無により増殖と分化の時期が明確に別れていることであり、
もう一つは、分化する細胞型が柄と胞子のz種類しかないことである。このよ うな単純な分化系を有していることから、パターン形成や細胞分化の研究にお ける優れた実験系として用いられている。
我々の研究室で安川は細胞集合はできるが、その後の細胞分化、形態形成が 出来ない突然変異株を分離した。この変異遺伝子がハムスター受精卵にCqz+オ シレーションを誘導すると考えられていたオシリンと相同性の高いことが分か った。しかしながら、その後の研究でこのハムスターオシリン遺伝子はオシレ ーション活性を持たずグルコサミン6リン酸デアミナーゼと相同性が高く、こ の酵素活性を持っていることが明らかとなったため本遺伝子をDd-GPェと名付 けた。
V4812162024(h)
I輿111鯛■鯨■瀞■鱸J
GPl
pHY722-1l111F聯;11111!聯■繍■
pHY722-3雛■総{1111111111111蝋口辮
pHY722-4イリ糠蕊L pHY722-10鷲鱗辮
pHY722-12
pHY722-3mut4蕊蕊
←2SS
<-18s
1 Silぅ□ =寺2
FiglNorthernbIottingofDd-GPl::lacZfusionmRNA、
Northemblotanalysisofthegeneexpression・TbtalRNAwaspurifiedf「om vegetativelygrowingceIls(v)andceIlsofthedevelopmentalstagesat
fOur-hou「inteⅣals(4-24),electrophoresedtransfer『edtoamembrane,andprobedbythe32P-1abeIedIacZgeneTheexpressionkineticsofGPl,
probedbythe32P-1abeledGPIcDNA,isp「esented(top).Eachlane
contained5mgofthetotalRNA・TheEtBrstainingpattemof「RNAsand
schematiciI1ustIationofDictyosteIiuma「ep「esentedunderthe auto「adiogram.-65-
私は、分化において重要な役割をはたす本遺伝子の時間的、空間的な発現パ ターンの制御機構を調べた。まず、発現調節に必要な領域を含むDd-GPエの上 流域1376bpの塩基配列を決定した。次に、この領域の欠失変異体を作成し、
Northernblotting解析を行った(Fig.1)。
上流から457bp欠失(pHY7ZZ-4)させると分化後の発現がほとんど見られな くなり、増殖期においてもその発現はz割以下に減少した。この欠失した配列 内の上流より353bpにAACTGというMybタンパクが結合するといわれている配 列が存在した。この配列をATATGに変異させてNorthernblotting解析を行っ たところ発現パターンがpHY7zz-4と-致したことから本配列が発現に重要で あることが分かった(pHY7ZZ-3mut)。さらにlacZの発現パターンを見ていく とpHY722-10とpHY722-12でまた発現パターンが変化する。ここの間には
CAATboxが存在し、CAATbox結合タンパクの結合が予測された。すべての 欠失変異体の細胞特異的発現についてlqcZ遺伝子を用いて調べたところ、上 流より3Z9bp欠失させたpHY7ZZ-3までは変化が見られず前柄細胞特異的な発 現を保っていたが、pHY7ZZ-4ではほとんど発現しなかった。この結果、pHY7ZZ-3 までの配列内には部位特異性を決定しているものは存在しないことが分かった。
pHY7ZZ-4で欠失したMyb結合領域に結合する因子があるかどうか調べるため、
Myb結合配列を中心とした30bpをプローブとして用いゲルシフトアツセイを行
った(Fig.Z)。
配列特異的なバンドシフトが増殖期と分化後8時間、1Z時間で見られた。そ こで、本配列にはMybが結合しているのかどうかをゲルシフトの反応系にヒト c-Myb抗体を添加して調べた(Fig.3)。
増殖期のシフトが大幅に減少したが、分化後8時間、1Z時間のシフトについ ては変化が無かった。このことより増殖期ではc-Myb様の転写因子が結合して
いることが分かった。また、分化後にはシフトの減少は見られなかったが、Myb が特異的に結合する配列であるためMyb様の転写因子の結合が考えられる。本 遺伝子の発現は少なくともZ種類のMyb様タンパクによって制御されているこ とが示唆された。次に、ここで結合しているタンパクが粘菌の持つどのMybか をNorthernblotting解析で推定をしたが、現在知られている粘菌のMybと Dd-GPエとは発現パターンが-致せず、また、cDNAプロジェクトによって発表
されているMyb関連遺伝子の発現パターンとも一致しなかった。従って、Dd-GPェ 発現調節に働いているMybは新規なものである可能性が高い。さらに、抗体と
して用いたヒトc-Mybと粘菌のMybについてアミノ酸配列のアライメント解析
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V
v48121620,(h)
‐WTM‐WTM‐WTM‐WTM‐WTM-WTMCompetitor
鱸懲議溌蕊iii灘iii:辮驚
??ト6::6錠
Fig2Bindingofnuclea「proteinfC「Dd-GPIMybbindingsequence.
Nuclea「extractsfromgrowingcells(v)anddevelopingceIls(4-20)were usedinagelreta「dationassaywiththe32P-Iabeledp「obeReaction mixtureswereincubatedwiththeindicatedcompetitorsatlOO-fOldexcess oftheprobe.-,withoutcompetitor;WT,unlabeledprobe;M,unlabeled mutateddouble-st「andedo1igonucIeotidecompetito「、Nucleotide sequencesoftheoIigonucleotideswere5'-GTTGTCAACTGTTGAGAATG.
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80210O2100210Antibody(四)
、へ髄…」.・・・9蒋鯆鞄?..←、..…~崎゛.?・・・>癖璋.::~蕊,群:.?.:.『・『.,.;7:鰯;講蝿:…・5.8M爵辮;9;八′`・・釘.._‐・;:99091MF向群も。
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Fig.3Decayofbindingstrengthbyc-Mybantibody
Nuclea「extractswerepre-incubatedwithanti-humancMybantibodyat theamountsshown,mixedwiththep「obeandelectrophoresed.-
withoutcompetito「;WT,unlabeledp「obe;Miunlabeledmutateddouble- st「andedoIigonucIeotidecompetito「、 Nucleotidesequencesofthe oligonucleotideswere5-GTTGTCAACTGTTGAGAATG.
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を行った結果これまで分かっている粘菌のMybには抗体の認識領域(N末側540 から640アミノ酸)が存在しなかった。従って、増殖期で働いている新規なMyb
はヒトc-Mybに近いものであることが示唆された。また、分化期における発現 制御も新規なMybである可能性が示された。以上本論文はDd-GPI遺伝子の発 現調節に未だ同定されていないMyb様タンパクが働いていることを示したもの
である。
学位論文審査結果の要旨
本論文の審査は,各審査員が提出された論文の内容につき慎重な審査を行いかつ申請者と面接した結果並 びに口頭発表(平成13年8月10日開催)の内容を踏まえて,平成13年8月10日開催の論文審査委員会で
行われ,以下の通り判定した。
本論文は田端君が細胞性粘菌(以下粘菌と略す)の形態形成が出来ない突然変異株の変異遺伝子Dd-GPI の時間的,空間的な発現パターンの制御機構を調べたものである。彼は発現調節に必要な上流域l376bpの塩 基配列を決定した。この領域の欠失変異体のNortherublotting解析および細胞染色の結果,開始コドンの 上流1023塩基に存在するAACTGというMyb結合配列が発現に重要であることを遺伝子導入によるinvivo の解析で示した。このMyb結合配列に結合する因子をゲルシフトアッセイで調べたところ増殖期と分化後8 時間,12時間の細胞核抽出液をもちいた時に特異的に結合するタンパクのあることが示唆された。このタン パクがヒトc-Mybと類似のものかどうかを抗ヒトc-Myb抗体をもちいて調べたところ増殖期の結合因子はヒ トc-Mybと共通の抗原性を持っているが分化後の結合因子は抗原性が違っていることがわかった。従って,
Dd-GPIの発現は増殖期と分化期で異なる2種類のMyb様タンパクによって制御されていることが示唆された。
そこで,これらのタンパクが現在までに粘菌で知られている3種類のMyb,および粘菌のcDNAプロジェクト によって発表されている6種類のMyb関連遺伝子のどれに該当するのかを調べたがいずれの遺伝子とも違う ことが示唆された。従って,Dd-GPI発現調節に働いている2種類のMyb様タンパクはいずれも未知のもので
ある可能性が高い。
以上本論文は田端君が粘菌の分化に働く遺伝子Dd-GPIの発現調節機構の研究を行いこれをまとめたもの である。田端君は,この研究によりMyb遺伝子産物が細胞分化に重要な役割を果たしていることを示唆した。
さらに本研究で見い出した2種類のMyb様タンパクが未知のものであることも示唆した。
本論文は田端君が大学院博士課程約3年で行いその成果をまとめたものであり博士論文に値するものと判
定する。
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