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感覚機能に対する生活機器の設計解についての研究

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原著論文

感覚機能に対する生活機器の設計解についての研究

上 西 園 武 良   岡 田 明

Study of a design solution for sensory function of equipments used in daily life ● Takeyoshi Kaminishizono Akira Okada

Abs t r a c t ‑ Thep r e v i o usr e s e a rc hh a sbe e ns u m m a r iz e da n dc l a s s i f ie di nt e r mso fd e f in i ngad e s i g ns o l u t i o nf o rt hed e s i r e d v a l uec o n c e ml ngh u m a n s e ns o 叩 f un c t i o n.Weh a v ef b u ndt ha tt hed a t aa r eno ts u f Bc i e n tt od e 丘net h ed e s i g ns o l u t i o n s ys t e ma t i c a l l y.The r e f わ r e ,i nt hi ss t u d y,as ys t e ma t i cp r o c e d u r e㌔ ba s e do nt hep r o c e s so fh o w h u m a nsr e a c tt oa n e x t e ma l s t i mul a t i o nwa sp r o po s e d ・ Th ed e s i g ns o l u t i o ni so b t a i ne df ro l nt hes e ns o r ye va l u a t i o nv a l u eb yd e t e m i n i ngt hep h ys i c a l a m o u nt o ft hee x t e ma ls t i mul usq u a nt i t a t i v e l ya n do b t a i ni n gc o r r e l a t i o nso ft hes e ns ワ r ye va l u a t io n, v a l uea n dt h ed e s i g nv a l uewi t ht he p h ys i c a la mo t mto fs t i mu l u s .Th i sp r o c e d u r ee n a b l e du s t of indac o r r e s po n d i ngd e s i g ns o l u t i o nf ro m t het a rg e t e ds e n s o r y e v a l ua t i o nv a l ue .Wea l s oh a v ec o n f ir m e dv a l i d i t y o ft h i sp r o c e d u r eb ya p pl yi ngt hi st o" s e n s o r yi nt e ns i t y o nt hes t r e n g t ho f wa r m wa t e r j e t "a nd" d e pe n d e n c eo fe a s i ne s s i n t t m ngo v e ri nbe do npe r f T o 甲l a nC eO f pi l l o ws ・ ' ' Ve r iBc a t i o no f , t hee f fe c dv e n e s s o f t hi st e c h m iq uei nal a r g en u m be ro fc a s e si sr e q u i r e d . l

Ke yWo r ds:De s i g nva l ue s ,Se ns o r yf unc t i o n, Huma nc e n L t e r e dde s i g n

1.は じめに

ヒ トが家庭内において 日常的に利用す る機会の多い機 器 ( 以下 「 生活機器」)の設計に際 しては、電気的 ・機 械的な要求性能を満足 させ るの と同時に、ヒ トの感覚機 能に関す る要求性能を満足 させ ることは重要である。 こ れは、ユーザに快適な生活を提供するとい う意味だけで なく、機器 を提供す るメーカにとっても新たな価値 を創 造す るビジネスチャンス として捉 えることができるか ら である。一般に感覚機能に対する要求値は官能値 ( 官能 評価結果)で表すため、生活機器の設計のためにはこの 官能値に対す る設計解 を求める必要がある。 この観点か ら様々な研究がなされているが、十分に体系的な手法は 提案 されてお らず、個々の問題に対 してケースバイケー スの対応がなされている場合が多いO

上記のような背景の中で、本報では、感覚機能に関す る要求値 ( 官能値)に対す る設計解 を求めるための体系 的な手法が十分に確立 されていない とい う状況に対 して、

ひ とつの解決案 とな りうる手法を提案す る。

2 . 生活機器設計が対象 とす る感覚機能

設計解 を求める対象 として、 どのような感覚機能があ るかを検討する。

ヒ トの感覚機能の分類方法には、刺激による分類、刺 激部位 による分類∴臨床的分類等[ 1 ] が存在す る。生活機 器 との関連で検討す るに当っては、いずれの分類を用い ても議論は可能であるが、生活機器が身体の どの部位 を

1 :アイシン精機株式会社

* 2 :大阪市立大学大学院 生活科学研究科

* 1: Ai s i nS e i k i Co . , Lt d .

+2 : Gr a d u a t eS c h o o l o f Hu ma nLi f eS c i e n c e , Os a k aCi t yUn i v e r s i t y

刺激 しているか、 とい う観点での分類 ( 臨床的分類)が 議論 を進めやすいため、本報では表 1 のような臨床的分 類を用いる。

内臓感覚 ・喚覚 ・味覚は生活機器 との関連は薄い と考 えられ る。生活機器設計が主 として対象 とする感覚は、

体性感覚 ( 触覚、圧覚、深部感覚)および特殊感覚の中 の視覚 ・聴覚などの感覚機能である。

ただ し、視覚 ・聴覚に関 して、パターン認識 ( 視覚) や言語認識 ( 聴覚)に関連 したいわゆる認知に属するこ とが らは本報の対象 としては除外 し、認知機能 と深 く関

連 しない単純な物理的刺激 ( 明るさ、色、音の高 さ、音 の大 きさ等)に対す る感覚機能 を対象 とす る。つま り、 / 視覚の場合であれば、文字の表示装置のための照明設計 において、ユーザが楽に文字を判読できるような照明機 器の設計解 を求める、といったケースである。また、聴 覚の場合であれば、聴覚的に不快でない作動音 レベルの 生活機器の設計解を求める、 といったケースである。

3 . 過去の研究事例

上記の 2. で述べたような感覚機能を対象に設計解を求 める研究が既に行われている[ 2] 〜【 1 3 ] 。代表的な研究例を 紹介 し、研究の現状を述べる。

「 触覚 ・圧覚」を対象に稲垣 ら [ 2 ] は、車のシー トの座 り心地 ・乗 り心地に関 して研究を行っている。従来、シ ー トの 「 物理特性 と感性品質の直接的な関連付け」が行 われていたが、両者の間にはこれ を橋渡 しす る 「 人間の 要因」が介在 しているので、人間の感覚器 を介 した効果 を考慮す る必要性がある、 と述べている。

「 触覚 ・圧覚」を対象に、大塚 ら[ 3 ] は、布の触感である

チクチク感に関して、繊維の先端が皮膚に刺 さり刺激 し

(2)

く\ )

表 1 感覚機能の臨床的分類

Ta bl eI Cl i ni c a lc l a s s i f i c a t i onoft hes e ns or yf unc t i on L ヽ ノ

分 類 部位 ・ 感覚 の例

特殊 頭 視覚 、聴覚 、平衡覚 、 喚覚 、味覚

体性 表 面 皮膚 、粘膜 触覚 、圧覚 深部 骨格 筋 、膜 、関 節 、骨 固有 受容感覚

ているとい う物理モデルか ら、繊維の座屈荷重 とチクチ ク感の関連を推定 している

用虫覚 ・圧覚 」 に関す る第 3 の例 として小川 ら [ 4] は、

電気 シェーパの握 り性 に関 して、官能値 の設計特性‑の 変換 を行っている。重回帰分析 によって握 り性 が握 り幅 感覚、重量感覚お よび接触感覚の 3つに分解できること を示 し、 さらに、これ らを設計特性 ( 重量、厚み等) に 定量的に関連つけている。

「 聴覚」を対象 とした例 としては武 田ら [ 5] の研究があ る。具体的には、車のサンルーフを開放 したまま走行す る時に発生す る音の不快感 に関 して、音の官能値 と物理 的指標 ( 音の ピークを含むバ ン ドレベル) との定量的関 係 を見出 している。 さらに、 この物理的指標 と車両の設一 計諸元 ( 設計解) との定量的関係 も示 している。

上記のいずれの研究においても、官能値 と物理量 ( ま たは物理特性) との相関が論 じられているが、 どの よ う な物理量を取 り上げるのかの一般的指針 は論 じられてい ない。また、 物理モデル に基づ く物理量 と設計値 との定 量的な相関関係 を求めるまで は至っていない。 この よ う な状況を考慮す ると、官能値が与えられた時に設計解 を 求めるための体系的な手法はまだ確立 されていない と思 われ る。

個別の研究事例 とは別 に、感性工学による設計手法が 示 されている。感性工学手法第 Ⅰ類 [ 6] や感性工学手法第

Ⅱ類 [ 6] であ り、豊富な実績 を蓄積 してきた。 しか し、感 性工学が対象 とす るのは高次の感性であ り、これ とは別 に特定の感覚機能 を対象 とし、 ヒ トとモ ノとの具体的な 物理的 ・心理的な相互作用 を取 り込んだ設計手法を検討 す る余地は残 されていると思われ る。

4. 体 系的手法 の必要性 4 . 1 設計の現状

一般的に、製品設計のプロセスは図 1のよ うである。

生活機器 の設計の場合、 目標性能は純粋 に電気的 ・機械 的な性能 とヒ トに係わる性能に分類できる。前者の性能 は、工学的な設計計算等 によって設計値 ( 図面デー タ) に変換す ることが原理的に可能である。 しか し、 後者の ヒ トに係わる性能に関 しては、 工学的な設計計算等 に加

‑ 22 ‑

準備: シーズ技術開発、ユーザ調査、

商品企画: 目標性能の決定

図 1 製品設計のプロセス Fi g.1 Pmc e s sofpr od uc tde s i g n

えて 亡羊が どのよ うに反応す るかを考慮 した結果 を踏 ま える必要がある。 このため、設計値 ( 図面データ)‑の 変換が容易ではない。また、本報では詳 しく述べないが、

上記の変換ができた場合で も、 トレー ドオフのク リアを 考慮すべきである [ 1 4 1 。つま り、個々の要素の 「 最適値」

を組込む ことが全体の最適値 とな らない場合は、 「 適正 値」や 「 許容値」を目標性能 として設定す る必要がある。

上記のよ うな状況に対 して、現実の設計現場で行われ ている対応は大 きく分けて次の 2 つの方法である。

( A) トライアン ドエラー ( 直接の相関)

最 も単純な方法で、関連す る設計値 を変化 させて複数 の試作を行い、 ヒ トによる評価 ( 生理評価、官能評価、

パフォーマ ンス評価等)によって 目標 を達成 しているか どうかを確認す る方法である。関連す る設計値が 1 つか 2 つの場合は容易であるが、3 つ以上になると試作 ・実験の 工数が膨大 とな り、現実的ではない。

( B) 現象論的な方法 ( 代用特性)

関連す る設計値 を変化 させ て複数の試作を行い、 ヒ ト による評価 を行 う点では ( A) と同 じであるが、この評価 を 行 う際にヒ トの評価に関連 しそ うな物理量をできるだけ 多 く測定 してお く。 さらに、測定後に統計的手法 ( 分散 分析、多変量解析、実験計画法等) を用いて, ,これ らの 物理量 とヒ トの評価 との相関を現象論的に求める。高い 相関を見出す ことができれば、物理量 ( 代用特性)を指 標 と‑ して設計値 の最適化 を行 うことができ、最終的な確 認評価以外の ヒ トの評価 を省略す ることができる。近年 統計的手法 を簡便 に利用できるソフ トウェアが種々流通 している ので、多 くの企業で この方婆が用い られている . ‑

4 . 2 体系的手法の必要性

上記のよ うに、代用特性 を用いれば トライア、 ン ドエ ラ

ーに比較 して、 ヒ トの評価の部分を低減でき効率的であ

(3)

るが、基本的に次のような問題点を有 している。代用特 性 とヒ トの評価 との相関はあくまで現象論的であ り、な ぜ相関があるのかは不明のままである。換言すれば、プ ロセ子またはメカニズムが不明のままである。 これは単 に学問的な厳密 さの欠如に留ま らない。代用特性はメー カにとって重要な技術蓄積のひ とつにはなるが、設計条 件の変化 した新たな設計を行 う場合に既に得 られている 代用特性が有効か どうかの保証はなく、これを確認す る 必要がある。また、有効でない場合は、新たな代用特性 を見出す必要がある。 この状況を解決す るためには、有 効性が保証 された体系的な手法を確立する必要がある。

5. 手法の提案

ここで提案す る手法 ( 設計計算手法)は、 ヒ トの評価 に至るプロセスまたはメカニズムを明確 にし汎用性 を確 保す ることを主眼 としている。 このため、本報で提案す る 「 官能値か ら設計解 を得 る体系的手法」では、 ヒ トが 外部刺激に対 して どのように反応す るか、 とい うプロセ スに基づいて構築す る。つま り、 ヒ トの側では官能値 を 生 じさせている刺激量を特定 し、両者を対応付 ける。 さ らに、機器の側ではこの刺激量 と設計値 を物理モデルに よって対応付けるものである。

この手法は全 く新たな手法 とい うわけではない。萌芽 的なアイデアは前述の稲垣 [ 2] や大塚[ 4] らが述べている。

また、個別課題 に対す るアプローチの中で、本報で提案 する手法の一部は既 に使用 されている。従って、本報の 位置付けは、これ ら過去の研究に基づき、萌芽的なアイ デアを体系化 し、官能値か ら設計解 を得 るための具体的 な手法を提案するものである。

5 . 1 刺激に封するヒ トの反応プロセス

前述のように、本報の手法は、 ヒ トが外部刺激に対 し て どのように反応す るか、 とい うプロセスに基づいて構 築す る.そこで、まず、生活機器か らの刺激 に対す る誓 トの反応プロセスを整理する。 これを図 2 上段に示す。

機器か らの外部刺激 をヒ トの感覚受容器が受容 し、 さら にこの情報が中枢 に送 られ情報処理がな され る。 この結 果 として心理反応が生 じ、官能評価 によって定量的にi P , l j 定できる。

プ盲セスは上述のようであるが、情報の流れだけを取 り出す と、図 2 下段のようになる。すなわち、設計情報 によって製作 された機器はヒ トにとっては外部刺激 とな る物理量を発生す る。 さらに、この物理量が ヒ トの感覚 器 に伝わ り、受容量に変換 され、神経経路を通 じて中枢 / に伝達 される。最後に中枢において官能値に変換 される。

上記のような情報の流れを考慮す ると、本報にて考慮 すべき情報の流れは、 ‑設計値 ( 機器)‑物理量 ( 刺激)

‑官能値 ( 心鹿反応) となる。

5 . 2 官能値の捉え方 と官能評価法の関係

提案する体系的手法には官能評価をどのように行い、

塩基 l 吐

図 2 刺激 ・反応のプロセス Fi g. 2 Pr oc e s sofs t i mul a t i o n

結果 をどのように整理す るか、 とい う部分が含まれる。

このため、この節では、官能値 ( 感覚量) ‑の捉え方 と官 能評価法の関係 をあらか じめ整理 してお く。

官能評価において、ヒ トに異なる刺激を与えた場合に、

その 「 比 」 を判断 させ る方法 と 「 距離 」 を判断 させ る方 法がある。前者は 、St e ve ns[ 1 5 ] らによって提唱されてい る方法で、いわゆる S t e ve ns のベキ法則である。

一方、Th ur s t o nl 1 6] は 「 距離」を判断させる方法 として、

「 比較判断の法則」 とい う仮定のもとに、対象 となる刺 激の混同され る程度か ら間接的にそれ らの主観的距離を 構成す ることを提唱 している。比判断 と距離判断のいず れの方法が基本的であるかは議論の分かれるところであ るが、印東 [ 1 7 】 は 「 比判断 と距離判断 との間の対応関係か ら、いずれを基本 としても一応無矛盾的な理論は構成で きること、 しか し、実験事実 としては距離判断か ら出発 する労 が無理のないこと」を述べている。本報では、こ の印東の見解 を可 とし、距離判断による通常の官能評価 法 ( 一対比較法 ・評点法など)を用いた。 ∫

比判断の場合 とは異な り、距離判断の場合においては、

刺激 と反応の関係 を考察す る際に用いるべき法則が固定 されているわけではない。個々の刺激に対する反応 を実 験によって求めれば、一般には次のような関係を得る。

R‑f( S) ( 1) R : 官能値

′ : 関数

∫: 物理量 ( 刺激量)

5 . 3 提案する手法と従来の手法

本報で提案する手法の概略は次のようである。任意性

のある物理量ではなく、上述の外部刺激 となっている物 /

理量を中心に据えて手法を構築す る。具体的には、図 2

下段の刺激 ・反応のプロセスを逆に辿 り i 7 L 「 官能値 と物

理量の相関」 と 「 物理量 と設計値の相関 」 を用いて、官

(4)

能値‑物理量‑設計値 とい う順番で官能値 を設計値 に変 換す るものである ( 図 3 の ( C)) 。 ノ 5 . 3 . 1 従来の設計手法 との差異

この手法 と従来の設計手法 との差異を述べ る。まず 、4.

1 で述べた設計現場にて良 く使われている方法である 「ト ライアン ドエ ラー ( 直接の相 関)」お よび 「 現象論的な 方法 ( 代用特性)」を図 3 の ( A) および ( B) に示す。 ト

ライアン ドエラー ( 直接の相関)の場合、 この相関のメ カニズムは全 くのブラックボ ックスで現象論的に相 関を 求めているだけで、本報が 目的 としている体系的手法か らはかけ離れている。次に 「 現象論的な方法 ( 代用特性) 」 との差異であるが、図 3( B) お よび ( C) の比較か らわかる よ うに、 2 つの相関か ら設計値 を求める点では同一であ る。差異は官能値 と物理量の相関付 けにあ り、提案す る 手法では 「 ヒ トの刺激 と反応 に基づ く相関付け」を行 う。

一方、 「 現象論的な方法 ( 代用特性)」では、官能値が 生ず るベースである イヒ トの刺激 と反応」は考慮 されて いない。 まさに現象論的な相 関付 けであ り、プロセスま たはメカニズムの解明が行 き止ま りとなる。

5 . 3 . 2 過去の研究事例 との差異

次に、本報の手法 と 3で述べた過去の研究事例 との差 異を述べ る。

「 触覚 ・圧覚」を対象に した稲垣 ら [ 2] の例や大塚 ら [ 3] の 例は、本報の手法 と同様の ことを提唱 していると思われ る。 しか し、提唱は概念 に留ま り、具体的な手法の提案 や手法の適用には至っていない。 「 触覚 ・圧覚」 を対象 に小川 ら [ 4] の例では、複合的な感覚 ( 電気シェーパの握 り性)がより低位 な 3 つの感覚 ( 握 り幅感覚、重量感覚、

接触感覚)に分解できることを示 している。 しか し、分 解 された 3 つの感覚 と設計値 との対応は図 3 の( A) の直接 の相関に留まっている。 「 聴覚」を対象 とした武 田ら [ 5]

の例では、官能値 と物理量の相関は 「ヒ トの刺激 と反応 に基づ く相関付 け」を行 っている。 しか し、物理量 と設 計値の相関に関 しては現象論的であ り、物理モデル によ

る相関付 けを行っていない。

以上のよ うに、過去の研究事例 においては、概念的に 本報の手法 と同様 な提案はあるが、体系的な手法 として の 「 具体的な手法の提案 」 や 「 手法の適用」には至って いない と考えられ る。

5 . 4 提案する手法の具体的内容

本報で提案す る手法は以下のよ うである。

(Ⅰ) 官能値の定量化

まずは、機器側の条件 を変化 させた実験 を行い、設計 対象である官能 ( 感覚)を評点法 ・一対比較法な どによ

って間隔尺度または比例尺度での定量化 を行 う。

(刀) 官能値 と物理量の相関付 け

機器側の条件 を変化 させ ると、同時にヒ トに与える刺 激が変化 している。 この際に重要なポイン トは、刺激 さ

‑ 24 ‑

相関付け

( A) トライアン ドエラー ( 直接の相関) 相関付け

( 物理モデル)

相関付け

( 現象論的)

( 代用特性)

( B) 現象論的な方法 ( 代用特性) 相関付け 相関付け

( 物理モデル)( 刺激と反応に基づく)

( 刺激量)

( C) 提案す る方法 図 3 官能値か ら設計値‑の変換 F i g . 3 Co n v e r s i o no fs e n s o Ⅳv a l u et od e s i g nv a l u e

れている部位 にて どのよ うな現象が起 きてお り、この結 果 として どの外部刺激が設計対象の感覚 を生 じさせてい るかを詳細 に検討す ることである。 この結果 として、候 補 となる刺激 ( 物理量)を見出す。 さらに、回帰分析 に よ り、推定 した刺激が実際に官能 と相関 しているかを検 証す る。 この回帰分析 によって、感覚量 と刺激量の関係 は上記 5 . 2 で述べた式 ( 1 )の具体的な形 を得 る.この際く ′ we b e r 比がほぼ一定であれば、 we b e r ‑ Fe c l me r の法則 に基 づいた関係が得 られ る。

感覚を生 じさせている主要な刺激がひ とつである場合 ばか りとは限 らない。すなわち、感覚を生 じさせ る主要 な刺激が複数である場合 も考 えられ る。 このよ うな場合 には、 目標 の感覚を刺激 ・反応のプロセスで捕捉可能な 下位の感覚に分解す る必要がある。分解 の必要性の判別 については、以下のような手順が考 えられ る。比較的単 純な感覚の場合、分解の必要はない。例えば、武 田ら [ 5 ] の例のよ うな 「 ウイン ドスロツブによる聴覚的な圧迫感」

の場合、おのずか ら、刺激 としては ウイ ン ドスロツブに よる車室内の圧力変動 と特定 され る。また、若干込み入 った感覚であっても、設計的に分離が可能な場合 も分解 の必要はない。例えば、後述の 「 温水洗浄便座 も強 さ感」

の場合、この感覚に対 しては水の温熱感 と水勢感が寄与

(5)

す ると考えられ る。 しか し、温水洗浄便座の使用条件 と しては、一般的に最 も好まれている水温 ( 3 7. 5 ℃、水温設 定の 「 中」)で使用 され ることが多いため、水温を一定 に保 ち、洗浄強 さ感 ‑水勢感 として、水勢感 を生 じさせ る刺激を見出せば良い。つま り、複数の因子があった と しても、設計上 より少ない因子での評価で十分な場合が 多い。 さらに、後述の 「 枕の寝返 り性 」 に関 しても同様 で、この感覚に関 しては頭部回転時の枕のすべ り感 と枕 の抗力感が寄与す ると考えられ る。 しか し、使用する枕 シーツを固定すれば、すべ り感は固定 され るため、抗力 感 を生 じさせ る刺激 を見出せば良い。上記のようなケー スに当てはま らない場合は、 目標の感覚を分解す る必要 がある。 この場合、小 川 ら [ 4] が行ったよ うに、 目標の感 覚 ( 電気シェーパの 「 握 り性」)を構成す ると考えられ る複数の下位の感覚によって因子分析 を行 う。 これによ って 目標の感覚の構成因子 (「 握 り巾感覚」、 「 重量感 覚」お よび 「 接触感覚」)を見出す ことができる。 さら に重回帰分析によって構成因子の定量的な寄与度が明確 になる。

分解 された構成因子であるそれぞれの官能値 に対 して、

対応す る刺激 ( 物理量)を見出す。 この場合の官能値か ら設計値‑の変換のプロセスは図 4のよ うである。ただ し、分解 されたひ とつの官能値に対 して、対応す る刺激 が複数の場合 もあ り得るが、既に下位の官能値に分解 さ れているので、可能性は少ない と思われる。

( Ⅲ) 設計値 と物理量の相関付け

上記の特定 された物理畠が、機器側において どのよう なメカニズムによって発生 しているかを考察 し、定量的 な物理モデル を構築する。 このプロセスは純粋に工学的 であ り、適切な物理モデルを構築すれば、物理量 ∫は複 数の設計パラメータ ( 図面値や使用 ・環境条件等)に定 量的に関連付けられ、次式のよう′ な関係が得 られ る。

S = g( pl , P2 , ・ ・ ・ , Pk ) ( 2) g: 関数

pi: 設計パラメ∵タ ( i‑1 ,2 ,・ ・・ ,k) k: 設計パラメータの個数

以上によって、物理量 と設計解 ( 設計値) とを定量的 に相関付ける。

( Ⅳ) 官能値か ら設計解 を求める

上記の 2 つの相関 ( 官能値 と物理量、物理量 と設計値) を利用すれば、 目標 とする官能値は、官能値‑物理量‑

設計値 とい う 2 回の変換によって設計値に変換 される。

上記に提案 した手法の長所は、 ヒ トの感覚機能を対象 とす る機器に対 しては原理的に同様の方法が適用できる とい う点であ り、その理由は以下のようである。

・ 「 官能値 と物理量の相関 J に関 しては、 ヒ トが外部 刺激に対 して どのように反応するかとい うプロセス

図 4 官能値か ら設計値‑の変換 ( 複数刺激の場合) Fi g・ 4 Co nve r s i o nofs e ns o r yva l uet ode s i gnva l ue

( mul t i pl es t i mul us )

に基づいて決定 してお り、 任意の物理量ではなく反応 に対応する刺激量 としての物理量を用いてお り、 任意 性が少なく統一的である。

「 設計値 と物理量の相関 」 に関 しては、メカニズム がブラックボ ックス化 された現象論的な相関付けで はなく、物理量が発生す るメカニズム ( 物理モデル) の結果 として相関付けられている。

・ 上記の 2 つの相関はいずれの機器に対 しても求める ことができ、この 2 つの相関のみで 目標 とす る官能 値 を設計値に変換す ることが可能 となる。

従って、この手法の主たる適用要件は以下のようである。

対象 としている感覚 ( 官能) と相関の帝い刺激 ( 物 理量)を見出す必要がある。

物理量 を発生 させ る明確 なメカニズム ( 物理モデ ル)の推定が必要である。

6 . 手法 の適用

提案 した手法の適用妥当性 を検討するために、 2 つの 異なった感覚に適用 した事例 を以下に延べ る。いずれ も 表 1 の分類における体性感覚に相当するが、第 1 は表面 感覚 ( 触覚、圧覚)に関す る事例 ( 温水洗浄便座の洗浄 強 さ感)であ り、第 2 は深部感覚 ( 固有受容感覚)に関 す る事例 ( 枕の寝返 り性)であ り、異なった感覚‑の適 用例である。

7 . 具体 的 な適 用例 Ⅰ

温水洗浄便座の具体的な設計課題に 5. で述べた手法を 適用 した事例を述べる。ただ し、詳 しい内容は参考文献 [ 1 8 ] に記 したので、ここでは概要を記載する。

7 . 1 設計の目的

温水洗浄便座 において、主要な快適性のアイテムであ

る 「 洗浄強 さ 」に関 しては、 ヒ トによって好みが大幅に

異なるため、市販 されているほとん ど全ての機種で、ダ ノ

イアル ( またはボタン)にて可変できるようになってい

る。そこで、ユーザが必要 とす る洗浄強 さ感 ( 官能値)

の範囲を設計値に変換することを目的 とする。

(6)

7 . 2 官能値の尺度構成

まず、 被験者 8 名で一対比較法による官能評価 を行い、

官能値 ( 洗浄強 さ感)とダイアル位置 との関係 を求めた。

この結果 を表 3 に示す。ただ し、表 中の c u ' はダイアル位 置 i の洗浄強 さ感 ( 相対値)である。ただ し、水温に関 し ては、一般的に最 も好まれている水温条件 ( 37. 5 ℃、水温 設定の 「 中」)で実施 した。

7 . 3 官能値 と物理量の相関

官能値 ( 洗浄強 さ感)に対応す る刺激量 ( 物理量) を 探索す るため種々の物理量 を測定 し、 これ と官能値 との 相 関を調査 したこ具体的にはこ噴流が肛門部に発生 させ る物理量である、圧力 ・圧力分布 ・衝突力 ( 荷重)等 と 官能値 との相関を検討 した。 この結果、相関の高い物理 量 として、洗浄部位 ( 肛門)‑の 「 噴流の衝突力」を見 出 した。 この結果を図 5 に示す。

7 1 4 , 設計値 と物理量の相関 ( 物理モデル)

次に、外部刺激 となって官能値 ( ∫ 洗浄強 さ感)を生 じ させていると考えられ る 「 噴流の衝突力」に関 して、発 生のメカニズムを考慮 し、物理モデルを検討 した。 し

ノズルか ら噴出 した噴流が肛門お よびその周辺の皮膚 に衝突 し、噴流の持ってい る運動量が衝突力に変化す る と考え られ る。 この場合、連続流 ( ‑噴流の運動量に時 間変化がない)であれば、単位時間あた りの運動量の変 化が衝突力に等 しい。このことを考慮す ると、 衝突力 F は 以下の式で表 され る。

F‑pQ

ノ ♂

Q

So ど h

( 3)

水の準度 [ k g/ m 3 ]

噴流の流量 [ m 3 / S 】 ノズル噴出孔の面積 [ m 2 ]

重力加速度 [ m/ S2 ]

ノズル噴出孔か ら洗浄位置までの距離 は i nl

この式は、噴流の流量 と洗浄 ノズルの設計値 ( ノズル 噴出孔の面積お よび洗浄位置までの距離)がわかれば、

衝突力 を算出す ることができることを示 してお り、物理 モデルによって、設計値 と物理量の相関を求めることが できる。

7 . 5 設計解

ユーザが必要 とす る洗浄強 さ感 ( 官能値)の範囲を調 査す るため、 「 使用す る水勢範囲の上限値 と下限値 をダ イアル位置 ( 噴流の衝突力)で答 えて下 さい 」 とい う指 示を与え、被験者 61 名 による別の官能評価 を実施 した。

この結果、ユーザが必要 とす る洗浄強 さ感の範囲を噴流 の衝突力で表せば 、4・ 9×1 0‑ 3 ‑4. 7 ×1 0 ‑ 1 N ( 0. 50‑48. 2gf ) であることがわかった。

ー 26‑

表 3 洗浄強 さ感 αi の推定値 [ 1 8]

Ta bl e3 Es t i ma t e dva l ueofs e ns or yi nt e ns i t y di [ 18]

/ 1 2 3 4 ・計

( ダイアル位置) ( 1 6 0 度) ( 1 2 0 度) ( 90 度) ( 5 0 度)

1 0 1

∝ (iJ T萩 E# )墳 仙 潜 洗 ボ

0. 10 噴流の衝突力 ( N)F 図 5 衝突力 と強 さ感の相関 [ 1 8】

Fi g. 5 Re l a t i o nbe t we e nc ol l i s i onf br c ea nds e ns or y i nt e ns i t y[ 1 8]

この結果 よ り、ユーザが必要 とす る洗浄強 さ感 を満足 させ るためには、噴流の衝突力の範囲 4. 9×1 03 ‑4. 7×

1 0l N と式 ( 3) を用いて設計値に変換す ることができる。

例えば、ノズル噴出孔の面積 ( so ) とノズル噴出孔か ら洗 浄位置までの距離 ( h) を設計的に固定すれば

L 必要な流 量範囲 ( ¢) を式 ( 3) と上記の衝突力の範囲によって決定 す ることができる。

8. 具体 的 な適用例 Ⅱ: 枕 の例

枕の具体的な設計課題に 5. で述べた手法を適用 した事 例を述べる。ただ し、詳 しい内容は参考文献 【 1 坤 こ記 した ので∴ここでは概要を記載す る。

8 . 1 設計の 目的

枕において ヒ トに係わる性能 ( 体圧分散性、寝姿勢、

寝返 り性等)のなかで 「 寝返 り性」は重要である。体幹 部を支 える寝具 ( マ ッ トレス、敷布団)の寝返 り性が良 好であって も、枕の寝返 り性が悪い場合、頚部‑の負担 が大きく痛みの原因 となると考 えられ る。そこで、枕の 寝返 り性 ( 官能値)に関す る 目標性能 を設計値‑変換す ることを目的 とす る。

8 . 2 官能値の尺度構成

官能を定量化す るため、材料 ・形状の異なる A〜F の 6 種類の枕を対象に 「 寝返 りし易 さ」に関 して、5 点 ( o±2) による評点法にて官能評価 を実施 した ( 被験者数 1 6 名) 。 ただ し、すべ り感 を固定す るため同一の枕 シーツを用い た。 この結果 を図 6に示す。官能評価値の正値側が寝返

りし易い側である。

(7)

I I I r

A B Cノ D E F

枕の種 類

図 6 寝返 りし易 さの官能評価結果 [ 1 9】

Fi g. 6 Se ns o r ye va l ua t i onr e s ul toft umi ngo ve ri nbe dl 1 9 ]

8 . 3 官能値 と物理量の相関付け

官能値 ( 寝返 りし易 さ、抗力感)に対応する刺激量 ( 物 理量)を探索す るため以下のような考察を行った。枕の 寝返 りの し易 さは、枕上で頭部を回転 させ よ うとす る時 にこれを妨げる枕か らの回転斗ル クの大小によって決定 されると思われ る。つま り、 回転 トル クが大であれば寝 返 りし難 く、逆に 回転 トルクが小であれば寝返 りし易い と考えられ る。 さらに、ヒ トが固定 されれば頭部の形状 は変化 しないことか ら、 「 寝返 り時の頭部の回転 トルク 」 が 目的 とする最有力の物理量であると推定できる。以上 のような考察を行い、候補 となる物理量を見出 した。

次に、人体頭部を模擬 した円筒および この円筒の回転 トルクが測定できる装置を用いて 、A〜F の枕上で回転 ト ルクを測定 した。 この結果 と前記の官能評価結果 ( 図 6)

との相関を調べたものが図 7 である。

図 7 より推定通 り、官能値である 「 寝返 りし易 さ」 と 相関の高い主要な物理量が 「 頭部の回転 トル ク」である ことが示 された。両者 の関係 は式 ( 4) で表 され、 We be r ‑ Fe c hl e r の法則に良く従っている。

R‑‑ 1 . 5 8 8l n( T/ 0. 3 9 7 ) ( 4) R :官能値 ( 寝返 りの し易 さJ )

r :回転 トルク ( 物理量) pm]

8 . 4 設計値 と物理量の相関付け

設計値 と物理量 ( 回転 トルク)の相関を求めるために 回転 トル クが どのようなメカニズムによって生 じるかを 検討する。

ヒ トの頭部の回転に伴 うトルクの発生要因は以下のよ うであると考えられ る。変形 しない平 らな枕 を想定す る と、回転のための トルクはほぼ Oである。 しか し、実際 の枕では頭部を枕に載せると枕には沈み込みが生 じる。

この状態か ら回転す るためには、枕の力学的物性値 と 形状に依存 して生 じる 「 水平面 とある角度 ( ∂ ) をなす 坂」を登ることになる。従って、重力に抗 して頭部がこ

( 仙 鴫 」(] 掴 牒 ) ∝ 型 雪 駄 噸 華 洗 濯 伽 0 0 0 1

0 . 0 0̲ 2 0 . 4 0. 6 0 . 8

頭部 の 回転 ト ルク ( Nm) T

図 7 物理量 と官能値の相関 [ 1 9 ] Fi g. 7 Re l a t i o nbe t we e nph ys i c a lq ua nt i t ya nds e ns o 町

i

nt e ns i t y [ 1 9]

の坂 を登るのに必要な トル クとして回転 トルクが発生す る、と考えられる。このことか ら式 ( 5 ) の関係式が得 られ、

実験的にも検証を行った [ 20] 。

T ‑d mgs i n O l 20] ( 5)

d :頭部の半径 [ m]

∽ :頭部の質量 【 kg】

♂ :等価的な坂の傾 き角度 [ r a d]

従って、物理量 (トル ク)が発生す るメカニズムが明 確 とな り、物理量を図形的な設計パラメータ ( ♂, 等価 的な坂の傾き角度)に変換す ることができた。

8 . 5 設計解

8 . 4までの議論により、官能値 と相関する物理量を見出 し、この物理量が発生す るメカニズムによって設計パラ メータとの相関がわかったので、 目標 とする官能値を設 計パラメータに置き換えることができる。

例えば、 目標 とする官能値を 1とする。 これは、ユー ザの平均値 として 「 やや寝返 りし易い」を目標 とす るこ とと同等である。この場合、式 ( 4) よりトルクとしては 0. 20 Nm が 目標値 となる。 さらに式 ( 5 ) より、設計パラメータ

( 等価的な坂の傾 き角度) ' 0としては 、6 . 4 ×1 0 4 r a d が 目標値 となる ( ただ し、回転 トル ク測定時の測定条件で ある、r: 80 m m 、 m : 6. 4 kg 、 g ・ .9. 8m/ S2 を用いた)。

この後、具体的な枕の設計値 ( 寸法、材質等)に展開す る必要がある. ‑種々の方法が考えられ るが、例えば枕お よび頭部の 3次元形状をモデ リングしこ力学的な数値計 算 ( 例 えば有限要素法) を行 えば、設計パラメータ ( 等 価的な坂の傾 き角度)を計算す ることが可能であ り、こ の計算によって設計解を得 ることができる。

9 . おわ りに

本報の主旨を要約すると以下のようになる。

(8)

原 著論文

( 1 ) 既往研究において官能値 と物理特性 または物理量 と の相関が論 じられているが、設計値 との定量的な相 関関係 を求めるまでは至ってお らず、官能値が与 え られた時に設計解 を求めるための体系的な手法はま し だ確立 されていない。 この状況に鑑み、官能値か ら 設計解 を得 る体系的手法 として、 ヒ トが外部刺激 に 対′ して どのよ うに反応す るか とい うプロセスに基づ いた手法を提案 した。

( 2 ) この手法を温水洗浄便座の洗浄強 さ感 ( 触覚 ・圧覚) お よび枕の寝返 りし易 さ ( 触覚 ・ . 乎衡覚)の 2 つの 事例に適用 し、有効性 を検証 した。

今後、 さらに多 くの事例 によって手法の有効性の確認 および改良を実施 してゆくし 。

1 0. 参考文献

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【 4] 小川哲史 他 :電気 シェーパの握 り性の定量評価法,松 下電工技報,vol . 5 2,No. 3,pp. 24‑ 29,2004 I [ 5】 武 田生也,稲葉泰久 :ワゴン車の ウイ ン ドス ロツプを予

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形態 ・圧力の関係, 日本機械学会機械力学 ・計測制御部 門講演会論文集,vol . 7,pp. 111ト111 6,200 2

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[ 1 0 ]長沢伸也 :感性工学 と感性評価,ファジィシステムシン ポジウム講演論文集 ,vo l . 1 7,pp. 673‑ 676,2001

【 11 ]西松豊典 :繊維製品評価 における感性情報の定量化 につ いて,繊維機械学会誌,vol . 5 1 ,No. 1 2,pp. 6 41 ‑ 6 45,1 998

【 1 2]関 口泰久 他 :自動車における ドア閉めの音質評価 ( 第 2 報 :ドア閉め音の音質 目標設定法の検討),設計工学, Vol . 41 ,No. 6,pp. 3 2ト326,2006

[ 1 3]成瀬哲哉 他 :人間工学的手法 による木製椅子 の快適性 評価 と機能設計に関す る研究 ( 第 1 1報)座面の物理特性 と心理量の関係, 岐阜県生活技術研究所研究報告, vol . 8 , pp. 27‑ 33,2006

【 1 4]岡田明 :ユニバーサルデザイ ンにおける人間特性デー タ の応用,経営シシテム,Vo l . 1 6,No. 3,pp. 1 29‑ 1 33,2006

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[ 1 6]Th ur s t o n , L. L.: Me a s ur e me ntofva lue s , Uni v.Chi c a go Pr e s s ,1 95 9

[ 1 7 ]印東太郎 :「 感覚尺度構成法」, 和 田洋平ほか ( 編) :

『 感覚知覚心理学ハ ン ドブ ック』, 誠信書房,p p. 56‑ 73 , 1 963

[ 1 8 ]上西園武良,薬袋賢一,岡 田明 :温水洗浄便座 における 洗浄強 さ感 に関す る研究 洗浄強 さ感 を設計値 に変換す る方法について,デザイン学研究,8 3‑ 88,55,2,2008 [ 1 9 ]上西園武 良,岡田明,池浦 良淳 :枕の開発 における効率 的な人間中心設計の方法 寝返 り性能 を設計値 に変換す る方法について,デザイ ン学研究,29‑ 3 4,5 4,5,2008 [ 20 ]村 田康弘,池浦良淳,上西園武良,内藤公孝,和阪学弘, 安達優,水谷‑樹,揮井秀樹 :枕上における頭部の寝返

り抵抗 トル クの解析,機械学会論文集,印刷 中 ( 2008 年 5 月 1 9 日受付 、 2009 年 1 月 30 日受理)

‑ 28 ‑

著者紹介 上西 園 武 良 ( 正会員 )

1 97 5年大阪大学大学院理学研究科修士課程 修了.翌年,アイシン精機株式会社 に入社, 現在,同社主席技姉.主 として,人間工学を 活用 した住生活機器の研究 ・開発 に従事.認 定人間工学専門家.日本人間工学会東海支部 委員. 日本人間工学会, 日本デザイ ン学会,

日本機械学会, 自動車技術会会員.

岡田 明 ( 正会員)

1 98 0年千葉大学大学院工学研究科修士課程 修了.日本大学医学部,千葉大学工学部を経 て,現在,大阪市立大学大学院生活科学研究 科教授.専門は人間工学.主 として機器操作 時の身体的精神 的ス トレスやェル ゴデザイ ン ・ユニバーサルデザイ ン等の研究に従事.

日本デザイン学会理事,日本生理人類学会理

辛,人類働態学会理事 , ISO ( 国際標準化

機構)/ TC1 59 ( 人間工学) /S C 3 ( 人

体計測 と生体力学)委員 .医学博士.

表 1 感覚機能の臨床的分類
図 6 寝返 りし易 さの官能評価結果 [ 1 9】

参照

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