國民所得におけろ蹄厨莉子の問題
長谷部亮一
饒属利子(圃Bb暮09ぢ8話︒︒酔)という概念は︑國民所得計算においてのみ用いられる︑特殊なそして新しい概念で
ある︒この新概念の導入と︑それにもとつく國民所得の改訂は︑その推計業務を實際に澹當しているひとびとを除い
て︑殆んど注目せられなかつたようである︒しかも︑一度びこの新しい計算方法が實務捲當者によつて探用せられる
や︑もはや自明の事柄として︑疑念なく慣用せられているという現歌にある︒だが︑軍に計算上の問題としてばかり
でなく︑理論上の問題としても︑この概念導入の意味及びその當否を︑改めて反省し検討してみる必要があるのでは
なかろうか︒
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二
節圏利子︑すなわち實際には支佛われていないが︑明らかに預金者に蹄鷹すべき利子がある︑という考え方は︑ど
のような理由から生じたのであろうか︒この新しい考え方を提案している最初の文献︑一九四七年の同暮o冒卸の論
國民所得における舳蹄盟局利子の問題
〆
商學討究第五巻第二號
ヨリ さ ハ り文.qゆ酔︒昌Φの論文.融ぽ︒信喝の著書によれば︑それはもつばら︑國民所得を産業別に推計する場合の技術的な問題
に︑關蓮をもつて.いるようである︒
1U・頃.く鼻oヨ費"︑.易9二9巴ぢ8ヨoう噌剛σq一59ニロαq首団言器o凶巴ぽ冨﹃ヨo象鴛貯ρ︑︑営qa9巳oい言一口8日o聾負乏o竺∋(乞巴8巴
国90碧oh国8昌oヨ貯男o紹碧9y︿o}●×℃HO覧.
この諭文に︑米・英・加三國におー7る國民所得の官臨推計機關の代表者逡によ叫︑相互の間の概念及び測定方法上の相違な調整
しようとして行われ六︑一九四四年九月の會議の結論な︑簡明にとりまとめ六輿国bφ三︒・oロの報告ととも︑同書第一部﹁商
務省にょ呂國民生産物の測定における提案されたろ諸墜化﹂か構成する︒U︒三8昌の報告の中の金融機關に關する諸問題が︑
<巨①蟹ρによつて詳細に補足せられ乖形式になつており︑從って麟屠利子の問題は︑この一九四四年の會議・トおいて襲生し糞︑
とみるべきであろうか︒
2犀●もD仲80け亀.U鳳凶三二8碧畠寓9雲旨目090hgo客豊8巴ぎ8ヨ⑦碧ら犀巴簿&円9巴︒・℃︑︑︾署2臼×冒竃8︒︒奪088樽oh
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なお︑0α陣8①に︑前註に蓮ぺれ會議における英國側の代表であろ︒
309gDぎ毛"即官9覧$︒h之皿ま塁=暮︒ヨ︒﹀昌巴M昌噸H虞S永田清・高橋長太郎共謬﹁國民所得分析の原理﹂
國民所得計算に關係のあるすべての取引が︑第一表に示すよヶに︑四つの部門にまとめ上げられ︑それ以外は全く
へるね考慮する必要がない︑という簡輩な例によつて考えてみよう︒いま︑要素支佛(旨簿自娼ξ澤o馨)法により︑しか
も産業別に國民所得を求めようとするなぢば︑A産業・B産業及び銀行のおのおのにつき︑勢働用役と資本用役とに
封する報酬支梯(留保を含む)を合計しなければならない︒しかしながら一般に︑地代・家賃・利子及び利潤などの
財産所得が︑一企業から他の企業へ支佛われている場合︑受取る方の企業では︑更にその企業における要素支佛にこ
れを充當しているであろうから︑すべての企業における支佛地代・支梯家賃・支佛利子・配當及び留保利潤を合計す
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(第 一 表)
A産 業
牧 入
國民斯得における飾厨利子の問題
阪 費 代 金(Bよ リ) 預 金 利 子(銀 行 よリ)
合 計
350 2・
352
支 出
購 入 代 金(Bへ)
賃 銀(個 人 へ)
利 子(銀 行 へ)
〃 〃(個 人 へ)
配 當(個 人 へ)
留 保 利 潤
合 計
31 300 6 4 9 2 352
B産 業
牧 入 支 出
へく
販 賢 代 金(Aよ の31i購 入 代 金(Aへ)}35・
〃 〃(銀 行 よ り)41貸 銀(個 人 へ)347
〃 〃(個 人 よ り)7001 1利 子(銀 行 へ)114
預 金 利 子(銀 側)・ レ 〃(個 人 一)1・ ・
糟 鷺=引1
。̲̲̲以̲一̲L‑」 留 保 利 潤 一」4
合 計1736/合 計 736
銀 行
牧 入
解 弩 綴 劉
配 當(Bsり)1
手 歎 料(個 人 より)1
,1
‑一 一■{1
14 ,i
引
1
支 出
417521←2一イ¶⊥
ヘノララ ラロラへヘへヘヘへ
人人人
B個AB個個(r\((r\'㌧
金銀子〃〃當潤
代利利
入金保
購賃預〃〃配留
6
合 計 241 合 計124
52
︑ 人
個
出支 商學討究第五巻第二號
入牧
へ)700 費(B
量(銀 行 一)1←)1
清〃貯
謝躍74n り臼Q/875
銀
〃
〃
子
〃
〃
當
〃
〃
(Aよ り) (Bよ り) (銀 行 よ り) (Aよ リ) (招 よ り) (銀 行 よ の (Aよ り) (Bよ り) (銀 行 よ り)
695
計一合
一
一ー
695
賃〃〃利〃〃配〃
〃
計
合 るならば︑結果は明らかに二重計算となる︒この二重計算を避
けるためには︑例えば利子については︑支佛利子から受取利子
をマイナスして︑いわゆる支佛純利子で考える必要がある︒
ハじねロΩ岸8喝は︑これを利子に關する一般準則と呼んでいる︒この
ことは︑國民所得に算入さるべき財産所得が︑個人にょつて受
取られるものと︑未分配利潤として企業内に留保されるものだ
けであることを意味する︒この利子に關する一般準則︑あるい
は財産所得に關する一般準則は︑いうまでもなく︑すべての企
業について適用されねばならない︒從つて︑受取利子が支佛利
子よりも大なる企業においては︑當然に要素支佛としての純利
子の値がマイナスとなり︑そのマイナスの程度が大きければ︑
他の要素支梯額を相殺して︑全艘としてもなおマイナスとなる
ことすら考えられよう︒いまの例では︑銀行における要素支佛
の純額は︑賃銀七・利子マイナス一五(すなわち支彿利子の合
計五から受取利子の二〇を差引いた淺額)・配當五(すなわち
配當支出七から配當牧入二を差引いた淺額)及び留保利潤一と
なり︑総合計は結局マイナスニにすぎない︒一般に金融業にお
いては︑貸付利子の合計が預金利子の合計より遙かに大きく︑
●
從つて支佛純利子はかなりに大きなマイナスの値を示すのが普通であつて︑要素支綿総額も又通常マイナスか︑あ
るいは非常に小さくなるであろう︒このような︑金融業がマイナスもしくはそれに近い附加償値生産しか行つていな
ハげ いという結果は︑明らかに非現實的であり︑不合理である︒これが︑齢属利子という薪概念を生ぜしめる第一の原因
なのである︒
4乙ね8b⑦の設例によろ︒(Oh︒mW↑O口¢⁝o勺・6凶一も℃℃・OoQ◎‑iゆO)ただしQa8昌︒の勘定体系では︑企業について︑︒℃︒円憎二昌σq9︒8口算と
唱箕o胃茸δロ9︒8︒5昇とを分割し︑かつ最初から節贋利子に關係のある牧入・支出な含めていうが︑ここては設明の便宜のため
に︑實際に行われ五牧入・支出と︑企業留保及び個人貯蓄秘︑軍純な勘定形式の中にとりまとめ六のであろ︒又ロ◎仲︒琴においで
に︑銀行以外の企業な︑唱︒身&話︒具2嘗︒・①︒・という名稻で一つの勘定としているが︑・こ︑では次節て行う他の設明との關蓮か
ら︑A・B二つの部門に分け︑取引な適宜分割するという加工な施し六︒AとBとな一括すれば︑牧入欄に販賓代金(銀行よ
り)四・同(個人より)七〇〇・預金利子(銀行より)三︑合計七〇七︑支出欄に賃銀(個人へ)宍四七・利子(銀行へ)二
〇・同(個人へ)日五・配當(銀行へ)二・同(個人へ)一七・留保利潤六︑合計七〇七となるであろうが︑これにω言9の
箕︒含9凶く︒O馨9℃留畠において︑蹄麗利子關係の受沸いな省略し穴ものに等しい︒
5シャウプ︑邦課前掲書︑一四〇ー一頁︑一八三頁︒
6磯艮︒冨黛︒℃●鼻̀竈9b︒G︒ート︒全℃・器.
qαδ5⑦"oやo幽け●.℃・麟9℃".oQO‑OO.
シャウプ︑前掲書.一八三頁︒
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この不合理を是正するために︑從來一つの假定が︑金融業の取扱いについて考えられていた︒それは︑財産所得の
牧納について︑金融業を個人の総艦曾σqσq円oσq暮霧ohぎ象く筍目蟄尻)とみなし︑この部門における要素支⁝梯の算定で
は︑企業利潤以外の財産所得支佛を考慮に入れないことにするのである︒しかしこの假定による推計には︑實際問題
として一つの重大な難貼が残される︒それは︑産業部門毎に計算された支梯純利子項目め合計が︑本當の意味での個2
國民所得における爵罵利子の問題
商學討究第五奮第二號
人によつて受取られた利子を示さない︑從つてその意味において︑國氏所得が過大に評慣される危瞼があり︑叉國民
所得中の利子所得割合などをみる場合には︑改めて個人利子所得を計算しなければならない︑ということである︒事
實米國などにおいて︑この"σqσq巳σq客$oh貯島話含尻の假定の下に︑通常行われていた方法では︑更に利子を長期
債務に關するものと︑,短期債務に關するものとに分割し︑前者のみが個人に支佛われ︑後者はすべて他の企業へ渡さ
れる︑というもう一つの假定が附加されていたのであり︑金融業以外の産業における支佛利子から︑短期債務の利子
と︑當該企業保有の政府長期債務の利子を控除する︑どいう虚置をとることによつて︑前記の難鮎が補われていたの
であつた︒だがこの附加的な假定は︑國民所得全膣に關してのみならす︑その産業構成並びに分配分構成において
も︑極めて恣意的な要素を導入したことになる︑という非難を冤れがたい︒かくて︑節膓利子の概念を生ぜしめる第
ハブ 二の原因は︑,騎σq円o㎝q暮$o隔貯象く峯自夢﹃法につきまとう恣意性ということであつた︒
7く耳窪ヨ︒や葺も勺夙冒ーb︒y竈●培Ib︒︒︒鳩暑●G︒︒︒ーお.
oロε器"名●阜6℃も9
シャウプ︑前掲書︑一四ニー五頁︑一八四‑五頁︑四四二頁︒
要するに︑財産所得の取扱いに關する手績きを︑すべての産業において統一し︑しかも金融部門に不合理な結果を
生ぜしめす︑かつ個人が實際に受取る利子を︑恣意的な假定なしに︑各産業の利子項目の合計として直ちに導出しう
ること︑これらの問題を一學に解決するために︑節島利子ということが考えられるに至つたのである︒
さて︑新しい方法を提案する論者は︑吹のように考える︒銀行は預金者に劉して︑預金の投資・通貨の管理・小切
手の清算.諸勘定の韓記などのサービスを提供している︒これらのサービスについて何らの料金をも要求しないの
は︑預金者の資金を蓮用して得た貸付利子及び配當などの総牧釜の一部を︑預金者へ渡さすに︑無償サービスの代金