‑ ShapleyandShubik [1977] に よる3つ の競 争 均 衡 の 数 値 例 及 び そ の頑 健 性 につ い て ‑
鵜 沢 秀1)
目 次
0.は じめに
1.ShapleyandShubik[1977]による3つの競争均衡の数値例の分析 2.初期賦存量 (wyl)の値が異なると競争均衡の数は異なる 3.初期賦存量 (wx2)の値が異なると競争均衡の数は異なる 4.選好の強度 (α)の値が異なると競争均衡の数は異なる 5.選好の強度 (β)の値が異なると競争均衡の数は異なる 6.選好の強度 (γ)の値が異なると競争均衡の数は異なる 7.結 語
付録 選好の強度 (α,β,γ),初期賦存量 (wyl,wx2)と競争均衡の数の関係
0.は じ め に
競争均 衡 の存 在問題,均衡 の一意性 (あ るいは複 数均 衡)の問題 ,安 定性 (あ るいは不安定性) の問題 は1950年代 か ら1960年代 にお け る ミクロ経 済学 の主要 なテーマ の一つであ った。存 在 問題 や安定性 問題 につ いてはArrow andHahn
[1971],Negishi[1962] な どのサ ーベ イを参照 されたい。不安 定性 や複 数均 衡 の数値例 がScarf[1960] やGale[1963] によって示 され,複 数均衡 につい て はDierker[1972] な どの貢献 を挙 げる こ とが で きる。最近新 しい視 点か ら Minagawa [2008] はScarf[1960] やGale [1963] の例 を一般 化 したモデ ル
1)小樽商科大学商学部経済学科 e‑mail:uzawa@res.otaru‑uc.ac.jp
〔1〕
に即 して,不安定性 や複数均衡 の問題 の特徴 を明 らか に した。 これ に対 して, ShapleyandShubik [1977]の例 は着 目されることな く現在 に至 っている。
この小論 では,MATHEMATICAあるいはWolfram Mathematica2)の数式 処理 と画像描画機能 を用 いてShapleyandShubik [1977] の例 を取 り上 げ, 純粋交換経済 における競争均衡 (ワル ラス均衡 ともい う)の特徴 を解 明す る。
ShapleyandShubik [1977] はルーブル と ドルの交換 に関 して, 3つの競争均 衡 が存在 す る効用 関数 を示 した。彼 らは与 件 デー タの わずか の摂 動 (small perturbations)に対 して 自分 たちの数値例の頑健性 を主張 している。小論では,
この例 にお けるパ ラメー ター (通貨 (財) に対す る選好 の強度),初期賦存量 配分のパ ター ンを変化 させ た場合の分析 を第2節か ら第6節 で行い,彼 らの主 張す る頑健性 が必ず しも成立 しない ことを明 らか にす る。
ShapleyandShubik [1977] による複数の均衡存在の数値例 について,選好 の強度 と初期賦存量配分のパ ター ンが競争均衡の数 に与 える効果 について検討
し,以下 の結論 を得 た。
(1)与 え られた選好強度 (α‑100,β‑110,γ‑10)の もとでは,ある水準の 初期既存量配分のパ ター ンと異 なるパ ター ン (wylあるいはwx2)に対 し て, 3つ存在 した競争均衡 は1つ しか存在 しない。
(2)与 え られた初期賦存 量配分 のパ ター ンに対 して,選好 の強度 (α,β,及 び γ)の変化 に対 して,競争均衡の数が1か ら3,あ るいは3か ら1に変 わる。
(3) あ る水準 の初期賦存 量配分 のパ ター ンに対 して,選好 の強度 (α,β,及
2)Wolfram Research,Inc.の開発 した統合型数式処理ソフ トウエアで,ver.6.0よ りソフ トウエア名をMATHEMATICAか らWolfram Mathematicaに変更 して いる。最新のWolfram Mathematicaはver.7.0である。なお,論文 タイ トルは 以前の論文名 との整合性を保つためにMATHEMATICAを用いる。本文での参 照ではMathematicaと記載する。Mathematicaのプログラムは,以前に定義 し た式や以前の計算結果を利用する。したがって,あるプログラムを評価するとき, それ以前においてまだ評価されていない式や計算結果を参照 している場合は,エ ラーが発生 した り,不具合が発生することに注意する。
びγ)の変化 に対 して も競争均衡の数は1に とどま り続 ける。
す なわち,ShapleyandShubik [1977] の例 のパ ラメー ターや初期既存 量 に関 す る頑健性 は必ず しも成立 しない。
小論 の構成 は以下 の とお りであ る。第1節 ではShapleyandShubik[1977] モ デ ル を少 し一般化 し,Mathematicaを用 い て分析 す る。 第2節 で は消 費者 1のY財 の初期賦存 量wylだ けが変化 した とき競争均 衡 の数 は どの よ うに変 化 す るか, 3つのアプローチで解 明す る。 1つ は市場需要 曲線 と市場供給 曲線 を用 いた分析, 2つ め は超 過 需要 曲線 を用 い た分析, 3つ め はShapleyand Shubik[1977]の用語 で は反応 曲線 (い わゆるオ ッフ ァー ・カー ブに対応す る)
を用 いた分析 であ る。 第3節 で は消 費者2の Ⅹ財 の初期既存 量Wx2だ けが変 化 した とき競争均衡 の数 は どの ように変化 す るか,超過需要 曲線 を用 いて分析 す る。 第4節 で は消 費者 1の Y 財へ の選 好 の強度αだけが変化 した とき競争 均 衡 の数 は どの ように変化 す るか,超過需要 曲線 を用 いた分析 と反応 曲線 (オ ッ
フ ァー ・カー ブ) を用 い た分析 をお こな う。 第5節 で は消 費者2の Ⅹ 財へ の 選 好 の強度 βだ けが変 化 した とき競 争均 衡 の数 は どの よ うに変 化 す るか,超 過需要 曲線 を用 いた分析 と反応 曲線 (オ ッフ ァー ・カー ブ) を用 いた分析 をお こな う。 第 6節 で は消 費者 1の Y 財へ の選好 の強度 γと消 費者 2の Ⅹ財‑ の 選好 の強度 γが (同時 に)変化 した とき競争均 衡 の数 は どの ように変化す るか, 超過需要 曲線 を用 いた分析 をお こな う。最後 に結語 を述べ る。付録 に,選好 の 強度 (α,β,γ), 初期賦存 量 (wyl,wx2)と競争均 衡 の数 の関係 を超過需要 曲 線 を用 いて分析 す る。
1.ShapleyandShubik[1977]による3つの競争均衡 の数値例 の分析 2人の消費者 (消 費者1と消費者2とす る), 2財 (Ⅹ財 とY財 とす る)か らなる交換 経済 を考 える。 Ⅹ1,ylは消 費者1の Ⅹ財 とY財 の消 費量 をそれぞ れ示 し,Ⅹ2,y2は消 費者2の Ⅹ財 とY財 の消費量 をそれぞれ示す。 また, 2 人 の消 費者 は初期 賦存 量 (あ るい は初期 保有 量) を与 え られ て い る。 (りⅩ1,
wylは消 費者1のX財 とY財 の初期 賦存 量 をそ れぞ れ示 し,wx2,wy2は消 費者2の Ⅹ 財 とY財 の初期既存 量 をそれぞ れ示 す3)0 Y財 で測 った Ⅹ 財 の価 格 を少 とす る。
消 費者 の効用 関数 と してShapleyandShubik [1977] をや や一般化 す る。
Mathematicaの記法 で次 の よ うに入力す る4)。
u亡111tyl【Ⅹ1̲.yl̲′α̲′†̲】:=Ⅹ1+α (1‑Expトyl/†日 ; uヒ111ty2【x2̲.y2̲′β̲′†̲】:=y2+β (1‑Expト x2/†日 ; ここで,α,β,γは正 数のパ ラメー ターであ る5)。
競争均 衡が成立す る ときの条件 (1) 限界代 替率が価格比 に等 しい (Z) 予算制約式 を満 た してい る
を用 いて,2人の消 費者 の需要 関数 を求め る6)。
まず消 費者1の需要 関数 を求 め る。 限界代替率 をmrslとす る。
mrsl‑D [utilityl[Ⅹ1,yl,α,γ],Ⅹ1]/D [utilityl[Ⅹ1,yl,α,γ],yl]
3)ShapleyandShubik [1977]の例では,wx1‑40,wy1‑0,wx2‑0,wy2‑50 である。
4)Windows版のMathematicaにおいて 「入力す る」 は,文字列の入力 と評価 (Shiftキーを押 しなが らEnterキーを押す) を意味するもの とする。
5)ShapleyandShubik [1977]の例では,α‑100,β‑110,γ‑10である。
6)効用関数が対数繰形関数の場合などは,Stinespring [2002]によるMathemati‑ caで作成 した,gradとhessianを利用 して解 くことがで きるが,Shapleyand Shubik [1977]の効用関数の場合は,エラーが発生する。機械的にラグランジェ の未定乗数法 をあてはめて求めることがで きない。ちなみに,Stinespringによ るMathematicaのプログラムは,
Clear[grad,hessian];grad[S̲,vars̲List]:‑Map[Function[柚,D[S,V]],vars];
Save["grad",grad];
hessian[L varsJist]:‑ Outer[D,Outer[D,f,vars],vars][[1]];
Save["hessian",hessian];
であるO使用方法についてはStinespring [2002],p.54のgradとhessianを参 照のこと。なお,小林 [1996] も参照せ よ。
と入力す ると, e)'1/TT
α を得 る。
限界代替率 (mrsl)‑価格比 (p)を満たすylを求め るために, solyl‑Solve[Log[mrsl]‑‑Log[p],yl]
と入力す ると,
Hyl→yLog[Ⅰ⊃]+ld'Loglcr]‑yLog[1′]日 を得 る。 消 費者 1のY財の需要量 を得 るため に,
yleq‑yl/.solyl[[1]]
と入力す ると,
ld/Log[p]+甘Loglcl]‑YLog[甘]
に等 しい ことがわか る。
需要量 は負 になれないので,非負の需要量 をyleqModifiedであ らわす。
yleqModified‑Max[yleq,0] と入力す ると,非負 の需要量 は
Max[0√甘Log[p]+甘Log[ct]一丁Log[甘]]
に等 しい。
消 費者1の Ⅹ財の需要量 は初期賦存量 を考慮 した予算制約式 を用 いて solxl‑Solve[pxl+yleqModified‑‑p(。Ⅹ1+wyl,Ⅹ1]
と入力すれば,
ilx1→p ・:L・Xl +rL・yl‑Ma:{[lコ′YLog[p]+yLoglc(]‑1/Lo・ヨ[丁目
が得 られ る。
Ⅹ1eq‑Ⅹ1/.solxl[[1]] と入力す る と,
pllJXl+(LJlJl‑Ivlaxl0,7Log[p]+yLog[α]‑yLog[√]]
Ⅰ二) となる。
同様 に して,消費者2の需要 関数 を求め る7)。
Ⅹ2eqModifiedは
Ⅰ■・llaxlrJ,一TL・コg[I:・]+甘′Log[j3]‑ld,L・=.gh'日 に等 しい。 また,y2eqは
p亡LJx2+山y2‑plvlax[0√‑YLog[p]+YL・コg[β]一丁Logl丁目 となる。
改 め て消 費 者1の需 要 量 の組 (eqXl,eqYl)及 び消 費 者2の需 要 量 の組 (eqX2,eqY2)を パ ラ メー ター α,β,γ, 初 期 賦 存 量 の 配 分 パ ター ン
7)次の入力 をつ ぎつ ぎにおこなう。
(1J mrs2‑D [utility2[Ⅹ2,y2,β,γ],Ⅹ2]/D [utility2[Ⅹ2,y2,β,γ],y2] (2) solxZ‑SolvelLoglmrsZ]==LoglpLxZ]
(31 Ⅹ2eq‑Ⅹ2∴solx2[[1]] (41 Ⅹ2eqModified‑Max[Ⅹ2eq,0]
(5) soly2‑Solvelpx2eqModified+y2‑‑pwx2+wy2,y2] (6J yZeq‑yZ/.solyZ[[1]]
(wxl,wyl,wx2,wy2)を用 いて表現 してお く8)。
eqXl[p̲,α̲,β一,γ̲,WXL wyL wx2̲,wy2̲]:‑
(p(。Ⅹ1+wy1‑Max[0,γLog[p]+γLog[α]‑γLog[γ]])/p eqYl[p̲,α̲,β̲,γ̲,WXL wyL wx2̲,wy2」 :‑
Max[0,γLog[p]十γLog[α]‑γLog[γ]] eqx2[pJα一,βJ γJWXIJWylJWX2JWy2」 :‑ Max[0,‑γLog[p]+γLog[β]‑γLog[γ]] eqY2[p̲,α̲,β̲,γ̲,WXL wyL wx2̲,wy2̲]:‑
p(。x2+wy2‑pMax[0, ‑γLog[p]+γLog[β]‑γLog[γ]]
これ らの需要 関数 か ら,次 の命題1が得 られ る。
命題1 ShapleyandShubik [1977] の効用 関数か ら導 出 され る需要 関数 は以 下 の特徴 を持 つ。
1.消 費者1の Ⅹ財 に対す る需要 関数eqXlは消 費者2の選好 強度 βと初期 既存 量 の組 (wx2,wy2)に依存 しない。
2.消 費者1のY財 に対す る需要 関数eqYlは消 費者2の選好 強度 β及 び消 費者1と消 費者2の初期賦存量 のパ ター ン (wxl,wyl,wx2,wy2)に依存
しない。
3.消 費者2の Ⅹ財 に対す る需要 関数eqx2は消 費者1の選好強度α及 び消 費者1と消 費者2の初期賦存量 のパ ター ン (wxl,wyl,wx2,wy2)に依存
しない。
4.消 費者2のY財 に対す る需要 関数eqY2は消 費者1の選好強度αと初期 既存 量 の組 (wxl,wyl)に依存 しない。
8)形式的な変数 としてP,α,β,γ,wxl,wyl,wx2,及びwy2を記載 している のは,Mathematicaでの数値入力の ミスを避けるためである。
したが って, Ⅹ 財 の市場 需 要 関数9)は価 格 少,パ ラメー ターα,β,γと初 期賦存 量wxl,wylの関数 であ る。 また,Ⅹ財 の市場 供給 関数 は初期既存 量 の 和wxl+仙Ⅹ2で決 まる。それゆ え,Ⅹ財 の超過需要 関数 は価格 少,パ ラメー ター α,β,γと初期賦存量wyl,Wx2の関数 とな る10)。初期賦存 量wxl,wy2に依 存 しない こ とに注意 しよ う。 したが って,初期賦存量wyl,Wx2の変化 は初期 賦存量wxl,wy2に対 して相対 的 にご くわずかの変化 と解釈 で きる。
1. 1 市場需要曲線 と市場供 給曲線 によ る分析
数値例 を分析 す るため に,パ ラメー ターや初期賦存 量配分パ ター ンのデー タ を以下 の ように設定す る11)。
iα‑100,β‑110,γ‑10,wx1‑40,wy1‑0,wx2‑0,wy2‑50i
消費者 1の Ⅹ財 の需要 曲線 を描 くため に次 の ように入力す る と図 1の よう な需要 曲線 を得 る。右上が りの需要 曲線部分 が存 在 してい る12)ことが分 か る。
す なわち,ギ ッフェ ン財13)のケースが発生 してい る。
9) 2人経済ではeqXl[p,α,β,γ,wxl,wyl,wx2,wy2]十eqX2[p,α,β,γ,wxl,wyl, wx2,wy2]で定義される.
10)Ⅹ財の需要量にあるwxlは Ⅹ財の供給量にあるwxlと相殺 されるため.
ll)これはShapleyandShubik [1977]の場合である。
12)次の(1卜 (51の入力で,右上が りの需要 曲線部分の最小価格水準priceGiffen‑
1+坐
e y Yを得 る. さらに,(61の入力によりShapleyandShubik [1977]の場合
C(
はpriceGiffen‑0.271828である。
(1J demandXl[pJαJβJTJWXIJWylJWX2JWy2ー]:‑(pwxl十wy1‑(γ Log[p]十γLog[α]‑γLog[γ]))/p
(2J Clear[α,β,γ,wxl,wyl,wx2,wy2];dXl‑D [demandXl[p,α,β,γ,wxl, wyl,wx2,wy2Lp]
(3) dXlnew‑SimplifyldXl] (4J SOIP‑Solve[dXlnew==0,p][[1]] (5J priceGiffen‑p/.SOIP
(6) α‑100;γ‑10;wy1‑0;N[priceGiffen]
13)ギ ッフェン財については,鵜沢 [2007]及びそこでの引用文献,たとえばHicks
ParametricPlot[ieqXl[p,100,110,10,40,0.0,50],pH p,0.001,look ImageSize‑160,PlotRange‑ i10,50日 0,50日,AxesLabe1‑ i‑'Ⅹ'',"p"i]
00000
0
54321p p
Ⅹ
I05050つんl1nSn5Ⅹ
ド
0 10 20 30 40 50 0 10 20 30 40 50 60 図1 消費者1のX財の需要曲線 図2 消費者1のX財 の需要 曲線
(aJy1‑0)
消 費者1の初期 既存 量wy1‑0の とき,需 要 量 の最大 値 は40であ る こ とは次 の入力 で 図2を得 て確 認 で きる。
ParametricPlot[ieqxl[p,100,110,10,40,0.0,50],pLip,0.0001,2L ImageSize‑160,PlotRange一 日0,60日 0,2日,PlotPoints‑100, AspectRatio‑1,AxesLabel‑ 甘',"p''i]
消 費者1の初期 賦存 量wy1‑10の場 合 ,価 格 が ゼ ロ に収 束 す る と き,需 要 量 は無 限大 にな る14)。次 の入力 で図 3を得 ,確 認 で きる。
[1946,1956],Battalio,Kagel,andKogut[1991],PlotandSmith[1999],Soren‑
sen[2007] などを参照 されたい。
14)wylがプラスの値 であれば成立することに注意 されたい.
wy1‑10;Show [ParametricPlot[ieqXl[p,100.110,10,40,10,0,50],pL lp,0.001,louImageSize‑160.PlotRange‑ i10,60日 0,5日,
AspectRatio‑1,AxesLabel一 作 ',"p''日,
Graphics[Text["wyl‑",145,3i]],Graphics[Text[wy1,150,3i]]]
10 20 30 40 50 60 0 10 20 30 40 図3 消費者 1の X財 の需要曲線 図4 消費者2のX財の需要曲線
(aJy1‑10)
消 費者2の Ⅹ財 の需要 曲線 を措 くため に次 の よ うに入力 す る と。 図4の よ うな需要 曲線 を得 る。右下 が りの需要 曲線 であ るが,価格 11以上 になる と需要 量 がゼ ロ となってい る15)。
ParametricPlot[ieqX2[p,100,110,10,40,0,0,50],pH p,0.01,look ImageSize‑160,AspectRatio‑1,PlotRange‑
15)消 費者 Zの Ⅹ財の需要量がゼ ロ となる条件 は需要 関数eqX2[pJα一,βJL, wxL wyL wx2̲,wy2」 :‑Max[0,‑γLog[p]十γLog[β]‑γLog[γ]]よ
り, ‑γLog[p]十γLog[β]‑γLog[γ]‑0である。 これか ら価格p‑β/γで消 費者2の Ⅹ財の需要量はゼロとなる。ShapleyandShubik [1977]の数値例の 場合は価格p‑11で消費者2の Ⅹ財の需要量はゼロである。
日0,40日 0,50日,AxesLabel‑ i"Ⅹ","p"H
X財 の市場 需 要 曲線 (こ こで は消 費 者 1の需 要 曲線 と消 費 者2の需 要 曲線 の水 平和 ) を求 め るた め に, 次 の よ うに入 力 す る と, 図5を得 る。Ⅹ 財 の市 場 需要 曲線 は価格 水準♪‑γ/α‑10/100‑0.1以上 で右 上 が りに転 じ,価格 水準 1.99516)以 上 で右 下 が りに な り,価 格 水 準♪‑β/γ‑110/10‑11以 上 で再 び右 上 が りに な る。Ⅹ 財 の市場 需 要 量 は価 格 が無 限大 に上 昇 した ら,40よ り小 さ な値 か ら40に収 束す る17)。
marketDemandX‑ParametricPlotlieqXllp.100,110,10,40,0,0,50]
+eqx2[p,100,110,10,40,0,0,50],pを,厄,0.001,100㌢,ImageSize‑160, AspectRatio‑1,PlotRange一 日0,50日 0,50日,AxesLabel‑i"Ⅹ","p"H
p Ⅹ 54321 000000 p
ド00000
0
543210 10 20 30 40 50 0 10 20 30 40
図5 X財の市場需要曲線 図6 X財の市場供給曲線
ド
Ⅹ
16)次の入力で確かめることがで きる.州力の表示で j1.98,42.0688Iは価格水準が 1.98の とき市場需要量が42.0688であることを示 している。
(入力)Table[jp,eqXl[p,100,110,10,40,0,0,50]+eqX2[p,100,110,10,40,0,0, 50]Ljp.1.98.2.02.0.005I]
Ⅹ財の市場供給 曲線 (このケースの場合 は消費者 1と消費者 2の初期賦存 量の和 に等 しい) を措 くために,次の ように入力 し,図6を得 る。
wx1‑40;wx2‑0;marketSupplyX‑ParametricPlot[iwxl+wx2,pL ip,0.001,100㌢,ImageSize‑160,AspectRatio‑1,PlotRange一 日0,50日 0,50日,PlotStyle‑ iHue[0]LAxesLabel‑i"Ⅹ","p"i]
次の入力 で Ⅹ財の市場需要 曲線 と市場供給 曲線 を同 じ画面 に措 くことがで きる (図 7)。ただ し,横軸 に数量,縦軸 に価格 を測 っている。
Show [marketDemandX,marketSupplyX]
p
Ⅹ
ド00000054321
0 10 20 30 40 50 図7 X財の市場需要曲線と市場供給曲線
(州力) Hl.98,42,0688日1.985,42,0688日1.99,42.0689日1.995,42.0689I j2.,42.0688日 2.005,42.0688日 2.01,42.0687日 2.015,42.0685L j2.02,42.0684日
17)次の入力で収束値40を得る。
Limit[eqXl[p.100.110.10.40.0.0.50].jp‑InfinityI]
Ⅹ財 の市場需要 曲線 と市場供給 曲線 の交点が競争均衡 を表すので18), sha‑ pleyandShubik [1977] のケースで3つの競争均 衡が存 在す るこ とを確認 で
きる。価格 の水準が低 いほ うか ら高いほ うに向か って,競争均衡1,競争均衡 2,及 び競争均 衡3と呼ぶ ことにす る。競争均 衡価格 はそれぞ れ,priceEq1
‑0.278045,priceEq2‑0.752041,及びpriceEq3‑5.07252を得 る19)。
1. 2 超過需要曲線 によ る分析
競争均衡価格 は Ⅹ財の超過需要 曲線 を用いて も求めることがで きる。
Ⅹ 財の超過需要 関数 をまず求め る。需要量 か ら供給量 を引 いた ものが,超 過需要量 であるので,
excessDemandX [cL,βJrJ仙ⅩlJWylJWX2JWy2」 :‑(eqXl[p,α,β,γ, wxl,wyl,wx2,wy2]+eqX2[p,α,β,γ,wxl,wyl,wx2,wy2])‑(wxl+wx2) 上の式 を簡単化す るため に次 の ように入力す る と,結果が 出力 される。
FullSimplifylexcessDemandX【α,β,γ,wxl,wyl,wx2,wy2]]
‑p(りⅩ2+wy1‑Max[0,γ(Log[p]+Log[α]‑Log[γ])]) p
+Max[0,‑γ(Log[p]‑Log[β]+Log[γ])]
18)ワルラス法則により,Ⅹ財の市場で Ⅹ財の需要量‑Ⅹ財の供給量が成立すると きには Y財市場においでもY財の需要量‑Y財の供給量が成立することに注意 されたい。
19)次の入力をおこなうと良い。なお,Mathematicaの仕様により,初期値の値によっ ては正 しい競争均衡価格 を州力 しない場合がある。このようなときは,別の初期 値 を試みるとうまく行 くことが多い。
(1J pp‑FindRoot[eqXl[p,100,110,10,40,0,0,50]十eqX2[p,100,110,10,40,0, 0,50]==wxl十wxZ,jp,0.1I];priceEql‑p/.pp
(2J pp‑FindRoot[eqxl[p,100,110,10,40,0,0,50]十eqX2[p,100,110,10,40,0, 0,50]‑‑wxl十wx2,jp,1.1I];priceEq2‑p/.pp
(3J pp‑FindRoot[eqXl[p,100,110,10,40,0,0,50]十eqX2[p,100,110,10,40,0, 0.50]‑‑wxl十wx2.jp.3.OI]:priceEq3‑p/.pp
改 めて,Ⅹ 財 の超過需 要 関数 を次 の よ うに書 き換 えてお く20)0
exDX [p̲,α̲,β一,γ̲,WXL wyl̲,仙Ⅹ2̲,wy2̲]:‑
(‑p(。Ⅹ2+wy1‑Max[0,γ(Log[p]+Log[α]‑Log[γ])])/p +Max[0,‑γ(Log[p]‑Log[β]+Log[γ])]
パ ラメー ター と初期賦存 量 の値 を次 の よ うに設 定す る。
icy‑100,β‑110,γ‑10,wx1‑40,wy1‑0,wx2‑0,wy2‑50i
Ⅹ 財 の超過 需要 曲線 は次 の入力 で措 け る21)。
ParametricPlot[iexDX [p,,100,110,10,40,0,0,50],pHp,0.001,30L ImageSize‑200,AxesLabe1‑ ㌢℃Dx"."p'上 AspectRatio‑ 1,
PlotRange‑ 1ト 15,1引,10,30日]
p
‑15 ‑10 ‑5 0 5 10 15
図8 X財の超過需要曲線
20)Ⅹ財の超過需要関数の形式的な変数 としてp,α,β,γ,wxl,wyl,wx2,及び wy2を記載 しているのは,Mathematicaでの数値入力の ミスを避けるためである.
ここでの Ⅹ財の超過需要関数の実際の変数は命題1の後で注記 したように少,α, β,γ,wyl,及びWx2である.