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高精度センサ信号処理回路に関する研究

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Academic year: 2021

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高精度センサ信号処理回路に関する研究

著者 望月 孔二

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 24

ページ 119‑121

発行年 2003‑03‑28

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1440

(2)

氏名・

(本

籍 )  望    月    孔    (静 岡県

)

学 位 の 種 類    博      (工  学

)

学 位 記 番 号    工博 乙第   97  号 学位授与の日付    平成 13年 12月 25日

学位授与の要件    学位規程第 5条 第 2項 該当

学位論文題日    高精度センサ信号処理回路に関する研究

(委

員長

)

論 文 審 査 委 員   教 授 杉 浦 敏 文   教 授 浅 井 秀 樹

教 授 川 人 祥 二   教 授 渡 邊 健 蔵

論 文 内 容 の 要 旨

センサ を含む機器は化学プラントだけでな く自動車や家庭など我々の身近な所まで広が り ,ま す ます多種多様 にわたる高度なセンサ技術が要求されている。こうした機器の性能向上には ,セ ンサ

が得 た情報 をコン トローラに伝えるアナログインターフェイス回路技術の開発 も欠かせない。本論 文は ,汎 用性 を持つ抵抗型 と差動容量型センサのための高精度アナログインターフェイス回路の研 究をまとめた ものである。

抵抗型センサのインターフェイス回路 については ,抵 抗値 を周波数に変換する新 しい回路 を提案 した。出力情報が周波数のため ,後 段への情報伝達は容易である。回路は ,セ ンサを一辺 とするホ

イー トス トンブリッジ ,積 分器 ,ゼ ロ検出器 を含んだ弛張発振回路である。ブリッジの出力電圧は 抵抗変化 に対 して非線型であるが ,同 じの非線型性 を含む電圧 を閾値電圧 とすることにより線形な 特性 を得た。電圧比較器の遅れ時間 も ,遅 れ時間に対応する電圧 と比較することで補償 した。その 結果 ,広 い抵抗変化 にわたって高い線形性が得 られた。実験では ,セ ンサが

2.6kΩ

を基準 とした

1.8

kΩ のスパ ンに対 して lΩ ,す なわち

5。

10‐4ょ

り良い精度である。また ,分 解能は

10‐

5で ぁ る。発振周波数を oに するセンサの抵抗 は ,抵 抗のバ ランス条件で自由に設定で きるため ,容 量の

変化 に対する影響 を最小限にした高精度の測定が可能である。

差動容量型センサは ,物 理量 に対 して相補的に変化す る 2つ の容量 Clと c2か ら成 り ,物 理量 x は

(Cl‐

C2)/(Cl+c2)と い うレシオメ トリック信号処理で求めることができる。 この比率 を含む演算 は ,環 境 による容量値変化 を打ち消 し ,高 精度測定 を可能にする。同センサのインターフェイス回 路 は ,精 度向上のためには 2つ の容量測定に際 して時分割で同一回路 を用いる構成が ,ま た ,処 理 速度の向上には 2つ の容量 を組み込んだ新 しい構成が必要である。

具体的な構成 として ,先 ず ,電 流検出 /デ ジタル出力の新 しい回路を提案 した。回路は ,容 量 /電

H9‑

(3)

圧 (C/V)変 換回路 ,サ ンプル &ホ ール ド (S/H)回 路 ,ア ナログ /デ ジタル (A/D)変 換器か ら成 る。

C/V変 換 には容量 を流れる電流 を検知 して電圧 に変換す

.る

電流検出回路 を用いた。回路動作 は ,先

ず始めに Clに 比例する電圧 を求めて S/H回 路 に記憶 させ ,続 いて Co=Cl+C2に 比例する電圧 を求

め ,最 後 に両電圧 を使 った ArD変 換 によリレシオメ トリック処理 を実現する。 C/V変 換回路は良好 な線形性 を必要 とするが ,時 分割で共通に使われることから利得調整は不要である。回路解析から

,

│△CIく0・

5Coで は ,C/V回 路の △C(〓 χ Co)測 定の精度は

0.5×10 4c。

以内にで きることが示 されて いる。実験からも,│△

c卜0・

25Coの ときの測定精度はマイクロメータの最小 日盛 りに対応する

10 3cOで ぁる。分解能は ,Coが 6pFの とき ,△ C測 定の標準偏差は 1回 の測定あた り

0.21 fF=3.5×10‐

5c。

でぁる。 2次 以上の低域通過 フイルタを用いることによって

5 ksps以

上のサ ンプリングス ピー ドも可能である。

次 に ,電 流検出とフイー ドバ ックによる回路を提案 した。構成は正弦波発生回路 ,差 動容量型 トラ ンスデューサ ,電 /電 圧変換回路 ,同 期検波回路 ,振 幅制御回路による。本研究で提案 した電流

/

電圧変換回路 は ,入 力は Clと C2そ れぞれを流れる電流であ り ,出 力は入力の和 Co=ClIC2と 差 △ C〓

Cl‐

C2(=χ  Co)そ れぞれに比例 した電圧である。正弦波発生回路 にフイ ー ドバ ックをかけて和 出力を一定に保てば ,差 出力には実時間でレシオメ トリック信号 に比例 した電圧が出力 される。回路 を一体化 したことから必要な抵抗マ ッチングはシンプルであ り ,回 路調整が容易である。実験では

,

△ Cの 分解能は

6。

×

10‐5c。

でぁる。回路解析か ら相対誤差 を低 くする条件 を求め ,設 定 したスパ ン 内を 0.1%精 度で測定で きることを示 した。

続いて ,積 分回路を用いた容量比 /デ ューテイー比出力回路 を提案 した。デューテイー比出力は後 段への情報伝達が容易である。回路の基本は積分器を含む弛張発振回路である。センサの二つの容量 Clと C2の うちいずれか一方が時分割で積分容量 として使われる。容量の選択 は積分電圧の正 /負

に応 じて働 く 2本 のダイオー ドで行われる。 もう一つ比較器を組み込めば ,電 源電圧の非平衡 に影 響 されない調整が容易な構成になる。実験から ,△ C測 定の分解能は

2.6×

10 5cOで ぁる。解析から

,

あ りふれた部品を使 って も

,│△ C卜0・

5Coの 範囲に対 して

0.5×10‐

4cOの 精度で測定できる回路を作れ ることを示 した。

最後に ,伝 達関数を分析 し状態変数法によつて回路 を合成 した。回路は ,セ ンサの容量を含む積分

器 と ,も う一方の容量 を含む微分器を含んだ弛張発振回路であ り ,レ シオメ トリック信号は方形波出 力の電圧振幅か ら得 られる。この回路は電圧出力のため高速処理 に適 している。実験から ,50  μsの サ ンプリング速度の とき,│△

CIく0・

2Coの 範囲で ,マ イクロメータの最小 日盛 りである

1。

×

10‐3c。

以 上の精度 を持つ ことが確認で きた。 このとき △ Cの 分解能は 0.8『 〓

0。

10‐

3cOだ った。

差動容量型センサに関 しては ,応 用範囲を広げるべ く ,複 数の方式を提案 したが ,い ずれの回路 も 特徴 を持 ち ,用 途 に応 じて選択で きる。

以上の研究の特徴は ,い ずれも高精度の信号処理インターフェイスを実現 したことである。回路内 の信号処理によって後段の処理の負荷を軽減 しながら高い精度を実現できた。本研究で得 られた成果 は直接あるいは間接 に計測制御の分野で広 く利用 されるであろう。

‑120‑

(4)

論 文 審 査 結 果 の 要 旨

物理・化学量 を電気信号 として検出するセンサは計測制御 には必要不可欠であ り、電気信号から被 検出量 を同定するにはアナログ及びデイジタル信号処理が必要であるも本論文は抵抗型及び差動容量 型センサの高精度信号処理を行 うためのインターフェイス回路に関する研究成果をまとめたものであ

り、全 6章 で構成 されている。

第 1章 は序論であ り、研究背景 とインターフェイス回路 に要求 される性能を述べ、本研究の目的を 明 らかにしている。第 2章 では従来の研究成果を概観 し、解決 されるべ き課題 を指摘 している。

第 3章 では開発 した抵抗型センサのインターフェイス回路の構成 と性能を述べている。回路は、自 金測温体やピエゾ抵抗センサをその一辺 とするホイー トス トーンブリッジ、差動積分器及び比較器で 構成 され、ブリッジの非線形性及び比較器の応答遅延の補正機構 を組み込んで、

0.05%FS(Full ScJc)

の精度 を実現 している。

差動容量型センサの高精度信号処理には、相補的に変化するセンサの 2つ の容量の差をその容量和 で除するレシオメ トリック法が最適である。第4章 では容量測定に電流検出法を用いる二つの回路 を 提案 している。いずれの回路 も、センサ とオペアンプによって微分器を構成 し、容量差 と容量和に比 例する電圧 を得ている。相異は比 を演算する方法にある。アナログ・デイジタル変換器によって比演 算 を行 う回路では 1つ の微分器で容量差 と容量和 を検出するので、微分器の誤差要因は比演算によっ て相殺 される。従って極めて高い精度が得 られ、実際にO.05%以 上の精度を確認 している。一方、容 量和に比例する電圧をセンサの励振源に帰還することによってアナログ的に比演算 を行 う回路では実 時間で比 に相当する電圧が得 られる。精度は約 0.1%で ある。第 5章 では容量測定 に電荷検出法を用 いる 2つ の回路を提案 している。いずれの回路 もセンサ とオペアンプによって積分器を構成 し、その 電荷 0電圧変換動作 を利用 している。ここで も 2つ の回路の相異は比演算の方法にある。積分器 と比 較器で弛張発振器 を構成 してディジタル的に比演算 を行 う回路では、容量差 と容量和の比 をデュー テイ比 として出力 している。 この回路の精度は 0.1%で ある。一方、積分器を電荷増幅器 とし、その 出力を入力に負帰還することによってアナログ的に比演算 を行 う回路では実時間で比に相当する電圧 出力を得ている。この回路は従 って高速信号処理に適 してお り、

50μ

sの 処理時間で 0.1%以 上の精度 が得 られている。第 6章 は結論であ り、各章の研究成果をまとめると共に今後の展望 を述べている。

以上述べたように、本論文で提案 されているインターフェイス回路はいずれもセンサの高精度信号 処理 を可能にするものであ り、スマー トセンサの開発 にも極めて有用である。よって、博士 (工 学 )の 学位 を授与するにふさわ しい内容であると認める。

‑121‑

参照

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