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1.本研究の背景と目的

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平成24年度修士論文

来訪手段に着目した大都市周縁の市街地における 大型商業施設の空間構成分析

首都大学東京 都市環境科学研究科 都市環境科学専攻 建築学域 118886438 藤井和哉 指導教授:吉川徹 市川憲良 上野淳

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来訪手段に着目した大都市周縁の市街地における大型商業施設の空間構成分析

11886438 藤井和哉 指導教授:吉川徹 市川憲良 上野淳

【論文要旨】

近年、日本全国で中心市街地の衰退が叫ばれており、原因は多岐にわたっている。多岐 に渡る原因の中でも、近代型の大型商業施設の登場は大きな影響力を持っていると言われ、

徒歩利用者を対象客層としていた駅前商業集積地においても、近年では自動車利用者を主 な対象客層とする大型商業施設の出店が目立ってきており、商業施設の現況について多様 な研究が行われている。

広域的な視点からは大型 SC のアクセシビリティを中心市街地と郊外で対比的に評価した もの、地域における交通手段選択の特徴と商業施設の規模や配置にどのような関係性を持 つのかを論じているものなどがある。これらの研究では交通手段と商業施設立地に大きな 関係性があることを示唆している。商業施設の敷地内に絞った観点からは、大規模ショッ ピングセンター(以下 SC)の構えについて論じたもの、郊外型 SC の駐車場に着目した空間 構成分析を行っているもの、大型商業施設の周辺道路と入口配置に着目し店舗及び敷地の 形態、出入口のパターンを類型化したものなどがある。ただしこれらは数万㎡単位の超大 型商業施設、もしくは東京外の地方都市を対象地域としたものであり、大都市において鉄 道利用者が主である中心的市街地と自動車利用者が主である郊外とが遷移する中間地域を 対象にした研究は少ない。しかしそのような自動車利用者・鉄道利用者が入り混じる地域 における商業施設の空間特性を把握することは、大都市における商業施設の将来的な計画 を考える上で非常に重要な知見をもたらすと期待できる。

以上を踏まえ、本研究では徒歩的な交通手段(鉄道・徒歩・自転車)と自動車、双方の利 用者数が連続的に変化する東京周縁の市街地を対象とし、大型商業施設の構成の違いをそ の来訪手段の違いに着目して分析することによって、商業施設の空間構成と来訪手段の関 係性を明らかにする事を目的とする。

本研究では東京都市圏において移動構造及び商業特性の変化を示した上で対象地域を絞 り、実地調査結果から商業施設を分類し、空間構成を論じた。以下に本論文の構成を示す。

第 1 章では本論文の背景と目的を示した上で、第 2 章以降の研究構成について説明する。

第 2 章では東京都市圏における移動構造と商業特性について論じた。対象地域は東京都 市圏とした。昭和 63 年、平成 10 年、平成 20 年の各 PT 調査を用いて、東京都市圏におい てどのような交通手段がどのような割合で使用されているか(以下交通選択率)を時系列 で図示し、自動車利用者の増加など、移動構造の特徴とその変化を明らかにした。また商 業統計調査などを用いて同地域の商業施設の動向も確認し、研究対象地域の交通的・商業 的特徴、および相互の関係性について考察を行った。

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第 3 章では対象地域を京王相模原線、小田急小田原線、JR 横浜線に囲まれた地域に絞り、

実地調査および分析を行った。この地域は東京都多摩地域から神奈川県をまたいでおり、

鉄道などの公共交通インフラが整備されながらも自動車利用が活発な、自動車と鉄道など の公共交通が双方利用されている地域である。この地域の商業施設の中から店舗面積が 5000 ㎡を超える店舗を大型小売店総覧によって抽出し、調査対象店舗とした。全調査対象 店舗において調査シートを作成して実地調査を行い、出入口位置、駐車場位置などを調査 シートにプロットする事で各店舗のデータを得た。その結果を元に主要な出入口が接道し ているかどうか、駐車場の位置(立体駐車場、地下駐車場、前面駐車場、背側面駐車場、

上部駐車場、駐車場なし)によって空間構成の分類を行った。この分類と、最寄駅までの 距離、商業施設の規模、人口密度、交通選択率、業種などの指標を比較した。特徴的な結 果は次の通りである。

主要接道出入口設置の有無については、最寄駅距離 400m の範囲内では 9 割弱、400m 以降 の店舗は 3 割弱と設置率に大きな差異がみられた。徒歩的な交通手段の選択率が 90%を超え る地域でも、9 割以上の店舗が主要接道出入口を設置しており、歩行者への配慮が見られた。

次に立体駐車場を見ると、最寄駅距離が 200m の範囲では設置率が 3 割弱なのに対し、

200~400m の範囲内は 6 割弱、400m 以降ではさらに大きく設置率が減少する傾向がみられた。

店舗面積 2 万 5 千㎡程度までは立体駐車場の設置率と店舗面積がほぼ比例関係にあるが、

それ以降は大幅に落ち込む傾向がみられ、ある程度の規模を超えた自動車利用を前提とし た店舗や高層の店舗では立体駐車場は採用されにくい現状が確認できた。このように第 3 章では空間構成と各指標の関係性を考察する事で、商業施設の空間構成に影響を与える要 素を分析し、各施設の特徴を明らかにした。

第 4 章ではこれまでの分析結果を踏まえ、本論文の総括を行うとともに、今後の課題を 示す。現段階での課題として調査範囲が一定地域に限られている点、店舗面積が 5000 ㎡を 下回る店舗へ調査を拡大すべきである点などが挙げられる。

(5)

目次】

1.本研究の背景と目的 ... 4

1-1.研究の背景 ... 5

1-2.既往研究及び本研究の目的 ... 6

1-3.本研究の構成 ... 7

2.東京都市圏における移動構造と商業特性の関係 ... 8

2-1.調査概要及びデータの取り扱いについて ... 9

2-2.研究の目的及び徒歩選択率の定義 ... 9

2-3.東京都市圏における徒歩選択率の特徴と時系列変化 ... 10

2-4.東京都市圏の商業特性 ... 15

2-4-1.東京都市圏の商業統計値 ... 15

2-4-2.地区毎の商業統計値の時系列変化 ... 16

2-5.東京都市圏における来訪手段と商業特性の関係 ... 20

2-5-1.徒歩トリップ数、自動車トリップ数、合計トリップ数と商業の関係 ... 20

2-5-2.徒歩選択率と商業の関係 ... 24

2-6.小括 ... 24

2-6.東京都、神奈川県における移動構造の時系列変化 ... 26

3.実地調査による大型商業施設の空間構成分析 ... 28

3-1.調査方法 ... 29

3-2.空間構成要素の分類と定義 ... 31

3-3.各指標の定義 ... 33

3-4.統計的検定方法(赤池情報量規準) ... 33

3-5.分析結果 ... 34

3-5-1.徒歩選択率と空間構成の関係 ... 34

3-5-2.最寄駅距離と空間構成の関係 ... 36

3-5-3.業態と空間構成の関係 ... 39

3-5-4.開設年と空間構成の関係 ... 41

3-6.小括 ... 43

4.まとめ ... 44

4-1.まとめ ... 45

4-2.本研究の課題 ... 47

4-3.提言 ... 47

【参考文献】 ... 48

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1.本研究の背景と目的

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1.研究の背景と目的

1-1.研究の背景

近年、日本全国で中心市街地の衰退や商店街のシャッター通り化などの問題が議論とな っている。その原因はモータリゼーションの発達、中心地からの人口流出、少子高齢化、

景気の減衰など多岐に渡る複合的な要因があると考えられており、中心市街地活性化のた めの取り組みは全国各地で行われているが、成功例は少ない。そのような多数の要因の中 でも近代以前には見られなかった大型商業施設の登場は大きなインパクトを持っていると 言われており、ショッピングモールや飲食店、映画館などが入る複合型の施設が多く、広 大な駐車場を備えており、大規模な商圏をターゲットとしている。平成10年には大規模小 売店法が廃止され、現行法である大規模小売店立地法が施行された。この法改正は実質的 には大型店に対する規制緩和であり、各地で大型資本を持つ大規模店舗が出店攻勢をかけ ており、かつての駅前商業集積地にもこのような自動車利用者を対象とした大型店舗が多 数みられるようになっている。

写真 1-1 駅前に立地する巨大ショッピングセンター

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1-2.既往研究及び本研究の目的

前節で述べた商業施設の現況については多様な研究が行われている。

例えば讃岐1)らは大型ショッピングセンター(以下SC)のアクセシビリティを中心市街 地と郊外で対比し、立地ポテンシャルと商業施設立地が密接に関係し、人口分布の変化と ともに、消費者の距離に対する抵抗低下が立地郊外化の一因であると分析しており、これ はモータリゼーション発達によって大型商業施設の立地が今までの駅前商業集積地から大 きく変化、移動している現状を端的に示している。また藤永2)らは地域における交通手段選 択の特徴と商業施設の規模や配置がどのような関係を持つのかを論じており、都心からの 距離、つまり移動の発生量や主要交通手段の違いによって地区内の店舗の数や規模が明確 なパターン持っている事を明らかにしている。これら 2 つの既往研究は広域的な視点から 商業施設の立地と来訪手段に深い関係がある事を示唆するものである。

対して商業施設の敷地内に絞った観点から分析を行っている既往研究も多くある。例え ば山道ら3)は、関東地方の店舗面積が数万㎡を超える大規模SCに着目し、ボリュームの種 類やエントランスと外部空間の関係、立体駐車場に付加される要素などから SC の建築的 特徴を明らかにしている。土岐ら4)は茨城県における郊外型SCの駐車場に着目した空間構 成分析を行っており、駐車場の単位数や駐車場の周辺環境を合わせて分析する事で、その 特徴を明らかにしている。また村岡ら5)は福岡市内において大型商業施設の周辺道路と入口 配置、車両出入口に着目し、店舗及び敷地の形態、出入り口の類型化を行う事で、大型店 舗の立地する条件や駐車場位置と出入り口位置には相関関係がある事を明らかにしている。

以上の既往研究から、広域的な商業施設の立地と、狭域的な敷地内の空間構成には深い 関係がある事が示唆されるが、その事を明らかにしている研究はみられない。また、既往 研究は数万㎡単位の大規模商業施設、もしくは地方都市を対象としたものであり、大都市 において、鉄道利用者が主である中心的市街地から自動車利用者が主である郊外に遷移す る中間地域を対象にした研究は少ない。しかし大都市周縁の自動車利用者・鉄道利用者が 入り混じる中間地域は、先に述べたように、まさに大型店舗が出店攻勢をかけている地域 であると言える。このような地域において、商業施設の空間特性をその立地と関連付けて 把握することは、大都市における商業施設の将来計画を考える上で非常に重要な知見をも たらすと期待できる。

以上を踏まえ、本研究では鉄道、徒歩、自転車などの近距離的な来訪手段と自動車など の遠距離的な来訪手段の利用者数が連続的に変化する東京周縁の市街地を対象とし、大型 商業施設の構成の違いを来訪手段の違いに着目して分析することによって、商業施設の空 間構成と来訪手段の関係を明らかにする事を目的とする

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1-3.本研究の構成

1章では研究に至る背景と目的について述べた。以下に2章以降の本論文の構成を示す。

2 章では東京都市圏における移動構造及び商業特性、さらに双方の関係について述べる。

来訪手段と商業の時系列的な変化を分析する事で、広域的な視点から商業施設の現況を把 握する。続く3章では 2章での結果から、鉄道利用者が中心の大都市と自動車利用者が中 心の郊外の中間地域、つまり双方の利用者が混在する地域を一部選定し、実地調査を行う。

実地調査の結果から商業施設の空間構成に重要であると思われる部分を分類し、最寄駅距 離、徒歩選択率などとの関連から狭域的な空間構成と広域的な立地条件との相関を確認し、

来訪手段が空間構成に与える影響を分析する。終わりに第 4 章では今までの考察を受けて 得られた知見をまとめ、来訪手段と空間構成にどのような関係があるのか概観を述べ、ま た本研究で得られた今後の課題に言及する。

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2.東京都市圏における移動構造と商業特性の関係

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2.東京都市圏における移動構造と商業特性の関係性

2-1.調査概要及びデータの取り扱いについて

前章より、移動構造と商業特性には深い関係がある事が示唆されている。そこで本章で は来訪手段と空間構成を分析する前段階として、パーソントリップ調査(以下PT調査)お よび商業統計を用いて、東京都市圏(島嶼部を除く東京都、神奈川県、埼玉県、茨城県南 部。パーソントリップ調査の地域区分による)における広域的な移動構造と商業特性、及 び双方の関係を明らかにする。

PT調査は昭和63年、平成10年、平成20年の移動目的が買い物もしくは総計の集中量 を用い、昭和63 年のものについては平成10年の地域区分を元に変更があった地域のトリ ップ数を面積按分した。PT調査は調査対象地域を1~6分割した計画基本ゾーンのデータ を使用し、商業統計では市区町村のデータを使用した。商業統計は各都道府県の HP より 入手できるものを使用した。双方を比較する際はPTの調査年度と最も近い平成11年度と 平成19年度の商店数、年間販売額、売り場面積を用い、市区町村と計画基本ゾーンで区分 が異なるため、計画基本ゾーンのトリップ数を市区町村に合わせて面積按分もしくは単純 合算した。

2-2.研究の目的及び徒歩選択率の定義

移動構造の特徴を把握するため、藤永ら2)の研究で使用されている鉄道選択率を参考とし、

本研究に合わせて徒歩選択率として算出した(図 2-1)。鉄道選択率とは全交通手段に対す る鉄道のトリップ数の比率を表したものであり、移動目的は全目的を使用している。本研 究では来訪手段として自動車と徒歩による移動を対比して捉えるため、徒歩選択率を用い、

鉄道以外の交通手段として路線バス・都電、自転車、徒歩を加えた。徒歩選択率とはPT 調 査の交通手段の内、鉄道・地下鉄、路線バス・都電、モノレール・新交通、自転車、徒歩 の合計トリップ数(以下徒歩トリップ数)と乗用車、軽乗用車、自動二輪車、原付の合計 トリップ数(以下自動車トリップ数)の総計に対する、徒歩トリップ数の割合を算出した ものである。また以下、徒歩選択率の割合の逆数を自動車選択率と呼ぶ。また同様の目的 から全交通手段に対する比率ではなく、徒歩的な交通手段と鉄道的な交通手段の総計に対 する、徒歩的な交通手段の比率として算出した。また分析に応じて移動目的は買い物、全 目的を使い分けている。

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2-3.東京都市圏における徒歩選択率の特徴と時系列変化

2-2に東京都市圏における自動車鉄道網を、図 2-3、2-4、2-5に昭和 63 年、平成 10 年、平成20年の移動目的が全目的である徒歩選択率を、図2-6、2-7、2-8に昭和63 年、

平成10 年、平成20年の移動目的が買物である徒歩選択率を示す。なお図中に赤で示され ている部分はトリップ数が0である地域、もしくは調査範囲外の地域である。

調査年代、移動目的によらず、全体的に都心から離れるに従って徒歩選択率は減少して いく傾向がある。これは都心部から郊外にかけて自動車のトリップ数は緩やかに減少して いるのに対し、徒歩のトリップ数が急激に減少しているためである。また徒歩選択率は都 心から同心円状ではなく、左に長い楕円状に減少している。これは鉄道路線網の配置に関 係しており、東京西側の立川などから都心に向けて通勤や買い物に向かう移動が多いため と考えられる。

時系列変化に着目すると、移動目的によらず、昭和 63年から平成20 年まで徒歩選択率 は減少傾向にある。特に都心から離れた地域では減少傾向が顕著である。全行動では、昭 63年にはほとんどの地域で徒歩選択率が優位であったものが、平成10年には都心部周 辺を除く地域で自動車選択率が優位となり、平成20年ではほとんどが自動車移動となって いる。買い物行動では昭和 63 年にはほとんどの地域で徒歩利用者が圧倒的優位であるが、

平成20年には都心部を除く多くの地域で徒歩・自動車が同程度選択されるようになってい る。全行動では通勤・通学のトリップ数が多数を占めるため、その影響が大きく、平成 20 年現在、都心部及びその周辺部では買い物行動、通勤通学行動の双方において、徒歩選択 率が圧倒的に優位であり、その時系列による変化は少ないと言える。しかし都心部からの 距離と比例して自動車が選択される割合が大きくなる。特に通勤・通学では都心及びその 周辺部を除いてほとんどの地域で自動車が選択されている。

(13)

図 22-1 徒歩トトリップ及び

図 2-2 東京

び自動車トリ

京都市圏にお

ップ、徒歩選

おける鉄道網

選択率の算出

出方法

(14)

図 2-3 東京都市圏における徒歩選択率(S63、目的:全行動)

図 2-4 東京都市圏における徒歩選択率(H10、目的:全行動)

選択率 (%)

選択率 (%)

(15)

図 2-5 東京都市圏における徒歩選択率(H20、目的:全行動)

図 2-6 東京都市圏における徒歩選択率(S63、目的:買い物)

選択率 (%)

選択率 (%)

※赤い部分はトリップ数が 0、もしくは調査範囲外の地域

※赤い部分はトリップ数が 0、もしくは調査範囲外の地域

(16)

図 2-7 東京都市圏における徒歩選択率(H10、目的:買い物)

図 2-8 東京都市圏における徒歩選択率(H20、目的:買い物)

選択率 (%)

選択率 (%)

※赤い部分はトリップ数が 0、もしくは調査範囲外の地域

※赤い部分はトリップ数が 0、もしくは調査範囲外の地域

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2-4.東京都市圏の商業特性

本節では東京都市圏に商業特性(商業の動向)をつかむため、商業統計を用いて小売業 における商店数、年間販売額、売り場面積を確認する。

2-4-1.東京都市圏の商業統計値

2-9に昭和57年を100とした時の各商業統計値の時系列変化を示す。各値は各都道府 HPで公開されているものを用い、東京都市圏に含まれる東京都、神奈川県、千葉県、

埼玉県、茨城県の値を単純合算したものを使用する。

バブル景気が始まる昭和61年までは年間販売額は増加傾向にあるものの、売り場面積は 横ばい、商店数は減少傾向にある。バブル景気が始まると売り場面積が増加傾向に転じ、

商店数もほぼ横ばいを維持している。バブル景気が終わる平成3年になると販売額は横ば いに転じ、商店数は再び減少傾向に戻っている。その後、商店数は平成9年から平成11 にかけて再び横ばい傾向に戻るものの、平成10年の大店法の改正(実質的な大規模店舗へ の規制緩和)などの影響もあり、再び減少傾向に戻っている。PT 調査の調査年代と最も近 い昭和63年から平成19年に着目すると、売り場面積が増加しているにも関わらず年間販 売額はほぼ横ばいであり、商業施設の淘汰競争が起こっている様子が読み取れる。また同 時期には売場面積が増加しているのに反して商店数は減少傾向にあり、商業施設が大型化 していることが分かる。商業施設の大型化は各店舗の商圏の拡大、つまり対象とする層が 自動車利用者に移行している事を意味しており、これは前節で述べた都心から離れた地域 での徒歩選択率の減少と一致する現象であると言える。

図 2-9 昭和 57 年を 100 とした時の各商業統計値の時系列変化 60.0

80.0 100.0 120.0 140.0 160.0 180.0

S57 S60 S63 H3 H6 H9 H11 H14 H16

商店数 年間販売額 売場面積

バブル景気 大店法の改正

(18)

2-4-2.地区毎の商業統計値の時系列変化

2-10から図2-15に、東京都市圏における平成11年及び平成19年の地区面積当たり の各商業統計値を示す。

全体的な傾向として、売り場面積は増加、事業所数及び年間販売額は減少傾向である。

売り場面積を見ると、急激な変化を見せている地域は少ないが、特に都心から北部から 西部にかけて、特に埼玉県で売り場面積が増加していることが分かる。またそれ以外の地 域でも売り場面積が微増している部分がいくつか見られ、全体的に増加傾向である。

事業所数を見ると、平成11年から平成19年にかけて、都心部に向かって同心円状に事 業所数が減少しており、東京区部でも減少傾向となっているところが多い。

年間販売額を見ると、都心部及びその周辺部ではほとんど変化が見られないが、都心部 から距離が離れた地域では減少傾向が大きい。特に神奈川県西部、千葉県西部では減少傾 向が大きい。

基本的に都心部では商業統計値の時系列変化は少ないが、事業所数については都心の一 部でも減少傾向が見られ、東京都市圏全域で店舗が大型化していることが分かる。

(19)

図 2-10 東京

図 2-11 東京

京都市圏の単

京都市圏の単

単位面積当た

単位面積当た

たりの売り場

たりの売り場

場面積(H11)

場面積(H19)

(20)

図 2-12 東

図 2-13 東

東京都市圏の

東京都市圏の

の単位面積当

の単位面積当

たりの事業所

たりの事業所

所数(H11)

所数(H19)

(21)

図 2-14 東京

図 2-15 東京

京都市圏の単

京都市圏の単

単位面積当た

単位面積当た

たりの年間販

たりの年間販

販売額(H11)

販売額(H19)

(22)

2-5.東京都市圏における来訪手段と商業特性の関係

本節では前節までの移動構造(徒歩選択率)及び商業特性それぞれの分析に続き、双方 の関係を明らかにするため、PT調査と商業統計のデータを関連付けた考察を行った。

来訪手段の指標として、PT調査の項目は目的が買い物の集中量を用い、市区町村面積で 除した単位面積当たりのトリップ数を2-2.で述べた徒歩トリップと自動車トリップ、及びそ れらを合計した合計トリップ数として扱った。また前節で用いた小ゾーンにおける徒歩選 択率も用いた。徒歩トリップ数と自動車トリップ数は大幅に数値が異なるため、比較の際 にはその点に留意する。

商業特性の指標としては前節と同様に売り場面積、年間販売額、事業所数を市区町村面 積で除した単位面積当たりの値を使用した。比較の際は商業統計における平成11年のデー タをPT調査の平成10年のものに、平成19年のものを平成20年のものに対応させ、以下 では平成10年、20年と表記する。

2-5-1.徒歩トリップ数、自動車トリップ数、合計トリップ数と商業の関係

2-16~図2-33に各年の徒歩トリップ、自動車トリップ、合計トリップ数と売り場面積、

事業所数、年間販売額それぞれの関係を示す。

徒歩トリップ、合計トリップと各商業統計値の相関を見ると、売り場面積、事業所数、

年間販売額のそれぞれで決定係数が0.8前後もしくはそれ以上の値を示しており、トリップ 数に比例して各指標が増加していることが分かる。特に売り場面積では全ての決定係数が 0.94と非常に高い値を示しているが自動車トリップについては決定係数が低い。これは自 動車トリップ数が少ないが、徒歩トリップが非常に多い渋谷、新宿などの巨大ターミナル 駅が含まれる地域の影響である。しかしそのような特異な駅を含む地域を除けば、自動車 トリップもある程度は売り場面積、事業所数、販売額ともにある程度の比例関係にあると 言える。

売り場面積とトリップ数の関係をみると、平成10年と20年で徒歩トリップ、合計トリ ップには顕著な差異はみられない。しかし自動車トリップ数が400/㎢以降に着目すると、

売り場面積が5000㎡/㎢を超える地域が大幅に増加している様子が見られ、自動車利用者 を想定した大型店舗出店の影響が見られる。

事業所数とトリップ数の関係を見ると、徒歩トリップ、合計トリップ数2000/㎢以降では 事業所数が加速度的に上昇しており、トリップ数がある程度高い地域に商業施設が数多く 出店される傾向がある。また平成10年と平成20年を比較すると、自動車トリップ数が600/

㎢以降の地域が平成20年では大きく増加しており、売り場面積と同様に自動車利用者を想 定した大型店舗出店の影響が見られる。

販売額とトリップ数の関係を見ると、自動車トリップ数は販売額が高い地域では減少し、

低い地域では増加していることが分かる。この事から、徒歩トリップの多い都心の巨大駅 前集積地では自動車利用が減り、都心から離れた地域では郊外大型店舗の出店によりトリ ップ数が増加している事が読み取れる。

(23)

図 2

図 2

図 2

2-16 徒歩ト

2-18 自動車

2-20 合計ト

トリップと売

車トリップと

トリップと売

売り場面積(H

と売り場面積

売り場面積(H

H10) 図 2

積(H10) 図 2

H10) 図 2-

2-17 徒歩

2-19 自動車

-21 合計ト

トリップと売

車トリップと

トリップと売

売り場面積(

と売り場面積

売り場面積(H H20)

積(H20)

20)

(24)

図 2-

図 2-

図 2-

-22 徒歩ト

-24 自動車

-26 合計ト

リップと事業

トリップと事

リップと事業

業所数(H10)

事業所数(H1

業所数(H10)

) 図 2

10) 図

) 図 2

2-23 徒歩

図 2-25 自動

2-27 合計

トリップと事

動車トリップ

トリップと事

事業所数(H2

プと事業所数

事業所数(H2 0)

(H20)

0)

(25)

図 2-

図 2-

図 2-

-28 徒歩ト

-30 自動車

-32 合計ト

リップと年

トリップと年

リップと年

間販売額(H

年間販売額(

間販売額(H

10) 図

(H10) 図 2-

10) 図

2-29 徒歩

-31 自動車

2-33 合計

トリップと

車トリップと

トリップと

年間販売額

年間販売額

年間販売額 (H20)

(H20)

(H20)

(26)

2-5-2.徒歩選択率と商業の関係

2-34から図2-39に各年の徒歩選択率と各トリップ数の関係を示す。

売り場面積、年間販売額と徒歩選択率の関係を見ると、各年とも徒歩選択率90%周辺ま では徒歩選択率が増加するに従って線型的に増加しており、そこを超えると売り場面積

20000㎡/㎢、年間販売額200億円/㎢を超える地域が急増する。事業所数に関しては各年で

幾何級数的な増加を見せ、徒歩選択率60~70%周辺から大幅な増加が見られる。

時系列的な変化を確認すると、各指標で平成10年から平成20年にかけて徒歩選択率が 20%以下の地域が増加しており、自動車利用者が増加していることが分かる。また年間販売 額、事業所数では全体的に減少傾向、反対に売り場面積は増加傾向が見られる。

売り場面積に着目すると、平成20年になると徒歩選択率30~60%周辺で売り場面積が 5000㎡/㎢を超える地域が見られるようになり、徒歩及び自動車双方を利用する地域におい て売り場面積が増加していることが分かる。

年間販売額に着目すると、平成10年では徒歩選択率70%前後の地域にいくつか年間販売 額が高い地域が見られるが、平成20年にはそのような地域がなくなり、「徒歩選択率が高 い地域は売り上げが高い」という関係から外れた地域はほとんど見られなくなっている。

2-6.小括

本章では広域的な視点から商業施設の現況を把握するため、商業統計を用いて小売業の 時系列変化を、PT調査を用いて移動構造の時系列変化を分析し、それらの関係を考察した。

昭和63年から平成20 年にかけ、買い物行動における移動構造は、都心部ではあまり変 化がないものの、都心部から離れた地域では鉄道などの徒歩的な来訪手段から自動車など に徐々に移行していることを確認した。合わせて同時期の商業では商店数の減少と売場面 積の増加により店舗の大型化、つまり商圏の拡大は東京都市圏全域で進んでおり、自動車 利用者増加と一致する変化が起きている事が分かった。

また両者の関係を分析すると、売上高が非常に大きい地域は徒歩利用者が大部分を占め る地域のみに、売り上げが少ない地域では自動車利用者が増加しており、来訪手段の違い によって商業施設に異なる時系列変化が起きている事を確認した。

(27)

2-34 徒歩

2-36 徒歩

2-38 徒歩

選択率と売

選択率と事

選択率と販売

り場面積(H1

業所数(H10

売額(H10)

10)

図 2-35 徒

図 2-37

図 2-39 徒

徒歩選択率と

徒歩選択率

徒歩選択率と

売り場面積

と事業所数

と販売額(H2 (H20)

(H20)

0)

(28)

2-6.東京都、神奈川県における移動構造の時系列変化

本節では次章で行う実地調査範囲の移動構造を把握するため、東京及び神奈川に範囲を 絞って分析を行う。PT調査は計画基本ゾーンを数分割した小ゾーンを用いた。商業におけ る移動構造を分析するため、移動目的は買い物とした。

2-40~図2-42に昭和63年、平成10年、平成20年の徒歩選択率を示す。各年とも鉄

道路線が網の目状に張り巡らされた東京都心部では徒歩選択率がほとんどの地域で 80%

以上と高い値を示しており、都心部での時系列による徒歩選択率の変化はあまり見られず、

特に昭和60年はほとんどの地域で自動車が圧倒的多数である。しかしJR南武線以南では 徒歩選択率の低下が表れ始め、JR相模線以西の地域では各年毎に徒歩選択率が大きく落ち 込んでいる様子が見られる。

平成 20 年に着目すると、南武線以北ではほぼ全ての地域で 60~70% 以上が徒歩利用者 なのに対し、以南では50% を下回る地域があり、徒歩利用者数と自動車利用者数が入れ替 わる、徒歩選択率が50% 前後の地域は、八王子駅、高幡不動駅、あざみ野駅の周辺からみ られるようになる。JR南武線とJR 相模線に挟まれた地域では選択率が50% 程度の地域 50% を上回る地域が混ざり合っており、駅周辺ではほとんどが徒歩利用者、駅から離れ た地域、もしくは駅が立地していない地域では徒歩利用者と自動車利用者がほぼ同数であ る。本研究の目的は徒歩利用者と自動車利用者が入り混じる地域における空間構成を分析 する事にある。そのため次章以降の実地調査ではこの範囲に含まれる一部地域を調査対象 とする。

図 2-40 東京都、神奈川県の徒歩選択率(S63、目的:買物) 選択率 (%)

JR南武線

JR相模線

※赤い部分はトリップ数が 0 の地域

(29)

図 2-41 東京都、神奈川県の徒歩選択率(H10、目的:買物)

図 2-42 東京都、神奈川県の徒歩選択率(H20、目的:買物) 選択率 (%)

JR南武線

JR相模線

選択率 (%)

JR南武線

JR相模線

※赤い部分はトリップ数が 0 の地域

※赤い部分はトリップ数が 0 の地域

(30)

3.実地調査による大型商業施設の空間構成分析

(31)

3.実

本章 分析の われ を分析

3-1 す。調 線(町 対象 フラが れてい 施設の 舗を抽 地調査 内、i 対象店 を記入

実地調査に

章では大型商 の結果から対 る指標との相 析する。

1.調査方法

3-1に実地調

調査対象範囲 町田~狛江)

とした。この が整備されな いる地域であ の内、2013 抽出し、調査 査を行い、各

id26の店舗

店舗周辺の地 入する形で行

による大型

商業施設の空 対象地域を絞 相関を見るこ

調査での調査 囲は京王相模

)に囲まれた の範囲は東京 ながらも自動 ある事が図3

年度版の大型 査対象店舗と 各店舗の出入 については 地図を調査シ 行った。

型商業施設

空間構成を分 絞り、実地調 ことで、空間

査範囲及び対 模原線(調布 た範囲とし、

京都多摩地域 動車利用が活

3-1の徒歩選

型小売店総覧 とした(表3 入口位置、駐 閉店していた シート(巻末

3-1 調査対

設の空間

分析するため 調査を行う。

間構成がどの

対象施設の位 布~橋本)、J 路線外側1 域から神奈川 活発な、自動 選択率(H20

6)を用いて 3-1)。2012 駐車場位置、

たため、分析 末資料参照)

対象地域及び

構成分析

め、前章まで その上で空 のような要因

位置を、表3-

JR横浜線(

1kmまでの範

川県をまたぎ 動車と鉄道な 0)から分か て店舗面積が

1117 階層数など 析から除外し

としてまと

び対象施設位

での移動構造 空間構成と関 因によって決

1に調査対象

(橋本~町田 範囲、及び路 ぎ、鉄道など などの公共交 る。この地域

5000m2

日から21 どのデータを

した。実地調 とめ、その上

位置

造及び商業特 関係している 決定されてい

象施設の一覧 田)、小田急小 路線内側の店 どの公共交通 交通が双方利 域に立地する 上である全 日までの期間 を得た。57

調査はyahoo

上に入口位置 特性の ると思 いるか

覧を示 小田原 店舗を 通イン 利用さ る商業

57

間で実 店舗の

oより

置など

(32)

表 3-1 調査対象店店舗一覧

(33)

3-2 実地 に分類 ィ、地 のア 背側面 に隣接 様の観 主要な ある場 されて くは背 複数の

2.空間構成要 地調査の結果 類を、写真3 地下、屋上、

クセスにとっ 面駐車場、

接する立体駐 観点から、接 な出入口は調 場合は各店舗 ている出入 背側面駐車場 の空間構成要

要素の分類と 果から、村岡

3-1に各分類

、別敷地駐車 ってどのよ ピロティ及び 駐車場のみ立 接道出入口は 調査時に確認 舗の店舗We 口とした。主 場とし、主要 要素を持つ店

と定義 岡ら5)の研究 類の店舗例を 車①及び②の うな影響を与 び地下駐車場 立体駐車場と は主要出入口 認した頻繁に

ebサイトで

主要出入口と 要出入口より 店舗は要素の

図 3-2

究を参考とし を示す。村岡 8 つに分類

与えるのかと 場を店舗下部 として分類し 口が接道して に使用されて 店舗写真を確 と同一階にあ り下階にある の設置有無を

空間構成要

し、空間構成 岡らは駐車場 類している。

という観点の 部駐車場、別 し、その他は ているかどう ている最も間 確認し、正面 ある駐車場に る駐車場は下 をそれぞれ個

素の分類

要素の分類 を前面、側面

。本研究では の元、側面及 別敷地駐車場 は駐車場なし うかによって 間口が広い出 面と捉えられ については前 下部駐車場と 個別に計上し

を行った。図 面、裏面、ピ は駐車場が歩 及び裏面駐車 場①及び②は しとした。ま て分類を行っ 出入口とし、

れている面に 前面駐車場、

として分類し した。

3-2 ピロテ 歩行者 車場を は店舗 また同 った。

複数 に設置 もし した。

(34)

前面駐車場 背側面駐車場

立体駐車場 上部駐車場

下部駐車場 主要接道出入口

写真 3-1 各空間構成要素例

(35)

3-3.各指標の定義

空間構成との関係を見るため、徒歩選択率、最寄駅距離、業態、店舗面積、開設年の各 指標を用いた。徒歩選択率は前項で用いた平成20年度の小ゾーンでの選択率用いて、各小 ゾーンのデータを商業施設に対応させた。最寄駅距離は各商業施設の最寄駅からの距離を

Google の徒歩経路検索を用いて算出した。業態、店舗面積、開設年は大型小売店総覧に記

載されているものを参考とした。業態はスーパーと食品スーパー、百貨店と寄合百貨店を 合算して計上し、ホームセンター、専門店、百貨店、スーパー、ショッピングセンターの5 つに分類した。店舗面積および開設年については大型小売店総に記載されているものをそ のまま使用した。

3-4.統計的検定方法(赤池情報量規準)

空間構成と各指標の関係を分析するに当たり、一部に赤池情報量規準(以下AIC)を用 いた。最寄駅距離を用いたAICの計算方法を図3-3に示す。表中のk,l,m,n,K,L,M,N,Tは各 空間構成要素設置の有無と最寄駅距離の区分によって求められた店舗数を示す。この時、

最寄駅距離によって要素の設置傾向が異なると想定した場合のAICmodel(1)で、異なら ないと想定した場合のAICmodel(0)で計算され、model(1)がmodel(0)を下回ると最寄駅距 Xm以下と(X+1)m以上で設置傾向が異なると判断できる。坂元ら7)によればAICの値 の差が1~2程度以上であればAICの値の差は有意であると言えるため、AICの値の差が1~2 以上であるかどうかにも留意する。この計算方法は図中の最寄駅距離を他の指標に代替し ても使用可能である。

図 3-3 赤池式情報量規準(AIC)の算出方法 有り Xm 以下

(X+1)m 以上 合計

無し 合計

k l M

m n N

K L T

model(0)=-2{Klog(K/T)+Llog(L/T)}+2*1

・最寄駅距離によって要素の設置傾向が異ならないと想定した場合の AIC

・最寄駅距離によって要素の設置傾向が異なると想定した場合の AIC model(1)=-2{klog(k/M)+llog(l/M)+mlog(m/N)+nlog(n/N)}+2*1

店舗を右図のように最寄駅距離と要素設置 の有無で分類した時の店舗数

k,l,m,n,K,L,M,N,T

(36)

3-5 本節で の空間

3-5 徒歩選 化させ 向の差 背側面 してお 無だけ る商業 載り入 各空 する 傾向、

接道出 構成に

5.分析結果

ではそれぞれ 間構成がどの

5-1.徒歩選択

3-2に徒歩選

選択率20%

せた時の各空

3-2の結果よ

差が見られた 面駐車場及び おり、80%

けでは、その 業施設は20 入りする大規 空間構成要素 もの、減少す

、店舗下部駐 出入口と駐車 に大きく影響

れの指標間に のように決定

択率と空間構 選択率10%毎

%毎の各空間 空間構成要素 より、7つの た。下部駐車 び駐車場設置

を境に設置傾 の駅の規模に

0店舗中17

規模な駅のい 素を個別に確 するもの、傾 駐車場は傾向 車場設置の有 響する空間構

表 3-2

にどのような 定されている

構成の関係 毎の各空間構 構成要素の設 素の設置店舗 の空間構成要 車場は60%、

置の有無は8 傾向が変化す に深く関係し 店舗、8割以 いずれかを最 確認すると、

傾向がはっき 向が見られず 有無は増加ま 構成要素であ

徒歩選択率

な関係がある るのかを考察

構成要素設置 設置率の変化 舗数を示す。

要素全てでA 上部駐車場 80%、立体駐 するものが多 しており、徒 以上の店舗が 最寄駅として 徒歩選択率 きりしないも ず、それ以外 または減少の あることが分

率毎の各空間

るのかを検討 察する。

置の有無によ 化を、表3-3

AICの差の最

場は70%、主

駐車場は90%

多い。徒歩選 徒歩選択率が が調布、橋本 ていた。

率の増加に伴 ものに分かれ 外の要素は減 の傾向が顕著 分かる。

構成要素の

討することで

よるAICの結 3に徒歩選択

最大値が2 主要接道出入

%を境として 選択率は地域

80%を超え

本、町田駅と

伴って設置率 れた。主要接 減少傾向とな 著であり、徒

AIC 結果

で、大型商業

結果を、図3 択率を10%毎

を上回り、設 口、前面駐車 て設置傾向が 域内の鉄道駅 える地域に立 いう複数路

率が一貫して 接道出入口は なった。特に 徒歩選択率が

施設

3-4 毎に変

設置傾 車場、

が変化 駅の有

立地す 路線が

増加 増加 主要 空間

(37)

図 3-4 徒

表 3-3 徒

徒歩選択率毎

徒歩選択率毎

毎の各空間構

毎の各空間構

成要素の設置

構成要素の設

置率の変化

設置店舗数

(38)

3-5-2.最寄駅距離と空間構成の関係

3-4に最寄駅距離200m毎の各空間構成要素設置の有無によるAIC結果を、図3-5 最寄駅距離毎の各空間構成要素の設置率変化を、表3-5に最寄駅距離を200m毎に変化させ た時の各空間構成要素の設置店舗数を、図3-6に最寄駅距離毎と各店舗の階層数の関係を示 す。表3-4AIC結果は model(1)がmodel(0)を下回る場合のみ両者の値の差を算出し、各 空間要素の最大値を太字で示している。また表3-5ではその最大値に対応する部分を太枠で 示した。

3-4の結果から、7つの空間構成要素の内6つに最寄駅距離による設置傾向の差が見ら れた。しかし背側面駐車場では全てのAICの値の差が2を下回り、店舗下部駐車場では差 が見られなかった。背側面駐車場は200m、主要接道出入口及び前面駐車場は400m、店舗 上部駐車場及び駐車場設置の有無は600m、立体駐車場は1000mを境として設置傾向が変 わることが確認できた。差が見られた6つの空間構成要素の内、立体駐車場以外の 5つで AICの差の最大値が600m以内に位置しており、立体駐車場に関してもAIC結果の最大値 である7.37とほぼ変わらない7.30という値が400mで確認できる。600mは歩行速度を分

66.7mとすると徒歩約10分の距離であり、徒歩圏内に設置傾向が変化する境目が集中し、

徒歩利用客の有無が空間構成に影響を与えている事が分かる。図14 から、600mという範 囲は 6 層以上の高層商業施設が多い範囲であり、土地の効率的利用がなされていることも 分かる。

各空間構成要素を個別に確認すると、図13より最寄駅距離が増加すると設置率も同時に 増加するもの、最寄駅距離が増加すると設置率が減少していくものに分かれる。駐車場設 置の有無、店舗上部駐車場、前面駐車場は最寄駅距離が増加すると設置率も合わせて増加 する傾向がはっきりと見られ、背側面駐車場、下部駐車場についても同様の傾向が見られ た。駐車場及び前面駐車場は最寄駅距離の増加によって主要な利用客層が徒歩利用者から 自動車利用者へ移行する事に対応している。店舗上部駐車場は24店舗の内1店舗を除いて 6層以下の中低層の店舗となっており、効率的な利用が求められ、高層店舗が多い駅前では 採用されづらいと考えられる。反対に主要接道出入口及び立体駐車場に関しては最寄駅距 離が増加すると設置率が減少する傾向が見られた。主要接道出入口に関しては最寄駅距離 の増加による自動車利用者の増加に対応しているためと考えられる。立体駐車場は約 9 が最寄駅距離600m以内に位置しており、19 店舗中18 店舗で主要接道出入口が併設され ていることから、駅前に立地した駅側が主要出入口、反対側が立体駐車場である高層の店 舗が多いことが分かる。

(39)

表 3-4

図 3-5

最寄駅距離

5 最寄駅距

離毎の各空間

距離毎の各空

構成要素の

間構成要素設

AIC 結果

設置率

(40)

表 3-5 最最寄駅距離毎

図 3-6 最寄

毎の各空間構

寄駅距離と階

構成要素の設

階層数の関係

設置店舗数

参照

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