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松本 周平 論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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松本 周平 論文内容の要旨

主 論 文

Pharmacological Preconditioning in Type 2 Diabetic Rat Hearts: The Roles of Mitochondrial ATP-Sensitive Potassium Channels and the Phosphatidylinositol 3-Kinase-Akt Pathway

2型糖尿病ラット心における薬理学的プレコンディショニング

- ミ ト コ ン ド リ ア ATP 感 受 性 カ リ ウ ム チ ャ ン ネ ル と phosphatidylinositol 3-kinase-Akt 経路の役割-

松本 周平、趙 成三、戸坂 真也、嬉野 浩行、

前川 拓治、原 哲也、澄川 耕二

Cardiovascular Drugs and Therapy 23(4):263-70 2009

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻

(主任指導教員:澄川 耕二 教授)

緒 言

心筋虚血再灌流障害に対する虚血プレコンディショニング作用は、糖尿病の存在下 で阻害されることが知られている。

ホスホジエステラーゼ3阻害薬(以下 PDE3 阻害薬)はその心収縮作用が糖尿病の 影響を受けないとされている。また、虚血前投与による心保護作用が報告されている が詳細な作用機序は明らかではなく、糖尿病モデル動物における有効性も不明である。

今回、糖尿病モデルラットである Goto-Kakizaki (以下 GK)ラットおよび非糖尿病モ デルラットを用い、PDE3阻害薬オルプリノンの心筋梗塞縮小効果および作用機序を 吸入麻酔薬であるイソフルランと比較検討した。

対象と方法

ペントバルビタール麻酔下の Wistar ラットおよび GK ラットを用い、人工呼吸下で開 胸した後、左冠状動脈起始部を閉塞し急性心筋虚血モデルを作成した。30分間の冠 状動脈閉塞の後2時間の再灌流時間を経て染色による虚血危険領域の同定の後心臓 を摘出し、虚血危険領域に対する心筋梗塞サイズの比を求めて各群間で比較した。

Wistar ラットにおいて、コントロール群(生理食塩水虚血前投与)、イソフルラン群

(1%30 分間虚血前投与)、オルプリノン群(10 ㎍/kg 虚血前投与)に加え、イソフ ルランおよびオルプリノン投与前にプロテインキナーゼ C(以下 PKC)阻害薬ケレリ スリン(5 mg/kg)、ミトコンドリア ATP 感受性カリウム(以下 m-KATP)チャンネル

(2)

阻害薬 5-hydroxydecanoic acid(以下 5-HD)(10 mg/kg)、phosphatidylinositol 3-kinase-Akt(以下 PI3K-Akt)阻害薬 LY294002(0.3 mg/kg)を投与した群に分けた。

GK ラットにおいてはコントロール群、イソフルラン群、オルプリノン群に加えオルプ リノン投与前に LY294002 を投与した群に分けた。

結 果

Wistar ラットにおいて、心筋梗塞サイズはコントロール群(59±8%)と比較してイ ソフルラン(38±11%)およびオルプリノン投与群(40±11%)で有意に低下した。一 方 GK ラットにおいてはコントロール群(58±14%)と比較してオルプリノン投与群(41

±9%)は有意に梗塞面積減少を認めたがイソフルラン群(53±11%)は有意差を認め なかった。GK ラットにおけるオルプリノンの梗塞面積縮小効果は LY294002 投与によ り消失した(58±14%)。Wistar ラットにおけるイソフルランの梗塞面積縮小効果は ケレリスリン(51±10%)、5-HD(58±9%)、LY294002(54±16%)の各阻害薬により消 失した。一方でオルプリノンの梗塞面積縮小効果は LY294002(54±17%)によって消 失したがケレリスリン(42±8%)、5-HD(40±11%)投与により阻害されなかった。

考 察

オルプリノン虚血前投与により糖尿病・非糖尿病ラット両方において梗塞面積減少 効果を認めた。一方でイソフルランでは糖尿病ラットにおける保護効果を認めなかっ た。イソフルランにおける梗塞面積減少効果は PKC、m-KATPチャンネル、PI3K-Akt を 介して発揮される一方で、オルプリノンにおいて保護効果は非糖尿病・糖尿病両方の 状態で PI3K-Akt を介するが PKC、m-KATPチャンネルとは独立して作用することが示唆 された。オルプリノンは m-KATPチャンネルとは独立して PI3K-Akt を活性化させる特異 な心筋保護作用により糖尿病心において梗塞面積縮小効果をもたらすと考えられる。

参照

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