北陸の植物 第14巻 第4号 昭和41年7月
倉田 悟 佐 渡 の 植 物(ー)
S. KURATA : Noteworthy Plants from Sado Island, Central Japan
(1).
( 1 )
モミAbies firma Srnn. & Zucc.
佐渡の北端に近い山居道でモミの直径50cm 位の中径木を1本見た。 山道の傍らで有名な山居の寺の近くでもあるので,植栽 されたものかと思われるが, この少し北lζ縦ノ木平山(372m)という山名があるから,
付近にそミの自生地があるかも知れない。北陸から東北地方の裏日本にはモミの自生が 非常に限られ,近くは長野県最北部の野尻湖畔などに見られる。
( 2 ) ホ・ノパガシワ
Quercus × niρρonica Komz.
ミズナラとカシワの雑種で,大佐渡の海岸には北日本を表徴するカシワ林が各所にあってミズナラも混生しているか ら, ホソパガ\ンワが出来易いであろう。外海府の岩谷口から真吏川にかけての沿海の岨 道lこも数本のホソパガ\ンワを見た。北見秀夫氏(1957年)の記録されたアオガシワも本
雑種である。
(3 ) アズマハンショウズル
Clematis jaρonica THuNB. var. breviρedicellata
MAKINO 北見氏は佐渡島の植物(1950年)1乙真保ー輔先生の報告からトリガタハンシ
ョウズルを, またその補遺I (1957年) 'てはシロパナハンショウズルを記録されてい る。 乙れらはその地理分布から見てアズマハンショウズルであろう。私は外海府の真更 川付近で採集した。 アズマハンショウズルはトリガタハンショウズノレとは異なり,花被 片の質が厚い。後者は房総半島以西の暖地に分布している。
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