北 陸 の 植 物 第16巻 第 3 号 昭和43年9月
初島住彦
*日本産のネジバナについて
S. HATUSIMA*: On the Japane
把Spiranthesor Ladies
’TraぽS
ネジバナは東亜から濠州まで分布する極めて分布の広いランであるがその学名もまたま ことに複雑で AMES は異名を40余りもあげてハる程である。最近北村はネジバナの学名と して
Spiranthes sinensis(PERS.) AMES
田p.
australis(R. BR.) KITAMURA (1964) を発表し,津山もヒマラヤの植物報告( 1966)でこの学名を用いている。大井は日本植物 誌(改版, 1965)で
S. sinensisAMES を用い北村の学名を異名としている。 しかしネジ バナの
一番古い有効名は C. BACKER, van STEEN IS, HoL TTUM などがいう様に
s.Iancea (THUNB.) BACKER, R. C. BAKR. et v. STEENIS in Blumea 6 (1950) 361
(Ophrys lanceaTHUNB. ex Sw. in Vet. Akad. Hand!. Stockh. 21 (1800〕223-S.sin
ensis
PERS., Syn. 2 (1807) 511)
である。上記の THUNBERG の type はジャワ産, c 基くものでこれは明らかに
S. australis
LINDL. (1824)を表わすものである。
ネジパナの花序が無毛のものと密毛のあるものとがあり無毛型のものは奄美大島以南に 有毛型のものはトカラ列島以北に分布する乙とが判ったので筆者は 1964 年奄美群島植物目 録中で ζ の無毛型にナンゴクネジバナなる新名をつけた。乙の後北村も( 1964)それに気 付き無毛型に S
sinensis 田p.
sinensisを用い奄美大島以南, 台湾, 南中国l己分布すると とを発表している。
しかしネジバナの学名としては
S. lanceaがよいということになると無毛型の学名とし ては何がよいかというととになるが, 無毛型 F: 対して発表された
一番古い変種名は
Neattia australis
β
chine棺sisLINDLEY (1822) になるようである。本変種の産地は明記さ れていないが恐らく南中国ではないかと想像する。原記載文には scapus glaberrimus, . .. Flor,出parvi, albi, erub田cens, in spica mrtili glaberrima . . . . gynizum ... . glab
rum ... 等の記載があるから, 無毛型に属するととは間違ないようである。勿論 Lou
REIRO の種類および ζ の記載にもとずく
S. sinensisAMES も無毛型と考える。 従って 無毛型の学名は次のようになる。
Spirathes Iancea (THUNB.〕B B; s. var. chinensis (LINDL.) HATUSIMA, comb.
nov.
Asistotelia spiralis
LouR. (1790)
Epidendrurn aristotelia
RAEUSCH, Nomencl. ed. 3 (1797) 522, illegitimate
Neottia sinensisPERS., Syn. 2 (1807) 511
Neottia 仰stralis
β
chinensisLINDL. in Br,t. Reg. 7 (1822) 602,
t.602
Spiranthes sinensis(PERS.) AMES, Orch. 2 (1908) 53
Spir側thes australis
var.
suishaensisHAY., Icon. Pl. Formos. 6 (1916) 86 骨鹿児
ιー大学農学部 Facult. Agric. Kagoshima Univ.
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September 1968 The Journal of Geobotany Vol. XVI. No. 3 sρiranthes aristotelia (RAEUSCH) MERR. in Philip. Journ. Sci 15 (1919 ) 230;
in Trans. Amer. Philos.Soc. 24 (1935 ) 122
Sρiranthes australis var. sinensis GAGNEP. in Lecomte, Fl. Gen. Indo-Chin. 6 (1933 ) 546
Hab. Ryukyus (southward of Isl. Amam i-Oshima), Formo回,S China, and Indo china.
This variety is easily distinguishable from the typical form by its glabrous floral axes.
ネジバナに対する一番古い学名はAristoteliasρiralis LOUR. (1790) であるがとれ を Spiranthes F:組合せることはs. ゅiralisKocK (1849)があるので駄目である。 次 に古いのはEpidendrum aristotelia RAEUSCH. (1797) と Neottia sinensis PERS.
(1807)であるが両者共にLOUR. の記載を基にしたものである。 AMES は前者は名 前だ けで記載を伴ないから無効であるといっているがMERRILL は(1935〕, RAEUSCHは氏 の学名が明らかにLOUR. の Aristotel ia sρiralis に基くものと付記しているので有効で あると述べSρ. aristoltelia (RAEUSCH) MERR. なる組合せを作っている。 しかしF.
T. HUBBARD (1937)はRAEUSCHの学名はillegittimateだとしている。 琉球列島のネ ジバナには白花品が多いがとの点もLINDLEYの記載文と一致し面白いと思う。
本研究に当り LINDLEY の原記載文の入手について東大の山崎敬博士に御世話になっ た。 ととに厚く御礼申上げたい。
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