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難   職i 紺晒曙 ll、

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Academic year: 2021

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(1)

あそびの中で子どもは何をどう考えているか 一発達のふし目を探る一

松丸令子・久保田江満子・山路純子・多田慧子

(1980年11月15日受理)

1.研究に当たって

やっと友達と係わり合って遊べるようになってきたと思っていたダィチャンは,一時友達を避け るように隅の方の机の下にもぐり込んでしまうようになった。いくら声をかけて誘って見ても,少 し遊んですぐに机の下に戻って行ってしまう。こうして1週間近くをそこで過したダイチャンが,

自分からその住み家を出て以前とは違った友達の中に加わるようになったのである。この1週間は ダイチャンの心にどんな変化を与えたのだろうか。こういったことは子供たちの遊びを観察してい ると度々遭遇する姿である。この場合,ダイチャンは自分だけの世界に閉じこもったが,子供によ ってはふらふらと歩き回って無意味な遊びを繰り返していることもある。このような時期を乗り越 えた時,新たな遊びの世界が広がる様子を見ることは大変興味深いことである。

今までは,子供の遊びへの取り組みを,深まったり広がったりする面に焦点をあてて把えてきた のだが,一見落ち込んだり又は足ぶみをしているような時にこそ,子供の心には何らかの貯めこみ がなされているのでぱないかと考えてみることにした。子供によって,違ったテンポやリズムのも

とに質停滞 伸び を繰り返してきているようである。今回は,このようなマイナス的に把え がちであっだ停滞 やq足ぶみ の時期に子供は何を考えているかを探り,心の育ちを知る手が かりとしたいと考え研究に取り組んだ。

2.一日の観察の中から

6月20日,子供が幼稚園に来てから好きな遊びに取り組む様子を記録したものである。部屋には 子供が喜んで取り組めるような場と遊具を用意し,更に遊びに必要となってきた物はその都度出し てやるようにし遊びを展開させていった。

一3歳・男児一

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(2)

田團囹は,遊びへの取り組みに不安な様子が見られる。この日も,ふらふらと歩き回ったり,友 達が遊ぶ様子を見ていたり,次々と遊びを変えている。それは,自分の安定の場を見い出そうと,

遊びを模策しているように思われる。メ蝋ンとして表わしている部分がその姿を示している。この 3名の男児は,特に蕗の行動が多いのだが,どの遊びへ誘ってみても集中して取り組むことが

ない。

一3歳・女児一

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女児は,多くの場合すっぽりと入りこんで遊ぶことが多い。しかし,その中で遊びを深めていく とは限らない。①④⑩の女児は,一見ひとつの遊びに集中して取り組んでいるように見えるが,そ の日の前後の遊びの様子と考え合わせて見ると,特に④⑩の女児については友達との係わりを避け て,自分の安定の場から周囲の様子をうかがっている状態なのである。①の女児は,その状態を脱 け出そうとしている時期であり,おもしろそうな遊びへと足を踏み出そうとしている。しかし,思 うように行かない経験もし,衝突するとすねて遊びを変えている。

このように,一日の遊びの観察の記録からも,その日の遊びが各々の子供にとって違った意味を 持っていることが分る。次々の遊びを変え,遊びの模索をしているような子供,すっぽりと入りこ んで遊びの中から周囲をうかがっている子供,次の遊びへの飛躍を試みようとしている子供……い ずれも遊びは停滞し決して心から楽しんでいるとは言えない。しかし,何日か続くこのような足ぶ みのように見える状態を経験しながら自分の内部に力が育つのを待っているように思われる。この ような時期に入っている子供をどう見守り,いつそこからの脱皮を試みさせる必要が出てくるのか,

一人一人の子供の日々の活動をよく把握しながら,長期的な視点での導き方が必要となってくると 思われる。

3.長期的に子供の育ちを探る

一日の中では把み取れない子供の育ちを,幼稚園生活3年間を通して探ってみると,子供がどの ような停滞と伸びを繰り返しているかを知ることができると思われる。私供が日々の観察記録の中 でとらえてきた足ぶみと見られる状態が,どんな意味を持つか自ずと分ってくる。

次の表は,男児田の変化してきた様子をまとめたものである。

㎜停滞やつまづきと思われる時期を示す。

魎)停滞やつまずきの時期に入るきっかけとなる行動を示す。

⊂:⊇)停滞やつまずきを乗り越えた時期を示す。

(3)

一3 歳一

4 月    5 月    6 月    7 月    9 月    10 月    11 月   12 月    1 月    2 月    3 月 昼寝をする  バスごっこ  1匡と遊ぶ  衣服の著脱が幼稚園をいや自分を強渦  おもらししな乱暴になる  ◎が休みで        安定してくる

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行動が荒い 自家中毒

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・ままごと      に入る

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・馳ご。 iカこが盛ん }

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⑭  1 かる ・不安定 る       1   好の仲間にも入1

5    1 ・泣く 1・不難 1  れるようになる

@・乱暴になる

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払4 歳一

4 月    5 月    6 月    7 月    9 月    10 月    11 月    12 月    1 月    2 月    3 月 受持ちがかわ友達と同じ服新入児1:蔓}の      反抗   すねる   「やればでき   文宇に興味をもっ    要定

り不安定  をきていくと名がでる      る」というよ

@     いう       うになる

.何もしないで[司 圃i羽 取がとれない他の子を入れ けんか 自己主張圃のまね       国囮画  圃の仲間で.

フラフラ   の仲聞で新し仲間に帽子を ない      泣く キーホル  できなか       新しい友達と タンカーごっ

」・ォまった友い子を入櫨取っておく 他の子にいば       ダーをや ったなわ     も遊ぷ  こ,し・ばるr P 達と汽車こい      る      る     とびがで

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脚 まった仲      友達の仲間意識力

フなかで遊ぶ一m鵜る        に   匡 フ が  に      し

自分の意見

「いながら,

1・模倣が多  ・ままごと   ろいうな ・心の結びつきが強くな〜璽 わる 新しい仲間とも遊ぷ

なる    ・自分の友達  の遊びに参 ・怪じゅうのやりとり でき      「ごワこ遊び」

・新入児を入  であること ・他の子に  ,ェたちの作〆     

ユつ瀕    ノ キーホルダー         をしている隅で,1

れない    を強凋      った積み木     ・基地ごっこ        の船をいば

・模傲が多くなる       人で鰻行を作り,そ

@       の中で本をよんでし

・おばけやし       る       け         る ォ       ・自分中心の

@      遊びならよ

ろこぶ@        {dl

(4)

(a)友達とうまく遊べず数多く衝突を 一5 歳一 繰り返していた。トラックで遊ぶこ 項月

4 月    5 月    6 月    7 月    9 月    10 月   11 月

とから圏男児の仲間として入りこん

で行くようになる。

(b}遊ぶうちに自分の気持ちを出せる

ようになるが,この子供はいばる行 友違にく、つ  1画と14」と 1人でエ作を 友迎が広がる 新しい友違関テーマにそっ

「ていて流さ 遊ぷ     くわしく作る グループにか係が広がる て活動するよ

動を取るので友達からはじかれ不安

7,ソラして

定な状態を続ける。自家中毒を起し

たり,すぐに泣くなど,退行的な現 C

象を示しはじめる。この間,一人に

  ノ⑳た  仲

なかで いろいろ

なり友達の遊ぶ様子を遠くから眺め

に入     仲間に入れなし

@ 、 ことで自分を出

@  せないことへの

1斐かシ1  一・工作くわしく 優ll灘

ジレンマにおち   作る

たりしていた。 いる ・1人で遊びに

儲極的にかか

(c}やっと入りこめた囮の仲間であっ わる

(e)

たが,遊びのルールが分からず再び L

衝突をする。そのうち,リーダー格

の巨]囮の模倣をすることでこの時期を脱することができた。

(d}4歳になって2度目の足ぶみの状態を迎える。この間,友達とうまくいかないという経験をす る。自分の方に友達を向かせるために物を与えることを考え,家からいろいろな物を持ってくる。

しかし,この間に出来なかったなわとびを克服し自分の力に自信を持つようになり乗り越える。

(e}5歳になり,囮のグループとどうにもうまくいかないことに気づきはじめる。自分からはじめ て囮の仲間から離れ一人になる。工作に熱中するうちに新しい友達を得るようになり,停滞の時 期を脱することができる。

このように,長い目で子供の変化していく姿を追っていくと,いくつかのつまずきを経験してい る様子を認めることができる。このつまずきは単なる停滞ではなく,次への伸びを促すために,自 分で自分の心を育てている期間として受け止めてよいのではないかと思われる。私共はこの時期を発 達の ふし目 と名づけ,その中に入りこんでいる子供の姿を 個に変える と表現することにし た。こうした鱈ふし目 をどうとらえ,いかに乗り越えさせていくかが指導していく上に大切な問 題点となってくる。

4.発達の幹ふし目 についてこう考える

子供一人一人は,非常に異った発達のリズムとテンポを持って発達をして行く。ある時期を縮め て伸びていく子供もいるが,そこには共通した発達の方向性を見い出すことができる。もとより分 っていることではあるが,その伸びはひとつの線を登っていくのではなく,ジグザグに途中で ぶみ をしながら伸びていく様子は,2年〜3年の教育期間の中でも把みとることができる。

下の図は,子供の発達の中で繰り返されている現象を特徴的に表わしたものである。

(5)

一発達のリズムー

(dl      (e}      (f)     (9}

        山)に} l l }偉/  1  1 1 1     1

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I       l      似たような現象ではあ

1発達のふし司   るが ふし目で臨

(a)………伸びが見られる時期

(b)………足ぶみしているような時期

(c)………(a)と違って伸びている時期

(d)………伸びが見られず,同じような状態を繰り返している時期

(e)………足ぶみをしたり・時には退行的な行動を見せるような時期(このような時にこそ指導が大切となる)

(f)………(d)と同じような状態の時期

@………足ぷみをしているような時期

(h)………伸びが見られる時期

(a)で順調に伸びて行った子供は,ある時ひとつの壁につき当たる。㈲の時期になると友達と係わり り合わなくなったり遊べなくなったりして,そこから脱け出ようとして苦しんだりする。そして,

何かのきっかけにより{cゆような伸びの状態を迎える。子供の生活の中には(e)のような状態も多く 認められる。(e)の前後の様子を比較すると伸びが見られず,{bX9)のようなふし目の時期とは区別し ている。

一ふし目が出てくる時期一 o 小刻みに出てくる。

何度も 個にかえる 姿を繰り返しながら伸びていく。小刻みにふし目にぶつかり,その度に 伸びも小刻みにやってくる。ふし目の時期を深く長く経験することはないが,長い目で見ていく

と,そこに内面的な伸びを見い出すことができる。

o ふし目がなかなか出てこない。

避けているわけではないが,特にぶつかることもないままに過していることがある。意図的に ふし目を作り出し,内面的な発達をさせていかなければならない場合もある。

o ふし目が長い期間続く。

ふし目と思われる時期に入りこんでいるのだが,なかなか脱け出せずにいることがある。何ら かの外的なきっかけがないと乗り越えることができない。

(6)

一ふし目と思われる時期の子供の姿一

この時期に子供の行動は,年齢によって多少の違いは見られるのだが,次のような特徴を示すこ とが多い。

個にかえる

・1人になる

・周囲の様子を見ている      ,τ芯あ要定を得る\、            、

・静的な活動に浸りきる(集中する)      ノ・今までやってい 、

・ふらふら歩き回る(遊びの模索をする)

…_

Pたことを自分妃 内面的に

・無意味のように見える遊びを繰り返す :  りに消化・吸収 1 充実する

       ㌦ する      ・衝突をする(けんかなど)      、        、

@       ・・貯めこむ   !

。泣く       、一一…1−一一一!

・甘える       ↓

ふし目を乗り越える

ふし目にぶつかった時,今までの活動のリズムを調整し,羽を休めている状態に見える。係わる ことをやめ,自分を見つめ心の中に何らかの貯めこみをして内面的な充実を待つ時期といえるよう である。

5. ま と め

今まで実践する中で見い出してきた足ぶみとも退行的とも考えられる状態を見っめ直すことによ って,そこには,子供が内面的に充実する姿を探り出すことができた。その時期にぶつかった子供 は,揺れ動きそこから脱け出そうと模索していくうちに,大切な貯め込みをして,次の発達を促す ようになるのだろうと思われる。しかし,子供たちは一人一人みな違った発達の様相を示し,異な

ったリズムを持って伸びてくるので,いかに見守り導いていくかが大きな課題である。

一喝璽 。,この子供はどんな状態にあるのだろうか一。と Oこの子供には,乗り越える手助けをしてやらねばならない。

oもう少し待とう,今,この子供は自分の力を貯えていくたあの ふらふら 現象なのだから。

Oそろそろ,この辺で ふし目 にぶつからせてもいいのではないか……など。

ともすると,私共は子供の活動そのものに心が奪われ,活動の広がりや深まり,高まりといった ものの中に子供の心の伸びを見い出そうとすることが多かった。つまり,発達の姿を一時的な現象 面からの把え方をしていたようである。一人一人の子供の一日一日の営みを基盤に,その時その時 の変化を長期的に見っめ直していく時にこそ,本当に一人一人の子供の心の育ちに合わせた教育が できるのではないかと思われる。

参照

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