エタノール中毒
監修:箕輪良⾏ JCHO東京⾼輪病院 総合診療研修顧問 上⼭裕⼆ ⽥岡病院 救急科■トップページ
#743 概要 疾患のポイント: エタノール中毒とは、エタノールを⼤量に摂取することにより、酩酊、歩⾏障害、もしくは昏 睡などの中毒症状を来した状態である。 急性エタノール中毒は、⾎中のエタノール濃度が上昇し、脳が⿇痺し現れる症状である。主な 症状は脱抑制作⽤、協調運動障害、記憶障害、昏睡などといった中枢神経症状と、⾎管拡張+ ⼆次性の脱⽔による低⾎圧と頻脈である。 診断:[ID0011] 急性エタノール中毒は、病歴と⾝体所⾒から、ほとんどの場合診断可能であるが、他の隠れた 疾患を⾒逃さないようにする姿勢が⼤切である。 意識障害の原因として、急性エタノール以外にAIUEOTIPSが有名である。またWernicke脳症 やケトアシドーシス、アルコール離脱症状などの可能性についても必ず検討すること。特に、 アルコール⾎中濃度が低いにも関わらずGCSが14点以下である場合には、意識障害の原因とし てアルコール以外のものを検索することが強く推奨される。[ID0503] エタノール⾎中濃度と中毒症状: 0.02〜0.03%:20〜30mg/dl=リラックスして頭がふらふらする 0.05〜0.06%:50〜60mg/dl=感情の表出が⾼まる 0.08〜0.09%; 80〜90mg/dl= ⾔語表出、バランスと運動協調の障害 0.1〜0.12%:100〜120mg/dl=視⼒障害:聴⼒障害:インポテンス 0.14〜0.17%:140〜170mg/dl=意識の混濁 0.2%;200mg/dl=錯乱:吐き気:嘔吐:咽頭反射の消失 0.25%;250mg/dl=重度:精神的:物理的および感覚障害 0.3%;300mg/dl=意識消失 0.35%;350mg/dl=呼吸機能低下 0.4%;>400mg/dl=昏睡:低⾎圧:低体温症:死亡 治療:[ID0014] エタノールの急性中毒に特異的な解毒薬や拮抗薬はない。まず、気道確保・補助換気といった 緊急処置が必要かどうかを判断しつつ、輸液路を確保し、輸液により脱⽔の補正を⾏う。 低体温が確認されれば、ただちに復温に努める。濡れた⾐服を脱がし、温かい⽑布でくるむ。 輸液も温める。加湿した酸素も有効である。 専⾨医相談のタイミング:[ID0017] 禁酒に関して専⾨家のカウンセリングが必要と考えられる場合、もしくは⾃殺企図がある場合 は、精神科医への紹介が必要となる。 [[Wernicke脳症]]、 [[末梢神経障害]]がある場合 は、神経内科へ紹介する。 臨床のポイント: 急性のエタノール中毒では、⾎中濃度測定が可能ならば実施する。 慢性のエタノール中毒を疑う場合、アルコール関連疾患を想定し、離脱症状の予防、ビタミン B1の補充を考慮する。 評価・治療の進め⽅ ※選定されている評価・治療は⼀例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。 ■重症度評価例 重症度評価のため⾎中アルコール濃度を評価する。 1)⾎中アルコール濃度 ■治療例 エタノールの急性中毒に特異的な解毒薬や拮抗薬はない。まず、気道確保・補助換気といった緊 急処置が必要かどうかを判断しつつ、輸液路を確保し、輸液により脱⽔の補正を⾏う。 ○ 1)にて治療を⾏う。低⾎糖を認める場合は2)と3)を、嘔気を認める場合は4)を投与する。著者のCOI(Conflicts of Interest)開⽰: 上⼭裕⼆:特に申告事項無し 監修:箕輪良⾏:特に申告事項無し 最終更新⽇ : 2016年4⽉28⽇ <<ページ末尾:#searchDetails4.aspx?DiseaseID=743>> 薬剤情報を⾒る 薬剤情報を⾒る 薬剤情報を⾒る 薬剤情報を⾒る 1)ラクテック注[500mL] 500ml 2)⼤塚糖液[50%20mL] 静注 3)アリナミンF100注 [100mg] 100㎎静注 [エチルアルコール中毒、薬物中毒症は適⽤ 外/他適⽤⽤量内/㊜ビタミンB1⽋乏症](編集部注:想定する適⽤病名「エチルアルコー ル中毒、薬物中毒症」/2015年11⽉) 4)プリンペラン注射液[10mg] 10mg静注 [エチルアルコール中毒、薬物中毒症は適⽤外/ 他適⽤⽤量内/㊜嘔吐症] 追加情報ページへのリンク エタノール中毒に関する詳細情報 エタノール中毒に関する評価・治療例(詳細) (1件) 初診時 エタノール中毒に関するエビデンス・解説 (3件) エタノール中毒に関する画像 (1件) ※薬剤中分類、⽤法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独⾃に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。 尚、⽤法は添付⽂書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。 ※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載⽇時にレセプトチェッ クソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適⽤の査定において保険適⽤及び保険 適⽤外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、⾎液製剤、全⾝⿇酔薬、抗癌剤等の薬 剤は保険適⽤の記載の⼀部を割愛させていただいています。 (詳細はこちらを参照)
エタノール中毒
上⼭裕⼆ ⽥岡病院 救急科■詳細情報
#743病態・疫学・診察
疾患情報(疫学・病態) [ID0001] エタノール中毒とは、エタノールを⼤量に摂取することにより、酩酊、歩⾏障害、もしくは昏 睡などの中毒症状を来した状態である。 急性エタノール中毒は、⾎中のエタノール濃度が上昇し、脳が⿇痺し現れる症状である。主な 症状は脱抑制作⽤、協調運動障害、記憶障害、昏睡などといった中枢神経症状と、⾎管拡張+ ⼆次性の脱⽔による低⾎圧と頻脈である。また低体温やさまざまな代謝障害(低⾎糖、乳酸ア シドーシス、低カリウム⾎症、低マグネシウム⾎症、低カルシウム⾎症、低リン酸⾎症)にな りやすい。頻度は地域によって異なるものの、15-40%の救急外来受診患者にエタノールが 同定されたという報告がある[1]。 問診・診察のポイント [ID0002] 急性エタノール中毒は、病歴と⾝体所⾒からほとんどの場合、鑑別疾患として挙げることがで きる。 しかし、⼀⾒、急性エタノール中毒にみえる隠れた疾患を⾒逃さないようにする姿勢が⼤切で ある。 急性アルコール中毒の診断において、エタノール⾎中濃度と中毒症状の関係を知っておくこと が重要である。すなわち、⾎中濃度と症状が合わない場合、ほかの疾患が隠れている可能性を 常に念頭に置きつつ診察することが必要となる。 エタノール⾎中濃度と中毒症状:0.02〜0.03%; 20〜30mg/dl = relaxed and light-headed 0.05〜0.06%; 50〜60mg/dl= emotions intensified
0.08〜0.09%; 80〜90mg/dl= impaired speech, balance and motor co-ordination 0.1〜0.12%; 100〜120mg/dl= impaired vision and hearing, impotence
0.14〜0.17%; 140〜170mg/dl = semiconsciousness, episodes of unconsciousness
0.2%; 200mg/dl = confusion, nausea, vomiting, impaired gag reflex 0.25%; 250mg/dl = severe mental, physical and sensory impairment 0.3%; 300mg/dl = involuntary loss of consciousness
0.35%; 350mg/dl = depressed respiratory function
0.4%; >400mg/dl = coma, hypotension, hypothermia, death
診断⽅針
0:想起 [ID0010] アルコール臭のする意識障害では、常に急性エタノール中毒が鑑別に挙がる。 1:診断 [ID0011] 「意識障害+アルコール臭」が、すべて急性アルコール中毒となるわけではない。 頭部外傷による頭蓋内病変([[脳挫傷/急性硬膜外⾎腫/急性硬膜下⾎腫]])や、飲酒中に偶然 発⽣した脳⾎管障害([[脳出⾎/脳梗塞/くも膜下出⾎]])、 [[糖尿病性昏睡]]や肝性昏睡 ([[肝性昏睡/肝性脳症]])、 [[尿毒症性昏睡]]、 [[アルコール性ケトアシドーシス]]、アル コール以外の薬物による中毒([[薬物中毒/薬物過量摂取]])、[[低体温症]]、その他意識障 害を呈するすべての疾患との鑑別が必要になる。 本⼈から供述が得られても、必ず友⼈などの⽬撃情報も併せて聞くこと、⾷い違っている場合 もかなりある。 2:疾患の除外 [ID0012] 病歴からアルコール摂取がないことが明らかな場合は除外できる。 ⾎中エタノール濃度が検出されない場合も除外できる。治療⽅針
3:原因疾患・合併疾患 [ID0021] 頭部外傷(頭蓋内出⾎、脳挫傷、頭蓋⾻⾻折など):頭部に外傷を認める場合は常に考慮す る。早期に頭部CT検査を⾏う。 栄養障害( [[Wernicke脳症]]):アルコールの常⽤があれば疑う。MRI T2強調画像で乳 頭体、第3・第4脳室周囲灰⽩質に⾼信号を呈するが、診断する前に、ビタミンB1投与を⾏ う。 離脱症状:病歴で疑う。アルコール離脱期であることを確認。他の脳疾患の否定。[[アルコー ル離脱症状]] 4:重症度・予後 [ID0013] バイタルサインの確認をする。 気道閉塞(の可能性)があれば、挿管を含めた気道確保を⾏う。 呼吸が弱ければ補助換気を⾏い、⾎圧低下の可能性があれば輸液ラインを確保し輸液を⾏う。 低体温が確認されれば、ただちに復温に努める。濡れた⾐服を脱がし、温かい⽑布でくるむ。 輸液も温める。加湿した酸素も有効である。 病歴聴取と⾝体診察をし、感染症の可能性を調べる。アルコール摂取によって、体温調節中枢 の働きが低下し、また、末梢⾎管が拡張するため、低体温になりやすくなっている。 5:治療 [ID0014] エタノールの急性中毒に特異的な解毒薬や拮抗薬はない。 まず、気道確保・補助換気といった緊急処置が必要かどうかを判断しつつ、輸液路を確保し、 輸液により脱⽔の補正を⾏う。 特に、意識レベル低下に伴う⾆根沈下、もしくは嘔吐による窒息に対しての気道管理に注意を 払う。 輸液で経過をみていいのか、⼊院のうえ、加療を継続するかを判断する。外来で経過をみる場 合にも、定期的に患者を診察して、バイタルサインなどをチェックする。 6:フォローアップ⽅針 [ID0015] 完全回復した急性エタノール中毒患者のフォローアップは通常必要ない。 7:難治症例の治療 [ID0019] 通常の輸液を⾏っても意識レベルが改善しない場合、本当に急性エタノール中毒だけなのかど うか、もう⼀度評価し直す必要がある。 8:治療の中⽌ [ID0016]急性エタノール中毒患者の場合は、基本的にAMA(against medical advice)にサインさせて はいけない。酔っている患者は、⾃⾝で正確に判断することができない。 9:⼊院適応 [ID0018] 輸液を1,000〜1,500ml⾏っても意識レベルの改善がみられない場合は、⼊院を考慮する。ま た、救急外来が込んでいるときや、看護師の⽬が届きにくい状況では、⼊院のうえ、病棟での 経過観察が望ましい場合もある。 10:専⾨医相談のタイミング [ID0017] 禁酒に関して専⾨家のカウンセリングが必要と考えられる場合、もしくは⾃殺企図がある場合 は、精神科医への紹介が必要となる。 慢性的な肝疾患がある場合は、消化器内科へ紹介する。 [[Wernicke脳症]]、 [[末梢神経障害]]がある場合は、神経内科へ紹介する。 消化器内科に紹介する前に確認すべき、収集すべき情報: アルコール性肝障害やアルコール性肝硬変の既往はないか 普段と最近の⾷事摂取の状況(⾷べられなくなったか、など) 普段と最近のアルコール摂取の状況(飲めなくなったか、など)
催眠鎮静薬過剰摂取 オピオイド過量摂取 ウェルニッケ脳症 イソプロピルアルコール中毒 エチレングリコール中毒 急性神経障害 低マグネシウム⾎症 低⾎糖 アルコール性ケトアシドーシス 外傷性脳損傷けいれん 離脱症候群 上腹部痛、嘔気、嘔吐、吐⾎はないか(急性胃粘膜病変、胃⼗⼆指腸潰瘍、マロリーワイ ス症候群) ⼗分⾷事をとっているか、下痢はないか(吸収不良症候群) 神経内科に紹介する前に確認すべき、収集すべき情報: ⼿⾜のしびれはあるか、あればいつからか、筋⾁の萎縮はないか(アルコールミオパ チー) 眼球運動障害、歩⾏障害、意識障害があるか(ウェルニッケ脳炎) 物忘れがひどくなったか、作話はないか(コルサコフ症候群) 眼振、筋緊張低下、⾔語障害、振戦はないか(アルコール⼩脳変性症) アルゴリズム [ID0701] エタノール中毒患者の診断アルゴリズム アルコール臭を伴う意識障害患者の診断アルゴリズムでは、バイタルサインの評価とともに他疾患の可 能性がないか検索していくことが重要となる。 1: 著者提供 ページ上部に戻る 鑑別疾患 ページ上部に戻る
最終更新⽇ : 2016年4⽉28⽇ <<ページ末尾:#actionDetails4.aspx?DiseaseID=743>> 1. 2. 3. エビデンス/解説 急性エタノール中毒患者には外傷が隠れていることがあるので、詳細にチェックする ことが強く推奨される。 詳しく⾒る アルコール⾎中濃度が低いにも関わらずGCSが14点以下である場合には、意識障害の 原因としてアルコール以外のものを検索することが強く推奨される。 詳しく⾒る アルコールと他の薬物の併⽤がある。 詳しく⾒る ページ上部に戻る 症例検索 [https://clinicalsup.jp/jpoc/SearchExternal.aspx? s=%E3%82%A8%E3%82%BF%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%AB%E4%B8%AD%E6%AF%92 症例くん]での検索(エタノール中毒) (「症例くん」は⽇本内科学会地⽅会の症例報告の検索システムです。⽇本内科学会のID、パ スワードにてアクセスしてください。) ページ上部に戻る
1: Breath analysis and self-reports as measures of alcohol-related emergency room admissions.
エタノール中毒
上⼭裕⼆ ⽥岡病院 救急科■評価・治療例(詳細)
#743 初診時 対象患者・コメントを隠す/表⽰する ※下記は、⼀部を除き、執筆者が過去に診た20⼈の患者で2⼈以上に⾏った事を羅列して頂いています。実際の1⼈の患者に ⾏った内容は、下記の⼀部分であることを了解下さい。 評価⽅針 意識障害の原因検索をする。病歴で他の薬物による中毒の可能性の否定、⾝体診察で外傷の 有無など。 緊急対応 酸素投与 対象: 酸素飽和度低下の患者(推奨度1) 気管挿管 対象: 気道確保困難の患者(推奨度1) 嘔吐が始まったらただちに側臥位にして顔を横に向ける 対象: 嘔吐の危険がある患者(推奨度1) コメント: 誤嚥の防⽌ 復温 対象: 低体温患者(推奨度1) コメント: 34℃以上を⽬標に復温 バイタルサイン バイタル(意識、⾎圧、脈拍、呼吸数、酸素飽和度、体温)、特に意識レベルの確認 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) 意識レベルの評価 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) コメント: 呼びかけ、疼痛刺激への反応を⼤まかにチェックする 気道の確認 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) 呼吸の確認 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) 酸素飽和度測定 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) 体温 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) コメント: アルコール患者には低体温が多い 診 察 アルコール臭の確認 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) コメント: アルコール臭がないか 外傷の有無の確認 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1)コメント: 外傷が疑われたらただちに頚椎保護 吐物の確認 対象: 嘔吐している患者(推奨度1) コメント: ⾎液混じりならMallory-Weiss症候群、胃潰瘍 暴⼒的または⾮協⼒的な患者の場合、注意深く何度も診察・観察する 対象: 暴⼒的または⾮協⼒的な患者(推奨度1) 問 診 本⼈、救急隊、周囲の⼈から話を聞く 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) いつから飲んでいるか 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) どのくらいの量を飲んだか 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) ⼀緒に何か薬剤を内服したか 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) コメント: ベンゾジアゼピン、インスリン、経⼝⾎糖降下薬 既往歴や内服中の薬剤はあるか 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) コメント: 糖尿病、⼼疾患 誰かに殴られたり、頭を打ったりしたか 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) コメント: 外傷の有無をチェック 家族や親戚など連絡がつく⾝内がいるか 対象: 特に未成年の場合(推奨度1) コメント: できるだけ家族に連絡 CAGE質問 対象: アルコール依存が疑われる場合(推奨度1) 家族歴 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) コメント: 家族にアルコール中毒の問題がある場合、本⼈も問題となるリスクが40%ある。 普段の飲酒量 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) コメント: 本⼈から聞けなければ友⼈・家族から聴取 検体検査 CBC 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度2) コメント: ルーチン BUN, Cr 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度2) コメント: ルーチン Na, K, Cl
対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度2) 意識障害が遷延する場合 コメント: 低カリウム⾎症、低マグネシウム⾎症を疑う患者 T-Bil 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度2) ALT 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度2) コメント: 肝機能、肝不全の確認 AST 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度2) コメント: 肝機能、肝不全の確認 ⾎液ガス 対象: DKA、AKAを疑うとき(推奨度2) 意識障害が遷延する場合 CK 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度2) CKMB 対象: 急性冠症候群が疑われる場合(推奨度2) ⼼筋トロポニンT 対象: 急性冠症候群が疑われる場合(推奨度2) 尿⼀般 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度2) コメント: 腎機能、臓器障害の確認 尿沈渣 対象: エタノール中毒を疑う患者 コメント: 腎機能、臓器障害の確認 尿ケトン体 対象: DKA、AKAが疑われる場合(推奨度2) リパーゼ 対象: 膵炎を疑う患者(推奨度2) ⾎中アルコール濃度 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度2) 呼気アルコール濃度 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度3) コメント: 警察によって⾏われることが多い Glu(⾎清)、迅速⾎糖値 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) コメント: 低⾎糖があれば50%ブドウ糖40ml静注、ビタミンB を100㎎静注 尿トライエージ [ID0504] 対象: 他の薬物中毒を疑うとき(推奨度1) コメント: 他の薬物のスクリーニング 1
薬剤情報を⾒る 薬剤情報を⾒る 薬剤情報を⾒る 薬剤情報を⾒る 薬剤情報を⾒る 薬剤情報を⾒る 薬剤情報を⾒る ⽣理・画像検査 頭部CT [ID0501] 対象: 外傷や頭蓋内病変が疑われる場合(推奨度1) 治療⽅針 輸液を⾏い脱⽔の補正をする。 嘔気があればドンペリドン静注をする。 離院させるときは、しらふになっているのを確認すること。 治 療 輸液 ラクテック注[500mL] 500ml 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) コメント: ラクテック、⼤塚⽣⾷はいずれか1つを⽤いる。 ⼤塚⽣⾷注 [500mL1袋] 500ml 対象: エタノール中毒を疑う患者(推奨度1) コメント: ラクテック、⼤塚⽣⾷はいずれか1つを⽤いる。 ブドウ糖製剤 ⼤塚糖液[50%20mL] 静注 対象: 低⾎糖が存在する場合(推奨度1) コメント: 50%⼤塚糖液とアリナミンは併⽤する。 ビタミンB 製剤 アリナミンF100注 [100mg] 100㎎静注 [エチルアルコール中毒、薬物中毒症は適⽤外/他適⽤⽤量内/㊜ ビタミンB1⽋乏症](編集部注:本ページで想定する適⽤病名「エチルアルコール中毒、薬物中毒 症」/2015年11⽉) 対象: 低⾎糖が存在する場合(推奨度1) コメント: 50%⼤塚糖液とアリナミンは併⽤する。 ⿇薬拮抗薬 ナロキソン塩酸塩静注「第⼀三共」 [0.2mg] 0.2mg静注 対象: ⿇薬中毒が疑われる場合(推奨度1) ドパミン受容体拮抗薬(制吐薬) プリンペラン注射液[10mg] 10mg静注 [エチルアルコール中毒、薬物中毒症は適⽤外/他適⽤⽤量内/㊜嘔 吐症] 対象: 嘔気がある場合(推奨度1) その他 胃洗浄 対象: 30〜60分以内の摂取の場合(推奨度2) 薬⽤炭 薬⽤炭「⽇医⼯」 1g/kg 体重50kgの患者では50gほど投与する。 [適⽤内/⽤量適宜増減2倍超/㊜薬物中 毒症] 対象: 他の薬物を同時に摂取している場合(推奨度2) その他 1
最終更新⽇ : 2016年4⽉28⽇ <<ページ末尾:#situationDetails6.aspx?DiseaseID=743&situationno=1>> ⾎液透析 対象: 対症療法に反応しない場合(推奨度2) コメント: エタノール除去率を上げる コンサルト 精神科 対象: 禁酒に関して専⾨家のカウンセリングが必要と考えられる場合(推奨度1) 精神科 対象: ⾃殺企図がある場合(推奨度1) 消化器内科 対象: 肝疾患がある場合(推奨度1) 神経内科 対象: ウェルニッケ脳症、末梢神経障害などがある場合(推奨度1) 推奨度1:明らかに利益が害やコストよりも上回る。必ず⾏う必要があり得る⾏為。 推奨度2:害、コストよりも、利益が上回る可能性が⾼い。半数以上の状況で⾏われ得る⾏為。 推奨度3:利益よりも、害、コストが、上回る可能性が⾼い。半数以下の状況で⾏われ得る⾏為。 推奨度4:明らかに利益が害やコストよりも下回る。医学的に原則禁忌といわれている⾏為。 (詳細はこちら参照) ※薬剤中分類、⽤法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独⾃に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。 尚、⽤法は添付⽂書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。 ※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載⽇時にレセプトチェッ クソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適⽤の査定において保険適⽤及び保険 適⽤外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、⾎液製剤、全⾝⿇酔薬、抗癌剤等の薬 剤は保険適⽤の記載の⼀部を割愛させていただいています。 (詳細はこちらを参照)
エタノール中毒
上⼭裕⼆ ⽥岡病院 救急科■エビデンス・解説
#743 最終更新⽇ : 2016年4⽉28⽇ <<ページ末尾:#evidenceDetails4.aspx?DiseaseID=743>> 推奨度 1o 推奨度 1o 急性エタノール中毒患者には外傷が隠れていることがあるので、詳細にチェックすることが強く 推奨される。 急性エタノール中毒患者には外傷が隠れていることが、多く報告されている[1][2][3]。 アルコール⾎中濃度が100㎎/dl以上の症例は、外傷死亡の40〜50%に関与し、⾮致死的⾃動⾞事故の25〜35% に関与している[1]。アルコールの影響下では、頭部・顔⾯の外傷がしらふの場合と⽐べて多くなるといった報告 [2]や、外傷患者の25〜40%が飲酒していたという報告[3]もある。1: Alcohol and trauma.
PMID 6148908 Ann Emerg Med. 1984 Nov;13(11):1056-60.
2: Body region prevalence of injury in alcohol- and non-alcohol-related traffic injuries.
PMID 10568716 J Trauma. 1999 Nov;47(5):881-4.
3: Alcohol interventions in trauma centers. Current practice and future directions. PMID 7563455 JAMA. 1995 Oct 4;274(13):1043-8.
アルコール⾎中濃度が低いにも関わらずGCSが14点以下である場合には、意識障害の原因として アルコール以外のものを検索することが強く推奨される。
918⼈の頭部外傷患者を対象とした研究で、アルコール⾎中濃度が200mg/dl以下の場合にはGCSに影響しなかっ た。
1: The relationship between alcohol and head injury and its effect on the conscious level.
PMID 1252711 Br J Surg. 1976 Feb;63(2):128-30.
アルコールと他の薬物の併⽤がある。 1: エビデンス [ID0501] 1 / 3 2: エビデンス [ID0503] 2 / 3 3: エビデンス [ID0504] 3 / 3 こちら他の情報が 必要な場合はご教 示ください。
エタノール中毒
上⼭裕⼆ ⽥岡病院 救急科■画像⼀覧
#743 出典欄記述⽅法 ※「作図にあたって参考にした⽂献」「さらに詳しく知るための参考資料」の場合は、出典と区別するために「参考⽂ 献:」とご記述いただけましたら幸いです。 ※画像出典表記についてご了承のお願い 先⽣に元図をご提供いただき、それを元に弊社にてイラストを描き起こしている場合は、エルゼビア作成のイラストとし て、出典を割愛させていただいている場合があります。その点ご了承のほどお願いいたします。 ※他社出版社発⾏物からの転載は、⾼額の場合や許諾が下りない場合は、掲載できない場合がありますので、ご了承くだ さい。 ※説明、出典のご記載を頂いている場合は空欄で結構です ①ガイドライン 【編者名】編:【ガイドライン名】【策定年度】年版、p【掲載】or【図版番号】、【発⾏元】、【出版年】 ②雑誌 著者名:表題. 雑誌名 発⾏年(⻄暦);巻(号):⾴-⾴. 〔例1〕⼭⽥⼀郎:中枢神経の構造的特徴.脳と神経 1998;45(7):12-15.〔例2〕参考⽂献:Hauenstein EJ, Marvin RS, Snyder AL, et al.: Stress in parents of children with diabetes mellitus. Diabetes Care 1989; 12(1): 18-23. PMID: 2714163
③単⾏本
著者名: 表題. 編者名. 書名. 発⾏所所在地(⽇本の出版社の場合は不要):発⾏所,発⾏年(⻄暦);掲載⾴. 〔例1〕⼭⽥⼀郎: 脳と脊髄への⾎液供給. 吉⽥次郎編. 神経科学.エルゼビア・ジャパン, 2003;125.
〔例2〕参考⽂献:Kettenmann H, Ranson BR: Neuroglia. New York: Oxford University Press,1955; 154. ④その他 「××⼤学●●先⽣よりご提供」等、明記してください。 [ID0701] エタノール中毒患者の診断アルゴリズム アルコール臭を伴う意識障害患者の診断アルゴリズムでは、バイタルサインの評価とともに他疾患 の可能性がないか検索していくことが重要となる。 1: 著者提供
※説明、出典のご記載を頂いている場合は空欄で結構です
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説明
最終更新⽇ : 2016年4⽉28⽇
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出典
□著者提供
エタノール中毒(急性アルコール中毒)は、 短時間に大量のアルコールを摂取すること によって起こる中毒症状です。エタノールを 急激に摂取すると、呼吸や心臓の働きを制 御する脳幹部や生命維持にかかわる脳の 中枢部分までも麻痺させてしまい、最終的 に死に至ることもあります。 治療は点滴によって血中のアルコール濃度 を下げます。 以下のような症状の場合、エタノール中毒 の可能性があります。 ・いびきをかき、強くつねっても反応がない。 ・口から泡をふいている。 ・体温が下がって全身が冷たい。 ・呼吸がゆっくりで、時々しか息をしていな い。 ・呼吸が異常に早くて浅い。 こうした症状が出たときには、すぐに救急車 を呼んでください。その間、本人を一人にし ないようにしてください。 点滴治療によって意識が回復した場 合には、帰宅することも可能です。 全身の診察をしなかった場合には、転 んだ際などにできる痣や打ち身が、後 から判明する場合があります。気にな るようでしたら受診してください。 帰宅後、頭痛、吐き気が出た場合に は、すぐに受診してください。 中毒者が寝てしまったら、必ず横向き に寝かせ、衣類を緩め、体を温めてく ださい。水、お茶を飲ませて、水分を 補給してください。 飲酒するときには、同時に食べ物を摂ると、アル コールの吸収が遅くなり、血中濃度が急に高くな るのを防げます。 お酒は、自分のペースで飲みましょう。 いろいろな種類のお酒を一度に飲まないようにし ましょう。 一気飲みはやめましょう。また他人に無理なお酒 を強要しないでください。
エタノール中毒
エタノール中毒
専⾨医 所属学会 経歴 執筆者 専⾨分野
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上⼭裕⼆ ⽥岡病院 救急科 上⼭裕⼆ 救急医療、ER診療、プライマリ・ケア ⽇本救急医学会指導医・救急科専⾨医、⽇本外傷学会外傷専⾨医、⽇本 プライマリ・ケア連合学会指導医・認定医、⽇本航空医療学会認定指導 医師 ⽇本救急医学会、⽇本外傷学会、⽇本臨床救急医学会、⽇本プライマ リ・ケア連合学会、⽇本集団災害医学会、⽇本航空医療学会、American College of Emergency Physicians平成4年⾃治医科⼤学卒業。徳島⼤学病院ならびに徳島県⽴中央病院で初 期研修。その後県内へき地診療所勤務ののち、13年より徳島県⽴中央病 院救命救急センター。16年より2年間聖マリアンナ医科⼤学救急医学に国 内留学。その後徳島県に戻り、救急総合診療に従事。21年より現職。