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財団法人福岡県産業・科学技術振興財団

産 学 官 共 同 研 究 開 発 事 業

研究成果報告書

県育成酒米品種を用いた福岡オリジナル

清酒の開発

(平成

14 年度~平成 16 年度)

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目 次

【研究総括】 県育成酒米品種を用いた福岡オリジナル清酒の開発 福岡県農業総合試験場 農産部長 松江勇次 【研究報告】 1.福岡オリジナルソフト清酒用酒造用米の開発 福岡県農業総合試験場 2.胚乳形質の特性評価による育種選抜の効率化 九州大学農学研究院 3.福岡オリジナルソフト清酒用酵母の開発 福岡県工業技術センター生物食品研究所 4.ソフト清酒醸造技術の開発 福岡県酒造組合 5.酒造用米「夢一献」の栽培適地の選定及び現地栽培技術の確立 全国農業協同組合連合会福岡県本部 【成果実績】

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研 究 総 括

福 岡 県 農 業 総 合 試 験 場 農 産 部 長 松 江 勇 次 1. 研 究 開 発 の 背 景 ・ 研 究 目 的 お よ び 目 標 福 岡 県 で は 清 酒 製 造 数 量 が 最 も 多 か っ た 昭 和 48 年 頃 に は 約 120 の 蔵 元 が あ り 、酒 ど こ ろ で 有 名 な 兵 庫 県 の 灘 や 京 都 府 の 伏 見 に 次 ぐ 清 酒 生 産 量 を 誇 る 三 大 酒 ど こ ろ の 一 つ で あ っ た 。現 在 で も 70 の 蔵 元 が あ り 、各 蔵 元 は そ れ ぞ れ 独 自 の 歴 史 と 伝 統 に 裏 打 ち さ れ た 酒 造 技 法 で 良 質 な 清 酒 を 造 り 続 け て い る 。 し か し 、 最 近 、 清 酒 の 消 費 量 は 、 清 酒 消 費 者 の 高 齢 化 と 共 に 、 若 者 や 女 性 層 が 清 酒 に 馴 染 ま な い こ と 、 さ ら に は ビ ー ル 、 ワ イ ン 、 焼 酎 等 の 消 費 量 の 増 加 に よ り 押 さ れ て 減 尐 し て き て い る 。 こ の た め 本 県 酒 造 業 界 で は 業 界 の 不 振 を 払 拭 す る た め に 新 た な 需 要 の 確 保 が 重 要 課 題 と な っ て い る 。 さ ら に は 、 福 岡 県 に は 独 自 で 開 発 し た 酒 造 り に 欠 か せ な い 酒 造 用 米 と 清 酒 用 酵 母 が 無 く 、 他 県 で 開 発 さ れ た も の を 使 用 し て い た た め 、 独 自 の 清 酒 販 売 戦 略 を 構 築 す る に 際 し て 大 き な 支 障 を き た し て い た 。 一 方 で 、 福 岡 県 は 西 日 本 で も 有 数 の 水 稲 作 付 け 面 積 を 有 す る 米 ど こ ろ で も あ る が 、 国 民 一 人 ・ 1 年 当 た り の 米 消 費 量 の 減 尐 や 産 地 間 競 争 の 激 化 に よ り 稲 作 農 家 は 厳 し い 状 況 に 立 た さ れ て い る 。 こ う し た 問 題 に 対 応 す る た め に 米 の 消 費 拡 大 の た め の 需 要 喚 起 が 必 須 の 課 題 と な っ て い た 。 こ う し た 背 景 の な か で 、 福 岡 県 の 酒 造 業 界 の 活 性 化 お よ び 稲 作 農 業 の 振 興 を 図 る た め に 酒 造 好 適 米 で あ る 「 山 田 錦 」 並 み の 酒 造 適 性 を 有 し 、 か つ 栽 培 特 性 に 優 れ た 品 種 を 原 料 と し て 、 特 長 あ る 風 味 を 生 成 す る 酵 母 を 用 い て 、 従 来 の 清 酒 に 縁 の 尐 な か っ た 女 性 層 や 若 年 層 に も 好 ま れ る 福 岡 オ リ ジ ナ ル ソ フ ト 清 酒 の 開 発 に 取 り 組 ん だ 。 こ れ ま で に な い 特 長 あ る 風 味 を 有 す る ソ フ ト 清 酒 を 低 価 格 で 提 供 す る こ と で 、 近 年 ビ ー ル 、 ワ イ ン 、 焼 酎 の 消 費 量 増 加 に 押 さ れ て 漸 減 傾 向 に あ っ た 清 酒 の 消 費 量 が 逆 に 伸 び る こ と が 期 待 で き 、 さ ら に は 県 内 に お け る 酒 米 の 作 付 面 積 の 増 加 も 期 待 で き る 。 現 在 、 米 の 作 付 け を 制 限 す る 生 産 調 整 が 全 国 的 に か つ 数 十 年 の 長 期 に わ た っ て 実 施 さ れ て い る な か で 、 酒 造 用 米 の 増 産 は 米 生 産 の 振 興 、 米 の 消 費 拡 大 に つ な が り 、 ひ い て は 福 岡 県 に お け る 清 酒 業 界 の 発 展 、 水 田 農 業 の 維 持 ・ 振 興 に つ な が る も の で あ る 。 研 究 期 間 が 3 年 の 短 期 間 で 福 岡 オ リ ジ ナ ル ソ フ ト 清 酒 の 開 発 と い う 困 難 な 課 題 に 挑 む に 当 た っ て は 、 研 究 開 発 課 題 に 対 し て 有 効 な 技 術 シ ー ズ を 持 っ て い る 機 関 の 参 画 が 必 須 条 件 で あ る 。 福 岡 県 農 業 総 合 試 験 場 は 、 県 ブ ラ ン ド 米 品 種 「 夢 つ く し 」 を 開 発 し た 実 績 と 最 先 端 技 術 を 活 用 し た 育 種 選 抜 技 術 を 有 し て い る 。 九 州 大 学 大 学 院 農 学 研 究 院 附 属 遺 伝 子 資 源 開 発 研 究 セ ン タ ー は 、 貯 蔵 タ ン パ ク 質 や 貯 蔵 デ ン プ ン に 関 し て 多 様 な 変 異 を 示 す 4,000 以 上 の 水 稲 品 種 ・ 系 統 を 保 有 し て お り 、 こ れ ら 品 種 ・ 系 統 の 胚 乳 形 質 に 関 す る 特 性 評 価 を 多 様 な 電 気 永 動 法 等 の 分 析 手 法 で 行 う 技 術 開 発 に 実 績 を 有 し て い る 。 福 岡 県 工 業 技 術 セ ン タ ー 生 物 食 品 研 究 所 食 品 課 は 、 清 酒 用 酵 母 の 培 養 お よ び 選 抜 技 術 を 有 し 、 独 自 の 清 酒 酵 母 を 開 発 し て い る 。 ま た 、 目 的 と す る 香 気 成 分 ・ 有 機 酸 を 生 産 す る 酵 母 を 的 確 に ス ク リ ー ニ ン

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価 で き る 技 術 を 有 し て い る と と も に 、 清 酒 製 造 プ ラ ン ト の 工 程 設 計 を 行 う 能 力 が あ る 。 全 国 農 業 協 同 組 合 連 合 会 福 岡 県 本 部 は 、 開 発 さ れ た 清 酒 の 市 場 評 価 お よ び 嗜 好 性 評 価 を 行 う 実 績 を 持 っ て い る と と も に 、 県 下 の 農 協 組 織 と 連 携 し て 水 稲 品 種 の 栽 培 指 導 を 行 う 体 制 を 有 し て い る 。 本 プ ロ ジ ェ ク ト で は 、 福 岡 県 農 業 総 合 試 験 場 農 産 部 水 稲 育 種 チ ー ム が 酒 造 用 米 新 品 種 の 開 発 を 、 九 州 大 学 大 学 院 農 学 研 究 院 附 属 遺 伝 子 資 源 開 発 研 究 セ ン タ ー 植 物 遺 伝 子 開 発 分 野 が 米 胚 乳 形 質 の 評 価 方 法 の 開 発 を 、 福 岡 県 工 業 技 術 セ ン タ ー 生 物 食 品 研 究 所 が 優 良 酵 母 の 開 発 を 、 福 岡 県 酒 造 組 合 が ソ フ ト 清 酒 醸 造 技 術 の 確 立 を 、 全 国 農 業 協 同 組 合 連 合 会 福 岡 県 本 部 が 酒 造 用 米 新 品 種 の 適 地 選 定 と 栽 培 技 術 の 確 立 を 担 当 し た 。本 プ ロ ジ ェ ク ト の 目 標 は 、 商 品 化 が 可 能 な ア ル コ ー ル 度 数 が 10% 以 下 で 、従 来 清 酒 の 2 倍 量 の リ ン ゴ 酸 を 含 む フ ル ー テ ィ ー な ソ フ ト 清 酒 を 開 発 す る こ と に あ る 。 2. ソ フ ト 清 酒 に 適 し た 酒 造 用 米 新 品 種 の 開 発 担 当 : 福 岡 県 農 業 総 合 試 験 場 農 産 部 水 稲 育 種 チ ー ム 2 - 1 酒 造 用 米 「 夢 一 献 」 の 育 成 「 夢 一 献 」 は 平 成 5 年 8 月 、 福 岡 県 農 業 総 合 試 験 場 に お い て 、 良 食 味 、 い も ち 耐 病 性 品 種 の 育 成 を 目 標 に 、い も ち 耐 病 性 が“ 中 ”程 度 に 優 れ る「 北 陸 160 号 」を 母 、良 食 味 の「 ち く し 6 号 、 後 の 夢 つ く し 」 を 父 と し て 人 工 交 配 を 行 っ た 組 合 せ に 由 来 す る 。 以 降 、 集 団 養 成 及 び 系 統 の 選 抜 と 固 定 を 行 っ た 。 平 成 10 年 (F7)は 「 フ 系 1527」 の 系 統 番 号 で 、 平 成 13 年 ( F1 0) 以 降 「 ち く し 58 号 」 の 系 統 名 で 生 産 力 検 定 試 験 、 特 性 検 定 試 験 お よ び 奨 励 品 種 決 定 調 査 に 供 試 し て き た も の で 、 平 成 14 年 度 に 本 共 同 研 究 が 開 始 し た と き は 雑 種 第 11 代 に あ た る 。 平成 14 年以降、「ちくし 58 号」の系統名で収量性、耐病性、醸造適性および地域 適応性を検討した。 2 - 2 「 夢 一 献 」 の 生 育 特 性 「 山 田 錦 」 と 比 較 し て 、 成 熟 期 は 4 日 程 度 早 い “ 中 生 の 早 ” に 属 す る 粳 種 で あ る 。 耐 倒 伏 性 は 優 れ 、 “ 強 ” で あ る 。 葉 い も ち 圃 場 抵 抗 性 は 同 程 度 の “ や や 弱 ” 、 穂 い も ち 圃 場 抵 抗 性 は や や 優 れ 、 “ 中 ” で あ る 。 白 葉 枯 病 圃 場 抵 抗 性 は 同 程 度 の “ や や 弱 ” で あ る 。 穂 発 芽 性 は “ や や 易 ” で あ る 。 収 量 性 は 優 れ 、 酒 造 用 一 般 米 品 種 「 レ イ ホ ウ 」 と 比 較 し て も 優 れ る 。 「 レ イ ホ ウ 」 と 比 較 し て 、 玄 米 千 粒 重 は 大 き く 、 心 白 米 の 発 生 が や や 多 い が 、 腹 白 米 の 発 生 は 尐 な く 、 玄 米 の 外 観 品 質 は 同 程 度 で あ る 。 ま た 、 外 観 上 心 白 の 発 現 が 認 め ら れ な い 玄 米 に つ い て も 、 玄 米 中 心 部 に 構 造 上 心 白 様 の 部 位 が 存 在 す る 。 2 - 3 「 夢 一 献 」 の 酒 造 適 性 「 レ イ ホ ウ 」 と 比 較 し て 、 砕 米 率 お よ び 粗 タ ン パ ク 質 含 有 率 が や や 小 さ く 、 吸 水 性 お よ び 消 化 性(Brix)が や や 大 き い 。ま た 、仕 込 み 試 験 に お け る 純 ア ル コ ー ル 収 量 も 高 く 、「 レ イ ホ ウ 」 よ り 酒 造 適 性 が や や 優 れ る 。

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2 - 4 ま と め お よ び 今 後 の 課 題 開発した福岡オリジナル酒造用米「夢一献」は、多収で、いもち病に強く、醸造適性が優れることが 明らかとなり、平成15 年 10 月に種 苗 法 に 基 づ き品 種 登 録 出 願 を 行 い 、 翌 年 2 月 に 「 夢 一 献 」 という品種名となった。今後は福 岡 オ リ ジ ナ ル 品 種 「 夢 一 献 」 を 使 用 し た 本 格 的 な 新 し い 純 米 酒 や 本 醸 造 酒 を 開 発 し 、 現 在 、 酒 造 用 一 般 米 の 主 力 品 種 で あ る 「 レ イ ホ ウ 」 、 「 ニ シ ホ マ レ 」、「 ツ ク シ ホ マ レ 」等( 作 付 け 面 積 :1,920ha)を「 夢 一 献 」に 切 り 替 え て 、酒 造 用 原 料 米 に つ い て 福 岡 の オ リ ジ ナ ル 性 を 打 ち 出 す 。 3. 胚 乳 形 質 の 特 性 評 価 に よ る 効 率 的 育 種 選 抜 技 術 の 開 発 担 当 : 九 州 大 学 大 学 院 農 学 研 究 院 附 属 遺 伝 子 資 源 開 発 研 究 セ ン タ ー 植 物 遺 伝 子 開 発 分 野 3 - 1 「 夢 一 献 」 の 胚 乳 形 質 評 価 低 タ ン パ ク 質 酒 米 品 種 「 夢 一 献 」 の タ ン パ ク 質 組 成 を 、 ポ リ ア ク リ ル ア ミ ド ゲ ル 電 気 泳 動 法 ( SDS-PAGE) 及 び 等 電 点 電 気 泳 動 法 ( IE 法 ) に よ っ て 分 析 し た 。 高 ・ 低 含 硫 プ ロ ラ ミ ン 比 率 は ほ ぼ 同 等 で 、 構 成 ポ リ ペ プ チ ド は 一 般 品 種 と 大 き な 差 異 は 認 め ら れ な か っ た 。 し か し 、 プ ロ ラ ミ ン 相 対 蓄 積 量 は 低 い 傾 向 が 認 め ら れ た 。 こ の こ と が 、 「 夢 一 献 」 の 低 タ ン パ ク 質 の 要 因 の 1 つ と 考 え ら れ た 。 一 方 、非 脱 脂 澱 粉 の 見 か け の ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は「 山 田 錦 」 よ り 低 い も の の 、 「 金 单 風 」 よ り 高 く 、 か つ 、 脱 脂 後 の 澱 粉 の 見 か け の ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は 3 者 と も 同 等 で あ っ た 。 こ の こ と は 、 「 夢 一 献 」 の ア ミ ロ ー ス は 包 摂 脂 質 量 が 尐 な い こ と を 示 唆 し て お り 、 こ の 点 が 本 品 種 の 酒 造 好 適 性 の 一 因 と な っ た と も 考 え ら れ る 。 3 - 2 酒 造 適 性 と 胚 乳 形 質 の 関 係 解 明 醸 造 適 性 に 優 れ て い る 品 種 の ア ミ ロ ペ ク チ ン の 鎖 長 構 造 は 、 一 般 米 よ り 短 鎖 を 多 く 含 む こ と 、 外 層 部 よ り 中 心 部 の ア ミ ロ ペ ク チ ン が 短 鎖 を 多 く 含 む こ と が 明 ら か と な っ た 。 さ ら に 、 種 子 貯 蔵 タ ン パ ク 質 の SDS-PAGE 分 析 を 行 っ た と こ ろ 、 Cysteine 含 量 の 高 い 16・ 14・ 10k D の 各 プ ロ ラ ミ ン ( 高 含 硫 プ ロ ラ ミ ン ) が 有 意 に 尐 な い こ と が 解 明 さ れ た 。 ま た 、 酒 質 に 大 き く 影 響 を 及 ぼ す 粒 大 、 心 白 性 、 高 ア ミ ロ ー ス 性 、 高 含 流 プ ロ ラ ミ ン 低 蓄 積 性 は い ず れ も 1 も し く は 2 遺 伝 子 関 与 の 全 て 独 立 の 遺 伝 形 質 で あ る と 考 え ら れ た 。 3 - 3 ま と め お よ び 今 後 の 課 題 酒 造 適 性 が 優 れ て い る 品 種 は デ ン プ ン と 貯 蔵 タ ン パ ク 質 の 組 成 と 構 造 の み な ら ず 、 包 接 脂 質 量 も 食 用 米 と は 異 な っ て い る こ と が 明 ら か と な っ た 。 「 山 田 錦 」 の 酒 造 適 性 に 関 わ る 構 成 は 予 想 以 上 に 複 雑 で 、 酒 造 適 性 の 遺 伝 的 要 因 の 特 定 に は 「 山 田 錦 」 と 一 般 品 種 の 組 換 え 自 殖 系 統 の 解 析 が 重 要 と 考 え ら れ る 。 今 後 は 、 作 製 し た 組 換 え 自 殖 系 統 を 用 い て 酒 造 適 性 に 関 わ る 遺 伝 的 要 因 の 解 析 を 進 め る と 共 に 、 酒 造 好 適 米 育 成 系 統 並 び に 突 然 変 異 系 統 米 の 成 分 特 性 の 評 価 を 行 う 。

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4 . フ ル ー テ ィ ー な 香 味 を 醸 す リ ン ゴ 酸 高 生 産 酵 母 の 開 発 担 当 : 福 岡 県 工 業 技 術 セ ン タ ー 生 物 食 品 研 究 所 4 - 1 リ ン ゴ 酸 高 生 産 酵 母 「 ふ く お か 夢 酵 母 」 ( リ ン ゴ 酸 高 生 産 酵 母 24- 2 株 ) の 取 得 「 ふ く お か 夢 酵 母 」 は 清 酒 も ろ み か ら 分 離 、 選 抜 さ れ た 清 酒 酵 母 で あ る 。 「 ふ く お か 夢 酵 母 」 の 特 性 は 、 親 株 の 「 協 会 9 号 酵 母 」 に 比 べ て リ ン ゴ 酸 を 2 倍 多 く 生 産 し 、 酢 酸 生 成 量 は 半 分 で 、 ア ル コ ー ル 、 香 り 成 分 、 コ ハ ク 酸 、 乳 酸 な ど の 有 機 酸 の 生 産 量 は 同 程 度 で あ る 。 4 - 2 自 然 界 か ら の 清 酒 酵 母 分 離 差 別 化 商 品 と し て 福 岡 県 の 特 産 農 産 物 ( 巨 峰 、 あ ま お う ) か ら 清 酒 酵 母 を 分 離 し た 。 そ の 結 果 、 あ ま お う か ら 分 離 し た 菌 株 、 「 い ち ご 7 号 」 を 用 い て 酒 母 タ イ プ で 製 造 し た 清 酒 は 官 能 的 に 好 ま し い 点 が 発 見 さ れ た 。 4 - 3 ま と め お よ び 今 後 の 課 題 ソ フ ト 清 酒 で 問 題 と な る 味 の 薄 さ を 、 爽 や か な 酸 味 で あ る リ ン ゴ 酸 で カ バ ー す る た め 、 リ ン ゴ 酸 の 高 生 産 酵 母「 ふ く お か 夢 酵 母 」を 取 得 し 、平 成 15 年 6 月 特 許 出 願 し た 。さ ら に は 、 自 然 界 か ら の 清 酒 酵 母 分 離 に 取 り 組 み 、 福 岡 県 特 産 品 の 「 あ ま お う 」 か ら 清 酒 酵 母 を 取 得 し た 。 今 後 は 「 ふ く お か 夢 酵 母 」 の 香 気 成 分 改 善 株 、 「 No.1-4」 に つ い て 実 規 模 で の ソ フ ト 清 酒 製 造 試 験 を 行 い 、 実 用 性 を 証 明 す る こ と を 考 え て い る 。 ま た 、 「 あ ま お う 」 か ら 分 離 し た 清 酒 酵 母 に つ い て さ ら に 清 酒 の 小 仕 込 試 験 に よ る 馴 養 を 行 い 、 性 質 の 改 良 を 考 え て い る 。 5 . ソ フ ト 清 酒 醸 造 技 術 の 確 立 担 当 : 福 岡 県 酒 造 組 合 5 - 1 「 夢 一 献 」 の 酒 造 適 性 評 価 「 夢 一 献 」 は 搗 精 時 の 砕 米 の 発 生 率 が 低 く 、 吸 水 性 、 消 化 性 は 優 れ 、 粗 タ ン パ ク 質 含 有 率 が 低 く 、清 酒 の 着 色 が 良 好 で 务 化 し に く い と い う 酒 造 適 性 を 有 す る 。こ れ ら の こ と か ら 、 「 夢 一 献 」 は 酒 造 好 適 米 山 田 錦 に 近 い 特 性 を 有 し 、 酒 造 用 米 と し て の 評 価 は 高 い こ と が 判 明 す る 。 5 - 2 酒 造 用 米 「 夢 一 献 」 ・ リ ン ゴ 酸 高 生 産 酵 母 「 ふ く お か 夢 酵 母 」 を 使 用 し た ソ フ ト 清 酒 ( ア ル コ ー ル 分 10% 以 下 ) の 酒 造 技 術 の 開 発 一 般 的 に は 清 酒 は 三 段 仕 込 み で 行 わ れ る 。 し か し こ の 方 法 だ と ア ル コ ー ル の 生 成 が 多 く 製 品 と し て 出 荷 の 際 和 水 を 行 い 、 ア ル コ ー ル 濃 度 を 下 げ な け れ ば な ら な い 。 ま た 、 そ れ に よ り 香 り と 味 の バ ラ ン ス の く ず れ が お き る 。 そ こ で こ れ ら の 問 題 点 を 解 消 す る 酒 造 技 術 と し て 香 り と 味 の バ ラ ン ス が 良 く 、製 品 そ の も の の ア ル コ ー ル 濃 度 が 10% 以 下 と な る よ う な 二 段 仕 込 み 醸 造 技 術 を 開 発 し た 。

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5 - 3 ま と め お よ び 今 後 の 課 題 酒 造 用 米 「 夢 一 献 」 と 「 ふ く お か 夢 酵 母 」 を 使 用 し た ソ フ ト 清 酒 を 開 発 し 、 目 標 を 達 成 す る こ と が で き た( 図 1 )。今 後 の 展 開 は PR に よ る と こ ろ が 大 き い と 考 え る 。ま た 、「 福 岡 の 酒 」 ブ ラ ン ド づ く り の た め に は 、 純 米 酒 や 本 醸 造 酒 な ど の 主 要 な 一 般 清 酒 の 製 造 量 や 販 売 量 を 増 や す 必 要 が あ る 。 今 後 は 純 米 酒 や 本 醸 造 酒 に 「 夢 一 献 」 を 使 用 し て い き た い 。 本 醸 造 酒 、 純 米 酒 の 製 造 試 験 も 同 時 に 行 っ て き た が 、 十 分 期 待 が で き る 。 「 夢 一 献 」 の 平 成 17 年 度 収 穫 量 は 3,000 俵 が 予 定 さ れ て い る が 、 酒 造 組 合 員 の 希 望 は 4,000 俵 を 超 え て い る 。 18 年 度 は 9,000 俵 、 19 年 度 は 「 レ イ ホ ウ 」 ・ 「 ツ ク シ ホ マ レ 」 等 と 入 れ 替 え が 完 了 す る 予 定 で あ る 。 6 . 酒 造 用 米 「 夢 一 献 」 の 栽 培 適 地 の 選 定 お よ び 現 地 栽 培 技 術 の 確 立 担 当 : 全 国 農 業 協 同 組 合 連 合 会 福 岡 県 本 部 6 - 1 土 壌 の 化 学 性 、 物 理 性 評 価 に よ る 「 夢 一 献 」 の 栽 培 適 地 の 選 定 「 夢 一 献 」の 栽 培 適 地 を 選 定 す る た め に 、県 内 酒 造 用 米 産 地 16 地 区 よ り 5 地 区 を 選 定 し 、 土 壌 分 析 ・ 玄 米 分 析 を 行 っ た 。 そ の 中 か ら 土 壌 ・ 玄 米 の 性 状 が 安 定 し 、 地 区 の 栽 培 条 件 、 品 種 特 性 等 を 検 討 し た 結 果 、2 地 区 を 選 定 し 16 年 産 よ り 栽 培 適 地 と し て 約 2.3ha の 作 付 け を 行 っ た 。 そ の 際 、 酒 造 用 米 の 生 育 に 必 要 な 珪 酸 が 尐 な い 県 北 地 域 に お い て は 、 珪 酸 質 資 材 の 有 効 性 を 明 ら か に し 、 栽 培 技 術 の 確 立 に 取 り 入 れ た 。 6 - 2 酒 造 用 米 「 夢 一 献 」 の 現 地 栽 培 技 術 の 確 立 「 夢 一 献 」 の 酒 質 に 関 係 す る 玄 米 中 の タ ン パ ク 質 含 有 率 と 収 量 性 に 大 き く 影 響 を 及 ぼ す 穂 肥 の 施 肥 回 数 を 検 討 し た 結 果 、 酒 質 に 影 響 す る タ ン パ ク 質 含 有 率 を 低 く 抑 え る 穂 肥 の 施 肥 回 数 は 1 回 が 有 効 で あ る こ と を 明 ら か に す る 。 6 - 3 ま と め お よ び 今 後 の 課 題 福 岡 県 下 水 田 の 土 壌 分 析 を 行 い 、 土 壌 の 化 学 性 、 物 理 性 評 価 に よ る 「 夢 一 献 」 の 栽 培 適 地 の 選 定 を 行 う と と も に 、 選 定 さ れ た 適 地 に お け る 最 適 栽 培 法 を 確 立 し た 。 今 後 は 福 岡 県 の 酒 造 用 一 般 米 の 主 力 品 種 で あ る「 レ イ ホ ウ 」、「 ニ シ ホ マ レ 」、「 ツ ク シ ホ マ レ 」等( 平 成 16 年 度 作 付 け 面 積 : 1,920ha)を 将 来 的 に は「 夢 一 献 」に 切 り 替 え て 、酒 造 用 原 料 に つ い て 福 岡 の オ リ ジ ナ ル 性 を 打 ち 出 す 。 7 . 全 体 総 括 お よ び 今 後 の 課 題 平 成 14 年 度 か ら 平 成 16 年 度 に か け て 実 施 さ れ た 産 学 官 共 同 研 究 開 発 事 業 「 福 岡 オ リ ジ ナ ル ソ フ ト 清 酒 の 開 発 」に よ り 、① 胚 乳 形 質 の 特 性 評 価 に よ っ て 選 抜 さ れ た ソ フ ト 清 酒 に 適 し た 酒 造 用 米 新 品 種 「 夢 一 献 」 が 開 発 さ れ 、 種 苗 法 に 基 づ き 品 種 登 録 出 願 を 行 う こ と が で き た 。さ ら に 、土 壌 診 断 に よ る「 夢 一 献 」の 最 適 栽 培 法 も 確 立 さ れ た 。② ソ フ ト 清 酒 を 開 発 す る 際 に 欠 か せ な い リ ン ゴ 酸 を 2 倍 多 く 生 産 し 、 フ ル ー テ ィ ー な 香 味 を 醸 す 「 ふ く お か 夢 酵 母 」が 開 発 さ れ 、特 許 出 願 を 行 っ た 。③ 二 段 仕 込 み と い う 酒 造 技 術 を 開 発 し て 、酒 造 用 米 「 夢 一 献 」 と リ ン ゴ 酸 高 生 産 酵 母 「 ふ く お か 夢 酵 母 」 を 使 用 し て 香 り と 味 の バ ラ ン

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リ ジ ナ ル ソ フ ト 清 酒 酒 造 技 術 を ベ ー ス に し て 独 自 の ソ フ ト 清 酒 を 商 品 化 し て 販 売 し て い る 。 し た が っ て 、本 産 学 官 共 同 研 究 開 発 事 業 に よ り 、県 独 自 の 酒 米 と 酵 母 を 使 用 し た 清 酒 に 縁 の 尐 な か っ た 女 性 層 や 若 年 層 に も 好 ま れ る 清 酒 で あ る と と も に 、 市 販 可 能 な 優 れ た 「 福 岡 オ リ ジ ナ ル ソ フ ト 清 酒 」 を 開 発 す る と い う 当 初 の 目 標 は 達 成 で き た と 確 信 す る 。 今 後 は 「 福 岡 オ リ ジ ナ ル ソ フ ト 清 酒 」 を 一 過 性 の 商 品 に 終 わ ら せ る こ と な く 、 ソ フ ト 清 酒 の 確 固 た る 普 及 と 製 造 促 進 を 図 っ て い く た め に 、 県 民 へ の 広 報 活 動 に よ る 製 品 ア ピ ー ル や 各 蔵 元 協 力 に よ る 数 種 類 の セ ッ ト 販 売 な ど の 新 た な 販 売 戦 略 を 構 築 す る こ と が 必 須 条 件 で あ る と 考 え る 。 さ ら に は 酒 ど こ ろ 福 岡 県 の 復 権 の た め に 「 夢 一 献 」 を 使 用 し た 純 米 酒 や 本 醸 造 酒 を 開 発 し て 行 く 方 針 で あ る 。 ( 図 1 ) 県 内 1 0 の 蔵 元 で 商 品 化 さ れ た 福 岡 オ リ ジ ナ ル ソ フ ト 清 酒 ( 平 成 1 7 年 2 月 )

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1.福岡オリジナルソフト清酒用酒造用米の開発

福 岡 県 農 業 総 合 試 験 場 農 産 部 農 産 部 長 松 江 勇 次 専 門 研 究 員 浜 地 勇 次 専 門 研 究 員 尾 形 武 文 研 究 員 和 田 卓 也 主 任 技 師 坪 根 正 雄 1 ― 1 ソ フ ト 清 酒 用 酒 造 用 米 に 関 す る 研 究 開 発 福 岡 県 は 昭 和 48 年 頃 の 最 盛 期 に は 約 120 の 蔵 元 が あ り 、兵 庫 、京 都 に 次 ぐ 清 酒 生 産 量 を 誇 り 、 灘 や 伏 見 と 肩 を 並 べ る 三 大 酒 ど こ ろ の 一 つ で あ っ た1 )。 現 在 で も 70 の 蔵 元 が 歴 史 と 伝 統 に 裏 打 ち さ れ た 良 質 な 清 酒 を 造 り 続 け て い る 。 と こ ろ が 、 福 岡 に は 酒 造 り に 欠 か せ な い 酒 造 用 米 と 清 酒 用 酵 母 に 関 し 、 県 の オ リ ジ ナ ル な も の が 存 在 せ ず 、 他 県 で 開 発 さ れ た も の を 使 用 し て い た 。 そ の た め 、 県 内 酒 造 業 界 と 酒 造 用 米 生 産 農 家 か ら は 、 県 オ リ ジ ナ ル の 酒 造 用 米 と 清 酒 用 酵 母 の 開 発 が 切 望 さ れ て い た 。特 に 、近 年 は 清 酒 業 界 の 不 振 が 続 く 中 、 今 ま で に な か っ た 新 し い 味 と 酒 質 を 有 す る 清 酒 の 開 発 が 望 ま れ て い た 。 と り わ け 、 清 酒 業 界 の 不 振 を 払 拭 す る た め に は 需 要 の 確 保 が 重 要 課 題 で あ る こ と か ら 、 清 酒 に 縁 の 尐 な か っ た 女 性 層 や 若 年 層 に も 好 ま れ る 清 酒 と す る た め 、ア ル コ ー ル 度 数 の 低 い ソ フ ト 清 酒 を 開 発 す る こ と と な っ た 。 こ の よ う な 背 景 か ら 、 我 々 は ソ フ ト 清 酒 用 の 酒 造 用 米 を 開 発 す る こ と と し た 。 1 ― 2 プ ロ ジ ェ ク ト 全 体 に お け る 本 研 究 開 発 部 分 の 位 置 づ け 福 岡 オ リ ジ ナ ル ソ フ ト 清 酒 開 発 に 必 要 な 「 酒 米 」 と 「 酵 母 」 の う ち 、 「 酒 米 」 に つ い て 育 成 中 で あ っ た 数 種 類 の 酒 米 系 統 の 中 か ら 福 岡 オ リ ジ ナ ル 清 酒 用 の 酒 造 用 米 の 品 種 育 成 を 行 っ た 。 1 ― 3 目 的 と 目 標 福 岡 県 は 江 戸 ・ 明 治 期 か ら 清 酒 の 生 産 が 盛 ん な 地 域 で あ り 、 清 酒 生 産 と と も に 酒 造 原 料 米 の 生 産 が 多 い1 )。酒 造 好 適 米 と し て 最 も 評 価 の 高 い‘ 山 田 錦 ’の 作 付 面 積 は 、兵 庫 県 に 次 い で 第 2 位 を 占 め2 )、醸 造 用 一 般 米( か け 米 )も 、‘ ニ シ ホ マ レ ’4 )、‘ レ イ ホ ウ ’3 ) を 中 心 に 、全 国 1,2位 を 争 う 有 数 の 生 産 量 を 有 し て い る1 )。し か し 、ビ ー ル お よ び 焼 酎 の 消 費 が 伸 び る 中 で 、 清 酒 は 、 ア ル コ ー ル 飲 料 の 中 で は 度 数 が 高 く 価 格 が や や 割 高 で あ る た め 、 消 費 量 は 漸 減 傾 向 に あ る 。 清 酒 生 産 に お い て 、 原 料 米 の 費 用 は 人 件 費 を 除 い た 清 酒 生 産 の 純 コ ス ト の 7~ 8 割 を 占 め て お り 、 酒 造 業 界 か ら 、 酒 造 適 性 が 高 く 、 多 収 で あ る 品 種 の 育 成 が 、強 く 望 ま れ て い る 。そ こ で 、開 発 す る 酒 造 用 米 は 、酒 造 適 性 が 高 く 、多 収 で あ る こ と を 第 一 の 目 標 と し た 。

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1 ― 4 実 験 方 法 及 び 実 験 条 件 1 - 4 - 1 酒 造 用 米 「 夢 一 献 」 の 育 成 1 ) 育 成 経 過 「 夢 一 献 」 は 平 成 5 年 8 月 、 福 岡 県 農 業 総 合 試 験 場 に お い て 、 良 食 味 、 い も ち 耐 病 性 品 種 の 育 成 を 目 標 に 、 い も ち 耐 病 性 が “ 中 ” 程 度 に 優 れ る 「 北 陸 160 号 」 を 母 、 良 食 味 の 「 ち く し 6 号 、 後 の 夢 つ く し 」 を 父 と し て 人 工 交 配 を 行 っ た 組 合 せ に 由 来 す る 。 以 降 、 集 団 養 成 及 び 系 統 の 選 抜 と 固 定 を 行 っ た 。 平 成 10 年 (F7)は「 フ 系 1527」の 系 統 番 号 で 、平 成 13 年( F1 0)以 降「 ち く し 58 号 」 の 系 統 名 で 生 産 力 検 定 試 験 、特 性 検 定 試 験 お よ び 奨 励 品 種 決 定 調 査 に 供 試 し て き た も の で 、 平 成 14 年 度 に 本 共 同 研 究 が 開 始 し た と き は 雑 種 第 11 代 に あ た る 。 平 成 14 年 以 降 、「 ち く し 58 号 」の 系 統 名 で 収 量 性 、耐 病 性 、醸 造 適 性 お よ び 地 域 適 応 性 を 検 討 し た 。 2 ) 品 種 特 性 解 明 ち く し 58 号 の 栽 培 特 性 を 解 明 す る た め に 、酒 造 好 適 米「 山 田 錦 」、酒 造 用 一 般 米「 レ イ ホ ウ 」 等 の 比 較 品 種 と 共 に 比 較 栽 培 を 行 っ た 。 試 験 は 福 岡 県 農 業 総 合 試 験 場 内 圃 場 に お い て 、 移 植 時 期 、 施 肥 法 は 標 準 栽 培 と し た 。 酒 造 適 性 は 、 収 穫 し た 玄 米 を 調 製 後 、 福 岡 県 酒 造 組 合 で 、 砕 粒 率 、 吸 水 性 、 消 化 性 、 粗 タ ン パ ク 質 含 有 率 、カ リ ウ ム 含 有 率 を 調 査 し た 。さ ら に 、平 成 14 年 に は 小 仕 込 み 試 験 、平 成 15 年 に は 小 仕 込 み 試 験 及 び 中 規 模 醸 造 試 作 を 行 っ た 。 1 - 4 - 2 酒 米 品 種 の 選 抜 に お け る 効 率 的 な 酒 造 適 性 の 評 価 方 法 酒 米 品 種 を 育 成 す る に 当 た っ て の 酒 造 適 性 の 分 析 に は 多 量 の 試 料 、 時 間 、 労 力 を 要 す る た め 、 育 成 の 後 代 系 統 で こ れ を 評 価 す る の が 一 般 的 で あ る 。 こ の た め 、 酒 米 育 種 を 迅 速 か つ 効 率 的 に 進 め る 上 で は 、初 期 系 統 段 階 で 酒 造 適 性 を 簡 易 に 評 価 す る こ と が 不 可 欠 で あ る 。 そ こ で 、 酒 米 品 種 の 酒 造 適 性 と 玄 米 品 質 、 理 化 学 的 特 性 の 関 係 に つ い て 検 討 し 、 酒 米 品 種 の 選 抜 を 行 う 場 合 の 効 率 的 な 酒 造 適 性 の 評 価 方 法 を 確 立 す る た め に 、 酒 造 適 性 の 理 化 学 的 特 性 か ら み た 簡 易 な 指 標 形 質 を 明 ら か に す る 。 1 ) 供 試 材 料 (1)平 成 15 年 産 : 山 田 錦 、 ち く し 酒 62 号 、 つ く し 酒 舞 、 は な か ぐ ら 、 フ 系 2614、 フ 系 2615、 レ イ ホ ウ 、 夢 一 献 (2)平 成 14 年 産 : 山 田 錦 、 ち く し 酒 62 号 、 ち く し 酒 57 号 ( つ く し 酒 舞 ) 、 レ イ ホ ウ 、 ち く し 58 号 ( 夢 一 献 ) 、 单 海 145 号 ( は な か ぐ ら ) 、 单 海 145 号 /ち く し 36 号 ( F4) 由 来 の 2 系 統 (フ 系 2614、 フ 系 2615) 2 )分 析 項 目 全 て の 分 析 に は 、70% 搗 精 米 を 使 用 し た 。 (1)ア ミ ロ ー ス 含 有 率:精 米 粉 100mg を ヨ ウ 素 呈 色 法 に よ り オ ー ト ア ナ ラ イ ザ ー Ⅱ 型 で 測 定 し た 。 2 反 復 。 (2)タ ン パ ク 質 含 有 率:精 米 粉 300mg を 硫 酸 分 解 し 、イ ン ド フ ェ ノ ー ル 法 に よ り オ ー ト ア ナ ラ イ ザ ー Ⅱ 型 で 測 定 し た 。 2 反 復 。

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型 で 測 定 し た 。 2 反 復 。 (4)酒 造 適 性( 一 次 加 工 適 性 ): 各 項 目 と も 酒 造 用 原 料 米 全 国 統 一 分 析 法 に 準 じ て 測 定 し た 。 2 反 復 。 1 ― 5 実 験 結 果 1 ― 5 ― 1 酒 造 用 米 「 夢 一 献 」 の 育 成 「 夢 一 献 」は 、平 成 5 年 8 月 、多 収 で い も ち 病 に 強 い「 北 陸 160 号 」を 母 、低 タ ン パ ク の 「 夢 つ く し 」 を 父 と し て 人 工 交 配 を 行 な っ た 組 み 合 わ せ に 由 来 す る ( 図 1 ) 。 平 成 10 年 に 草 型 や 玄 米 品 質 の 優 れ た「 フ 系 1527」を 選 び 、平 成 14 年 以 降 、「 ち く し 58 号 」の 系 統 名 で 収 量 性 、耐 病 性 、醸 造 適 性 お よ び 地 域 適 応 性 を 調 査 し て き た 。そ の 結 果 、こ の 系 統 は 多 収 で 、 い も ち 病 に 強 く 、醸 造 適 性 が 優 れ る こ と が 明 ら か と な り 、平 成 15 年 10 月 に 種 苗 法 に 基 づ き 品 種 登 録 出 願 を 行 い 、 翌 平 成 16 年 2 月 に 「 夢 一 献 」 と い う 品 種 名 に な っ た 。 命 名 の 由 来 は 、 品 種 名 の 「 夢 」 は 将 来 の 夢 や 希 望 を 表 し 、 「 一 献 」 は 酒 を 振 る 舞 う こ と を 意 味 す る 。 こ の 品 種 か ら つ く ら れ た 酒 が 多 く の 人 々 に 愛 飲 さ れ る こ と を 希 望 す る 意 味 が 込 め ら れ て い る 。 北 陸 127 号 北 陸 160 号 ( 多 収 、 病 気 に 強 い 、 倒 れ に く い ) 新 潟 早 生 ゆ め い っ こ ん 夢 一 献 ( 多 収 、 穂 い も ち 中 、 倒 れ に く い 、高 醸 造 適 性 ) キ ヌ ヒ カ リ ( 倒 れ に く い ) 夢 つ く し ( 県 産 米 、 倒 れ に く い ) コ シ ヒ カ リ ( 良 食 味 ) ( 図 1 ) 「 夢 一 献 」 の 系 譜

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1 ) 生 育 特 性 ( 表 1 、 2 ) 「 山 田 錦 」 と 比 較 し て 、 成 熟 期 は 4 日 程 度 早 い “ 中 生 の 早 ” に 属 す る 粳 種 で あ る 。 稈 長 が 低 く 、 耐 倒 伏 性 は 優 れ 、 “ 強 ” で あ る 。 葉 い も ち 圃 場 抵 抗 性 は 同 程 度 の “ や や 弱 ” 、 穂 い も ち 圃 場 抵 抗 性 は や や 優 れ 、 “ 中 ” で あ る 。 白 葉 枯 病 圃 場 抵 抗 性 は 同 程 度 の “ や や 弱 ” で あ る 。 穂 発 芽 性 は “ や や 易 ” で あ る ) 。 収 量 性 は 優 れ 、 酒 造 用 一 般 米 品 種 「 レ イ ホ ウ 」 と 比 較 し て も 優 れ る 。 2 ) 収 量 性 お よ び 品 質 ( 表 1 、 3 お よ び 図 2 、 3 ) 収 量 性 は「 ヒ ノ ヒ カ リ 」よ り 優 れ 、試 験 場 、現 地 試 験 と も に 酒 造 用 一 般 米 品 種 「 レ イ ホ ウ 」 と 比 較 し て も 優 れ る 。 玄 米 は 中 形 、 中 粒 で あ る が 、 粒 厚 2.0mm 以 上 の 玄 米 割 合 が 非 常 に 高 い 。 「 レ イ ホ ウ 」と 比 較 し て 、玄 米 千 粒 重 は 大 き く 、心 白 米 の 発 生 が や や 多 い が 、腹 白 米 の 発 生 は 尐 な く 、玄 米 の 外 観 品 質 は 同 程 度 で あ る 。 ま た 、外 観 上 心 白 の 発 現 が 認 め ら れ な い 玄 米 に つ い て も 、玄 米 中 心 部 に 構 造 上 心 白 様 の 部 位 が 存 在 す る 。 3 ) 酒 造 適 性 ( 表 1 ) 「 レ イ ホ ウ 」と 比 較 し て 、砕 米 率 お よ び 粗 タ ン パ ク 質 含 有 率 が や や 小 さ く 、 吸 水 性 お よ び 消 化 性 (Brix) が や や 大 き い 。 ま た 、 仕 込 み 試 験 に お け る 純 ア ル コ ー ル 収 量 も 高 く 、 「 レ イ ホ ウ 」 ( 図 2 ) 夢 一 献 の よ う す よ り 酒 造 適 性 が や や 優 れ る 。 4 ) ま と め 「 夢 一 献 」は 1)熟 期 が「 ヒ ノ ヒ カ リ 」よ り や や 早 く“ 中 生 の 早 ”で あ る 、2 )「 ヒ ノ ヒ カ リ 」 、 「 レ イ ホ ウ 」 と 比 較 し て 、 多 収 で あ る 、 3)耐 倒 伏 性 が “ 強 ” で あ る 、 4) 酒 造 適 性 は「 レ イ ホ ウ 」よ り も 優 れ る 、な ど の 特 長 が あ る 。「 夢 一 献 」は こ れ ら の 特 徴 か ら 、「 レ イ ホ ウ 」 は も と よ り 、 醸 造 用 一 般 米 品 種 と し て 県 内 で 最 も 作 付 が 多 い 「 ニ シ ホ マ レ 」 に 代 わ る 品 種 と し て 、 一 般 平 坦 地 、 平 坦 肥 沃 地 で の 普 及 が 見 込 ま れ る 。

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( 表 2 ) 「 夢 一 献 」 の 特 性 検 定 夢 一 献 ヒ ノ ヒ カ リ 葉 い も ち 穂 い も ち 白 葉 枯 病 穂 発 芽 性 葉 い も ち 穂 い も ち 白 葉 枯 病 穂 発 芽 性 や や 弱 中 や や 弱 や や 易 や や 弱 や や 弱 や や 弱 難 注 ) 平 成 11~ 15 年 の と り ま と め 。 ( 表 3 ) 粒 厚 分 布 品 種 名 粒 厚 別 の 重 量 歩 合 ( % ) 1.8~ 1.9mm 1.9~ 2.0mm 2.0~ 2.1mm 2.1~ 2.2mm 2.2mm 以 上 夢 一 献 1.2 3.4 6.5 37.8 51.3 レ イ ホ ウ 3.2 18.0 24.0 52.1 2.7 注 ) 各 々200g を 5 分 間 縦 目 篩 に か け て 調 査 し た 。 ( 表 1 ) 夢 一 献 の 品 種 特 性 項 目 品 種 名 夢 一 献 山 田 錦 レ イ ホ ウ 栽 培 特 性 成 熟 期(月 日 ) 10.01 10.05 10.13 千 粒 重(g) 25.4 27.3 24.1 精 玄 米 重(kg/a) 66.0 46.1 60.9 酒 造 適 性 砕 米 率(%) 5.2 9.3 8.7 吸 水 性 : 20 分 (%) 26.5 28.4 23.1 :120 分 (%) 31.4 31.3 30.4 粗 蛋 白 質(%) 4.6 4.7 5.1 注 ) 千 粒 重 、 精 玄 米 重 : 粒 厚 1.8mm 以 上 、 山 田 錦 の み 2.0mm 以 上 。

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( 図 3 ) 「 夢 一 献 」 の 玄 米 横 断 面 写 真 左 : 玄 米 ( 上 : 心 白 な し 、 下 : 心 白 あ り ) 、 右 : 玄 米 横 断 面 ( 同 左 ) ( 図 4 ) 「 夢 一 献 」 の デ ン プ ン 構 造 の 比 較 左 : 山 田 錦 右 : 夢 一 献 1 ― 5 ― 2 酒 米 品 種 の 選 抜 に お け る 効 率 的 な 酒 造 適 性 の 評 価 方 法 1)従 来 の 主 要 な 選 抜 指 標 形 質 で あ る 心 白 と 酒 造 適 性 と の 関 係 を み る と 、心 白 発 現 率 と 心 白 率 は と も に 浸 漬 20 分 後 の 吸 水 率 お よ び 浸 漬 120 分 後 と 20 分 後 と の 吸 水 率 比 と 高 い 有 意 な 正 の 相 関 を 示 し た 。 対 照 的 に ア ミ ロ グ ラ ム 特 性 値 の 最 高 粘 度 は 、 こ れ ら と 貟 の 相 関 関 係 に あ る こ と が 示 さ れ た た め 、 デ ン プ ン 組 成 に 由 来 す る 粘 弾 特 性 が 吸 水 の 早 さ に 影 響 を 及 ぼ す と 考 え ら れ た ( 表 4 ) 。 2)消 化 性 に つ い て は 、試 験 を 実 施 し た 2 カ 年 と も に 、Brix と ア ミ ロ ー ス 含 有 率 と の 間 に 貟 の 相 関 関 係 が 認 め ら れ た ( 表 4 、 図 5 ) 。 以 上 の こ と か ら 、 酒 米 の 選 抜 に お い て 、 吸 水 性 に は 心 白 発 現 率 を 、 ま た 消 化 性 に は ア ミ ロ ー ス 含 有 率 を 用 い る こ と に よ っ て 、酒 造 適 性 を 簡 易 的 に 評 価 で き る と 考 え ら れ た 。ま た 、 ア ミ ロ グ ラ ム 特 性 も 吸 水 性 に 関 与 し て い る と 考 え ら れ る た め 、 さ ら に 指 標 と な る 形 質 を 絞 り 込 ん で い く 必 要 が あ る 。

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( 表 4 ) 玄 米 品 質 、 理 化 学 的 特 性 と 酒 造 適 性 項 目 と の 相 関 係 数 砕 米 率 吸 水 性 吸 水 率 消 化 性 20 分 120 分 20/120 分 Brix F-N 玄 米 千 粒 重 -0.06 +0.69** +0.19** +0.61** -0.36 +0.25* +0.05 心 白 発 現 率 -0.17 +0.77** -0.10** +0.83** -0.14 +0.30* +0.21 心 白 率 -0.17 +0.77** -0.05** +0.80** -0.23 +0.36* +0.21 ア ミ ロ ー ス +0.28 +0.35** +0.14** +0.29** -0.18 -0.53* +0.19 タ ン パ ク 質 -0.17 -0.39** -0.66** -0.06** +0.17 -0.20* +0.09 最 高 粘 度 -0.16 -0.64** -0.26** -0.52** +0.12 +0.34* -0.23 最 低 粘 度 +0.18 *0.47** -0.15** -0.41** +0.12 +0.12* +0.12 ブレークダウン -0.41 -0.32** -0.22** -0.22** +0.08 +0.35* -0.41 セットバック +0.31 +0.23** +0.28** +0.09** -0.05 -0.48* +0.37 注 ) 1 . 山 田 錦 、 は な か ぐ ら 、 レ イ ホ ウ お よ び 育 成 系 統 ( 5 系 統 ) を 2 カ 年 と も 供 試 。 2 . 心 白 発 現 率 : ( 心 白 発 現 粒 数/全 粒 数 ) ×100。 3 . 心 白 率 : {(5×心 白 大 粒 数 +4×同 中 粒 数 +2×同 小 粒 数 )/(5×全 粒 数 )} ×100。 4 . 蒸 米 吸 水 率 :39.2% 以 上 で 、 値 は 高 い ほ ど 好 ま し い 。 5 . 消 化 性 :Brix は 直 接 還 元 糖 を 表 し 、 値 は 高 い ほ ど 好 ま し い 。 6 . **、 *は 1 % 、 5 % 水 準 で 有 意 。 ( 図 5 ) ア ミ ロ ー ス 含 有 率 と 消 化 性(Brix)と の 関 係 山田錦 y=-0.4515x+19.238 r=-0.53* 6 8 10 12 18 20 22 24 アミロース含有率(%) Brix(%) △:平成14年産(r=-0.54ns) ▲:平成15年産(r=-0.67+)

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1 ― 6 研 究 成 果 開 発 し た 福 岡 オ リ ジ ナ ル 酒 造 用 米「 夢 一 献 」は 、多 収 で 、穂 い も ち 病 は“ 中 ”程 度 の 強 さ で 、醸 造 適 性 が 優 れ る こ と が 明 ら か と な り 、平 成 15 年 10 月 に 種 苗 法 に 基 づ き 品 種 登 録 出 願 を 行 い 、 翌 年 2 月 に 「 夢 一 献 」 と い う 品 種 名 と な っ た 。 水 稲 育 種 現 場 で の 酒 米 品 種 の 選 抜 に お い て 、 酒 造 適 性 と し て 重 要 な 吸 水 性 は 玄 米 千 粒 重 や 心 白 発 現 率 を 、 消 化 性 は ア ミ ロ ー ス 含 有 率 を 調 査 す る こ と に よ っ て 、 選 抜 初 期 段 階 で 簡 易 に 評 価 で き る 。 た だ し 、 生 産 力 検 定 試 験 等 の 最 終 段 階 に お い て は 、 酒 造 用 原 料 米 全 国 統 一 分 析 法 に 準 じ た 吸 水 性 、 消 化 性 等 の 評 価 が 必 要 で あ る 。 1 ― 7 今 後 の 課 題 と 取 組 福 岡 オ リ ジ ナ ル 品 種 「 夢 一 献 」 を 使 用 し た 本 格 的 な 新 し い 純 米 酒 や 本 醸 造 酒 を 開 発 し 、 現 在 、 酒 造 用 一 般 米 の 主 力 品 種 で あ る 「 レ イ ホ ウ 」 、 「 ニ シ ホ マ レ 」 、 「 ツ ク シ ホ マ レ 」 等 ( 作 付 け 面 積 :1,920ha) を 「 夢 一 献 」 に 切 り 替 え て 、 福 岡 の オ リ ジ ナ ル 性 を 打 ち 出 す 。 こ の 際 、 「 夢 一 献 」 の 作 付 け 拡 大 に あ た っ て は 、 酒 米 生 産 地 域 に お い て 「 夢 一 献 」 の 計 画 的 な 契 約 栽 培 を 推 進 す る 。 参 考 文 献 ・ 引 用 文 献 1) 伊 藤 亮 司・呉 映 蘭 (2002)酒 造 業 に お け る 原 料 米 需 要 と 酒 米 産 地 の 販 売 対 応 .新 潟 大 学 農 学 部 研 究 報 告 54(2): 81-95. 2) 農 林 水 産 省 生 産 局 編 (2002)水 陸 稲 ・ 麦 類 ・ 大 豆 奨 励 品 種 特 性 表 . 3) 岡 田 正 憲 ・ 西 山 壽 ・ 本 村 弘 美 ・ 藤 井 啓 史 ・ 今 井 隆 典 ・ 甲 斐 俊 二 郎 ・ 和 佐 野 喜 久 生 ・ 志 村 英 二(1974)水 稲 新 品 種 “ レ イ ホ ウ ” に つ い て . 九 州 農 業 試 験 場 報 告 17(3): 293-313. 4) 酒 米 研 究 会 編 (1996)酒 造 用 原 料 米 統 一 分 析 法 . 5) 内 山 田 博 士 ・ 西 山 壽 ・ 橘 高 昭 雄 ・ 轟 篤 ・ 新 村 善 弘 ・ 黒 木 雄 幸 ・ 衛 藤 信 男 ・ 上 野 貞 一 ・ 向 井 康 ・ 本 部 裕 朗(1980)水 稲 新 品 種 “ ニ シ ホ マ レ ” に つ い て . 宮 崎 総 農 試 研 報 14: 45-57.

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2.胚乳形質の特性評価による育種選抜の効率化

九 州 大 学 農 学 研 究 院 教 授 佐 藤 光 助 教 授 熊 丸 敏 広 2 - 1 胚 乳 形 質 の 特 性 評 価 に よ る 育 種 選 抜 の 効 率 化 2 - 2 プ ロ ジ ェ ク ト 全 体 に お け る 本 研 究 開 発 部 分 の 位 置 づ け お 米 ( 白 米 ) は 、100g 中 に 糖 質 86.3g 、 タ ン パ ク 質 6.5g 、 脂 質 1g を 含 ん で お り 、 大 部 分 は 糖 質 、 即 ち 澱 粉 で 、 タ ン パ ク 質 や 脂 質 は 極 め て 尐 な い 。 そ の た め 、 澱 粉 の 特 性 が ご 飯 の 食 味 や 、 お 酒 ( 日 本 酒 ) あ る い は 澱 粉 粉 な ど 米 加 工 品 の 質 を 決 め る 最 も 大 き な 因 子 と 考 え ら れ て い る が 、 タ ン パ ク 質 や 脂 質 も 量 は 尐 な い も の の 、 風 味 や 触 感 に 影 響 を 与 え る こ と が 指 摘 さ れ て い る 。 し か し 、 最 近 の 研 究 か ら お 米 の 澱 粉 や タ ン パ ク 質 は 性 質 の 異 な る 複 数 の 分 子 か ら 構 成 さ れ る こ と が 明 ら か と な り 、 そ れ ぞ れ の 分 子 の 特 性 や 量 比 、 あ る い は そ れ ら の お 米 の 中 の 分 布 が ご 飯 や お 酒 の 味 や 風 味 に 大 き く 影 響 す る こ と が 次 第 に 明 ら か に な っ て き た 。 日 本 酒 は 美 味 し く て 日 本 料 理 に は 良 く 合 い 、 私 達 の 生 活 に は 馴 染 み の 深 い も の で あ る 。 し か し 、 吟 醸 酒 を は じ め 、 純 米 酒 、 本 醸 造 酒 な ど の 高 品 質 の お 酒 は 美 味 し さ は 誰 も が 認 め る と こ ろ で あ る が 価 格 が 高 く 、 こ の 点 の 改 善 が 求 め ら れ て い る 。 日 本 酒 は お 米 を 原 料 と し て 作 ら れ る が 、 高 品 質 の 日 本 酒 の 製 造 コ ス ト に 占 め る 原 料 米 の 比 率 は 60〜 70% に も な り 、 従 っ て 、 美 味 し く て か つ 飲 み や す い 日 本 酒 の 供 給 に は 、 安 価 で か つ 酒 造 適 正 の 高 い 原 料 米 の 開 発 が 不 可 欠 と 考 え ら れ る 。 酒 造 り に 適 し た 米 は 酒 造 好 適 米 と 呼 ば れ る が 、 一 般 米 と は 異 な る 特 性 を 有 し 、 ・ 大 粒 、 軟 質 で あ る ・ 吸 水 性 が よ い ・ 蒸 米 が 外 硬 内 軟 と な り 、 手 触 り に 弾 力 が あ る ・ 麹 菌 の 破 精 込 み が 良 い ・ 溶 解 性 、 糖 化 性 が 良 い ・ 蛋 白 質 が 尐 な い ・ 酒 質 が 良 い 等 が 挙 げ ら れ て い る 。 上 述 の よ う に 、 お 米 は 、 澱 粉 (80% ) 、 蛋 白 質 ( 8% ) 、 脂 質 ( 3 % ) を 含 み 、 さ ら に 、 こ れ ら の 成 分 は 複 数 の 分 子 か ら 構 成 さ れ て い る 。 し か し 、 酒 造 好 適 米 に 挙 げ ら れ た 形 質 が ど の 様 な お 米 の 成 分 と 結 び つ い て い る の か 、 関 与 す る 遺 伝 子 は ど ん な も の か 等 に つ い て は あ ま り よ く 判 っ て い な い の が 実 情 で あ る 。 さ ら に 、 新 し い 品 種 の 育 成 ( 育 種 ) に は 、 一 般 に 8〜 10 年 と い っ た 長 年 月 を 要 す る 。 従 っ て 、 高 品 質 で 収 量 性 が 高 い 酒 造 好 適 米 の 育 成 を 効 率 的 に 行 う た め に は 、 酒 造 適 性 に 関 係 し た 形 質 の 要 因 ( 遺 伝 子 ) を 明 ら か に し 、 簡 便 に 解 析 出 来 る 手 法 の 開 発 が 求 め ら れ て い る 。

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2 - 3 目 的 と 目 標 研 究 開 発 目 標 ・ 酒 造 適 性 と 胚 乳 形 質 の 関 係 解 明 ・ 優 良 な 酒 造 、 栽 培 特 性 を 有 す る 系 統 の 品 質 評 価 本 研 究 で は 酒 造 好 適 米 の 簡 易 ・ 迅 速 選 抜 の た め の 基 礎 的 知 見 を 得 る こ と を 目 的 に 、 九 州 大 学 が 保 有 す る 酒 造 適 性 に 関 連 が あ る と 予 測 さ れ る 胚 乳 形 質 ( 澱 粉 及 び タ ン パ ク 質 ) が 変 異 し た 系 統 及 び 福 岡 県 農 業 総 合 試 験 場 が 育 成 し た 有 望 系 統 を 用 い て 、 酒 造 適 性 測 定 デ ー タ を 基 に 酒 造 適 性 に 係 わ る 胚 乳 形 質 の 特 性 解 析 並 び に 遺 伝 学 的 解 析 を 行 い 、 新 た な 酒 造 適 性 関 連 形 質 の 探 索 を 行 っ た 。 2 - 4 実 験 結 果 2 - 4 - 1 山 田 錦 の 心 白 性 の 組 織 学 的 観 察 「 山 田 錦 」 の 白 米 透 明 部 分 の 胚 乳 透 明 部 分 の 胚 乳 澱 粉 粒 は 角 張 っ て 密 に 胚 乳 細 胞 内 に 配 列 し て い た が 、 心 白 部 の 胚 乳 澱 粉 粒 は 丸 く 、 胚 乳 細 胞 は 壊 れ て 、 つ ま り 方 は 粗 で あ っ た 。 さ ら に 一 部 は ア ミ ラ ー ゼ 分 解 と 思 わ れ る 形 状 も 見 出 さ れ た 。こ れ ら の こ と か ら 、「 山 田 錦 」の 心 白 性 は 、 澱 粉 粒 の 未 充 実 に よ り 形 成 さ れ た と す る よ り 、 澱 粉 蓄 積 後 に ア ミ ラ ー ゼ の 影 響 で 澱 粉 粒 が 分 解 さ れ た こ と に よ っ て 形 成 さ れ た も の と 推 察 さ れ る 。 2 - 4 - 2 「 山 田 錦 」 の 澱 粉 特 性 ○ ア ミ ロ ー ス 特 性 胚 乳 澱 粉 中 の ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は 、 蒸 し 米 の 粘 性 ・ 保 水 性 と 密 接 に 関 係 す る 。 定 法 に 従 っ て 胚 乳 澱 粉 を 1M 水 酸 化 ナ ト リ ウ ム で 溶 解 、1M 酢 酸 で 中 和 後 、ヨ ウ 素 呈 色 比 色 法 に よ り ア ミ ロ ー ス 含 有 率 を 推 定 し た 。「 山 田 錦 」と 食 用 米(「 金 单 風 」・「 台 中 65 号 」 )を 比 較 し た と こ ろ 、 見 か け の ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は 「 山 田 錦 」 が 有 意 に 高 か っ た ( 図 1 ) 。 こ の こ と は 、 「 山 田 錦 」 は 保 水 性 や 粘 性 が 低 い こ と を 示 唆 す る も の と 考 え ら れ る 。 ( 図 1 ) 胚 乳 澱 粉 の ヨ ウ 素 複 合 体 の ス ペ ク ト ラ ム 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 440 480 520 560 600 640 680 720 金南風 台中65号 山田錦 波 長 波 長 吸光度

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一 方 、 ア ミ ロ ー ス は 、D-グ ル コ ー ス が α -1,4 結 合 で 直 鎖 状 に 結 合 し た 分 子 で 、 通 常 ラ セ ン 構 造 を 有 す る 。 ア ミ ロ ー ス は こ の ラ セ ン 構 造 の た め 、 そ の 分 子 内 に 種 々 の 他 の 分 子 を 包 接 で き る 包 接 化 合 物 で あ る ( 図 2 ) 。 植 物 澱 粉 は リ ン 脂 質 を 含 む こ と が 知 ら れ て い る が 、 米 澱 粉 中 の ア ミ ロ ー ス の 約 50% は リ ン 脂 質 を 包 接 す る と の 報 告 も あ る ( 竹 田 、 2003) 。 ア ミ ロ ー ス 含 量 と 酒 米 の 吸 水 率 と は 貟 の 相 関 が あ り 、 ア ミ ロ ー ス 含 量 が 高 い ほ ど 吸 水 率 は 低 く な る( 荒 巻 ら 、2000)。一 方 、米 澱 粉 中 の ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は 搗 精 歩 合 に よ っ て 異 な り 、 中 心 部 の 澱 粉 は ア ミ ロ ー ス 含 量 が 高 い と の 報 告 も あ る 。 し か し 、 搗 精 に と も な う 吸 水 率 の 低 下 は 認 め ら れ ず 、 吸 水 率 の 低 下 は ア ミ ロ ー ス 以 外 の 要 因 も 考 え ら れ て い る 。 そ こ で 、 搗 精 に 伴 う ア ミ ロ ー ス 含 有 率 に つ い て 検 討 し た 。 ( 図 2 ) 澱 粉-リ ン 脂 質 包 接 化 合 物 の 模 式 図

ア ミ ロ ー ス の 生 合 成 は 澱 粉 粒 結 合 型 澱 粉 合 成 酵 素(GBSS : Granule Bound Starch Synthase、 Wx タ ン パ ク 質 と も 呼 ば れ る )酵 素 が 主 要 な 役 割 を 果 た す こ と が 知 ら れ て い る 。登 熟 に 伴 う GBSS 発 現 量 を ウ エ ス タ ン ブ ロ ッ ト 法 に よ り 調 べ た と こ ろ 、 登 熟 に 伴 っ て 次 第 に 増 加 し た ( 図 3 ) 。 こ の こ と は 、 ア ミ ロ ー ス は 登 熟 後 期 に 活 発 に 合 成 さ れ る こ と を 示 し て お り 、 白 米 の 内 層 部 よ り 外 層 部 の 澱 粉 で は ア ミ ロ ー ス が 多 く な る と 考 え ら れ る 。 ( 図 3 ) 登 熟 に 伴 う 種 子 中 の タ ン パ ク 質 の 発 現 次 に 、 粒 内 に お け る ア ミ ロ ー ス の 分 布 を 明 ら か に す る 目 的 で 、 搗 精 に 伴 う ア ミ ロ ー ス 含 量 の 変 化 を 、 脱 脂 澱 粉 及 び 非 脱 脂 澱 粉 に つ い て 検 討 し た 。 水 稲 品 種 「 金 单 風 」 を 90、 80、 70、 60、 50、 35 に 搗 精 後 粉 砕 し 、 脱 脂 し た も の ( DF: エ タ ノ ー ル /超 音 波 破 砕 /1 時 間 振 盪 で 3 回 洗 浄 ) と 、 全 く 脱 脂 し な か っ た も の ( NDF) に つ い て 、 ア ル カ リ 糊 化 -ヨ ウ 素 呈 色 法

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の ア ミ ロ ー ス 含 量 が 次 第 に 増 加 し た ( 表 1 A ) 。 一 方 、 脱 脂 系 統 で は 、 逆 に 搗 精 歩 合 が 高 ま る に 伴 い ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は 次 第 に 低 下 す る 傾 向 が 認 め ら れ た ( 表 1 B ) 。 両 手 法 か ら 推 察 し た 包 接 度 は 最 大 で 90% 搗 精 の 32% で 、搗 精 を 進 め る に 従 っ て 低 下 す る 傾 向 が 認 め ら た ( 表 1 C ) 。 ア ミ ロ ー ス 合 成 酵 素 の 発 現 量 は 登 熟 後 期 に 活 発 に な る こ と か ら 、 ア ミ ロ ー ス は 米 粒 の 中 心 部 よ り 外 層 部 に 多 く な る と 思 わ れ る 。 脱 脂 澱 粉 の ア ミ ロ ー ス の 分 布 も む し ろ 、 登 熟 後 期 に ア ミ ロ ー ス が 活 発 に 合 成 さ れ て い る こ と を 示 唆 し て い る 。 米 澱 粉 中 の 脂 質 は 、主 に リ ン 脂 質 の 形 で ア ミ ロ ー ス の ラ セ ン 構 造 中 に 包 接 化 合 物 と し て 存 在 す る( 図 2 )。 非 脱 脂 澱 粉 の 見 か け の ア ミ ロ ー ス 含 量 が 中 心 部 で 高 く な っ た こ と は 、 米 ( 胚 乳 ) の 外 層 の 澱 粉 が よ り 多 く の リ ン 脂 質 を 包 摂 す る た め 、 見 か け の ア ミ ロ ー ス 含 量 が 低 下 し た と 考 え ら れ る 。 脂 質 は 蛋 白 質 と 共 に 、加 工 澱 粉 の 風 味 や 香 り に 大 き な 影 響 を 及 ぼ す こ と が 知 ら れ て い る 。 一 方 、 酒 米 の 酒 造 適 性 の 指 標 で あ る 吸 水 率 と ア ミ ロ ー ス 含 量 と は 貟 の 相 関 が あ り 、 ア ミ ロ ー ス 含 量 が 高 い ほ ど 吸 水 率 は 低 く な る( 荒 巻 ら 、2004a)。し か し 、米 澱 粉 中 の ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は 搗 精 歩 合 に よ っ て 異 な り 、中 心 部 の 澱 粉 は ア ミ ロ ー ス 含 量 が 高 い と の 報 告 も あ る 。 さ ら に 、 搗 精 に と も な う 吸 水 率 の 低 下 は 認 め ら れ ず 、 吸 水 率 の 低 下 は ア ミ ロ ー ス 以 外 の 要 因 も 考 え ら れ て い る 。玄 米 中 の 無 機 金 属 類 は 、Ca や K は 、精 米 中 に は 殆 ど 認 め ら れ な い が 、 P は 搗 精 度 と 共 に 減 尐 す る 。 上 述 の よ う に 、 ア ミ ロ ー ス 合 成 酵 素 GBSS は 登 熟 後 期 に な る に 従 っ て 発 現 量 が 増 大 す る こ と か ら 、 ア ミ ロ ー ス 含 有 率 も 登 熟 後 期 の 澱 粉 で 、 即 ち 、 外 層 部 の 澱 粉 で 高 く な る こ と が 考 え ら れ る 。 そ こ で 、 「 山 田 錦 」 の 搗 精 に 伴 う ア ミ ロ ー ス 含 有 率 に つ い て 検 討 し た 。02 年 産 水 稲 品 種「 金 单 風 」を 90、80、70、60、50、35%( 図 4 )に 、 「 山 田 錦 」 ( 岡 山 産 ) を 68、 60、 44、 40、 37% に そ れ ぞ れ 搗 精 後 、 粉 砕 し 、 脱 脂 し た も の (DF: メ タ ノ ー ル /乳 鉢 ・ 超 音 波 破 砕 /1 時 間 振 盪 で 3 回 洗 浄 ) と 、 全 く 脱 脂 し な か っ た も の (NDF) に つ い て 、 ア ル カ リ 糊 化 -ヨ ウ 素 呈 色 法 に よ っ て 、 ア ミ ロ ー ス 含 量 を 測 定 し た 。 「 金 单 風 」 の 非 脱 脂 系 統 で は 、 前 回 同 様 搗 精 歩 合 が 高 ま る に 伴 い 見 か け の ア ミ ロ ー ス 含 量 が 次 第 に 増 加 し た ( 図 5 ) 。 一 方 、 脱 脂 系 統 で は 、 逆 に 搗 精 歩 合 が 高 ま る に 伴 い ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は や や 低 下 す る 傾 向 が 認 め ら れ た ( 図 5 ) 。 一 方 、 「 山 田 錦 」 で は 「 金 单 風 」 に 比 べ 元 々 ア ミ ロ ー ス 含 有 率 が 高 く 、 か つ 、 搗 精 に 伴 う 変 化 も 尐 な か っ た ( 図 5 ) 。

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( 図 4 ) 金 单 風 の 搗 精 し た 米 粒 ( 図 5 ) 金 单 風 及 び 山 田 錦 の 澱 粉-ヨ ウ 素 複 合 体 の 最 大 吸 収 波 長 「 金 单 風 」 で は 、 非 脱 脂 澱 粉 は 搗 精 度 が 高 ま る に 従 い 見 か け の ア ミ ロ ー ス 含 量 が 高 ま る が 、 脱 脂 澱 粉 で は 逆 に 内 層 部 の 澱 粉 で ア ミ ロ ー ス が 減 尐 す る 傾 向 が 認 め ら れ 、 上 述 の 結 果 を 確 認 し た 。 こ の こ と か ら 、 ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は 外 層 部 の 澱 粉 で 高 く な る が 、 そ の 多 く は 脂 質 を 包 接 し て い る こ と が 示 さ れ た 。 一 方 、 「 山 田 錦 」 で は 搗 精 に 伴 う 変 化 は あ ま り 認 め ら れ ず 、 か つ 、 全 て の 搗 精 範 囲 で 見 か け の ア ミ ロ ー ス 含 有 率 が 「 金 单 風 」 よ り 高 い こ と 、 GBSS 含 量 は 両 品 種 間 で 殆 ど 差 異 が 認 め ら れ な い こ と か ら 、 「 山 田 錦 」 の ア ミ ロ ー ス は 脂 質 を あ ま り 包 摂 し て い な い 可 能 性 が あ る 。 脂 質 は 、 香 り や 風 味 に 影 響 が 大 き い こ と か ら 、 原 料 米 の 調 整 で 搗 精 歩 合 を 大 き く す る こ と に も 関 与 し て い る 可 能 性 も 考 え ら れ る 。 な お 、 水 稲 品 種 「 金 单 風 」 、 「 山 田 錦 」 及 び 「 台 中 65号 」 の 白 米 の 脂 質 組 成 に つ い て 、 今 泉 教 授 ( 九 州 大 学 農 学 研 究 院 生 物 機 能 学 専 攻 「 栄 養 化 学 」 講 座 ) に 分 析 を 依 頼 し 、 リ ン 脂 質 、 ト リ グ リ セ リ ド 及 び 植 物 ス テ ロ ー ル に つ い て 分 子 種 並 び に 含 有 率 を 測 定 し た 。 分 子 種 に 関 し て は 品 種 間 で 大 き な 差 異 は 認 め ら れ な か っ た 。 し か し 、 そ れ ぞ れ の 分 子 種 に つ い て 量 的 な 差 異 が 認 め ら れ た 。 今 後 さ ら に 詳 細 に 検 討 を 進 め た い 。 ○ 「 山 田 錦 」 ア ミ ロ ペ ク チ ン 分 子 の 鎖 長 構 造 ア ミ ロ ペ ク チ ン は 胚 乳 デ ン プ ン の 80%を 占 め 、 D-グ ル コ ー ス が α -1,4 結 合 で 直 鎖 結 合 し た ア ミ ロ ー ス と は 異 な り 、D-グ ル コ ー ス の α -1,4 短 鎖 が α -1,6 結 合 に よ り 分 岐 し た 構 造 を 有 し 、 ア ミ ロ ー ス の 10 倍 以 上 大 き い 分 子 量 を 有 す る グ ル コ ー ス ポ リ マ ー で あ る (澱 粉 科 学 の 事 典 、2003)。ア ミ ロ ペ ク チ ン 分 子 の 鎖 長 構 造 や 分 子 量 等 そ の 分 子 構 造 は 、澱 粉 の 粘 弾 性 や ア ミ ラ ー ゼ の 消 化 性 と 密 接 に 関 係 す る 。 胚 乳 澱 粉 を イ ソ ア ミ ラ ー ゼ で 処 理 後 、 ア ミ ロ ペ

100%

(

玄米

)

90%

80%

70%

60%

50%

35%

35 50 60 70 80 90 100 540 560 580 600 金南風・脱脂 金南風・非脱脂 山田錦・脱脂 山田錦・非脱脂 搗精歩合 (%) ・ ナ・ ・ ・ z・ ・ ・ g ・ キ ( nm ) 最 大 吸 収 波 長 ( nm )

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65 号 」に 比 べ DP24 以 下 の 短 鎖 が や や 多 く 、長 鎖 が 尐 な か っ た( 図 6 )。こ の 結 果 は 、「 山 田 錦 」 の ア ミ ロ ペ ク チ ン は 保 水 性 が 高 く 、 ア ミ ラ ー ゼ で 消 化 さ れ や す い こ と を 示 唆 し て い る 。「 山 田 錦 」澱 粉 の 尿 素 糊 化 特 性 は 対 照 品 種 と 顕 著 な 差 異 は 認 め ら れ な か っ た が 、4M 尿 素 で は 若 干 膨 潤 が 大 き く 、5M 尿 素 で は 逆 に や や 低 く な る よ う な 傾 向 が 見 ら れ た ( 図 7 ) 。 こ の 結 果 も 、 山 田 錦 の ア ミ ロ ペ ク チ ン が 一 般 米 と は 異 な る こ と を 強 く 示 唆 し て い る 。 ( 図 6 ) 山 田 錦 と 対 照 品 種 の ア ミ ロ ペ ク チ ン 鎖 長 分 布 の 差 ス ペ ク ト ル ( 図 7 ) 山 田 錦 の 尿 素 糊 化 特 性 2 - 4 - 3 「 山 田 錦 」 の 貯 蔵 タ ン パ ク 質 特 性 ○ SDS-PAGE 分 析 種 子 貯 蔵 タ ン パ ク 質 の SDS-PAGE 分 析 を 行 っ た と こ ろ 、 「 山 田 錦 」 は Cysteine 含 量 の 高 い 16・ 14・ 10k D の 各 プ ロ ラ ミ ン ( 高 含 硫 プ ロ ラ ミ ン ) が 有 意 に 尐 な か っ た ( 図 8 ) 。 ま た 、プ ロ ラ ミ ン 分 子 の 組 成 も 異 な っ て い た( 図 9 )。酒 類 総 合 研 究 所 と の 共 同 研 究 の 結 果 、 高 含 硫 プ ロ ラ ミ ン 蓄 積 量 を 低 下 さ せ た 突 然 変 異 系 統 を 用 い て 造 っ た 日 本 酒 は 吟 醸 香 が 高 く 酒 造 適 性 が 優 れ る が 、 逆 に 高 含 硫 プ ロ ラ ミ ン 蓄 積 量 を 多 量 に 蓄 積 し た 突 然 変 異 系 統 を 用 い た 日 本 酒 は 概 し て 評 価 が 低 か っ た 。 「 山 田 錦 」 の プ ロ ラ ミ ン 特 性 も 、 風 味 や 味 、 香 り に 大 き く 影 響 す る こ と が 考 え ら れ る 。

-0.1

-0.05

0

0.05

0.1

0.15

0.2

7 12 17 22 27 32 37 42 47 52

DP

-金

-0.2

-0.1

0

0.1

0.2

0.3

7 12 17 22 27 32 37 42 47 52

DP

-台

65号

1 0 2 3 4 5 6 7 8 9

尿

Δ R e l a t i v e P e a k A r e a ( % ) Δ R e l a t i v e P e a k A r e a ( % )

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( 図 8 ) 山 田 錦 の SDS-PAGE 分 析 ( 図 9 ) 山 田 錦 プ ロ ラ ミ ン の 等 電 点 電 気 泳 動 分 析 ○ 醸 造 中 の 米 の タ ン パ ク 質 組 成 の 変 化 醸 造 日 数 が 進 む に つ れ て 、 グ ル テ リ ン は 減 尐 、 プ ロ ラ ミ ン は 増 加 の 傾 向 に あ っ た ( 図 1 0 ) 。 一 方 、 等 電 点 電 気 泳 動 に よ っ て 両 蛋 白 分 子 の 消 化 特 性 を 調 査 し た が 、 電 気 泳 動 像 が 明 瞭 で は な か っ た が 、 質 的 な 変 化 は 認 め ら れ な か っ た 。 Y 1 11 Y 12 21 Y ( 図 1 0 ) 醸 造 日 数 に よ る 山 田 錦 の 貯 蔵 タ ン パ ク 質 の 変 化 2 - 4 - 4 酒 造 適 性 に 係 わ る 胚 乳 形 質 の 遺 伝 学 的 要 因 解 析 酒 造 好 的 米 「 山 田 錦 」 は 、 粒 大 や 心 白 性 な ど の 粒 形 質 の み な ら ず 、 ア ミ ロ ー ス や ア ミ ロ ペ ク チ ン な ど の 澱 粉 特 性 あ る い は 貯 蔵 タ ン パ ク 質 な ど に つ い て 、 一 般 米 と は 異 な る 特 性 を 有 す る こ と が 明 ら か と な っ た 。 し か し 、 こ れ ら の 形 質 が ど の 様 な 遺 伝 子 支 配 さ れ る の か 、 ま た 、 互 い に 独 立 し た も の で あ る か あ る い は 密 接 に 関 連 す る か に つ い て は 明 ら か で な い 。 そ こ で 「 山 田 錦 」 の 有 す る 酒 造 適 性 に 関 わ る 遺 伝 要 因 の 解 明 を 目 的 と し て 、 多 収 ・ 掛 け 米 品 種 「 ニ シ ホ マ レ 」 と の 交 雑 F2集 団 を 用 い 、 貯 蔵 タ ン パ ク 質 ( 低 含 硫 プ ロ ラ ミ ン ) 、 ア ミ ロ ー ス 含 有 率 ( 包 接 脂 質 ) 、 ア ミ ロ ペ ク チ ン 鎖 長 構 造 に 及 ぼ す 遺 伝 的 要 因 に つ い て 解 析 を 行 っ た 。 ○ ア ミ ロ ー ス 含 有 率 「 山 田 錦 」は 非 脱 脂 澱 粉 の 見 か け の ア ミ ロ ー ス 含 有 率 で 高 ア ミ ロ ー ス 性( λ max:572nm)、 「 ニ シ ホ マ レ 」 は 低 ア ミ ロ ー ス 性 ( λ max: 562nm ) を 示 す 。 両 品 種 の 自 殖 F2集 団 に つ い て 白 米 1 粒 /F2植 物 、95F2個 体 を 供 試 し 、非 脱 脂 種 子 澱 粉 の ア ミ ロ ー ス 含 有 率 を 調 査 し た と プ ロ ラ ミ ン グ ル テ リ ン Glutelin precursor Glutelin  subunit Glutelin  subunit Globulin Prolamin 26 57 40 20 16 14 13

(kD)

+

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-こ ろ 、低 ア ミ ロ ー ス 型( λ max: 562nm±4nm、モ ー ド : 562nm)と 高 ア ミ ロ ー ス 性( λ max : 571nm±4nm、 モ ー ド : 570nm) が 出 現 し 、 両 者 の 比 は 62低 ア ミ ロ ー ス 型 : 33高 ア ミ ロ ー ス 性 と ほ ぼ 卖 因 子 分 離 に 適 合 す る 分 離 を 示 し た( 理 論 比:卖 因 子 务 性 ホ モ( 95/4=23.75)+ ヘ テ ロ 個 体 中 ( 95/2) の 卖 因 子 务 性 ホ モ 出 現 率 ( 1/4) ( =95/2*1/4=11.875) =23.75+11.875=35.625) ( 表 2 ) 。 一 方 、 見 か け の GBSS量 に 分 離 は 認 め ら れ な か っ た 。 さ ら に 、 脱 脂 し た ニ シ ホ マ レ 種 子 澱 粉 の ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は 、 「 山 田 錦 」 の そ れ と ほ ぼ 同 等 で あ っ た 。 こ れ ら の こ と は 、 「 山 田 錦 」 の 非 脱 脂 澱 粉 の 高 ア ミ ロ ー ス 性 は 比 較 的 尐 数 の 遺 伝 子 支 配 で あ る こ と 、 GBSS以 外 の 遺 伝 子 が 関 与 し て い る こ と が 強 く 示 唆 さ れ た 。 し か し 、 ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は 登 熟 期 の 温 度 条 件 に 大 き く 左 右 さ れ る こ と が 報 告 さ れ て い る 。 昨 年 度 は 登 熟 初 期 高 温 で あ っ た こ と 、 さ ら に 、 後 期 に 3 度 の 台 風 来 襲 に よ り 、 高 温 多 湿 条 件 で の 登 熟 と な り 、 種 子 の 充 実 が 著 し く 务 化 し た 。 こ れ ら の こ と も 上 記 結 果 に 影 響 を 与 え た 可 能 性 が 有 り 、 今 後 、 検 体 数 を 増 す と 共 に 種 子 の 登 熟 条 件 を 考 慮 し て 確 認 を 進 め て い く 必 要 が あ る 。 ( 表 2 ) 山 田 錦 ×ニ シ ホ マ レ の 自 殖 F2植 物 に お け る 非 脱 脂 胚 乳 澱 粉 の ア ミ ロ ー ス 含 有 率 の 分 離 交 配 組 み 合 わ せ F2種 子 に お け る 分 離 合 計 χ2(5:3) λ max(5614nm) λ max(5704nm) 山 田 錦 ×ニ シ ホ マ レ 62 33 95 0.31 ○ 心 白 性 F2集 団 に お け る 心 白 性 は 、 71(心 白 +心 白 ヘ テ ロ ): 24(正 常 型 )と ほ ぼ 卖 因 子 分 離 に 適 合 す る 分 離 を 示 し た ( 表 3 ) 。 ま た 、 同 一 個 体 内 で 明 ら か に 心 白 と 正 常 型 の 分 離 を 示 す も の が 認 め ら れ た 。 こ れ ら の 結 果 か ら 、 「 山 田 錦 」 の 心 白 性 は 卖 遺 伝 子 支 配 で あ る こ と 、 キ セ ニ ア を 示 す と 考 え ら れ た こ と か ら 胚 乳 成 分 の 蓄 積 に 関 わ る 遺 伝 子 の 関 与 が 示 唆 さ れ た 。 ( 表 3 ) 山 田 錦 ×ニ シ ホ マ レ の 自 殖 F2植 物 に お け る 心 白 性 の 分 離 交 配 組 み 合 わ せ F2植 物 に お け る 分 離 合 計 χ2(3:1) 心 白 ホ モ + 心 白 へ テ ロ 正 常 型 山 田 錦 ×ニ シ ホ マ レ 71 24 95 0.01 ○ 貯 蔵 タ ン パ ク 質

「 山 田 錦 」は 、15kD高 含 硫 プ ロ ラ ミ ン (15kD High Sulfur Prolamin :15HSP) の 蓄 積 量 が 尐 な い( 15HSP-L)。F2集 団 で の 15HSP-Lの 分 離 は 、野 生 型:15HSP-L=87:8と な っ た( 表 4 )。 こ の こ と は 、 「 山 田 錦 」 の 15HSP-Lは 遺 伝 的 支 配 で あ る こ と 、 2 種 の 遺 伝 子 が 関 与 す る 可 能 性 を 示 し て い る 。 し か し 、 分 離 の ひ ず み を も た ら す 遺 伝 子 の 可 能 性 も あ り 、 今 後 、 F3集 団 に つ い て 検 討 を 進 め る 必 要 が あ る 。

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( 表 4 ) 山 田 錦 ×ニ シ ホ マ レ の 自 殖 F2植 物 に お け る 15kD高 含 硫 プ ロ ラ ミ ン 減 尐 型 (15HSP-L)の 分 離 交 配 組 み 合 わ せ F2植 物 に お け る 分 離 合 計 χ2(15:1) 野 生 型 15HSP-L 山 田 錦 ×ニ シ ホ マ レ 87 7 95 0.23 ○ 高 ア ミ ロ ー ス と 心 白 F2に お け る 高 ア ミ ロ ー ス( 心 白 +心 白 へ テ ロ : N):低 ア ミ ロ ー ス( 心 白 +心 白 へ テ ロ : N) の 分 離 は 、43: 13: 28: 6 で あ っ た 。従 っ て 、両 者 は 独 立 遺 伝 子 で あ り 、か つ 、連 鎖 関 係 も 極 め て 低 い と 考 え ら れ た 。 同 様 に 高 ア ミ ロ ー ス と 15HSP-L、心 白 性 と 15HSP-L間 も 分 離 が 認 め ら れ 、こ れ ら は 互 い に 独 立 の 遺 伝 子 支 配 で あ る こ と が 示 さ れ た 。 2 - 4 - 5 酒 造 適 性 と 胚 乳 形 質 の 関 係 解 明 ○ 育 成 品 種 「 夢 一 献 」 の 品 質 評 価 低 タ ン パ ク 質 酒 米 品 種 「 夢 一 献 」 の タ ン パ ク 質 組 成 を 、SDS-PAGE 及 び IE 法 に よ っ て 分 析 し た 。 高 ・ 低 含 硫 プ ロ ラ ミ ン 比 率 は ほ ぼ 同 等 で 、 構 成 ポ リ ペ プ チ ド は 一 般 品 種 と 大 き な 差 異 は 認 め ら れ な か っ た 。 し か し 、 プ ロ ラ ミ ン 相 対 蓄 積 量 は 低 い 傾 向 が 認 め ら れ た 。 こ の こ と が 、 「 夢 一 献 」 の 低 タ ン パ ク 質 の 要 因 の 1 つ つ と 考 え ら れ た 。 一 方 、非 脱 脂 澱 粉 の 見 か け の ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は「 山 田 錦 」よ り 低 い も の の 、「 金 单 風 」 よ り 高 く 、 か つ 、 脱 脂 後 の 澱 粉 の 見 か け の ア ミ ロ ー ス 含 有 率 は 3 者 と も 同 等 で あ っ た 。 こ の こ と は 、 「 夢 一 献 」 の ア ミ ロ ー ス は 包 摂 脂 質 量 が 尐 な い こ と を 示 唆 し て お り 、 こ の 点 が 本 品 種 の 酒 造 好 適 性 の 一 因 と な っ た と も 考 え ら れ る 。 ○ 新 奇 遺 伝 子 資 源 の 作 製 水 稲 品 種 金 单 風 及 び 台 中 65号 の MNU受 精 卵 処 理 後 代 に つ い て 心 白 を 中 心 と し て 大 粒 系 統 な ど に つ い て 選 抜 を 行 い 、幾 つ か の 変 異 を 得 た 。さ ら に 、26kDグ ロ ブ リ ン や 15kD高 含 硫 プ ロ ラ ミ ン 分 子 の 尐 な い 変 異 体 等 を 選 抜 し た 。 こ れ ら は 、 酒 米 育 種 の 育 種 素 材 と し て 活 用 が 期 待 さ れ る と 共 に 、 今 後 こ れ ら の 解 析 を 進 め る こ と に よ り 、 胚 乳 形 質 が 酒 造 特 性 に 及 ぼ す 効 果 が 明 ら か に な る と 期 待 さ れ る 。 2 - 5 研 究 成 果 ・ 酒 造 適 性 と 胚 乳 形 質 の 関 係 解 明 1 . 真 の ア ミ ロ ー ス 含 有 率 の 推 定 法 の 検 討 「 山 田 錦 」 、 対 照 と し て 一 般 品 種 「 金 单 風 」 を 用 い た 。 精 米 を 粉 砕 後 、 米 澱 粉 20mg を 試 料 と し 、 1 ) 無 処 理 、 2 ) 沸 騰 エ タ ノ ー ル 10 分 処 理 、 3 ) 沸 騰 メ タ ノ ー ル 10 分 処 理 を 行 い 、処 理 澱 粉 を 1M 水 酸 化 ナ ト リ ウ ム( 24 時 間 、温 度 25℃ 前 後 )で 可 溶 化 し 、ヨ ウ 素 染 色 法 に よ っ て ア ミ ロ ー ス 含 有 率 を 測 定 し た 。 両 品 種 澱 粉 と も 脱 脂 処 理 に よ っ て 青 色 度 が 高 ま り 、 ア ミ ロ ー ス が 脂 質 を 包 摂 す る こ と 、 ま た 、 メ タ ノ ー ル 処 理 が 最 も 効 率 よ く 脱 脂 出 来

参照

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