23
学生と図書館
(
Good memories of your school days)
わたしの好きな昔話( 28 )
(ちりめん本)
加納英樹
昔話にはさまざまなものがあり、「桃太郎」、
「舌切り雀」「猿蟹合戦」や「花咲か爺さん」な どはよく知られています。京都外国語大学付属 図書館のホームページから「本学の主な貴重書」
をクリックすると「世界の美本ギャラリー」の 画面が現れ、そこで「文明開化期のちりめん本」
をクリックすると英語やその他の外国語に翻訳 されたちりめん本が画面一杯に並んでいるのが 見えます。その中から私は、『養老の瀧』とい う話を選択しました。皆さんはこの話を聞いた ことがありますか?
ちりめん本の表紙と昔話の名前が出ている画 面の中から『養老の瀧』を見つけた時、私はか なり以前にこの名前の付いている場所を訪れた ことを思い出しました。というのも、この昔話 の舞台は私の出身地である岐阜県にあり、落差 32m、幅4mの滝は日本の滝百選に選ばれてい るからです。この話のあらすじは、次のような ものです。
《年老いた両親と暮らす働き者の息子は、い くら働いても貧しいままで、父に酒を飲ませて やることも出来ないことを嘆いていた。ある日、
山で木を切っていると水の落ちる音が聞こえ、
音の出所へ行くと、小さな瀧があった。息子が 手で掬すくい飲んでみると、それは酒であった。息
子は驚き喜んで瓢ひょうたん箪に入れ持ち帰り、 喜んだ父 は隣人にも分けて飲み干した。一夜のうちに噂 は広まり、 翌朝他の村人たちがこの瀧に酒を汲 みに行ったが、流れ落ちるのはただの水ばかり。
村人たちは息子に担がれたと思い怒るが、 息子 が汲むと瀧の水はやはり酒だった。この話を聞 いて帝は息子の孝心を称え年号を改めた。》
(京都外国語大学付属図書館ホームページより)
この話は貧しい若者が年老いた父に親孝行す るという話ですが、親孝行の大切さが伝わって くる温かいお話だと思います。何と言っても素 晴らしいと感じたのはこの話に登場する若者 は、貧しいながらも親のために一生懸命働いて 世話をしていたということです。こういった日 頃の親孝行が水を酒に変えるほど賞賛に値する ものだったのでしょう。
子供のために昔から頑張ってくれている親。
そういった親が年老いた時、今度は子供が親の ために色々と世話をするのは当然だと思います が、最近は親を大切にしない風潮が生じている ようです。このような時代だからこそ、親孝行 は何よりも大切だということを『養老の瀧』は 私たちに再認識させてくれるお話だと思います。
かのう ひでき(2015年度英米語学科卒業生)