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○ 関 雄介 論 文 審 査 の 要 旨

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Academic year: 2021

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(1)

別紙1

論 文 審 査 の 要 旨

報告番号 ○

甲 ・乙 2972

関 雄介

論文審査担当者

主査 教授 代田 達夫 副査 教授 中村 雅典

副査 教授 船津 敏弘

(論文審査の要旨)

学位申請論文「Morphological features of the nasomaxillary complex in nasal breathing disorder examined using CBCT」について、上記の主査1名、副査2名が個別に審査を行った。

成長期における気道の機能と顎顔面形態には関連性があることが知られているが、鼻呼吸障害が顎顔面形 態の成長発育に及ぼす影響について三次元的に解析した報告はなく、その実態は明らかではない。そこで、

矯正歯科を受診した混合歯列期から永久歯列期の健常者 44 名、そして鼻疾患により治療を受けている混合 歯列期から永久歯列期の患者 59 名を研究対象として、Cone beam computed tomography (以下 CBCT)の DICOM データを用い、鼻呼吸障害が鼻上顎複合体の形態に及ぼす影響について検討した。その結果、鼻疾患群では 鈎状突起幅と下鼻道幅が狭窄していた。また、永久歯列期では、鼻疾患群は対照群と比較して鈎状突起幅の 狭窄を認めたが、鼻歯槽突起幅や鼻歯槽突起高には有意な差は認めなかった。以上の結果から、鼻呼吸障害 は鼻腔の幅と関係があることが示唆されたが、不正咬合を惹起する原因となる歯槽形態と鼻疾患との関連性 は認めなかった。

本論文の審査において、副査の中村委員および船津委員から多くの質問があり、その一部とそれらに対す る回答を以下に示す。

中村委員の質問とそれらに対する回答:

1. 鈎状突起の狭窄が鼻呼吸障害とどのように関連するのか。

耳鼻科領域では通気度の悪い患者に対し鈎状突起を外側に広げる手術もある。逆説的ではあるが、鈎状突起 の狭窄は鼻腔通気の低下や乱気流を引き起こす可能性があると考えている。

2.鈎状突起幅の狭窄は何に起因するのか。

鈎状突起は篩骨胞と下鼻甲介の間に位置する板状の骨構造である。そのような薄い骨構造を有している 為、鼻腔通気度や気流、慢性炎症の影響を受けやすい部位であったと考える。

3. 固有鼻腔形成とその成長に関与する因子は何か。

鼻中隔における軟骨内成長、縫合部の張力、顔面筋、粘膜下結合組織、鼻腔粘膜上皮、血管、神経などす べてが組み合わされ固有鼻腔は受動的に成長する。

4.固有鼻腔形成とその成長に関与する因子は何か。

鼻中隔における軟骨内成長、縫合部の張力、顔面筋、粘膜下結合組織、鼻腔粘膜上皮、血管、神経などす べてが組み合わされ固有鼻腔は受動的に成長する。

(2)

船津委員の質問とそれらに対する回答:

1. 本研究で新たに設定した「up width」という計測項目は何を調べるために設定したのか。

Uncinate process width(鈎状突起幅)は鼻腔形態の前頭断において、最狭窄部をなす板状の骨構造とし て計測を行った。篩骨胞と下鼻甲介の間で、かつ上顎洞の開口部に位置する薄い骨構造であり、気流や炎症 など多彩な要因によって変化が出やすいのではないかと推測して距離計測に取り入れた。

2. 鼻上顎複合体が頭蓋顔面の成長発育における役割とはなにか。

鼻上顎複合体は鼻腔、頬骨突起、歯槽部を成し頭蓋顔面における上顔面の中心で大部分を占める解剖学的 な構造である。鼻中隔軟骨においては中顔面部において唯一の間質性軟骨成長機構を有し、また多くの非充 実性の空洞を有することから隣接する解剖学的構造や気流をはじめとする機能的な要因に左右されやすい 部位でもある。中顔面の成長中心である鼻上顎複合体は頭蓋の成長発育の足場となる構造物である。

両副査は、上記を含めた質問に対する回答が、いずれも満足のいくものであることを確認した。

主査 代田委員の質問とそれらに対する回答:

1. CBCT の三次元モデルにおける計測精度の正確さについて説明せよ。

CBCT画像のボクセルの大きさはおおよそ0.1~0.5mmであるが、臨床使用において0.6~1.0mm 離れていないと画像密度が同等である2つの構造物を識別することは困難とされている

2.本研究の矯正歯科における臨床的意義は何か。

本研究は成長期における顎顔面発育の把握の一助となると考える。矯正の分野では顎体の成長誘導はⅠ期 治療の最大の関心であり、中でも呼吸を代表とする機能の影響は無視することはできない。残念ながらこ の機能と顎発育の分野は多くの仮説と研究がなされているがその多くは未解明なことが多い。今回は鼻上 顎複合体と狭視野ではあるが、今までに計測されていない上顔面形態への影響と関連性を明らかにするこ とが本研究の臨床的意義だと考える。

主査の代田委員は、両副査の質問に対する回答の妥当性を確認するとともに、本論文の主張をさらに確認 するために上記の質問をしたところ、明確かつ適切な回答が得られた。

以上の審査結果から、本論文を博士(歯学)の学位授与に値するものと判断した。

(主査が記載)

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