ペ ク チ ン 醸 酵 に 就 い て 鮮 明 酷酸菌によるベクチン置の分解 (3)
小 沢 潤 二 郎 ・ 倉 地 守・三 宅 博
廊類を殺菌せやに浸水した場合、 Clostridiumpectinovorum<りが組皮の申に密集して繁殖 して来るが、之と形の異った酪酸菌も観察される.Clost. pectinovorum以外の酪酸菌は、
Beijerinck向 や Ruschmann(河)等によればベクチン質を分解する能力がなく、麻類の醗酵精練 にはあまり重要視されてゐない 併しBehrens<引は大麻の醗酵精練は亜麻と異り Clostridium 型の酪酸菌によって行われると述ペて居り、 McCoy(~) 等は数種のベクチシ質を醗酵する Cl・
ostridium型の酪酸菌を報告してゐる.著者等は醗酵中の皮麻より Clost. pectinovorumと 異る二株の酪酸菌を分離し、其性質に就て研究した.
I 酷 酷 薗 の 分 離
Clost.伊ctinovorum以外の酪酸菌は担皮の中で疎に繁漉してゐる.分離方法は口ost. pectinovopumの場合と同じにした. colonyは Clost.pectinovorumのように聞くないの で、容易に両者を区別する事が出来た.
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酪 酸 菌 の 性 質A.形態的性質、時養基には玉葱ヱキス寒天を用いた.水銀桂20mm,35四 370Cに培養した ものを観察した.
(a)細胞、栄養細胞は何れも樟歌、両端は円味を帯び、 No1は長さ 20‑6.0μ 巾 10‑
1.1μ, No2は長さ3.0‑6.0μ 巾 0.8‑1.2μであった.2‑6個細胞の蓮鎖したものが見られ た.胞子襲細胞は短い plectridium型を呈する.胞子の位置ぽ:terminal稀にはsubterminal であった.Clost. pectinovorumとは胞子嚢細胞の大さ及形によって識別する事が出来る.
(b)胞子、,72時間培養したものに遊離して認められた.胞子の形は卵形で大さは No1.長 さ2.2‑30μ 巾1.0‑2.0μ,No2,長さ 2.2‑3.1μ 巾1.1‑1.5μ であった.
(c)運動性、若い細胞は活穣に運動する.
(d)染色性、 Gr釘n氏染色は72‑120時間培養したものに就て陽性であった.granulose染 色は胞子襲細胞に於で陽性、 No1は胞子の部分以外は殆ど全部染まり、 No2は細胞の中間部 のみ染色した.
B.埼養的性質、水銀柱2伽nm35‑370C f'Lて培養した.
l
a) 1 % glucose肉、汁草案天斜面劃棋培養、何れも制面上に点綴般に colonyを生じ、試験 管下部のものは拡がって融合する.( b) 1 % glucose肉汁寒天穿刺培養、械毛般に発育する.寒天は分裂しない.
( c) 1 % glucos~ 肉汁寒天扇卒時養、斜面培養の場合と類似した colony を生やる.~円 形、径1‑2mm,やL隆起した colonyである.Clost. pectinovorumに較ペて黄色がかっ た筑白色であり柔かい.
くd)1 % glucose肉汁液休婚養、何れも 1日後に瓦斯を発生し、白濁する.No 1は沈殻
[農学研究第40~島第 2 号 107-109頁 1952) (107)
を生ぜ今、 No2は沈澱が1fS来る.
(e) litmus乳清、 5‑6日後に資変した.
(f) 1 % gluco田 gelatin穿刺培養、何れも gelatinを液化せや.
(g)ペプトン水培養、共に繁殖しない.
C.生理的性質.
( a ) indol. glucose肉汁に7日培養したが、 indol限発生しなかった〉
(b)硝酸塩の還元、 Clost.pectino'(orumの場合と培養保件は同じ.6日間培養したが亙 硝酸は抽出されなかった.
(c)硫化水素の生成、 gluco田 1%. pepton 1
% ,
K宣HP040.1%の暗養液に於て48時間 後に酷酸鉛紙を黒変した.(d)窒素固定作用、 Winogradskyの無量素矯養液をNo2は5‑7自に僅陀醗酵した.No 1は醗酵しなかった.
(e)酸素との関係共に嫌気。陸.
(f)温度との関係.350C附近が適温であった.
( g) macerationの作用、 1% glucose肉汁寒天の斜面上に滅菌した生の馬鈴薯切片を載 せ、周囲の寒天に菌を接種して培養したが何れも切片を包囲して繁殖したが macerationは超
らたかった.
(h)醗酵性糖類、 1%糖類、 0.5%ペプトシ、 0.2%K: HP04
,
0.2% NaH! PO.,
0.1% Mg SO.,
pH 6.5を培養液とした.arabino田 ,
xylose glucゅ 田 ,
galactose,
mannose,
fructo舘 ,
malto田 ,
sucro田 ,
raffinose,
α‑rnethyI‑glucoside,
sa1icin,
dextrin,
glycogen,
inulinより 瓦斯を発生する.rhamnose. glyc町in,
erythrit,
dulcit,
mannit,
sorbit,
adonit及 pectin〈ペクチシ酸Fを Njl0 NaOH tz:溶解し pH 6.5 K調節したもの〉には繁殖しなかった.
d‑galacturon酸〈加熱せ守に殺菌し NaOHにて pH6.5に調節したもの〉を No1はよく 醗酵したが、 No2は醗酵しなかった.
第 7報 遁 補
口
ost.pectinovorumの酵酸性糖類、 Clost ;
pectinovorum,
No 1 t'C.勅て実験した埼養傑 件は前記のものと同じにした.arabino田 ,
xylo田 ,
glucose,
galacto田 ,
mannose,
fructo田 ,
ma1to田 ,
lacto田 ,
sucrose,
ra侃inose,
sa1icin,
dextrin,
starch,
inulin mannitを醸酵し erytbrit,
dulcit,
adonit glycerin,
a‑methylglucosideを醸酵しなかった.rhamno田,回
rbit は稀に醗酵する事があった.ベグチy (ペグチγ酸 F)は醗酵しない.叉温水にて可溶性糖分を除去した皮腕を0.5%ベプトY7](K漫潰したものにも繁殖しなかった.d‑galacturon酸は醗 酵しなかった.
1 1 1
考察
分離した酪酸菌は、 sporeの位置が terminalで mannit を醗酵しない点を除昔、大体 Clost. butyricum
Pr
azmowski(りの性質を具備してゐる.Clost. pectinovorumと異り馬鈴薯切片を macerateしない.ベグチγを醗酵したい.No 1は d‑galacturon酸を醗酵した.Clost. pectinovorumほ rnacerationの作用はあるが、
ベグチシ及d‑galacturon酸を醗酵しない.従って此等の酪酸菌は弐のように作用する事によ って麻の醗酵精練陀関興するものと思われる.
(108) ‑ 52ー
( 1 ) Clost. pectinovorumほペグチン及その分解生成物である d‑galacturon酸を醗酵す る事が出来ない需に、麻の.中の他の楕類を栄養として繁殖し、ベグチンを加水分解する.組皮 の中で密集して繁殖してゐる事及 macerationの 作 用 の あ る 事 よ れ 醗 酵 精 練 の 最 も 重 要 な 有効細菌であると考えられる.
( 2) Clost. butyricum Prazmowski ~属する酪酸菌は麻を macerate しない. Clost. pectinovorumの pectina慣によって生成する d‑galacturon酸を醗酵する.
絡に終始御懇篤な御指
E
撃を賜った片桐笑郎先生に深謝する.文 献
(1)小沢、倉地、三宅、農学研究38(1949) 97 (2) Beijerinck
,
M. W. u吋 vanDelden,
Kon. . Ak. v. Wetensch匂 Amsterdam,
Ver縄gvan de gewone Vergardering d釘 Wisen Natuurkund,
D田1XII (1~勾 673 (3) Ruschmaun
,
G. und Bav回damm,
W.,
C四 t.f. B位t. Abt. II A4 (1925) 340 くりBehrens,J.,
ibid. 8 (1902) 114 (めSjolander N. O. 叡1dMc Coy,
E.,
ibid 97く193';‑1938)314Edit. 748
(6) Bergey
,
D. H.,
Manua1 of Determi鴫,tiveBacte‑.riology 5‑53̲ (109)