Gfps領域を目指す画素内時間圧縮型超高速コンピュ テーショナルCMOSイメージセンサに関する研究
著者 望月 風太
発行年 2017‑12
出版者 静岡大学
URL http://doi.org/10.14945/00025234
(課程博士・様式7) (Doctoral qualification by cou rsework, Form 7)
学位論文要
Abstract of Doctoral Thesis
専 攻:ナノビジョン工学専攻
論文題目 .
氏 名:望月風太 ヒ2
日
Gfps領域を目指す画素内時間圧縮型超高速コンビュテーショナノレ CMOS イメージセンサ に関する研究
論文要旨:
本論文では, 画素内時間圧縮型超高速コンビュテーショナル CMOSイメージセンサに関 する研究について述べる.
高速現象は単発現象と繰り返し現象に分類でき, どちらも同じデバイスで撮影するには 複数枚の連続撮影と信号蓄積機能が必要である. 超高速イメージセンサはシステムが小型 で低コスト, 低消費電力であるが, 先行研究では連続撮影枚数とフレームレートがトレー ドオフの関係にある. 本研究はGfps領域のフレームレートで複数枚の連続撮影と信号積分 が可能な超高速イメージセンサの開発を目標とする.
初めに, マルチアパーチャ方式画素内時間圧縮型超高速コンピュテーショナル CMOSイ メージセンサ( 以下MA高速センサ)の提案とシミュレーション検証, 実装を行った. 提案す るセンサはマノレチアパーチャ構造で, 各アパーチャが異なるランダムなシャツタパターン で信号を時間圧縮撮影し, 撮影終了後に圧縮センシングの理論を用いて時間分解画像を再 構成する. 撮影中に画素外部 へ信号を転送する必要が無いため, 最大フレームレートが画 素内の電荷転送時間にしか制限されない. 更に圧縮センシングにより, 撮影した時間圧縮 画像数以上の時間分解画像数が取得でき高サンプリング効率である. シミュレーションに より, 圧縮率と再構成精度の関係を明らかにした. また, 5 x 3アパーチャで構成するマ ルチアパーチャ構造の専用 CMOSイメージセンサを開発した. 各アパーチャが異なる任意 のシャツタパターンで信号電荷を時間変調できる. 画素には高い時間分解能を持つ画素を 用いる.
続いてMA高速センサを用いて行った超高速現象の撮影と, Time-of- Flight (ToF) 距離画 像撮影への応用について述べた. 超高速現象の撮影では, プラズマ発光( 単発現象)とセンサ に同期したレーザで照明するUSAF チャート( 繰り返し現象)を撮影した. どちらも15アパ ーチャで撮影した時間圧縮画像から, 200Mfps相当の32枚の時間分解画像を再構成した.
再構成画像と非圧縮撮影画像を比較し, 本方式により元の現象が正しく撮影できることを 確認した また, 圧縮型ToF ( CToF) 距離画像撮影法の提案と撮影実験を行ったToF 距離
画像撮影は照射した光の飛行時聞から 距離画像を撮影する手法である. 対象物から直接返 ってくる物体反射光に 異なる経路を通ったマルチパス光が重なって返ってくるため問題 になる. CTo F距離画像撮影法では, 反射光を複数のシャツタパターンで時間圧縮して撮影 し, 適用したシャツタパターンと時間圧縮画像から逆問題を解き, 画素毎に反射光の時間 ヒストグラムを取得する. 画素内変調のみで時間ヒストグラムを取得するため, センサ内 に大規模な信号処理回路が必要なくマルチパス光の分離がで、きる. 実験により距離分解能 0.75 m, 距離レンジ24m で, マルチパス光と物体反射光が分離できることを確認した. し かし, 画素によっては正しい時間ヒストグラムが再構成できなかった. そのためシミュレ ーションによって原因を検証し, アパーチャ問の視差が問題であることを明らかにした.
最後に, 像面マルチアパーチャ方式画素内時間圧縮型超高速コンピュテーショナル CMOS イメージセンサの提案とシミュレーション検証を行った. センサはシング?ルアパー チャで, 複数のサブ画素が一つの画素ブロックとして機能する画素ブロックアレイを持つ.
入射する光学像をレンズの点拡がり 関数(PS F)によって広げ画素ブロック内の各サブ画素 に似た光信号を入射し, サブ画素毎に異なるシャツタパターンで信号電荷を時間変調し圧 縮画像を撮影する. 撮影終了後, 圧縮画像と適用したシャツタパターン, PS Fから逆問題 を解き時間分解画像を再構成する. マルチアパーチャ方式と同様の高フレームレートと高 サンプリング効率を実現する. 加えてマノレチアパーチャで発生する視差や開口サイズの制 限がない. 更に, シャツタパターンの切り 替え速度以上のフレームレートを実現するサブ クロック方式を提案した. また, シミュレーションにより 様々な条件での再構成精度を検 証した. まず, 画素ブロック構成が異なる場合を検証した. 総蓄積部数が同じ5 つの画素 ブロック構成を比較し, 画素内の蓄積部数を多くすることで, 高い再構成精度が実現する ことを明らかにした. 続いてサブクロック方式を適用した際の再構成精度を検証し, 再構 成精度の劣化なしにフレームレートを向上できることを明らかにした. 最後にサブ画素数 を増やした際の撮影可能枚数を検証した. 光量が十分であればサブ画素数を増やすことで 撮影可能枚数は増えるが, サンプリング効率が落ちることがわかった.