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分子設計に基づく超分子集合体の高次構造制御に関 する研究

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Academic year: 2022

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

分子設計に基づく超分子集合体の高次構造制御に関 する研究

佐々木, 紀彦

http://hdl.handle.net/2324/4475092

出版情報:Kyushu University, 2020, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

(様式2)

氏 名 :佐々木 紀彦

論 文 名 :分子設計に基づく超分子集合体の高次構造制御に関する研究

区 分 :甲

論 文 内 容 の 要 旨

生体内では、分子の自己集合プロセスによって、生体膜やタンパク質の四次構造などの様々な高 次構造が形成され、生命活動を支える特有の機能を発現している。これらを模倣し、有機合成化学 的に得られる分子を集積させることで機能性超分子集合体を開発する研究が活発に行われてきた。

2010

年前後からは、熱力学的および速度論的な観点の両方から分子の自己集合プロセスが研究され、

超分子集合体の形成メカニズムに対する理解が深まった。さらに近年、超分子集合体の形成メカニ ズムの研究を基礎として、自己集合プロセスを制御する手法が開発された。本手法によって、メゾ スコピックスケールの1次元超分子集合体の長さや2次元超分子集合体の面積を精密に制御するこ とが可能となった。このような研究は、有機・高分子化学における精密合成法のように超分子集合 体を精密合成するための方法論につながるものと期待されている。しかしながら、分子間相互作用 と超分子集合体の構造や形成メカニズムの相関は非常に複雑であり、超分子集合体の高次構造を自 在に制御することは未だ困難である。

本研究は、高次構造を有する超分子集合体の精密合成を目的とするものである。超分子集合体の 形成メカニズムを理解した上で分子間に働く非共有結合性相互作用を設計し、二次元超分子集合体 の高次構造を精密に制御することを試みた。

1

章では、本研究の背景および目的について述べる。これまでの超分子集合体に関する研究を 概説するとともに、本研究の基礎となる我々の以前の研究について紹介する。アルキル基を側鎖に 有するポルフィリン誘導体(

1

4

5

6

1

7

)は、側鎖構造の違いにより一次元および二次元の超 分子集合体を形成することが明らかにされている(図

a、b)。さらに、これらのポルフィリン誘導

体に対して、超分子集合体のサイズ(長さや面積)を制御して精密合成する『リビング超分子重合 法』が確立された。

2

章では、分子設計に基づく二次元超分子集合体の形状制御を行った(図

c)。一次元超分子集

合体の構造的な特徴がその長さのみであるのに対して、二次元超分子集合体は面積と形状という2 つの特徴で表現されるため、精密合成という観点からより高次な制御が必要とされる。以前の研究 を基にポルフィリンの側鎖構造を変更した分子(

6N

3)を合成し、自己集合挙動を調べた。その分 子構造と超分子集合体の形態の相関を精査したところ、分子の側鎖構造が二次元超分子集合体の形 状に影響を与えることを見出した。この結果を基に二次元超分子集合体の面積およびアスペクト比 を制御することに成功した。

3

章では、非共有結合性相互作用の性質に着眼してアルキル側鎖をフルオロアルキル基に置換 したポルフィリン分子(6FFZn)を設計し、その超分子集合体の高次構造を評価した。設計した分 子は親フルオロカーボン性の相互作用により自己集合過程を経て、中心に穴の空いた円形状の二次

(3)

元超分子集合体を形成することを発見した(図

e)。原子間力顕微鏡観察、透過型電子顕微鏡観察、

小角

X

線散乱測定から得られた測定結果から、この円形状の二次元超分子集合体は、二本の一次元 超分子集合体がアルキメデス螺旋状に連なって形成されていることを明らかとした。熱力学的モデ ルによって自己集合プロセスを評価し、親フルオロカーボン性の相互作用が高次構造の安定化に寄 与していることを確かめた。

4

章では、

6FFZn

がアルキメデス螺旋状の超分子集合体と異なる同心円状トロイドを形成する ことを発見し、得られた構造の精密合成を行った。自己集合条件を最適化することによって超分子 多形(アルキメデス螺旋と同心円状トロイド)を作り分けることに成功した。同心円状トロイドの 形成メカニズムを紫外可視吸収スペクトル測定および原子間力顕微鏡観察をもちいて詳細に調べた ところ、自己集合の初期段階に形成されるナノリングを鋳型として成長していることが明らかとな った。得られた知見を基に、同心円状トロイドの面積を制御することに成功した。また、ポルフィ リン分子の中心金属を亜鉛から銅に変更した場合においても同心円状トロイドが形成されることを 確認した。中心金属の異なる二種類のポルフィリン分子(6FFZnおよび

6FFCu)を用いることで同

心円状トロイドの形状をもつブロック共重合体の精密合成を達成した。

5

章では、本研究により得られた知見を総括し、今後の展望を述べた。

図. (a) ポルフィリン誘導体の分子構造 (b) 側鎖構造の違いにより得られる一次元および二次元超 分子集合体の模式図 (c) 分子6N3の自己集合挙動の模式図 (d) 分子6FFZn、6FFCuの自己集合挙動 の模式図

(a)

4:

5 : 1:

7 : 61:

6N3 :

6FFZn:

1, 4, 5 61, 7

(b)

一次元超分子集合体 二次元超分子集合体

6N3

自己集合 自己集合

自己集合 自己集合

6FFZn6FFCu

(c) (d)

中心に穴が空いた円形状の 二次元超分子集合体 アスペクト比の異なる

二次元超分子集合体

中心金属 (M)  側鎖構造 (R)

側鎖構造 側鎖構造

以前の研究 : 側鎖構造が超分子集合体の形態に影響を与える

6FFCu:

M = Zn M = Zn M = Zn

M = Zn M = Zn M = Zn

M = Zn

M = Cu

本研究 : 二次元超分子集合体の形状制御 本研究 : 超分子集合体の高次構造制御

中心金属、側鎖構造 側鎖構造

N N N N

M

NH

O OC12H25 OC12H25 OC12H25 O

HN O H25C12O H25C12O

H25C12O

O

O F F

F F F F

F F F R

R

R = O

F F F F

F F F F R = F

R = O R = O R = O R = O R = OMe

R = O N

NN

参照

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 (堤和子・増田珠子・堤龍一郎訳『映画技法のリテラシー I』フィルムアート社 , 2003) L.Giannetti, Understanding Movies,9th Edition,Pearson Prentice

  

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