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九州大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

深層学習に基づく上咽頭がんの強度変調放射線治療 の自動化に関する研究

ビレル, ダウド

http://hdl.handle.net/2324/4474892

出版情報:Kyushu University, 2020, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

(別紙様式2)

氏 名 :

Bilel Daoud

論 文 名 :

A Study on Automatic Intensity-Modulated Radiation Therapy for Nasopharyngeal Carcinoma Using Deep Learning

(深層学習に基づく上咽頭がんの強度変調放射線治療の自動化 に関する研究)

区 分 : 甲

論 文 内 容 の 要 旨

上咽頭がんは,鼻の奥から食道までの管(咽頭)の一部である上咽頭にできる悪性腫瘍である.

日本ではまれな病気であるが,中国南部や台湾,北アフリカなどの患者数は多い.上咽頭は手術困 難な部位であるため,腫瘍切除は難しく,主に放射線治療と抗がん剤治療を行う.前者では,近年,

強度変調放射線治療(IMRT)に注目が集まっている.従来の放射線治療法と異なり,IMRT は放 射線の線量を変化させながら,周辺にある正常組織(以後,リスク臓器)の照射線量を抑えつつ腫 瘍に放射線を集中して照射することができる.これにより,合併症の軽減などが期待され,患者の 生活の質の向上に貢献できる.

IMRT では,コンピュータ断層撮影(CT)で得られた CT画像を用いて,腫瘍部やリスク臓器を同 定しなければならない.また,正常組織は低線量,腫瘍部は高線量で照射するための患者の様態 に応じた最適な放射線量を決定する必要がある.ここで,上咽頭がんの大きさや形状,発症位置は 多様である.また,CT 画像での上咽頭がんの画素値は,その周辺にあるリスク臓器とほぼ同じで ある.これらが要因で,CT 画像からの上咽頭がんの同定や,上咽頭がんやリスク臓器の位置・形 状に応じた放射線量の決定は複雑な作業である.現在これらの処理は手動で行われており,その精 度は医療従事者の知識や経験に依存する.また,処理に時間を要し,医療従事者への負担が大きい.

そこで本研究では,IMRT の自動化を目指し,上述の問題を解決する3つの要素技術の開発を行 った.まず,CT画像から上咽頭がんが含まれない領域を特定し,その領域をCT画像から除去した 後,残った領域から上咽頭がんを検出する,段階的な上咽頭がん検出法を構築した.次に,各方向 の放射線量と,CT 画像中の腫瘍やリスク臓器の位置や形状から,患者内部での線量分布を深層学 習で推定する手法を構築した.更に,治療中に撮影された過去のCT画像から,将来的な腫瘍部 とリスク臓器の各形状を予測する手法を開発した.これにより,治療中は照射により腫瘍部は 縮小し,また体型変化により臓器の位置が変わる可能性があるが,開発した手法により治療中 の患者の様態に応じて治療の再計画が行え,患者に最適な治療が実現できる.

本論文は5章から構成される.第1章は序論であり,本研究の背景と目的を述べ,関連研究を紹 介する.第2章では,CT画像から上咽頭がんを段階的に抽出する手法について述べ,70名の上咽 頭がん患者の画像を使った実験で,開発した手法の有効性を示す.第3章では,患者の腫瘍やリ スク臓器に応じた最適な線量分布推定法を述べ,80名の画像を使った実験により,従来法と比べ 信頼性が高い線量分布推定ができることを示す.第4章では,過去の患者のCT画像から将来的 な腫瘍部とリスク臓器の形状を予測する手法を開発し,140 名の上咽頭がん患者の画像を使った 実験により提案手法の有効性を示す.第5章では,本研究で得られた結果を総括している.

参照

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