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特    集

第 75 巻 第 5 号 (2011) (9) 267

1.はじめに

 現在,日本社会が直面している最大の問題は,指導者が,

急激に変わっていく社会の変化を理解せず,旧式のモデル にもとづいて政策や戦略を実行していることにある。新し い考え方が要求されているのにもかかわらず,旧態依然と した政策や戦略をうちだすことに終始しているのが,日本 の現状ではないだろうか。エネルギー分野では,ようやく 新しい考え方が認められ始めている。それがスマートグ リッドであり,エネルギーと情報通信技術(ICT)の融合に より新たな時代が始まると,関心を集めている。多くの期 待に応えるかのように,華々しい夢や経済効果をうたった 解説書が多く出版されているが,地に足をつけて何故必要

なのかを今一度考える必要がある。我々市民が上手にエネ ルギーを使い,快適な生活を維持するための社会システム がスマートグリッドであり,単なる投資対象ではない。

2.集中か分散か

 2003年に我々がスマート研究会1)を発足させる契機と なったのが,その前年の

6月に施行されたエネルギー政策

基本法であり,以下の三つの大きな柱が示されている。

 1.安定供給の確保

日本のエネルギー自給率4%(原子力をいれて19%)であるが,

ドイツを除く主要先進国は50%以上となっている。この 現実をしっかり認識し,安定供給に勤めるべきである。

 2.環境への適合

産業革命以前の二酸化炭素濃度は280 ppmであったが,

最近は

400 ppm

近くとなっている。環境を配慮したエ

ネルギー政策が重要であり,二酸化炭素の排出権取引 等の新しい仕組みも検討していく必要がある。なお,

この排出権市場は,25兆円規模だという説もある。

特集 スマートグリッド

 太陽電池,風力発電,蓄電池,電気自動車,ヒートポンプ,ガスコジェネレーションシステムなどの 最新鋭の環境機器を広く普及させるためには,電力供給側設備,再生可能エネルギー発電設備および需 要側の環境機器を一体的に制御できる仕組みが重要となる。このような新たな電力需給の仕組みはス マートグリッド(次世代電力網)と呼ばれ,世界中で開発が進められている。本特集では,スマートグリッ ドおよびそれに関連する技術を解説して頂くとともに,スマートグリッドの実証試験が行われている 4 地域においてその概要について紹介して頂く。

(編集担当:道岡武信・中川二彦)†

Masataka KAWANA

1995 東海大学大学院工学研究科電子工学 専攻博士課程前期修了

現 在 国立大学法人東京海洋大学産学・

地域連携推進機構越中島オフィス 准教授

連絡先;〒135-8533 東京都江東区越中島 2-1-6

E-mail [email protected] 2011年1月4日受理

† Michioka, T. 平成22, 23年度化工誌編集委員(5号特集主査)

(財)電力中央研究所   Nakagawa, T. 同上 岡山県立大学情報工学部

スマートグリッドとは?

刑 部 真 弘・川 名 優 孝・毛 利 邦 彦

What is Smart Grid?

Masahiro OSAKABE

1980 東京大学大学院工学系研究科修了

現 在 東京海洋大学海洋工学部 教授 連絡先;〒135-8533 東京都江東区越中島

2-1-6

E-mail [email protected]

Kunihiko MOURI

1971 早稲田大学理工学電気工学科卒業 現 在 東京海洋大学((株)el=power Tech-

nology)産学・地域連携推進機構越 中島オフィス 客員教授

連絡先;〒135-8533 東京都江東区越中島 2-1-6

E-mail [email protected] 公益社団法人 化学工学会 http://www.scej.org

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参照

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