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(1)

北見 に お ける気象・積 雪 断面観 測 (1999¨ 2000)の 概 要

人 久 保 晶 弘

10青

木 輝 夫

2.榎

本 浩 之1

(1:北見工業大学

 2:気

象研究所)

1。は じめ に

積雪層構造 は様 々な気象条件 の応答 であ り、

表層雪崩予測や

GCM中

の積 雪表現過程 の改 良な どを 目的 と して、数値 モデル を用 いて気 象デー タか ら層構 造 を再構 築す る試 みがな さ れてい る。 筆者 らは、 フ ランス気象庁 で開発 され てい る積 雪層構 造モデル、Crocus(Brun ar α′.,1989,1992)の 検証 、お よび雪面アルベ ド の粒径・不純物依存性 のパ ラメー タ化 を主 目 的 と して、 フラ ックス解析 に必要 な気象要素 と積 雪断面構造 のデー タセ ッ トを得 るた めに 野外観 測 を行 なってい る。

本稿 では、北見にお いて1999年

H月

か ら 2000年4月 にか けて行 なわれた気象観浪1と積 雪 断 面観 測 の概 要 につ い て紹 介 し、特 に 可 視 。近赤外領 域 にお け る雪面アルベ ドの特性 について言及す る。

北 海道 の雪氷 No.19(2000)

2.観測 内容

気象観 測 は、北見工大寒 地気象観 測室 の露 場 にて、1999年

H月

下旬 か ら2000年 4月 旬 まで行 なわれた。観 測項 目は、気温・湿度・

風速・ 全天 日射量・反射 日射 量 。赤外放射量 (上向 き 。下向 き)。 散 乱 日射 量 で あ る。 こ れ に加 えて、波長 が695nmのカ ッ トオ フフィ ル タを使用 した

2台

の 日射計 に よ り、近赤外 領域 の上 向 き 。下向 き放 射 フラ ックス も測 定

され た。

一方 、隣接 した場所 で数 日お きに積 雪断面 観測 が行 なわれ た。観 測項 目は、層構造 (雪 質・粒径)・ 雪温・密 度 。含水 率 の各鉛 直プ ロファイル 、お よび不純物濃度分析 用 の積 雪 サ ンプ リング と粒径測 定用 の雪面粒 子 の レプ リカ作成 である。後者 の

2つ

については現在 解析 中である。

140

120

︵ E

︶ o

駄 側 胆

20

11ノ

21  12/5  12/19  1/2   1/16  1/30  2/13  2/27  3/12  3/26  4/9

1 1999‑2000年 シー ズ ンの北 見 にお ける積 雪深 の時系列変化

‑14‑

(2)

3.観測結果お よび考 察 積雪の概況

まず、積雪断面観測時に得 られた積雪深の 時系列変化を図 1に示す。比較のために、観 測点から約

500mほ

ど離れているアメダス観 測地点 (北

)の

積雪深データを加 えてある。

このシーズンは、12月上旬の降雪によつて積 雪深が50cm近くに達 した後、約2週間ほどは 積雪深

20cm程

度で推移 した。12月 下旬か ら はまとまつた降雪が数度あ り、1月 20‐21日 に かけては記録的豪雪 (アメダスでの最大積雪 深

:H7cm)と

な つた。 そ の後 、積 雪深 は

60‐70cm台を保つていたが、最高気温が 10℃

以上に達 した

3月 4日

あた りか ら積雪深が 60cm台を割つている。本格的な融雪期は4月 に入つてか ら始ま り、消雪 日は 4月 11日であ った。なお、全期間において露場の積雪深は アメダスのデータとよく一致 した。

次に、積雪層構造の時系列変化を図

2に

示 した。12月 中旬の積雪の少ない時期に、短期 間で積雪が新雪か らしもざらめ雪に変化 して いつたことが分かる。 この しもざらめ層は、

全層がざらめ雪 となる3月上旬まで積雪底部 に保存 されていた。また、12月下旬か らの度 重なる降雪は、新雪か らこしま り雪、 しま り 雪を経てこしもざらめ雪に変化 していること が分かる。 しか し、 これ らの層は しもざらめ 雪まで発達す ることな く、

3月

上旬に全層が 0℃となってざらめ雪に変化 した。積雪中に顕 著に見 られる氷板や クラス トはそれぞれ、12 月9日の降雨による表層の レインクラス トと、

同時期に積雪中の帯水層が凍つてできた氷板、

そ して 1月

7日

の気温上昇による表層の融 解・再凍結によって形成 されたクラス トであ

る。

道東は典型的な しもざらめ地帯 として知 ら れているが (例えば成瀬ほか、1996)、 今 シ ーズンでは 1月 中旬〜下旬にかけての降雪が 比較的多かったために、積雪中の温度勾配が 大きくならず、 しもざらめ雪は発達 しに くか ったと推定 され る。

雪面アルベ ドの変化

ここでは、可視領域 (305‐695nm)・ 近赤外

領域 (695‐

2800nm)の 2バ

ン ドに分けて求め

北海道の雪氷 No 19(2000)

られ た雪面アルベ ドの特徴 につ いて論 じる。

まず 、雪面アルベ ドの時 系列変化 を図

3に

示 した。根 雪 にな る前 で は、露場 の芝生 の影 響 で近赤 外 のアルベ ドが可視 のそれ よ りも高 くなってい る。 この関係 は積 雪期 には逆転 す るが、積 雪が20cm程度 では地表面 の影 響 に よ つて、可視・ 近赤外 ともアルベ ドは若 干低 め に出てい るこ とが分 か る。積 雪期 には可視 の アルベ ドが近赤外 の アルベ ドを常 に上 回 り、

また変化量 につ いて は近 赤外 のアル ベ ドの方 が大 きい。 そ して、雪面付 近 に ざ らめ雪 が 見 られるようになつた3月頃か ら雪面アルベ ド の変化幅が大きくなつているのが特徴的であ る。特に、3月 31日 以降の表層は常に粒径

2mm

以上の含水 した ざらめ雪だつたために、近赤 外のアルベ ドが

05前

後まで低下 している。

3中

にい くつか見 られ る降雪ステー ジに 注 目すると、全体的な傾向 としては降雪直後 の雪面アルベ ドは高 く、時間 とともに次第に 低 くなることが分かる。従来の研究によれば、

可視領域のアルベ ドは不純物 (光学的に吸収 性 を持つ物質

)の

、近赤外領域では積雪の粒 径の影響がそれぞれ顕著であることが知 られ ている (Warrcn and Wlscombc,1980,WIscombc and Warcn,1980)。 このことをふまえれば、

可視のアルベ ドの低下率は北見の露場におけ る不純物の堆積速度 を、そ して近赤外のアル ベ ドの低下率は雪面粒子の変態速度に関わつ ているとみることができる。例えば、前述の1 月 7日 、そ して 3月 4‐5日には雪面が融解 し て積雪粒子が極端に肥大化 してお り、近赤外 のアルベ ドの極端な低下に対応 している。 ま た、3月 以降の雪面アルベ ドの大きな変動は、

断続的な降雪によるアルベ ド上昇 と融解お よ びざらめ化によるアルベ ド低下が原因である

と考えられ る。

次に、降雪直後の雪面アルベ ドの時系列変 化を図4に示 した。図4中の横軸は、降雪直 後か らの経過時間を表わ してお り、観測期間 中の10 runがプ ロッ トされている。上のグラ フは可視・近赤外のアルベ ドの低下率を示 し てお り、可視のアルベ ドよりも近赤外のアル ベ ドの方が低下率は大きい。 また、融解 して ざらめ雪に変化 した場合はアルベ ドの低下具 合が特に大きく、乾き雪 とは別のプロセスが

‑15‑

(3)

北海道 の雪氷 No.19(2000)

(Cm) ̲̲̲̲̲ ̲̲

積雪層構造の妻化 北見工大寒地気象観猥1室

1

0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1

0

El新 囲□狙こしまり■

圏圏翻しまり雷

さらめ目

圏目目こしをさらめ日

│││しをさらめ■・思面ロ

氷腋・クラスト

■ て ミ R

(1999‑2000)

2

2 積雪層構造の時系列変化

12ノ5  12/19  1/2   1ノ 16  1ノ 30  2ノ 13  2ノ27  3ノ12  3/26   4/9

正午 の言 面 アル ベ ドと積 雪深 (アメダス北 見)の時 系列 変化

200 180 160 140

120 5 100駄 80搬

60 40 20 0

11/21

‑16‑

(4)

アルベ ド決定に影響 していることを示唆 して いる。

下のグラフは上 と同様であるが、可視・近 赤外のアルベ ド両方について快晴 日 (散乱 日 射量

/全

天 日射量 ≦025)、 曇天 日 (散乱 日 射量

/全

天 日射量 ≧

094)を

分けて表わ した

ものである。雪面アルベ ドは、可視領域では 快晴 日・曇天 日でそれほ ど変わ らないが、近 赤外領域では曇天 日の方が明 らかに高い値 を 示 している。その理由は以下のように説明 さ れ る。曇天時には、水蒸気が多 くかつ大気 中 の光のパスが長 くなることによつて、水蒸気 の吸収帯を多 く含む近赤外領域の入力放射量 の減 り方は可視域 よ りも大きくなる傾向を持 つ。 そ の結 果 、 近 赤 外領 域 で も波 長 が約 1300nm以下でアルベ ドの比較的高い(可視域 に近い

)波

長帯が相対的に効いてきて、曇天 時の雪面アルベ ドを増カロさせている。加 えて、

北海道の雪氷 No 19(2000)

雪面アルベ ドが高い曇天時には雪面 と雲 との 間で多重反射が起 こ り、全天 日射量が増加す る。 このことは上述の傾向を強める働 きを持 つ と考えられる。

4.まとめと今後の展望

北見において気象観測・積雪観測を同時に 行ない、気象要素 と積雪断面構造の良質なデ ータセ ッ トが得 られ た。特に、可視・近赤外 領域に分け られた雪面アルベ ドの観測結果に ついては従来の研究報告 と一致 してお り、ま だ解析の終わっていない不純物濃度分析が進 めば、雪面アルベ ドに関す る定量的な議論が さらに進む と考えられ る。

今後は、雪面アルベ ドの粒径・不純物依存 性だけでなく、太陽天頂角依存性、そ して積 雪粒径の変化率に密接 に関わると考えられ る 温度依存性などについて も解析 を進 めてい く 一方で、積雪層構造モデルの雪面アルベ ド計 算過程の改良のために、実用的な雪面アルベ

ドのパラメータ化を試みる予定である。

5.謝辞

北見工大寒地気象観測室の露場使用の際に は、北見工大土木開発工学科利水研究室の佐 渡公明教授、中尾隆志助手にお世話にな りま

した。 ここに感謝の意 を表 します。

6.参考文献

Bnln a′ ,(1989)An cncrgy mass modcl ofsnow cover suilable for operational avalanchc forccasting  α αaο,351121),333‐342

Bnln α ム (1992)A nulncrical modcl to slmulatc

snow‐covcr statigraphy  fOr Opcrational  avalanchc forccas ng y CracI.1,38(128),13‐ 22

成 瀬 廉 二 ほか,(1996)1ヒ海 道 内 の 広 域 積 雪 調 査 ‐ 1996年 2月‐低 温 科 学 資料 集,55,13‐26

Warren and Wヽcombc,(1980)A modcl for thc spcctal albcdo oF snow, II: Snow containing atmospheric aerosols ′ ′

=mοs Sci,37,2734‐2745

Wiscombc and Warrcn,(1980)A model for thc spcctral albedo oF snow,I:Pure snow  ′ ИttИοs Sci,37,2712‑

2733

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雪面アルベ ドと経過時間との関係

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参照

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