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システム技術開発調査研究 1 8 − R − 4

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(1)

この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。

http://keirin.jp/

システム技術開発調査研究 1 8 − R − 4

次世代ロボット技術(RT)の 環境構造化に関する調査研究

報告書

−要 旨−

平成 1 9 年 3 月

財 団 法 人   機 械 シ ス テ ム 振 興 協 会 委託先 社団法人日本ロボット工業会

報告書̲要旨̲H1-4  07.3.22 4:19 PM  ページ 1

(2)

わが国経済の安定成長への推進にあたり、機械情報産業をめぐる経済的、社会的諸条件は急速な変化 を見せており、社会生活における環境、防災、都市、住宅、福祉、教育等、直面する問題の解決を図る ためには、技術開発力の強化に加えて、ますます多様化、高度化する社会的ニーズに適応する機械情報 システムの研究開発が必要であります。

このような社会情勢に対応し、各方面の要請に応えるため、財団法人機械システム振興協会では、日 本自転車振興会から機械工業振興資金の交付を受けて、機械システムの調査研究等に関する補助事業、

新機械システム普及促進補助事業を実施しております。

特に、システム開発に関する事業を効果的に推進するためには、国内外における先端技術、あるいは システム統合化技術に関する調査研究を先行して実施する必要がありますので、当協会に総合システム 調査開発委員会(委員長 政策研究院 リサーチフェロー 藤正 巖氏)を設置し、同委員会のご指導のも とにシステム技術開発に関する調査研究事業を実施しております。

この「次世代ロボット技術(RT)の環境構造化に関する調査研究報告書」は、上記事業の一環とし て、当協会が 社団法人日本ロボット工業会 に委託して実施した調査研究の成果であります。

今後、機械情報産業に関する諸施策が展開されていくうえで、本調査研究の成果が一つの礎石として 役立てば幸いであります。

平成19年3月

財団法人機械システム振興協会

(3)

はじめに

我が国のロボット産業は、強い国際競争力を持っており、近年のロボットの技術シーズは、着実に蓄 積されつつあるが、新市場を形成するロボットの新製品が生まれないと言う問題も指摘されており、こ の状況を改善するには、ユーザが真に求めるサービスを特定し、それを実現できる技術を研究開発する ことが重要であると考えられる。

また、2006年6月に取りまとめられた「経済成長戦略大綱」において、ロボットは、我が国が「

世界のイノベーションセンター」となるための新産業群の1つとして位置づけられており、ロボット新 市場拡大を目的に、経済産業省の「21世紀ロボットチャレンジプログラム」では、「サービスロボッ ト市場創出支援事業」や「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト」「人間支援型ロボット実用 化プロジェクト」「次世代ロボット共通基盤開発プロジェクト」等が進められている。

産業用ロボットの世界では、環境を構造化することによって、単純繰り返し作業能力しかないロボッ トでもその機能と実用価値、応用範囲を高めることに成功しているが、これまで人間共存環境下の中で 動作するロボット実現のアプローチは、ロボット自体の高機能化を主として進められてきたが、現実環 境は多様なため、ロボットはごく限られたことしか出来ず、高コスト、大型化にならざるを得ず、サー ビスロボットの普及がなかなか進めなかった。

このような状況の中で、ロボットが行動する環境側に、現在、および近未来のIT技術、コンピュー タネットワーク技術、ユビキタスコンピュータ技術などを活用し、ロボットが行動する環境側に、ロボ ットを知能化しやすいインフラを整備する環境の情報構造化技術が進捗すれば、どのような用途にも応 じられる共通の情報構造化環境が確立されると想像されるが、近未来においてこうした汎用的技術を実 現することは困難であり、用途に応じて、個別に環境構造化技術を追求することが重要である。

このような背景を踏まえて、「次世代ロボット技術(RT)の環境構造化に関する調査研究」は、R T構築の基盤としての、環境構造化・知能化技術に焦点を当て、環境構造化技術とそのロボット技術(R T)での活用法を明らかにするもので、それにより、RTソリューションによる実証システム事例が多 数発掘され、「21世紀ロボットチャレンジプログラム」などで取り上げるべき研究課題が数多く創出 されることを期待して、財団法人機械システム振興協会より委託を受け実施したものである。

本調査研究を遂行するにあたり,本調査研究のために設置された「次世代ロボット技術環境構造化調 査研究専門委員会(本委員会)(委員長:谷江和雄・首都大学東京教授)」、並びに「公共空間情報構造化 WG(主査:淺間一・東京大学教授)、「住宅情報構造化WG(主査:水川真・芝浦工業大学教授)」、「作 業現場情報構造化WG(主査:大場光太郎・(独)産業技術総合研究所グループリーダ)」、「産業用情報 構造化WG(主査:新井民夫・東京大学教授)」の委員各位と専門分野から貴重なご意見、ご指導を賜 った関係各位のご尽力に対し心より感謝申し上げる次第である。

平成19年3月

社団法人日本ロボット工業会

(4)

目 次

序 はじめに 目次

1.調査研究の目的 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1 2.調査研究の実施体制 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2 3.調査研究成果の要約 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8 3-1.生活支援RTシステムのアプリケーションによる実証システム ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8

3-1-1.ロボットタウンの実証的研究 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 8 3-1-2.環境と作業構造のユニバーサルデザイン ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11 3-2.開発促進戦略 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14 3-2-1.公共空間環境構造化分野におけるRTシステムの構想 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14 3-2-2.住宅環境構造化分野におけるRTシステムの構想 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 22 3-2-3.作業現場環境構造化分野におけるRTシステムの構想 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 30 3-2-4.産業用環境構造化分野におけるRTシステムの構想 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 37 3-3.環境構造化における標準化案 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 43 3-3-1.はじめに ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 43 3-3-2.関連する標準化動向 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 43 3-3-3.シナリオ事例に基づく検討 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 47 3-3-4.おわりに ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 50 4.調査研究の今後の課題及び展開 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 51

(5)

1.調査研究の目的

我が国のロボット産業は、産業用ロボット生産高では世界の60%を占め、強い国際競争力を持って おり、この強いロボット産業を一層強化するために、また、21世紀の高齢化社会における安心・安全 で質の高い生活の実現を目指すため、社会ニーズを鑑み、従来からロボットが活躍している産業用から、

医療・福祉、日常生活支援などの非産業分野に展開し、市場を拡大する技術開発努力が進められてきた。

その結果、ロボットの技術シーズは、着実に蓄積されつつあるが、新市場を形成するロボットの新製 品が生まれないと言う問題が指摘されており、この問題に対処するために、ロボット産業をソリューシ ョンビジネスとして育成する方向が提案され、それに基づいて経済産業省の「21世紀ロボットチャレ ンジプログラム」では、技術インフラの整備を目的とした「RTミドルウェア開発」や「ロボットコン ポーネントの充実を図る戦略的機能部品開発」が進められてきた。

このような背景の中で、これら技術インフラを活用して、近年のユビキタスコンピュータ技術やネッ トワーク技術などIT分野の進展を踏まえ、ユーザが求める真に役立つロボットシステムをいかに構築 するかが急務となっており、生活空間などでRTコンポーネントを統合し、次世代ロボット技術システ ムを容易に構築するためには、高機能化、知能化するアプローチだけにとらわれず、環境をRTに合う ように知能化するための基礎技術を早急に整備することが求められており、今後とるべきロボット技術 の新たな方向、また、その方向を視野に、具体的に技術開発すべき課題を明らかにすることを目的に調 査研究を実施する。

一方、近年のエレクトロニクスやITの進展はめざましく、空間位置のデジタル化や、空間に存在す る物体をICタグ等により知的情報として活用することを可能にしている。例えば、自動車分野では、

衛星通信をベースにしたGPSが社会インフラとして普及したように、自動車単体ではなく環境インフ ラとの併用で、カーナビが発達した。環境・空間を各種の位置計測手段によってデジタル化する技術は、

特にGPSの技術として進展し、ミサイルの誘導、カーナビなどに応用されており、近年では、その位 置計測の高精度化が追求され、携帯電話、時計、パソコンなどに搭載し、その付加価値を高めることが 検討されている。

ロボット技術の新たな方向としてここで注目した技術は環境の情報構造化技術である。

ロボットは作業を実行するには対象、環境に関する知識が必要であり、また、環境中での位置の情報も 必要である。こうした知識・情報を最近のIT、ユビキタスコンピューティング技術で空間に付加し、

ロボットを支援することを考え、ここではこうした知識・情報を付加した「ロボットの外側」の対象や 環境を情報的に構造化された環境、あるいは情報構造化環境と呼ぶ。

また、経済産業省の「技術戦略マップ」の中で必要機能とされている環境構造化の技術的手段として RFID等のICタグを各種製品あるいは環境の各所に設置する技術が検討されており、これらはセキ ュリティ、軍用などで一部実用化されているものの、ロボット技術分野への応用はあまり検討されてい ず、IT、通信ネットワーク技術と並び、今後ロボットの高度化と応用分野の拡大を支援する重要な要 素技術になると期待されている。

公共分野、医療、福祉分野、生活分野などにおいて、RTコンポーネントをうまく統合して、ユーザ が期待する新製品を開発しやすい環境を整備する上で、重要なキーテクノロジは、ユーザの期待に応え る知的なシステムを構築し易い基盤を整備することが重要である。生活空間で使われるロボットにおい ても、その作業環境は産業現場よりもより作業対象は複雑、多様になることから、ロボットのみに機能 を依存し、効果を発揮することは不可能で何らかの環境側への工夫が求められる。しかし、人の生活空 間は工場のようにロボット向きにその物理構造を改変できないことから、工場とは異なる方法による環 境の構造化が必要である。ここに解決策を与えるのが、近年のIT、ユビキタスコンピューティング、

ネットワーク技術を活用し、情報によって環境を構造化することである。

本調査研究はこのような、ロボット導入の阻害要因を解消するための環境側への情報の埋め込みを行 う環境構造化技術とそのRTでの活用法を明らかにするもので、環境構造化技術の導入で、ロボットの 新たな応用展開を目指すもので、それにより、RTソリューションによる実証システム事例が多数発掘 され、さらに「21世紀ロボットチャレンジプログラム」などで取り上げるべき研究課題が数多く創出 されることを目的としている。また、近年のエレクトロニクスやITの進展による、環境をデジタル化 し、空間に存在する機器やシステムの知能化を容易にする技術の進展はめざましく、次世代ロボット技 術を容易に構築するための基盤となる環境構造化を図ることによって、今後、期待の大きい生活支援R T市場の顕在化、創出に資するものである。

(6)

2.調査研究の実施体制

本調査研究の実施体制は、社団法人日本ロボット工業会内に学識経験者、メーカ、ユーザからなる専 門委員会を設置し、これらの審議、指導により事業を実施する。

また、本委員会の下に4つのWG(分科会)を設置し、具体的な作業を行った。

委託

次世代ロボット技術環境構造化調査研究専門委員会(本委員会)

委員長:谷江和雄

(首都大学東京)

(財)機械システム振興協会 総合システム調査開発委員会

(社)日本ロボット工業会

産業用情報構造化 主査:新井民夫 WG

(東京大学)

公共空間情報構造 主査:淺間一 WG

(東京大学)

住宅情報構造化 主査:水川真 WG

(芝浦工業大学)

作業現場情報構造化 主査:大場光太郎 WG ((独)産業技術総合研究所)

(7)

総合システム調査開発委員会委員名簿

(順不同・敬称略)

委員長 政策研究院 藤 正 巖 リサーチフェロー

委 員 埼玉大学 太 田 公 廣 地域共同研究センター

教授

委 員 独立行政法人産業技術総合研究所 金 丸 正 剛 エレクトロニクス研究部門

副研究部門長

委 員 独立行政法人産業技術総合研究所 志 村 洋 文 産学官連携部門

コーディネータ

委 員 東北大学 中 島 一 郎 未来科学技術共同研究センター

センター長

委 員 東京工業大学大学院 廣 田 薫 総合理工学研究科

教授

委 員 東京大学大学院 藤 岡 健 彦 工学系研究科

助教授

委 員 東京大学大学院 大 和 裕 幸 新領域創成科学研究科

教授

(8)

次世代ロボット技術環境構造化調査研究専門委員会(本委員会) 委員名簿

(順不同・敬称略)

(次頁続く)

委員長 委員

委員名 谷江 和雄 近藤 直 長谷川 勉 山口 亨 水川 真 中内 靖 新井 民夫 淺間 一 橋本 秀紀 鈴木 剛 田所 諭 前田 雄介 菅野 重樹 天野 久徳 平井 成興 大場光太郎 谷川 民生 山元 弘 伊藤 弘 長坂 善禎 辻 邦浩 藤田 俊弘 中川友紀子 村上 弘記 池田 雄一 小林 政己 蔡 成浩 稲葉 良平 黒澤 豊樹 吉灘 裕 竹内 啓五 井上 敬治 長瀬 雅之 鈴木 章悦 小南 哲也 松日楽信人 伊藤 健三 山本 浩一 岩城 敏 三宅 徳久

機関名 首都大学東京 愛媛大学 九州大学 首都大学東京 芝浦工業大学 筑波大学 東京大学 東京大学 東京大学 東京電機大学 東北大学 横浜国立大学 早稲田大学

総務省消防庁消防大学校 (独)産業技術総合研究所 (独)産業技術総合研究所 (独)産業技術総合研究所 (独)土木研究所

(独)建築研究所

(独)農業・食品産業技術 総合研究機構

㈱Robotic Space Design 研究所 IDEC㈱

㈱アールティ 石川島播磨重工業㈱

㈱大林組 川崎重工業㈱

鹿島建設㈱

キヤノン㈱

黒澤R&D技術事務所

㈱小松製作所 清水建設㈱

JR東日本研究開発センター

㈱セック 大成建設㈱

㈱デンソーウェーブ

㈱東芝

㈱ニチイ学館 日産自動車㈱

日本電信電話㈱

パラマウントベッド㈱

所属・役職

システムデザイン学部ヒューマンメカトロニクスシステムコース教授 大学院理工学研究科教授

大学院システム情報科学研究院教授 システムデザイン学部情報通信システムコース教授 工学部電気情報系電気工学科教授

大学院システム情報工学研究科知能機能システム専攻助教授 大学院工学系研究科教授

人工物工学研究センター教授 生産技術研究所助教授 工学部情報通信工学科助教授 大学院情報科学研究科教授

大学院工学研究院システムの創生部門助教授 理工学部機械工学科教授

消防研究センター主幹研究官 知能システム研究部門部門長

知能システム研究部門空間機能研究グループグループリーダ 知能システム研究部門空間機能研究グループ主任研究員 技術推進本部先端技術チーム主席研究員

研究総括監

中央農業総合研究センター高度作業システム研究チーム 主任研究員

代表取締役

常務執行役員・研究開発&マーケティング戦略担当 代表取締役

技術開発本部総合開発センタ-制御システム開発部 主幹研究員

技術研究所建築生産システム研究室副主査 技術開発本部研究企画部上級専門職 技術研究所建築生産グループ主任研究員

生産技術本部生産技術推進センター生産技術戦略部 所長 研究本部建機第1イノベーションセンタユニットマネージャ

技術研究所先端技術開発センター主任研究員

先端鉄道システム開発センター企画・先端技術グループ課長 開発本部第4開発部部長

土木本部機械部部長

制御システム事業部技術2部部長

研究開発センターヒューマンセントリックラボラトリ-研究主幹 神戸ポートアイランドセンター執行役員

車両生産技術本部車両技術開発試作部主担 NTTサイバーソリューション研究所主任研究員 技術本部主席研究員

(9)

次世代ロボット技術環境構造化調査研究専門委員会 公共空間情報構造化WG・委員名簿

(順不同・敬称略)

委員名 機関名 所属・役職

主査 淺間 一 東京大学 人工物工学研究センター教授 委員 長谷川 勉

橋本 秀紀 鈴木 剛 辻 邦浩 中川友紀子 村上 弘記 井上 敬治 松日楽信人 細田 祐司 森田 俊彦 青山 元 椎名 一博

九州大学 東京大学 東京電機大学

㈱Robotic Space Design 研究所

㈱アールティ 石川島播磨重工業㈱

JR東日本研究開発センター

㈱東芝 ㈱日立製作所

㈱富士通研究所 富士重工業㈱

三井不動産㈱

大学院システム情報科学研究院教授 生産技術研究所助教授

工学部情報通信工学科助教授 代表取締役

代表取締役

技術開発本部総合開発センタ-制御システム開発部 主幹研究員

先端鉄道システム開発センター企画・先端技術グループ課長 研究開発センターヒューマンセントリックラボラトリ-研究主幹 機械研究所ロボティクスプロジェクト主管研究員 自律システム研究部長

戦略本部クリーンロボット部部長

S&E総合研究所上席主任研究員

細田 祐司

茶山 和博 内山 隆 青山 元 榊原 伸介 伊東 一郎 北野 斉 椎名 一博 飯島 雅人 村井 真二

㈱日立製作所

㈱フジタ

㈱富士通研究所 富士重工業㈱

ファナック㈱

㈱前川製作所 松下電工㈱

三井不動産㈱

㈱ミサワホーム総合研究所

㈱安川電機

機械研究所ロボティクスプロジェクト主管研究員 土木本部技術顧問

取締役

戦略本部クリーンロボット部部長 ロボット研究所名誉所長

総合プロジェクト企画室上席理事

生産技術研究所ロボット技術開発グループ 主担当 S&E総合研究所上席主任研究員

センサ・IT ソリューション担当

ロボット事業部ロボット工場開発部開発第2課課長 オブザーバ 土屋 博史

加賀 義弘 経済産業省

経済産業省 製造産業局産業機械課課長補佐 製造産業局産業機械課技術係長

(10)

次世代ロボット技術環境構造化調査研究専門委員会 住宅情報構造化WG・委員名簿

(順不同・敬称略)

委員名 機関名 所属・役職

主査 水川 真 芝浦工業大学 工学部電気情報系電気工学科教授 委員 山口 亨

中内 靖 鈴木 剛 菅野 重樹 安藤 慶昭 長瀬 雅之 伊藤 健三 岩城 敏 三宅 徳久 山本 正樹 北野 斉 飯島 雅人

首都大学東京 筑波大学 東京電機大学 早稲田大学

(独)産業技術総合研究所

㈱セック

㈱ニチイ学館 日本電信電話㈱

パラマウントベッド㈱

松下電器産業㈱

松下電工㈱

㈱ミサワホーム総合研究所

システムデザイン学部情報通信システムコース教授

大学院システム情報工学研究科知能機能システム専攻助教授 工学部情報通信工学科助教授

理工学部機械工学科教授 知能システム研究部門研究員 開発本部第4開発部部長 神戸ポートアイランドセンター執行役員 NTT サイバーソリューション研究所主任研究員 技術本部主席研究員

先端技術研究所グループマネージャ

生産技術研究所ロボット技術開発グループ 主担当 センサ・IT ソリューション担当

次世代ロボット技術環境構造化調査研究専門委員会 作業現場情報構造化WG・委員名簿

(順不同・敬称略)

委員名 機関名 所属・役職

主査 大場光太郎 (独)産業技術総合研究所 知能システム研究部門空間機能研究グループグループリーダ 委員 近藤 直

田所 諭 天野 久徳 谷川 民生 山元 弘 中島 史郎 長坂 善禎 池田 雄一 蔡 成浩 吉灘 裕 竹内 啓五 鈴木 章悦 茶山 和博 伊東 一郎

愛媛大学 東北大学

総務省消防庁消防大学校 (独)産業技術総合研究所 (独)土木研究所

(独)建築研究所

(独)農業・食品産業技術 総合研究機構

㈱大林組 鹿島建設㈱

㈱小松製作所 清水建設㈱

大成建設㈱

㈱フジタ

㈱前川製作所

大学院理工学研究科教授 大学院情報科学研究科教授 消防研究センター主幹研究官

知能システム研究部門空間機能研究グループ主任研究員 技術推進本部先端技術チーム主席研究員

材料研究グループ上席研究員

中央農業総合研究センター高度作業システム研究チーム 主任研究員

技術研究所建築生産システム研究室副主査 技術研究所建築生産グループ主任研究員 研究本部建機第1イノベーションセンタユニットマネージャ 技術研究所先端技術開発センター主任研究員 土木本部機械部部長

土木本部技術顧問

総合プロジェクト企画室上席理事

(11)

次世代ロボット技術環境構造化調査研究専門委員会 産業用情報構造化WG・委員名簿

(順不同・敬称略)

委員名 機関名 所属・役職

主査 新井 民夫 東京大学 大学院工学系研究科教授 委員 前田 雄介

藤田 俊弘 小林 政己 稲葉 良平 小南 哲也 山本 浩一 榊原 伸介 村井 真二

横浜国立大学 IDEC㈱

川崎重工業㈱

キヤノン㈱

㈱デンソーウェーブ 日産自動車㈱

ファナック㈱

㈱安川電機

大学院工学研究院システムの創生部門助教授 常務執行役員・研究開発&マーケティング戦略担当 技術開発本部研究企画部上級専門職

生産技術本部生産技術推進センター生産技術戦略部 制御システム事業部技術2部部長

車両生産技術本部車両技術開発試作部主担 ロボット研究所名誉所長

ロボット事業部ロボット工場開発部開発第2課課長

(12)

3.調査研究成果の要約

3―1.生活支援RTシステムのアプリケーションによる実証システム

総合科学技術会議連携施策群「次世代ロボット-共通プラットフォーム技術の確立-」として平成1 7年度に採択された「ロボットタウンの実証的研究」並びに「環境と作業構造のユニバーサルデザイン」

について調査を実施した。

3-1-1.ロボットタウンの実証的研究

(1)概略

総合科学技術会議連携施策群「次世代ロボット」平成17年採択プロジェクトである「ロボットタウ ンの実証的研究」について、計画内容と現状について報告する。これはロボットが人間と共生して種々 の作業を行うことを可能にするため、環境側にプログラムや情報、知識を埋め込んだ環境情報構造化プ ラットフォーム:ロボットタウンを研究開発するものである。公道でのロボット運用実験に関する規制 緩和をはかった「ロボット特区」での実績・経験をベースに、種々のロボットが活動できるプラットフ ォームを実現する。

(2)内容

ロボットは我々の住む3次元空間において、物理的移動・操作を通じて有益な作業を行う。そのため の基本となるのが、ロボット自身および作業対象、障害物の空間配置である。屋外であればGPSを利 用してロボットは地球上での自己位置を正確に知ることができる。さらに地図情報を併用すれば、周囲 の状況もある程度知ることができる。しかしそれだけでは人間社会に共生して種々の作業を行うには不 十分である。人間の活動によりタウン内の物体配置や通路の状況は時々刻々と変化するからである。こ れらの変化をリアルタイムに認識・管理して、ロボットが必要とする情報を提供し、その活動を支援す る機能を環境側に持たせようというのがロボットタウンの基本概念である。

中央公園

シニアゾーン

住宅ゾーン

分散ビジョン システム 知的道

路鋲 5GHz帯

無線LAN タウンマネジ

メントセンタ ロボット店舗 海浜

ロボットタウン

ロボットが人と共生しながら働く街ロボットタウン

ロボットが人と共生しながら働く街

知的シニア

カー 各種ロボット

システム GPS 低空移動/固定体

・ICタグ

・院内地図 車椅子を目的地へ誘導

病院内

コンビニ内

・物にICタグ

・床にIC タグ ロボットの店内移動 物の発見を支援

ICタグ

ICタグ ICタグ

電子タグ付

(ロボットが働く)

図3-1-1―1 概念図

研究開発目標の概念図を図3-1-1-1にしめす。人間が日常生活をしている街区には、街角ビジ ョンカメラを分散配置する。街角ビジョンは視野内のロボットや歩行者などの移動体の位置や姿勢、運 動方向を計測する。また、歩道路面や側壁面あるいは建物内部にはRFIDタグやセンサを分散配置す

(13)

る。街角カメラ、ロボット、センサはネットワークを通じて、タウンマネージメントシステムに接続さ れている。このタウンマネージメントシステムがGIS等のデータベースを含め、すべての情報を統 合・管理し、街中の人、ロボット等の移動体の状況を実時間で認識・把握する。各ロボットはその周囲 の移動体や障害物状況などの必要な情報をマネージメントセンタから供給され、その作業目標を達成す ることができる。

人間共生環境の情報構造化の構築初期コストと運用・保守管理コストを考慮すると、センサやRFI Dタグの配置はできるだけスパースにしたい。スパースな配置は、人間にとって自然で快適な生活環境 の維持にもつながる。その反面、ロボットの行動に必要な空間的計測精度の確保が難しくなる。これら のトレードオフを探ることも研究課題である。

①ビジョンセンサ

人間やロボットなどの移動体の位置や運動を計測するため、単眼カメラを必要に応じてレーザレンジ ファインダなどと組み合わせて、環境内に固定配置して用いる。差分画像処理と高速レベルセット法と を組み合わせたものをベースに、移動体の検出と位置計測を実時間で行う。

屋外では、日照変化や風による草木の動きによる背景画像の変動の影響があるが、固定カメラである ので、カメラ毎に学習による適応や、対象エリアに関する知識などを導入することにより、頑健性を高 めることができる。

移動体が視野内に入ってきたときに、他のビジョンシステムで計測された結果があれば、ネットワー ク経由でタウンマネージメントシステムからそれらの情報を得ることが出来るので、これを利用して画 像計測処理の頑健性を高めることができる。また、レーザレンジセンサなどロボットに搭載されたセン サ情報をも統合して、全体として精度の向上と頑健性の確保をはかる。

各ビジョンからの移動体に関する位置情報は、タウンマネージメントシステムに逐次送られ管理区域 内の全ての情報とともに管理されるほか、ログとして過去の動作系列が保存される。

②RFIDタグによる環境情報構造化

屋外通路や建物内部床面には、RFIDタグを埋込配置し、環境情報構造化をはかる。また住宅内什 器やオフィス・病院内でロボットが操作対象とする物品にもRFIDタグを添付して、それらの認識・

移動管理に用いる。これらにより移動ロボットの自己位置確認、あるいはマニピュレーション作業支援 がなされる。

内蔵電源を持たないパッシブタグについて、実環境使用状況下での、確実な読みとり動作条件、移動 ロボット位置姿勢計測精度など、性能確認は完了している。

③タウンマネージメントシステム

宅内、オフィスや病院など建物単位、およびそれらの集合としての街区単位でタウンマネージメント システムは管理区域内の人やロボットなどの移動体の位置・姿勢および運動を計測し、個々のロボット の動作および作業を支援する。

通常のGISにくわえ、街角ビジョンシステムの配置と視野範囲、RFIDタグの設置状況、ロボッ ト形状データなどを基本データベースとして装備する。ビジョンシステムに対しては、観測されるはず のロボットの形状や位置情報を渡して、ビジョン処理を容易にするとともに、その処理結果の検証を支 援する。またビジョンやロボットからの位置情報を統合し、認識処理や位置計測結果の一貫性を維持管 理する。

実証実験シナリオの設定と、その中での構成要素間のインタラクションのチェックを繰り返しなが ら、プロトコルの定義と拡張をすすめている。

④実証プラットフォーム

環境情報構造化プラットフォームとして、モデル住宅においてロボットによる生活支援の実証実験を 行う。 福岡市の博多湾埋め立て地「アイランドシティー」内の中央公園一角にあるレンガ住宅(図3-1-

(14)

1-2、3、4)の内部および周辺領域を対象に環境情報構造化を行い、住宅内部でのロボットによる 生活支援、周辺地域での通行者とロボットとのインタラクション支援をおこなうための環境整備を行っ た。またプラットフォームとしてのオープン化、標準化をはかるため、ハードウェアのインタフェース、

通信インフラ等検討を進めている。

図3-1-1-2 実験拠点

図3-1-1-3 実験住宅

図3-1-1-4 実験概念図

(3)研究体制

研究開発は、九州大学、(財)九州システム情報技術研究所、(株)安川電機、九州日本電気ソフトウ ェア(株)で実施する。

既存市街地での環境情報構造化は現時点では困難であることから、アイランドシティ(福岡湾内埋め

ロボスクエア

九州大学付属病院 アイランドシティ住宅地区

福岡県福岡市 九州

分散ビジョンシステム ダイニング配膳

(人間とマニピュ レーション)

RFIDタグ

ゴミ出し(屋内⇔

屋外移動)

窓/ドア開閉

(環境構造物とマニ ピュレーション)

介護ベット操作

(各種機器とマニ ピュレーション)

入出管理 分散ビジョンシステム

ダイニング配膳

(人間とマニピュ レーション)

RFIDタグ

ゴミ出し(屋内⇔

屋外移動)

窓/ドア開閉

(環境構造物とマニ ピュレーション)

介護ベット操作

(各種機器とマニ ピュレーション)

入出管理

(15)

立て地)の都市作りと連動した実証実験により研究開発拠点の実現をめざしている。モデル住宅とそ の敷地内通路および隣接公道の環境情報構造化を行う。福岡市は公園敷地や住宅をプロジェクト 期間中提供する。また、福岡県、北九州市、福岡市が地域の産学を結集して設立したロボット産 業振興会議も公式プロジェクトとして支援するなど地域ぐるみの推進体制をとっている。さらに、

九州経済産業局とも密接に協力しつつ、本プロジェクトを起爆剤に、ロボット産業振興のための プロジェクトの創設・実施しようとしている。

(4)まとめ

総合科学技術会議連携施策群「次世代ロボット」平成17年採択プロジェクトである「ロボットタウ ンの実証的研究」の概要を報告した。国予算の効果的かつ効率的な執行の観点から、本プロジェクトで 開発されるプラットフォームは、各省庁予算で開発されているロボットの実証に提供することになって いる。研究開発内容を周知するため、平成18年度末には、中間成果の公開をおこなうほか、19年度 末に実証実験公開を予定している。

3-1-2.環境と作業構造のユニバーサルデザイン

ここでは、科学技術振興調整費科学技術連携施策群次世代ロボット-共通プラットフォーム技術の確 立-として、平成17年度に採択された「環境と作業構造のユニバーサルデザイン」のテーマについて、

その概略、研究内容、体制などについて記述する。

(1)概略

ロボット作業のための位置姿勢精度として、移動作業のために50mm、把持作業のために5mm程 度の位置計測精度を目標として、環境に埋め込まれるセンサとしてはICタグ、GPS、画像処理技術 など、ロボットに搭載されるセンサとしては主に画像処理技術を用いて物体の位置姿勢情報を提供する 環境の情報提供インフラ(環境構造)を開発し提供する。

また、ロボット作業に必要とされる作業の記述構造(作業構造)についても開発し提供する。これら 環境構造と作業構造のユニバーサルデザイン設計指針を提案し、標準化を目指す。ここでは、神奈川県 の安心安全RT(ロボットテクノロジー)パークなどの実証スペースにおいて広く継続的に実証を行い、

共通プラットフォームをユーザに提供する。

本提案は、人間生活環境などロボットにとっての非整備環境での作業、さらには異機種・異環境間で の作業を簡便に実現することを可能とする、ロボット・インフラ共通プラットフォーム技術を確立し、

ロボット利活用範囲の可能性を広め、新産業創出することを目的とする。ここでは、物体の位置姿勢情 報を提供するインフラ技術を含めた環境構造と、作業構造のユニバーサルデザインについて、実証評価 実験を行いながら研究開発を行う。

(2)内容

昨今のネットワークの発達により、ユビキタス的なコンセプトをロボットに応用しようとする試みが なされている。ロボットシステム内部をネットワーク化するもの、それとは対照的に環境構造にセンサ やアクチュエータなどを埋め込んだ知的環境を実現しようとするもの(ここではユビキタス・ロボティ クスと呼ぶ)などがある。これらネットワークを効率よく利用したシステムは、システム構成要素のモ ジュール化を可能とし、従来型の煩雑なシステム構成から、モジュール単位のメンテナンス性の良いシ ステムを実現し、モジュールの再利用を可能とすることなどの利点から、広く広まろうとしている。

さらに、環境にあるセンサを有効に利用(センサヒュージョンなど)することで精度向上、1つ1つ のセンサを安価に抑えることが可能、システムの高信頼化が計れる、などの利点も考えられている。

さらには、外部ネットワークに接続することにより、外部ネットワークから必要な知識情報を得られ る利点も指摘されている。このユビキタス・ロボティクスの特色としては、上記のように空間自体がロ ボット化するという側面の他に、従来のロボットのための環境インフラとしての位置づけがあり、現在 のロボットシステムを早急に人間生活に導入するための足がかりとして、緊急に整備が求められている。

このような人間生活環境などロボットにとっての非整備環境、さらには異なる環境においても、ロボ

(16)

ット作業を簡便に実現するためのロボット・インフラ共通プラットフォーム技術を考えてみると、現在 のロボットのおかれている環境を、物理的にも知識的(位置姿勢計測などのセンサを含む)にも整備し、

何らかのユニバーサルデザイン化「環境構造のユニバーサルデザイン」する必要がある。

同時に、異なるロボットが異なる環境においても作業を容易に実現するためには、作業知識などを共 有することを可能とするための「作業構造のユニバーサルデザイン」が必要不可欠である(図3-1-

2-1、図3-1-2-2参照)。この2つのロボット・インフラ共通プラットフォーム技術(ユニバ ーサルデザイン)は、ロボットの活用範囲を広げ、新たなロボット応用産業の新産業創出することを可 能とする。

環境 環境 機種(作業依存)

機種(作業依存)

工場環境 研究室環境 住宅環境 社会環境 宇宙環境

異環境間 異環境間

異機種間異機種間

環境構造のユニバーサルデザイン 環境構造のユニバーサルデザイン

•知識的環境構造

•位置姿勢情報提供インフラ

•物理パラメータ(形状、硬さなど)

•環境状態(照度など)

•ロボット状態

•物理的環境構造デザイン

作業構造のユニバーサルデザイン 作業構造のユニバーサルデザイン

•タスク知識構造

•スキル知識構造

•サーボ知識構造

図3-1-2-1 異機種・異環境間プラットフォーム

不変可変(センサ)知識環境構知識環境構 物理物理境構造境構造

環境構造作業構造

物体知識

物体の位置・姿勢知識 物体の位置・姿勢知識

x,y,z, x,y,z,θθ,φ,ψ

物体の形状などの知識 物体の形状などの知識

質量、大きさ、柔らかさなど 質量、大きさ、柔らかさなど

環境知識 環境状態知識 環境状態知識

照明条件など 照明条件など

ロボット知識

ロボット仕様知識 ロボット仕様知識

自由度、ハンド形状など 自由度、ハンド形状など

ロボット状態知識 ロボット状態知識

関節角度、力など 関節角度、力など

環識・場 物体 ロボット

物体状態知識 物体状態知識

環境仕様知識 環境仕様知識

床、壁の配置など 床、壁の配置など

サーボ知識

サーボ知識 位置制御・力制御など位置制御・力制御など

スキル知識

スキル知識 場に応じた作業方法や手順など場に応じた作業方法や手順など

タスク知識

タスク知識 どこをつかむか、どのように扱うかなどどこをつかむか、どのように扱うかなど

図3-1-2-2 環境構造と作業構造

本提案課題は、人間生活環境などロボットにとっての非整備環境での作業、さらには異機種・異環境 間での作業を簡便に実現することを可能とする、ロボット・インフラ共通プラットフォーム技術を確立 し、ロボット利活用範囲の可能性を広め、新産業創出することを目的とする。

ここでは特に、

(17)

①物体の位置・姿勢情報などを提供するなどの環境構造ユニバーサルデザイン技術

②ロボット作業を円滑に行うための作業構造ユニバーサルデザイン技術

③神奈川県RTパークなどにおいて実証スペースを構築し、家庭内移動ロボットやヒューマノイドロボ ットを用いて、特に家庭内環境での作業の実証評価実験(図3-1-2-3)を行う

環境構造ユニバーサルデザインとしては、ICタグなどの空間配置されるセンサの特性を考慮した位 置姿勢計測技術を提案し、シミュレーション技術を併用しながら、構造化手法の研究開発を行う。

また、ロボット作業のユニバーサルデザインとして、環境構造としての位置姿勢情報を活用し、実環 境でのロボット作業に必要な作業の記述方式の構造化を行う。これらの環境構造と作業構造のユニバー サルデザインについては標準化を検討し、実証スペースを構築し、実証評価実験を行う。

不変可変(セサ)知識的環境構知識的環境構 物理物理境構造境構造

(1)環(2)作業構

物体知識 物体の位置・姿勢知識 物体の位置・姿勢知識

x,y,z, x,y,z,θθ,φ,ψ

物体の形状などの知識 物体の形状などの知識

質量、大きさ、柔らかさなど 質量、大きさ、柔らかさなど

環境知識 環境状態知識 環境状態知識

照明条件など 照明条件など

ロボット知識

ロボット仕様知識 ロボット仕様知識

自由度、ハンド形状など 自由度、ハンド形状など

ロボット状態知識 ロボット状態知識

関節角度、力など 関節角度、力など

環識・場 物体 ロボット

物体状態知識 物体状態知識

環境仕様知識 環境仕様知識

床、壁の配置など 床、壁の配置など

③サーボ知識

③サーボ知識 位置制御・力制御など位置制御・力制御など

②スキル知識

②スキル知識 場に応じた作業方法や手順など場に応じた作業方法や手順など

①タスク知識

①タスク知識 どこをつかむか、どのように扱うかなどどこをつかむか、どのように扱うかなど

(3)実証評価実験

(シミュレーション技術)仮想空間

神奈川県「安全安心RTパーク(仮称)」 など

図3-1-2-3 研究概要

(3)研究体制

本提案は、4つの研究機関((独)産業技術総合研究所、東京大学、㈱東芝、測位衛星技術㈱)の特色 を生かし3つのサブグループの協力の下で実施する。すなわち、1)位置姿勢計測インフラ・ストラク チャに関する研究グループ((独)産業技術総合研究所とりまとめ)、2)ロボット作業のためのユニバー サルデザインに関する研究グループ(東京大学とりまとめ)、3)実証評価実験(㈱東芝とりまとめ、研 究協力:神奈川県)を行う。

(4)まとめ

科学技術連携施策群の効果的・効率的な推進、次世代ロボット-共通プラットフォーム技術の確立-、

作業空間における物体操作のための環境情報構造化プロジェクトとして平成18年度より3年間研究 する機会を得た。4機関協力し合い、成果を出していきたい。

(18)

3-2.開発促進戦略の検討

環境を構造化することで、ロボットの適用技術の可能性を高め、ロボット利用分野を拡大するために、

大きく4つの分野(公共空間、住宅、作業現場、産業用)に分け、具体的なシナリオ作成によるユーザ

(サービス受け手の側)の評価を明示化するとともに、技術的妥当性等について検討を行った。

3-2-1.公共空間環境構造化分野におけるRTシステムの構想

3-2-1-1.公共空間分野における環境構造化の特徴

公共空間にロボット技術を導入し、サービスを提供する際の最大の特徴は、多様な人がその空間に出 入りし、そこで多様なサービス提供が求められるということある。この多様性に対応可能なRTサービ スシステムを導入するには、

①人の属性や行動、特性などを検出・認識できること

②人と柔軟にかつ安全に接することができること

③人の要望に応じて適応的に行動し、サービスが提供できること

④導入によって付加価値の増大、あるいは効率化・省人化といったメリットが見込めること

などの条件を満たす必要がある。すなわちこれらは、「人と共存し、人(利用者および導入者)の多様 な要望に応えることができるサービスロボットの要求仕様」と言える。

しかし、これらのいずれの要求仕様を見ても、個々のサービスを提供する実用化ロボットを実現しよ うとすると、機能性・ロバスト性・安全性・コストのいずれの面からも、ロボットを構成する要素技術 の知能化、ロボット単体の知能化のみでは困難であり、必要となる知識や情報、あるいは情報処理機構

(知能)を分散化させ、それを環境内にも配置し、構造化された環境とロボットを動的に協調させて動 作させる必要がある。すなわち、実用化サービスロボットを実現するには、ロボット本体やそれを構成 する要素技術のモジュール化・知能化だけでなく、知能化されたモジュールを分散化・外部化(ロボッ トの外部、すなわち環境に分散して配置)し、ロボットとその環境と状況に応じて動的に組織化させる ことが不可欠である。これをここでは、環境構造化と呼び、構造化された環境を含む知能化を考える。

なお、ここで環境とは、床や壁や障害物といった、いわゆるロボットが動作する空間のみならず、ロボ ットがハンドリングする対象物や、ロボットが接する人なども広く含める。

次に、公共空間でRTを導入し、サービスシステムを実現する上で必要となる環境構造化と、それを 活用した知能化技術についてまとめる。一言で公共空間と言っても、場所によって、そこで求められる サービスも異なるし、RTを導入する者のニーズも異なる。そこで、まず公共空間を(1)駅・空港、

(2)図書館・美術館・科学館・博物館、(3)商業空間、(4)官庁・オフィスに分類し、それぞれの 空間において、ロボットの利用者(サービスを享受する人)だけでなく、導入者からみたニーズを正確 に把握するために、具体的なシナリオを設定し、その中でのRTの活用という観点から、ニーズをまと め、取り組むべき環境構造化、知能化技術開発項目を明らかにする。

3-2-1-2.公共空間分野における環境構造化とそれを活用した知能化技術

(1)駅・空港

まず、旅行に出かける高齢者夫婦、外国人ツーリストの二つシナリオを設定した。高齢者の案内や外 国語による会話などのニーズが高く、ロボットの形態としては、インフォメーションロボット、コンシ ェルジェロボット、自律移動カートなどが考えられる。環境構造化によって下記の情報がロボットに提 供されることが必要となる。

・チケット予約システムからの情報

・運行情報システムからの情報

(19)

・手荷物情報システムからの情報

・構内の店舗情報

・乗換えのための交通情報

・周辺の観光情報,宿泊施設の情報

・外国語翻訳サービス

環境構造化を活用した知能化技術に関しては,分散配置されたセンサ情報や各種リーダからの情報な らびにその履歴を解析し、

・施設内の全体状況を認識する知能化技術

・特定個人に対する適切なサービス内容を時々刻々推定する知能化技術 を開発する必要がある。

図3-2-1―2-1に、駅・空港用ロボットのための環境情報構造化システムの構成を示す。

図3―2―1―2-1 駅・空港用ロボットのための環境情報構造化システムの構成

(2)図書館・美術館・科学館・博物館

図書館・美術館・科学館・博物館などの公共空間でのRT導入の可能性について検討を行ったが、そ れぞれニーズが若干異なることが明らかになった。そこで個々について述べる。

まず、科学館に関しては、見学者・スタッフなどのエンドユーザ、オーナー・経営者などの事業者を 想定できる。ここでのシナリオにおいて提案可能なRTサービスは、展示物演出システム、展示ガイド ロボット、場内移動ビークル、記念写真撮影サービス、パトロール案内ロボット、バックヤード支援、

清掃ロボット、入館システム管理、受付ロボットなどである。美術館・博物館に関しても、上記科学館 のシステムが利用可能であるが、それに加えて、RT天井システム(図3-2-1-2-2)、展示案 内RTビークルなどが考えられる。シナリオとしては、美術館スタッフをエンドユーザとしたシナリオ と、美術鑑賞が好きな高齢者をエンドユーザとしたシナリオを設定した。ここでは、調光ロボットシス テムを利用した展示品の設置、演出、ロボットカー案内システムを利用した鑑賞などが考えられる。

また、図書館に関しては、利用者・フタッフなどのエンドユーザ、行政機関・各自治体・教育機関な どの事業者を想定できる。ここでは、来館者への積極的な情報提示、新刊図書の整理の自動化、閲覧室 監視&パトロールロボットシステムなどのRTサービスが考えられる。図書館職員をエンドユーザとし たシナリオなどについて検討した。

以上のシナリオ検討の結果、情報構造化環境の統合化としては、無線LAN環境、無線IDタグ技術、

業務システム 情報サービスシステム

チケット 電子タグ ICカード

コールセンタ 構内店舗情報

乗換交通情報 観光地・宿泊情報

チケット予約システム 運行情報システム 手荷物情報システム

インターネット イントラネット

各種リーダ カメラ等センサ

屋内GPS 構内インフラ

ロボット(+各種リーダ) 翻訳サービス

(20)

室内マップ取り込み、経路の最適化、自動経路生成、自己位置修正、移動ロボット群制御、生体モニタ リングセンサ、高出力充電池、急速充電技術、乗り心地の人間工学、搭乗可能な電動小型自動走行車な どが挙げられた。

図3-2-1-2-2 RT天井システムの概念

(3)商業空間

商業空間として、大型商業施設を対象として、シナリオを作成した。ユーザは、都市部再開発のデベ ロッパーである。近年,商業施設では、日用品からファッション、飲食店に加え娯楽施設(映画館)な どを併設し、またこれらに加え、スポーツジムのような会員制の施設の併設による固定客の確保、健康 増進に関する施設を併設するなどの取り組みが行われており、店舗情報を細かに提供するディスプレイ 型情報提供が行われている。今後以下のようなサービスが,大型商業施設の魅力向上の上で重要である との調査結果が出た。

・情報端末(携帯電話)の利用による情報提供

・近隣住民への商品配達サービス

・来客者の落ち着ける空間つくりによる滞留時間の維持

システムの構成としては、(1)顧客に対応した情報提供ツールの開発と、(2)バックヤード作業と しての搬送作業代替装置(周辺住民向けを意識した)が考えられ、そこでは以下のようなRTシステム の導入が考えられる。

・施設内部への顧客の情報を収集できるカメラシステム

・特定顧客の持つタグに対応するタグリーダによる顧客のトラッキングシステム

・情報提供および案内をする移動ロボットシステム

・移動ロボットの状況を管理する環境側の管理システム

・顧客の動向にあわせて提示する移動可能な表示システム

・店舗/管理室からの情報提供システム

・屋内外をシームレスで移動可能な移動ロボットシステム

・バックヤードなどでは,環境側のガイドによる高速移動の補助機能

・屋外では,移動の補助のための環境側へのガイド機能

・台車搬送機能による汎用的な移動ロボットシステム

・屋内では,移動を補助する安価な屋内GPSシステム

照明 カメラ RFID受信機

リモコン 手元で交換可能

天井

照明 カメラ RFID受信機 照明 カメラ RFID受信機

リモコン 手元で交換可能

天井

(21)

環境構造化を活用した知能化技術としては,以下の開発が必要となる.

①屋内外シームレス搬送を実現するためのガイド情報の提供

・安価な屋内GPSシステムの構築

・屋外での地図情報提供とGPSとの連携システム

・適宜,事故位置補正をするためのガイド情報適用システム

②人の中にはいっていく移動ロボット技術の開発

・人の中での安全性確保のための環境からの監視技術 ロボットの周辺の人の状況をマクロに監視

許容動作速度などを管理

ロボット側では,周辺の局所情報に基づく行動修正機能

図3―2-1-2-3に、商業空間での環境構造化・知能化技術開発に基づくサービス提供のイメージ を示す。

図3-2-1-2-3 公共空間における環境構造化・知能化技術開発に基づくサービス提供のイメージ

(4)官庁・オフィス

官庁に関しては、役所、警察署、郵便局、銀行などの官庁関連の公共空間を対象としたシナリオを作 成した。エンドユーザは市民利用者、事業者は、国,地方自治体,銀行経営者などである。

①来訪者の要件の確認及び対応窓口への誘導

②事前手続き書面記載の補助

③外国人向け外国語対応受付、対応窓口での翻訳サービス

④目,耳の不自由な方への応対

⑤目的外来訪者(ビルを間違えた人,トイレ借用の人など)への応対

⑥情報提供:PR情報、ビル近隣場所の道案内、バス時刻表の提示、災害時の避難支援など

⑦車の手配:タクシーの呼び出し

⑧案内誘導:対応部署への誘導、トイレへの誘導など

⑨挙動不審者の排除

⑩夜間警備,夜間清掃,ゴミ処理 柏の葉開発計画

大型商業施設(ららぽーと柏の葉)

搬送サービス 搬送サービス 情報提供サービス

情報提供サービス

柏の葉キャンパス駅

柏の葉開発計画

大型商業施設(ららぽーと柏の葉)

搬送サービス 搬送サービス 情報提供サービス

情報提供サービス

柏の葉キャンパス駅

(22)

などのサービスの提供が考えられる。受付ロビーでの受付・窓口案内、セキュリティサービス、ビル公 共通路の夜間警備/夜間清掃/ゴミ処理作業などでの作業シナリオについて検討を行った。

また、オフィスに関しては、テナントオフィスビルの玄関、通路などの公共空間を対象としたシナリ オを作成した。エンドユーザはオフィスビル従業員及び外部訪問者、事業者は、オフィスビルオーナー、

会社経営者などである。

①入退出管理

②通常受付・取継業務(多国籍言語対応)

③各階テナント別・部署別郵便物配送、郵便物危険物検査 などのサービス提供が考えられる。

玄関ロビー/入退出管理作業、玄関ロビー/出迎え/受付/案内/不審者排除作業、公共通路の夜間 警備/夜間清掃/ゴミ処理作業、ビルテナント、会社部署への新聞、郵便物等の危険物検査/配送作業 などでの作業シナリオの検討を行った。

以上のシナリオについて分析し、多目的ビルサービスロボットの所要作業機能及びそれらを実現する ための所要要素技術を明らかにするとともに、情報構造化環境の知能化要素の抽出を行った。抽出結果 を以下に示す。

1)情報サービスサーバー/データベース

①受付業務情報処理支援サーバー

音声対話知能、個人認証バックアップ、事務手続き手順策定、受付業務係りとの事務処理連携支援、

PR情報コンテンツ提供、アミューズメントコンテンツ提供

②セキュリティ情報管理、非常時連絡網サーバー

夜間監視緊急連絡網、地図、人の所在位置、部署位置などの移動環境データベースなど

2)建屋設備との作業連携インタフェース

①エレベータ連動操作インタフェース

②エスカレータ連動操作インタフェース

③自動扉連動操作インタフェース

④ゴミ集中集積設備インタフェース

3)ロボット位置同定手段

①廊下床面位置/属性同定RFID

②無線LAN位置同定システム 4)個人認証手段

・RFIDカード、パスワード、顔認証、網膜認証、指静脈認証、声紋認証、指紋認証 5)人物状態監視

①天井カメラによる複数人物の動線識別、不審動作識別

②ロボット周辺、セキュリティゲート周辺の人の流線を逐次監視しており、ロボットの人物トレースを 支援。つれ入り、不審行動などを動線から推定。

(23)

6)物品識別手段

①搬送/ハンドリング対象識別RFID(湯飲み,手続き書面などの搬送対象)

②ゴミ箱識別RFID

③分別ゴミ箱識別RFID

④新聞,郵便物受けの宛先識別RFID

7)ゴミ廃棄支援環境

・ゴミ箱回収/分別廃棄設備 8)危険物検査デバイス

・爆発物,薬物,細菌など

9)自動充電設備,自動電池交換設備

3-2-1-3.公共空間分野における環境構造化を推進するために開発すべき技術

公共空間におけるRTの導入、RTによるサービスの提供を考えた場合、多様なニーズがあることが 明らかになった。ニーズや環境条件に応じて、どのような環境構造化を行うべきかが異なってくるもの の、基本的には、ロボット単体の知能化や、それを構成する要素の知能化だけでは、実用化システムを 構成することが困難であることがより明確となった。カメラ、レンジセンサ、GPS、屋内GPS、R FID、その他様々なセンサシステムや、センサノードとセンサネットワーク、有線/無線のネットワ ークなどを環境に設置することによって構造化し、知識を知能モジュールに分散化し、状況に応じて、

知能化された環境とロボットとを動的に組織化し、適応的に動作することを可能にする技術開発を行う 必要がある。

また、人とロボットとを共存させるための知能化技術開発が本質的となる。これにおいても、サービ スRTの実用化を考えると、ロバスト性、安全性、適応性、コストの観点から、知能化された環境が人 の属性や行動を把握し、それに基づきロボットを動作させたり、ロボットが人を認識して、知能化され た環境が情報を提示することを可能にする必要がある。

具体的なシナリオ作成、ニーズ分析、必要となる環境構造化・知能化技術を検討した結果、公共空間 における実用化サービスRTの導入を図るには、以下の環境構造化・知能化技術を開発する必要がある ことが明らかになった。

・屋内GPS(用途:移動体の位置計測)

・RFID(用途:人の認識、認証、モノの認識、等)

・センサノード(視覚機能を内蔵したものを含む)(用途:人の認識、行動計測など)

・可動プロジェクタ(用途:動的な情報提示) 等

また、上記環境構造化・知能化と連携させることで、以下の知能化技術を開発することが必要であろ う(単体の知能化だけでは実用化システム開発は困難)。

・移動(搬送を含む)(人のいる環境で、安全に移動、搬送する技術)

・情報提示・コミュニケーション(人が求める情報を適切に提供する)

・マニピュレーション(モノのハンドリング)

人の案内、人の搬送、情報提示、モノの搬送を初めとする、さまざまなサービスをロバストに提供す ることが可能になると考える。

参照

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