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静岡大学地球科学研究報告第 42 号 ( 2015 年 7 月 )51 頁 ~ 61 頁 Geosci. Repts. Shizuoka Univ., no. 42 (July, 2015), 美和高山ピクライト玄武岩の産状と起源 松本仁美 1 和田秀樹 2 3 楠賢司 Chara

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美和高山ピクライト玄武岩の産状と起源

松本仁美

1

・和田秀樹

2

・楠 賢司

3

Character of the Miwa-Takayama picrite basalts with pillow lava in the

Setogawa tectonic belt of Shizuoka Prefecture, central Japan

Hitomi MATSUMOTO

1

, Hideki WADA

2

and Kenji KUSUNOKI

3

Abstract Picrite basalts are distributed in the Mt. Miwa-�akayama area of Shizuoka city, Shizuoka

Prefecture. �his area spans the Setogawa tectonic belt sediments composed of middle Eocene sandstone and shale. We found picrite basalt with pillow lavas at Yuyama near the Mt. Miwa-�akayama. Pillow lavas are found with weathered sediments with pillow breccia flows. �his is the first record of picrite pillow lavas in Setogawa tectonic belt.

Miwa-�akayama picrite basalts contained many large phenocrysts of olivine, in which have high mg# [=Mg/(Mg+Fe) atomic ratio] and many chromian spinel inclusions. Some olivines have kink banding deformation characteristics. Whole rock chemical compositions showed that Miwa-�akayama picrite basalts are classified to komatiite or meimechite. Miwa-�akayama picrite basalts belong to ocean island basalts (OIB) by the chemical composition of Al2O3 and �iO2 of spinel inclusions trapped in the olivine.

Equilibrium temperatures of the Miwa-�akayama picrite basalts are calculated to about 114� ℃ or over, relative to the olivine-spinel geothermometer. Miwa-�akayama picrite basalts are part of the accretion-ary prism in the Setogawa tectonic belt.

Keywords: Miwa-�akayama picrite basalt, pillow lava, ocean island basalt (OIB), equilibrium

tem-perature, Setogawa tectonic belt

〒421-0122 静岡市駿河区用宗5-14-25

5-14-25 Mochimune, Suruga-ku, Shizuoka, 421-0122, Japan E-mail: [email protected] (H. M)

〒424-0875 静岡市清水区馬走1-59

1-59 Mabase, shimizu-ku, Shizuoka, 424-0875, Japan静岡大学技術部 〒422-8529,静岡市駿河区大谷836

Division of Technical Service, Shizuoka University, 836 Oya, Suruga-ku, Shizuoka, 422-8529, Japan

はじめに 静岡市葵区美和高山周辺の瀬戸川帯瀬戸川層群中に, ピクライト玄武岩が分布することは古くから知られてい る(鮫島,1960;Sameshima ,1960;高沢,1976;杉 山・下川,1990;杉山,1995).国内におけるピクライ ト玄武岩の分布地は十数カ所と限られており,近隣では, 千葉県や山梨県で報告されている(鮫島,1958,1970; 兼平,1976;田崎・猪俣,1980;石田ほか,1988,1990). 美和高山のピクライト玄武岩は,1953年に初めて鮫島と その学生により報告された(六浦,1953).その後,鮫 島( 1960 ),Sameshima( 1960 )や高沢( 1976 )によ り化学分析が行われ,初生マグマからあまり分化してい ないマグマによってもたらされたものであるとされた. ピクライト玄武岩と瀬戸川層群との関連について,鮫 島(1960)とSameshima(1960)は,瀬戸川層群中の ごく浅所にピクライト玄武岩の岩脈が貫入したとしてい る.高沢(1976)は,産状から瀬戸川層群中にピクライ ト玄武岩のシルあるいはシートが貫入したとしている. 杉山・下川(1990)と杉山(1995)は,ピクライト玄 武岩の岩脈が周辺に分布する海山起源の玄武岩を貫き, 浅所に貫入したとしている.その後,美和高山のピクラ

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イト玄武岩について詳しい研究はなされていない. 著者らは美和高山のピクライト玄武岩の分布を調査中, 静岡市葵区油山にてピクライト玄武岩の枕状溶岩を発見 した.ピクライト玄武岩の枕状溶岩は,環伊豆地塊蛇紋 岩帯(荒井・石田,1987)の一つ,千葉県鴨川市の嶺岡 帯で兼平(1976)により報告されているが,瀬戸川帯で は最初の発見である.枕状溶岩の発見により,美和高山 ピクライト玄武岩の新しい産状とその化学組成から成因 の一端が明らかとなったので,ここに報告する. 地質概説 西南日本外帯に属する四万十帯は,白亜紀から前期中 新世にかけての付加体を主とする地層からなり,沖縄か ら房総半島に至る太平洋側に帯状に分布している(小川・ 久田,2005).中部日本における四万十帯は,赤石山地 の大部分を構成し南東側に若い地層が分布する帯状構造 をとっている(狩野ほか,1986;唐沢・狩野,1992 ). 赤石山地の四万十帯東端に位置する瀬戸川帯は,笹山構 造線と糸魚川-静岡構造線にはさまれた幅10~16㎞程 度の南北方向の狭い範囲に分布し,西側から瀬戸川層群, 大井川層群,竜爪層群に分けられている(狩野ほか, 1986;杉山・下川,1989).その内,美和高山が位置す る瀬戸川層群には,古第三紀中期始新世から前期中新世 のスレート劈開の発達した泥岩を主に,砂岩,砂岩泥岩 互層,オフィオライト起源の玄武岩や超塩基性岩,石灰 岩,チャートが分布している(杉山・下川,1989,1990; 唐沢・狩野,1992;坂本ほか,1993;杉山,1995).美 和高山周辺は,瀬戸川層群の高山衝上体の最下部に位置 するとされ,ピクライト玄武岩のほか玄武岩,石灰岩, 砂岩,泥岩,砂岩泥岩互層などが分布している.美和高 山周辺の瀬戸川層群は,ほぼ南北から北東-南西の走向 を持ち,西に50°~60°傾く覆瓦構造をとっている(杉山・ 下川,1989,1990). 試料 露出状況 美和高山ピクライト玄武岩は,美和高山頂上南約500m の地点(地点A),美和高山頂上北東約1㎞の地点(地点 B),美和高山頂上北東約4㎞の油山(地点C),美和高山 頂上北東約1.7㎞の谷沢(地点D)など,少なくとも計4 カ所に点在していた(Fig. 1).これらの露頭は,Sameshima (1960)と高沢(1976)が示す分布域中にあった.この ほか,美和高山頂上南東約1㎞の八十岡(地点E)では, 美和高山へ向かう林道終点近くの沢に,長径30~50㎝ 程度のピクライト玄武岩の転石を十数個確認した. ピクライト玄武岩の露出は,どの地点も200m程度の 狭い範囲に限られていた.ピクライト玄武岩が点在して 露出する4地点間は,一部に玄武岩,石灰岩が露出して いたが,ほとんどの部分は砂岩,泥岩,砂岩泥岩互層等 の砕屑性堆積物からなり,ピクライト玄武岩の連続性は 確認できなかった.地点Aから300mほど北北西,頂上 展望台の西側斜面の風化堆積物中にドレライトの角礫が 観察された. 露頭の詳細 地点A(美和高山頂上南約500m,「高山の池」東約50m の地点) 地点A(Fig. 1)では,1~2m程度の塊状のピクライ ト玄武岩と長径10~50㎝程度のピクライト玄武岩の角 礫がおよそ200mの範囲に露出していた(Fig. 2).露出 域の西側では,長径10~30㎝のピクライト玄武岩の角 礫が,10m程度の幅を持って地表に集積していた.また, 露出域の北東側では,およそ50mの範囲に長径50㎝程度 のピクライト玄武岩の角礫が散在していた.ピクライト 玄武岩の表面は,風化を受けた様子が見られず新鮮であっ た.断面は暗黒色で,時に10㎜にも及ぶ大きなカンラン 石の斑晶が認められた.露頭西端では,長径20~50㎝ 程度のピクライト玄武岩,玄武岩,蛇紋岩,砂岩などの 角礫に混じって,丸みを帯び断面に放射状の割れ目を持 つピクライト玄武岩の円礫や表面に急冷層と推測される 形態を持つ長径20~30㎝程度のピクライト玄武岩の円 礫がいくつか観察された.これらのピクライト玄武岩の 円礫は枕状溶岩と推測される.下部は,1~2m程度の塊 状のピクライト玄武岩が多かった.露頭周囲は,砂岩, 泥岩,砂岩泥岩互層,玄武岩が分布していた. 地点B(美和高山頂上北東約1㎞の地点) 地点B(Fig. 1)では,およそ50mの範囲に,長径20 ㎝~1.5m程度のピクライト玄武岩の角礫が散在し,地点 Aのようにピクライト玄武岩の角礫が地表に集積する様 子は見られなかった.ピクライト玄武岩の表面は,風化 され茶褐色でカンラン石の斑晶の溶脱痕が目立つが,断 面は新鮮で大きなカンラン石の斑晶が観察された.露頭 西側には,長径20~30㎝程度のピクライト玄武岩の角 礫が散在していた.なお,地点Aから地点Bに至る道程 は,玄武岩,砂岩,泥岩,砂岩泥岩互層が露出しピクラ イト玄武岩は見当たらなかった. 地点C(美和高山頂上北東約4㎞の地点):静岡市葵区油山 地点 C( Fig. 1 )では,厚さ 1.5m の風化堆積物中に, 長径1mと長径30㎝のピクライト玄武岩の枕状溶岩が並 んで露出していた(Fig. 3).ピクライト玄武岩の枕状溶 岩は,放射状の割れ目が入り小さなブロックに砕かれて いた.2つの枕状溶岩の表面はともに風化していたが,内 部は新鮮で発泡はうかがえなかった.枕状溶岩に含まれ るカンラン石の斑晶は,地点Aのピクライト玄武岩に比 べて目立たなかった.地表は,約50mの範囲に長径10~ 30㎝程度のピロブレッチアと推測されるピクライト玄武 岩の角礫が集積し,その中にも,20㎝程度の枕状溶岩の 円礫が観察された.ピクライト玄武岩の角礫が集積する 様子は,地点Aの露出状態と類似していた.ピクライト 玄武岩の周囲には,砂岩,砂岩泥岩互層が分布していた. 地点D(美和高山頂上北東約1.7㎞の地点):静岡市葵区 足久保谷沢 地点D(Fig. 1)では,茶畑横の小径や西側の沢に30

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Fig.1:Distribution map of the Miwa-Takayama picrite basaalts. Ushigamine lava distributed site A and B. Yuyama lava distributed site C.

Yazawa lava distributed site D. Conglomerates of Ushigamine type picrite basalt found out in trench of site E.

㎝~ 1.5m 程度のピクライト玄武岩の巨礫が散在してい た.巨礫の散在する様子は地点Bと類似し,枕状溶岩や ピロブレッチアは見出せなかった.ピクライト玄武岩の 巨礫の表面は茶褐色でカンラン石の溶脱痕が目立ってい たが,断面は新鮮でカンラン石の斑晶は地点Bに比べて 目立たなかった.露出域のほとんどが茶畑や杉林に覆わ れていて,ピクライト玄武岩の分布範囲を確定できなかっ たが,およそ200mの範囲に露出していると推測される. 茨木(1983)は,地点Dの南約200mの玄武岩に覆われ た石灰質凝灰岩層から47Maの浮遊性有孔虫を報告して いる. 地点E(美和高山頂上南東約1㎞の地点):静岡市葵区足 久保八十岡 地点E(Fig. 1)では,林道終点から美和高山への登山 道を 100m ほど登った南側の沢に,長径 20 ㎝~ 1m のピ クライト玄武岩の礫が十数個観察された.いずれも転石 で,露頭は確認できなかった.ピクライト玄武岩の表面 は新鮮で地点Aのものと類似するが,大きなカンラン石 の斑晶は地点Aと比べて目立たなかった.

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結果 岩石記載 美和高山ピクライト玄武岩は,0.2~5㎜のカンラン石 の斑晶を多量に含み,中には,10㎜以上に及ぶものが見 られた.高沢(1976)が述べているように,カンラン石 の斑晶には,自形性の良い 1 ~ 5 ㎜程度の大きさものと 0.2㎜程度の大きさものがあり,それらが大部分を占めて いた.長径が1~5㎜,短径が0.1~0.2㎜程度の細長く 伸びたものや,大きさが10㎜以上で,斑晶の周囲が不定 形のものも観察された(Fig. 4a).高沢(1976)によれ ば,細長く伸びたカンラン石や斑晶の周囲が不定形のカ ンラン石は,骸晶とされている.カンラン石斑晶の他に クロムスピネル(主にクロム苦土鉱からなる)の自形結 晶が見られた.石基は斜長石や単斜輝石が主で,微小な 磁鉄鉱や二次鉱物の炭酸塩鉱物(カルサイト)やアミグ デュール(内部を埋める鉱物は不明)から構成されてい た.カンラン石の斑晶は,割れ目に沿ってカンラン石が 蛇紋石に変質した跡が数多く見られたが,ほとんどが周 縁部まで新鮮であった(Fig. 4a, b).カンラン石の斑晶 中には包有物としてクロムスピネルが多数存在し(Fig. 4b, c),高沢(1976)が指摘する輝石や斜長石の微粒子 からなる楕円形の包有物も観察された.また,カンラン 石斑晶中に,微小なメルト包有物が観察され,散在する ものと列状に配列するものがあった.微小メルト中に, クロムスピネルの微結晶を伴うものもあった.キンクバ

Fig.2:Brecciated Ushigamine lava spread at sita A. Pilow breccias

accumulate to about 10m in width.

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Fig.4:Micro-photos of the Miwa-Takayama picrite basalts. (a)

Ushigamine lava (b) Yuyamam lava (c) Yazawa lava

ンドをもつカンラン石は,すべての地点で観察された. 4地点のピクライト玄武岩を顕微鏡で観察した結果,地 点によってピクライト玄武岩の斑晶や石基の形状に,次 のような違いが見られた.地点Aと地点Bのものは,カ ンラン石の斑晶が全体のおよそ半分を占め,石基は細粒 で,斑晶や石基は変質をほとんど受けていなかった(Fig. 4a).地点Cのものは,カンラン石の斑晶が占める割合 や変質の程度は地点A,Bと同等であったが,石基は地 点A,Bに比べて粗粒であった(Fig. 4b).地点Dのもの は,細かく砕かれたカンラン石の斑晶が特徴的で,他の 地点に比べて斑晶が占める割合や変質の程度が大きく, 石基は地点Cと同程度に粗粒であった(Fig. 4c).この ような顕微鏡下の観察に基づき,便宜的に,地点Aと地 点Bのピクライト玄武岩を牛ヶ峰溶岩,地点Cのピクラ イト玄武岩を油山溶岩,地点Dのピクライト玄武岩を谷 沢溶岩と呼ぶことにする. 全岩化学組成 全岩分析は,カナダALS社に委託した.ASL社の蛍光 X線分析装置(XRF-ME26,ガラスビード法,希釈率1: 11)から得られた,美和高山ピクライト玄武岩の3つの 溶岩の全岩化学組成をTable 1に示す.牛ヶ峰溶岩,油山 溶岩および谷沢溶岩は,SiO2の含有量(wt%)がそれぞ れ42.1,43.5,40.7を,MgOの含有量(wt%)がそれぞ れ29.8,25.0,30.1を,アルカリ(Na2O+K2O)の含

有量(wt%)がそれぞれ0.83,1.14,0.53を,TiO2の含

有量(wt%)がそれぞれ0.83,1.28,0.82を示した.国 際地学連合(IUGS)は,MgOの含有量が18wt%以上, かつ,アルカリ(Na2O+K2O)の含有量が2wt%以下の

超塩基性岩の内,TiO2の含有量が1wt%以下のものをコ マチアイト,1wt%以上のものをメイメチャイトと区分 している(Le Bas,2000).この区分に従うと,牛ヶ峰 溶岩と谷沢溶岩はコマチアイトに,油山溶岩はメイメチャ イトに分類された. 鉱物化学組成 牛ヶ峰溶岩の2試料(地点Aと地点Bのピクライト玄 武岩),油山溶岩の2試料(地点Cのピロブレッチア及び 枕状溶岩),谷沢溶岩の1試料(地点Dのピクライト玄武 岩)の合計5つの試料について,構成鉱物の主成分化学 組成を神奈川県温泉地学研究所の EPMA( JEOL JXA-8900R)と静岡大学のEPMA(JEOL JXA-8900R,温泉 地学研究所のEPMAを移設したもの)を用いて,加速電 圧20kV,測定電流1.2×10-8A,ビーム径5μmの条件で 分析した.測定にあたって,スピネルは,大きさがおよ そ30μm以下のものは,中心部を1カ所測定した.大き さがおよそ30μm以上のものは,中心部と周囲2カ所の 計3カ所を測定し,その平均を分析値とした.カンラン 石は,スピネルから5μm程度離れた3~4カ所を測定し, その平均を分析値とした.

Table 1:Whole rock major element compositions of the

Miwa-Takayama picrite basalts

(wt %) Ushigamine lava(Site A) Yuyama lava(Site C) Yazawa lava(Site D) SiO2 42.10 43.50 40.70 TiO2 0.83 1.28 0.82 Al2O3 5.48 7.06 4.80 Cr2O3 0.41 0.30 0.40 Fe2O3 12.70 12.46 11.92 MnO 0.18 0.17 0.15 MgO 29.80 25.00 30.10 CaO 5.27 6.41 4.41 Na2O 0.77 1.04 0.49 K2O 0.06 0.10 0.04 P2O5 0.08 0.12 0.08 L.O.I 1.62 1.83 6.41 Total 99.30 99.27 100.32 Ni (ppm) 1560 1395 1865

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カンラン石の化学組成と特徴 クロムスピネルを囲むカンラン石の化学組成の結果を Fig. 5 に示した.カンラン石の Mg#[ =Mg/( Mg + Fe ) 比]は,牛ヶ峰溶岩については,0.93~0.83の範囲で変 動した.油山溶岩については,0.90~0.84の範囲で変動 した.谷沢溶岩は,0.90~0.88の範囲で変動した.牛ヶ 峰溶岩のMg#には,0.93の値をとるものがあり,Mg#の 変動幅はおよそ0.1で,広い範囲での変動が見られた.そ れに比べ,油山溶岩や谷沢溶岩のMg#は,全て0.90以下 の値で,牛ヶ峰溶岩に比べて狭い範囲で変動した.特に 谷沢溶岩については,Mg#の変動幅が0.02と限られた範 囲に集中する傾向が見られた. カンラン石のMg#の減少に伴いNiO,MnO,CaOな どの微量成分がどのように変化するかをFig. 5a~cに示 した.Mg#の減少に伴い,NiOの減少,MnOとCaOの 増加は,結晶分別によるマグマ分化の際に一般的に見ら れる傾向である(石橋,2013 ).NiO について見ると, Fig. 5aに示したとおり,牛ヶ峰溶岩は,0.37~0.21wt% の範囲で変動し減少傾向が見られた.油山溶岩は,0.46 ~0.27wt%の範囲で変動し減少傾向が見られた.谷沢溶 岩は,0.36~0.31wt%の範囲で変動したが,変動範囲が 狭く傾向を読みとることはできなかった.MnOについて 見ると,Fig. 5bに示したとおり,牛ヶ峰溶岩は,0.11~ 0.23wt%の範囲で変動し増加傾向が見られた.油山溶岩 は,0.13~0.19wt%の範囲で変動しわずかに増加傾向が 見られた.谷沢溶岩は,0.14~0.18wt%の範囲で変動し, 狭い範囲に集中するものの増加傾向が見られた.CaOに ついて見ると,Fig. 5cに示したとおり,牛ヶ峰溶岩は, 0.21~0.31wt%の範囲で変動したが増加傾向は見られな かった.油山溶岩は,0.22~0.51wt%と変動幅が大きい が,ほとんどが0.22~0.31wt%の範囲に集中し増加傾向 は見られなかった.谷沢溶岩は,0.15~0.31wt%の範囲 に散在し増加傾向は見られなかった. カンラン石に包有されるスピネルの化学組成と特徴 カンラン石に包有されるクロムスピネルの化学組成を Fig. 6に示した.クロムスピネルのCr#[=Cr/(Cr+Al) 比]について見ると,牛ヶ峰溶岩は,0.56~0.71の範囲 を示した.油山溶岩は,0.59~0.71の範囲を示した.谷 沢溶岩は,0.65~0.69の範囲を示した.牛ヶ峰溶岩はCr# が0.6以下のものもあり,油山溶岩や谷沢溶岩に比べて 幅広い傾向を示したが,どの試料もCr#は,おおむね0.60 ~0.70の範囲に含まれた.牛ヶ峰溶岩と油山溶岩は,Mg# の増加に伴いCr#が緩やかに増加するように読み取れた が.谷沢溶岩については明瞭な関係が読みとれなかった ( Fig. 6a ).Al/( Al + Cr + Fe3+)比と Fe3+/( Al + Cr + Fe3+)比の相関は,数値にばらつきが見られ,両者の間 に傾向を読み取ることはできなかった(Fig. 6b).一般 的に,結晶作用によるマグマの分化の際にスピネル中の Al成分は減少し,Fe3+成分は増加する傾向がある(石橋, 2013)が,美和高山ピクライト玄武岩は,マグマ分化の 一般的な傾向を示さなかった.Fig. 7は,スピネルとス ピネルを包有するカンラン石間のFe2+/Mg比の関係を示 したものである.どの溶岩も一直線上に並び,スピネル

Fig.5:Chemical analysisis of the olivine. (a) Relationships between

Mg# [=Mg/(Mg+Fe) atomic ratio] and NiO weight percent volume. (b) Relationships between Mg# and MnO weight percent volume. (c) Relationships between Mg# and CaO weight percent volume. Diamonds are Ushigamine lava, circles are Yuyama lava, triangles are Yazawa lava.

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のFe2+/Mg比とスピネルを包有するカンラン石のFe2+/Mg 比との間には,明瞭な相関が見られた.これは,スピネ ルを捕獲後,スピネルとスピネルを包有するカンラン石 の間で,Fe-Mg再分配が起こったことを示している(石 橋,2013). 議論 ピクライト玄武岩の産状について 美和高山ピクライト玄武岩の産状について,Sameshima (1960)は,美和高山頂上直ぐ南東斜面から北北東方向 に幅200m,長さ1㎞のダイクと油山に小露頭が存在する としている.高沢(1976)は,美和高山頂上直ぐ南東斜

Fig.6:Chemical analysisis of the chromian spinel. (a) Relationships

between Mg# and Cr# [=Cr/(Cr+Al) atomic ratio] of the Miwa-Takayama picrite basalts. (b) Relationships between Al/(Al+Cr+Fe3+) atomic ratio and Fe3+/(Al+Cr+Fe3+) atomic ratio of spinel inclusions trapped in olivine. Diamonds are Ushigamine lava, circles are Yuyama lava, triangles are Yazawa lava.

Fig. 7:Relationships between Fe2+/Mg atomic ratio of olivine and Fe2+/Mg atomic ratio of spinel inclusions trapped in olivine. Diamonds are Ushigamine lava, circles are Yuyama lava, triangles are Yazawa lava.

面から北北東方向に幅10m,長さ1.7㎞のピクライト玄 武岩の岩体が板状に分布するとしている.杉山・下川 (1990)と杉山(1995)は,ピクライト玄武岩が周囲の 玄武岩を貫いて浅所に貫入したとしている.しかし,露 頭を見る限りピクライト玄武岩が,ダイクとして貫入し ていたり板状に分布していたりする露出は見当たらなかっ た.今回の調査で枕状溶岩が確認されたことから,ピク ライト玄武岩は,岩脈やシルとして瀬戸川層群中に貫入 したものではないことが明らかになった.地点Aから地 点Cにかけてのピクライト玄武岩の露出域は,周囲の地 層の向きと総じて調和的である.地点 A の北北西 300m には,ドレライトが風化堆積物に混じって露出している 箇所があった.ドレライトは,その周囲に分布する玄武 岩や珪質石灰岩などとともにオフィオライトの構成物と 考えられる.これらの岩体は,杉山・下川(1989)が述 べる高山衝上体の基底部に位置し,ピクライト玄武岩の 礫岩体とともに分布していると推測される.すなわち, 美和高山のピクライト玄武岩は,プレートの沈み込みに 伴い,瀬戸川層群に付加された異地性礫岩で,高山頂上 直下から谷沢,油山にかけて瀬戸川層群の走向に沿って レンズ状に散在していると考えられる.美和高山ピクラ イト玄武岩が,範囲200m程度の非常に限られた数カ所 にしか露出しないこと,ピクライト玄武岩が点在する地 点間は,瀬戸川層群の砕屑岩に覆われていて,ピクライ ト玄武岩の周囲には,オフィオライトを構成する岩体が 分布するといった露出状況も整合的である.このことは, 瀬戸川層群の超塩基性岩が堆積性とされていること(荒 井ほか,1978),瀬戸川層群の緑色岩類はブロック状に 堆積しているものがあること(坂本ほか,1993),美和 高山のピクライト玄武岩とよく似る嶺岡帯のピクライト 玄武岩が堆積性礫岩の可能性が高いとされていること(荒

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井ほか,1983;荒井,1994;高橋ほか,2012)からも支 持される. ピクライト玄武岩のカンラン石-スピネル平衡温度につ いて Febriès(1979)によれば,平衡共存するカンラン石と スピネル間のFe-Mg分配は,温度とスピネルのCr/(Al+ Cr+Fe3+)比,Fe3+/(Al+Cr+Fe3+)比の関数として,次の

ような式で表されている. lnKD0=lnKD-4.0Y(Fe3+)spinel T(K)=(4250Y(Cr)spinel+1343) /(lnKD0+ 1.825Y(Cr)spinel+0.571) T(℃)=T(K)-273.15 ただし,

KD=(Fe2+/Mg)olivine /(Fe2+/Mg)spinel

Y(Cr)spinel=Cr/(Al+Cr+Fe3+)

Y(Fe3+

spinel=Fe3+/(Al+Cr+Fe3+)

なお,この地質温度計は,700~1200℃の範囲に適用 でき,その固有の温度見積り誤差は±50℃と考えられて いる(Febriès,1979).この式を使って,美和高山ピク ライト玄武岩のスピネル及びスピネルを囲むカンラン石 の平衡温度を求めた.ただし,この式から求められる温 度は,包有後の焼きなましによる再平衡の可能性がある ため,実際のマグマの噴出温度より低く見積もられる可 能性がある. 牛ヶ峰溶岩は,地点Aの18ペアと地点Bの21ペアを, 油山溶岩は,地点Cのピロブレッチア12ペアと枕状溶岩 9ペアを,谷沢溶岩は,地点Dの15ペアを測定した.し たがって,牛ヶ峰溶岩は39ペアから,油山溶岩は21ペ アから,谷沢溶岩は15ペアからそれぞれの平衡温度を見 積もった.その結果,牛ヶ峰溶岩の平衡温度は 1160± 63℃,油山溶岩の平衡温度は1135±20℃,谷沢溶岩の平 衡温度は1179±25℃と計算された.Fig. 8は,各溶岩の 平衡温度のばらつきを示したものである.美和高山ピク ライト玄武岩は,Fig. 7に示したように,スピネルのFe2+/ Mg比とスピネルを包有するカンラン石のFe2+/Mg比との 間に明瞭な相関関係が見られ,スピネルを捕獲後,スピ ネルとカンラン石の間でFe-Mg再分配が起こっていた(石 橋,2013).ここで得られた平衡温度は,再平衡温度の 可能性が高い.したがって,包有後の焼きなましによる 再平衡の可能性を考慮すると,平衡温度は少なくとも, 牛ヶ峰溶岩がおよそ1160℃以上,油山溶岩がおよそ1140℃ 以上,谷沢溶岩がおよそ1180℃以上と考えられる.美和 高山ピクライト玄武岩を排出した牛ヶ峰溶岩,油山溶岩 および谷沢溶岩の噴出温度は,この平衡温度よりも高温 であったと推測される. ピクライト玄武岩の起源について 石田ほか(1990)は,山梨県早川町新倉付近の瀬戸川 帯北部で,美和高山のピクライト玄武岩に似た非変成ピ クライト玄武岩を発見し,全岩化学組成やクロムスピネ ルの組成から,その母岩マグマがハワイのソレアイト質 玄武岩に極めて類似したものと報告している.また,杉 山(1995)は,美和高山ピクライト玄武岩の周囲に分布

Fig. 8:Histograms of equilibrium temperatures of the Miwa-Takayama

picrite basalts. (a) Ushigamine lava (b) Yuyamam lava (c) Yazawa lava する玄武岩が,微量元素(Zr,Y,Nb,Sr)の化学分 析結果から海洋火山島に由来するものとしている.坂本 ほか(1993)は,瀬戸川層群の緑色岩類には,スラブ状 のMORB由来のものとブロック状の海山や島弧由来のも のがあり,それらは異なる堆積メカニズムで付加された としている. 今回,静岡市葵区油山で枕状溶岩を発見したことによ り,美和高山のピクライト玄武岩は,プレートの沈み込 みに伴って瀬戸川層群に付加された異地性礫岩であるこ とが明らかになった.スピネルのAl2O3(wt%)値とTiO2 (wt%)値との相関から,玄武岩の起源を分類している Kamenetsky et al.(2001)の図に,3溶岩のスピネルの Al2O3(wt%)とTiO2(wt%)の値を重ねてみると,す べての値が海洋火山島玄武岩( OIB )の領域に入った (Fig. 9).これは,美和高山ピクライト玄武岩が,ホッ トスポット起源の海洋火山島のものであることを示して いる. 従来,美和高山ピクライト玄武岩は,Sameshima(1960) や高沢(1976)により初生マグマに近いものであるとさ れてきた.高橋( 1986 )は,1959 年噴出のキラウエア

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Fig. 9:Relationships between Al2O3 and TiO2 contents of spinel inclusions trapped in olivine of the Miwa-Takayama picrite basalts. OIB is the ocean island basalt discrimination (Kamenetsky et al, 2001). Diamonds are Ushigamine lava, circles are Yuyama lava, triangles are Yazawa lava.

火山の玄武岩が,比較的細粒(0.5~2㎜)の自形性のよ い斑晶の他に多量の粗粒な捕獲結晶(粒径1~12㎜)を 含み,捕獲結晶にはマントルカンラン岩特有の変形組織 (kink banding)が見られるといった先行研究結果から, 1959年の噴出物は,MgOが10wt%の初生マグマと数% ~10数%のMgOを持つ過剰結晶(火道に沿うwall rock 由来の捕獲結晶である可能性が高い)が混入したもので あるという見解を示している.美和高山ピクライト玄武 岩中のカンラン石も,自形性の良い0.5~2㎜程度の結晶 と 1 ~ 5 ㎜程度のキンクバンドを持つ大型の結晶が普遍 的に観察される点で,1959年噴出のキラウエア火山の噴 出物とよく似ている.そこで,美和高山ピクライト玄武 岩には,マントル由来のカンラン石が含まれているかを 確かめるために,高橋(1986)やArai(1994)が示す マントルカンラン石の組成配列と比較してみた. まず,美和高山ピクライト玄武岩のカンラン石のNiO (wt%)値とMnO(wt%)値を,高橋(1986)の示す マントルカンラン石の配列に重ねてみた(Fig. 10a, b). NiO値について見ると(Fig. 10a),牛ヶ峰溶岩は,一部 がマントルカンラン石と同じ値をとるが,大部分はマン トルカンラン石の領域より低い値を示した.油山溶岩は, マントルのカンラン石と同じ値かそれよりも高い値を示 した.谷沢溶岩は,マントルカンラン石と同じ値かそれ よりもやや低い値を示した.一方,MnO値について見る と(Fig. 10b),牛ヶ峰溶岩,油山溶岩,谷沢溶岩は,い ずれもマントルのカンラン石と同じか,やや高い値を示 す傾向にあった.これらは,美和高山ピクライト玄武岩 のカンラン石が,マントルカンラン石に近い組成を持つ マグマから形成されたと考えられるが,一部にマントル カンラン石を捕獲結晶として取り込んでいる可能性もあ

Fig. 10:Relationships between Fo [=100×Mg / (Mg+Fe) atomic

ratio] content of olivine and NiO (wt%) and MnO (wt%) content of olivine of the Miwa-Takayama picrite basalt. Broken line area is indicated in mantle olivine array for ferromagnesian element (Takahashi, 1986). Diamonds are Ushigamine lava, circles are Yuyama lava, triangles are Yazawa lava.

る. 次に,美和高山ピクライト玄武岩のカンラン石のFo値 とカンラン石に含有されるスピネルのCr#値をArai(1994) の図に重ねてみた.その結果,油山溶岩は,OSMAの範 囲から外れたが,牛ヶ峰溶岩と谷沢溶岩のカンラン石の 一部がOSMAの範囲に入った(Fig. 11).これも,美和 高山ピクライト玄武岩のカンラン石が,マントルカンラ ン石に近い組成を持つマグマから形成されたと考えられ るが,マントルカンラン石を捕獲結晶として一部取り込 んでいる可能性も残す.しかし,OSMAに一致したカン ラン石のCaO値は,0.25~0.27wt%を示し,0.07wt%以 下といわれるマントルカンラン石のCaO値(Stephen et al., 2013)に対して高い値をとる.このことは,美和高 山ピクライト玄武岩のカンラン石が,マグマ中で生成さ

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れたことを示している.したがって,美和高山ピクライ ト玄武岩は,マントルカンラン石の組成に近いMgやCr に富んだマグマから形成されたと推測される. 全岩化学分析の結果(Table 1)から,牛ヶ峰溶岩と谷 沢溶岩はコマチアイトに,油山溶岩はメイメチャイトに 分類された.国内でのコマチアイトやメイメチャイトの 存在は,美濃・丹波帯,嶺岡帯,瀬戸川帯などで報告さ れている(市山,2009;佐藤ほか,2012).これらの論 文では,コマチアイトを作った巨大火成岩区(LIPs)と メイメチャイトの起源や沈み込み帯でのマントルの火成 活動との関連性を指摘している.過去の巨大火成岩区 (LIPs)の一部が,美和高山ピクライト玄武岩を作った マグマだまりの起源となった可能性も考えられる.その 解明には,微量元素やREEの分析,同位体測定,年代測 定などの詳細な解析が必要となってくる. まとめ (1)静岡市葵区油山からピクライト玄武岩の枕状溶岩を 発見した. (2)美和高山ピクライト玄武岩は,海洋火山島玄武岩で, プレートの沈み込みに伴う付加により瀬戸川層群に取り 込まれた異地性礫岩である. (3)美和高山ピクライト玄武岩の平衡温度は少なくとも, 牛ヶ峰溶岩がおよそ1160℃以上,油山溶岩がおよそ1140℃ 以上,谷沢溶岩がおよそ1180℃以上である. (4)美和高山ピクライト玄武岩は,マントルカンラン石 の組成に近い Mg や Cr に富んだマグマから形成された. 牛ヶ峰溶岩と谷沢溶岩はコマチアイトに,油山溶岩はメ イメチャイトに分類された. 謝辞 化学分析では,神奈川県温泉地学研究所のEPMAと静 岡大学のEPMAを使用させていただいた.特に,温泉地 学研究所の萬年一剛主任研究員には,EPMAの測定に関 して多大なる御援助をいただいた.静岡大学理学部の道 林克禎教授には,静岡大学のEPMAの使用と試料作成に 御援助をいただいた.また,同理学部の森下祐一教授に は,全岩化学分析にご援助をいただいた.さらに,同理 学部の石橋秀巳講師には,ピクライト玄武岩の解析につ いて貴重な御意見をいただき,論文の向上に役立てるこ とができた.以上の方々に深く感謝する. 引用文献 荒井章司(1994),環伊豆地塊蛇紋岩帯.静岡大学地球 科学研究報告,20,175-185.

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Kamenetskey V. S., Crawford A. J., & Meffre S. (2001), Factors controlling of magnetic spinel: an empirical study of associated olivine, Cr-spinel and melt

Fig. 11:Relationships between Fo content of olivine and Cr♯ of

chromian spinel inclusions trapped in olivine of the Miwa-Takayama picrite basalts. OSMA is the olivine-spinel mantle array (Arai, 1994). Diamonds are Ushigamine lava, circles are Yuyama lava, triangles are Yazawa lava.

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Table 1:Whole rock major element compositions of the Miwa-
Fig. 7:Relationships between Fe 2+ /Mg atomic ratio of olivine and  Fe 2+ /Mg atomic ratio of spinel inclusions trapped in olivine
Fig. 8:Histograms of equilibrium temperatures of the Miwa-Takayama
Fig. 9:Relationships between Al 2 O 3  and TiO 2  contents of spinel  inclusions trapped in olivine of the Miwa-Takayama picrite basalts
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参照

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