政党支持者集団のダイナミクス・再論
その他のタイトル The Dynamics of Party Supporter Groups Revisited
著者 山川 雄巳
雑誌名 關西大學法學論集
巻 48
号 3‑4
ページ 505‑541
発行年 1998‑12‑25
URL http://hdl.handle.net/10112/00024490
山 川 雄 巳
政党支持者集団のダイナミクス︒再論
第 一 節 モ デ ル の 基 本 構 造 第二節サプシステム間のインプット・アウトプット関係 第三節政党支持者集団連関表と集団間移動係数 第四節移動係数・制御戦略・政党評価 第五節コンピュータ・シミュレーション・モデル
(1 )
私は︑政党支持者集団のダイナミクスについて︑これまでいくつかの論文を発表した︒それからかなりの時日が経
過したので︑本論文で私は︑既発表論文を全体としてみなおし︑議論の要点をまとめるとともに︑さらに︑これまで
の理論モデルに修正を加え︑さらに発展させてみたいと思う︒そういう企図をもっため︑本稿では既発表論文との重
複部分がかなり多くなるであろうが︑この点︑お許し願いたい︒
(1) 山川雄巳「政党支持者集団のダイナミック・モデル」、『関西大学法学論集』第一_二巻第ニ・三•四合併号、一九八一年一 二月、一_―-―-五ー三七一ページ。同「政党支持者集団連関表と集団間移動係数」、『関西大学法学論集』、第三二巻第三•四・
五 合
併 号
︑ 一
九 八
二 年
︱ 二
月 ︑
四 四
ニ ー
四 五
八 ペ
ー ジ
︒ 同
﹁ 政
党 支
持 者
集 団
の シ
ミ ュ
レ ー
シ ョ
ン ・
モ デ
ル ﹂
︑ ﹃
政 治
学 と
現 代
世界
j︑ 横 越 英 一 教 授 退 官 記 念 論 集 ︑ お 茶 の 水 書 房 ︑ 一 九 八 三 年 ︑ 八 七
‑ 1 0
八 ペ
ー ジ
︒ 同
﹁ 大
阪 市
に お
け る
政 党
支 持
者 集
団 の
動 態
﹂ ﹃
関 西
大 学
法 学
論 集
﹄ 第
三 三
巻 第
二 号
︑ 一
九 八
三 年
七 月
︑ 一
ー 七
六 ペ
ー ジ
︑ な
ど ︒
モ デ ル の 基 本 構 造
最初に︑ここでの政党支持者集団論の枠組について説明する︒
第一に︑ここで問題にするのは︑ある政党を支持している人々の総計としての人数であって︑たとえば選挙で活動
する集票組織や特定候補者の支持団体・後援会などの問題は取り上げない︒たとえば︑
は︑﹁財界や農協は自民党寄り︑労働組合は社会党寄り﹂とよく言われたが︑こうした︑ある特定の政党の支持団体
や後援団体の系列構成の問題は︑ここでは扱わない︒支持団体等ごとにまとめられた有権者の集団構成よりも︑かれ
らが総体として合算される︑全体としての支持者集団の規模を問題にしようというわけである︒
第二は︑政党システムの数理的モデルを構成して議論を進めるということである︒
政 党 支 持 者 集 団 の ダ イ ナ ミ ク ス ・ 再 論 第一節
一 九
七
0 年代頃までの日本で
︵ 五
0 七 ︶
そして︑R政党を支持している人々はR政党支持者集団︑M政党を支持している人々はM政党支持者集団︑L政党
を支持する人々は L
政党支持者集団に属しているとみる︒また︑有権者のなかには︑いずれの政党も支持しない有権 者︑すなわち﹁政党支持なし層﹂あるいは﹁無党派層﹂に属する人々もいるが︑かれらは︑ここでは︱つの分類集団
としての︽政党剃支持者集団﹀に属するものとして扱う︒
政党支持者集団の規模の大きさは三つの要因で変化すると考えられる︒その一っは政党支持者集団間の社会的移動 である︒人がある町から別の町に移り住むのと同じように︑これまである政党を支持していた有権者が︑これまでの 支持政党を見捨てて︑別の政党を支持するようになる︒その二は自然的増加ともいうべきもので︑毎年二
0 歳になっ
た人々が新しく有権者となり︑新成人の数だけ毎年有権者の数は増え︑それぞれの政党支持者集団に入ってゆく︒そ の三は自然的減少である︒いわゆる寿命によって︑毎年かなりの数の有権者が亡くなり︑政党の支持者の数はそれだ
け減少する︒ある町の人口が︑転入や転出によって増減し︑おめでたや不幸によっても増減するように︑政党の勢力 いないものとする︒ 第四八巻第三•四合併号
第三に︑議論があまりに複雑になるのを避けるため︑ここで扱う政党の数を限定する︒
︵ 五
0
八 ︶ 競争的政党政治のうち︑もっとも単純なケースは二党制であるが︑二党制モデルは︑日本の政党政治のように多党 化した状況を扱えないため︑ここでは多党制のうちもっとも単純な三党制をモデルとして採用することにする︒そし て︑これら三つの政党は︑あるの政策スケールにおいて︑右︑中央︑左︵たとえば保守・中道・革新︶とい三つの異 なる政策ポジションをもつものとし︑それぞれの名称をR︑M︑Lとしておこう︒
第四に︑有権者は二 0
歳およびそれ以上という年齢資格をみた人々であって︑公民権停止などによる資格喪失者は
関法
図 l モデルの基本構造
政 党 支 持 者 集 団 の ダ イ ナ ミ ク ス ・ 再 論 に影響を及ぼす社会的要因などの構成する環境である︒ も変動するわけである︒
このようにして︑
持 者
集 団
と ︑
モデルを構成する基本要素は︑三つの政党支
増減にかかわる二つの要因のことも考慮しなければならないとい
図において︑ Y は新有権者の供給源︵ソース︶︑ RG は R 政党
集 団
︑
L 政党支持者集団への移動を意味する︒また
R M
, R
L ,
F R
党支持者集団 LG などへのアウトプット
︵ 流
出 ︶
を 意
味 す
る ︒
ほかならない︒矢印は移動の方向を示す︒この政党支持者集団シ
ステム全体をとりまいているのはインプット・アウトプット関係
︵ 五
0 九 ︶
これらは相手となっている集団からみればインプット︵流入︶に などは R 政党支持者集団 RG からM政党支持者集団
M
G L 政 ︑
Y M
, Y
L などは︑新有権者の R 政党支持者集団︑ M 政党支持者 FG は政党非支持者集団︑ D は死亡シンクである︒また︑
Y R ,
支 持 者 集 団 ︑
M
G LG は M 政党支持者集団︑ は L 政党支持者集団︑ 図1は︑このモデルの基本構造を図示したものである︒ うことになる︒ ︱つの政党非支持者集団であるが︑集団規模の自然
( 4 )
集団のウエイトを測ることにも意味がある︒ なお︑政党非支持者集団の有権者全体に対するウエイトも問題になるので︑
W
F 1
1 F
¥ u
も定義しておこう︒これを加
で あ
る ︒
W R
, W M , W L
は ︑
いわゆる絶対支持率に相当するものである︒
有権者全体から政党非支持者集団
F G のメンバーを除外して︑政党支持者集団のメンバーだけでの各政党支持者
.
.
.く く く :
t""'~ ~I I
I I I I
t""'~ ~
, ヽ , . . . . . ̲ ' ‑ ヽ
^ ^
C c C I I I
~ " I j
. . . . . , , ‑ ' . : : 1
V R , V M , V L
は︑いわゆる相対支持率の一種である︒これらにしても︑政党勢力の指標として役立つ︒
( 3 )
苔 +
WM +
W L
+ W
F
1 1 1
え て
︑
( 2 )
W R ¥ U
;
W M
= M ¥ u
ぃ
W L
= L ¥ u .
第四八巻第三・四合併号
︵ 五 一
0 )
さて︑ある時点での各政党支持者集団の規模の変数を︑ R ︑ M ︑ L によって表現し︑また︑政党非支持者集団につ
有権者総数を U
と す
る と
︑ それぞれの時点での各政党の支持者数
R ︑ M ︑ L は︑すでにそれだけで政党勢力の尺度になりうる︒
しかし︑有権者全体におけるそれぞれの集団のウエイト
W R , W M , W L
を尺度としてもよいであろう︒
( 1 )
u 1 1 R + M + L +
F .
いても F で現わすことにする︒ 関法
四
R 政党支持者集団に入ってくる量の合計
I N R
は ︑
プット
五
選挙の場合は︑棄権者がでるため︑有権者を投票者と棄権者に分けなければならない︒政党非支持者は︑かならず 棄権するとは限らないし︑政党支持者がかならず投票するとは限らない︒しかし︑いまはその区別の問題に立ち入ら 選挙で各政党が獲得した得票が議会の議席にどのように結びつくかを規定するのが選挙制度である︒比例代表制の
場合は︑得票率を基準として比較的公平に議席が配分されるが︑小選挙区制の場合は︑得票率と議席配分率のあいだ
一般的には︑得票率の大きな政党には︑得票率の小さな政党より多くの議席が配分されることになってい て︑議会においてもより大きな勢力をもつことが保障されることになっているのでなければならない︒したがって︑
政党政治では︑政党支持者集団の規模の大小が政党にとって決定的に重要なのである︒
サ プ シ ス テ ム 間 の イ ン プ ッ ト
・ ア ウ ト プ ッ ト 関 係
まず︑支持者が︑ある時点 j では特定の政党支持者集団に属していたが︑次の時点 K では別の集団を支持している
それぞれの政党支持者集団ないし政党非支持者集団から他の政党支持者集団ないし政党非支持者集団へのアウト
︵流出︶と流入︵インプット︶を︑図 1 に書いておいたように︑
R M
, R
L ,
R F
,
M R ,
M L
, M
F ,
L R
, L
M ,
̀ L F
F R
, F
M ,
L F とすると︑各政党支持者集団の流入と流出は︑次のように表現できる︒
政 党
支 持
者 集
団 の
ダ イ
ナ ミ
ク ス
・ 再
論
という社会的移動の場合について考えてみよう︒
第二節
し か
し ︑
にかなり大きな懸隔が生じる︒ な
い ︒
︵ 五
︱ ‑
︶
( 6
)
‑ "
. r $ぞ
I I
II
J : " ' I I : ; o
+ ‑ . . . 0 . . + ごヰ . . .
トー゜
t:j
O
t:j t'"'t:j :;Cl~ ~ ~ ・ ‑
I<"に属する支持者の数は︑次のよう計算される︒ したがって︑時点 K における各政党支持者集団︵以下では便宜的に政党非支持者集団を含めてこの言葉を使用する︶
( 5 )
I
フn W
1 1
R M +
L M +
F M
; MOUT
1 1 M R +
ML
+ M
F .
I N
L =
R L
+
マ n
+ F
L ;
O L
U T
= L
R
+ LM
+ L F
.
I N
F 1 1
R F
+
MF
+ L
F ;
F O
U T
1 1
F R
+
FM
+ F L
.
そこで︑流入と流出の差をつくると︑差引勘定で︑ RG 等に残った人数が計算できる︒
ー ‑ ‑
. . . . . . . .
► ー' ►ーi0 0 0 0 t : , t : , t : , t : , ' " r 1 r
叫I I
I I S ; :
~. . . . . . . . I I I I
z z . . . . . . . .
1‑rj
t : " " z
I I 旦力
' " r 1 t : " " I 占
0 0 S ; : O
c
: : : c : : : 0 c : : :
ョ . . . , c . . . , : : : . . . ,
同 様
に ︑
RG から流出する人数の合計
R O U T
は
R O U T
= R M
+ R
L
+ R F .
Iプ
U I I
ア
f f i
+ L
R
+ F R
.
関法第四八巻第一――•四合併号 六
︵ 五
︱ 二
︶
例して各集団に配分されると仮定することもできよう︒ この点の精密な実証的調査が求められている︒
( 7 )
U k
11
U
J
十Y I K
│
Djk•
数
Y j k
だけ大きくなるはずである︒
こ の
式 で
︑
R や M に付いている
・ J
と か
K と
jk
などの添字は︑時点ないし期間を現わすものである︒かりに単位時間
を年として、
•J時点が一九九八年一月一日であるとすれば、
Kはそれから一年経った一九九九年一月一日であって、
時点 K における有権者の総数は︑時点
・J
における有権者総数
U i
よ り
︑
し か
し ︑
jk
期間に死亡者があるので︑その数
D j k
を引かなければならない︒すなわち︑
七
新有権者が︑それぞれどのようにして︑どのような政党を支持選択するかは︑いわゆる政治的社会化と関連するき
わめて重要な問題である︒政党支持を決めかねて政党支持なしに落ち着く若い人がふえているのが最近の傾向である︒
政治的社会化のエイジェントの力関係が比較的安定していると考えられる場合には︑各集団の絶対的ウエイトに比
各政党支持者集団の規模は支持者たちの死亡によっても変化する︒死亡率は年齢層によって異なる︒また平均年齢
のより若い政党とより高齢な政党とがある︒死亡率や死亡者数は︑医学の進歩︑衛生の普及その他の社会的条件の変
化で変わるであろう︒長期的には死亡率を固定して考えるのは適当でないであろう︒死亡率変化の動向についての実
政 党
支 持
者 集
団 の
ダ イ
ナ ミ
ク ス
・ 再
論
次に自然的増減について考える︒
jk
は一年間の経過を示している︒
lF k
= F
i 十
I O D F
j k ・
︵ 五
二 二
︶
jk
時間に︑新たに有権者になった人々の
M k
11M
i
+ I
O D
M j
k +
Y M
j k
│
M D
j k
L k
= L
j +
I O
D L
i k
+
Y L
j k
│
L D
j k
: [ 旦
゜ い い い い 口
/ し て と く に 大 き な 意 味 を も つ の は 右 辺 第 二 項 の 集 団 間 移 動 に よ る 社 会 的
増減である︒そこで︑以下では︑議論を社会的増減の問題に限定することにする︒
政党支持者集団のあいだの連関をはっきりさせるために︑集団間の人々の出入りを︱つの表にまとめてみることに
(2 )
しよう︒表1がそれである︒以下では︑この表を政党支持者集団連関表と呼ぶことにする︒
この表は︑さきの図1の主要部分を︑表の形に書き換えたものだといえ︑各政党支持者集団︑政党非支持者集団の
あいだの移動関係を明示している︒ただし︑
普通の選挙統計では︑こうした社会移動は表面には現われない︒表の計欄にある
R i
, M
i ,
L i
̀ U j ,
R k ,
M k
, L
k , U
k の
( 8 )
あ る
︒
関法 第四八巻第三•四合併号
証的データにもとづいて︑
使って中間時点または予測時点における死亡率を計算することになるであろう︒二 0 歳人口の推定についても同様で
k 期末の各集団の規模は︑社会的増減と自然的増減とを合計して︑次の式のようになる︒
R k
= R
i +
I O
D R
i k
+
Y R
j k
│
R D
j k
第三節
モデルに死亡率の変化を取込む必要がある︒このためには︑いわゆる内挿法や外挿法を 政党支持者集団連関表と集団間移動係数
ソースおよびシンクとの移動関係は省略されている︒
八
︵ 五
一 四
︶
表 1 政党支持者集団連関表と移動係数 政
党 支 持 者 集 団 の ダ イ ナ ミ ク ス
・ 再 論
二 RG RG M G 集 団 LG FG 計
RRjk MR;k LRjk F R ; k Rk ( r 1 ) (m 1 ) ( I , ) ( £ , )
集 M G RM;k MMjk LMjk FMjk Mk ( r 砂 ( m 2 ) ( l 2 ) £ ( 砂
LG RLjk ML;k L L ; k F L ; k Lk
団 ( r 3 ) ( m 3 ) ( I a ) ( f 3 )
FG R F j k MF;k L F j k F F j k Fk ( r . ) ( m 4 ) ( I . ) ( f . )
計 R ; Mi L ; F ; u ; ‑ ‑ ‑ 赳
注:括弧内は移動係数。
移動関係を読むことに相当するであろう︒
一 九
この表で︑タテの列は集団ないしソースからの流出︵アウトプット︶
を 意
味 し
︑ ョコの行は集団ないしシンクヘの流入︵インプット︶を示す︒
.J
時点での各政党支持者集団の規模︵レベル︶が一番下の行に記入され
た と
え ば
︑
R 政党支持者集団 RG
に つ
い て
言 う
と ︑
RG
か ら
jk
期 に
出ていったのは
R M
j k
, R L
j k ,
R F j k
, ︑
RG
から出ていかずにとどまったの
は
R R
j k
︒これらを加算した合計が︑
RG
の
・J
時点での人数
R i で
あ る
︒ しかし︑出ていった人たちだけではなく︑入ってきた人々もいるわけで ある︒これが︑
M R
j k
, L R
j k ,
F R j k
, K 期 である︒これらを合計したのが
の集団規模
R k
である︒このようにして︑
RG
の規模は
R i か
ら
R k
に
変化するが︑ある時点での政党支持者集団の規模は︑六種類の移動を集 計したものなのである︒
選挙運動の実際では︑.
J
期の得票数から K 期の得票数を推定するため
の﹁票読み﹂がおこなわれている︒それは︑この連関表における複雑な しかし︑この連関表は︑いまのところ︑票読みをするうえでの枠組と
︵ 五
一 五
︶
て い
る ︒
一番右の列には
K 時点のレベルが記入される︒
値があたえられるだけである︒
( 9 )
産出物一単位当たりに必要な各投入物の数量を技術的投入係数または投入係数と呼び︑その一定性を仮定する︒
政党システムにおける政党支持者集団の相互依存関係も︑産業連関表とよく似た構造をもっており︑各集団からの
﹁投入・産出﹂関係を規定する関数関係が重要である︒この関数は︑産業連関の場合と異なり︑人口移動にかかわる
も の
と な
る ︒
そこで︑産業連関分析の投入係数にある程度対応する︑次のような係数を想定する︒すなわち︑
jk
期に︑たとえ
ば ︑ RG
から流出する
R M
j k
, R L
j k ,
R F
j k
の︑時点 J における
RG
のレベル
R i に対する比率を考える︒もちろん︑
jk
期に流出せず
RG
に滞留したままの人々もいるが︑その頭数も
R i に一定の比率を乗じたものだと考えるわけである︒
そ こ
で ︑
1
f f i ; ,
11
, ,
•
F ;
; F M ; ,
11
f ,
・ F ; ;
F L ; ,
11
f ,
・ F ; ;
F F ; ,
11
f ,
・ F ;
R R
j k
11
r1•
R i ;
R M
i k
= r
2 ・
R i
; R
L i
k =
r 3
・ R
i ;
R F
i k
11
r 4
・ R
i
M R
i k
= m
1 ・
M i
; M
M i
k =
m 2
・ M
i ;
M L
i k
= m
3 ・
M i
;
MFik=m4•
M i
L R
i k
1
1
1 1
• L i
; L
M i
k =
l 2
. L
i ;
L L
i k
3•Li;
11一L F i k
1
1
! 4
・ L
i
産業連関分析の場合︑各部門のインプット しては役立っても︑各欄の数値を埋めてくれるわけではない︒ 関
表 は
︑
経済学者 w
.レオンチェフは最初にアメリカの産業連関表を作成したことで有名であるが︑この政党支持者集団連
(3 )
レオンチェフの産業連関表に似ている︒ 関法第四八巻第三•四合併号
︵ 投
入 ︶
とアウトプット ︵産出︶とのあいだに一定の関数関係を考え︑ 四 0
( 五
一 六
︶
(10) { r1 +r 叶 r 叶 r4=l; m 汁 m 叶 m 叶 m
戸1
11 +l2+l3+l4=l; f1 +f 叶 f 叶 {4=l e 小^姪匡晦以将二臼閉紺ゃ兵心 r1, r2, r
ふr4, ... , f1, f2, {3, {4 如料化) J 菜ふ如 'RG, .. , FG Q
jk芸0•回室総
蚕晦姦,
,JhS~ 蕊吋S桓珊以総iii!~姦心芸和
J心旦 1"'l‑0 ゜
心J
l'0 や, jk 芸室 e 総盆以弓
('¥J'..,::芸〇芯縁回Q..:."<~竺-~;臣〇:.'<全全ふ¾0弓ゃ諷総~1"'l-0゜(11) 1~,:: 豆ロニ:~:~ ごここ i:: :~::~~,.)I
Lk=Lj+ I (RLjk+MLjk+FL い一 (LR 戸 LM 戸 L 恥)}
F k = Fj + l (RF Jk + MFjk + LFjk) ‑ (FRjk + FMjk + FLjk) l
)J
辛如総盆逃姦如学匹枷如盤屈ぷ
凡 =R 汁 l(m1・M 凸 ・Li+f1・Fi)‑ (r2・Ri+r3・R 凸 ・R 川
Mk=Mi+ l(r2・Ri+l2・Li+f2・Fj)‑(m1・Mi+m3・Mi+m4・M 川
(lZ) 1 L, ~L,+ I(,, ・R 沖 m, ・M パ・ F,)‑(1, ・L,+1, ・L,+I, ・L 川
Fk=Fi+ ! (r4・Ri+m4・Mi+l4・Lj) ‑ (f1・Fi+f2・Fi+f3・Fi) I
⇒全心以'~
刈、対迎'
r2・R け r3・R 汁互 =Ri・(r2+r3+r4)
1‑ (r2+r2+r4) =r1;
乃十r2+r4=l‑r1
溢叙似淀拙緑回 Q ぶ
"t‑+‑ "'ヽ K・ 虻纏 回 I (}tj I ギ)
る ︒
(15) (14)
が成り立つ︒
(13)関法
A・B
11
C .
( R i
M i
L i
である︒ゆえに︑
‑
‘ヽ~" ! . 1
‑
;'/2(1::J‑ ‑ ‑ ‑ ‑
I D 4
f f i 3 m 2 m 1
一
企一"'
トー一"
'
占ご ぶ ぶ ご
‑ I I ‑
‑ ‑ ‑ 、 ‑
~t" ‑ ; . ぞ
‑
‑ ‑ ‑ ‑
上記の式は行列方程式で書ける︒すなわち︑
第四八巻第三•四合併号
R k
= R
j
十 一( m
1 ・
M i
+ 1
1 ・
L i
+
f1•
F j ) l
‑
( 1
│
r 1 )
•
R 1
11
r
1 ・
R i
1•
f1• + m1·Mi Li
十十一
F i
.
‑
; J " J f'$ ぞ
I I
. . I I
.
. . . . 6 i I . . . I I . . . I
"
'
~. . .
J o J o J o J o
+ +
日 日 + +
心 。 日 日
N> ~
. . . .
茎 茎 ヱ 茎
+ +
r ‑ ‑ + +
゜ " '
' ~ '.. .
r r J ← r
+ +
...., ... ← ≫
+ +
. . . .
" ' . . . . , . . . . ,
"
'
~. . .
̲ 7 1 ̲ 7 1 -~ ざ
1このようにして︑
この行列方程式の第一行列を
A
︑ 第
二 行
列 ︑
︵ 五 一 八
︶
k
期の各集団のレベルは、
•J
期のレベルと移動係数の単純な積和で求めることができることにな
つまり移動係数行列を B とし︑式の右辺の行列を C
と す
れ ば
︑
四
たとえば選挙の場合︑前回選挙の開票結果と今回選挙の開票結果は分かっているわけである︒こうした選挙データ から移動係数行列を決定できるであろうか︒これは数学的にいえば︑さきの行列方程式において︑行列
A と行列 C が
あたえられているという条件のもとで︑行列 B を求めることができるかという問題である︒しかし︑
あり︑既知なのは八つの変数の値だけだから︑このままでは解を得ることはできない︒
移動係数行列を本格的に作成するためには︑政党支持変更の実態についての調査研究を積み重ね︑調査データを
(4 )
私は大阪市で実施した調査の移動係数を計算して発表したことがある︒データが古くて恐縮であるが︑この種の研
究はまだ他にないように思うので︑参考のために紹介しておこう︒
(5 )
調査データから移動係数を計算する方法について説明しようとすると非常に長くなるので︑ここではその説明を省
政党支持者集団のダイナミクス・再論 使って係数の推定をする必要がある︒
ーと 書
け る
︒
第四節 (2)
山川雄巳「政党支持者集団連関表と集団間移動係数」、『関西大学法学論集』、第三二巻第三•四·五合併号、
ーニ月︑四四ニー四五八ページ︒
( 3
)
W . W . L e
o n t i
e f ,
T h e S
t r u c
t u r e
o f
m A
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E c o n
o m
y ,
1
91 9 , 19 39 :
A n
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苓i r i c
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A n a l
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,
2 n
d e d . ,
O x
f o
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U n i
v e r s
i t y
P r e s
s ,
19
51
.
山田勇・塚本秀太郎訳﹃アメリカ経済の構造│ー←産業連関分析の理論と実際ー﹄︑
東洋経済新報社︑一九五九年︒
移 動 係 数
・ 制 御 戦 略
・ 政 党 評 価
移動係数の推定問題
四
︵ 五
一 九
︶
︱二の未知数が
一 九
八 二
年
行なわれているのかもしれないのである︒ 第四八巻第三•四合併号
︵ 五 ︱
1 0 )
まず︑計 b 欄は調査時点一九八二年三月現在の各集団の規模を示している︒その左の﹁二 0 ーニ四歳年齢層﹂欄は︑
この一九七七ー八二年の期間に新有権者となった人々の期末における政党支持パターンを示している︒
計 a 欄は︑この期間の新有権者たちを除いた︑つまり七七年にすでに有権者であった人々の期末における政党支持
パターンを示している︒その下辺の計欄は︑七七年初めにおける政党支持パターンを示すものである︒
この旧有権者の移動行列を見ると︑左上から右下にかけての対角線のうえにあるセルの数値が大きいのに気づく︒
これは政党支持が変わらなかった人々の比率を示す数値である︒これら
r l ,
m 2 ,
13 ,
£4
に相当するもので︑大抵の場
合は一より小さい︒しかし︑この調査では︑﹁支持政党なし﹂の場合をふくめて
O ・
七 五 以 上 で あ る ︒
政党別に見ると︑自民党支持者は五%程度が移動︑社会党支持者は八%程度︑民社支持者は六%程度︑公明支持者
は二%程度︑共産支持者は一 0 %程度が移動している︑新自由クラプの移動率は二五%で︑﹁支持政党なし﹂の一
八%程度より大きく︑のちの解党が︑このデータからも示唆されている︒
政党支持の変更経験と時期とのクロスで興味深いのは︑支持の変更者が多い年を少ない年とがあり︑周期性が認め
られることである︒データで変更者が多く出ているのは国政選挙︑とくに衆議院総選挙のある年である︒
これはかなり重要な意味をもっている︒というのは︑政党支持の変更は︑それぞれの個人にとって︑選挙に直面し
たとき改めて確認を迫られ︑決断するのではないかということである︒それゆえ︑案外に政党支持の変更は日常的に
たとえば︑新聞報道で R 政党の腐敗を知ったとき︑普段 R を支持しており︑現に先回の総選挙では R に票をいれた 略せざるをえないが︑表の見方について述べておこう︒ 関法
四 四
表 2 政党支持者集団連関表と移動係数表(大阪市, 1977‑82 年) ~
政党支持者集団20‑ 計
a翡し 計 b 自民 社会 民社 公明 共産 新自ク 社民連 その他 なし DK,NR
自民334 4 1 1 3 ゜ ゜ ゜ 3 1 347 18 365 (0.949) (0. 053) (0.020) (0.017) (0.048) (0.054) (0.015) (47 .3) (44.0) (47 .2)
社会5 69 ゜ ゜ 2 1 ゜ ゜ 2 ゜ 79 3 82 (0.0014) (0. 920) (0. 032) (0.250) (0.036) (10.8) (7.3) (10.6)
民社6 ゜ 48 ゜ 1 ゜ ゜ ゜ ゜ 1 56 2 58 政 (0.017) (0.941) (0. 016) (0.015) (7 .6) (4.9) (7 .5)
,,,,. 兄
公明 1 ゜ ゜ 59 ゜ ゜ ゜ ゜ 1 ゜ 81 3 64 (0.003) (0.983) (0. 018) (11.1) (7.3) (8.3)
支
共産4 1 1 ゜ 56 ゜ ゜ ゜ 4 ゜ 66 3 69
持 (0. 011) (0. 013) (0.020) (0. 904) (0.071) (9.0) (7.3) (8.9) 新自ク 2 1 1 ゜ ゜ 3 ゜ ゜ ゜ ゜ 17 ゜ 7 者 (0.006) (0. 013) (0. 020) (0. 750) (2.3) (0.9) 集 社民連 ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ 2 ゜ ゜ ゜ 2 ゜ 2 (1.000) (0.3) (0.3) 団 その他 ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ 4 ゜ ゜ 4 1 5 (1.000) (0.5) (2.4) (0.6)
支党持な政 し ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ 46 ゜ 46 5 51 (0.821) (6.3) (12.2) (6.6) DK,NR ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ ゜ 65 65 4 71 (0. 970) (8.9) (14.6) (9.2)
計% (N) 352 75 51 60 62 4 2 4 56 67 733 41 774 (48.0) (10.2) (7 .0) (8.2) (8.5) (0.5) (0.3) (0.5) (7 .6) (9.1) (100.0) (100.0) (100. 0)
出所:山川雄巳「大阪市における政党支持者集団の動態」『関西大学法学論集」第
33
巻第2
号,1983
年7
月,1 ‑76
ページ,65
ページ。濫叙枢詑神報回eぶ~-\-,-11r-l:\K•
淀縄 回ば (f.R
II I)
の変更とは有意な関連がなかったのである︒ の主観を重視する立場からみた連関表なのである︒ 第四八巻第三•四合併号
のに︑いまこの瞬間では︑
︵ 五
二 二
︶ Rでなく別の政党を支持したいと考える︒しかし︑しばらくして別の選挙がやってくると︑
﹁ も
う
R は支持しないと思ったのだがが︑ R にやはりもいいところがある︒この際︑前のように R に投票することに
しておこう﹂と考える︑といった具合ではないか︑ということである︒
政党支持をめぐる人々の心のこうした動揺は︑政党支持の強さのデータによっても裏付けられている︒われわれの 調査では︑支持の強さを︑強い︑中間︑弱いの三つのカテゴリーに分けたが︑強い支持者は︑公明党以外の政党につ
(6 )
いては二 0 %程度が普通である︒
こうしたことからすると︑政党支持の変動については︑これを短期的変動と中長期的変動とに分けて考えるべきで
あろう︒表 2
は︑その本来の性質からして︑中長期的変動を示すものなのである︒さらにそれは︑いわば政党支持者 政党支持の流動性は︑短期的には︑多分︑この移動係数表が示しているよりは大きいし︑とくに最近では︑政党支
持変更の時間的インターバルも短くなっていると考えたほうがよいであろう︒
ところで︑私の調査データによると︑支持変更経験の有無と有意な関連のあるデモグラフィック要因は︑年齢︑所 得︑居住歴︑団体加入である︒性別︑職業︑学歴︑隣人交際量などは有意な関連が認められなかった︒
かつて︑自民党の石田博英議員が︑﹁保守党のビジョン﹂(‑九六三年︶
めば︑農民が減り︑労働組合員が増えて︑自民党の勢力は衰退し︑逆に社会党の勢力は大きくなって︑六
0 年代末に
は保革逆転が起こる︑という予測をしたことがあるが︑全く当たらなかった︒われわれの調査でも︑職業は政党支持
関法
という論文において︑工業化と都市化が進
四 六
支持者集団のレベルの変動は政党にとって重大関心事であるため︑各政党は︑集団内のインプット・アウトプット
関係に注目し︑それぞれ自党に有利なように集団間移動を操作しようとする︒本項ではこの問題について考えよう︒
政党支持者集団間の社会的移動に対する各政党の基本戦略は︑みずからの支持者集団からの流出については︑これ
を極小化するような防御策を考え︑他方︑自党支持者集団への流入については︑これを極大化するような他党への攻
政党支持者集団のダイナミクス・再論 2 集団間移動に対する政党の制御戦略
四 七
‑ I
七 六
﹁政党支持変更経験あり﹂の比率が比較的高かったのは次のような人々であった︒年齢的には三五ー四四歳年齢層︑
所得階層の中間層︑居住歴三年未満の人︑公団・公社アパート居住者︑なんらかの団体に加入している人々︒これか
らすると︑支持を変更しやすいのは︑社会変動に敏感で︑住所変更の機会が大きい人々という漠然としたイメージが
湧いてくるだけで︑それ以上のことはいえそうにない︒ただし︑私のデータとはかかわりなく︑政党支持の変更を説
(7 )
明する要因の探求が続けられてよいことはいうまでもない︒
一 九
八 三
年 七
月 ︑
( 4
) 山川雄巳﹁大阪市における政党支持者集団の動態﹂﹃関西大学法学論集﹄第三三巻第二号︑
ペ ー
ジ ︒
(5) 同右.六―—六四ページを参照
( 6
) 同 右 ニ ・ ニ ー 一 五 ペ ー ジ を 参 照
︒
( 7
)
た と え ば 次 を 参 照 ︒ 平 野 浩 ﹁ 社 会 経 済 的 要 因 か ら み た 投 票 行 動 ﹂ ︑ 白 鳥 令 絹 ﹃ 選 挙 と 投 票 行 動 の 理 論 ﹄ ︑ 東 海 大 学 出 版 会 ︑ 一九九七年︑八︱│
1 0
八ページ︒より大規模な試みとして︑小林良彰﹃現代日本の政治過程
1
日本型民主主義の計量分
析ー﹄︑東京大学出版会︑一九九七年︒
五 ︵
二 三
︶
図2 政党支持者集団間のフィードバックと遅れ
関 法
第四八巻第三•四合併号
こうした活動は︑各集団への流入・流出の比率︑
︵ 五
二 四
︶
つまりさきに述べた移
政党支持者集団
RG と
M G の関係を例にとろう︒集団
RG から集団
M G
へ
R
M ︑集団
M
G RG MR から集団 に対して というアウトプット
︵時間添字は省略する︶︒政党 R か ら す れ ば ︑ RG
から出て行く R
M はできるだけ小さくし︑
MR
についてはできるだけ大きくしたい︒
逆に政党
M は ︑
R
M をできるだけ大きくし︑
M
R についてはできるだけ
ここで︑政党 R の
R
M 制御戦略を
R R
M ,
M R
制御戦略を RMR ︑政党
M の
R
M 制御戦略を
MRM
︑ MR
制御戦略を
MMR
と書くことにする︒
また︑戦略の効果は︑さきの
r 1, r 2, m1
, m2
などと同じように比率で測定
されるものとする︒
図 2 は︑これらの関係を示すものである︒図において︑ RRM の作用は
集団 RG から集団
M G
への移動を減少させる方向に働く︒しかし︑同時
に
MRM がこれに対抗して︑移動を逆に大きくするように作用するわけ
である︒換言すれば︑政党 R は︑集団 RG から集団
M G
への移動量
R M
小さくしたいのである︒ がある 動係数の諸関係を変化させることになる︒ 撃策を実施することになるであろう︒
四 八
政 党 支 持 者 集 団 の ダ イ ナ ミ ク ス ・ 再 論
第 一
︱ 一
政 の
党
L も
R
M に対してかならずしも無関心ではないであろうが︑自党に直接かかわる問題でないので︑
(17)R M
11
r
2 ・
R
¥︵
‑ l
r 2
・ (
M R
M
│R R
M )
)
r 2
・ R
‑ r
z ・
R R
M ・
R M
+
r 2
・ M
R M
・ R
M )
11
R
M
~R、11
MRM・RM
し か
し ︑
R
M M には政党
の 対
R
M 戦略も作用する︒その作用は R の大きさを
D . R
だけ小さくするであろう︒
R M
11
r
2 ・
R
¥(1+
r 2
・ R
R M
)
r 2
・ R
ー
r 2
・ R
R M
・ R
M =
R M
r 2
・ (
R ‑
b . R )
1
1
R M
そ れ
ゆ え
︑
(16)
~R
=RRM・RM
す れ
ば ︑
四 九
に対してネガティブ・フィードバック要素として働き︑逆に政党 M は遅れの要素として働くのである︒
いま︑こうした政党の制御戦略が︑線形的な性質をもっているとして︑これらの制御関係を比較的単純な方程式に
集団 RG から集団
M G
への移動量
R
M RRM と は︑互いに逆の方向の
MRM
の作用がなければ︑
である︒しかし︑まず政党 R
の 対
R
M 戦略によって︑
R
M の量は
r 2
・ R
より小さくなる︒いま R の減少分を
AR
と
R M
11
r
2 ・
R
よって定式化することにしよう︒
︵ 五
二 五
︶
(18)
関法
F L j k
11£3•F\(1+£3·(RFL
+
MFL
—
LFL))
F M
j k
1 1
f 2
・ F
/ ( 1 +
f 2
・ (
R F
M +
LFM │
M F
M )
)
F R
j k
1 1
f 1
・ F
i ¥
( l
+ £
1 ・
( M
F R
+ L
F R
‑ R
F R
) )
L F
j k
= l
4 ・
L j
¥︵1 +
・ 14
L L
F )
L M
i k
= l
2 ・
L /
(1 12·(MLM LLM))
—ーL R
j k
1 1 1
1 ・ L i
¥︵
1 │
・ li
( R
L R
│ L
L R
) )
M F
i k
= r
n 4
・ M
i
¥︵1 +
r n
4 ・
M M
F )
M L
i k
= m
s ・
M i
¥︵
1 1
3 m
・ (
L M
L │
M M
L )
)
M R
i k
= m
1 ・
M i
¥ (
1 ‑
m 1
・ (
R M
R ‑
M M
R )
)
R F
i k
= r
4 ・
R i
¥︵
1 +
・ r4
R R
F )
R L
j k
1 1 r3•
R i
¥︵
1 │
・ r3
( L
R L
‑ R
R L
) )
R M
i k
= r
2 ・
R i
¥ (
1 │
2 r
・ (
M R
M │
R R
M )
)
M R
= m
1 ・
M l
( l
‑ m
1 ・
( R
M R
│ M
M R
) )
第四八巻第三•四合併号
LRM戦略をとらないことにしておいてもよいであろう︒他の場合についても︑直接関係のない場合は戦略を無視で
きるものとする︒
集団
M
G RG から集団 への移動についても︑同様の考察によって︑
を得る︒このようにして︑移動の方程式群は次のようになる︒
五 0
( 五
二 六
︶
あ る
︒
政党評価の影響
五
政党非支持者集団 FG は︑各政党支持者集団の場合と異なり︑移動に対して︑この集団を防衛する独自な制御工
イジェントをもたないために︑この集団に関係する方程式は︑他の集団の場合と異なる形式となる︒
ある時点での移動係数を所与として︑有権者の政党に対する評価が移動係数にどのように影響するかを考えてみよ
政党支持の変更は住所変更や離婚の場合とは異なり︑外からみてそれと分かるような場合は少なくて︑基本的には
主観的な世界の出来事である︒
これまでの支持政党への信頼や愛情を失って別の政党に期待するようになったり︑愛着を失っていなくても因縁や
義理で別の政党を支持しなければならなくなったりするわけだが︑支持態度を変更させる原因には︑基本的には二つ
︱つは政党自身の実績︑いわば素行である︒もう︱つは有権者自身の社会的立場の変化である︒
調査データを読むと︑多くの場合︑人々は︑政党の行動に愛想を尽かして支持を変更している︒この変更が生ずる
ことについては新聞その他のマスメディアによる政党および政治に関する報道が非常に大きな影響力をもっている︒
政党の行動についての報道が︑有権者の評価を誘うのである︒何も知らないままであれば︑政党支持は変更しなかっ
たかもしれないような人でも︑日常的に政党の行動が報道され︑職場で︑お茶の会で︑あらゆる機会に政治のことを
噂するようになっているため︑政治についての情報から全くまぬがれて生活することはできないのが現代社会なので あ
る ︒
〇ニ ︐
3
政 党
支 持
者 集
団 の
ダ イ
ナ ミ
ク ス
・ 再
論
︵ 五
二 七
︶
① R 政党の評価が上がる︒② R 政党の評価が下がる︒③ M 政党の評価が上がる︒④ M 政党の評価が下がる︒⑥L政
の で
あ ろ
う か
︒
的な世界を書き分け記述しつくすことなど不可能であるが︑ 第四八巻第三•四合併号
︵ 五
二 八
︶
しかし︑たとえば政党の素行のことで︑腐敗の事実など︑意外なことを知って衝撃を受けても︑支持者の多くは︑
すぐ完全な愛想づかしをするものではない︒これまでの支持の蓄積としての潜在的支持または忠誠心が作用して︑そ
の政党からすぐ離れるようになるのを防ぐのである︒しかし︑そうした衝撃を何度も受けると︑忠誠心が破壊され︑
やがてぶらぶらの状態になってしまう︒もしそのとき別のまだマシな政党があるとすれば︑それに心は惹きつけられ
(8 )
ることになる︒こうした経過が政党支持変更のあらましだと考えられるが︑個々の有権者の心理的な変化は︑それこ
そ千差万別であって︑またその動揺の姿は非常に微妙であろう︒そして有権者の数は大量である︒有権者たちの主観
一般的には有権者はどのようにして政党を評価している
その手続は︑基本的にはマスメディア報道の内容分析であるといえよう︒つまり︑有権者たちは厳密な手続をとる
暇も時間もないため︑ごく大ざっぱにであるかもしれないが︑たとえば新聞を読むとき︑政党に関する一っ︱つの記
事を内容分析し︑それそれの出来事から特定の政党を採点し︑採点データを頭の中に用意されたひきだしに記録して
ゆく︒そして選挙などの時点で当期における各政党の成績をまとめる計算をして決算とするのである︒
こうした内容分析にもとづく個々の有権者の政党評価に︑国政選挙と並んで︱つの決算期を提供しているのが︑新
聞社などによる世論調査である︒世論調査における政党支持データは有権者個々の政党評価を集約したものとして︑
(9 )
また客観性のあるものとして使ってよいと思われる︒
ところで︑政党の評価が変わるという場合︑次のようなケースがあるであろう︒
関法
五
r r m 2
に切り換わると考える︒ ( G ) ( F ) ⑮ L 政党の評価が上がり︑他は下がる︵左傾︶ ⑪ M 政党の評価が上がり︑他は下がる︵中道化︶
( C ) ( B )
R 政党の評価が上がり︑他は下がる︵右傾︶ 政党全体の評価が上がる
囚政党全体の評価が下がる︵脱政党化︶ 党の評価が上がる︒⑥ L 政党の評価が下がる︒および︑のこれらの組み合わせ︒
評価にかかわる出来事のうち重要なのは︑次の場合である︒
R 政党と M 政党の評価が上がり︑ L 政党の評価が下がる
L 政党と M 政党の評価が上がり︑ R 政党の評価が下がる︵穏やかな左傾︶
問題は政党評価の影響の仕方であるが︑ここでは次のように想定する︒
五
ある時点での政党支持率はその時点での政党評価の結果を示すものであるが︑この時点の政党評価は次期の移動係 数に影響を及ぼすと仮定する︒そして︑それぞれの政党の移動制御戦略の効果値が︑政党評価の影響を受けて変化す
ると考える︒たとえば R 政党の政党支持者集団 RG から政党支持者集団
M G
への移動に対する制御効果値
rr ml
は ︑
もし政党 R の評価が下がったとき︑ R による移動制御戦略が利きにくくなり︑制御効果値は
rr ml
より下がって︑た
とえばゼロになってしまう︒逆に︑ R
に対する世論の評価が上がったときには︑制御効果値は日
より大きな値の n l
こうした政党評価の政党支持システムヘの影響は︑この評価機構の性質から一定のラグをおいて現われることにな 政党支持者集団のダイナミクス・再論
︵ 穏
や か
な 右
傾 ︶
︵ 五
二 九
︶
みることができるからである︒
第五節
コ ン ピ ュ ー タ
・ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン
・ モ デ ル
第四八巻第三•四合併号
︵ 五
三 〇
︶
る︒政党評価の評点については︑評価が高いときプラスー︑評価が下がったときマイナスー︑上がりも下がりもしな
次節で︑このような評価機構を組み込んだモデルを構成してみよう︒ただし︑評価がどのように変化したかは︑そ
の都度︑研究者が手動でモデルに設定してやることになるであろう︒
(8)このような支持変更の閾値モデルについては︑山川雄巳﹁政党支持者集団のダイナミック・モデル﹂︑﹃関西大学法学論
集』第一_二巻第ニ・―――•四合併号、一九八一年―二月、三一二五ー――一七一ページ、を参照。
(9)政党評価の問題については︑三宅一郎・西沢由盛﹁日本の投票行動モデルにおける政党評価要因﹂︑﹃選挙研究﹄第七号︑
一九九二年︑六︳ニー七九ページ︑を参照︒ただし︑私のモデルは︑三宅・西沢両氏の扱っているリチャードソン・モデルと は 関 係 な い ︒
では︑これまでの議論にもとづいて︑
R G
, M
G ,
L G
, FG
の大きさの変化を示す方程式をまとめて書き直してみよ
う︒ただし︑ここでもコンピュータ言語としての
B A
S I
C を用いてプログラムの形に書く︒そうしたほうが︑プログ
ラムを走らせることによって論理検証することができるし︑また︑ いろいろなコンピュータ・シミュレーションを試
計算結果をグラフィック表示できるようにすると分かりやすくなるのだが︑そのためのプログラムを入れると︑複
雑化して︑読者にとって分かりにくくなるおそれがあるため︑ここでは割愛する︒以下のプログラムでは︑計算結果
の数値だけがディスプレイに出力されるが︑それだけでも十分役に立つであろう︒ い通常時には 0 をあたえるものとしてもよいであろう︒
関 法
五 四
終将'リリ旦翠-~I-@゜トロ知!'-~
迂堆怜縄囲剥恰伍囚如
[D]起旦,.̲) \J~I-@.;..!
忍姦~~神昇吋'6~-U~Qリ4竺等窒 ,.̲)¥J
玲かJA)旦俎憐枷~.;__!~゜
トロ~It'-~tr'心JI'{\刃>JI'{\以,~ ~ ぶrl(')
Q,< ("¥悶と冷玲心茶,
>J菜竺醤匿Q.;..!~旦r-<~-t-.!lt:や'芦撼 Q 冊<
lt:U 廷巨送終二゜
lO'A SIMULATION MODEL OF PARTY SUPPORTER GROUP DYNAMICS K. Y. 1998
100' 基本的変数を示す。政党支持者集団の規模と時間 (DT)
llO READ R, M, L, F, DT
120 DATA r, m, I, f, dt
130' 移動係数を示す
140 READ Rl, R2, R3, R4
150 READ Ml, M2, M3, M4
160 READ Ll, L2, L3, L4
170 READ Fl, F2, F3, F4
180 DATA rl, r2, r3, r4
190 DAT A ml, m2, m3, m4
200 DAT A 11, 12, 13, 14
210 DAT A fl, f2, f3, f4
220' 計算対象期間 (tz) を指示する
230 FOR T=O TO tz
240' 有権者総数の定義
250 R+M+L+F=U
溢叙似詑拙縣回 Q
ぶ's‑+."' ヽ K・ 虻縄 ば洪 (ば Ill I)
窒坦蝶回<~嫁