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1 民主党への高い支持 ~ 政党支持の諸相 (1) 膨らむ民主支持 支持政党について, この調査では ふだん の支持政党, いま の支持政党, 政党支持強 度の 3 種類の質問をしている ふだん と いま の支持政党は, 支持して いる政党名をひとつ選んでもらった結果だが, 政党支持強度は各政党の支

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32  MAY 2010 題が再燃するなど,国会では政治よりも政治資 金の問題を追及され,政策論議に集中できない 状況となっていた。 これらの状況と呼応するように,NHKの政 治意識月例調査では,内閣支持率や,民主党 支持率は選挙直後を最高とし,毎月の調査ごと に低下している。 この調査は,政権交代から3カ月が経過した 時点のものではあるが,政権交代の背景ととも に,どのような人びとがどのような意識から民 主党を支持しているのかを分析し,高い民主党 支持の背景をまとめておきたい。そこで,4月号 では,政権交代の背景にある有権者の投票行 動や生活意識を分析した。この5月号では,ま ず有権者の政党支持の状況を確認し,ついで 政党支持の背景となる政治意識をみていく。そ して,政党不信や政治への不満などの政治意 識と支持政党の変化との関係をみることで,民 主党支持の意識構造を分析する。 なお,配付回収法で政治意識調査をはじめ て実施したため,今回は過去の調査との比較 は行っていない1)。単純集計結果は,4月号に 掲載している。

 

はじめに

2009 年夏,私たちは選挙結果による政権交 代という歴史的な経験をした。その3カ月後に 調査(表1)を実施し,政権交代の背景にある 有権者の投票行動や生活意識および,政党感, 政治意識などを探ることとした。 鳩山内閣は,スタート早々,国連での「CO2 の25%削減」演説,脱ダム宣言と従来にはない 政策を打ち出し,この調査の実施時期には,財 源確保のための「事業仕分け」の様子がテレビ 中継された。しかし,十分な額の捻出ができず, 不況による税収減の中の厳しい予算編成となっ た。また,普天間基地の移設問題についても移 設先の確保は思うように進展していない。調査 日以降,小沢幹事長や鳩山総理の政治資金問

 政権交代後の有権者の意識

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  ~「政治と社会に関する意識・2009」調査から~

世論調査部(社会調査)

河野 啓 

調 査 時 期: 2009 年 11 月 28 日(土)~ 12 月 6 日(日) 調 査 方 法: 配付回収法 調 査 対 象: 全国 20 歳以上の国民 3,600 人 (12 人× 300 地点) 住民基本台帳から層化無作為2段抽出 調査有効数(率): 2,658 人 (73.8%) 表 1 調査の概要

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れているといえよう。しかし, この2党を上回るのが,「支 持なし(特に支持する政党は ない)」34.0%である。「ふだ ん」の支持政党でみると,有 権者は「支持なし」,民主党 支持,自民党支持の3グルー プに分割されているといえる。 「いま」の支持政党 ~最も多いのは,民主党 一方,「いま」の支持政党 でみると,最も多いのは,民主党支持で40.6% と自民党18.8%でその差は22%と引き離してい る。他の政党では,最も高くて公明党4.4%と いった状況である。また,「支持なし」は30.4% で,自民党支持よりは多いが,民主党支持より は少ない。衆院選 3カ月後の時点では,民主党 の支持率は圧倒的な高さとなっている。 「ふだん」と「いま」の支持率の差をみると, 民主党は,「ふだん」より「いま」が 12%ほど多 く,その分,自民党が7%,「支持なし」が 4% ほど少なくなっている。この「ふだん」と「いま」 の支持率の差からみるように,民主党への支持 はかなり膨らんでいるのがわかる。 自民,支持なしからも民主へ そこで,民主党の「いま」の支持が膨らんで いるのは,どこから来ているのかをみたのが, 図 2 である。個人の中での支持政党の動きをみ ると,「ふだん」民主党を支持している人では, 「いま」も民主党支持が 95%とほぼ固定してい るのがわかる。しかし,「ふだん支持なし」の人 では,「いま」も「支持なし」は75%で,自民党 支持に変わったのは2%とわずかであるが,民

民主党への高い支持

~政党支持の諸相

(1) 膨らむ民主支持

支持政党について,この調査では「ふだん」 の支持政党,「いま」の支持政党,政党支持強 度の3 種類の質問をしている。 「ふだん」と「いま」の支持政党は,支持して いる政党名をひとつ選んでもらった結果だが, 政党支持強度は各政党の支持の程度を聞いた 結果である。それらを組み合わせながらみるこ とで,政党支持の特徴をみる。 ふだんの支持政党 ~最も多いのは「支持なし」 図 1 は,「ふだん,あなたは何党を支持して いますか」とたずねた「ふだん」の支持政党と 「それでは,いま,あなたは何党を支持してい ますか」とたずねた「いま」の支持政党の結果 を並べて表示してある。図でみると,「ふだん」 と「いま」で結果が大きく異なるのがわかる。 「ふだん」の支持政党でみると,最も多いの は,民主党 28.9%と自民党 26.1%でその差は 3%程度である。他の政党を大きく引き離して いて,有権者の政党支持はこの2 政党で占めら 図 1 支持政党「ふだん」と「いま」(全体) 28.9 34.0 30.4 40.6 26.1 18.8 4.7 4.4 2.1 1.9 1.7 1.1 0.2 0.2 1.3 1.6 0.00.0 0.10.00.2 0.3 26.1 4.7 2.1 1.7 0.2 1.3 0.0 0.1 0.2 34.0 40.6 18.8 4.4 1.9 1.1 0.2 1.6 0.0 0.0 0.3 30.4 0 10 20 30 40 50 (%) いま ふだん 支持なし その他の 政治団体 新党日本 改革クラブ みんなの党 国民新党 社民党 共産党 公明党 自民党 民主党 いま ふだん

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34  MAY 2010 主党支持へは21%と多い。また,「ふだん」自 民党を支持している人では,「いま」も自民党支 持が 68%で,民主党へ17%,「支持なし」へは 13%となっていて,支持離れがみてとれる。 「いま」の民主党支持の高さは,「ふだん」の 民主党支持者の固定度が高いことに加え,「支 持なし」からの支持を得ただけでなく,自民党 支持者が民主党支持へと変化していることも大 きいといえる。 支持政党がない理由 ~無関心は少数,政党に起因 「いま」の支持政党で,「支持なし」の人に支 持政党がない理由をたずねたところ(図3),「特 定の政党を支持しても,政治が変わりそうもな いから」が最も多く35%,ついで,「信頼できる 政党がないから」25%となっており,政党を理 由とする人が多数を占める。一方,「政治には 関心がないから」8%,「政治のことはむずかし いから」9%と,自己の無関心や困難さをあげ る人は少ない。 「ふだん」自民党支持から「支持なし」となっ た人では,「特定の政党を支持しても,政治が 変わりそうもないから」37%,「信頼できる政党 がないから」32%が多い。政党への期待感や 信頼感の喪失によるといえよう。

(2)政党支持強度と複数の政党への支持

民主党へは過半数が支持感  個々の政党への支持の強さはどうなっている のであろうか。10 政党について,それぞれ個 別に支持の程度(政党支持強度)をたずねた (図 4)。横棒グラフの左側が「強く支持する」と 「一応支持する」を合わせた支持感を持つ人で, 右側が不支持感を持つ人になる。支持感の多 い順に政党を並べている。 図3 支持政党がない理由(支持なしの人) 該当者 =808 人 図4 政党支持強度(全体) わからない、無回答 その他 特定の政党を支持しても、政治が変わりそうもないから 自分の気持ちに合った政党がないから 政党の特徴がはっきりしないから 信頼できる政党がないから 政治のことはむずかしいから 政治には関心がないから わからない,無回答 その他 特定の政党を支持しても,政治が変わりそうもないから 特定の政党を 支持しても, 政治が変わり そうもないから 自分の気持ちに合った政党がないから 自分の気持ちに合った 政党がないから 政党の特徴がはっきりしないから 信頼できる 政党がないから 政治のことは むずかしいから 政治には関心がないから 8% 8 9 25 8 35 52 絶対に支持しない あまり支持しない わからない,無回答 どちらともいえない 一応支持する 強く支持する 0 20 40 60 80 100 絶対に支持しない あまり支持しない わからない、無回答 どちらともいえない 一応支持する 強く支持する 改革クラブ 新党日本 国民新党 社民党 共産党 みんなの党 公明党 自民党 民主党 13 6 1 1 2 26 11% 45 34 24 11 25 5 31 26 30 3 8 2 2 42 28 18 8 2 2 33 22 42 2 2 31 26 31 8 1 2 37 29 23 9 2 41 31 21 5 2 41 31 22 4 図 2 「いま」の支持政党(「ふだん」の支持政党別) 21% 55 1 2 17 57 36 支持なし 自民党 民主党 ふだん 支持なし ふだん 自民党 ふだん 民主党 自民党 支持なし 民主党 95% 3 17 68 21 75 13

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民主党を「強く支持する」「一応支持する」を 合わせた支持感は55%となり,過半数の人が 支持感を抱いている。一方,自民党は30%で 民主党との差は大きい。ただ,民主党でも,「強 く支持する」は少なく,支持のほとんどは,「一 応支持する」という弱い支持となっている。 政党の不支持感をみると,民主党は「あまり 支持しない」と「絶対に支持しない」を合わせ て18%で,支持感に比べ不支持感は少ない。 自民党では不支持感は35%で,支持感よりもや や多い。民主党,自民党,みんなの党以外の 政党では,不支持感は過半数となり,支持感よ り不支持感の方が圧倒的に多くなっている。 「弱い政党支持感」が 6 割近く 次に見方を変えて,個々の政党単位でなく, 10政党に対する政党支持強度の回答の組み合 わせから,支持感を持つ政党は1党だけか,複 数あるのか,支持の強弱も合わせてみておこう。 「1党に強い支持がある」「複数政党に強い支持 がある」「1党に弱い支持がある」「複数政党に弱 い支持がある」「どの政党にも支持感がない」と いう「政党支持強度パタン」を作成してみると, 「強い支持1党」19%,「強い支持複数党」2%,「弱 い支持1党」34%,「弱い支持複数党」24%,「支 持感なし」21%となり,「弱い支持1党」が 3人に 1人と最も多い(図5)。また「弱い支持1党」と「弱 い支持複数党」を合わせれば,6 割近くとなり, 政党への支持感は弱いものであるのがわかる。 「強い支持1党」と「弱い支持1党」を合わ せた一つの政党だけに特に支持感を持つ人は 53%と過半数である。それに対し,「強い支持 複数党」と「弱い支持複数党」を合わせた複数 の政党に同じ程度支持感を持っている人は26% となっている。このように,複数政党へ支持感 を抱いている人が 4人に1人となっている。そし て,どの政党にも支持感がない人は21%で,「い ま」の「支持なし」30%より少なく,支持政党が ない人でも,支持感を持っている政党があるこ とがわかる。複数政党支持,あるいは,「支持 なし」でも政党へ支持感がある人は,支持政党 が変化をしている人が多いのではないだろうか。 支持政党の変化と政党への支持強度 そこで,「ふだん」と「いま」で支持政党の変 化によって政党支持強度パタンに違いがあるの かをみてみよう。 まず,「ふだん」と「いま」の支持政党の変化 についてみておくと,「ふだん」も「いま」も同じ 政党を支持している「政党一致」は53%,「支 持なしで変わらず」は26%で,8 割が「ふだん」 と「いま」の支持政党の回答が一致している。 変化したのは20%で,このうち「別の政党」に 変わったのは7%,「支持なしから政党」が 8%, 「政党から支持なし」が5%である。 支持政党の変化ごとに政党支持強度パタン をみると(図6),まず,支持政党が一致してい る「政党一致」は,「弱い支持1党」と「強い支 持1党」を合わせた「1党支持」が 71%と多数 である。「別の政党」で最も多いのは,「弱い支 持複数党」で,半数近い。「支持なしから政党」 は,「弱い支持1党」が最も多く,半数近い。「政 党から支持なし」は「支持感なし」が 40%,次 いで「弱い支持1党」となる。「支持なしで変わ らず」は「支持感なし」が過半数となる。「強い 図5 政党支持強度パタン(全体) 32 支持感なし 弱い支持複数党 弱い支持1党 強い支持複数党 強い支持1党 弱い支持1党 強い支持1党 強い支持複数党 弱い支持複数党 支持感なし 19% 2 34 24 21

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36  MAY 2010 支持政党1党」が最も多いのは「政党一致」だ が,31%に留まっている。支持の固さが「強い 1党支持」にあるとすれば,「政党一致」が一番 固いものの,「弱い支持」の方が多いといえよう。 「別の政党」は「弱い支持複数党」が最も多く, 「いま」支持されている政党以外に支持感のあ る政党が他にもあることから,今後も支持政党 が流動する可能性が高い。

(3)政党への期待

人びとは政党に何を期待しているのであろう か。政党について,期待することをいくつでも 選んでもらったところ,「弱い者の立場に立って くれる」が 52%で最も多く,ついで「長期的な 視野に立った政策がある」48%,「自分たちの 意見を代弁してくれる」43%となる。「期待する ことはない」は11%と少なく,政党に何らかを 期待している有権者は多い(図7)。 いまの支持政党別にみると,民主党支持者 では「弱い者の立場に立ってくれる」「長期的な 視野に立った政策がある」「改革に意欲がある」 が多く,自民党支持者では,「地元の発展に貢 献してくれる」が多い。 また,支持政党がない人でも,上位 3 項目は 全体と同じくらいの人がそれらをあげている。 支持する政党がない人でも政党に何も期待する ことがないわけではない。

(4)政党評価~国民の立場かどうか

民主党と自民党についての個別評価 大きく支持を伸ばした民主党と逆に支持を減 らした自民党ではあるが,ほかの政党とは支持 率に大きな開きがある。ここでは,民主党,自 民党それぞれについて,どのような面が評価さ れているのかみておきたい。 民主党と自民党について10の評価項目をあ げ,その中から当てはまるものをいくつでも選ん でもらった。民主党は,自民党に比べ,多く選 ばれる項目が多い。民主党で最も多かったのは, 「国民の立場に立った政策」の42%,ついで,「既 得権益にとらわれない政治判断」の24%,「人 材が豊かである」18%となっている(図 8)。 自民党で最も多かったのは,「外国と信頼関 係を築いていける」であるが 17%と少ない。自 図6 政党支持強度パタン (「ふだん」と「いま」の支持政党変化別) 図7 政党への期待 (複数回答,全体,「いま」の支持政党別) 19% 2 34 24 21 31 2 39 22 5 17 6 24 47 5 10 48 33 8 0 3 34 22 40 1 1 24 17 58 0 全体 (2,658 人) 政党一致 (1,415) 別の政党 (188) 支持なしから政党 (218) 政党から支持なし (126) 支持なしで変わらず (680) 強い支持1党     強い支持複数党     弱い支持1党 弱い支持複数党    支持感なし 19% 2 34 24 21 31 2 39 22 5 17 6 24 47 5 10 48 33 8 0 3 34 22 40 1 1 24 17 58 0 全体 (2,658 人) 政党一致 (1,415) 別の政党 (188) 支持なしから政党 (218) 政党から支持なし (126) 支持なしで変わらず (680) 強い支持1党     強い支持複数党     弱い支持1党 弱い支持複数党    支持感なし 0 10 20 30 40 50 60 (%) 52 48 43 40 33 20 56 53 46 4043 4644 54 27 19 49 45 39 33 23 21 41 21 弱い者の立場に立ってくれる   長期的な視野に立った政策がある 自分たちの意見を代弁してくれる   地元の発展に貢献してくれる 改革に意欲がある   自分たちの利益を守ってくれる 全体 民主党支持者 自民党支持者 支持なし

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民党については,「この中にあてはまるものはな い」が 60%と多数である。 政党への期待として多くの人があげていた 「長期的な視野に立った政策がある」について は,民主党13%,自民党 9%と少ない。 「政権を安心して任せられる」は民主党 3%, 自民党 5%で,ともにわずかである。 「国民の立場に立った政策」「既得権益にとら われない政治判断」は民主党と自民党の差が 大きく,ここに,民主党政権への期待があらわ れているのであろう。 なお,「いま」民主党を支持している人,「い ま」自民党を支持している人について,それぞ れの支持政党の評価をみると,1,2位の項目 は,民主党支持者では,「国民の立場に立った 政策」68%,「既得権益にとらわれない政治判断」 38%,自民党支持者では,「外国と信頼関係を 築いていける」39%,「危機に適切に対応できる」 19%となっている。上位にあがっている項目の数 値は増えるものの全体と順位は変わらない。

 政治や政党への不信

有権者の政治や政党への不信が以前から指 摘されてきたが,ここで,政党支持に関わる政 治や政党に対する意識全般についてみておく。

(1) 政治・政党へのマイナス評価

政治に民意が反映されていない 国の政治に民意が反映されているかどうかに ついては,『反映されていない(あまり+まった く)』が 79%と多数である(図9)。 また,政治への『不満(「どちらかといえば」 も含む)』は83%,いまの政治が『変わってほし い(大きく+ある程度)』94%となっていて,政 治に批判的な人が多数である。 社会組織の中で低い信頼度の官庁・政党・国会 また,様々な社会組織で,『信頼している』 (「どちらかといえば信頼している」を含む)人 が最も多いのは,「裁判所」72%で,ついで 「警察」「新聞社」「地元の役場や役所」となる (図 10)。逆に,『信頼していない』(「どちらか といえば信頼していない」を含む)人が最も多 いのは,「中央官庁」で 71%,ついで「政党」 69%,「国会」65%,「政府」64%となる。こ 図8 政党個別評価(複数回答,全体) 図 9 民意反映(全体) 32 5.わからない、無回答 まったく反映されていない あまり反映されていない ある程度反映されている じゅうぶん反映されている あまり反映されていない じゅうぶん反映されている ある程度反映されている まったく反映されていない 20% 66 1 13 0 10 20 30 40 50 60 民主党について 民主党について 42 5 24 2 18 16 13 9 9 5 9 4 5 17 4 2 3 5 3 8 34 60 自民党について 民主党について (%)

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38  MAY 2010 のように,中央官庁をはじめ国の政治を司る 組織に対する信頼感が低い。社会組織に対す る信頼感は裁判所を別にして,若い人ほど低 くなっている(図 11)。その中でも,男女とも 20 代,30 代では信頼感が最も低いのは政党 となっている。

(2)政党や国会は民意の反映でも低い評価

また,民意反映の役割として,「○○があ るから国民の声が政治に反映される」という考 えにどう思うかたずねた。『そう思う』(「どちら かといえばそう思う」を含む)人は「選挙」は 65%,「テレビ,新聞」は64%と多数だが,「国 会」は37%,「政党」は38%と少ない(図12)。 民意反映の役割に『そう思う』と肯定的な人 は,男女年層別にみると(図 13),どの年層 でも全体と同じように,「政党」「国会」が「選 挙」「テレビ,新聞」に引き離されている。ま た,年齢が高くなるほど,肯定的な人は4 項目 とも一様に多い。「選挙」「テレビ,新聞」は民 図 11 組織に対する信頼感『信頼している』(男女別,男女年層別) 図 10 組織に対する信頼感(全体) 図 12 民意反映の役割(全体) 13% 59 2 20 6 11 1 22 8 58 8 1 25 8 58 8 1 28 7 57 6 1 36 12 46 2 1 49 15 33 3 1 50 15 32 3 1 52 18 27 2 26 2 50 21 信頼している  どちらかといえば信頼している  わからない,無回答 どちらかといえば信頼していない   信頼していない 裁判所 警察 新聞社 地元の役場や役所 テレビ局 政府 国会 政党 中央官庁 選挙 テレビ,新聞 政党 国会 21% 44 26 9 1 17 47 26 10 1 6 32 43 18 1 7 30 45 17 1 そう思う  どちらかといえばそう思う  どちらかといえばそうは思わない そうは思わない わからない,無回答 (%) 女性 70歳以上 女性 60代 女性 50代 女性 40代 女性 30代 女性 20代 男性 70歳以上 男性 60代 男性 50代 男性 40代 男性 30代 男性 20代 20 10 0 30 40 50 60 70 80 裁判所 警察 新聞社 地元の役場や役所 テレビ局 政府 国会 政党 中央官庁 女性

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意を表明する役割を担うが,「政党」「国会」は 民意を具体化する役割といえよう。民意を表明 する役割として,選挙が支持されているのは, 投票の力で政権交代を目の当たりにしたからで あろう。

(3)低い政治的有効性感覚

何か言っても政治は変わらない 有権者の政治に対する意識をみておきたい。 まず「国民が国の政治について何か言っても, 政治が変わるとは思わない」という考えに『そ う思う』(「どちらかといえばそう思う」を含む) は57%で,政治的有効性感覚が低い人が多数 となっている(図14)。また,「国民の生活や国 の将来を真剣に考えている政治家が少ない」に 『そう思う』は76%と政治家への見方も厳しい。 しかし,「政治は自分の生活に関係ない」に 『そう思う』は19%であり,「政治は政治家や専 門家にまかせておけばよい」に『そう思う』は 19%と少なく,「政治家に問題があるのは,選 んだ有権者にも責任がある」に『そう思う』75% と,自己の政治への態度として無関心,無責任 ではないのがわかる。 また,「自分ひとりぐらい投票しなくても,選 挙の結果に大きな影響はない」に『そう思う』 と選挙についての有効性感覚に否定的な人は 34%と少ない。 「いま」の支持政党別にみると,国の政治へ 図 13 民意反映の役割 肯定的(『そう思う』,男女別,男女年層別) 図 14 政治観(全体) (%) 女性 70歳以上 女性 60代 女性 50代 女性 40代 女性 30代 女性 20代 男性 70歳以上 男性 60代 男性 50代 男性 40代 男性 30代 男性 20代 選挙 テレビ,新聞 政党 国会 女性 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 21% 37 27 15 1 10 24 29 36 1 5 15 35 45 1 39 37 18 5 1 3 16 39 41 1 37 38 17 8 1 国民が国の政治について 何か言っても,政治が 変わるとは思わない 自分ひとりぐらい 投票しなくても,選挙の 結果に大きな影響はない 政治は自分の生活に 関係ない 国民の生活や国の 将来を真剣に考えている 政治家が少ない 政治は政治家や専門家に まかせておけばよい 政治家に問題が あるのは,選んだ 有権者にも責任がある そう思う    どちらかといえばそう思う どちらかといえばそうは思わない    そうは思わない わからない,無回答

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40  MAY 2010 の有効性感覚に否定的な人は,自民党支持者, 「支持なし」で多い(図15)。国の政治への有 効性感覚が否定的な人が自民党支持者,「支 持なし」より民主党支持者で少ないのは衆院選 で政権を選択したという実感を持つ人が多いか らであろう。

 政治不信の中での民主党支持

「いま」の民主党の支持率は「ふだん」自民党 を支持している人,あるいは「支持なし」が「いま」 は民主党を支持していることで,膨れていること を示した。このような支持政党の動きの背景には どのような政治や政党についての意識があるのだ ろうか。政治や政党への不信が大きい中で,民 主党はなぜ広い支持を得たのかを考えていく。

(1)民主党支持の背景

まず,表2には,支持政党パタンごとにみた 政治意識を掲載した。支持政党パタンは,「ふ だん」と「いま」の政党支持の質問から,「ふだ ん」も「いま」も民主党支持の「民主固定」,「ふ だん」は自民党支持だが「いま」は民主党支持 に動いた「自→民」,「ふだん」は支持政党なし だが民主党支持に動いた「なし→民」,「ふだん」 も「いま」も自民党支持の「自民固定」,「ふだ ん」は自民党から支持政党なしに動いた「自→ なし」,「ふだん」も「いま」も支持政党なしの「支 持なし固定」,それ以外の「その他」に区分し た。ここでは,「民主固定」「自→民」「なし→民」 の意識から,民主党支持者の特徴として,次 の点を指摘できる。 「身近なところから世の中をよく」が多い 社会とのかかわりかた(市民意識)につい てみると,「自→民」「なし→民」は全体と比べ 「私生活市民(身近なところから世の中をよくす る)」が多く「民主固定」よりも多い。このよう に,「ふだん」の自民党支持者や支持なしから 変化した民主党支持者は,公共性意識を持つ 人が多い。 政治への関心が高い  また,「国の政治」へ「非常に関心がある」 が「民主固定」「自→民」で多い。政治問題 への関心では,個別の問題についても「非常 に関心がある」が「民主固定」「自→民」で全 体より多い傾向がある。「なし→民」は全体 とはあまり違いがないが,「支持なし固定」と 比べると,関心が高い。 民意反映の役割を肯定 「選挙」「国会」「政党」「テレビ,新聞」いず れについても民意反映の役割を肯定する人は, 「民主固定」「自→民」で多い。いずれも特に「自 →民」で多い。 政権交代を評価 政権交代を「強く意識」して投票,政権交 代でこれまでの自民党政治と比べ「良くなった」 は,「民主固定」「自→民」「なし→民」いずれも 全体より多い。これら以外の層とはまったく異 なる結果となっている。「民主固定」「なし→民」 で特に多い。 図 15 政治への有効性感覚(全体,「いま」の支持政党別) 57 42 50 49 63 36 69 31 (%) 0 20 40 60 80 支持なし 自民党 民主党 全体 そうは思わない そう思う 「国民が国の政治について何か言っても,政治が変わるとは思わない」

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マニフェスト,政党個別評価,内閣の信頼 民主党のマニフェストについては,『評価す る』は,「民主固定」「自→民」「なし→民」いず れも9 割程度と多数である。それに対し,「自 民固定」は『評価しない』が 7 割と多い。マニ フェスト実現の可能性については,『実現でき る』は「民主固定」で 7 割,「自→民」「なし→ 民」で 6 割近くと多数である。一方,「自民固 定」「支持なし固定」「自→なし」は『実現でき ない』が 7 割強と多数となり,民主支持かどう かで見通しはまったく逆となっている。 民主党の政党個別評価についてみると,「国 民の立場に立った政策」「既得権益にとらわれ ない」は,民主党支持者かどうかで,大きな差 がある。 内閣についての信頼度は,民主党支持者で 表2 政治意識(全体,支持政党パタン別) 分母=縦 全体 民主 支持政党パタン 固定 自→民 なし→民 自民固定 支持なし固定 自→なし その他 * 2,658 730 119 190 470 680 91 378 人 市民意識 公共市民 6 4 8 3 7 3 5 13 % 私生活市民 36 38 45 44 33 30 40 38 協調私民 45 48 40 42 50 46 43 35 私民 5 4 1 4 4 7 4 5 どれともいえない 8 5 7 7 6 14 8 8 政治への関心-国の政治 非常に関心がある 36 42 46 40 35 24 23 47 政治問題への関心-地球温暖化の防止 非常に関心がある 29 35 35 27 25 21 31 36 政治問題への関心-少子化対策 非常に関心がある 23 26 30 24 21 17 19 27 政治問題への関心-高齢者福祉の充実 非常に関心がある 44 52 57 41 45 33 38 48 政治問題への関心-憲法の改正問題 非常に関心がある 15 17 10 14 17 5 11 23 政治問題への関心-食品の安全性の確保 非常に関心がある 43 45 53 40 44 38 44 46 政治問題への関心-雇用の安定 非常に関心がある 41 45 42 43 33 38 34 47 政治問題への関心-外交・防衛問題 非常に関心がある 19 21 21 14 23 21 11 28 民意は反映されているか・まとめ 反映されている 21 34 23 22 20 10 15 16 反映されていない 79 66 77 78 80 90 85 83 政治への満足感・まとめ 満足している  17 27 17 15 14 10 9 14 不満だ 83 72 82 85 85 89 90 86 政治の変化期待 大きく変わってほしい 32 33 24 38 26 33 25 39 ある程度変わってほしい 62 58 72 61 67 63 70 56 民意反映の役割-選挙・まとめ そう思う 64 75 74 71 67 50 58 63 民意反映の役割-国会・まとめ そう思う 37 45 50 34 44 22 30 38 民意反映の役割-政党・まとめ そう思う 38 47 53 32 44 22 30 43 民意反映の役割-テレビ,新聞・まとめ そう思う 64 70 77 65 67 56 69 57 政権交代意識 強く意識した 35 53 45 53 23 19 19 33 政権交代の評価・まとめ 良くなった 33 61 45 58 8 17 11 30 変わらない 54 36 52 42 61 71 75 52 悪くなった 12 2 3 1 30 11 14 16 民主党のマニフェスト評価・まとめ 評価する 62 90 85 86 30 51 42 53 評価しない 37 9 14 14 70 48 58 46 マニフェスト実現の可能性・まとめ 実現できる 43 70 57 56 23 28 26 36 実現できない 57 30 43 44 76 72 74 63 政党個別評価(民主党)(MA) 国民の立場に立った政策 42 69 64 66 21 26 24 34 既得権益にとらわれない 24 39 40 34 12 16 14 19 内閣への信頼度・まとめ 信頼している 51 85 76 76 19 37 19 40 信頼していない 48 15 24 24 80 63 81 59 政治情報への接触頻度(テレビ) よく利用する 63 69 75 65 63 56 64 60 政治情報への接触頻度(新聞) よく利用する 46 51 60 51 47 37 44 48 政治情報への接触頻度(インターネット) よく利用する 14 12 16 15 13 16 18 13 政治話題の頻度 よくある 15 18 14 13 17 8 9 21 政治関連番組を見る理由(MA) 社会で何が問題 65 71 73 77 68 49 65 66 どの政策がよいのか 44 53 61 46 50 26 42 47 世間で何が話題 51 54 52 53 57 43 49 49 組織への信頼-政党 ・まとめ  信頼している 30 44 34 27 31 14 24 30 信頼していない 69 55 66 72 67 86 75 68 * 民主,自民以外で「支持政党固定」215 人,「自から民」以外に政党が変わった 69 人,「自からなし」以外で「なし」へ 37 人,その他 57 人 ■全体より多い ■全体より少ない 有意差検定(信頼度 95%)

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42  MAY 2010 『信頼している』が多数,民主党以外では『信 頼していない』が多数となる。 「テレビ」「新聞」を利用 政治について「よく利用する」メディアは,全 体でテレビが 63%,新聞が 46%と多い。「民主 固定」も全体よりも多いが,特に「自→民」で 多い。また,政治情報番組を見る理由につい ては,全体で多いのは「社会で何が問題になっ ているかわかるから」65%,「どの政策がよい のか判断するのに役立つから」44%,「世間で 話題になっていることがわかるから」51%であ る。「社会で何が問題か…」と議題設定機能を あげる人が 3人に2人という結果となった。特 に,「なし→民」は77%と多い。「政策判断」を あげる人は,「民主固定」で53%,「自→民」で 61%,「自民固定」で50%で全体より多い。 民主党支持者の意識 民主党支持者とそうでない人びとではっきり 分かれるのは,当然ともいえるが,政権交代の 評価,民主党のマニフェスト評価,鳩山内閣へ の信頼度,政党個別評価での「国民の立場に 立つ」である。また,マニフェストの実現の可 能性,政党個別評価での「既成権益にとらわ れない」は,民主党支持者の方が多くなってい る。このように,民主党の支持の高さには,政 治の内容が期待されているといえよう。 「自→民」「なし→民」と民主党に変わった人 で共通しているのは,「私生活市民」すなわち, 自分の生活に引き寄せて公共意識を持っている 人が多いことである。身近なところから世の中 をよくしたいと考える人にとって,「国民の立場 に立つ」を評価し,支持政党を変えるポイント ともなっているのではないだろうか。 また,注目したいのは,全体でもテレビ,新 聞を政治情報源として利用している人が多いこ とである。とりわけ「自→民」に利用している 人が多く,政治情報番組を見る理由について, 「なし→民」には議題設定機能,「自→民」には 政策判断に役立つとする人が多いことも注目さ れる。今回の選挙では,政権交代がキーワー ドとして,テレビ,新聞では取り上げられてい た。民主党支持へ向かわせるインパクトとなっ たのであろう。 一方,民主党支持者であっても,「民意は政 治に反映されていない」「政治へは不満」「政治 が変わってほしい」「政党を信頼していない」が 多数である。政治の現状に不満があるからこ そ,変化を期待して,民主党の政治を注目して いるといえよう。

(2) 政党信頼の要因

政権交代は実現したが,政党への信頼感が 伴ってこそ,日本の民主政治が進歩したと評価 できるのではないだろうか。ここで,政党への 信頼感と民主党政治評価との関係を確認する ため,政党についての見方が信頼と不信に分 かれるのはどのような意識の違いによるのかを みておく。 政党への評価と関わると想定される意識や 基本属性が関わる程度を数量的にみるため, 政党『信頼』・『不信』を外的基準変数として, 数量化Ⅱ類3)で計算した(図16)。図には,偏 相関係数の大きい上位 7 項目と,カテゴリース コアを表示した。質問ごとの『信頼』・『不信』 に対する影響の大きさは偏相関係数でみるこ とができ,偏相関係数の最も高いのが,民意 反映の役割(政党)で,次いで,鳩山内閣へ の信頼,政党支持強度パタン,民意が反映さ れているか,学歴,政治への満足感,政治観・ 国民本位の政治家は少数の順となっている。

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回答ごとには,政党への『信頼』に対する寄 与度(カテゴリースコアでみることができる)の 高いものからみると,「政党があるから国民の 声が政治に反映される」と『思う』,政治に『満 足している』,政治に民意が『反映されている』, 政党支持強度パタンで「強い支持1党」の順と なる。 逆に『不信』側には「政党があるから国民の 声が政治に反映される」と「思わない」,学歴 「大学,大学院卒業」,鳩山内閣を「信頼して いない」,政党支持強度パタンで「支持感なし」 の順となっている。 つまり,新政権の政治が民意にそったもの かどうか,政治がどれだけ「自分自身」のもの と感じられるかが政党信頼につながっている。 また,政党支持強度パタンについては,最も 『信頼』に関わるのが「強い支持1党」で,逆 に『不信』に関わるのが「支持感なし」となっ ている。民主党への支持感は高いが,それが 政党信頼に結びついていないのは,民主党へ の支持感は「強く支持する」が少なく,「一応 支持する」が多数であるため,ダイレクトには 政党への信頼には結びつかないのであろう。

おわりに

民主党は「ふだんの支持率」では自民党をや や上回る程度だが,選挙 3カ月後の調査時点の 「いま」の支持率では自民党を大きく上回ってい た。また,その支持の強さは「一応支持」が多 いものの6 割近くに支持感が認められる。こう した民主党の支持率の高さは「国民の立場に立 つ」「既得権益にとらわれない」などの評価が貢 図 16 政党信頼・不信(数量化Ⅱ類) 民主主義的制度の機能(政党) 0.307 鳩山内閣への信頼 0.123 政党支持強度パタン 0.100 民意反映されているか 0.096 学歴 0.093 政治への満足感 0.090 政治からの影響感 0.082 男女年層 0.076 職業まとめ 0.064 将来に希望があるか 0.062 市民意識 0.045 政治話題頻度 0.035 マニフェスト評価 0.034 政権交代の評価 0.028 民主党評価(国民の立場) 0.027 地域 0.014 政治への影響感 0.007 民主党評価(長期的視野) 0.003 外的基準 信頼している 742 信頼していない 1,767 ● 偏相関係数 ● 外的基準 組織に対する信頼感(政党)まとめ 信頼している(「どちらかといえば」も含む) 737 信頼していない(「どちらかといえば」も含む) 1,749 有効ケース数 2,486 相関比 0.281 ● 偏相関係数 (上位7項目) 民意反映の役割(政党) 0.301 鳩山内閣への信頼まとめ 0.118 政党支持強度パタン 0.099 民意は反映されているかまとめ 0.097 学歴 0.096 政治への満足感まとめ 0.089 政治観まとめ・国民本位の政治家は少数 0.074 ● カテゴリースコア 有効ケース数 2,509 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 そう思う 信頼している 満足している 不満だ 強い支持1党 中学校 高等学校 高等専門学校・短期大 大学,大学院卒業 在学中 反映されている 反映されていない 強い支持複数党 そう思う そうは思わない 弱い支持1党 支持感なし 弱い支持複数党 信頼していない そうは思わない 民意反映の役割(政党) 鳩山内閣への信頼 政党支持強度パタン 政治への満足感 学歴 民意反映されているか 政治観・国民本位の政治家は少数 *4 *4 説明変数は,男女年層,職業,政治観など全部で 21項目。このうち,偏相関係数 の上位 7 項目について,カテゴリースコアと共に,掲載している。 また,21項目それぞれについて,「わからない,無回答」は計算から除外。

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44  MAY 2010 献している。 そして,「自→民」「なし→民」と支持政党が 民主党に変わった人の存在が「いま」の民主党 支持の高さとなっている。「自→民」「なし→民」 で共通しているのは,「私生活市民」すなわち, 自分の生活に引き寄せて世の中をよくするとい う公共意識を持っている人が多いことである。 政権交代を「強く意識して」投票,政権交代を 「良くなった」と評価し,民主党については「国 民の立場に立った政策」「既得権益にとらわれ ない」とする人が全体よりも多かった。社会を よくしたいという思いは,政権交代へ向けた投 票となり,選挙後 3カ月の時点では,民主党に ついて,既得権益にとらわれない政治判断や, 国民本位の政策があると評価している。 さらに,民主党を支持している人は,民主党 のマニフェストを評価し,実現の可能性につい ても肯定し,鳩山内閣について「信頼」してい る人が多数となっている。逆に民主党支持者 以外では反対の考えかたが多くなる。民主党 支持かどうかと「鳩山内閣信頼」は大きく関連 しているだけに,内閣への信頼が低下すれば, 民主党離れとなるであろう。また,政党への信 頼の要因として「民意反映の役割(政党)」とと もに,「鳩山内閣信頼」,「政党支持強度パタン」 が大きなウエイトを占めている。 社会をよくしたいという公共意識がある人び とからの支持は,日本の政党政治に活力をも たらすことになろう。別の見方をすれば,支持 政党が民主党に変わったのは民主党の政策や 政治姿勢を評価したためで,それらに失望す れば,民主党離れ,政党離れを起こすことに なろう。 かつて,細川内閣が高い期待とともに登場 したが,連立政権の破綻後に待っていたのは, 政治的有効性感覚の落ち込みと,政党離れで あった4)。低い状況にある政治への信頼がさら に低下しないかは,内閣が信頼を維持できる か,にかかっているといえよう。 (こうの けい) 注: 1)この調査項目を作成するにあたっては,面接法 で過去に実施した 1997 年,2002 年の「転換期 の政治意識」調査をベースとしているが,調査 有効率の低下を懸念し,今後への継続調査とい うことを重視して配付回収法で実施した。配付 回収法という自記式の調査と面接法という調査 員による他記式の調査では,調査結果に違いが あるという NHK の研究2)から,過去と同じ質 問のものでも,比較は行っていない。 2)世論調査部 調査方式比較プロジェクト 「 世論 調査における調査方式の比較研究~個人面接 法,配布回収法,郵送法の 2008 年実験調査か ら~ 」『放送文化研究所年報 2010』,日本放送 協会 3)数量化Ⅱ類 調査データの属性や回答の質的な 変数を基に,グループを最もよく識別(グルー プと変数の相関比を最大)するような線形判別 関数(回答の係数をカテゴリーウエイトと称す る)を求める方法である。グループに対する影 響の大きさは,質問ごとには,偏相関係数で, 回答ごとには,カテゴリーウエイトでみること ができる。 4) 調査結果は,NHK 放送文化研究所編『現代日 本人の意識構造 [ 第七版 ] 』(日本放送出版協会, 2010)を参照

参照

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