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「言語活動 」 を生かした算数科の授業改善

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(1)

岡山大学界数 ・数学教育学会誌

卜でピルスj19号 (2012)71頁〜 79貫

「 言語活動 」 を生か した算数科 の授業改善

杉 能 道 明 *

研 究の要約

平成24年度 の全国学力 ・学習状況調査の結果が発鼓 され た。 岡山も剛ま47都道府 県中,

算数Aが45位 ,算数Bが46位 であった。全旭学 力 ・学習状況調査 で腐 ることができる学 力は,学力の一部 であるとはいえ,岡山県の子 どもたちの学力の向上は喫緊の課題 であるO

平成20年1月17日にrljされた中央教育称議会答 申では

,r

教育内容に関す る毛な改善 事項」の萄頭 に r言 語活動の充実」が挙げ られた。 しか しなが ら,授菜の中に言語活動 を 取 り入れ るとい うかけ声だけでは学力の向上にはつなが らない。 思考す る活動 と表現す る 宿敵をつな ぐことで,数学的な思考ノブ・表現力 を帝成 し,学 力の向上 を図 ることができる と考 える。算数科の授業で

.r

言語活動」 を生か した授業改H,=の方策 を提案す るO

ke),‑words 言語情動の充実,pISA型読解 九 数学的な思考^ ・表現)‑J

1 岡山県の喫緊の喋溝 「学 力向上」

平成24年8月20日の朝 日新f甥で,平成24年 度 の全 国学力 ・学習状 況調査の結盟 が発表 され たO 剛 山掛ま 47都道府 的中,算数Aが45位 , 算数Bが46位 であった。 ほぼ最下位 である。

全 国学力 ・学習状況調査 で図 る ことができる 学力は,学 力の一部 であ る。 しか しなが ら,敬 値 で明確 に示 され た以上,岡山県の子 どもたち の学力の向上は喫緊の課題 である。

「問題の読み取 りでつ まず いてい るのでは

「宿 題 を工夫す るな ど,家庭 で しっか り勉強 で きる よ うな習慣 づ けが必要 」な どの コメン トも紙上 にあったが,学校 に求 め られてい るのは何 とい っても 日々の授業改善ではないだろ うか。まず, 授業改善の方向性 につ いて考 えてみたい。

2

「菖挿活動の充実」の方向性

平成 20年1月 17日に出 され た中央教育審議 会答 申では

,

「教育内容 に関す る主な改善叫項

の頒頭 に

,r

言語活動の充実」が挙げ られ,各教 科等をf1‑く重要な改番の視点 であることが示 き

*ノー トル ダム隅心女子大学

れた。

平成 23年 10月 には,文部科学省か ら 「言語 活動の充実に関す る指導事 例集 (/」、学校版】」が 発行 され,各教科等の指導事例 が示 され た。

なぜ 「言語活動 の充実j なのか ?この方 向性 が打 ち出 され ることにな った背見やね らいは ど こにあるのだろ うか ?

3

「富桔活動の充実」の背景 とね らい (1)「官幣活動の充実」の背景 (ら 「pISAシ ョック」で課題 が顕在化

「言語活動 の充実 」の方 向性 が打 ち出 され る 発端 となる出来野は,平成 16年 12月 の 「PLSA シ ョック」であると考 え られ る。PISA調 査結果 が発表 され,pISA2000では8位 であった読解力 が,pISA2003では 14位 と,OECD平均程度 ま で低 下 したのであ る順付 が低 下 した ことよ り も注 目す べ きは,かかれ たテ キス トの意味 を的 確 に よみ とった り, 自分 の考 えを もった り, 目 的や場 面 な どに応 じて適切 に表現 した りす るカ に殊題 が見 られ た ことと,記述式問題 に対す る 未記入 の多 さであ る。

(2)

plsA型 の読舶 力は次の よ うに定義 され てい る。

pISA型 読 解 力 の 定 義

自らの 目標 を達成 し, 自らの知識 と可能 性 を発 達 させ .効果的に社会に参加す るた めに描かれたテキス トを理解 し,利用 し, 熟考す る能力。

この場合の rテ キス ト」 とは

.

「連続型 テキス ト」と呼ばれてい る文革で表 された もの (物語, 解説 ,記録 な ど)だけでな く

.

「非連続型テキス ト」 と呼 ばれ てい るデー タを視党的 に表現 した もの (図,地図,グラフな ど)も含 まれてい る。

また,読む行為のプ ロセ ス としては,単なる 「テ キス トの中の情報 の取 り出 し」 だ けではな く,

アキかれた情報か ら推論 して.%味 を理解す る 「テ キス トの解釈」,書 かれた情報 を自らの知職や経 験 に位 配づ ける 「熟 考 ・評価」の3つの観 点 を 設定 し,問題が構成 され ているO

つま り,テ キス トを単に読むだ けでな く,チ キス トを利用 した り,テキス トに盛 づいて 自分 の意見 を論 じた りす ることが求 め られ てい るの である。 また

,

「非迎続型テ キス ト」は,ま さに 弟教科で扱 う図,秦 , グラフであ り,論理的 に 考 えることは罪教科の 目標 でもあ ることか ら,

算数科 においても,PtSA̲JTB言鋤 牢力につなが る力 を育成す ることができると考 える。

「ptsAシ ョック」以降,言語活動の充実 の方 向性が打 ち出 され るまでの経綿 を見 てみ たい。

「言語活動充実」‑の経紹

○平成 16年12月 PTSA2003朋禿 結果発表 rp【sAシ ョック」

読解力が OECD平均程度の 14位 に 下落

○平成17年2月 中央教育審議会審議要孤 r学習指導卓領 の見直 しに当た っての検討 裸題」 14項 目の 1つが 「国語力 の育成 」。

「国語力」は 「すべての教科 の基本」 と位 置づけ られ た。

○平成17年10月 中央教育審議会答 申

「新 しい時代の義務教育を創 造す る 学習指澱要領 の見直 しと今 岡的 な学力調 賓 の実施が決 まる。 「国語力はすべての教 科の 基本 とな る ものであ り,その充実 を図 るこ とが重要である。」 と示 された。後 に,学力 調秀 のB問題 は PISA型読解 力 を意托 した 活用 力をみ る間蝕 となった丁,

○平成 19年 8月 言語 力育成協 力者会議報告

「言語力の育成 方策について (軸宮啓一秦)」 r言語力は,知織 と経験,論理的思考,感 性 ・情緒等 を基盤 と して, 自 らの考えを深 め,他者 とコ ミュニケー シ ョンを行 うため に言語 を運用す るのに必要 な能力 書であ り,

「言 語力の育成 を岡るためには, (中略)学 習 指導要領 の各教科等 の見直 しの検 討に傑 し,知 的活tBJに関す ること,感性

情緒等 に関す るこ と,他者 との コ ミュニケー シ ョ ンに関す るこ とに,特 に留意 す ること」 な どと提言。

○平成20年 ]月 rTj央教育審談会答 申 r教育 内容に関す る主な改葬塾項」の空経頭 に,

「言語活動の充実」が挙 げ られ たD

こ うして見て くると

,

「国語力」‑ 「言語力」

‑ r言語 括軌」 と言葉 が変化 しなが ら,国語科 で担 うもの とい うよ り

.r

各教科等 を賢 く重 要な 改弾の視 点」 と位 倍づけ られ てい った ことが分 かるO これ たでの 日本の授潜では,PISA型読解 力 ∴つ なが る力 を十 分 に育成す る ことがで きて いなかった↑ 「PISAシ ョック」 で 日本 に突 きつ け られ た課題 を

,

「言語活動の充実」 を過 して解 決 してい こ うとい う方向性 を読み取 ることがで きる。

②子 どもたちの現状 と肝属 を受けて

内閣府 の 「低年 齢少年 の生活 と意識 に関す る 調査報 告書」 (平成 19年2月)によると,次の よ うなデー タがあ る。

内閣府調禿報告顎 (平成 I9年 2月)デ ータ

(3)

O

「自分に自信 があ る」小学/fp 平成

1

1年

5 6

.4%

‑平成

1 9

4 7 . 4% (9

ポイ ン トJ)

O

「自分に 自信がある」 中学生 平成

l

J年

4日

%

‑平成

J 9

2 9 . 0% ( 1 2 . 1

ポイ ン ト1)

Or

勉強や進学につ いて悩みや心配輔があ ろj

ql学生

平成

7

4 6 . 7%

‑平成

1 9

61 . 2% ( 1 4 . 5

ポイ ン ト†)

Or

友達や仲間の ことで悩みや心配TJfがあるj

「「学生 平成7年8.1%

‑平成

1 9

2 0 . 0% (

l

l , 9

ポイ ン ト

r )

自分に 自信がある子 どもが減少 していること, 勉強や進学に対 して悩みや 心紀岬 を抱 え,人 間 関係をつ くるこ とが不得手 である子 ともが増加

していることが分か る。

自分に 自信 が もてず , 自らの将 来や 人間関係 に不安 を抱 えてい る子 どもたちの現状 を踏 まえ ると,言語活動 を充実 させ ることによ り.自己, 他者 等 とかかわ り対話 しなが ら, 自分‑の 白は をもたせ る必要があるのではないだろ うか。

中央教育手放会答 申 (以後.平成

2 0

年答 申) では,言 語の役割 を次の よ うに記述 してい るC

言語の役割 (平成 20年答 申)

言語 は知的活動 (論理や思考)の韮姓 で あるとともに. コミュニケーシ ョンや感性

・情緒の基盤 で もあ り,豊かな心を育む上 でも,言語に関す る能 力を高 めてい くこと が盃要である。

自分の思いや考 えを うまく伝 え られ ない,也 者の思 いを うま く受 け lヒめ られ ない ことか ら友 達 と トラブル にな る子 どもがい る。 言語 は コ ミ ュニケー シ ョンや感件 ・情緒の基盤 であるD 自 分や他者 の感肺や思 いを表現 した り,受 け止 め た りす る語粂力や表現力 を育成す ることが,人

問関係づ くりの基本になるのではないだろ うか。

(2)「菖括活動の充実」のね らい

①思考 力 ・判断力 ・表現 力の育成

「言 語活動の充実」 のね らいは,思考力 ・判 断 力 ・表現力の育成であると考える。

平成

1 9

年に一部

正 され た学校教育法に次の よ うな記述がある。

学校 教育怯第30条第2項

生涯 にわた り学習す る基鮭 が培 われ るよ う, 基掛 fJな知旅及び技能 を習得 させ るとともに,

これ らを活用 して探題 を解 決す るた めに必要 な思考九 判断九 表 現力その他 の能力 をは

ム生 ,主体的 に学習 に取 り組 む傾度 を礎 う こと 。 (下線 :繋者)

この中で,学 力の 電要 な3つの要索 が示 され てい る。① 基礎的 ・基本 的 な知識 ・技能,② 知 識 ・技能 を活用 して課題 を解 決す るために必要 な思考力 ・判断力 ・表 現力等,③ 主体的 に学習 に取 り組 む態度 ,で あ る。 これ らの 中で も,忠 考力 ・判断 力 ・表現力 が重 要であ る と考 える。

平成

2 0

年答 申による と, チ ビもたちが隼 きる

21

世紀は 「知織基盤社会Jの時代 と言われ ,吹 の よ うな特質があるとい う。

r知 織 基 盤 社 会 」 の 特 質

① 知識 には国境 がな く,グ ローバル化が

‑屑進む.

② 知識は 日進月歩であ り,競争 と技術革 新が絶 え間な く生 まれ る。

③ 知識の進展は旧来のパ ラダイムの転換 を伴 うことが多 く,幅広 い知織 と柔軟な 思 考力に感づ く判断が‑層塵要 になる。

性別 や年齢 を問わず参画す ることが促 進 され る。 (下線 ・繋 占)

そ して

,

「この よ うな社会 において, 自己if任 を果 た し,他者 と切瑳 琢磨 しつつ一定の役割 を

(4)

果 たす た め には ,基 礎 的 ・基本 的 な知職 ・技 能 の習得 や そ れ らを活 用 して課 題 を見 出 し,解 決 す るた め の思 考 力 ・判 断 力 ・表現 力 等 が必 要 で あ る。 しか も,知 職 ・技 能 は陳腐 化 しない よ う 常 に更新 す る必 要 が あ る。 生涯 に わ た って学 ぶ こ とが 求 め られ てお り.学 校 教 育 は そ の た め の 重 要な基盤 で あ る。」 (下線 :聾 者) とあ る。

つ ま り. 「知識 塵盤社 会 」では,知識 ・技 能 は 非常 に重 要 な もの で あ るが, 「陳腐 化 しない よ う に常 に更新す る必 要」 が あ り,「生涯 にわ た って 学ぶ こ と」 が求 め られ る,す なわ ち, 「学 び続 け る こ と」 が求 め られ て い る こ とに な る。 そ の原 動 力 に な るの が 「思考 力 ・判 断 力 ・表 現 力 」 で あ る と読み 取 るこ とがで き る。

② 数学 的 な思考 力 ・表現 力の育成

算 数 科 ,数 学科 につ い て は ,そ の 改善 の 毛木 方針 と して ,次の よ うに述 べ られ てい る。

算 数 科 , 数 学 科 改 善 の 基 本 方 針

算数 的 活動 ・数 学 的活 動 を一層 充 実 させ , 基礎 的 ・基本的 な知識 ・技能 を確 実 に身 に 付 け,数学的 な思考力 ・表現 力 を育て,学 ぶ意欲 を高 め る よ うにす る。

この こ とか ら,策教 科 の授 業 改啓 に向 けて は, 算 数 的活 動 を一層 充実 させ ,数 学 的 な思 考力 ・ 表 現 力 を育 て る こ とが重 要 で あ る こ とが示 され て い る。 この 「算 数 的活動 」 とい う言 葉 は , 辛 成 10年の小学校 学 習指導 聾領 の改訂 か ら代 われ て い るが ,今 乱 舞 数 的活 動 と して, 3つ の例 が示 され た。

策 数 的 活 動 の3つ の 例

① 具体物 を用 いて散 見や 図形 についての 意味 を理解 す る活動

② 知沌 ・技能 を実際の場 面 で活用す る活 動

③ 間越 解 決 の方 法 を考 え説 明す る活動

これ ら3つ の うち,特 に③ につ い て は , 思 考 力 ・表 現 力重視 の方 向性 を受 け,新 たに加 え られ た もの だ と考 え られ る。

これ ま で ,本 文 中で は 「思 考 力 ・判 断 力 ・表 現 力」 とい う言葉 を使 っ て きたが ,算 数科 ,敬 学科 にお いては,判 断力 も思考 力 の 中に入 れ,「思 考 力 ・表 現 力 」 とす る こ とが あ る。 今 後 ,本 文 中で は ,主 と して 「思 考 力 ・表 現 力」 とい う言 苑 を使 うこ とにす る。

4

「冨 措活動 」 を取 り入れ た授 業 (1

)

「菖 精活動 」 とは

「言 語活 動 」 とい うと, 「表現す る活動 」 とと らえ られ る傾 向 が あ る。 言 語活 動 を充 実 させ る には,授 業 の 中に 「説 明す る活 動」 「伝 え合 う活 動

「詣 し合 う活 動 」等 の表 現す る活動 を取 り入 れ さえす れ ば よい, とい う考 えで あ る。

しか しなが ら,表 現す る活動 には

,

「何 を表現 す るの か 」 とい う内容 が伴 う。 算 数 科 で は ,忠 考 した こ とを表 現 す る こ とにな る。 思 考 と表 現 は切 り離 す こ とが で きな い 一体 の もの とと らえ るべ きで あ る。表 現す る活動 を充実 させ るに は, 恕考す る活動 も充 実 させ る必 要 が あ る。

ま た , 目で 見 え る言 語 を扱 う活 動 に は さま ざ ま な もの が あ る。 話 す ・聞 く活動 , か く活 動 . よむ 活動 , で あ る。 どの活動 も,思 考 力 ・表 現 力 につ な が る活 動 とと らえた い。

tEに, 言語 活 動 を 「対話 」 とい う視 点 で と ら える と, 「対象 との 対話」 「他者 との対話」「R己 との対話 」 とい う3つ の様 相 が考 え られ る。

図1 「対話 」の3つ の様 相

(2)算数 科 で取 り入れた い r冨楕 活動 」

(5)

小学校学習指導要領解脱弟数編 の第3指導計 画の作成 と内容の取扱 い2の (2)に次の よ うな記 述がある。

軒 数 科 の 思 考 力 ・表 現 力 を育 成 す る活 動 思考力,判断力,表現力等 を育成 す るため.

各学年 の内容の指漸 こ当た っては,言

,

数 1

式,図,表 , グラフを用 いて考 えた り,鋭明 し た り,互 いに 自分の考 えを表現 し伝 え合 った り す るな どの学習活動 を棚極 的に取 り入れ るよ う にす ること。 (下線 :範者)

芽数科 の授兼 にお いて.算数的活動 を充実 さ せ ,言薬,敬,式,図,塞, グラフな どのテキ ス トを使 いなが ら考えた り.説 明 した り.互 い に 自分の考 えを表 現 し伝 え合 った りす る活動 を 取 り入れ ることが,思考力 ・表 現力 を育成す る

ことにつなが ると古かれている。

葬数の授業では さま ざまな言 語活動 を取 り入 れ なが ら

.

「自分の考 えをも

つ 」

「考 えを伝 え合 い話 し合 う

「振 り返 る」 な どの過程 をつな ぐこ とになる。 それぞれ の過程 の意味 について述べ る。

(ア) 自分の考 えをもつ ・・・対象 との対階 . 自己 との対括

舞教科の授業 では, まず , 自分 の考 えを もつ 過程 を大切 に したい。既習事項 を活用 しなが ら.

自分な りに考 えた解決方法 をか くのである。

問題解決 に向けて,数

. 鮎

,図形 を楳作観娯 す る姿は対象 との対話 と考 え られ る。対食 と対 話す る中で既習*項 を想起す る ところは 自己 と の対話 と考 え られ る。 対象や 自己 と対話 しなが ら気付 いた ことや考 えた こ とを吾輩 ,数,式 , 図,毅 .グラフ等 を使 って表現す るのである。

数 ,臥 図形 を操作観察 した り,既習事項 を振 り返 った りしなが ら自分 の考 えをか く活動 は, 対象や 自己 と対話 しなが ら思考 ・喪現 してい る 活動 ととらえることができる。

しか しなが ら, 自分 の考 えをか く以前 の清軌 にも注 目す る必要 がある。 昇教科 の第 1単年 と

弟 2学年の 目標 は,r具体物 を用 いた陪動 な どを 通 して」 とい う言集 か ら始 まってい る。 低学年 の欝数 の授業 では,数図 ブ ロ ックや数 え棒 を手 で動 か しなが ら学習す る。 その とき. どの よ う に動 か したかは 口では鋭 明せず に 「こ う動か し た よ。」 と具体物の動 きで表現す ることがある。

ピア ジェは 「児童 の判断 と推理」 の 中で,子 ど もの富美 には2種類 あ り

,

「一つ は,言葉に とも な う, あ るいは完全 に言葉 に とって代 わ る身振

り ・運動 ・表情 な どか らな るこ とばであ り, も う一つは, もっぱ ら言葉 か らな る言 語活動 であ る。」 と述べている。 身体 による表現活動 も言葉 であ る と考 えれ ば,数図 ブ ロ ックや数 え棒 を手 で動 か して示す こ とも言簡 情 動 ととらえるこ と がで きる。 子 どもは言語悟動 を通 して,具体物 を用 いた活動 を内面化 してい るのではないだ ろ うか。

また, 自分 の考 えをか く以前 の活動 には,か き膏 薬 ではな く話 し言 葉 を使 う活動 もある。 ピ アジェは 自己中心的 ことばについて 「子 どもは, 声を出 して 考えてい るかの よ うに, 自分 自身 に 向か って しゃべ ってい る。 かれ は,決 して誰 か に向けて しゃべっているのではない。」 と述べて いる。子 どもは何 かの活動 を して いる とき, 自 分 の動作 に二,三の発育 をつけ加 える ことが あ る. この よ うな子 どもの活動 に伴 う話 し言弟 も 言語活動の一つ ととらえるべ きである と考 える。

(イ)考 えを伝 え合 い惜 し合 う ・・.他者 との 対括

自分 な りの考 えをもてた ところで,言舌す ・聞 く活動 を取 り入れ たい。 まず, 2人組や少人数 の グルー プで説 明 し伝 え合 う活動 を設定す る.

この活動 で,全員 に表現す る機会 を設 ける こと ができ るD他者 と対話す る ことを通 して, 自分 の考 えを明確 に した り,友達の考 えを理解 した り.考 えを共 有 した りす るこ とが で きる と考 え る。考 えを理解 した り共有 した りす るためには,

T鋭明す る」 とい う一方 向の活動 だ けでは不十 分 であ るO 双方 向の活動 にす る必要が ある。 そ のためには,ペ アや グルー プをつ くる ことだ け

(6)

を指 示す るの ではな く.説 明す る活 軸の 目的 を 育.# させたい。例 えば

,r

説明 をIILfIいた ら,質問 を 1つ しよ う。

「自分の考 え と比 べて同 じとこ ろや違 うところを見つ け よ う。後 か ら聞 くよ。」

等 の声か け をす る こ とで ,説 明 を聞 いた後 ,表 現す るこ とを意識 付 け したい。

学級 全 体 での話 し合 いは, よむ 宿敵 と して位 I‑.lI‑1づけた い。 何 を よむか とい うと, 考えを よむ のであ る。 考えの表現 され た もの と しての ,言

,敬 ,衣 ,園,義 , グラフをよむ のであ るO 考 えを よむ際 には , 自分 な りの判 断や根 拠 に息 づ いて評価 しなが ら榊報 を よみ とる, とい うク リテ ィカル ・リー デ ィン グの考 えが大切 にな っ て くる。 そ の考 えはIliしいのか聞追 いなのか, 納得 で き る考 えな のか, を検討 し, よい考 えな ら懲戒 Lた り, 自分 の 中に取 り入 れ た りす る膿 度が大 切 にな る。 一 人の 考えをみ んな で検 討 し なが らみ んなで共 有す るこ とが人切 だ と考 える。

考 えを よん で検 討す る際 に,確 か めたい視 点 が3つ あ る。 この3つ の視 点が そ ろえは, 白ら 納得 した り,他者 を説得 した りす る ことにつ な が る。 それ は

,r

根拠 があ るか (根拠)

「筋道が 過 ってい るか (筋道)

」r

見 て分か りやす いか (較

料'Jw7'あ毎 訂 っの視 点

しか しなが ら, この3つ の視 点 を備 えた 説明 を 初めか ら子 どもに期待 す るこ とは難 しい。 特 に低学年 の子 どt)は 自己中心的な ことばを使 い.

ピア ジ ェ

卓 、

「この ことばは ,何 よ りも+ どもが 自分 自身 につ いて のみ語 ってい るが故 に, だが 上 と して は,かれ が話 し相 手の観 点 にiLIと うと 試み る こ とを しな いが故 に, 自己 中心的 と呼 ば れ る」 と述 べてい る通 りで あ る。相 手 を説得 す る, 自分 が納得 す る説 明にみん なで練 り上 げ る

必 要が あ る。 そ の際 ,教師 の支援 が必激 にな っ て くる。 「付 け足 しや 質 問 はあ りませ んか。」 と 問 いか けた り, 意図的 に 「ど うして〜 なのです かO」 と根拠 を問 いかけた りす るこ とが大切 で

「 〔

ない だ ろ うか。

考 えを検討 す る際 に , よ りよい考 えを見 出す 観 点 もあ る。簡 潔性 ,明瞭性 .一 般作 の観 点 で あ る. 枚 数の解 決 方は・が どれ も正 しい こ とが分 か った時 に, よ りよい考 えは どれ か . とい う観 点で比将検討す ることがあ る。 その際には

.

「節 崎かJ「分 か りや す いか

「いつ で も使 えるか

な どの観 点 で検 討 で きる よ う促 したいO どこが 簡 単 か, ど う して分か りやす いか ,条 件が変 わ って も使 え る考 えなのか を話 し合 うこ とで ,み ん なで徴 矧 的な処理 の よ さに気 付 くこ とが でき る と考 え る。

また ,禎数 の解 決方 法 が どれ もTF.しい こ とが 分 か った暗 に,似 て い る と ころは どこか, とい う視 点 で検 討す る ことが あ る。 典 乱 射 二弟 目さ せ る こ とで,既 習事 項 を活用す る よ さに気付 く

ことがで きると考 える。

以 上 の よ うに, ,恩考す る活動 を充実 させ なが ら,表 現 す るfLIL動 も充実 させ るこ とに留音 し, 言語 柘動 を充実 させ る必 要 があ る と考 え るO 実 際の授薬 では,45分 の時 hl1=Jの中で行 う必 要があ るので, どの言語 括 軌 を充実 させ るの か を吟味 す るこ とが大切 だ と考 える。

(ウ)振 り返 る ・・・自己 との対桔

菜 の ま とめの段 階 で,学 習 を振 り返 る場 面 が あ る。 ここで もか く活動 を取 り入れ たい。 1 時 間の学 習 を振 り返 り,分 か った こ と, で き る よ うに な った こと, これ か らさ らに してみ た い こ と,友 だ ちの よか った こ とで これ か らまね し てみ たい こ とな どを視 点 と して ノー トに文 京 を か く桔軌 で あ( もち ろん ,か く活 動以前 の話 す活鋤で振 り返 る場合 もあ る。

授菜 の LIで0)R分の成長 を振 り返 り.自覚 し, さ らに次 の学習 ‑ の意欲 を もつ過程 であ る。 こ の過程 は 自己 との対許 の城 面 と考 え る ことがで きるa

(7)

(3)

r

菖持活動」 を取 り入れた授業例

考えをよむ活動 を取 り入れ た授菜の実践 例を 挙げる。

①霊元名 4年 「式 と計算の順 じょ」

②単元 目棟

○ 式の扱 いに関心 をもち, ( ) を使 って1つ の式 に表 した り,具体 に即 して式 を よみ取 っ た りしよ うとす る。 (関心 ・意欲 ・態度)

○ 式の意 味 を考 え,具体 に即 して式の意味 を 説明す ることがで きる。 (数学的な考え方)

敏 n・の関係 を ( ) を使 って1つの式 に表 す ことができる。 また, ( ) を用 いた式や四 則混合の式の計算が正 しくで きる。 (技能)

○ (

) を用 いた式や 四則混合 の式の計算 の 順序 を理脈 している。 (知織 ・蝿解)

③授業場面について

「式 をよむJ授 繋場 面である。 下図の よ うに 並んだ黒石 と白石の数 を求める問題場面 である。

● ● 〇〇〇〇〇〇 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

〇〇〇〇〇〇

〇〇〇〇〇〇

図3 並んだ石の図

「石の数 は全部で何個 で しょう。J とい う問題 に して.求 め方 をい ろいろな式 に表 し.その式 について許 し合 う展開 も考 え られ るO

しか しなが ら, 「いろいろな式 に表す

「表 し た式 につ いて話 し合 う」 とい う2つの学習情動 が45分間に収ま り切 らないことがある

そ こで

,

「式をよむ」 ことにね らいを焦点化 し た授業が考 え られ る。 r式は算数の言葉」 と言 わ れ る。式 と計算の意味を表 す図を同時に提示 し, 式 をよん で,図 を ど うみ たのか とい う考 えを よ み とった り,式 は図の どの部 分か を結 びつ けて 考えた りす ることをね らい としている。

式 をよんで どの図につなが るか を判断 し.そ の根拠 を説 明す る とい う思考力 ・表 現力を育成 す ることが期待 できる授薬である。

④ 本時の 目棟

いろいろな式 と計昇 の意味 を表す凶 をつな ぎ.

その理 由を説明す ることがで きる。

⑤本時の農開

くア) 自分の考 えをもつ

図 3を提示 し

,

Tノ伝■は全部 で何個 あ るかな.」

と問いかけたO 全員 で30個 であることを磯路 し た ところで

,

問題 「黒石 と白石 を会わせ た数 を, いろい ろな考 え方で求 めま したDJを版指 した。

提示 したカー ドに書いた式 と計節 の意味 を表 す図は次の通 りであ る。

16×2+3×6 2 (2+3)×6

③ 2×6+3×6

図4 提示 した式 と図

(8)

「どの式 とどの図が線でつながるか分かるかな。J と問いか ける と

,

「分か ります。」 と答 えた り, うなず いた りす る子 どもが多か った。 そ こで, 木崎の放題 を 「3つの式 は, どの図 を使 って考

えたのか説明 しよ う。」 と決めた。

指導の工夫②

ワー クシ‑卜0)工夷

子 どもに配布 した ワー クシー トには,図 4の 挺示 した式 と図が かかれ てお り,図の近 くに選 んだ式 をか き込む楓 が設 け られ てい る (判 断 を 逝 く)Oまた,その理 由を8 く欄が設 け られ てい る (根拠 を替 く)0

子 どもが ワー クシー トに式や理 由を音字き込む r恥 こ,教師は机間指単で

,

「矢印が分 か りやすい よ

「(か き込んだ式 と図 を)線 でつないでいい よ。」 と助言 を していった。子 どもは 39名 中ほ ぼ全員が式 をか き込む ことができていたが,間 超 えてい る了・ども i)数名 いた。 半分以上の子 ど

もが練 で式 と図をつないでいた。

(イ)考 えを伝 え合い指 し合 う

まず,

16×2+3×6

の式 について, どの 周 とつなげて考 えたか,全体 で話 し合 ったO

どの図 とつなが るか 「分 か った」 と挙手 を し た子 どもは 39名 ほぼ全員であったが

,

「脱明で きる」 と初 めか ら挙 手を した子 どもは6名 であ った。 全体の場で説明す る ことに苦 手昔織 を も つ Jこどもが多いよ うであるU

指名 され た子 どもは,図⑦ を指 さ しなが ら, c

l

「巣 と白に分 けて別 々に計辞 しま した。 ま ず ,熊石は

,6

個 が

2

列 あ るか ら

6×2

1 2

個 です。 次に, 白右は

6

個 が

3

列あるか

L ‑ )6×3

I 8

個 ですO最後に,合わせて

,1 2+ 1 8‑ 3 0

ですo」 と説明 してきたO

次に,匝 (2+ 3) ×可

」の 式について, 3人 グルー プで話 し合 う活動 を取 り入れ た。 図 を指 さ しなが らの説 明はで きてい た。 「友 だちの説 明で分か らない ことがあった ら 質問 しよ う。」 と教師が呼びかけたが,ほ とん ど 質問 し合 う姿は見 られ なか った。

全体での話 し合 いでは

,

「ペア説 明」が行われ た0 2人組 で説明 し, 1人 は図 を指 さ し, も う

互 砂 こついては.

r

まず,黒石 と白石を一緒 に し ま した

。 2+3‑ 5

です。 次に

, 5

個 が

6

列 あ るので

, 5×6

3 0

個 にな りま した」 と I人 が説明 し,もう1人が図を指 さす ことができたO 同 じよ うに,別 のペ アが

32×6十3×6

につ いて

.

「は じめに黒石 の数 を求めます。 2個 が6 列 あるか ら.

2×6

1 2

個 です。 次に, 白石の 数を求め ます03個 が 6列 あるか ら,3× 6で

1 8

個です。 舷後にたす と

,1 2+ 1 8

3 0

佃 にな り ま した

」と2人組 で説明す ・ユことができていたo

3つの式 が榊 と結びついた ところで,教 師が

「考え方が似 てい る式はあ りますか。」 と問いか けたd 子 どもは

,r

① と③ け熊石 と白 (lJを別 々に 求めてい るところが同 じです」 と発言 し,考 え の共iLB,軌,=気付くことがで きた

(ウ)振 り返 る

(9)

本時の学習 を振 り返 る際,教師が r今 日の学 習で分か ったことを省 きま しょ う。」 と呼びかけ た。 書 いた ことを発言す るよ う促す と.子 ども は

,

「考 え方が変 わ ることで式 が変 わ りますoJ

「式が変 わ ると考 え方や 図が変 わ ります。

「式 をよむ と考 え方が分か ります。」な どと発言 して きた。

式 をよんで 考え方が分か るよ うになった こと, 式 と図 をつなげて説 明す ることがで きた こ とを 称揚 し,授業 を終 えた。

⑥授業の考察

・指名 された子 どもC 1の発言について clの子 どもは図 と式 をつ なげた見解な鋭 明 を してい る。 しか しなが ら,聞違 えてい る子 ど も,理解 が遅れ が ちな1'どもに とってはなかな か説明 についてい けないのではないか と考 え ら れ るOそ こで

,

「まず」の説明の ところで途 中で 止 めた り

,

「6× 2は図の どこの こ とだ ったか な。」 と聞いている子 どもに問いかけた りす る支 援 も必要だった と考 える。

・ノトグループで伝 え合 う視点について

「分か らない ところがあった ら質問 しよ う。」

よ り

,

「Iと、ず 1つ は質 問 しよ うO」 と呼びかける 方が よい と考 える。相 手を問い詰 め るのではな

く,相手の発言 を確欝す る意味である。

「ペア鋭明Jについて

ユニー クな説明の仕 方だ と考 える。発表す る 2人が式 と図のつなが りを共有 してい る必要が ある。

5 研究のま とめ

本研 究では

,

「言語活動」 を生か した算数の授 英改善の方向性 について考えてきた。

「言語活動 の充実」 のね らいは.子 どもの数 学的な思考力 ・表現力の育成に あるこ と,その ため

,

「言語活軌」は単なる表現活動ではな く, 思考悟動 と表現活動 をつな ぐ活動 であるこ とが 大切だ と分 かってきた。

「言語活動」を生か した便共の実践例では

,r 式

をよむ」授業場面 を取 り上 げた。式 とつ なが る

図 を判断 し.その理 由 を説 明す る授業 であ る。

6つの指導の工夫 を通 して,言語活動 を充実 さ せ ,子 どもの思考力 ・表 現力を育成す ることを ね らった。 子 どもが式 と図 をつ なげてそのわけ を説明す る表 現活動 はで きていた と考 えるが, 一人一人が説明す る表現活動 には深腰 が残 ったo 引 き続 き,子 どもが言語活動 に 自信 が もて るよ

うに支援す る必要があ る と考 える。

岡山県の子 どもたちの学力 の向上が喫緊 の課 塩 であ る. 詐欺 の授共 の 中で,表層的 な表現活 動 を取 り入れ るだ けでは学力 の向上 は期待 で き ない。 思考 力 と表現力 をつな ぐ言語活動 を充実 させ ,学力の向上 を 目指 したい。

引用 ・参考文献

文部科 学省 (2011)「言語活動 の充実 に関す る指 導事例集 」,教育出版

文部科学省 (2008)「幼 稚 園,小学校 , 中学校 , 高等学校及 び特別支援 学校 の学習指導要領 等の改善について」 中央教育審諮会 文部科学省 (2008)「小学校 学習摘草壁簡解脱 許

放鳥副 ,束洋館出版社

文部科学省 (2005)「吉元解 力 向上に関す る掃串 資 料〜 PISA調 査 (読解力) の結果分析 と改 善の方向〜 」

神水静悔 ・船越俊介ほか (20)2)「わ くわ く第数」, 啓林館

コープ ラン ド ・佐藤俊 太郎 (釈) (1981)「ピア ジ ェを算数指 導 に ど う生 かす か」,明治国 吉出版

面取涼 ‑那 (1994)「グィゴツキー ・ピアジェ と 活動理論の展開」,庶都 ・法政出版

ヴィゴツキー ・柴 田虫松 (釈) (2004) r新訳版 思考 と言語」,新訳;LL‑祉

(平成24年 9月 28日受理)

参照

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