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イヌにおける全脳虚血後の脳波と脳循環・代謝の推 移

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Academic year: 2022

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イヌにおける全脳虚血後の脳波と脳循環・代謝の推

著者 森 一朗

著者別名 Mori, Ichiro

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

巻 平成8年7月

発行年 1996‑07‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/15417

(2)

学位授与番号 学位授与年月曰 氏名 学位論文題目

医博乙第1370号 平成8年2月21日 森_朗

イヌにおける全脳虚血後の脳波と脳循環・代謝の推移

論文審査委員 主査 副査

教授 教授 教授

小山 林下守 勉宏治

純正

内容の要旨及び審査の結果の要旨

心肺蘇生後の神経障害を軽減させる方法について検討した。雑種の成熟イヌ24頭を酸素40%,窒素60%およびハロ タン0.2%の混合ガス吸入で麻酔し,上行大動脈および上・下大静脈を同時に遮断して全脳虚血を施行した。5分間 または15分間後に循環を再開し,それぞれを5分間群(n=12)または15分間群(n=12)とした。なお,5分間群 は神経機能障害を残さないもの,15分間群は神経機能障害を確実に残すものとみなした。両群の脳波,脳血流量,脳 酸素消費量,動脈と上矢状静脈洞の血液ガス,血糖値,ピルピン酸値および乳酸値の回復過程を経時的に360分間観 察し,以下の結果を得た。

1.再循環後の脳波の再出現時間は,5分間群が7.6±1.0分(平均値±標準誤差),15分間群が54.3±3.8分であり,

2群問に有意差(P<0.0001)を認めた。

2.5分間群の脳血流量は,再循環後に有意な増加を示さなかった。一方,15分間群の脳血流量は再循環20分後に 虚血前値の194±23%に増加した(P<0.05)。

3.再循環直後に低値を示した脳酸素消費量が虚血前値に回復する時間は,5分間群で13.5±2.2分であった。一 方,15分間群では24.6±4.0分を要した(P<0.05)。したがって,脳波の再出現と脳酸素消費量が虚血前値に回 復する時間的解離は,5分間群が-5.9±2.0分であったのに対し,15分間群では29.7±4.0分であり,2群間に有 意差(P<0.0001)を認めた。

4.再循環10分後の脳循環指数は,5分間群では0.19±0.02と虚血前値(0.13±0.01)の142%に増加したにすぎな かった。一方,15分間群では0.40±0.05と虚血前値の270%以上に増加し,2群間に有意差を認めた。

5.再循環30分以内の上矢状静脈洞血の血糖値,ピルビン酸値および乳酸値は,15分間群が5分間群より有意に高 値を示した。

以上の実験結果より,心肺蘇生後の神経障害を軽減するには,脳波の再出現と脳酸素消費量の回復の時間的解離を 小さくすること,再循環直後の脳血流量や脳循環指数の異常な増加を防止すること,および動脈血の糖やその中間代 謝産物(ピルビン酸および乳酸)の値を適正なレベルに低下させることなどが必要であると結論された。

本研究は,脳波および脳循環・代謝の推移より心肺蘇生後の神経障害を軽減する方策を検討した労作であると評価

された。

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