粉食調理・加工の捏水量に影響を及ぼす諸因子の研究(第一報) : 砂糖の捏水換算量に就いて
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(2) . 昭和28年7月. 北 海道学 塾大 学紀 要( .第2部). 第 4巻 第 2号. 粉食調理・加工の樫水量に影響を及ぼす 諸 因 子 の 研 究 (第一報). -- 砂糖の握水換算量に就いて -- .新 野 サ ツ ヱ 北海道学馨大学旭川分校家政研究室. ‐i Sat uo: sue Ni. i ty i fec t Studi l lg the Quant e s on the Factors Af. i i ア t Vdered Fo エ ーg po 、 ods ngand Process l eading “ c a rin Cook of K. .(1) iVal sugar ; i t i ‐eqL ence s、 Vater ,. l 緒. 数の増加は非常に嫌われる関係上、 目標の軟かさを得る 篤の最適の使用係件を求める必要があると考え、 種々実. 言. 最近我々の日常 食に於て粉食が相当大きな幅を占めて. して 来 た 来た。 製麺麹、 製麺簿も工業的に非常に発達-. 験の結果、 砂糖添加に就て 大体の見当を得たの で、 その 一部を報告し調理、 加工の参考資料にで もなれば幸と思 ●. ‐. が、家庭に於ても粉類の調理・加工を全面 的に家 庭外の施 設に移譲して しまう段階には程遠い。 殊に幼児を持つ家. う。. は生産の関係や食味及び栄養補給の上から小麦粉を主材. 験の必要上明かにして置かなければならない。 埋水とは 或-定の軟かさの生地を作る時に用いる水の 名;称 で あ. 庭では衛生と費用の問題からだけみても間食が家庭に於 て手製される事が望ま しい現状でもある。 北海道に於て. とし、 砂糖、 卵、 生牛乳、 (叉は山羊乳「 粉乳、 バター. ,. 表題の埋水換算量と云う言葉の意味に就ては以後の実. 其他穀粉Y 豆粉等を混入した間食が手軽に作られる事が. 望ましい。 然しその添加混入物は種類によ りそれぞれ樫 水量に影響を 及ぼし、その加減を必要とするものである。. ,換算量とは砂糖、 卵、 バターの如きものは添加によ る。 って軟かさを増大するものであるから、 それらの幾何の 添加が幾何の水の量に相当する軟かさを輿えるか、 即ち. 一般に生地作製の最も単純な材料は小麦粉と水 (塩混. 幾何の水を減じなければならぬかを数字的に求めたもの. 入. ) であって、 その至適標準割合とも云うべきものは多 5c c位 rに対して水50~5 くの人々の経験から小麦粉loog. 1 . 実験材料. とされていたっ 普通家庭に於ては縄麹生地並 に麺生地、 菓子パン生地等の製作に当って、 耳染位の軟かさ等と云 う程度を基準にして、 歎か過ぎれば粉を足し、 硬過ぎれ. ば水を加え樫直しをすると云う様に、 常に願急的な措置 によって調節していた。 故に調味料の 添加叉は栄養強化. の鴬の諸材料の 補給が硬軟に如何程の影響をもたらすか に就ては数 量的な把握が出来なかった。 その鴬常に一定 した望みの 基準が得られぬと云う不便がある。 即ち後か. ら材料中の 何かを補足することは生地の均等を得られな かったり、 叉裡ねの回数を増加する不便もある, 殊に菓 子パン生地に於ては グルテンの粘硯性を鞭化す 、る握の回. である。. . a 小麦粉…配給小麦粉 (後に自由販売品となる) 及 び地粉 (農林八号を地方製粉所で製粉したもの) b 重. 曹…局方重炭酸ソ←ダ. c 蕉. 糖…甜菜糖 (日本甜菜製糖株式会社製品). d 食 塩…市販一等塩 r ……・ ・水道水 e z. (備考) 各実験コース毎に基準の生地を作る鴬小麦粉 の品質に就ては巌密な規格は必要と しない。 但 し同一コ ース内の係件 は揃 えた。 2 ・ 実験方法 過去に於ける学生の実験を記録した もの (蕨糖を添加. 一 83 一.
(3) . 新. 野 サ. したものには小麦粉如何程を追加したかの記録。 実験例 数の少いもの叉は皆無りものは予備実 験二例を平均 して 用い た) を換算統計し、 これを基にして更に確実な数量. を知る篇次の配合と方法で実験した。 (第一表) も 材料配合 そ 第. 一. 第. 表. 例. 23. 数. 加 糖 量′ g) 弓、. 麦 粉 追 加 量(g ). 二 表. 8 112 22. 131 3 【 2. 二 基 iE. 0 10 20 30 I r -ハ Q 15 ノ ー ーU i. (備考〕 図表一に図示 -. (gr). リ 口量 G追加 坂粉( 里). 水量 =100:50の関係から砂糖の復水換算量を算出した。. 3 . 結果及び考察 学生の実験記鏡を換算統計したもの及び予備実験の結 果をま とめたものは次の通りである。,(第二表). 小 麦 粉( ) gr 重 ) 曹( gr 簾 糖( r) g 食 塩(g r ). 水. ヱ. r 50. ー. 曹1の割合で混合し Oの軟 た もの を Nり O0 の かさに等しく な る ま で 加 える。. 加糖量 80gr 以上のもの は生地に身割れを生じ取扱い が困難である事と実用上縁がうすい関係から取扱 わなか った。-以 下符号の数字は加糖量を示すものであるから以 後の記載に当っ・ (いずれか一方を省略する。 b. 方. 法. ,. .. i ) 初めに狸水量を固定 し、 加糖量の増加が小麦粉量に どれ程の影響を輿えるかをみる。 1 { ) 小麦粉と重曹は充分混合の後、 二度節にかけ、 エ ナメルボールに入れる。‐ 2 ‐(A){ ) 砂糖、食塩、 水(蒸 発、 附着等による誤差、 損失を補正する便を考え重量 を用いた) は蒸発量を可及的防ぐ鷲、 蓋附の器にそれ ぞれ計量 して入れ溶解するま で撹梓し蓋をして置く。. 3 …(B) ( )No 0の場合 は(△) の中からlo . gr内外を坂 粉として伸板上に眠り分け、(A) と (Bノ を混合 L坂 粉の上で生地の均等になるま で握ね、 坂粉を全部吸着. させた。 これを基準の軟かさとした。 鯉 ー No.!0~ No. ゴ 70は砂糖添加量の増加に伴い歎かさを増大するため、 No .0 と等しい硬さに達するまで 任意に坂粉を増加吸 着させた。{ 5 ) 樫上げた生地は それぞれ蓋 附器にも・ ど L一コース出来上った時、 堅く絞った凝布巾・をかけ、 その上から数人の人によって指 頭で圧して軟かきの程. ・ ″. /q. 仕上げる様考慮した。 0 より加撫量の多いもの 筒一コースの製作手順は No . へ と進め所要時間は約二時間である。. i i ) 次に小麦粉量をioogr に固定 し、 狸水量を減ずるこ とにより等しい歎かさを得る方法として、 小麦粉量: 裡. 一 84. 30. 卒○. 夕0. 6O. グリ. カo 糖 量(“. 予備実験中生地の樫上り直後の軟かさと、 十数分以後 に於ける歎かさに相当の差異を認めた。 即ち No,0 の握 終り直後は強い弾力を持つ硬さを感じ、 時間の経過と共 に弾力は低下し、 且つ欺く感じる。 (所謂足が抜ける) 但L埋直 しを行えば (坂粉を用いず狸の操作だけを奥え る) 最初の弾力と硬さを版もどすことも認めた。 加篇量 ・附近では殆 んど 40 の少いものほ どこの差は大きr く、 No . 40 以上は加糖量の増大に伴い握終 認められ ない。 叉No . 7 0に於 り直後は軟かく時間の経過と共に硬化する。 No .. てその変化は顕著である。 第三表及び第五表A は複終り と・して順次作られたものであ 後15分を経た歎かさを基準, る。 以下同ー手法によるものは二回宛実験を行いその平 均値を記載した。. 度を比較 し、 軟いと判定された ものには粉を加え補正′ し、 硬い場合は補正が困難であるためそのま ム記載し た。( 6 ) 同一コース内に於ては出来上り品温 を 同 一 に. 20. 第 加 糖 量(g). A. - )B 蓬蓋豊( 1 g. 三. 表. 0 110 20 30 40. 1, 3 0. o 5 f6 .. 8 16 24. 50. 60. 28. 34. ー0 14 5 20 26 5 . .. 36. r ま で は 水 (1600) (備考) Aの握 水に就ては加糖量30g o 4 0 7 を 用 い、 gr 以上には湯 (0 C 内タ ト) を用い斑拝 し充 分溶解 .したものを室温近く (230C) まで冷し用 い た。.
(4) . 粉食調理・加工の裡水量に影響を及ぼす諸因子の研究 (第一報) 0Cまで冷 し (図表二) Bは塩、 砂糖を熱湯で溶し30~3i 用いた。 (図表三) 第. 第. 二 図. . 0. /0. 20. 四 図. JO. 第 三. 挙り. ずO. . . カD 施 せ (の. . の操作 (一定の大きさに丸めたり、 形を作った り、 鍵を. 6o ,70. 包んだり) が加えられるのであるから、 軟かきの基準が. 加 糎 量.(の. その便利に合わなければならぬと云うことである。 それ を求める篤第二、 三表の平均値を用いて生地の 一コース を作った。 但し No.70 は第二、 三、 四表の平均値 49gr. 図. を用いた。 「第五表A, 第五図A) , 5分放置 し、 連絡り直後よりはるかに 次にこの生地を1. 7 0 の硬さを基準と し、 作業 コ 硬化しているところのNo .. 0 へと硬さの等しく 50 No ースを逆にとり No.60 , No . .. なるまで小麦粉を追加して行き、 第五表B, 第五図 B の 0,の小 如き結果を得た。 以上の結果から推測 しB の No .. 70の小麦粉量 149メr の 麦粉量 108gr の点と、 B の No . 0 の小麦粉 点を結ぶ直線 (仮定) に対する平行線C (No .. 量.loog r を基点とする) から求め得ると 考え実験し大 体予想通りの結 果を得 ,た。 (第五図C). 次に狸終り直後の軟かきを基準にしてNo 0の作り立て . 叉は損直しと比較 しつつ作った結果が次の通 り で あ っ. 第. た。 (第四表). 符. 造素豊( ) r g. io 20 30. 40. 50. 60. 0 lo 18 21 5 23 .. 36. 42. 48. 表. N. No」 No. No. N 号 io O 10 20 .30 言. 小 麦 粉 ( )園昌三 ー g 追加量. 第 四 表 加 糖 量′gr ) 0. 五. 9 15 19 24 12 18. No. 60. g o. E. 37. 49. 43. 49. 36 1 42. (備考) 図表五に図示. (備考) 二回実験のうち、 その一の控 ‐水は冷水 (水道水 ー 6oC) を用 い砂糖は充分溶解せぬものを使った 其の二 oC まで熱し充分溶解 の後放冷 し は砂糖液を火にかけ 60 oC) なった時用いたが両者間に大差は 室温近く (27 .認め なかった。 (図表四) 生地の軟かさ叉は硬さの感じと云うものは、 材料の配. 70 に於て小麦粉 これに実用上数量の 便利を考え No . 使用量 142 r (追加量としては 42gr) と直 し、 C 線上 g .」. r. 0 と結び D 線とし、 この値で再び実験しこれも の No . ′ ・ 期待通りの結果を得た。 〔第五表D, 第五図DJ 比較の便から図を一枚に纏めて示せば次頁掲図の通り. 合及び時間的関係並に静、 動の状態等の複雑な要素が関. である。 (第六図) 2g 次に No.70 に於て小麦粉 4 rを追加したと云うこと. り近似した係 件のもとに歎かさを等 しくすることの必要 と、 更に我々がパン生地を扱う実際の場合とを考慮する. は砂糖 70gr が握水 21gr に相当すると云うことを示す. 係し合って構成しているもの である。 そこで出来得る限. と、 樫上り数分乃至十数分以後に於てその生地に細工上 85. ものであるから、 小麦粉量を各々loogrに固定L、 複水 量でそれぞれの割合に減ずれば等しい軟かさが得られる.
(5) . . 新 五. 第. 野. サ. ッ. ヱ. 〆 ー A. ノE ′ ′ ′ ′ ・ ノ ※ ′ , ′ ′ ′ ! ′ ′ / て. 、、 ・、 、、. . 図. 七. 第. 図. . も。. . ‐杖 、、- ● 、 ′ B : 、 D、\ x 〆 C′ ‐ Dえ. / / ′. 第. 六. . 図. . . . . . ヵb 撫 せ ( ’). 50 附近で一畦纏 励ま得られるが、 硬化が .No れを起 し、 . , 第七図 早く取扱上あまり適当とは認め難い。(第六表C AD 線). 第六図に現れた曲線に就ては厳密には幾多の問題が残. されているが、 加糖量 40gr 附近に於て各実験共慣が近 接している事に問題点がある。 こ れは加糖 量の減少する ・ に従い叉は増加するに従い、 共に操作中及び裡終り後の. o. ′o. 々o. 3o. リ ヤ 痛も鯖 。 ・. rを減 じ r 増量する毎に複水 3g g 事になる。 即ち砂糖 lo なければならぬこととなる。 その関係は次の 通 り で あ る。 ‐ (第六表 A, 第七図 AB 線) 第 0. 六. 表. lo 20 30 40 50160 70. - 0ー 3ー 6 - 9 - 0 - 4「 8 層ー2. 一21 X 身割れ. (備考) 図表七に図示 したものは揮終り十数分後に於て 第六表A の値で実験, か られるが 近似した軟 さは得 、 加塘量の多いものほ ど附. r 当り 着損 失量が多く取扱も困難 であるため、 砂糖 ー0g rとし実験の結果、 樫の操作は容易で の水分換算 量を4g 7 0に於て いる事を認めた。 只 No 適して , 細工にも あり、 0 6 あろ N 限界で 附近が o 操作中に脆く身割れを起す馬 . AC 示す B 線に 。 うと思う。 その結果は第六 表 , 第七図. ・究家の間で砂糖の物量の水を控えょと云われて 尚料理材 60に於て身割 して実験を してみた結果 No . 事も考慮 いる. 時間経過の程度により歎かさ 叉は硬さに、 相反する変化 40 附近はその平衡点に相当す がみられる事である。 No .. る もの と思われる。 即ち グルテンの粘弼性 が働き得る限. 界点に当り、 これよりも加糖量が増せば鰍質問のつなが りを妨げ器物、 手な どによく附着し、 従って 「歎い」 と 云う感 じを興え、 これよ りも糖を減ずれば次第にグルテ. ・じさせるも ンの糟調性を増し、 その弾力が 「硬さ」 を感 4 N 0 らの 附近ではどち o と名づけた . の である。 平衡点. 影響も あまり現れないと云う事である。 第七図の No,30 0の辺りで樫水量を示す AB 叉は AC 線と、 加糖量 ~4 .40 を示す点線 OEとが交叉していることは、第六図のNo 附近の曲線の現れ方とは絶対的な関係ではない が、 狸水 量と加糖量が相半ばする辺りで、 薮質の粘翻性の作用力 が限界に達する時であろうと云う事は考え られる。 但 し. 第六図に現れた曲線は試料小麦粉のグルテ ン含有量によ ′ って多少の移動はある筈である。 第七図 の0 点と B を ′ B ′ ′ 結ぶ時、 C ,D の附近を通過する事から考察して、( , C′ D′ は身割れの現れる点) OE との交叉点 (即ち水分 ,. と糖の量 が等Lい点) でもそれぞれ近似の性質を現すも. のと認め られる。 1 =. 総. ,. 婿. lo 1 . 菓子パン生地に砂糖を添加する場合は、 砂糖 gr 「軟 ち い 即 当り裡水量 3~4gr を減じなければならな 。. 86 一.
(6) . 粉食調理・加工の握水量に影響を及ぼす諸因子の研究(第一報) / かき」の点だけに就ては砂糖の裡水換算量は3 I oであり、 / が適当である 換算量乳 操作上の便を考慮すれば4 ー o oを 。 4 0 7 %迄 / の 用いる場合は加糖の限界量は小麦粉量 oを 、 ー / 用いる場合は 60%迄となり、6 ・ oを用いる時は50%迄と. なる。 これ以上は身割れを起 し使用不能である。 但し他 に混 入物の無い場合の事である。 最適使用像 件 と し て. 名oを決定した。 2 . 生地は加篇量の少いもの程時間の経過 と 共 に 軟 化 し、 加糖量の多いもの程硬化するが、 水分と糖が等量の 位置に於ていずれにも変化を示さない。 砂糖の水分換算 0% (小麦粉の目方の)B旅近、4 / 量3 / 0の場合は加糖量4 n 1 ー. / の場合は35%附近、6 ー oの場合は30~35%附近である。 3 も、 叉不溶の場合 樫水中の砂糖が完全溶解の場合で . でも品温が同じであれば生地の軟かさに影響はない。 但. し操作中は完全溶解のものは附着損失量多く 坂 扱 い 難. L、o. 4 . 生地の 「軟かさ」、f硬さ」 の感じは材 料 の 配 合 割 合、 時間的関係ゞ 瀞 (放置)、 動 (操作中) の状態、 品 温等の組合せによる複合態である鴬捉え難いが、 取扱の 実際簾件から考慮し、 樫纏り十数分後の 「指頭で圧 して. みる硬さ」 が綜合的にみて普遍性を具えてい る と 考 え る。. ● 器具等を持たぬ研究室での可 以上は実験設備や薬品 、. 能な範囲のものであり、 参考女献も寡聞にして見当らぬ まふ暗中模索の記録の様な ものである事をお断りしなけ. な点や詳細な事項に就ては究明す ればならないる 筒不備‐ る鴬実験を続行中である。 今後更に卵、 バター等の握水. 換算量並に種々の穀粉、 豆粉混入による樽水増加量、 及 びそれらの纏.合せ混入による影響について研究 してみた. い と 思う。. - 87 一. 昭 和27 ,19 .9 ,.
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