与 え られた単位分数の和 で表せ る数 につ いて
一 数学理科 甲子園の問題 か ら一
兵 庫 教 育 大 学 大 学 院 教 育 内 容 ・方 法 開 発 専 攻 Ⅳl 1 3 1 3 5 C
学 校 教 育 研 究 科 認 識 形 成 系 教 育 コ ー ス 安納
秀
佳
目 次
第1章
1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 第2章
2.1 2.2 2.3 2.4 第3章
3.1 3.2 3.3 3.4 第4章
4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 ■obeniusの
問題 和が1未
満 となる最大 の組み合わせ Frobenius数の存在 形 式的幕 級数 形式的幕級数 の逆元 形 式的幕 級 数 と Frobeniusの 問題4
4 7 10 14 1618
18 27 29 3444
44 47 49 5358
58 64 68 72 76 77 77 80 85 複素関数 解析関数 多 項 式 有理 関数 有 理 関数 の部 分 分数 分解 幕級数 と形式的幕級数 幕 級 数 Tay10rの 定理 . L'H6pltalの 定理 幕級数 と形式的幕級数 の対応Popoviciuの
定理彙α
,b}(2)について
晨α
,b,c}(η)について
Popoviciuの定理
問題1.1.1の考察 Popoviciuの 定理の応用 4.5.l α=2の
場 合 4.5.2 α=3の
場 合 4.5.3 α=4の
場 合4.6
計算例兵庫県で,平成
18年
か ら行われている数学理科 甲子園 とい う取 り組み がある。その中で,平 成23年
に出題 された問題 に次 のようなものがある. 問題 :分数:,き,:,:,:,:,き ,3,発 を表す板(同一半径の円板 を 2∼10等分 したおうぎ形の板)がそれぞれ 2,3,4,5,6,7,8,9,10枚 ある。これ らを組み 合わせて,和
が1よ り小 さ く,で
きるだけ1に
近 い分数 の組み合わせ(つ まり円板の一部が欠けたお うぎ形で,なるべ く大 きなものを作 る組み合わ せ)を 見つけなさい。 ,,5,…・,loの い くつかで足 し合わせたとき,その和の分母は必ず2,… .,10 の最小公倍数,つ ま り,23.32.5・7=2520に
とれ るか ら,も しも ら,き,…・, 希 の うちのい くつかの和で 景易 を作 ることが出来 るな らば,そ れが求め る最大 となる。そ して,実際に 1 2 2519+百
+5=2520
とな る こ とか ら,こ の組 み合 わせ が最 大 を与 えてい る。 ところで,こ の よ うに最大値 僕器 の値 をとる和 の組み合わせ を見つ ける こ とが 出来 たの は,偶然 だ ろ うか。上 記 の問題 を,次の よ うな問題 に発展 させ て考 える。つ ま り,与え られ た 自然数 αl,.… ,αdに 対 して,そ の最小 公 倍 数 を ν とす る とき, 十 整 αd とな るような非負整数 χl,.… ,χdが
存在す るか どうか,ま た,存
在す るな らばその ようなzl,.… ,χdを 具体的 に求めるアル ゴ リズムを考 える とい う ことを,本論文の主題 とす る。 このように,本論文の主題は難解なものではなく,特 に具体的にαl,… ,αd が与 えられれば,問 題 自体 は初学者 にも理解で きるような素朴 な整数論の 問題である. 上の問題 に類似 したもの として,Frobeniusの 硬貨交換問題 とい うもの がある。これ は,額面 αl,α2,一 。,αd円の硬貨 のみが存在す る とき,こ れ ら 2 一 7 + 1 一 6 + 1 一 5 + 均 一 の + 鉤 一 鈍1
一
ν
一 〓3 の硬貨 を組 み合わせ て支払 うことが出来ない最高額 を考察す る問題であ る。その最高額 を αl).… ,αdの
Robenius数
とい う.例 えば,仮
に5円
と7 円の硬貨 しか存在 しない とすれば,11円
や23円 となる組 み合わせ は存在 しない。しか し,24円
以上 の額面 となる組み合わせ は常 に存在 し,5,7の
Frobenius数 は23となる. このFrobёniusの 問題 を考察す る方法 として,形式的幕級数がある。実 際,指定 された 自然数 の組 αl,.… ,αdに 対 して,そ の和で 自然数 ηを表す 方法の場合 の数 は,あ る形式的幕級数 の係数 を求め る問題 に帰着 で きる。 さらに,形 式的幕級数 を複素関数 と結び付 けることによ り,Frobeniusの 硬 貨交換問題 の考察 に現れる形式的幕級数の計算 は,あ る有理関数 の部分分 数分解の計算に帰着で きる。それによ り,指 定 された 自然数の組 αl,.… ,αd に対 して,そ の和 で 自然数 ηを表す方法の場合の数 を,明 示的な閉 じた式 で表す ことがで きる。例 えば,互 いに素な 自然数 α,bに 対 して,自 然数 ηを αとbの 有 限和で表す場合の数 は, 1 一% + 1 一 2 + 2 一 励+:Σ
1=
♂ぞ
―
Cた。
):Σ
計
_ ′=1 b-1 十 万 一C′α) ん=1となることが分かる。ただし
,c=cos等
+づSin等ヽO=COS等
十t Sin等 である.こ
こで,実 数zに
対 して,″ を超 えない最大の整数 を[π」と表す ことにすれば,この記号 を用いて上記の式を簡単にすることが出来 る.そ れがPopoviciuの 定理 と呼ばれるもので,それによれば,互 いに素な自然 数 α,わ に対 して,α♂≡ 1(mOd b),ろ が≡1(mOd
α)と なる自然数 ″,び を とるとき,自然数 ηをい くつかの αとらの和で表現する場合の数は と表 され る. こうした結果 を踏 まえて,冒 頭で述べた主題 となる問題 に話 を戻す。本 論文で は,α l,.… ,αaが
どの2つ
も互 い に素で ある と仮定す る。 す る と, αl,α2,一・,αdの 最小公倍 数 は αl× α2× …・×αdと なる。この とき, 1 生+聖 +…
+
αl α2 αl× α2× … ・ × αa の非負整数解 "1,χ2,…・,″dの存在 の有無 を α=2,3,4の
場合 について考 察す る. ヽ t r リ商
一
b
r り ヽ t 一 l > リ聞
一
α
r り ヽ t 一 + η 一 励 〓 均 一 Q本章で は,ま ず本論文 のテーマ となる問題 を提起 す る。それ は
,与
え ら れたい くつかの単位分数 の和で,1未
満のなるべ く大 きな数 をつ くるとい う問題で ある。この問題 に関連す るもの として,Frobeniusの硬貨交換間 題がある。これ らの問題 を扱 うための道具 として形式的幕級数 を定義 し, Frobeniusの 問題 を形式的幕級数 の問題 に書 き換 えてい く.1.1
和 が
1未
満 とな る最大の組み合わせ
兵庫県で は平成18年か ら兵庫県教育委員会 によ り,数学 。理科 甲子園 とい う取 り組みが行われている.こ の取 り組みは,高校生が数学,理 科,科 学技術等の知識,技 能 を用いて 日常生活 と関連づけなが ら科学的に問題 を 解決するとともに,論 理的に説明することによるプ レゼ ンテーシ ョンを行 い,互 いに切磋琢磨することで科学技術等 に対する興味 ・関心,意欲 ・能 力 を高めることを目的 としている。その数学・理科 甲子園の問題 において, 平成23年
に次の ような問題が取 り上 げ られた。 分数 :,き,:,:,:,:,き ,:,発 を表す板 (同一半径の円板 を 2∼10等分 した お うぎ形 の板)が
それぞれ 2,3,4,5,6,7,8,9,10枚 ある。 これ らを組み合 わせて,和
が1よ
り小 さ く,で
きるだけ1に
近 い分数 の組 み合わせ(つ まり円板の一部が欠けたおうぎ形で,なるべ く大 きなものを作 る組み合わ せ)を 見つけなさい。 △ ” ︶ 7Δ
“
︶ “
△
″
第
1章 Frobeniusの
問題 例 えば,き の板 を1枚
,:の
板 を1枚,:の
板 を2枚
組み合わせ ると2=器
=0%器
…
とな る。つ ま りこの問題 は を満た し,かつ左辺が最大 となる非負整数 α,b,… .,Jを求める問題 と言える
.ここで
,,き,1,:は :,),き,3,島のいずれかの正整数倍だから
,:+;+:+:+希
<1
となるc,∫ ,g,ん,り を考えれば十分である。 一方,6,7,8,9,10の 最小公倍数は2520だ
か ら,:+;+:+:+岳
=器
器 × 1 一 5 + 1 一 4 + 1 一 3 < j 一 10 + ん 一 9 + θ 一 8 + f 上 7 + C 一 A ︶ 十 α 一 5 + C 一 ′ 牡 + b 一 3 + α 一 0 る (1・ 1) となる非負整数の組(α,ら,C,α,C)が存在すればそれが最大 となることがわ かる。実際にはc=1,∫
=2,ク =1,ん =2,を=2と
すれば 1 2 1 2 2 25195+7+百
+5+面
=2520
とな るので,上 述の問題の解が得 られ る。しか しここで新たな疑間が生 じ る。この (1.1)式 の解が存在 したのは偶然なのか必然なのか,ま た解があ るとす るな らその解 を求めるアル ゴ リズムはないのだろ うか。つ ま り次 の ような問題 を考 えたい. 問題 1。 1。1自
然数 αl,α2,一 。,αdの 最小公倍数 を ν とす る。この とき ν -1 となる非負整数 πl,″2,…・,χdが
存在するか。また,存在 の判定法及び解 を 見つ けるアル ゴ リズムは存在す るのか. 本論文の 目的はこの問題1.1.1に対 して部分的な解決 を与 えることであ る.具
体的 には,αl,α2,…・,αdが
どの2つについても互 いに素である とし て,α=2,3,4の
場合 を考察す る. ν 〓 均 一 Q + + 均 一 の + 鉤 一 Qところで (1.1)式 の両辺 に2520をか ける と,
504e+420∫
+360g+315ん
+280」=2519
(1・動
とな る。つ ま り (1.1)式 は,(1.2)式 を満たす非負整数 の組 (θ,∫,g,ん,づ)が
存在す るかを考 える問題 になる。(1.2)式の ような正整数係数 の一次方程 式の非負整数解 に関す る問題 として ■obeniusの
硬貨交換 問題 が ある. Frobeniusの 硬貨交換問題 とは,正 整数 αl,α2,…・,αdに 対 して額面が αl円, α2円,… .,αd円 の硬貨のみが存在す るとき,こ れ らを用いて支払 えない最 高額 はい くらか を考察す る問題である.1 Frobeniusの 硬貨交換問題 を数学的 に述べ るために,基本的 な事柄 も含 めて用語 を確認す る.以
下,自 然数 とは正の整数の こととし,自 然数 の集 合 をNと
表す。また,非 負整数 の集合 をNOと
表す. 定義 1.■.2α,ろ を整数 とす る.bが αの倍数であるとは,b=α
ιとなる整数 ιが存在す ることである。 整数bが
整数 αl,α2,… 。,αdの倍数 であるとき,bを αl,α2,―・,αdの公倍 数 とい う。αl,α2,…・,αdの 正の公倍数の うち,最 小の公倍数 を αl,α2,… ,αd の最小公倍数 といい,lcm(αl,α2,…・,αa)と表す. 定義 1。1.3α ,bを 整数 とす る。bが
αを割 り切 るとは,α =bた となる整数 た が存在す ることである。この とき、bを αの約数 とい う。特 に全ての整数 は0を割 り切 る.以
下,た が αlを 割 り切 ることを たlαlと 表す. 整数 たが整数 αl,α2,…・,αdすべて を割 り切 るとき,た を αl,α2,… 。,αdの 公約数 とい う.αl,α2,…・,αdの 公約数の うち,最 大の公約数 を αl,α2,…・,αd の最大公約数 といい,gcd(αl,α2,…・,αa)と表す。 定義 1。1.4自
然数 の集合A={α
l,α2,一・,αd}お
よび η∈Nに
対 し,η が ■で表現可能である とは, η=mlαl+m2α2+…
・+mdα
a となる非負整数 ml,m2,・ …,鶴dが
存在す ることである. 定義 1。1.5 gcd(αl,・ …,αd)=1で
ある自然数 αl,.… ,αdに 対 して,αl,.… ,αd で表現可能でない最大の 自然数 を αl,.… ,αdのFrobenius数
という。 lα=2に
対 す る Fl・obeniusの硬 貨交換 問題 の結果 は定理 4.4.5に 示 してい るが,α≧ 3 にお けるFrobeniusの硬 貨 交換 問題 は α=2の
場 合 と比 べ て各段 に難 し く,広く未解決 で あ る第
1章 Frobeniusの
問題7
つ まりFrobeniusの 硬貨交換問題 とは与えられた自然数の集合{αl,… ,αa} に対す るFrobenius数を求める問題である。しか しFrobenius数の存在 は 明 らかで はないので,次節で Frobenius数 が存在す ることを示す.1.2
■
obenius数
の存在
gCd(αl,α2,・…
,αa)=1の
とき
{α l,α2,・…
,αd)の Frobenius数が存在す
ることは,次の命題 を示せ ば十分である. 命題 1.2.l gcd(αl,α2,一・,αd)=1で
ある自然数 の集合 ス=(α
l,… .,αd) に対 し,あ る_A/」 ∈Nが
存在 して ν 以上の 自然数 はすべてAで
表現可能 である. 命題1.2.1を証明す るために,以 下の準備 をす る. 補題1.2.2 gcd(P,9)=1で
ある自然数P,9に対 し,0,9,29,… 。,(p-1)gを
ρで割 った余 りは全て異なる. 証明0≦
ι<鶴
<ν かつ ι9≡ 鶴9(mOd P)と
な る自然数 ι,mが
存在す ると仮定す る と,(m―
:)9はPで
割 りきれ る.P,9は 互 い に素で あるので(m―
:)はPで
割 りきれ るが これは仮定(π 一ι)<pに
矛盾.ゆえに補題 1.2.2は成立.
□ 補題1.2.3 gcd(p,9)=1で
ある自然数P,9に対 し,あ る νcNが
存在 し て ν 以上の任意 の自然数 はP,9で
表現可能である. 証明 0,9,29,….,(p-1)9は
P,9で表現可能であ り,か つそれぞれがp9未
満である.ま
た補題 1.2.2よ りρで割 った余 りがそれぞれ異な る.よ
ってP9以
上の任意 の 自然数 ηに対 し,η ≡ Ⅳ (mod p)かつ Ⅳ<p9を
満た し P,9で表現可能な 自然数 Ⅳ が存在す る。(実際0,9,29,_:,(p-1)9の
うちp で割 った余 りが ηをpで
割 った余 りと等 しいものを Arに 選べ ばよい.)ゆえにη
=Ⅳ
+pS(SCヽ
と表せるのでηは
P,9で
表現可能である
.つ
ま
り,p9以
上 の任 意 の 自然数 はP,9で
表現 可能 で あ る.
□ 系 1.2.4 gcd(P,9)=αで あ る 自然数P,9に対 し,あ る νcNが
存 在 して, Aイ以上 の αの倍 数 は2,9で表現 可能 で あ る。証明 gcα
(P,9)=dよ
りp=グ
,9=α
グ とお くとP′,グ は 自然数 で, gCd(p′,ゲ)=1と
な る.よ
って補題 1.2.3か らあ る 自然数 ν′が存在 し て,ν
′以上の任意の自然数 はp′,グ で表現可能である.こ こで αν′=ν
とお き,M以
上かつdの
倍数である自然数 ηを η=αsと 表す(s∈ N)・ こ の ときη≧ ν よ りごs≧ αν′である。αは自然数だか らs≧ ハイ′である。ゆ えにsは
ノ,│′ で表現可能 となるので,s=ノ
α+g′b(α,b∈ No)と表せ る。 したがって ごs=ф
′α+α9′b=pα
+9bで
ある。よって αの倍数で ν 以上 の自然数 はP,9で
表現可能である。□ 補題
1.2.5自
然数 鶴,ηに対 して m,η の公倍数 は 鶴,ηの最小公倍数 の倍 数である. 証明 Ⅳ を m,η の最小公倍数 とし,Mを
m,η の公倍数 とす る。ここで ν が正 としても一般性 を失わない.ν
が Ⅳ の倍数でない と仮定す ると,自然 数Tと
0<υ
<Ⅳ
なる自然数 υを用いて ν=_7vT+υ
とおける.ν
)Ⅳ は π,η の倍数 なので,υ=ν
一ⅣTよ
りυ は m,η の公倍数である。こ こで0<び
<Ⅳ
よ りⅣ の最小性 に矛盾.ゆ えに補題 1.2.5は成立.
□ 補題1.2.6自
然数 αl,α2,…・,αdよ に対 して たl gCd(αl,α2,…・,αd)で あるこ とは,た が αl,α2,…・,αdの 全て を割 り切 るための必要十分条件 である. 証明 gcd(αl,α2,…・,αd)=mと
お く・ (十分性 の証 明)た1鶴 と仮定 して 鶴=たc(c∈Nと
お く・gcd(αl,・…,αa)=
mよ
り,任
意 の を(1≦
づ≦ α)に対 して α,=π
bj(b二 ∈ ヽ とな るか ら αj=た
cbJであ る。よって たlαjが成 り立つ. (必要 性 の証 明)任
意 の を(1≦ を≦ α)に 対 して たlαぅと仮 定 す る。 こ の とき,gcd(αl,α2,・ …,αa)=η
よ りmlαこで あ る.よ
って αをは たとmの
公倍 数 で あ るか ら,補題 1.2.5よ りQは
lcm(た,m)の
倍 数 で あ る。つ ま り lCm(た,m)は
αl,α2,・ …,αdの公 約数 で あ る。 こ こで,lcm(た,m)は
mの
倍 数 だ か らlcm(た ,鶴)≧ η で あ るが,lcm(た,m)>mと
す る と 鶴 の最 大性 に矛盾.したが つてlcm(た,m)=mよ
りたlmで
あ る.
□ 補題1.2.7自
然 数 αl,α2,・ …,αa,αa+1に 対 し, gCd(gCd(αl,α2,一・,αd),αd+1)=gCd(αl,α2,一・,αぁαd+1) が成 り立つ.第1章
Frobeniusの
問題9
証明 たを自然数 とする。この とき,補題1.2.6よ りたlgcd(αl,α2・ …,αイ),たlαa+1 であることは たlαl,一,たlαd,たlαd+1で あることの必要十分条件 である。し たが って補題1.2.7は成 り立つ.
□ 命題 1。2.8 gcd(αl,α2,一・,αた)=α
である自然数 αl,α2,…・,αた(た ≧ 2)に 対 し,あ る ハイcNが
存在 して,αの倍数で ν 以上の自然数 は αl,α2,・ …,αた で表現可能である. 証明2以
上の 自然数 たに対す る数学的帰納法で証明す る。 (1)た=2の
とき 系1.2.4よ り成立. (2)た=s(Sは 2以
上の 自然数)の とき命題 1.2.8が成 り立つ と仮定す る . た=s+1の
とき gCd(αl,α2,・ …,αs)=α
,gCd(αl,α2,・・,αs,αδ+1)=α
′ とお くと補題1.2.7よ り♂=gcd(α,αs+1)で ある.よ って系1.2.4よ り, M′cNが
存在 して,M′ 以上のd′ の倍数 は αとαs+1で 表現可能 (1.3) である。また,帰納法の仮定か ら A/f∈Nが
存在 して ハイ以上の αの倍数 は αl,α2,… "αSで 表現可能 (1.4) である.こ こで ν″=ν
′十dν とおき,ν″以上の♂の倍数はαl,α2,…・,αs+1 で表現可能であ ることを示す。実際,ν
″以上の α′の倍数 を η″とすると, η″― αν ≧ ν″―αν=ν
′である。 またdも
η″も ♂ の倍数 だか ら η″一 α』イは ♂ の倍数 である。 よって(1・3)よ り,非
負整数 ∬,ν を用 いて げ′―αν=″
α+ν αs+1と 表せ る.つま り η″=(M+″
)α+ν αs+1 (1・
5) である.さ らに α∈N,″ ≧0よ りα(1イ +π)≧ Лイだか ら(1.4)よ り非負整 数 ■1,"2,・ …,χsを 用 いて (ハイ+Z)α=χ
lαl+"2α2+…
・+″sαs とな る.した が つて (1.5)式 ,(1.6)式 よ り (1.0 η′′=∬
lαl+χ
2α2+…
・+χsαs+ν
αs+1となるので
,A/f″以上の♂の倍数η″は
{α l,α2,・…
,αぉ
,α,+1}で表現可能で
ある
.すなわちた
=s+1の
場合も成り立つ
. (1),(2)よ り,た が2以
上の 自然数 の とき命題 は成 り立つ. □ 命題 1.2.8に おいて,α=1と
すれ ば命題 1.2.1が 成 り立つ.よ
って, ■obenius数 の存在が証明 された。 ■obeniusの 硬貨交換問題 において硬貨の種類が多い とき,与え られた 硬貨の種類 αl,α2,一 ,αdに 対 して,Frobenius数を求めることや,与え ら れた 自然数 Ⅳ を表現す る方法が何通 りか,つ ま りⅣ=鶴
lαl+…
・+π
dαd となる (ml,… ・,nd)の
組 の数 を求めることは非常 に難解であ ることが知 られてい る。しか し,硬貨が2種
類 または3種
類 の場合,与え られた数 Ⅳ を表現す る方法の数 は明示的な閉 じた式で求めることがで きる.特
に2種
類 の場合 に関 して は,Popoviciuの
定理 によって非常 に簡単 に求め るこ とがで きる.こ ういった硬貨の種類が2種
類,3種
類 の場合 については4章
以降で考察す る.本論文ではこれら
Frobeniusの硬貨交換問題の結果を応用し
,先に挙げた
問題
1.1.1について考えたい。
そのためにまず
,この章の後半では
Frobeniusの硬貨交換問題を形式的幕級数の問題として書き換える。
1。3
形式的幕級数
Cを
複素数 の集合 とす る. 定義 1.3。1以
下zを不定元 とす る.数列 (%)胆0(αづ∈C)に
対 してFレ
)=Σ
Qノ =αo+α lz+α
2Z2+…
づ=0 とい う形式的な式 を考 える。(1.7)式を不定元zの
形式的幕級数 とい う。こ の時点で形式的幕級数 とは数列の単なる表記法の一つにす ぎず,級 数や極 限で はない ことをことわ ってお く.そ
のため,zに
具体 的な数 を代入す る ことは当面考 えない こととす る. 以下,形式的幕級数 と関数 を区別す るために,不 定元zの
形式的幕級数 を F(z),G(Z),〃 (Z),一・,ま た ,zを 変 数 と す る 関 数 を ∫(z),g(Z),ん(Z),… とい うよ うにそれ ぞれ 大 文 字,小 文字 で表記 す る こ とにす る. (1.つ第1章
Frobeniusの
問題 全ての形式的幕級数 の集合 を と表 す.2つ
の形 式的幕級数Fレ
)=Σ
Qノ,α
→=Σ ♭
`Z. t=0 を=0 について これ らが等 しい,つ ま りF(z)=θ
(Z)で ある とは,任 意 の を∈閻 について αt=bJが
成 り立つ ことである。定義
1。3.2 CIレ]]の元どうしの加法
,乗
法を次のように定める。 まず
, F(Z),G(Z)を C[レ ]]の元 と し 。 F(Z)=Σ 鷹 。α:Zを 'C(Z)=Σ 胆 ObぅZ。 と お く. この ときF(z),C(Z)に 対 して,1.F(Z)と
θ(Z)の 和 をFO)+GO)=Σ儘
+bめZ多 を=02.数
列
{pπ}凝0を Pれ=Σ
肛
0%bれ一
。として
F(z)とσ
(Z)の積を
Fレ
)θレ
)=Σ
■
Z t=0 と定める。 こ の と き,F(Z)+θ (Z)=θ (Z)+F(Z),F(Z)θ (Z)=σ (Z)F(Z)が 成 り 立 つ こ とは明 らかで あ ろ う. 多項 式P(z)=α o+αlZ+―
・+αηZれ は,(η+1)次
以 上 の項 の係 数 を0 と考 える ことに よ り,形式 的幕級数C[レ]]の元 と考 え る こ とが で きる。そ して2つの多項 式 について,そ れ らを多項 式 と して和,積を とった もの と, それ らを形 式的 幕 級 数 と して和,積を とった もの は一致 す る。この よ うに 形 式的幕 級 数 同 士 の演 算 は,多 項 式 同士 の演算 の拡張 と言 え る. 定理 1。3.3F(z),θ
(Z),∬(Z)をzの
形 式 的 幕 級 数 とす る と き,次
が成 り 立 つ. ヽ 1 > ︰ リ C ∈ α Z α ∞ Σ 祠 / 1 I ノ ヽ︰ ︱、 〓 Z C1.
F(Z)+(G(Z)+∬
(Z))=(F(Z)+G(Z))十
〃(Z) (1・
8) 2. F(z)(G(Z)∬ (Z))=(F(Z)θ (Z))∬(Z) (1・ 9) 証 明 F(z)=Σ 経 O αjZt,θ(Z)=Σ 延Obノ ,〃 (z)=Σ 鷹 。CtZJと お く・ 1.Цa+じレ
)+〃 lzl)=Σ
Qノ+Σ
偽
+の
ノ
:=O t=0=Σ
E幌
十
bを+の
メ
t=0=Σ は
+bDノ
+Σ
Qノ j=0 '=0=(F(Z)+θ
(Z))+ff(Z) \ 、 ︲ ′ ノ π Z \ l l ノ 一 π C b η Σ 同 / ′ ︰ ヽ \ ∞ Σ 祠 / ′ ′ ︰ ︲ ︲ ヽ 、 ヽ 、 ︲ ′ / Z α ∞ Σ 同 / ′ ! ヽ ヽ る 〓¨ ″
一和
<・・8>式︲ま
・口
岬
り 9 よ に 2ここでΣ
l=Obんら ん
=pπとおくと
′ ′∞
Σ
T
Σ
T
Σ
T
Σ
祠
一 一 一 一 一 一 一 一 Z ∬ Z θ Z F13 第1章
Frobeniusの
問題 次 に (1.9)式 の右辺 を変形す る。 ヽ 、 ︲ ′ / Z C ∞ Σ 画 / ′ ︲ l \ ヽ 、 ︲ ′ / ヽ 、 ︲ ′ / η Z 一 π ム υ α羹
朦
/ 1 1 、 と 一 一 % a 〓H
赫
レ 録r
〓
o
時
Σ
r ヽ で こ こ の □ せ わ ︿ 口 み 組′
′
轟
橘
く・
硫一
裁
鳴
0 そ ″ はm
悧
F z < て つ よ ア ﹂ 題 1 . 命 を0と表 す 。この ときF(Z)+0=0+F(z)=F(Z)
が成 り立 つ.2.Σ
凝。
(―C)ンを
一F(Z) と表 す。この ときF(Z)+(―
F(Z))=0
が成 り立つ. 3.F(z),G(Z),∬ (Z)CC[[Z]]と す る。この とき F(Z)(G(Z)+〃 (Z))=F(Z)θ (Z)+F(Z)〃 (Z) (F(Z)+θ (Z))∬(Z)=F(Z)Jf(Z)+θ (Z)rf(Z) が成 り立つ. 4.α。=1か
つ αO以
外の係数 の項 が全て0に
な る形式的幕級 を 1と 表 す。この とき F(Z)・1=1・
F(z)=F(Z)
が成 り立つ.ここでは詳細は述べないが
,命題
13.4は
CIレllが“環
"となることを
示 して い る。1.4
形式的幕級数 の逆元
多項式同士の積では次数が増加す ることはあつても,減少す ることはな ぃ。しか し,形 式的幕級数で は減少す る場合がある.例えば, (1-Zα )(1+Zα +Z2α+.…
)=1
(1・1の が成 り立つ.実 際,(1.10)式 は以下 の ように積 の各次数 の係数 を計算する ことで確 かめ られ る。 (1-Zα )(1+Zα +Z2α +.…)=1+(1-1)Zα
+(1-1)Z2α +.…
=1 定 義 1。 4。lF(z)∈
CllZ]]に 対 し て,F(Z)θ(Z)=1と
な る σ(z)∈ CIレl]を F(z)の逆 元 とい い F(Z) 1と表す。
ただし
,CI[ヨ]の全ての元に対して逆元があるわけではない
.第
1章 Frobeniusの
問題 定義1.4.1よ り(1.10)式 は次 の ように表 され る。 (1-Zα) 1=1+Zα
+・ …(1.11)
補 題1.4.2F(z)=Σ
鷹。αじZを C Clレl]とす る。 この と き,F(Z)が
逆 元 を もつ た め の 必 要 十 分 条 件 は α。≠0で
あ る。 証明 (必要性の証明)F(z)G(Z)=1を
満たす σ(z)=Σ
鷹0仇´ ∈CIレl] が存在すると仮定すると,F(Z)G(Z)=α obo+(α obl+α lbO)Z+(α ob2+α lbl+α 2bO)Z2+.…
=1 よって αob。
=1よ
りαO≠0で
あ る. (十分性 の証 明)α。≠0と仮 定 す る.G(z)=Σ
延。btZtが F(z)θ(Z)=1
を満 たす ためのb。 の条件 は αOb。=1 (1.12)
αObl―十αlbO―_0
αOb2 +αlbl―■α2bO 0 αobん +αlbた_1+…
・=0 (1・
13) で あ る。ここで(1・13)式 において,bた の係数 は α。で あ り,そ れ以外 の G(z) の係 数 はb。,bl,.… ,bた 1が現 れ る.よ って(1・12)式 か ら順 にbO=上 ,bl
α
lb0 α0 0oと
,全ての式を満たすように
bん(た=0,1,… )を定めることができる
.□
系
1。4.3F(z)∈
CIレ]]に対し
,F(z)1が
存在すればただ
1つ. 証 明 F(z)θ (Z)=F(Z)∬ (Z)=1と な る θ(z)=Σ 鷹Ob,Zを,〃(Z)= 15Σ程。
QZづが存在すると仮定すると
,αob。 __α
OQ
αObl―■αlbO__αOcl―+αl C0
(1・
10
(1.15) αObん +αlbた_1+.…
=αOCん +αlCた_1+・ … である.補
題1.4.2よ りαO≠0で
あるか ら,(1.14)式 においてbO=c。
が 成 り立つ。次 にb。 =c。 を (1.15)式 に代入す ると,同 様 に してbl=clが
成 り立つ.したが って (1.14)式 か ら順 にbO=cO,bl=Cl,.…
を代入 してい く と,仇 =Cづ(づ ∈No)となる.よって θ(z)=〃
(Z)で ある。□ 1。
5
形式的幕級数 と■
obeniusの
問題
定義 1.5。1自
然数の集合 ス=(αl,α2,…・,αd}と
η∈NOに
対 し,L(2):=#{(鶴
1,m2,・ …,鶴d)∈ NOdl鶴lαl+m2α2+…
・+π
dαd=η
} と定める。つまりF資(η)とは,ηが/1で表現可能でないとき0で あ り,ηが ス で表現可能な ときその表現の場合の数,つまり mlαl+m2α2+…
・+mdα d=η
を満たす (ml,m2,… ・,ma)の
組 の総数である. 命題 1.5。2自
然数 の集合 ス=(αl,α2,… ,αa)に 対 して,次 が成 り立つ.Σれし
)Zn=け
zQ)1←
―
Zの)1-←
―
ZQ)1
れ=0 証明1≦
た≦dの
各 自然数 たに対 してい一
Zり
1=Σ
月
ウ
ニ=1 とお くと, (1-Z° 1) 1(1-Zα 2) 1._(1-Zα a) 1 (1・10
Z d a p ∞ Σ 脚 Z p ∞ Σ 卿ρ
∫
:)Z'1∞
Σ
[
∞
Σ
祠
一 一 〓武甍
P
π Z ヽ ︱ ︲ ︲ ′ ノ ハ リ d p ,'aCNo +をd=0第
1章 Frobeniusの
問 題17
を得 る。こ こで(1・11)式よ り (1-Zαん) 1=1+Zα
た+z2α た+.…(1・
17)である
.よってρ
∫
°は
孤
た
)={: │:l::│:[:》
は
な
い
) である。したが つてΣ
武甍
P一
月
P
'1,'2,―,taCNo '1+ +'d=2 d=#{ILめ ,…
り∈
NodttP=lo=1,a…
っの
,Σ
れ
=η
} λ=1 d =#{(づ1,j2,一・
,づd)∈ NOdlづた
=αλ
mた(∃鶴た∈
NOユ
=1,2,… .,α),Σ
を
た
=η
} た=1=#{い
1,m2,一。
,鶴d)∈ NOalmlαl+m2α 2+… ・十
mdαd=2)
=み
(2) □ とな る.L(η
)を 求 め る問題 は形 式的幕級数 として,(1-Zα
l) 1.… (1-Zαa) 1 の係数 を求 め る問題 にな った.こ の (1.16)式 か ら′2(η)を ηに よって 明示 的 に示 す式 を求 めた い。そのた め には形 式的幕級数 と して扱 って い るだ け で は不十 分 で,こ の Σ 准 。ね (η)Zれ を “解析 関数 "と して捉 え る必要 が あ る.そこで ,次 章 で解析 関数 について考察 す るこ とにす る.第
2章
複素関数
素菖豪軍塚:姦
碁膏理留[ζ
lこ£翼抒]1:ま
[R、
よrft倉
言理畠褒 を扱い,P/1(η)の 値 を求め るための準備 として,任意 の有理関数が特異部 と定数 の和 に部分分数分解で きることを示す。2.1
解析 関数
まず,Cか
らCへ
の写像 ∫(複素関数)について考 える.な
お,こ こでは v⊆1を をと書 くこととする.z=χ
+をν∈Cに
ついて ∫(Z)は ∫(z)=R£
(∫(z))+jlm(∫(Z)) というように実部 と虚部に分けて考えることができる.このとき,Re(∫(z)),Im(∫(Z)) はともにzの関数,つまり,zの実部 πと虚部νによって定まるか ら,Re(∫(z)),Im(∫(Z)) をそれぞれ 鶴(π ,ν ),υ (χ ,υ)と して, ∫(″+り
)=υ
(",ν)+υ(",ν)j と書 くことができる.こ のように複素関数は2つ の2変
数関数 と考 えるこ ともできる. 以下,zは
複素数の値 をとる変数 として用いる。 定義 2.1.1∫ をCか
らCへ
の写像 とし,α ∈Cと
する。ただ し,∫ はC
全体で定義 されている必要 はな く,z=α
の近 く(z=α
を中心 とす る ある円板上)のz=α
以外の点で定義されていていればよい。この とき, ∫(Z)がZ=α
で極限値AcCを
もつ とは,任意の正数cに対 し,ある正数 δが存在 して, z≠ αの ときlz― αl<δ ならば│∫(z)― ス│<C
第
2章
複素関数19
を満たす ことである。この とき,極限値 スを lim/(Z) と表す。 定義 2.1.2∫ をCか
らCへ
の写像 とする:た
だ し,ノ はC全
体で定義 さ れている必要はな く,あるR>0に
ついてlzl>Rの
範囲で定義されてい ればよい。この とき,∫(Z)がZ=∞
で極限値 スcCを
もつ とは,任 意の 正数6に対 し,ある正数Dが
存在 して,lzl>Dの
とき│∫(Z)―ス│<(
を満たす ことである.この とき,極限値 スをhm∫
(Z) z―,00 と表す. 定理 2.1.3ノ,ク をCか
らCへ
の写像 とし,α ∈Cと
する.∫(z),θ(Z)のz=α
における極限値が存在するとき,極限値の演算について次が成 り立 つ(α は∞ でもよい). 1.limz→α(∫(Z)+g(Z))が
収束 して limz→α(.′(Z)+θ(Z))=hmz→
α∫(Z)+limz→αg(z)が成 り立つ . 2.limz→α(∫(Z)g(Z))が収束 してlimz→α(∫(z)g(Z))=limz→α∫(Z)limz→αθ(Z)が成 り立つ.
3.hmz→
α
∫
レ
)≠ 0のとき
,hmz→α
器が収束して
hmz→α
;需=器
究詈
8が
成り
立つ。
証明は省く
.詳しくは
Plを参照
.定義
2.1.4∫を
Cか
ら
Cへ
の写像とし
,α∈Cと する
.∫(z)がZ=α
で
連続であるとは
,∫(Z)が lim∫(Z)=∫(α) z→α を満 たす こ とで あ る.定理 2.1.5∫ を
Cか
らCへ
の写像 とし,z=″
+ν
り,(■,ν ∈ 叫 α=
α+bj(α ,b∈R)と
する。∫(″ +づν)=鶴
(π ,υ)+υ
(π ,ν)づ がZ=α
で連続で あるための必要十分条件 は,υ(χ ,ν ),υ (・ ,ν)が ともに(α,b)で連続である ことである。証明は省く
.詳しくは
p]を参照
.定義
2.1.6∫を
Cか
ら
Cへ
の写像とし
,α∈Cと する
.∫が
z=α
で微分係数αを持つとは
,α
=lim」
(Z) ∫(α) Z→α Z― α となることである.こ の とき αを点のま
日ま
勇o
と表す. 定義 2。1.7αcCと
する。αの近 くで定義された複素関数 ∫(z)がZ=α
で 解析的であるとは,∫(Z)のz=α
における微分係数が存在す ることであ る.ま
た,χ ⊂Cに
対 して χ 上で定義された複素関数 ∫(z)が χ 上の解 析関数であるとは,∫(Z)が任意の α∈χ で微分係数 をもつことである. 定義2.1.8C上
の複素関数 ∫が解析的のとき,各zに
∫のzで
の微分係 数を対応 させ る関数を∫
′
(z)または
と表し
,∫の微分または導関数という。
∫″(z)または と表 し,∫ の第二次導関数 という。一 数を∫
(π)(Z)または
(携
)π∫
(Z) と表 し,∫ の第 η次導関数 とい う。特に ηが2以
上の導関数 を高階導関数 という。さらに η=0の
ときは∫
(°)(Z)=∫ (Z) 関 素 複 る き を で加
︺
矛
ψ
/ 1 ヽ 、 脚 とする.第
2章
複素関数21
補題 2.1。9χ
⊂Cと
し,∫をχ からCへ
の写像 とする。このとき,∫がα∈ χ で解析的な らば ∫は α∈Xで
連続である. 証明 lim∫(Z)一∫(α)=α
Z→α Z― α とお くと(α は複 素数),魁げ
②―
∫
0)=魁
牛をメレー
の
=lim∫
(Z)一∫
(α】
lim(z_α) Z→α Z― α Z→ α=α
・0=0
となる
.よって
limz→α∫
(z)=∫
(α)より
,∫(z)はZ=α で連続である
.□
定理
2.■。
10χ
⊂Cと し
,∫,クをχから
Cへ
の写像とする。∫
,gがどちら
もχ上の解析関数であるとき
,次が成り立つ
. 1.∫ (z)土 g(z)は解析的である
. 2.∫(z)g(Z)は解析的である
. 3.g(z)≠0の
とき
,あ
は解析的である
.証明
α∈
Xと
する。
1.=(Ψ
+T)
魁
(1今
嚢響
+壁
笑挙
2)=兜
Ψ
+兜
禦
=∫
′(α)+g′(α) なス理 ∫(Z)+g(Z)の
z=α
での微分係数は存在 し,任意のz∈ χ に (∫(Z)+θ(Z))′=∫
′ (Z)十ク′(Z) が成 り立つ.(∫(Z)― ク(Z))′ についても同様.2.
つ
0
∫
0ズ
の一∫
090=Д
agO―
∫
oズ
の
+∫0ズ
の一∫
Og0
Z一 α Z α
=(Ψ
嗣
+禦
バ
→
で あ る。こ こで,補題2.19よ り魁∈等努⊇
gO+θ
°
ズ
の
∫
lal)=魁
Ψ
ttgO+魁
髪
=響
兜∫
lal =∫′
(α)ク(α)十g′(α)∫(α)よつて
.f(Z)g(Z)のz=α
での微分係数は存在し
,任意の
z∈χにつ
い て (∫(Z)ク(Z))′=∫
′ (Z)g(Z)+∫(Z)ク′(Z) が成 り立つ. z― α(Z―
α)θ(Z)g(a) ,(Z)一 θ(a)ク
(aズα
) で あ る。こ こで,定理 2.1.3(3)よ り _θレ)一,(a) limz→ α―訃魁 π 能 ァ
=hmz→
α
gOglal
一g′(α) (g(α ))2 よって デ万のz=α
での微分係数 は存在 し,ク(z)=0と
なるzを除 く任意 の z∈ χ について(あ
)′=″
□ が成 り立 つ。あ―満
gし
)一ク
レ
)第
2章
複素関数23
系 2.1。1l
χ ⊂Cと
し,∫,gを χ か らCへ
の写像 とする.∫,ク が どち らも χ 上の解析 関数 である とき,次 が成 り立つ。 1・湯
(∫(Z)土 g(z))=∫′
(Z)土g′(z)2.湯
(∫(″)ク(Z))=∫′
(Z)g(Z)+∫(Z)g′(Z)3.務
満
=覇
券欽∫
(Z)≠0の
範囲で成り
立つ
.) ところで,複 素関数 ノ("+り
)=Z(χ
,ν)+υ
(χ ,ν)を とい う表示について 考えると,定理2.1.5から,包(χ ,ν ),υ (χ ,ν)が それぞれ連続ならば ノ(π十づν) も連続であった。しか しなが らυ(χ ,ν ),υ (π ,ν)が%,ν で微分可能であって も,必
ず しも ∫(″ +づν)が
解析的であるとは限 らない.υ(χ ,ν),υ(",ν)が
χ,り のそれぞれについて微分可能であるが,ノ(″+をν)が解析的でない例 を 以下に示す。 例2.1.12複
素関数 ∫(χ +jν)=Z(χ
,ν)+υ
(″ ,ν)を に対 して し(π ,ν)=
"2,υ(%,ν)=ν
2とする。この とき ,υ(χ ,ν),υ(",ν)は ",ν について微分可 能であるが,∫(″ +をν)は α≠bなる α=α+bり において解析的でない. 実際にこれを確かめるために,ん=π
+νj,α=α
+bjと
お く。∫のz=α
での微分係数 を考える.∫
(α+ん)一∫
(α) (2.1) α+ん ― ααα
+→ 2+●
十の
2の_02+b句
″+νを (2αχ+"2)+(2bν
tt ν2)j "十 νZ _((2αχ+χ2)十 (2bν +ν 2)づ )(χ ― νを)(″
+νづ)("一 νJ) _(2α"2+π
3+2bν2+ν
3)+(2b″ν+"ν2_2α
″ν一 ″2ν)を ∬2+ν
2 上 式 を用 い て,(π,ν)を (0,0)に近 づ け る 方 法 と して 次 の2つ
を考 え る と χ=0,ν →0の
と き∫
(α+0+υ
づ
)一∫
(α)=:咄
Ψ=2b
︲i m仰
●・
動
(α+0+ν
j)一 αν=0,χ →
0の
とき鳳 畿 ポ ギ 鏃 穿
生
=鳳
墜
宇
旦
=2αO.助
となる。ここで定義
2.1.2と定義
2.1.7より
,∫(χ+jν)がZ=α
で解析的で
あるならば
,lχ +νJIが十分
0に近いとき
(2.1)式は
1つの値に近づかなけ
ればならない。しかし
(2.2),(2.3)は,α≠
bのとき
(2.1)式が
1つの値に
定まらないことを示している。つまリノ
(%+jν )の"+り
=α +bjに お
ける微分係数は存在しないことになる
.したがつて複素関数 ∫
("十 jν)は,α≠
bとなるα
=α
tt bjにおいて解析的でない。
このように
,複
素関数は微分係数について考えると,2つ の2変数実関
数とは本質的な違いがでてくる
.解
析関数は
,実部と虚部が微分可能なだ
けでなくそれ以上の性質を有しているのである
.定理
2。 1。13η 回微分可能な複素関数
1ノ(z),g(Z)に対して
,次が成り立つ。
た だ し0≦ た≦ ηとな る た,η ∈NOに
対 して (1)は2項
係 数 で (l)=満 である. 証明 数学的帰納法で証明す る。 (1)η=1の
とき よって η=1の
とき,命題 は成 り立 つ. (2)η=鶴
のとき命題が成り立つと仮定する
.(π∈ヽ
g 一 れ ∫ \ l l ノ η た / ′ ︰ ヽ \ り Σ 同 〓 g F J π ヽ 1 , ノα
一
ル
/ l l \ g 一 ∫ ヽ l l ノ ー た / 1 \ ・ ▼ ん 同 〓 g ∫ + ク ∫ 〓 θ ∫ ヽ ︱ ′ ノ α 一 ル / 1 1 \ 1系 3.2.2で 後述す るように,1回微 分 可能 な複 素 関数 は何 回で も微 分 可能 で あ る。5 2 > + g
ノ
一
り
・
1
+ 一 十 一たり
叩
菰句
工︺
成
一﹂
I ダ 叶¨
一副
端
げ
︹
ハ
句
ノ
>
け
れ
は 0 ∫ し メ +い
[
m
ダ
第
η
一
一
一
一
〓
た 一 1 ヽ ︱ ノに
解
〓 とな る.よ って □け
り
, 一 0 コ r ′ ″ π ・ な い と定理
2.1.14π
を2以
上の自然数 とし,■(Z),ん(Z)・ …,/鳥(Z)を η回微分 可能な複素関数 とする。このとき次が成 り立つ.(携
)ηげ
1∫2-・■
γ
D=け
り
,1たれ
=2た11わ │.…た
が
夕
)∫同…∫
∈
紛
た1,た2-,んm CN0 証明mに
関す る数学的帰納法で証明す る. (1)η=2の
とき,定 理2.1.13よ り紛
π
帆
力
=自
のオ
・ ′
=Σ
詰月
の
だ
°
ι+ん=2 ι,たcヽ0 である。よってm=2の
とき,命題 は成 り立つ.(2)m=ι
の とき,命題が成 り立つ と仮定す る.(ι は2以
上の 自然数.)m=ι
+1の
とき,定 理2.1.13よ り儀
)n帆
か珊
J―
か硼十
J→
=自
の帆
か…
が叶
°
濯
帰納 法 の仮 定 か らき
C)帆
ん
―
・
が°
ぶ
?
=社
Ⅲ
2昆
ι
…
扇 芦 爾
月
°
月
り
.…ガ
リ
ん絆
た,た1,た2, ,たICN0 よってm=ι
+1の
ときも命題 は成 り立つ。 (1),(2)よ り,2以
上の任意 の 自然数mで
命題 は成 り立つ.
□第
2章
複素関数 2。2
多項 式
Cの
元を係数とする
zに関する多項式の集合を
Cレ1と表す
. 定理 2.2.■ αたCC(た =0,1,…・,η)を 係数 とす るzの
多項式P(z)=α
o+
αlz+…
・+αnZπ について,次 が成 り立つ。1.多
項式P(z)は
C上
の解析関数である. 2.P′(z)=αl+2α
2Z+…
・+η
αっZれ 1で ある. 証明1.微
分係数,極 限値 の定義か ら容易に確かめ られるように,定数 αんは導関数0の
解析関数であ り,∫(z)=Zは
導関数1の解析関数で ある。よって,定 理2.1.10よ り解析関数 同士の積,和 は解析関数であ るか ら,P(z)は
C上
の解析関数である. 2.∫(z)=Zつ の微分 を考 える.鳳
生
イ ト
型
=鳳
=li瑞 ((Z+ん)°1+(Z+ん
)"2z+…
.+Zπ 1) =η Zπ 1 よって,2.1.11よ りP(z)を各項毎 に微分 して2.を得 る。□ 複素数 は
2次
方程式の解が常 に存在す るよう,実 数か ら拡張的 に構成 さ れた数の集合で ある.複
素数 まで数 を拡張す ると,2次
に限 らず何次方程 式であつても解が存在す ることが知 られてお り,これを代数学の基本定理 とい う.(証明はp]を参照.) つ ま り次 が成 り立つ。 定理2.2.2任
意 の多項 式P(z)=Σ
l=Oαたノ ∈Cレ](αη≠0)はαl… ,α,・ ∈Cを
用 い てP(Z)=α
れ(Z― αl)―・(Z― απ) と因数 分解 で きる.この とき,αl,α2,…・,αれがP(Z)=0の
解 とな る. 上記 の定理 に よって,1次
以 上 の任 意 の複 素数係 数 多項 式 は1個
以 上 の 零 点 をもち,か つ因数 分解 で きる こ とが保 証 され る. 27て ↓ り い 0 9 用 を Z
凡
式
の
効
項 ≠ 一 く彬
胸
の
﹃
は じ羽
ば
れ
萌
, α 一 .こ ヽ ノ . Z る ′レ z “ ぃす
R
‘
、
ヽ
︱
ノ
鮭
が
半
げ
都
零 一 oの
し
ヽ
H
一
一
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位 一 一 2 .︲ 0p
羽
赳
裂
ス
で
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置
”
成 明 表 が 証 と 定義 2.2.3α,αl,.… ,αっ ∈C(α ≠ 0)と す る。 多項式P(z)=α
(Z― αl)・ …(Z―απ)に対 し,α l,.… ,απをP(z)の 零点という。また,αl,…,αれ の中にα」と同じ値が ん個あるとき,αプをP(z)の 位数 んの零点 という。ま た,このときれを P(z)の 零点 αプの位数 ともいう。 命題2.2.4多
項式P(z)∈ Cレ]に対 し,α を P(z)の 零点 とする.こ のとき(α
の位数
)=min{づ∈
No10≦り
,PO(α)≠ 0}で あ る.こ こで であるか ら ん ん ん < 一 一 > た た た 一 ん α 一 Z + た 一 ん 一 ん ん ん 0 r l り ヽ l t 〓 ん α 一 Z ん ヽ 1 ′ ノ α 一 彬 / f l \ ん ん ≠ 〓 た た > < < ん ︱ ・ < 0 0 ん o ′ ≠
r
〓く
報
に
叩
︱ ︱ ︱ し 0 んニ
ル
●
/ 1 ヽ て つ カ た し る な と □ よ り,主 張 は正 しい.第
2章
複素関数 2。3
有理 関数
定義
2.3。1有
理関数
R(z)とは
,多項式
P(z),の(Z)∈ Cレ]を用いて
Цa=器
Oの
と表される関数のことである。ただし,(2.6)式の表記においてはP(z),の(Z) は共通因数 をもたない多項式であることを暗黙の前提 とし,P(Z),C(Z)が
共通因数 をもつ場合は,約 分 したものを改めてP(z),の(Z)と表す とする. この ときR(z)は
の(Z)の零点を除 くzcCで
定義 される。砺λ
ttL]践
嘉曇
ξ
孵 税 鵬夕を
11饗
∬嬌
の零点 αの位数 の こととす る. 定義2.3.3有
理関数R(z)=6紛
について1.α cCが
R(z)の
極 で あるとは,α が の(α)=0を
満 たす ことで ある。2. R(z)=髪
分の極 αの位数 は,c(z)の
零点の位数 とす る. 定理 2.3。4有
理関数R(z)に対 し,次 が成 り立つ。1.Ц
z)の極以外の点で
R′(z)が存在し
,R′(Z)も有理関数である。
2.P(z),R(Z)は 同じ極をもつ。
αがス
Z)の極であるとき
, (R′(z)の 極 αの位数)=(R(Z)の極 αの位 数)+1 (2.7)
で あ る. 証 明1.P(z),C(Z)∈
Cレ]と し,2(Z)=6樹
とす る と系 2.1.11よ りの
(Z)≠ 0となる
zにおいて
Щ慕
oo
とな るので,7(z)は
有理 関数 で あ る. 292.(2.8)式 は約分される可能性があるので
,7(z)の
極 は R(z)の 極の一 部である。しか し実際には,R(z)の
極の全てが7(z)の
極であるこ とを示す.α をの(z)の位数 んの零点 として の(Z)=(Z―
α)ん9(Z)と おくと
9(α)≠0で
P′0レ
ーが
90-POん
い が
‐
90-POレ
ーが 〆
0
((Z― α)んg(Z))2 P′(Z)(Z― α)9(Z)一 P(Z)ん g(Z)一 P(Z)(Z一 α)9′(Z) (Z一 α)ん +19(Z)2 (Z― α)(P′ (Z)9(Z)一 P(Z)9′ (Z))一 P(Z)ん 9(Z) (Z― α)ん+19(Z)2 となる。P(z)と の(Z)には共通因数がないのでP(α )≠ 0,また ん>0
より,z=α
のとき(2.24)式の分子は0で
はない。よって αはP(z)
の極で
,その位数はん
+1で
ある。つまりЦ
z)と R′(Z)は同じ極を
もち,(2.7)式 が成 り立つ. □ 有理 関数 で は多項 式 と違 って,分 母 の値 が 0と な る とき,つ ま り極 で は 値 が定 ま らな い。 しか し,むしろ積極 的 に ∞ とい う記 号 を値 の よ うに用 いて極 で の値 と したい。そのため に次 を定義す る. 定義2.3.5P(z),C(Z)∈
Cレ]と し,R(Z)=6紛
とす る。 1.P(α)≠ 0,の(α)=0の
とき
R(α)=∞
と表す。
2.limz→。
Цウ
)をR(∞
)と表す。
以 上 の定 義 を用 い る と,有理 関数 ∫(z)はC∪{∞}か
らC∪{∞}へ
の写像と考えることができる
.以
下,C∪
{∞)のことを
C*と
表す
.命題 2.3.6有理関数
R(z)=6紛
に対して
,α=max{degえ
deg O}とし
,月
(Z)=
αO■ a71Z―十・・・―十 αdZd●・
10
b。+blz+…
・+bdZd
とする.(αa,bdのどち らかは0ではない。)こ のときRl(Z)=
αozd_.αlzd 1-十 ・・・―+αd (2.11) bOzd■ blzd 1-卜・・・■bdと
おく
れ
Z≠ 0のと
き鳥
0=部
が
成り
立ちЦ→
=hmz‐ o島
0
とな る. R′(Z)=
00
第
2章
複 素 関数 証 明 αた,bλ c Cと し,P(Z)=α
o+α
lZ+…
・+απZπO(Z)=bo+blz+…
・
+われ
Zη}ス
の
=器
,α=maxIЪ
弓
とする。また
z≠ 0とする
.このとき
,Rl(z)を変形すると
αOZd―■αlZd 1-+・ ・・I αd bOzd+blzd-1+・…
+bd
(αo+サ
+…
・
+ツ
)Zd(bo+り +…
・
+シ
)Zd P(ウ )Zdの
(:)Zd とな る.よ ってЩ
O=螺
諸
=螺
髪
罪
=lim αOzd―十 αlZd 1_...・ I αd z→O boza+blza_1+.…+bd
=鶏
RllZl となる.
□ 定義2.3.7以
下,有理 関数R(z)に対 し,命 題2.3.6の 島 (z)を 用 いる.1.∞
がRZ)の
極 であるとは,0が
Rl(z)の極 であることとす る。この とき (R(z)のz=∞
での極 の位数)=(Rl(Z)のz=0で
の極 の位数) とす る. つ 0Rl(Z)=
2.∞
がHz)の
零点であるとは,0が
Rl(z)の 零点であることとする. このとき, に(z)のz=∞
での零点の位数)=91(Z)の
z=0で
の零点の位数) とする: 定理 2.3.8P(z),の(Z)を多項式 とし,deg P(z)=η
,degの(z)=mと
ぉ く。有理関数R(z)=6紛
に対 して次が成 り立つ。 1.η>mの
とき R(z)はZ=∞
で η―m位
の極 をもつ.2.2<鶴
のときR(z)は
Z=∞
で π ―η位の零点をもつ. 3.η=mの
とき月
(∞)=競
≠
0 証明 命題2.3.6の (2.10)式 ,(2.11)式を用いる. 1.η>mの
とき α=η
,α>mで
,αη≠0,bπ ≠0で
あ り,島
0=
αOZπ +αlZπ 1+・・・+α鯰 Zη 'れ(bOZ・rl tt blzη・-1+・ …+bm)
とな る.よ って0が
島 (z)の η―m位
の極 で あ るか ら,∞ はR(Z)の η―鶴 位 の極 で あ る. 2.η<η
の ときご
=鶴
,α>η
で
,απ≠
0,bm≠0で
あり
,鳥 ②
=
となる。よって0が 島
(z)のη―η位の零点であるから
,∞は
R(Z)の
m―
η位の零点である
.第
2章
複素関数33
3.2=鶴
の ときα
=π
=η
で
,αれ≠
0,bm≠0で
あり
,島
0=
αOZπ「 α― lZπ 1-十・・・+― απ ろ。zη +blzη 2-1+・ …+られ よ り,知
Rlレ)=考
となる
.すなわち
R(∞
)=競
≠
0で
ある
. □服
=月
期警
ξ
?=器
に
はα
acq4“gaa=2“
gα
の
=
(R(z)の零点 の位数 の和)=(R(Z)の
極 の位数 の和)=max(π
,η) ただ し極,零点 は ∞ を含めてC*で
数 える. 証明P(z)=α
ηZπ+αη_lzれ 1+… ・+αO,の(z)=bmzπ
+bπ_lzれ 1+… ・+b0 とす る と,z≠
∞ である複素数 の範囲において,R(z)=5樹
の零点の位 数 の和 は2,極
の位数 の和 は π である。ここでz=∞
の場合 を含 めて考 える.1.2>mの
とき定理
2.3.8より
,Ц
z)はZ=∞
でη―
m位
の極をもつ。よって
(z=∞
を含 むR(z)の
極 の位 数 の和)=(η
一鶴)+鶴
=η
とな る.つま り,(R(z)の 零点の位数 の和)=(R(Z)の極 の位数 の和)=2
で あ る。2.2<鶴
の とき 定 理2.3.8よ りR(z)は
Z=∞
で 鶴 ―η位 の零 点 をもつ。よって(z=∞
を含む
Hz)の
零点の位数の和
)=(η
―η)+η
=鶴
となる
.つまり
,(R(z)の零点の位数の和
)=(R(Z)の極の位数の和
)=m
で あ る.3.η
=mの
とき 定理2.3.8よ りz=∞
はR(z)の
零点でも極 で もない.し
たが っては
(z)の零点の位数の和
)=(R(Z)の
極の位数の和
)=mで
ある。
よって
,z=∞
を含めて数えると
,Hz)の
零点の位数の和は
R(z)の
極の
位数 の和 に等 しい。□ 2。
4
有理 関数 の部分分数分解
定理
2.4.1有
理関数Ц
z)はz=∞
を極にもつとする
.このとき
,定数項
をもたない多項式ス
(z)∈`
Cレ]とZ=∞
を極としない有理関数島
(z)が存在して次が成り立つ
. 1・R(Z)=ス
(Z)+島
(2)と表せ る.2.1の
よ うな ス(z),Rl(Z)は 唯一つである。3.degス
(z)=(R(Z)の
z=∞
の極 の位数 ) 証 明1.Iz)=6粉
はz=∞
を極 とす る有理 関数 とす る.(つ
ま りdeg P>deg O)多 項式の除法により
P(z)をの
(z)でわつて
,P(Z)=の
(Z)ス0(Z)+30(Z)
とする。ただし
,■0(z),比(Z)∈CИ
,deg 3o(Z)<degの
(Z)である
.このとき
,deg■。=deg P―
deg o≧1で
ある。いま
,■。
(z)の定数
項 を αとす る と P(Z)=C(Z)(■ o(Z)一 α)+(α の(Z)+3o(Z)) (2.12) と書 きかえ られる。ここで, バZ)=4。
(z)一α, 3(Z)=α
の(Z)+3o(Z)
夕
上を
護
tttl「
″
1看
Ъ
場翼戸
“
g00よ
り
場は
Iの
=“
。
0-の
十
=バ
a+器
第
2章
複素関数 と表せ る.よ って,deg
И
(Z)=degス
0(Z)=deg P―
deg O=ぃ
(z)の∞ での極の位数
)
(2.13)
とな る.
2.定
数 項 をもたない多項 式 ■1(z),■2(Z)とZ=∞
を極 としない有理 関 数 Rl(z),R2(Z)に 対 して,R(Z)=ス 1(Z)+Rl(Z)=42(Z)+R2(Z)と
する
.さらに
deg 31(z)≦ deg01(Z),deg 32(Z)≦ degの 2(Z)として
35島
0=器
鳥
0=器
とお く.(2.14)式,(2.15)式 の右辺 は既約 とす る.条
件 よ り,ム
0+器
=ん
0+器
И
l(Z)の1(Z)+31(Z)И
2(Z)の2(Z)+31(Z)
(2.lo●
.1りの
1(Z)の
2(Z) (2.16) を得 る。(2.14)式 ,(2.15)式で既約だか ら,(2.16)式の両辺も既約であ る。この とき既約表示は一意的であることか ら, の1(Z)=02(Z)
である。(2.16)式の分子を計算すると , ス1(Z)の1(z)+31(z)=42(Z)の
2(Z)+32(Z)
(■1(Z)― ス2(Z))の1(Z)=32(Z) 31(Z) (2.17)
となる。ここで,deg Bl(z)≦ deg 01(Z),deg 32(Z)≦ degの
2(Z)=degの
1(Z)よ り,
deg(32(Z) 31(Z))≦
degの1(Z) (2.18)
である.■1(z)≠ И2(Z)と すると,deg(■1(z)一 И2(Z))≧ 1よ り , deg(ス 1(Z)― ス2(Z))の1(Z)>degの
1(Z) (2.19)
ス1(Z)≠ И2(Z)の とき(2.17)式 ,(2.18)式 ,(2.19)式に矛盾が生 じる. したがって ■1=И 2,31=β
2,Rl=R2で
ある。 3.(2.13)式 よ り従 う。 □ 定義 2.4。2上
記 の ス(z)をR(z)の
z=∞
で の特異部 とい う.定理 2.4.3有理関数
R(z)は
Z=β
をん位の極にもつとする
.定
数項を
もたないん次の多項式バ
z)とz=β
を極としない有理関数
Rl(z)が存在
して
, 1・R(Z)=バ
≠→
+Rl(Z)と
表せる
.2.1の
よ うな И(z),Rl(Z)は 唯一つで ある.3.Iz)の
z=β
の極の位数がんのとき
,ス(フ≒
)はdeg T(Z)<ん,T(β)≠ 0と な る多項 式 を用 いて/1(ァ
≒
5)=1兵
等
│
と表 される. 証明1.Iz)=器
箸尋毒等総 をz=β
を極 にもつ有理関数 とする.β
=ん
蕉位数んの
aZ)の
極とし,z=:+β とおくと
(ァ場
=ぐ),R(:+β
)=
となる。このときα
=max{れ
,η}とおいて
,分母と分子にξ
aをかけ
る と,R∈ +→
= 0狗
第
2章
複素関数となる。このときξに関する多項式として
,(2.20)式の右辺の分子は
η個の
1次
式とξ
dつの積であるから
,β≠α。に注意すると分子はα
次式である。また
(2.20)式の右辺の分母は
m個
の
1次式とξ
d―れの
積であり
,β=ん
に注意すると分母はα―ん次式である
.よって分子
躍賠
f∬
賽難雰毬亀
18彙
巫射ぶ、
1
次多項式
,■0(ぐ)をξ
=∞
を極としない有理関数として
, ″ r 0 0R(:十
β)=И
(ξ)+」Z〕 (ξ ) と表せ る.すなわちR(Z)=R(:+β
)
=ス
(ξ)十RIC)
=ス
(房モ7)+RO(島
: となる。さらに月o(ξ)はξ=∞
を極 としなし (p≦ 9,αρ≠0,♭9≠ 0)とすると ヽので,R。 (ぐ)=
αO+…+α,ぐ' bO+… +b.(,となる。よって
b9≠ oz=β
を極としない。
_00+…
+赫
)レ
ー
の
900+…
+あ
)い
の
9_α
o(Z―β
)9+…
・
+αρ
(z―β
)9 Pわ
o(Z―β
)9+―
・+b9
より,20(島
)=Rlレ
)とおくと
Rlレ)は=ス 1(C)+Rl
=■ 2(C)+鳥
20(島 )2.定数項をもたない多項式ム
(z),■2(Z)とZ=β
を極としない有理関数
[ま
を
Fさt賢
け
菫
[1¢
石
κ
美
れメ②
=ス
2時
)+R2②
> > β β + 十 1 ア ヽ 1 ア ヽ < < ヽ l l ノ β + ー 一 ε o / ′ ︱ \ Rに 定 極 ば を れ