• 検索結果がありません。

大学英語教育における Show and Tell を用いたスピーチ指導の試み--自己表現力の育成と学びの共有を求めて

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "大学英語教育における Show and Tell を用いたスピーチ指導の試み--自己表現力の育成と学びの共有を求めて"

Copied!
21
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)1.は. じめ に. 高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 外 国語 編 英 語 編(以 下 、 「学 習 指 導 要 領 」 とす る)に よ る と、外 国 語 科 の 目標 は3つ の柱 か ら成 り立 って い るが 、 そ の3つ. 目 と して 「 外 国語 を通 じ. て 、情 報 や 相 手 の 意 向 な どを理 解 した り自分 の 考 え な ど を表 現 した りす る実 践 的 コ ミュニ ケ ー シ ョン能 力 を養 う こ と」(文 部 省1999:10)が. 挙 げ られ て い る。1さ ら に この 目標 につ. い て 詳 説 され て い るが 、 以 下 の よ うに記 述 され て い る。. こ の 「実 践 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン能 力 」 を 養 う に は 、 生 徒 が 実 際 に 情 報 の 受 け 手 や 送 り 手 と な っ て コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 行 う 活 動 が 必 要 で あ る 。(ibid.:11). 日本 の 高校 にお け る英 語 教 育 は この よ うな指 針 の下 で展 開 され て い る はず だが 、 筆 者 は 授 業 開 きの 際 、 ア ンケ ー ト等 を通 じて 学 生 の過 去 の学 習経 験 を聞 くこ と に して い る。 そ の 一 項 目 と して 自己 表現 活動 の 経 験 の 有 無 を確 認 して お り、2005年 度 の 結 果 を資 料1に ま と め る。 こ こか ら も明 らか な よ う に、 学 習 指 導 要 領 に 明文 化 され て い る 目標 と は裏 腹 に、 ス ピー チ で あ れ デ ィス カ ッシ ョ ンで あ れ 、 「 英 語 で 自分 の考 えや 意 見 を発 表 す る」 とい う経 験 を 中高 に お い て ほ とん ど して きて い な い 実 態 が 伺 え る。 また 、 文 部 科 学 省 ・中央 教 育 審 議 会 ・大 学 審 議 会 は2000年 の答 申 「グ ロー バ ル 化 時 代 に 求 め られ る高 等 教 育 の在 り方 に つ い て 」 にお い て は、 「1.グ. ロー バ ル化 時 代 に求 め られ. る教 養 を重 視 した教 育 の改 善充 実」 の 一項 目 と して 「外 国 語 に よ る コ ミュ ニ ケ ー シ ョン能 力 の 育 成 」 を挙 げ てお り、以 下 の よ うに述 べ て い る。. グ ロー バ ル化 が 進 展 す る状 況 に お い て は 、外 国語 を駆 使 す る能 力 が 不 可 欠 で あ る。 と り わ け 英 語 は 、 現 状 にお い て 国際 共 通 語 と して最 も中 心 的 な役 割 を果 た して お り、 英 語 力 は. 1学 習 指 導 要 領 に は 、外 国語 科 の 目標 と して 、 この 他 に 「外 国 語 を通 じて 、 言 語 や 文 化 に対 す る理 解 を 深 め る こ と」 「外 国語 を通 じて 、積 極 的 に コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン を図 ろ う とす る態 度 を育 成 す る こ と」 が 挙 げ て あ る 。. 大学英謝. こおけるS㎞ 一. 髄. 用いたスピーチ指導の試み 田.

(2) 語学教育 部ジ ャーナル. 後 述 の情 報 リテ ラ シ ー と併 せ て グ ロー バ ル な知 識 や情 報 を吸 収 、発 信 し、対 話 、 討 論 す る た め の 基 本 的 な能 力 で あ る 。 各 大 学 に お い て は、 英 語 をは じめ とす る外 国語 に よ る コ ミュ ニ ケ ー シ ョン能 力 を重 視 し て 、 外 国語 を聞 く力 や 話 す 力 の 一 層 の 向 上 を 図 る と と も に、 外 国語 で討 論 した りプ レゼ ン テ ー シ ョ ン を行 った りで きる 能力 を育 成 す る た め の教 育 内 容 ・方 法 の工 夫 改 善 が 必 要 で あ る。(文 部 科 学 省2000). この 中 で も討 議 や プ レゼ ンテ ー シ ョン な どを通 じて 自己 表 現 力 を育 成 す る 必 要 性 が 謳 わ れ て お り、 そ の理 念 は2005年11月 執 筆現 在 施 行 され て い る 「英 語 が 使 え る 日本 人 育 成 の た め の 行 動 計 画 」 に引 き継 が れ て い る 。 筆 者 が 教 鞭 の場 を高 等 学 校 か ら大 学 に移 して 以 来4年 に な るが 、 こ の よ うな現 状 を踏 ま え 、2年. 目か ら初 歩 的 な 自己 表 現 活 動 と してShowandTellを. 導 入 して い る 。Showand. Tel1は あ る程 度 ま と まっ た 文 章 を使 った ス ピ ーチ 活 動 で 、一 般 的 に は英 語 を母 語 とす る児 童 の た め の言 語 活 動 と位 置 づ け られ て い る が 、 後 述 す る よ う に、 そ の 教 育 的意 義 は外 国 語 を学 ぶ 大 学 生 が 対 象 で あ って も等 し く当 て は ま る もの と筆 者 は考 え る。 教 員 は常 に 「発 達 段 階 に応 じた 活 動 を選 ぶ 」(樋 口編1995:viii)よ. う留 意 しな け れ ば な らな い が 、 目前 の 学. 生 の 大 半 が 自 己表 現 活 動 を経 験 して い な い 実状 を黙 過 し、 大 学 生 とい う事 実 だ け を基 準 に して 、 高 度 な表 現 活 動 を課 す こ と は で きな い 。 大 学 英 語 教 育 に お い て も、 英 語 で 自己 表現 す る 充 実 感 や 難 し さ を経 験 させ 、 そ の過 程 に お い て 達 成 感 を味 わ い 、 自信 を積 み 上 げ 、 受 動 的 な学 習 態 度 を変 え て い く、 つ ま り英 語 を主体 的 に学 ぼ う とす る 意 欲 ・態 度 の育 成 を 目 指 し、指 導 に取 り組 む 必 要 が あ る と考 え る。 本 稿 で は 、 筆者 が 大 学 の教 育 現 場 にお い て、 過 去3年 問ShowandTellに た経 験 を も と に実践 報 告 す る。 まず 、 「ShowandTellの. 取 り組 ん で き. 利 点 及 び教 育 的 意 義 」 を考 察 し、. 「 指 導 上 の工 夫 と留 意 点 」 に触 れ 、 「指 導 の 実 際 」 を報 告 し、 「学 生 の ア ンケ ー ト」 に よ り 学 生 の視 点 か ら一 連 の活 動 を振 り返 り、 「 今 後 の 課 題 」 を検 討 して 、 最 後 に 「 結 び 」 とす る。. 2.ShowandTellの ShowandTel1は. 利点、及び教育的意義 、主 に 中等 教 育 に お け る英 語 教 育 に 関す る先 行 研 究 で もス ピー チ 活 動. の 一 例 と し て 取 り上 げ ら れ て お り(樋 中 他2003)、. 2. ま た 実 践 報 告(蒔. 口 編1995;川. 田1998)も. 村1999;松. 本 編1999;三. 浦 他2002;田. さ れ て い るが 、 そ の利 点 に関 して 、 要 約 す る と.

(3) 以 下 の よ うな 点 が挙 げ られ て い る。 (1)何 を見 せ何 を語 るか 、選 択 権 が 生徒 に あ り、 自分 の 興 味 や 表 現 力 と相 談 し、 自由 に 内 容 を決 め る こ とが で きる 。 これ ら は創 造 的 言 語 活 動 を行 う際 の大 切 な 条 件 で あ る。 (2)一 般 的 に は 「話 す こ と」 が活 動 の 中 心 的 な ね らい と考 え られ るが 、段 階 を踏 ん だ指 導 を行 え ば 、複 数 の技 能 を有 機 的 に関 連 づ け た統 合 的 な活 動 と して活 用 で き る。 (3)原 稿 を作 成 す る過 程 を経 て 、 明確 な展 開 、 内 容 構 成 を習 得 す る練 習 にな る 。 (4)言 語 使 用 の 実 体験 が 動 機 を高 め る き っか け に な り、 自分 自身 と表 現 内容 を心 理 的 ・認 知 的 に深 い レベ ル で結 び つ け る こ と に な るた め 、 既 習 事 項 の定 着 が 期 待 で きる 。 (5)話. しぶ り、姿 勢 な ど、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンに お け る非 言 語 的 要 素 の重 要 性 を、 体 験 を. 通 して 認 識 で きる。 (6)自 分 を表 現 し よ う とす る過 程 に お い て 自己 を振 り返 り、 自己 理 解 を促 せ る 。 また 、 伝 えた い 内 容 の意 識 化 を 図 る こ とが で きる 。 (7)視 聴 覚 資 料 が 補 助 とな り、 聞 き手 の理 解 を促 進 す るの に役 立 つ 。 (8)発 表 者 以 外 の 聞 き手 は ク ラス メ イ トの英 語 を聞 い て、 話 し手 の メ ッセ ー ジ を聞 き取 る 練 習 に な る。. こ れ ら は 主 に 言 語 能 力 や プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 能 力 の 改 善 に 関 す る 内 容 で 、 ど れ も基 本 的 、 あ るい は実 践 的 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン能力 の 育 成 に とっ て重 要 な 要 素 だが 、 筆 者 が これ 以 上 に 重 視 して い る の は 、ShowandTel1が. 内 包 して い る 、 授 業 運 営 に 直 結 す る 教 育 的 意. 義 で あ る 。筆 者 の 経験 も交 え、 以 下 に ま とめ る。. (9)学. び の共 有 、 学 び の 集 団 形 成 につ な げ る。. ShowandTellで. は 、 発 表 者 と して も聞 き手 と し て も 、 他 者 と の 関 わ り、 他 者 理 解 が あ. る 。 ま た 、 「自 分 に 関 連 す る 事 柄 を 他 者 に 対 し て 表 現 し て み る こ と に よ り、 客 観 的 に 自分 の こ と を 振 り返 る 」(田 中 他2003:14)き. っ か け に も な り う る 。 一 連 の 活 動 を 通 して 、 他. 者 理 解 や 自 己 理 解 を う ま く促 す 、 つ ま り学 び の 共 有 を創 り だ す こ とが で き れ ば 、 ど ん な こ と を 表 現 し て も 受 け 入 れ て くれ る と い う 信 頼 感 や 安 心 感 が 生 ま れ 、 よ り よ い 学 び の 集 団 形 成 に つ な げ る こ と が で き る 。 教 室 内 に お け る 信 頼 感 の 重 要 性 に つ い て は 様 々 な 観 点 か ら強 調 さ れ て お り(SanoetaL1984;Underhill1989;Legutke&Thomas1991;Hadfield1992; 三 浦 他2002;田. 中 他2003)、. 外 国 語 学 習 の 環 境 作 り に不 可 欠 な 要 素 と さ れ て い る 。 筆 者 の. 授 業 に お い て は 、 後 述 す る 相 互 評 価 の コ メ ン ト に も 「上 手 な と こ ろ を 真 似 た い 」 な ど お. 大学一. におけるShowandTellを. 用し、 たス ピーチ指一. 麟.

(4) 語学教育部ジ ャ⋮ナル. 互 い か ら学 び取 り、 高 め 合 っ て い こ う とす る気 持 ちが 感 じ られ る もの や 、 「お 疲 れ 様 」 と い っ た労 い の言 葉 も多 く見 られ る。 また 、 ク ラス メ イ トの 発 表 を聞 い て 、 原稿 の 書 き直 し を 申 し出 て くる学 生 も少 な くない 。 さ ら に、 実 例 と して 、 ク ラス メ イ トの ク ラブ 活 動 に関 す る発 表 に興 味 を抱 き、 実 際 に入 部 す る に至 っ た学 生 もい る。 学 びの 共 有 が機 能 して い る 様 子 が 伺 え る。 また 、特 に大 学 の よ うに学 習 集 団 が 固定 され て い ない 教 育 環 境 で は ク ラス メ イ ト問 のつ なが りが希 薄 に な りが ち な た め 、 集 団 の凝 集 性 を高 め 、 発 表 者 の 心 理 的 圧 迫 を軽 減 す るた め に も、 学 び の集 団形 成 に は一 層 の 配 慮 が 必 要 で あ ろ う。. (10)学 生 と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 深 め る 機 会 に な る 。 Sanoetal.(1984)は. 、 創 造 的 な 発 話 を促 す 上 で 教 員 と学 習 者 の 信 頼 関 係 に 着 目 し、 学 習. の 成 否 を左 右 す る 要 素 と して 以 下 の よ う に 述 べ て い る 。. …warm. -heartedinteractionbetweenteachersandlearners. ,aswellasamonglearners. themselves.Thisfriendlyinteractionis,inouropinion,themostessentialfactorin successfullanguagelearning.(ibid.:171). 教 員 も ま た 、 学 び の 集 団 の 一 員 で あ る と言 え よ う 。ShowandTel1は. 、 教 員 に とっ て も. 学 生 を 知 る 格 好 の 機 会 に な り得 る 。 一 連 の 指 導 を 通 じて 個 々 の 学 生 と 関 わ り、 一 人 ひ と り の 個 性 や 思 い を把 握 し、 ラ ポ ー ト形 成 に 役 立 て る こ と が で き る 。 特 に 大 学 の よ う に 授 業 回 数 が 少 な く 、 授 業 外 に お け る 学 生 と の 関 わ り も希 薄 な 教 育 現 場 に お い て は 、 個 々 の 学 生 を 知 る 機 会 も 自 ず と 限 定 さ れ て し ま う た め 、 な お の こ と 有 効 で は な い か と考 え る 。. (11)聞. き手 の 存 在 に対 す る意 識 付 け を 図 る。. 川 村(1999)も. 指 摘 す る よ う に 、 「ス ピ ー チ に お け る 言 語 活 動 は 、 と も す る と 個 人 レ ベ ル. の も の だ と 思 い や す い 。」(ibid.:116)そ. の た め 、 自己 表 現 活 動 に慣 れ て い ない 学 生 は 、 間. 違 え ず に 発 表 す る こ と ば か り に 気 を 取 ら れ 、 聞 き手 の 存 在 が 二 の 次 に な り が ち で あ る 。 ShowandTel1で. は 、 話 し ぶ り、 視 聴 覚 資 料 の 提 示 方 法 な ど 、 聞 き 手 の 理 解 を 促 す 努 力 と. 工 夫 が 求 め ら れ 、 聞 き手 の 存 在 を 常 に 意 識 す る 習 慣 を 身 に つ け る き っ か け に な る 。 聞 き手 を 意 識 し つ つ 情 報 を 発 信 し 、 聞 き 手 か ら 言 語 的 、 非 言 語 的 フ ィ ー ドバ ッ ク を 受 け る こ の 活 動 は 、 他 な ら ぬ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 活 動 で あ る 。ShowandTe11を. 指 導 す る 中 で 、 日常 生. 活 で は 無 意 識 に行 っ て い る 情 報 の 授 受 に つ い て 一 考 す る き っ か け を 演 出 す る こ と が で き る 。 、4.

(5) 8 8. Zgh⊃. 3.指. 導 上 の 工 夫 と留 意 点. 外 国 語 学 習 者 は 、 程 度 の 差 こ そ あ れ な ん ら か の 学 習 不 安 を抱 え て い る も の で あ り 、 特 に こ の よ う な プ レゼ ン テ ー シ ョ ン を伴 う活 動 に お い て は 、affectivefactorを で き な い 。Shumin(2002)は. 無 視 す る こ とは. これ につ い て次 の よ うに ま とめ て い る。. Speakingaforeignlanguageinpublic,especiallyinfrontofnativespeakers,isoften anxiety-provoking.Sometimes,extremeanxietyoccurswhenEFLlearnersbecome tongue-tiedorlostwordsinanunexpectedsituation,whichoftenleadstodiscouragement andageneralsenseoffailure.Unlikechildren,adultsareconcernedwithhowthey arejudgedbyothers.Theyareverycautiousaboutmakingerrorsinwhattheysay, formakingerrorswouldbeapublicdisplayofignorance,whichwouldbeanobvious occasionof"losingface"insomecultures,asinChina.(ibid.:206). 企 画 者(教. 員)と. し て 、 学 生 が 抱 え る 学 習 不 安 や 彼 ら の 視 点 を忘 れ る こ と な く 、 可 能 な. 限 り 自信 を 持 っ て 発 表 に 臨 み 、 成 功 体 験 へ と導 く こ と が で き る よ う に 、 一 連 の 指 導 に お い て 最 も 重 視 し て い る の が 「情 意 面 へ の 配 慮 」 と 「学 び の 共 有 」 で あ る 。 こ れ ら を 念 頭 に 、 指 導 上 工 夫 した点 を以下 に示 す 。. (1>学 習 不 安 を軽 減す る段 階 的 指 導 を行 う。 原 稿 作 成 、 発 表 準 備 は段 階 を踏 ん で 進 め 、 徐 々 に 自信 を積 み 上 げ て い け る よ う学 生 の情 意 面 に留 意 す る 。 先 述 の 学 習 経 験 調 査 で も示 した よ うに 、 学 生 は 自 己表 現 活動 に慣 れ て い ない 、 あ る い は 未 経 験 で あ る こ とを 踏 まえ 、 原 稿 作 成 も企 画 書(資 料2参 照)を 導 入 し て 、段 階 的 指 導 を行 う。 企 画 書 を作 成 す る過 程 にお い て 、 自分 の 考 えや 思 い をい か に提 示 し、 膨 らませ て い くか を、 ス ピーチ の構 成 と共 に指 導 で きる よ う工 夫 す る。 また 、 「導 入 、 展 開 、 結 び」 の初 歩 的 な 論 理 構 成 に つ い て も、 そ れ ぞ れ の役 割 を意 識 して 自分 の 原稿 に反 映 で きる よ う に強 調 す る。. (2)教. 員 自 らが 具 体 例 を示 す 。. 例 え ばShowandTellの. 実 演 な ど 、 各 指 導 段 階 に お い て 、 教 員 自 らが 率 先 し て 具 体 例 を. 示 す よ う心 掛 け る 。ShowandTellの. よ う な 自 己表 現 活 動 に は 差 恥 心 や 不 安 、 緊 張 感 な ど. 様 々 な 心 理 的 負 担 を 伴 う た め 、 基 本 姿 勢 と して 皮 切 り役 を 学 生 に 強 い ら な い よ う に す る 。. 大 学 英 語 教 育 に お け るShowandTellを. 用 い た ス ピー チ 指 導 の 試 み5.

(6) 語学教育部ジ ャーナ ル. ま た 、具 体 例 を提 示 す る こ とに よ り、 学 生 が 課 せ られ た 課 題 につ い て鮮 明 な イ メ ー ジ を描 け、 少 しで も不 安 が 軽 減 され る よ う努 め る。 さ らに 、 この よ う に例 示 す る 中 で 、 教 員 の 自 己 開示 もで き、先 述 した教 員 と学 習者 間 の 信 頼 関 係構 築 の 一 手 段 に もな り得 る 。. (3)ペ. ア ・グ ル ー プ ワ ー ク を 多 用 す る 。. ペ ア ・グ ル ー プ ワ ー ク を 導 入 し や す い 帰 納 的 教 授 法 を 中 心 と す る 。 一 方 的 に 教 え 込 ま ず 、 例 え ば 良 い 例 と 悪 い 例 の 両 方 を 示 し て 相 異 点 を 話 し合 わ せ る な ど 、 学 生 の 気 づ き を 促 す よ う指 導 を 工 夫 す る 。 ま た 、ShowandTel1の 原 稿 の 企 画 書(資. 料2参. 照)に. 題 材 を ブ レ イ ン ス トー ミ ン グ させ た り、. つ い て コ メ ン トさ せ 合 っ た りす る な ど 、 発 表 を 始 め る 前 の. 準 備 段 階 で で き る だ け 多 くペ ア ・グ ル ー プ ワ ー ク の 機 会 を 設 け る こ と に よ り 「安 心 して 発 表 で き る環 境 」 を 整 え て い く。. (4)評 価 形 態 を工 夫 す る。 学 生 が 取 り組 むべ きポ イ ン トを具 体 的 に把 握 した 上 で 、 安 心 して効 率 よ く準 備 を進 め ら れ る よ う、評 価 の観 点 を事 前 に明 示 して お く。 発 表 時 の 評 価 に は 、 教 員 、 発 表 者 、 聞 き手 の 全 員 が 関 わ り、 学 習 者 中 心 の 活 動 を 目指 す 。 そ の 際 も、 評 価 用 紙 に 名前 を書 か せ る こ とに よ り自分 の 評 価 に責 任 を持 た せ 、 コ メ ン トにつ い て も、 よか っ た点 、改 善 すべ き点 、 内容 に 関 す る感 想 の いず れ か ひ とつ は必 ず 書 くよ うに指 導 す る。 点 数 だ け つ け て発 表 者 に渡 す の は 聞 き手 と して無 責 任 か つ 非礼 な傾 聴 態 度 で あ る と批 判 し、 コメ ン ト欄 を空 白 で提 出 す る こ との な い よ う念 を押 す 。 「学 び の 共 有 」 を仕 掛 け る上 で欠 かす こ との で きな い 配慮 で あ る。. 4.指. 導の実際. 筆 者 は過 去3年 問ShowandTel1に. 取 り組 んで きた 中 で試 行 錯 誤 を重 ね 、 そ の都 度 指 導. 過 程 を微 修 正 して きた が 、 こ こで は2005年 度 の 近 畿 大 学1年 生 を対 象 と した英 語 演 習1に お け る指 導 例 を挙 げ る。2. 4.1指. 導 目標. 先 述 のShowandTellに. 関 す る 諸 点 を前 提 と して 、 以 下 の よ う に 目標 を 設 定 し て 指 導 に. 当たった。 2英 語 演 習1は. 6. 週2回. の前 期 開講 科 目で 、授 業 回 数 の 総 計 は30回. で あ る た め 、 多 少余 裕 を持 っ た指 導 過 程 を 取 っ て い る 。.

(7) ・話 しの 展 開 や 段 落 な ど、 基 本 的 な 内 容 構 成 を 意 識 して 原 稿 を 作 成 す る 。 ・客 観 的 情 報 の 羅 列 に 終 わ ら な い よ う に 、 自 分 の 興 味 ・関 心 、 意 見 や 思 い な ど 「話 題 と 自分 と の 関 わ り」 を 中 心 に 表 現 す る 。 ・話 しぶ り(ア. イ コ ン タ ク ト、 声 量 、 話 す 速 度)を. 意 識 して 、 聞 き手 に メ ッセ ー ジが 伝. わ る よ う心掛 け る。 ・視 聴 覚 資 料 の 使 い 方 を 工 夫 して 、 聞 き手 の 理 解 を促 す 。 ・聞 き手 か ら の フ ィ ー ドバ ッ ク を 受 け て 、 内 省 す る 。 ・話 し手 の 発 表 に対 して 内 容 に 関 連 し た 質 問 を し 、 対 話 力 を伸 長 す る 。 ・話 し手 の 発 表 を 理 解 す る だ け で な く、 聞 き手 と し て の 役 割 や マ ナ ー を 学 ぶ 。. 4.2評. 価 の観 点. 上 記 の 目標 達 成 を 目指 す と同時 に 、 指導 と評 価 の一 体 化 を念 頭 に置 き、 評 価 の観 点 を設 定 した 。 学 生 が 「自立 した 学 習 者 と して 、 自 己 表 現 力 を 自分 の 力 で伸 ば して い くた め に は 、 教 員 か ら の評 価 を受 け る だ け で な く、 自分 自身 で 振 り返 り、評 価 す る力 も育 成 」(田 中他2003:242)し. な け れ ば な ら ない 。 ま た、 聞 き手 と して も、 「積 極 的 に評 価 に加 わ る こ. とに よ って 、 ス ピー チ の仕 方 を学 習 した り、 自分 の ス ピー チ を改 善 す る」(川 村1999:86) きっ か け にで きる よ う評価 の 枠 組 み を工 夫 す る 必 要 が あ る。 筆 者 は過 去 の 取 り組 み の 中 で 評 価 項 目 も微 修 正 して きた が 、 学 生 が 自己 表 現 活 動 に慣 れ て い な い 実 態 を踏 ま え た上 で 、 学 生 問 の 採 点 の 揺 れ を可 能 な 限 り抑 え 、 かつ 指 導 目標 の 達 成 度 を評 価 で きる項 目内容 を模 索 し、2005年 度 の 評価 の 観 点 は以 下 の6項 目 と した 。. A:内. B:話. 容. しぶ り. C:意 欲. A1.話. し手 と の 関 わ りが 中 心 に 表 現 さ れ て お り、 聞 き手 の 関 心 を 引 く. A2.話. し手 の メ ッ セ ー ジ を伝 え る の に 適 切 な 分 量 で あ る. B1.ア. イ コ ン タ ク トが 十 分 に で き て い る. B2.十. 分 な 声 量 と 適 度 な 速 度 で 、 聞 き や す く話 して い る. B3.視. 聴 覚 資 料 を効 果 的 に利 用 して い る. C1.意. 欲 が あ り、 し っ か り準 備 を し て い る こ と も分 か る. (例 二暗 記 し て き て い る 、 伝 え よ う と い う 熱 意 を 感 じ る). また 、 相 互 評 価 用 紙(資 料3参 照)に 施 した 工 夫 の ひ とつ と して 、 合 計 点 を書 き込 む欄 を意 図 的 に設 け て い ない 。 こ こ に は 、学 生 の 心 理 と して 、各 評価 項 目の 点 数 よ りも合 計 点. 大学英講. こおけるS㎞ 一. 髄. 用いたスピーチ指導の試み 彊.

(8) 語学教育部ジ ャ⋮ ナル. 数 に気 を取 られ が ち なた め 、 そ れ ぞ れ の項 目 に 目を 向 け させ 、 課 題 発 見 を促 す ね らい が あ る。 自己 評 価 表(資 料4参 照)に お い て も、 項 目ご とに 点 数 を記 録 す る レイ ア ウ トに して お り、 ま とめ の 作 業 の 中 に各 項 目の 出 来具 合 を確 認 させ る仕 掛 け を施 して い る 。. 4.3指. 導手順. 上記 の よ う に 目標 と評 価 の観 点 を設 定 し、 以下 の 手順 で 指 導 を進 め る。. 事 前 指 導: ①ShowandTellの. 紹介. ② 題 材 の選 定 ③ 企 画書 作 成 ④ ペ ア ワ ー クに よる 企 画 内 容 の 推 敲 ⑤原稿作成 ⑥ 疑 問 文 の復 習 ⑦ 自分 の ス ピー チ に 関 す る 内容 理 解 確 認 問 題 の 作 成 ⑧ 過 去 の ス ピー チ発 表 を視 聴 し、評 価 基 準 を設 定 ⑨ 個 人 指 導 及 び個 人練 習 発 表 当 日: ⑩ 発 表 、 内 容 理 解 確 認 及 び 質疑 応 答 ⑪ 評 価(教 員 、 相 互 、 自己) 事 後 指 導: ⑫ 自己 評価 表 提 出. 上 記 の 各 指 導 過 程 につ き、 以 下 に具 体 的 な解 説 を加 え る 。. 4.3.]事. 前指導. 全 体 指 導1時 限 目(発 表 準 備1日 ①ShowandTellの 手 順1:教. 目). 紹介. 員 自 身が 自分 の趣 味 に関 して2種 類 の 実 演 を行 う。 前 者 は 聞 き手 に伝 え よ う. と熱 意 を持 って 発 表 す る望 ま しい 例 、 後 者 は 聞 き手 を全 く無 視 した最 悪 の 例 と して、 内容 と話 しぶ りに 関 して差 異 が学 生 に明確 に認 識 さ れ る よ うに、 多 少 誇 張 気 味 に提 示 す る。. 8.

(9) 沁OO①. 目の 実 演 を終 え た後 、 ペ ア な い しグ ル ー プ で 発 表 内 容 につ い て 確 認 させ. る 。 そ の 後 、 数 人 指 名 し、 聞 き取 れ た 情 報 を 黒 板 に 箇 条 書 きで 書 き起 こ して い く。2つ. 目. の 実 演 後 も 同 様 に 行 う。 手 順3:黒. 板 に は 、 学 生 に よ っ て 理 解 さ れ た 、2種. 類 の ス ピー チ の要 点 が 書 き出 され て. い る 。 聞 き取 れ た 情 報 量 に 大 き な 差 が あ る の が 一 目瞭 然 な 状 態 を 作 り 出 し 、 そ の 差 に は 何 が 起 因 して い る の か を 、 ペ ア な い し グ ル ー プ で 意 見 交 換 させ 気 づ き を 促 す 。 最 後 に ク ラ ス 全 体 で 意 見 を ま と め 上 げ 、 内 容 、 構成 、 使 用 す る 語 彙 や 表 現 の レ ベ ル 、 ア イ コ ン タ ク ト、 声 量 、 話 す 速 度 、 伝 え よ う と す る 熱 意 に 留 意 し た 上 で 今 回 の 活 動 に 取 り組 む よ う確 認 す る 。 手 順4:活 る 。(資 料3参. 動 の 詳 細 や 手 順 に つ い て ま と め た ハ ン ドア ウ ト を 配 布 し 、 全 体 像 を 説 明 す 照). ② 題 材 の選 定 活 動 の 説 明 後 、 す ぐ に は 原 稿 作 成 に 取 り か か ら ず 、 ま ず 企 画 書(資. 料2参. 照)を. 作成さ. せ る が 、 こ の 時 点 で 既 に 「何 を 話 せ ば い い か 分 か ら な い 」 と硬 直 し て し ま う 学 生 を 多 く 目 に し て き た 。 した が っ て 、 企 画 書 を 配 布 す る 前 に 、 ペ ア な い し グ ル ー プ で 選 び う る 題 材 を ブ レ イ ン ス トー ミ ン グ さ せ 、 ク ラ ス 全 体 で 意 見 を 出 し 合 う 。 そ の 際 、 「時 事 問 題 」 や. 「環. 境 問 題 」 と い っ た 題 材 が し ば し ば 学 生 か ら 提 案 さ れ る が 、 こ の 度 の 活 動 は 「自 分 と の 関 わ り」 を 表 現 す る こ と を 目標 の ひ と つ と して い る た め 、 自 分 で 関 心 を 持 っ て 実 際 に 関 与 し て い な い 限 り 、 客 観 的 な 情 報 の 羅 列 に 終 始 して し ま う可 能 性 が あ る こ と も留 意 点 と し て 指 摘 する。. ③ 企 画書 作 成 企 画 書 の 利 用 は あ くまで も補 助 的 な もの で あ るべ きか も しれ な い が 、 今 後 の ペ ア ワー ク に必 要 な た め 、 学 生 全員 に作 成 させ る。 企 画書 の段 階 で つ まず い て い る学 生 に は 、 選 ん だ 題 材 に 関 して 思 い 浮 か ぶ こ と を、 日本 語 で箇 条 書 き に して 、 少 しで も思 考 の 整 理 が で き る よ う促 す 。 次 の 時 間 まで に企 画 書 を完 成 してお く よ う指 示 す る 。. 全 体 指 導2時. 限 目(発. 表 準 備2日. 目). ④ ペ ア ワ ー クに よる 企 画 内容 の推 敲 ペ ア を 組 ん で 、 用 意 し て き た 企 画 書 を も と に 、 パ ー トナ ー に 自 分 の ス ピ ー チ に つ い て 説 明 さ せ る 。 説 明 が 終 わ っ た 後 、 聞 き 手 は 話 し手 に 対 し 、 最 低3つ. 大 学 英 語 教 育 に お け るShowandTelIを. 質問 をす る よ う に義 務 づ. 用 い た ス ピー チ 指 導 の 試 み9. Zρ n⊃. 手 順2:1つ.

(10) 語学教育部ジ ャーナル. け る。 聞 き手 か ら質 問 が 出 る とい う こ と は、 話 し手 の企 画 に はそ の 回答 とな る 情 報 が 不 足 して い る、 また は 聞 き手 が 関心 を示 す 点 を抜 か して し ま っ て い る と解 釈 す る こ と もで き る 。学 生 は原 稿 作 成 を始 め る前 に 、他 者 の視 点 を取 り入 れ て 企 画 書 の 加 筆 修 正 をす る。. ⑤原稿作 成 学 生 は加 筆 修 正 を終 え た 企 画 書 を も とに 、各 自原 稿 作 成 を始 め る 。 原 稿 作 成 に 当 て る 時 間 は この 時 限 の み と し、授 業 時 間 内 に完 成 で きな い場 合 は次 回 まで の 課 題 とす る。 教 員 は 机 問巡 視 し、 個 々の 学 生 の必 要 に応 じて 指 導 を加 え る。 ま た、 理 解 困難 と考 え られ る語 彙 や 表 現 を使 わ ざ る を得 な い場 合 、 日本 語 訳 の 補 足 も認 め る。. 全体 指 導3時 限 目(発 表 準 備3日. 目). ⑥疑 問文の復習 ShowandTellを. よ り双 方 向 的 な コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン活 動 に で きる よ う、 発 表 後 に質 疑. 応 答 の 時 間 を設 け る が 、 発 表 の 流 れ を 円 滑 にす るた め に事 前 に疑 問 文 作 成 の 復 習 を行 う。 過 去 の 指 導 経 験 か ら、学 生 の 疑 問 文 作 成 に 関 す る定 着 度 は決 して よい とは言 え な い 。 発 表 当 日の 質 疑 応 答 で は 、話 し手 の 発 表 を あ る程 度 理 解 した上 で 、即 興 で 内 容 に 関連 した疑 問 文 を作 成 す る力 が 要 求 され る た め 、 定 着 度 の低 い 学 生 に は心 理 的負 担 が 大 きい課 題 の よ う に見 受 け られ る 。 「情 意 面 へ の 配 慮 」 の一 環 と して 、 疑 問 文 作 成 の基 本 練 習 も事 前 準 備 に 含 め る。. ⑦ 自分 の ス ピーチ に 関す る 内容 理 解 確 認 問題 の作 成 原 稿 を 提 出 す る 前 に 、 自 分 の ス ピ ー チ に 関 す る 問 題 を2題. 程 度 考 え させ る 。 発 表 当 日. は 、 発 表 者 に 事 前 に こ れ ら の 質 問 文 を板 書 して お く よ う指 示 して お き、 発 表 終 了 後 、 内 容 理 解 確 認 の 際 に 利 用 す る 。 ま た 、 疑 問 文 は5WユHを. 用 い たopenquestionに. 限定 す る。. リ ス ニ ン グ に お け る ス キ ャ ニ ン グ 練 習 の 意 味 合 い もあ る が 、 ま と ま っ た 英 文 を 聞 く 活 動 に 慣 れ て い ない 学 生 で も、 リス ニ ン グポ イ ン トを与 え る こ とに よっ て 、 諦 め ず に聞 こ う とす る 姿 勢 を 維 持 さ せ る ね ら い も含 め て い る 。. ⑧ 過 去 の ス ピー チ で評 価 基 準 設 定 過 去 の ス ピー チ 発 表 の様 子 を ビデ オ で 視 聴 させ 、 実 際 の 評 価 用 紙(資 料3参 照)を 用 い て 体 験 させ る 。 各 自で 評 価 させ た 後 、 数 名 の 学 生 を指 名 し、彼 らの 採 点 を板 書 す る 。 教 員. 7Q.

(11) 8 0①. を交 換 し、評 価 基 準 を設 定 す る 。 さ ら に も う一 度 別 の 発 表 を評 価 させ 、 同様 に数 名 の学 生 と教 員 の評 価 を板 書 して照 合 し、 自分 の 評 価 に大 幅 な ず れ が な く、 適 切 に基 準 を設 定 で き て い るか ど うか 確 認 させ る。. ShowandTel1発. 表 準 備 の 全 体 指 導 と し て 時 間 を 割 くの は 、 こ の 時 限 ま で と す る 。 ま た 、. 原稿 は この 時 限 に 回収 し、次 の個 人指 導 の 際 に返 却 す る。. 個 人指導 ⑨ 個 人 指 導 及 び個 人 練 習 個 人 指 導 につ い て は 、 発 表1週 聞前 の授 業 終 了 前 の10分 を用 い て 、2名 ず つ 各5分 程 度 行 う。 この 間 、 他 の 学 生 に は テ キ ス トの練 習 問題 な ど、 別 の 課 題 を与 え る。 原稿 の 添 削 は、 メ ッセ ー ジ重 視 を基 本 と して 、 誤 りの修 正 は最 小 限 に留 め る 。文 章 の構 成 や展 開 が 不 明 瞭 、不 自然 な点 、 あ る い は 内容 に関 して情 報 不 足 な 点 を主 と して指 摘 して お く。 先 述 した よ うに 、活 動 の 導 入 段 階 で 「自分 との 関 わ り」 を中心 に表 現 す る よ う指 導 して も、 客 観 的 情 報 の羅 列 に終 始 す る学 生 は 少 な くない 。 さ らに 一歩 踏 み 込 ん で 、 そ の事 実 や 経 験 か ら主観 的 意 見 を引 き出 せ る よ う に コ メ ン トを書 き込 ん で お く。 時 間 の 関係 上 、 原 稿 全 体 の 発音 指 導 は行 わず 、 そ の ス ピ ー チ の 中 で メ ッセ ー ジ性 の 高 い 箇 所 、 つ ま りそ の 学 生 の 考 え や思 い が 強 く表 れ て い る文 を 数 文 選 び 、重 点 的 に 指 導 す る 。 リズ ムや イ ン トネ ー シ ョ ン に重 点 を置 い て 指 導 す る が 、 そ の 際 、 発 表 時 に 「自分 の こ と ば」 と して伝 え る こ とを 目標 と して 意 識 付 けす る 。 そ の た め に も、 メ モ の 持 ち込 み は許 可 す るが 暗 唱 を原 則 と し、学 生 は各 自で音 読 練 習 を して1週 間後 の発 表 に備 え る。. 4.3.2発. 表当 日. ⑩ 発 表 、 内 容 理 解 確 認 及 び 質疑 応 答 発 表 は毎 時 聞2名 ず つ 、 授 業 開 始20分 程 度 を使 っ て 行 う。 当 日 は以 下 の流 れ で 進 め る が 、 事 前 準 備 と して授 業 開 始 前 に 、発 表 者 名 、 タ イ トル 、 自分 の ス ピー チ に 関 す る内 容 理 解 確 認 問 題2題 を板 書 す る よ う指 示 して お く。 (1)発 表 す る。 (2)発 表 終 了 後 、 発 表 者 は 聞 き手 を指 名 し、板 書 して あ る問 題 の 解 答 をす る。 この 質 問 につ い て は 、 発 表 を重 ね る に つ れ 、 段 階 的 に難 易 度 を上 げて い く よ う に工 夫 し. 大学英語教育におけるS㎞ 一. 髄. 用し、 たスピーチ指導の試み 国. ZO沁. の 評 価 も板 書 し、 そ れ ぞ れ を比 較 す る。 採 点 に大 きな 差 異 が 認 め られ る項 目 につ い て意 見.

(12) 語学教育部ジ ャーナル. て い る 。 例 え ば 、 発 表 開 始 当 初 はWhen、Whereな. ど 比 較 的 平 易 な 事 実 情 報 を 聞 き取 る 練. 習 か ら始 め 、 段 階 を経 てWhy、Whatmademedecideto_と. い った 主 観 的 な メ ッセ ー ジ. を 理 解 し て 答 え る 問 題 に 発 展 させ て い く。 筆 者 の 経 験 か ら 、 学 生 が 作 成 す る 問 題 は 事 実 情 報 を 尋 ね る 質 問 が 多 い た め 、 徐 々 に 難 易 度 を 上 げ て い くた め に は 、 全 体 指 導3時. 限 目に提. 出 させ る 問 題 文 に 手 を加 え て い く こ と に な る 。 (3)質. 疑 応 答 す る。. 筆 者 がShowandTel1を imprornptu的. 導 入 し た 初 年 度 はpreparedspeechの. 発 表 の み 行 っ て い たが 、. 要 素 を 取 り入 れ る べ き と の 反 省 か ら 、 次 年 度 よ り発 表 後 に 質 疑 応 答 を 課 し. た 。 そ の 当 初 は 発 表 終 了 後 即 座 に 聞 き 手 を 指 名 し質 問 さ せ る 方 法 を 試 み て い た が 、 質 問 が 考 え つ か ず 、 話 し手 は 壇 上 に 立 た さ れ た 状 態 の ま ま沈 黙 が 続 く場 面 が し ば し ば あ っ た た め 、 「情 意 面 へ の 配 慮 」 を 考 え 、 そ の 後 は 以 下 の い ず れ か の 方 法 を 取 っ て い る 。 方 法1:発. 表 前 に 質 問 を す る 学 生 を 予 め 指 名 して お き 、 質 問 作 成 に 集 中 さ せ る 。. 方 法2:内. 容 理 解 確 認 終 了 後 発 表 者 を 着 席 さ せ 、30秒 程 度 時 間 を 設 け 、 ペ ア で 質 問 を 考 え させ る。. ま た 、 で きる 限 り自然 な コ ミュ ニ ケ ー シ ョン を演 出 す る た め に 、 質 問 を 受 け る 側 、 つ ま り 話 し手 は 、 聞 か れ た 質 問 に 対 す る 答 え に 最 低 一 文 は 追 加 す る よ う 促 す 。 例 え ば 、 "Wh. eredidyoubuytheracket?"に. betterone,butIcouldn'taffordit."と. 対 し 、"IboughtthisatAlperLIwantedtobuya い う具 合 に 、 会 話 を膨 ら ま せ て い く訓 練 も取 り入 れ. る。. ⑪ 評 価(教 員 、相 互 、 自己) 質 疑 応 答 が 終 了 した後 、全 員 が評 価 用 紙 に記 入 す る 。注 意 す べ き点 は 、学 生 の 活 動 に対 す る慣 れ と と も に相 互 評 価 が 形 骸 化 して しま う傾 向が あ る。 教 員 は定 期 的 に 評価 用 紙 に 目 を通 し、 そ の傾 向 が 見 られ る学 生 に対 し個 人 的 に声 を掛 け た り、 全 体 に対 し注 意 を促 した りす る必 要 が あ る。 評 価 用 紙 を 回収 し、授 業 終 了 後 に発 表 者 に手 渡 す 。 発 表 者 は 受 け 取 っ た評 価 、 コメ ン ト を 自己 評 価 表(資 料4参 照)に ま とめ 、1週 間 以 内 に提 出 す る。. 4.3.3事. 後 指導. ⑫ 自己評 価 表提 出 教 員 は 自己 評 価 表 に コ メ ン トを書 き加 え 、 返却 す る。 振 り返 りが不 十 分 な学 生 につ い て. 12.

(13) 轟 ⊃O O①. に 応 じて 再 提 出 さ せ る 。. 5.学. 生 の ア ン ケ ー ト調 査 よ り. 筆 者 は 、 全 員 の 発 表 が 終 了 し た 後 、 全 学 生 を 対 象 にShowandTel1に. 関 す る ア ンケ ー ト. を 行 い 、 学 生 の 視 点 か ら一 連 の 活 動 を 振 り返 る こ と に して い る 。(資 料5参 期 も 、4つ. の 観 点 か ら1項. 目 を 除 く14項 目 を 、1(低)∼5(高)の5段. 照)2005年. 度前. 階 評 価 で 、64名 を 対. 象 に ア ン ケ ー トを 行 っ た 。 紙 面 の 関 係 上 、 詳 細 な 分 析 は 別 の 機 会 に 譲 る と し て 、 こ こ で は 2005年. 度 実 施 の ア ン ケ ー ト結 果 を 中 心 に 、 過 去3年. 間 に 集 計 し た437名 分 の 結 果 か ら 読 み. 取 れ る学 生 の 反 応 を大 まか に ま とめ た い。. 項 目1∼4(自. 分 自 身 の 発 表 に つ い て). こ の 活 動 に 対 し て 積 極 的 に 取 り組 ま せ る こ と が で き て い る よ う だ が 、 本 番 に お い て 練 習 の 成 果 が 出 せ な か っ た と 感 じ る 学 生 も多 い 。 練 習 の 成 果 が 出 せ た と は 言 え な い が 達 成 感 は あ っ た と い う 感 想 も 多 くあ る 一 方 で 、 準 備 不 足 を 痛 感 し 、 達 成 感 よ り も悔 い が 残 っ て い る と答 え る 学 生 も 少 な く な い 。. 項 目5∼7(ク. ラ ス メ イ トの 発 表 を 聞 い て). 理 解 度 に つ い て は 学 生 間 で ば ら つ き が 認 め ら れ る も の の 、9割. を超 え る 学 生 が お 互 い. の 発 表 を 楽 し ん だ と 答 え て お り、 学 び の 共 有 を 楽 し ん だ 様 子 が 伺 え る 。 リ ス ニ ン グ 能 力 の 向 上 に 関 し て は 、2005年 1:5%と. 度 前 期 の 結 果 は 、5:8%、4:59%、3:22%、2:3%、. 出 て お り、 他 の 質 問 項 目 が 概 ね5に. 近 い 肯 定 的 な 傾 向 を示 して い るの に比 べ る. と 、 全 体 的 に 低 め の 数 値 を示 して い る 。 十 分 理 解 で き な い 、 効 果 が 実 感 さ れ な い と い う理 由 や 、 リス ニ ン グ 能 力 は ネ イ テ ィ ブ の 発 音 を聞 か な け れ ば 改 善 さ れ な い とい う思 い 込 み も 、 要 因 の ひ と つ と して 考 え ら れ る 。. 項 目8∼13(評. 価 に つ い て). 相 互 評 価 に つ い て は 、 全 体 的 に 高 い 評 価 を 示 し て お り、 よ い 点 も改 善 点 も 適 切 に 、 か つ 責 任 を 持 っ て 評 価 し合 え た 感 が あ り、 お 互 い に 高 め 合 え た と い う 実 感 に つ な が っ て い る 。 特 に 「10.ク ラ ス メ イ ト は 自 分 の 発 表 を 適 切 に 評 価 し た 」 に つ い て は 、2005年. 度 は平 均 値. が4.5を 示 し て お り、 ま た 例 年 も 同 一 の 傾 向 を 示 し て い る 。 こ の 評 価 方 法 に 満 足 し て い る と. 大 学 英 語 教 育 にお けるShowandTellを. 用 い た ス ピー チ 指 導 の 試 みB. Zρ轟 ⊃. は 、 内 省 す べ き項 目 に 関 す る 教 員 及 び ク ラ ス メ イ トの 評 価 を 再 度 確 認 す る よ う促 し、 必 要.

(14) 語学教育部ジ ャーナル. と も に 、 ク ラ ス メ イ トに 対 す る 信 頼 感 も こ こ に 表 れ て い る と言 え る 。. 項 目14、15(ス. ピ ー チ 活 動 全 体 に つ い て). 2005年 度 も9割. の 学 生 が 自 己 表 現 す る い い 機 会 で あ っ た と 回 答 し て い る が 、 「15.も う一. 度 、 ス ピ ー チ 活 動 に チ ャ レ ン ジ して み た い 」 に つ い て は 、5:25%、4:29%、3:29%、 2:10%、1:6%と. 出 て お り 、 全 体 的 な 傾 向 と して は 肯 定 的 な 反 応 と捉 え ら れ る もの の 、. 様 々 な 思 い も伺 え る 。 肯 定 的 な コ メ ン トに は 、 「納 得 で き な か っ た の で も う 一 度 や り た い 」 「無 理 だ と 思 っ て い た が 、 や れ る 自分 に 気 づ い た 」 「改 善 点 を 克 服 し た い 」 「や り 甲 斐 もあ る し、 今 後 の た め に も こ の よ う な 経 験 は 大 切 だ と思 う 」 な ど が 多 い 。 反 対 に 否 定 的 な コ メ ン トは 、 「準 備 が 負 担 に 感 じ ら れ る 」 「緊 張 す る 体 験 だ っ た 」 「人 前 で 話 す の が 苦 手 」 な ど だ が 、 そ の 中 に も 「将 来 の た め に は 必 要 な 経 験 と分 か っ て は い る が … 」 と付 け 加 え て い る 学 生 も少 な く な い 。. 6.今. 後 の課題. 今 後 は以 下 の 点 を主 た る課 題 と して 、 よ り実 りあ る活 動 に改 善 して い きた い。. 活 動 開 始 時 期 に関 す る 問題 新 学 期 に入 っ て す ぐに この 活 動 に入 る場 合 、 ク ラ ス の雰 囲気 に も堅 苦 し さが あ り、 多 少 自己 開 示 が 難 しい 点 が あ る。 そ の一 方 で 、 この 一 連 の活 動 が他 者 理 解 を促 し、友 人作 りや ク ラス の 雰 囲気 作 りに寄 与 す る利 点 が あ る の も確 か で あ る 。 した が って 、 筆 者 の 本務 校 で あ る近 畿 大 学 の よ う に英 語 の 基 幹 科 目が 週 に2コ マ あ る よ うな教 育 環 境 で は 、複 数 回 行 う の が 望 ま しい と考 え られ る。 ま た、 前 項 で も触 れ た よ うに 、再 度挑 戦 す る こ と を望 ん で い る 、 また は必 要 と感 じて い る学 生 が い る か ら に は 、 最 低2回. は発 表 す る機 会 を 設 け る よ. う、授 業 計 画 に組 み 入 れ たい 。. 評価 項 目の 妥 当 性 事 前 指 導 の一 環 と して 評 価 基 準 の 設 定 を行 って も、 特 に 「内容 」 に関 す る評 価 に お い て 採 点 に揺 れ が 認 め られ る。 初 年 度 は 「 本 当 に伝 え た い メ ッセ ー ジが 込 め られ て い る」 「一 貫 した テ ー マ で 構 成 され て い る」 の2点 で始 め た が 、 発 表 者 が 何 を伝 え た い の か を判 断 で きる ほ ど聞 き取 れ な い との 意 見 が 多 々 あ り、 また 、 数 分 程 度 の ス ピー チ で は テ ーマ の一 貫 性 が 大 幅 に損 な わ れ る こ と もな か っ た 。 こ れ らの 反 省 に も とづ き、 次 年 度 は 「聞 き手 に. 達4.

(15) 陀OO①. チ の 表 面 的 な部 分 に の み 焦 点 を当 て、 話 し手 の 内 面 的 な側 面 に 聞 き手 の 意 識 を 向 かせ る 評 価 に は な っ て い なか っ た 。 した が って2005年 度 は 、 「話 し手 と の 関 わ りが 中心 に表 現 され て お り、 聞 き手 の 関心 を引 く」 「話 し手 の メ ッセ ー ジ を伝 え るの に適 切 な分 量 で あ る」 と した 。 次 年 度 は経 験 的 な観 点 の み な らず 、統 計 的 に も評 価 項 目の妥 当性 を検 証 し、指 導 目 標 の達 成 度 を評 価 す る上 で よ り適 切 な相 互 評 価 が で きる よ う検 討 を続 け た い 。 ま た 、発 表 者 の 質 疑 応 答 に お け る対 応 ぶ りに つ い て も、 評 価 の対 象 とす べ きか ど うか課 題 が 残 る 。 学 生 に質 問 を考 え させ る限 り、 質 問 内 容 に難 易 度 の 差 が 出 て しま う の は避 け ら れ な い。 こ の 点 に つ い て も検 討 を要 す る。. 7.結. び にか え て. 結 び に か え て 、 こ れ ま で筆 者 が 指 導 して きた 中 で 、 もっ と も強 く印 象 に残 っ て い る ス ピー チ を紹 介 した い 。 筆 者 はShowandTellを. 導 入 す る際 、 こ こで 報 告 した方 法 以外 に も、 「簡 易 版 」 と して. 行 う こ と もあ る。3こ こ に紹 介 す るス ピー チ は、 近 畿 大 学 通 信 教 育 の 面接 授 業 にお い て、 当 時19歳 の 学 生Aが 発 表 した もの で あ る。4本人 い わ く、彼 は 中学 生 の 頃 か ら真 剣 に勉 学 に取 り組 ん だ こ とは な か っ た。 そ の た め 、 英 語 学 習 に対 して も無 力 感 を抱 い て お り、 また 思 春 期 特 有 の 粗 暴 さが まだ抜 け切 っ て い な い 印 象 を受 け た 。授 業 開 始 時 に行 っ た学 習 経 験 調 査 で も、 自 己表 現 活 動 は経 験 した こ とが な い と 回答 して い た 。授 業 中 に設 け た準 備 時 間 も途 方 に暮 れ て ば か りい る様 子 だ っ たが 、机 聞 巡視 の 際 、企 画書(資 料3参 照)の に"Kumiko"と. タ イ トル欄. だ け書 い て い た の を 目 に した の で 、一 言 コメ ン トした。 彼 は最 終 的 に以 下. の よ う に発 表 した。. Hello,everyone.Pleaselookatthis.Thisisamatchingring.`Matchingring'isペ. ア リ. ン グinJapanese.Ihadagirlfriend.HernameisKumiko.Welovedverymuchbutwe brokeuplastsummer.Ican'tforgether.Istillloveher.ButIhavetomoveon.Today, Iwillsaygoodbyetoher.Pleaseopenthewindow.(窓 Kumiko1(窓. か. 際 の 学 生 が 窓 を 開 け る)Goodbye,. ら ペ ア リ ン グ を 投 げ 捨 て る)Thisismygraduationday.Thankyou.. 3「 簡 易 版 」 で も基 本 的 に は 同 様 の 流 れ で 事 前 指 導 を行 うが 、 原 稿 の確 認 に つ い て は 「チ ェ ッ ク リス ト」 を配 布 す る に留 め 、添 削 は行 わ ない 。 一 人90秒 程 度 の 発 表 で 相 互 評 価 も省 略 し、評 価 は特 定 の 項 目に 力 点 を置 い た 教 員 評 価 の み 行 う。 4近 畿 大 学 通 信 教 育 部 の 面 接 授 業 で は 、基 本 的 に 午 前9:30か ら午 後5:00ま で3日 間 、 集 中 的 に 授 業 が 展 開 され る。. 大学英講. こおけるs㎞ 一. 髄. 用いたスピーチ指導の試み 国. Zρ轟 ⊃. とっ て 分 か りや す い英 語 で 話 され て い る 」 「話 しの 流 れ が 自然 で あ る 」 と した が 、 ス ピー.

(16) 語学教 育部ジ ャーナル. 教 室 は割 れ ん ばか りの 大 き な拍 手 に包 ま れ た が 、 こ の ス ピ ー チ は 、 先 述 した 文 部 科 学 省 ・中央 教 育 審 議 会 ・大 学 審 議 会 の 答 申で 謳 わ れ て い る、 大 学 生 に 求 め られ る英 語 力 に は 到 底 及 ぶ もの で は な いか も しれ な い 。 しか しなが ら、 筆 者 が 過 去3年 間 に見 て きた発 表 の 中 で 、 これ ほ ど まで に強 烈 に話 し手 の メ ッセ ー ジ が伝 わ って きた ス ピー チ は ない 。 限 られ た語 彙 力 と文 法 知 識 、 そ して使 い慣 れ ない 電 子 辞 書 と持 ち前 の威 勢 を駆 使 して 、 自分 に語 り得 る 内容 を精 一 杯 表 現 して くれ た 学 生Aに 敬 意 を覚 え る と と もに、ShowandTel1が. 内. 包 す る 、 自己 表 現 力 を引 き出す 可 能性 を実 感 した 。 そ の 時 の ク ラス メ イ トの 多 く も、 大 な り小 な り英 語 に対 し苦 手 意 識 や無 力 感 を抱 い て い る学 生 た ち だ っ たが 、筆 者 と同 様 に学 生 Aの ス ピー チ に聴 き入 っ て い た 。 ク ラス 全 体 が 実 際 の言 語 使 用 を体 感 で きた 瞬 聞 で あ っ た と確 信 してい る。 ShowandTellを. 用 い た ス ピー チ指 導 を通 じて 学 生 の 自 己表 現 力 を 引 き出 し、 よ り効 果. 的 な学 びの 共 有 を実 現 で きる よ う、今 後 も意 欲 的 に試 行 錯 誤 を重 ね てい きた い。. 参考文献 川 村 正 樹(1999)『. 英 語 力 向 上 の た め の ス ピ ー チ 学 習 入 門 』 東 京:リ. 田 中 武 夫 他(2003)『 樋 口 忠 彦(編. ー ベ ル 出 版.. 「自 己 表 現 活 動 」 を 取 り入 れ た 英 語 授 業 』 東 京:大. 著)(1995)『. 個 性 ・創 造 性 を 引 き 出 す 英 語 授 業. 修 館 書 店.. 英 語 授 業 変 革 の た め に 』 東 京:. 研 究 社. 蒔 田 守(1998)「ShowandTellに. 自 己 評 価 ・相 互 評 価 を 取 り入 れ る 試 み 一評 価 活 動 やQ&Aコ. ン テ ス トに よ る 授 業 活 性 化 の 工 夫 一 」 『 筑 波 大 学 附 属 中 学 校 研 究 紀 要 』,第50号,pp.155-163. 松 本 茂(編. 著)(1999)『. 方 』 東 京:教. 生 徒 を変 え る コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン活 動. 自 己 表現 活 動 の留 意 点 と進 め. 育 出 版.. 三 浦 孝 他(2002)『. だ か ら 英 語 は 教 育 な ん だ 一心 を 育 て る 英 語 授 業 の ア プ ロ ー チ ー』 東 京:研. 社. 文 部 科 学 省(2000)「. グ ロ ー バ ル 化 時 代 に 求 め ら れ る 高 等 教 育 の 在 り方 に つ い て 」(答 申). http://www.mext.go.jp/b 文 部 省(1999)『. _menu/houdou/12/11/0011a12.htm. 高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 外 国 語 編 英 語 編 』 東 京 二開 隆 堂 出 版. Hadfield,J.(1992).Classyoon2dynaynics.Oxford:OxfordUniversityPress. Legutke,M&Thomas.H.(1991).ProcessandexperienceinthelangzaageclassroonZ.Harlow: Longman. Sano,M.,Takahashi,M.&Yoneyama,A.(1984).Communicativelanguageteachingandlocal needs.EnglishLanguageTeaching/ouynal,38,170-177.. 16. 、. 究.

(17) 8 8. Zρ沁. Shumin,K.(2002).Factorstoconsider:DevelopingadultEFLstudents'speakingabilities.In Richards,J.C.,&Renandya,W.A.(Eds.),ル7ethodologyinlanguageteaching:Ananthology. ofcurrentpractice.(pp.204-206).UK:CambridgeUniversityPress.. Underhill,N.(1989).Processinhumanisticeducation.EnglishLanguageTeaching/ouynal,43,. 250-260.. 資 料1:授. 業 開 きにお け る学 生 の学 習 経 験 調 査. (1)授 業 開 き ア ン ケ ー ト項 目:自 己表 現 活 動 に 関 す る 経験 の 有 無 これ まで 受 け て きた 英 語 の 授 業 で 、 以 下 の 活 動 を経 験 した こ とが あ る か ど うか 答 え て くだ さい 。 「 有 」 か 「無 」 に○ をつ け 、 「有 」 の 場 合 は 中学 、 ま た は高 校 何 年 生 の と きか 明記 して くだ さい 。 例:中3 1.英 語 ス ピ ー チ:有. 無(年). 2.英. 語 劇:有. 無(年). 3.英. 語 で デ ィス カ ッ シ ョン、 また はデ ィベ ー ト. 4.英. 字 新 聞 づ く り:有. 5.何. か に つ い て 調 べ 、 英 語 で 発 表 す る:有. 6.そ. の 他 英 語 を使 っ た 創 造 的 な 活 動(内. 無(. 有 年). 無. 年). (. ). 容:. (. (2)2005年. 年). 無(. 年). 度 結 果(対 象 学 生 数216名). 経 験 した こ との あ る 活動 内容. 人数 26. 1.英 語 ス ピ ー チ. 2.英 語 劇. 3. 3.英 語 で デ ィ ス カ ッ シ ョ ン 、 ま た は デ ィ ベ ー ト. 3. 4.英 字 新 聞 づ く り. 5. 5.何 か に つ い て 調 べ 、 英 語 で 発 表 す る. 6.そ の他 英 語 を使 っ た創 造 的 な 活 動. 15 0. ※ 同一 の学 生 が複 数 の活 動 を経験 して い る場 合 が 多 い。. 大 学 英 語 教 育 に お け るShowandTellを. 用 い た ス ピー チ 指 導 の 試 み17.

(18) 語学教育部ジ ャー ナル. 資 料2:ShowandTell企 ShowandTell企 1.企. 画 書 例(縮. 小). 画書. 画 書 作 成(日. 本 語 で もOK). 見 せ る もの 、 資料 タ イ トル. '. 導入 (箇条 書 き) 話の展開 (箇条 書 き). 結び (箇条書 き). 2.参. 考. ① 聞 き 手 に や さ し い ス ピ ー チ の 流 れ(例:MyFavoriteMusician) a)挨. 拶:Hello,everyOne.. b)導. 入:Doyouhaveanyfavoritemusician?_. c)展. 開(例. d)結. び ・ ま と め:_1'lllendyoumyCDs.Theyaregreat.. e)挨. 拶:Thankyou(forlistening).. 示 な ど):Pleaselookatthispicture.TheyaretheBeatles.Theyalways.... ② 原 稿 作 成 上 の ヒ ン ト(聞 1.単. 文 を 多 く使 い ま し ょ う 。. 2.ど. う し て も難 しい 単 語 を 使 う と き は →. 18. き 手 に 伝 え る た め の 工 夫). 例 え ば 、Dogisイ. →. ス ピー チ で は 、 関 係 代 名 詞 や 接 続 詞 を 多 用 し な い こ と。. ヌinJapanese. 「英 単 語 」is「 日 本 語 」inJapanese.と .と い う よ う に 。. 説 明 しよ う。.

(19) 資 料3:ShowandTell解 ShoveandTellっ. 説 用 ハ ン ドァ ウ ト て 何?. ① この 活 動 の ね ら い. 発表者. ・ク ラ ス メ イ トに何 か を 見 せ な が ら、 伝 え た い こ と を 整 理 し て 英 語 で 話 す 。 ・聞 き手 に 発 表 の 内 容 が 良 く伝 わ る よ う な 話 し方 を 身 に つ け る 。. 聞 き手. ・発 表 の 内 容 を 聞 き取 り、 質 問 す る 。. ② 概要 ・毎 時 間2名. ず つ 、3分 程 度 の ス ピ ー チ を 発 表 し ま す 。 ・指 導 過 程 は 次 の 通 りで す 。. 予備段階. 企画書作成. 準備段階. 原稿 提 出. →. 本番. 発表. 質疑応答. ま とめ. 自己評価表提出. →. →. 原稿作成 面 接(発 表 指 導)→ →. 各 自で発 表練 習. 評 価(教 員 、相 互 、 自己). ③ 留 意点 ・自 分 の 伝 え た い こ と を 、 精 一 杯 表 現 し ま し ょ う 。 →. 聞 き手 が 理 解 で き る 、 わ か りや す い 英 語 で1. ・聞 き 手 に テ ー マ と 自分 の 関 わ りが 分 か る 展 開 に し ま し ょ う 。 →. 聞 き手 を 意 識 し た ス ピ ー チ 構 成 を1. ・発 表 は 原 稿 を 見 ず に 行 い ま す 。(た だ し、 メ モ はOK) → 段 落 ご と の 意 味 内 容 を意 識 す る と覚 え や す い 。 ④評価 ・教 員 、 聞 き手(ク. ラ ス メ イ ト)、 そ し て 自分 自 身 、 つ ま り教 室 に い る 全 員 が 評 価 を し. ま す 。 総 合 評 価 の 割 合 は 、 教 員50%、 聞 き 手25%、 ・評 価 の 観 点 は 「発 表 の 内 容:8点 」 「話 しぶ り:8点. 発 表 者 自 身25%と し ます 。, 」 「意 欲:4点 」 の 計20点 満 点 と. します 。. (評価 カー ド縮 小 版) Date:. StudentNo:. Presenter:. A:Content (内 容) B:口elivery (話 し ぶ り). C:Motivation (意 欲). Comments(内. Name:. 丁itle:. A1.話. し手 との 関 わ りが 中 心 に 表現 され てお り、 聞 き手 の 関 心 を引 く 43210. A2.話. し手 の メ ッセ ー ジ を伝 え る の に 適 切 な 分量 で あ る. 計. 43210. Bl.ア イ コ ン タ ク トが 十 分 に で きて い る. 3210. B2.十 分 な声 量 と適 度 な速 度 で 、 聞 きや す く話 して い る. 3210. B3.視 聴 覚 資 料 を効 果 的 に利 用 して い る. 210. C1.意 欲 が あ り、 しっ か り準 備 を して い る こ と も分 か る. 43210. /8 計 /8 計 /4. (例:暗 記 して きて い る 、伝 え よ う とい う熱 意 を感 じる) 容 に関 す る 感 想 、 又 は良 か った 点 、改 善 す べ き 点 を 具 体 的 にア ドバ イ ス しま し ょ う). 大 学 英 語 教 育 に お け るShowand丁ellを. 用 いた ス ピー チ指 導 の 試 み. 露.

(20) 語学教育部ジ ャーナル. 資料4自. 己評価用紙. 裏面. ※表 面 は、 評価 項 目を 自己評 価用 に表記 して 、相互 評 価用 紙 と同様 の レイア ウ トに して い る。 自己評価 /20. 発 表 者 氏 名1. ☆ 教 員 ・相 互 評 価 の 記録 A. B. C. 計. ☆ 教 員 ・相 互 評 価 を ま とめ て感 じた こ と 感 想 ・満 足 で き た点 ・改 善 す べ き点. 教員. ※ こ この ま とめ が 一 番 大 切 で す1 今 回 の 発 表 を振 り返 り、 具 体 的 に書 い て くだ さい 。 相 互(ク. ラ ス メ イ トか らの 評価). 1 2. 3 4. 5 6 7 8 9. 10 11 12. 13 14 15 16 17. 18 19 2D 21 22. 23 24 25. 26 27 28 29. so 31 32 33 34 35. 36. ☆総合 評価. 37 38 39 40. 合 計 点:. 相互評価平均点:. 20. ;ll難 振:1一 *小 数 点 第1位. 繍. を四 捨 五 入 して計 算 す る こ と.

(21) D⊃08 Z O沁. 資 料5:ShowandTellに. 関 す る ア ンケ ー ト. ス ピ ー チ 活 動Show&丁ellに. 関す る ア ン ケ ー ト. 今 回 経 験 し たShow&Tellに. 対 す る み な さ ん の 意 見 ・感 想 を 、 次 回 の ス ピ ー チ 活 動 に. 役 立 て た い と 思 い ま す の で 協 力 し て く だ さ い 。 各 質 問 に 、1(0-20%)、2(21-40%)、 3(41-60%)、4(61-80%)、5(81-100%)の5段. 階 で 考 え 、()に. 数 字 を 記 入 して く だ さ. い 。 そ の 他 の 質 問 形 式 は そ の 指 示 に 従 っ て 記 入 して く だ さ い 。 無 記 名 で す 。 自分 自 身 の 発 表 に つ い て 1.準. 備 ・練 習 を し っ か り し て 本 番 に 臨 ん だ 。(). 2.準. 備 ・練 習 の 成 果 を 本 番 で 発 揮 で き た 。(). 3.ス. ピ ー チ を 終 え た 後 、 達 成 感 が あ っ た 。(). 4.発. 表 後 、 努 力 ・改 善 が 必 要 だ と 思 っ た こ と を 、 下 の(1)∼(9)か ら 、 強 く 思 っ た 順 番 に 3つ 数 字 で 答 え て く だ さ い 。 (1)ス ピ ー チ の 内 容 ・構 成(2)ア (4)強 弱 の つ い た 話 し方. イ コ ン タ ク ト(3)声. ㈲ 話 す ス ピ ー ド(6)発. (7)視 聴 覚 資 料 の 有 効 的 な 利 用 方 法(8)話. (. )→(. の大 きさ. 音. す 時 の 姿 勢(9)準. ). )→(.  . ス ニ ン グ能 力 の改 善 につ な が っ た 。.  . 7.リ.  . ラ ス メ イ トの 発 表 を 楽 し む こ と が で き た 。. く. 6.ク. く. ラ ス メ イ トの 発 表 を 理 解 で き た 。. く. ク ラ ス メ イ トの 発 表 を 聞 い て 5.ク. 備 ・練 習. 8、.  . 評 価 につ い て 自分 は ク ラ ス メ イ トの 発 表 を 適 切 に 評 価 で き た 。(.  . 9.自. 分 は ク ラ ス メ イ トに 対 し て 、 適 切 な コ メ ン トを 書 い た 。(  . ラ ス メ イ トは 自 分 の 発 表 を 適 切 に 評 価 し た 。(. 11.ク. ラ ス メ イ トは 自 分 に 対 し て 、 適 切 な コ メ ン トを 書 い た 。(. 12.評. 価 者 名 を記 入 した こ と は評 価 に責 任 を持 つ とい う意 味 で よ か っ た。.  . 10.ク. c 13.ク. ). ラ ス メ イ トか ら受 け た 評 価 や コ メ ン トは 、 今 後 の 自 己 改 善 に 活 か せ そ う だ 。 (. ). ス ピー チ 活 動 全 体 につ い て  . 語 を使 っ て 自 己 表 現 す る い い 機 会 だ っ た 。(. 15.も. う 一 度 、 ス ピ ー チ 活 動 に チ ャ レ ン ジ し て み た い 。(.  . 14,英. 具 体 的 な 理 由:. 2達.

(22)

参照

関連したドキュメント

専攻の枠を越えて自由な教育と研究を行える よう,教官は自然科学研究科棟に居住して学

ても情報活用の実践力を育てていくことが求められているのである︒

カリキュラム・マネジメントの充実に向けて 【小学校学習指導要領 第1章 総則 第2 教育課程の編成】

大学は職能人の育成と知の創成を責務とし ている。即ち,教育と研究が大学の両輪であ

Questionnaire responses from 890 junior high school ALTs were analyzed, revealing the following characteristics of the three ALT groups: (1) JET-ALTs are the

「職業指導(キャリアガイダンス)」を適切に大学の教育活動に位置づける

一貫教育ならではの ビッグブラ ザーシステム 。大学生が学生 コーチとして高等部や中学部の

 英語の関学の伝統を継承するのが「子どもと英 語」です。初等教育における英語教育に対応でき