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medical image processing using belief propagation

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Academic year: 2021

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図 5 本研究で用いるベイジアンネットワーク

信念伝播アルゴリズムを用いた医用画像処理

Medical Image Processing using Belief Propagation

石川雅浩

玉木徹

山本正信

Masahiro ISHIKAWA Toru TAMAKI Masanobu YAMAMOTO

1

新潟大学大学院自然科学研究科

2

新潟大学工学部

1Graduate School of Science and Technology, Niigata University 2Faculty of Engineering, Niigata University

Abstract: This paper describes an algorithm for solitary pulmonary nodule in chest radiology by using the belief propagation algorithm. We discuss how the belief propagation is used to detect solitary pulmonary nodules.

1.はじめに 胸部単純写真(図1)からの孤立性結節状陰影(図2)の検出は、 コンピュータ診断支援(CAD)システムが商用化されている[1]。これ は経時差分処理を用いており、対象画像に加えて過去の画像を必要と するが、臨床において過去の画像は必ず得られているものではない。 対象画像のみで孤立性結節状陰影を検出できればより利便性が高い が、対象画像だけからの孤立性結節状陰影の検出は未だ実用化されて いない難題である。そこで本稿では、信念伝播アルゴリズムを用いた 対象画像に対する医用画像処理について報告する。 2.手法 まず、多数の学習画像[2]に強調フィルタを畳み込み、その出力(図 3)を7つのしきい値でそれぞれ2値化(図4)し、画像中の領域を検出 する。これを、疑陰影画素群と呼ぶ。次に、各疑陰影画素群から特徴 量(円形度・実行直径・2次モーメント・平均濃度値・画素数・周囲長・ 分散・歪度・尖度・コントラスト)を検出する。そして、ベイジアン ネットワークを構築し、得られた特徴量を基に事前確率を学習する。 3.ベイジアンネットワーク 本研究で用いる、ベイジアンネットワークを図 5 に示す。各ノード は、特徴量を表し、陰影ノードが推論の対象である。ベイジアンネッ トワークは以下の手順で構築する。 まず、推論対象となるノードも含めて、それに関するノードを用意 する。次に、親となるノードを決定し、それに準ずる子ノードを決定 する。最後に、推論対象となるノードを中心に親ノードを加える。 本研究では、親子関係にあるノードは相関が高いという条件を加え た。また、陰影的形状度ノードは特徴量から得られるノードではなく、 コントラストと円形度の相関が高い点に注目し、二つの関係から確率 設定を行うためのノードである。その際、陰影的形状度ノードから陰 影ノードへは 0(陰影ではない)と 1(陰影である)のいずれかの確 率を伝播する。これは、陰影ノードの上流に複数のノードが存在する と事前確率の数が爆発的に増加するため、それをあらかじめ避けるた めである。また、“歪度と尖度”、“2 次モーメントと画素”は二つの ノードに強い相関があったため親子関係とした。 ベイジアンネットワークにおける、推論対象ノードの事後確率の計 算は、モデルが単一結合である場合に利用される信念伝播アルゴリズ ムを用いる[3]。 4.実験結果 実験には、孤立性結節状陰影を含んだ 76 枚の胸部単純写真[4]を用 いた。疑陰影画素中の陰影画素(77 個)と偽陰影画素(33304 個) は目視で分類し、各特長量を計算した。有病正診率(病気である情報 を与えた際に病気であると正しく診断できる確率)と無病誤診率(病 気でない情報を与えた際に病気であると間違って診断してしまう確 率)を求めた結果、有病正診率=88%、無病誤診率=10%(1画像に つき 30 個)であった。胸部単純写真における孤立性結節状陰影の検出 率の報告例としては、有病正診率=75%、無病誤診率=1画像につき 1.5 個というものがある[4]。したがって、本研究の結果は、良いもの ではない。しかし、有病正診率は報告例より高く、これを下げずに無 病誤診率をどれだけ低下させられるかは今後の課題である。 5.まとめ 信念伝播アルゴリズムを用いて、胸部単純写真中から孤立性結節状 陰影を検出する方法を提案した。今後以下の 3 点を改善する事で更な る高精度化が期待される。 第一に、強調画像の 2 値化を 7 つのしきい値を用いて7枚作成し て利用しているが、偽陰影と診断する際に他の 2 値化画像と位置が同 様なものは一つとして数える事とする。第二に、2 次モーメントやコ ントラストの算出方法について検討する。第三に、新たな特徴量とし て、エントロピーや相関など有力と考えられる特徴量をアルゴリズム に組み込むである。 参考文献 [1] 三菱スペースソフトウェア CAD プロジェクト

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www.kansai. mss.co.jp/CADProj/index.html, 2000. [2] 白川順次ら :「標準画像ディジタルデータベース」, 日本放射線 技術学会, 1998. [3] 鈴木譲 :「ベイジアンネットワークにおける確率伝播について」, 2001 年ベイジアンネットチュートリアル, 2001. [4] 桂川茂彦 :「診療放射線技術選書」, 南山堂, 2002. 新潟大学 工学部 情報工学科 山本研究室 〒950-2181 新潟市五 十嵐二の町 8050, Email:ishikawa@vision.ie.niigata-u.ac.jp 図3 強調フィルタ画像 図1 胸部単純写真[2] 図4 2値化画像 図2 (左)孤立性結節状陰影,(右)模式図

図 5 本研究で用いるベイジアンネットワーク

参照

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