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4. 転移性脳腫瘍で発症した肺がんの1例(第43回群馬脳腫瘍研究会<一般演題1>)

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Academic year: 2021

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シャント術を行った. その後, 病変は一時やや縮小する も再増大を認めたため 4月より sorafenib投与を再開し たところ, 5月の MRI では病変は著明に縮小していた. 肝転移の増悪により状態が悪化し, 11月 sorafenib投与 中止, 緩和ケアに移行となったが, それまで脳病変は縮 小を続けていた. 12月全経過 5年 9ヶ月で永眠. Sor-afenib 投与にて縮小のえられた腎細胞癌の脳転移例を報 告した. 進行性腎細胞癌に対してはインターフェロン α や IL-2による免疫療法が標準治療であったが, 近年, そ の 増 殖 に 関 わ る 子 機 構 の 解 明 が 進 み, sorafenib sunitinib, temsirolimus, bevacizumabなどの 子標的薬 が推奨されるようになった.抗 VEGF 療法では頭蓋内出 血などの合併症が報告され脳転移例は慎重投与とされて いるためその適応は慎重に検討しなければならないが, 治療オプションとして認知しておく必要がある. 4.転移性脳腫瘍で発症した肺がんの1例 栗原 秀行,笹口 修男,大谷 敏幸 (独立行政法人・国立病院機構 高崎病院 脳神経外科) 清水 雄至 (同 呼吸器内科) 村 賢 (中央群馬脳神経外科病院) 肺がんからの転移性脳腫瘍の治療方針を決める上で, 原発巣の組織型, 腫瘍コントロールの状況が重要である. 今回我々は,脳転移で発症した non-small lung cancerで, 原発巣コントロールの為の化学療法が脳転移巣にも著効 を示し, 化学療法のみでフォローしている症例を経験し たので報告する. 患者は 63歳男性で, 既往歴は糖尿病のみで喫煙歴な し. 2009 年 4月頃より歩行時, 入浴時に右足のもつれを 自覚し, 4月 21日, 前医受診. 軽度の右足麻痺あり, MRI にて左前頭葉内側, 左小脳橋角部に Gdで増強される病 変および, CT にて右中, 下肺野に陰影あり, 肺腫瘍の脳 転移の診断で 2009 年 4月 27日, 当科紹介となった. 軽 度右下肢の麻痺, および軽度の失語あり, 左前頭葉に広 範な浮腫を伴う径 1 cmほどの腫瘍と, 左内耳道内に径 7 mmほどの腫瘍を認めた. 呼吸器内科にコンサルトし, 4 月 28日, 気 管 支 鏡 に よ る 生 検 術 施 行. Bronchiolo-alveolar-carcinoma,EGFR 陽性 の診断であった.まずは 原発巣のコントロール目的に化学療法を施行し, その結 果で定位的放射線治療など検討することとし, 酒石酸ビ ノレルビン, カルボプラチンによる化学療法を 2クール 施行した. この間に肺, 脳病変ともに縮小を示したが, 根 治に至らなかったため, 定位的放射線治療, 維持化学療 法を検討中である. 最近, 化学療法の発達で, 原発巣, 転移巣ともにある程 度コントロールされる症例もあり, 転移性脳腫瘍の治療 計画にあたり, 原発巣の組織型診断に基づく適切な化学 療法は, 原発巣のみならず, 転移巣のコントロールにも 重要な因子であると えられた. 5.当施設における転移性脳腫瘍の摘出術後成績 楮本 清 ,早瀬 宣昭 (埼玉県立がんセンター 脳神経外科) 卯木 次郎 (関東脳神経外科病院 脳神経外科) われわれは, がんの脳転移に対し積極的治療方針のも とで治療を行ってきた. MRI の導入後に経験した転移性 脳腫瘍摘出術の治療成績を検討した. 症例は, 1991年 9 月から 2009 年 1月までの約 17年間 で, 摘出術後 6ヶ月以上の臨床経過を観察しえた連続 332例である. 原発臓器別症例数 (%) は, 肺 172 (51.8), 乳腺 44(13.3),大腸及び直腸 40(12.0),腎 15(4.5),子宮 9 (2.7), 食道 9 (2.7), 胃 9 (2.7), 肝 5 (1.5), メラノーマ 4 (1.2), 原発不明 2 (0.6). 脳腫瘍統計全国調査と比較する と, 乳腺, 大腸および直腸の頻度が高い. 術後生存期間中 央値 (MST : 日)は,全腫瘍では 233,肺 244,乳腺 357,大 腸及び直腸 173, 腎 194であった. MST を 1999 年 12月 以前と 2000年 1月以後の各 140/192例で比較してみる と, 全腫瘍では 192→ 259 日, 肺 225→ 263日, 乳腺 295 → 391日, 大腸及び直腸例 117→ 220日であった. MST 長の要因として, 子標的治療薬を含む化学療法, 術 後放射線治療, 手術法の進歩などが えられる. 一方, KPS, 脳以外の転移, 原発巣の制御, 年齢から 類される予後因子 類 (RPA : RTOG)を用いて,肺がん の脳転移術後成績を比較すると, RPA class ∼ の MST は, それぞれ 13.1, 7.9, 6.2ヶ月であった. 脳転移摘出術後の治療は, 定位放射線治療の導入, 化 学療法の進歩に伴って複雑化し, われわれの方針も変化 してきており, 問題点を提示したい. がん患者の増加と全身治療の進歩に伴って, 今後さら に中枢神経系への転移が問題になることが予想される. 転移性脳腫瘍の治療においては, 全身病として病態を理 解し, 原発巣治療担当科, 放射線科との連携のもとで最 善の治療法を検討することが重要である.

特別講演>

座長:好本 裕平(群馬大院・医・脳神経外科学) 転移性脳腫瘍としての肺癌 ―肺癌専門医からのメッセージ― 光富 徹哉(愛知県がんセンター中央病院 副院長・胸部外科部長) 第 43回群馬脳腫瘍研究会 88

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