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手術室新人看護師が抱く困難と対処法

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Academic year: 2021

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手術室新人看護師が抱く困難と対処法

千 田 寛 子, 堀 越 政 孝,

村 弘 美

新 井 裕 美, 永 井

歩, 齋 藤 洋 子

河 村 恵 美, 二 渡 玉 江

要 旨 【目 的】 本研究は手術室新人看護師が抱く困難と対処法について 析・検討して早期離職の予防方法の知 見を得ることである. 【対象と方法】 手術室看護師 13名に聞き取り調査を実施後, 質的帰納的に 析した. 【結 果】 困難は 7カテゴリ【手術室看護の覚えることの多さ】【慣れない業務への対応】【手術室看護の知 識・経験の無さ】【手術室の勤務体制による疲労】【職場における人間関係】【患者への対応】【間違いの許さ れない業務】から形成された. 対処は, 5カテゴリ【他者と話をする】【困難を前向きに捉える】【心身をリフ レッシュする】【学習することで知識を獲得する】【職場における人との接し方を えて付き合う】から形成 された. 【結 語】 今後, 手術室新人看護師の早期離職予防の支援として, 思いを表出出来るような場や知 識・技術の獲得が出来る場を設け, 手術室看護師の専門性を意識づけていくことが重要である.(Kitakanto Med J 2012;62:277∼286) キーワード:困難, 対処, 手術室新人看護師 .目 的 現在, 看護師の業務密度や業務負担が高いこと等から 看護師の職場定着は難しく, 2015年度に至っても看護師 の需要数は依然として供給数を上回ることが予測されて いる. このような中で, 新人看護師の離職率は 9.3% で あり, 新人看護師における早期離職対策の必要性が指摘 されている. 新人看護師は, 基礎教育修了時点の能力と現場で求め る能力とのギャップの大きさや, 現代の若者の精神的な 未熟さや弱さ, 看護職員に従来よりも高い能力が求めら れるようになってきていること等 により早期離職に至 るとされている. 加えて, 新人看護師は, その知識・経験 不足から援助技術の提供や, 患者・職場の人間関係等に 困難を抱いており, 日々強い緊張感の中で生活している ことが予想される. に, 社会人への移行期にある新人 看護師は, 懸命に努力しなければ援助提供が難しく, こ れが看護師の身体的・精神的負担を高めている可能性が ある. この状況下において, 新人看護師は, 入職 3ヶ月後 には約 3割に中等度以上のうつ傾向を示す との報告も ある. 一方, 困難な状況は耐えがたいものであるが, ときに それは自 たちが思ったこともない適応的な対処の原動 力を引き出してくれる と言われている. 困難に対処し, それを乗り越えたのちに人は強さを得て, その後の困難 に打ち勝つ力を得ていくことが出来ると える. 対処と は, 結果にかかわらずストレスフルな要求を処理する 努力」 とされており, 困難な状況に適応していくために は, あらゆる対処行動をとり, ストレスフルな状況に合 わせてそれを柔軟に用いることが重要である. 新人看護 師自らが, 様々な対処行動を実践して自身の抱く困難を 乗り越えていくことは, 身体・精神的な 康の保持に影 響し, これによって職務継続が可能となると える. す なわち, 対処行動について えることは, 看護のマンパ ワーの確保という点から捉えても重要なものである. つ まり, 新人看護師の抱く困難とその対処の現状を捉え 1 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学大学院保 学研究科看護学講座 2 東京都新宿区河田町8-1 東京女子医科大学病院 3 東京都文京区湯島1-5-45 東京医科歯科大学附属病院 4 群馬県前橋市昭和町3-39-15 群馬大学医学部附属病院 平成24年5月23日 受付 論文別刷請求先 〒371-8514 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学大学院保 学研究科 千田寛子

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えていくことは, 今後の新人看護師への離職予防の援助 を えていく上での一助となる. 新人看護師は入職後, 様々な部署に配置される. 中で も手術室は, 治療を中心とし, 患者の生命と直結する緊 迫した場であり, 病棟と異なる部署である. 手術室では, その特殊性や手術室特有の知識・技術習得等から既卒看 護師であっても困難を経験する. そのため, 手術室では, 他部署に配属された新人看護師の抱く困難に加えて, 手 術室に特徴的な困難を抱くことが予想される. これまで新人看護師の抱く困難については検討がなさ れている が,手術室新人看護師が抱く特徴的な困難と その対処法について詳細を明らかにしたものは無い. 手 術室新人看護師の抱く困難と対処の現状について質的側 面から詳細に捉え, その内容から今後の早期離職の予防 法を検討することが必要である. よって本研究の目的は, 手術室新人看護師の抱く困難 とその対処を明らかにすることで, 手術室新人看護師の 早期離職における予防法の知見を得ることである. .用 語 の 定 義 手術室新人看護師:看護基礎教育課程修了後, 国家試験 を合格して免許を取得し, 初めて手術室に配属さ れた入職 1年未満の看護師. 困難:新人看護師が業務や職場環境, 人間関係などに関 して抱える, 身体的, 社会的, 精神的に悩み苦しむ 事柄. 対処:新人看護師が, 入職してから抱く困難を管理し解 決していくための意識・無意識化にとる行動. .方 法 1.研究デザイン 本研究は, 面接ガイドを用いて半構成的面接法を実施 し, 質的帰納的に 析する因子探索型研究である. 2.対象 A 病院の手術室に新人看護師として配属され, その困 難な状況を振り返り答えることの出来る臨床経験 2年目 から 5年目の看護師とする. また, 困難に直面しており, 自己の状況を整理してインタビューを答えることが出来 ないと える 1年未満の新人看護師は, 対象から除外し た. 3.研究内容 面接内容は, 対象者の属性 (性別, 年齢, 看護師経験年 数, 手術室配属希望の有無, 職務継続希望の有無, 生活背 景) 及び, 手術室看護師が新人看護師時代に抱いた困難 とその対処法である. 4.データ 析 1)データ化 面接で得られた内容から逐語録を作成し, 対象者の 語っている内容の言葉の意味を損なわないよう区切り, 新人看護師の抱く困難とその対処にあたる部 を抽出し た. 抽出したデータの意味内容がわかるように表現しラ ベルを作成し記録単位とした. 2)データ 析 対 象 者 の 属 性 及 び, 面 接 所 要 時 間 に つ い て は, Excel2010に入力し, 記述統計量を算出した. 手術室新人 看護師の抱く困難と対処については, Berelson. Bの内容 析 の手法を参 に, 要約したデータをコード化し, 意 味内容の類似性に基づき 類, 命名しカテゴリ化した. 3) 析の信頼性の確保 コードの解釈, カテゴリ 類, ネーミングの妥当性に 関して, 共同研究者間にて検討を行い 析の信頼性を確 保した. また, 本研究は 析の過程において, 質的研究に 精通した 2名の教員のスーパーバイズを受けた. 内容 析の結果における信頼性の確認は, 偶然から生じる一致 を加味し, その頻度を補正した一致率を得ることが出来 るスコットの一致率 を 用した. 5.調査期間 平成 22年 8月∼平成 23年 12月 6.倫理的配慮 調査は, A 大学疫学倫理審査委員会の承認を得たのち, 看護部及び協力病棟師長の許可を得て実施した. また, 手術部看護師長に研究の内容を説明した上で, 対象者の 紹介を依頼した. 対象者には, 事前に本研究では IC レ コーダーを 用することと個室での面接を実施すること を説明し, 本研究の目的と方法及び調査協力は自由意思 であり協力の有無によって不利益は生じないことを説明 した文書を配布した. 面接時に再度文書及び口頭で先述 した内容及び, 調査結果を学術目的以外で 用しないこ とを伝えた. に, 調査途中であっても調査協力の辞退 は可能であること, 個人情報の取り扱いは厳重に行いプ ライバシーの保護に努める旨を説明し, 対象者への人権 に最大限配慮した. IC レコーダーに録音した内容は, 逐 語録作成後速やかに消去した. .結 果 1.対象者の属性 (表 1) 前述の対象に該当する者は 13名で, 全員から同意が 得られた. 面接時間は, 36.5±16.1 であった. 対象者は 全 員 が 20代 で あ り, 女 性 8名 (61.5%), 男 性 5名 (38.5%) であった. 年齢は, 平 ±標準偏差が 24.5±1.8

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歳であり, インタビュー時の看護師経験年数は, 2年目 5 名 (38.5%), 3年目 4名 (30.8%), 5年目 4名 (30.8%) で あった. 2.手術室新人看護師が抱く困難について (表 2) 得られた記録単位は 209 であり, 形成されたコードは 85であった. 各コードを意味内容の類似性に基づき 類 した結果, 24サブカテゴリ, 7カテゴリが形成された. サ ブカテゴリとカテゴリの一致率をスコットの式を用いて 2者間を 2組で実施しそれぞれ 94.8%の値が算出され, 信頼性は確保された. 以下研究内容のカテゴリを【 】,サブカテゴリを「 」, コードを > で表す.また,%は全記録単位における割 合を示す. 【 1. 手術室看護の覚えることの多さ : 59 記録単位, 16 コード (28.2%)】 このカテゴリが占める割合は 28.2%であり, 3つのサ ブカテゴリ「手術室看護の知識や技術について, 多くを 勉強し覚えること : 25記録単位, 7コード」, 多くの器 械や物品を覚えること : 20記録単位, 5コード」, 診療 科や医師によって異なる手術方法について覚えること : 表1 対象者属性 N=13 項目 人数 (%) 平 ±SD 性別 女性 8 (61.5) 男性 5 (38.5) 年齢 (歳) 24.5±1.8 2年目 5 (38.5) 看護師経験年数 3年目 4 (30.8) 5年目 4 (30.8) 手術室配属の 有り 9 (69.2) 希望 無し 4 (30.8) 職務継続希望 有り 13(100.0) 無し 0 (0.0) 生活背景 一人暮らし 10 (76.9) 実家暮らし 3 (23.1) 表2 手術室新人看護師が抱く困難 主なコードの内容 サブカテゴリー カテゴリー 看護学 で手術室のことはほとんど勉強してこ なかったため勉強しなければならない 手術室看護の知識や技術について, 多くを勉強し 覚えること 手術室では初めてみる物品が多く器械の名前を 覚えなければならない 多くの器械や物品を覚えること 手術室看護の覚えることの多さ (59 記録単位, 16コード, 28.2%) 外科の中にも色々あるので科や術式ごとの違い を覚えなくてはならない 診療科や医師によって異なる手術方法について覚 えること 医師が準備を終えるまでに手術が始められるよ う準備をしなければならない 手術の流れにのって仕事を行うこと 一人でできるのだろうかという恐怖を抱えて一 人立ちをしなければならない 自信のない業務へ一人で対応すること 慣れない業務への対応 (29 記録単位, 14コード, 13.9%) 新人だと, 術式を覚えるために最後まで手術に 集中しているので疲れる 手術に集中して入らねばならないこと 新人は急患が来たら器械出しをさせられる 新人で急患・急変の対応をすること 手術によって外回りの仕事の優先順位が違い, 状況に合わせての判断が全然 からない 手術室看護についてわからないことが多いこと 農業機械が刺さった等, 普段あり得ないことが 患者の体に起こっているとショックを受けた 日常では無い衝撃的な光景の手術を見ること 手術室看護の知識・経験の無さ (23記録単位, 9 コード, 11.0%) 夜勤では業務内容が昼間と違う 夜勤の業務内容が からないこと 一日中立ったままの仕事であり腰が痛くなる 長時間の立ち仕事により疲労を抱くこと 夜勤では 代者がいないので長時間の手術を続 けてやらなければならない 長時間の手術につくこと 手術室の勤務体制による疲労 (13記録単位, 8コード, 6.2%) 夜勤明けの次の日は疲れがとれないまま働かな ければならない 連続した勤務日程をこなさなければならないこと 毎日同じ先輩がついてくれるとは限らず慣れな い先輩にはわからないことを質問しにくい 先輩と関係性を構築すること 普段優しい医師でも緊張感の中で手術を行って いる 手術中の医師と接すること 勘違いで怒られたり, 怒られている理由に納得 できないことがあった 先輩に注意されること 職場における人間関係 (53記録単位, 23コード, 25.4%) 術中医師に器械の受け渡しのことで怒鳴られた 医師と関係性を構築すること 同期同士間で仲たがいする 同期と関係性を構築すること 他病棟に行った友達に気持ちを かってもらえ ず, 手術室の人にしか相談できない 手術室看護師として働くうえで身近な人に相談で きないこと 限られた時間の中で患者の不安や えているこ とを聞き出さなければならない 術前訪問時, 患者の対応をすること 患者への対応 (19 記録単位, 9 コード, 9.1%) 関わる機会が少ない患者とコミュニケーション をとらなければならない 普段接することの少ない患者とコミュニケーショ ンをとること 難しい手術に入らなければならないことがある 難易度の高い手術に入ること 触れていなくても, 清潔区域に触れたと医師が 思えば換えなければならない 厳重な清潔不潔の区別をすること 間違いの許されない業務 (13記録単位, 6コード, 6.2%) 間違えないようにしなきゃというプレッシャー を感じながら器械出しをする 間違いが許されない器械出し業務にはいること ※コードは, 主要コードのみ記載

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14記録単位,4コード」から形成された.主なコードの内 容は 看護学 で手術室のことはほとんど勉強してこな かったため勉強しなければならない>, 手術室では初め てみる物品が多く器械の名前を覚えなければならない>, 外科の中にも色々あるので科や術式ごとの違いを覚え なくてはならない> であった. 【 2. 慣れない業務への対応 : 29 記録単位, 14コード (13.9%)】 このカテゴリが占める割合は 13.9%であり, 4つのサ ブカテゴリ「手術の流れにのって慣れない業務を行うこ と : 15記録単位, 6コード」, 自信のない業務へ一人で 対応すること : 8記録単位, 3コード」, 手術に集中して 入らねばならないこと : 3記録単位, 3コード」, 新人で 急患・急変の対応をすること : 3記録単位,2コード」か ら形成された. 主なコードの内容は 医師が準備を終え るまでに手術が始められるよう準備をしなければならな い>, 一人でできるのだろうかという恐怖を抱えて一人 立ちをしなければならない>, 新人だと, 術式を覚える ために最後まで手術に集中しているので疲れる>, 新人 は急患が来たら器械出しをさせられる> であった. 【 3. 手術室看護の知識・経験の無さ : 23記録単位, 9 コード (11.0%)】 このカテゴリが占める割合は 11.0%であり, 3つのサ ブカテゴリ「手術室看護についてわからないこと : 16記 録単位, 5コード」, 日常では無い衝撃的な光景の手術を 見ること : 4記録単位, 2コード」, 夜勤の業務内容が からないこと : 3記録単位, 2コード」から形成された. 主なコードの内容は 手術によって外回りの仕事の優先 順位が違い, 状況に合わせての判断が全然 からない>, 農業機械が刺さった等, 普段あり得ないことが患者の 体に起こっているとショックを受けた>, 夜勤では業務 内容が昼間と違う> であった. 【 4. 手術室の勤務体制による疲労 : 13記録単位, 8コー ド (6.2%)】 このカテゴリが占める割合は 6.2%であり, 3つのサブ カテゴリ「長時間の立ち仕事により疲労を抱くこと : 6 記録単位, 3コード」, 長時間の手術につくこと : 4記録 単位, 3コード」, 連続した勤務日程をこなさなければな らないこと : 3記録単位, 2コード」から形成された. 主 なコードの内容は, 一日中立ったままの仕事であり腰 が痛くなる> 夜勤では 代者がいないので長時間の手術 を続けてやらなければならない>, 夜勤明けの次の日は 疲れがとれないまま働かなければならない> であった. 【 5. 職場における人間関係 : 53記録単位, 23コード (25.4%)】 このカテゴリが占める割合は 25.4%であり, 6つのサ ブカテゴリ「先輩と関係性を構築すること : 16記録単位, 7コード」, 手術中の医師と接すること : 16記録単位, 7 コード」, 先輩に注意されること : 10記録単位, 3コー ド」, 医師と関係性を構築すること : 4記録単位, 2コー ド」, 同期と関係性を構築すること : 4記録単位, 2コー ド」, 手術室看護師として働くうえで身近な人に相談で きないこと : 3記録単位, 2コード」から形成された. 主 なコード内容は, 毎日同じ先輩がついてくれるとは限 らず慣れない先輩にはわからないことを質問しにくい>, 普段優しい医師でも緊張感の中で手術を行っている>, 勘違いで怒られたり, 怒られている理由に納得できな いことがあった>, 術中医師に器械の受け渡しのことで 怒鳴られた>, 同期同士間で仲たがいする>, 他病棟に 行った友達に気持ちを かってもらえず, 手術室の人に しか相談できない> であった. 【 6. 患者への対応 : 19 記録単位, 9 コード (9.1%)】 このカテゴリが占める割合は 9.1%であり, 2つのサブ カテゴリ「術前訪問時, 患者の対応をすること : 11記録 単位, 7コード」, 普段接することの少ない患者とコミュ ニケーションをとること : 8記録単位,2コード」から形 成された. 主なコード内容は, 限られた時間の中で患者 の不安や えていることを聞き出さなければならない>, 関わる機会が少ない患者とコミュニケーションをとら なければならない> であった. 【 7. 間違いの許されない業務 : 13記録単位, 6コード (6.2%)】 このカテゴリが占める割合は 6.2%であり, 3つのサブ カテゴリ「難易度の高い手術に入ること : 6記録単位, 2 コード」, 厳重な清潔不潔の区別をすること : 4記録単 位, 2コード」, 間違いが許されない器械出し業務にはい ること : 3記録単位, 2コード」から形成された. 主な コード内容は, 難しい手術に入らなければならないこ とがある>, 触れていなくても, 清潔区域に触れたと医 師が思えば換えなければならない>, 間違えないように しなきゃというプレッシャー感じながら器械出しをす る> であった. 2.手術室新人看護師が抱く困難の対処法について (表 3) 得られた記録単位は 195であり, 形成されたコードは 96であった. 各コードを意味内容の類似性に基づき 類 した結果, 16サブカテゴリ, 5カテゴリが形成された. サ ブカテゴリとカテゴリの一致率をスコットの式を用いて 2者間を 2組で実施しそれぞれ 90.4%の高い値が算出さ れ, 信頼性は確保された. 以下研究内容のカテゴリを 【 】, サブカテゴリを「 」, コードを > で表す. ま た, %は全記録単位における割合を示す. 【 1. 他者と話をする : 24記録単位, 10コード (12.3%)】

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このカテゴリが占める割合は 12.3%であり, 2つのサ ブカテゴリ「同期・同僚等医療関係者に話をする : 21記 録単位,8コード」, 家族に話をする : 3記録単位,2コー ド」から形成された.主なコードの内容は 同期が多く同 期に相談した>, 母親に話してアドバイスをもらった> であった. 【 2. 困難を前向きに捉える : 22記録単位, 15コード (11.3%)】 このカテゴリが占める割合は 11.3%であり, 3つのサ ブカテゴリ「仕事に取り組むうえで気持ちを切り替える : 10記録単位, 7コード」, 手術室での大変さを覚悟して 割り切る : 9 記録単位, 6コード」, 厳しい先輩の存在や 言葉を良い方向に捉える : 3記録単位,2コード」から形 成された. 主なコードの内容は 悩まずに気持ちを切り 替えて仕事に取り組んだ>, ある程度大変だというのを 覚悟していた>, 小言を言う厳しい先輩を, 細かいとこ ろまでよく見てくれていると良い方向にとらえた> で あった. 【 3. 心身をリフレッシュする : 18記録単位, 10コード (9.2%)】 このカテゴリが占める割合は 9.2%であり, 2サブカテ ゴリ「仕事のことは えず, 友達や恋人と遊び気 転換 をする : 10記録単位, 5コード」, 意識して心身を休め るようにする : 8記録単位, 5コード」から形成された. 主なコードの内容は カラオケや飲みなど遊びに行き, ストレスを発散した>, 夜勤の時は仕事に備えてなるべ く体を休めるようにした> であった. 【 4. 学習することで知識を獲得する : 106記録単位, 43 コード (54.4%)】 このカテゴリが占める割合は 54.4%であり, 5つのサ ブカテゴリ「医師や看護師の先輩からの指導や助言をも らい学ぶ : 40記録単位, 10コード」, 知識の不足部 を 自己学習する : 37記録単位, 17コード」, 手術件数をこ なすことで 手術室看護の学びを深める : 10記録単位, 8 コード」, 同期同士で知識を確認する : 10記録単位, 4 コード」, 先輩や同期の動きを見て学ぶ : 9 記録単位, 4 コード」から形成された.主なコードの内容は わからな いところや不安なことは先輩を始めいろんな人に教わっ たり助言をもらったりしていた>, マニュアルでは網羅 出来ない部 の必要なことや学んだことを書き込んで勉 強した>, 経験していくと器械を渡すタイミングにとっ さに対応できるようになる>, 初めて入る手術は同期同 士で情報 換をした>, 先輩の動きをみて学ぶようにす る> であった. 【 5. 職場における人との接し方を えて付き合う : 25 記録単位, 18コード (12.8%)】 このカテゴリが占める割合は 12.8%であり, 4つのサ ブカテゴリ「相手が嫌な気持ちにならないよう心がけて 対応する : 11記録単位, 6コード」, 患者との接し方を えて対応する : 8記録単位, 6コード」, 苦手な人でも 職場の人として接し方を えて付き合う : 4記録単位, 4 コード」, 先輩と打ち解けるようにする : 2記録単位, 2 表3 手術室新人看護師が抱く困難の対処法 主なコードの内容 サブカテゴリー カテゴリー 同期が多く同期に相談した 同期・同僚等医療関係者に話をする 他者と話をする (24記録単位, 10コード, 12.3%) 母親に話してアドバイスをもらった 家族に話をする 悩まずに気持ちを切り替えて仕事に取り組んだ 仕事に取り組むうえで気持ちを切り替える ある程度大変だろうというのを覚悟していた 手術室での大変さを覚悟して割り切る 困難を前向きに捉える (22記録単位, 15コード, 11.3%) 小言を言う厳しい先輩を, 細かいところまでよ く見てくれていると良い方向にとらえた 厳しい先輩の存在や言葉を良い方向に捉える カラオケや飲みなど遊びに行き, ストレスを発 散した 仕事のことは えず, 友達や恋人と遊び気 転換をする 心身をリフレッシュする (18記録単位, 10コード, 9.2%) 夜勤の時は仕事に備えてなるべく体を休めるよ うにした 意識して心身を休めるようにする わからないところや不安なことは先輩を始めい ろんな人に教わったり助言をもらったりしてい た 医師や看護師の先輩からの指導や助言をもらい 学ぶ マニュアルでは網羅出来ない部 の必要なこと や学んだことを書き込んで勉強した 知識の不足部 を自己学習する 学習することで知識を獲得する (106記録単位, 43コード, 54.4%) 経験していくと器械を渡すタイミングにとっさ に対応できるようになる 手術件数をこなすことで手術室看護の学びを深 める 初めて入る手術は同期同士で情報 換をした 同期同士で知識を確認する 先輩の動きをみて学ぶようにする 先輩や同期の動きを見て学ぶ 先生の機嫌が悪い時は, 器械をすぐ出せるよう にしてミスをしないようにしていた 相手が嫌な気持ちにならないよう心がけて対応 する 患者と話すときは話しかけやすい 囲気を出す ようにしている 患者との接し方を えて対応する 職場における人との接し方を えて付き合う (25記録単位, 18コード, 12.8%) 苦手な人とはなるべく深く関わらないようにし た 苦手な人でも職場の人として接し方を えて付 き合う 気の合う先輩と食事に行ったりすると輪が広 がって働きやすくなっていった 先輩と打ち解けるようにする ※コードは, 主要コードのみ記載

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コード」から形成された.主なコードの内容は 先生の機 嫌が悪い時は, 器械をすぐ出せるようにしてミスをしな いようにしていた>, 患者と話すときは話しかけやすい 囲気を出すようにしている>, 苦手な人とはなるべく 関わらないようにした>, 気の合う先輩と食事に行った りすると輪が広がって働きやすくなっていった> であっ た. . 察 1.手術室新人看護師が抱く困難 手術室新人看護師が抱く困難は,【手術室看護の覚え ることの多さ】,【慣れない業務への対応】,【手術室看護 の知識・経験の無さ】,【手術室の勤務体制による疲労】, 【職場における人間関係】,【患者への対応】,【間違いの許 されない業務】の 7カテゴリであった. これらを, 手術室 新人看護師の知識・経験の無さから生じる困難, 他者と の関係性の構築における困難, 特殊性をもつ手術室勤務 そのものに対する困難の 3つの視点から捉え述べる. 1)知識・経験の無さから生じる困難 これは,【手術室看護の覚えることの多さ】,【慣れない 業務への対応】,【手術室看護の知識・経験の無さ】,【手術 室の勤務体制による疲労】から捉えた. 新人看護師が抱く職務継続上での悩みや仕事を辞めた いと思った理由としては, 課題等があって休日に休め ない」や「配属部署の専門的な知識 ・技術の不足」, 代制勤務に慣れない」等が挙げられており, 本調査でも, 知識・経験の無さから生じる困難は, これと同様の結果 であった. 学生時代の実習では, 日常生活行動援助を主体とする 看護技術を学ぶ ため, 特殊性を持つ手術室の看護技術 は, 学生時代に身に着けるまでに至らないと予想される. 特殊な看護技術を含む手術室の看護技術において, 手術 室新人看護師は入職後にその知識・技術について学ぶこ ととなる.このため,手術室に関する器械や物品・急患や 急変の対応等, 業務に関する全てのことを覚えていかね ばならない状況に曝される. また, 看護職は患者の生命 に関与する緊張ある職であり, 新人看護師であっても社 会人の責任ある看護職者としてその業務を遂行していか ねばならない. 看護師としての知識や経験の浅いまま, 手術室新人看護師は,患者の生命を担う者として,知識・ 経験の無さを埋めるよう努力し責任を持ってその業務を 遂行していかねばならず, これが手術室新人看護師に とって大きな困難になったと える. 知識・経験の無さから生じる困難の中でも特に「日常 では無い衝撃的な光景の手術を見ること」, 手術の流れ にのって慣れない業務を行うこと」, 長時間の手術につ くこと」が手術室新人看護師の抱く困難の特徴として挙 げられた. 手術室では, 治療のために臓器や組織を摘出 する等, 非日常的な光景を目の当たりにせねばならず, その環境下で手術室新人看護師は衝撃に耐え, 業務をこ なしていかねばならない. 手術は,執刀医・麻酔科医・看護師等の多職種の協働下 で進行しており, その中で看護師は, 患者の体位確保や, 麻酔時に迅速かつ正確な介助等, 執刀までに多くの役割 を果たさねばならない. また, 手術開始後, 器械出し看護 師は, 解剖やその術式を理解して, 術者に必要な器械や 材料を正確且つ迅速に渡し, 手術が安全で円滑に進行す るよう行動していく. に, 手術室のその勤務体制から 代者が不在となる夜勤等では, 長時間の手術であって も器械出しや外回りの業務を集中し一人で熟さなければ ならない. これらは知識・経験の不足する手術室新人看 護師の身体的・精神的疲労となり困難に繫がったと え る. しかしながら, 麻酔下にある患者へ医療職者は, 患者 の安全・利益を保証する重要な責任があり, 手術室新人 看護師がこのような状況下にあっても, 対処し乗り越え, 患者に不利益が無く手術が迅速・正確・安全に進むよう 業務を遂行していくことが望まれる. 2)他者との関係性の構築における困難 これは,【職場における人間関係】,【患者への対応】か ら捉えた. 森ら は, 新人看護師の仕事で抱くストレスを, 先輩看 護師との険悪な関係や, 同期生と合わない, 患者に適切 に接することが出来ないこと等であると述べている. 本 調査でも同様に,手術室新人看護師は,先輩看護師,同期, 患者との関わりについて困難を抱いていた. また, 手術 室新人看護師は, 他病棟に行った友達に気持ちを かってもらえず, 手術室の人にしか相談できない> 等と も述べており, その特殊性を持った看護故に, 気持ちを 許すことの出来る友人等の理解を得られないことも, 困 難として挙げていた. 特に手術室新人看護師は, 限られた時間の中で患者 の不安や えていることを聞き出さなければならない> 等, 患者への対応に困難を抱いていた. これは, 手術室に おいて患者は麻酔下にあることが多く, 患者とのコミュ ニケーションにおける時間が限定されているためと え る. 加えて, 術前訪問においても時間や場所等が限られ ており, 患者の日常生活を支える病棟看護師のように, 患者との関係性を構築することは難しいためと える. しかしながら, 手術はそれを受ける患者にとって, 侵襲 が大きく様々な不安・心配・恐怖を与えるものとなりう る. そのため, 新人看護師であっても, 患者との信頼関係 を構築した上で, 患者の不安を除去できるよう努めるこ とが求められる.

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加えて, 他者との関係性の構築における困難で, 手術 中の医師と接すること」, 医師と関係性を構築するこ と」といった医師との関係性が, 手術室新人看護師が抱 く困難の特徴として挙げられた. 手術室では, 他の病棟 と異なり様々な科の医師と接しなければならない. しか し, 医師と接する時間は限られ, 医師との信頼関係を形 成するのは難しい. また, 普段優しい医師でも緊張感の 中で手術を行っているので緊張した> とのコードからも わかるように, 手術室という患者の生命に関わる緊迫し た場において医師も緊張状態にある. このことから, 医 師と円滑なコミュニケーションをとることは難しく, 手 術室新人看護師が医師との関係性に困難を抱いたと え る. Benner は, 医師と看護師との間に良いコミュニケー ションが存在し, 協力的な相互作用が行われているとこ ろには受難性があり, 患者は利益を得ることができる」 と述べている. つまり, このような状況下であっても, 医 師・看護師が築かれた信頼関係の元, 患者に手術に関わ る技術が提供されることが望ましい. 3)特殊性をもつ手術室勤務そのものに対する困難 これは,【間違いの許されない業務】から捉えた. この 困難は, 手術室という特殊な環境下により生じる困難で あり手術室新人看護師の抱く困難として特徴的なものと 言える. 手術室ではその環境を清潔に保つことを徹底せねばな らない.これは,術中・術後感染を防止する上で極めて重 要なことであり, 手術室看護師には厳重な清潔不潔の区 別とその管理が求められる. しかし, 厳重な清潔不潔の 区別をすること」は, 医療者としてその一歩を踏み出し たばかりである新人看護師にとって, 自己の抱く清潔不 潔の観念とはかけ離れた状況であり, その区別を行うこ とは困難となる. また, 手術室は患者の生命に直結する 緊迫した場であり, この環境下で手術室看護師には手術 が円滑に進むような医師への介助や, 患者の安全を確実 に保証して迅速且つ適格な判断力を要求される. そのた め, 難易度の高い手術に入ること」や「間違いが許され ない器械出し業務に入ること」等の困難を手術室新人看 護師は抱いたと える. 手術室は, その専門性の高さか ら病棟経験のある看護師であっても, 手術室配置になる と困難を抱えており, この環境そのものが手術室新人 看護師にとって大きな困難になることは容易に推測でき る. これらの困難は, 手術室のその特殊性から成る困難で あり, 手術室新人看護師に対して, 他病棟配属された新 人看護師への援助に加えた なる援助を提供していくこ とが望まれる. 2.手術室新人看護師が抱く困難の対処法 手術室新人看護師は様々な困難を抱えながら, 対処を 行っていた. 対処は,【他者と話をする】,【心身をリフ レッシュする】,【困難を前向きに捉える】,【学習するこ とで知識を獲得する】,【職場における人との接し方を えて付き合う】の 5カテゴリであった. これらのカテゴ リを, 問題から生じた情緒的反応を調整するための情動 中心の対処と, 自己にて行動を起こし問題の原因を探索 し解決するような問題中心の対処の 2つの視点から捉え 述べる. 1)情動中心の対処について これは,【他者と話をする】【困難を前向きに捉える】 【心身をリフレッシュする】から捉えた. 情動中心の対処とは, ストレスフルな状況を変えるこ となく, それらの感じ方を変えたり えることを避けた りして, ストレスフルな状況の意味を変化させることで ある. 本調査より, 手術室新人看護師は困難に対し 悩まず に気持ちを切り替えて仕事に取り組んだ>, カラオケや 飲みなど遊びに行き,ストレスを発散した> 等,気持ちを 切り替えるよう対処していた. 加えて, 同期が多く同期 に相談した>, 母親に話してアドバイスをもらった> 等, 他者との話をする場を設けることで, 自己の気持ちをコ ントロールしている場面も見受けられた. 手術室新人看 護師は, 患者の生命に直結した場である手術室のその特 性から緊張状態にあることが多く, 他病棟にある新人看 護師の抱く困難に加えて手術室特有の困難を抱いてい た. 特に, 特殊性をもつ手術室勤務そのものに対する困 難に対しては, 自身が置かれている困難と感じる状況そ のものを変え解決していくことは難しく, その状況の意 味を変化させるといった情動中心の対処を行っていたと える. 一方, 困難の中には 他病棟に行った友達に気持ちを かってもらえず, 手術室の人にしか相談できない> と いったことも挙げられており, 手術室新人看護師が自己 の気持ちを同職場以外の他者に話すことが出来ていない 現状があり, 情動中心の対処を阻んでいる可能性が挙げ られた. 加えて, 同期」や「先輩」との関係性について も困難として挙げている. 本調査結果と同様に, 鈴木ら は, 大学病院を新卒看護師が早期離職する要因として, 同僚のサポートや先輩看護師からのサポートの不足を挙 げている. つまり, 手術室新人看護師は他者からのサ ポートを, 充足したものとして知覚していない可能性が えられる. しかし, 対処の原動力を支えていく上で, ソーシャル サポートは重要なものである. 真壁ら は, 卒後 5年目ま での看護師が職場にとどまった理由として, 上司や先

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輩のサポート」, 同僚のサポート」等を挙げており,人間 関係がその職場で仕事を続ける上で大きな支えとなった としている. つまり, 自 の心を支えてくれる人たちを 身の周りに持つことは, 手術室新人看護師が困難を乗り 越えていく上で, 非常に大きな支えとなると える. 以上より情動中心の対処は, 手術室新人看護師が抱く 手術室看護のその特殊性ゆえに抱く困難に対して, 非常 に重要な対処法である. しかし, 手術室新人看護師は, 同 僚や先輩看護師といった職場からのサポートを知覚して いない可能性が えられた. よって, 今後手術室新人看 護師の気持ちを理解し, 感情を表出することが出来るよ うフォローし支えていくことが必要である. 2) 問題中心の対処について これは,【学習することで知識を獲得する】【職場にお ける人との接し方を えて付き合う】から捉えた. 問題 中心の対処とは, そのストレスフルな状況を変化させる ために, 直接その状況に働きかけたり積極的に情報を得 ようと努力したり, あるいは問題解決のために具体的に 何かを行うことである. 手術室新人看護師は, その知識・経験の無さの困難に 対し知識の不足部 を自己学習する, 先輩や同期の動き から学ぼうとする等, 自ら行動を起こし対処していた. 加えて, 患者や先輩看護師との接し方, 及び手術室看護 師特有の医師の接し方等で抱く困難に対しては, 患者と の接し方を えて対応する, 相手が嫌な気持ちにならな いよう心がけて対応する等の対処をしていた. 手術室新人看護師は, 日々直面する知識不足等の問題 に対し自ら対処し奮闘していたが, 他者から得る知識は 多いと える. これは, わからないところや不安なこと は先輩を始めいろんな人に教わったり助言をもらったり していた> といったコードからも伺える.例えば,初めて 接する医師に対してその性格やその医師の手術方法等に ついての情報を得て接していくことは, 手術室新人看護 師にとって大きな援助となる.関井ら は,新人看護師の 勤務継続の意欲の要因として, 職務に直接関係した職場 からの支援を挙げており, これらが勤務現場で問題を解 決していくことに繫がる可能性があることについて述べ ている. つまり, 先輩や同期からの情報提供等の支援は 欠かせず, 特に先輩看護師からの助言や指導は手術室新 人看護師にとって大きな支えとなると える. 知識や経験の無い手術室新人看護師にとって, 知識や 経験の豊富な先輩看護師からの支援は, 問題中心の対処 行動をとっていく上で重要なものとなる. よって, 今後, 同部署の経験ある看護師からの知識提供等を行うことが 出来る場を設けていくことが望まれる. 3.手術室新人看護師の早期離職予防に向けた支援の示 唆 手術室新人看護師は, その知識・経験の無さから生じ る困難, 卒後社会人として関わる多くの人との関係性の 構築における困難や, 手術室新人看護師の抱く困難と えられる特殊性を持つ手術室勤務そのものに対する困難 を抱いていることが示唆された. 手術室新人看護師は, これらの困難に対し情動中心の対処および問題中心の対 処による対処行動をとっていた. 情動中心の対処では, 他者との話をする場を設けるこ とで, 自己の気持ちをコントロールしている場面も見受 けられた. この対処法は, 手術室勤務そのものに対する 困難において非常に重要なものである. 今後, 手術室新 人看護師の支援としては, 手術室新人看護師の抱く困難 を和らげ, 新人看護師が抱える困難への思いを, 他者に 表出出来るような場を設けていくことが必要である. 加 えて, 職場全体で手術室新人看護師の現状について理解 し, 必要な時に適格な助言や支援を提供し, 新人看護師 が成功体験を積み重ねていけるような体制を整備してい く必要がある. 問題中心の対処では, 手術室新人看護師は, 自ら行動 を起こし対処していた. そのような中, 同期や先輩看護 師からの支援は非常に重要なものである. 今後, 知識の 豊富な先輩看護師からの指導や助言の下, 手術室新人看 護師が, 自身の不足する知識や経験を補うことの出来る 勉強会等, 知識・技術の獲得が出来る場を設けていくこ とが必要である. これらの機会を通して, 手術室新人看 護師が, 手術室看護師の専門性を意識づけるよう支援し ていくことが重要である. 4.本研究の限界と課題 研究対象施設は 1施設であり, 今後多施設での調査を 行うことで なるデータを得られる可能性が挙げられ る. また, 対象者は臨床経験 2年以上であり, 全員が 1年 目を乗り越え, 職務を継続希望としているものであった. 今後 に 1年目の修了時期にあるものや, 調査時期を踏 まえた調査を行うことで, 異なった結果が得られる可能 性があり, 今後, なる検討が必要である. 5.おわりに 手術室新人看護師は, 知識・経験の無さから生じる困 難や他者との関係性の構築における困難, 及び手術室に 特徴的な特殊性をもつ手術室勤務そのものに対する困難 を抱いていた. また, それらに対し情動中心及び問題中 心の対処行動をとっていた. 今後, 手術室新人看護師の 早期離職予防の支援として, 思いを表出出来るような場 や知識・技術の獲得が出来る場を設け, 手術室看護師の

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専門性を意識づけていくことが重要である. 文 献 1. 厚生労働省. 第七次看護職員看護職員需給見通しに関す る検討報告書. 2010 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000z68f-img/2r9852000000z6df.pdf 2. 社団法人日本看護協会中央ナースセンター事業部. 新卒 看護職員の入職後早期離職防止対策報告書. 2005 https://www.nurse-center.net/html1/sm01/SM010801 S1701.html 3. 永田美和子, 小山英子, 三木園生ら. 新人看護師の看護実 践上の困難の 析. 桐生短期大学紀要 2005; 16: 31-36. 4. 塚本友栄,舟島なをみ.就職後早期に退職した新人看護師 の経験に関する研究―職業を継続できた看護師の経験と の比較を通して―. 看護教育学研究 2008; 17: 22-35. 5. 水田真由美, 上坂良子, 幸代ら. 新卒看護師の精神 康度と離職願望. 和歌山県立医科大学看護短期大学部紀 要 2004; 7: 21-27. 6. リチャード. S ラザルス. ストレスの評価, 対処および適 応の結果 : ストレスの心理学[認知的評価と対処の研 究]. 東京 : 実務教育出版, 2007: 183-229. 7. 任 和子 : コーピング理論. 佐藤栄子 (編): 事例を通し てやさしく学ぶ中範囲理論入門. 東京 : 日 研, 2005: 174-181. 8. 相内恵津子. 手術室に配置転換した看護師のリアリティ ショックに関連した体験. 神奈川県立保 福祉大学実践 教育センター看護教育研究集録 2009 ; 34: 98-116. 9. バーナード・ベレルソン : 内容 析. 東京 : みすず書房 1957. 10. 舟島なをみ : 各研究方法論の特徴と成果. 質的研究への 挑戦. 東京 : 医学書院, 1999 : 48-49. 11. 林美奈子, 竹内久美子, 石光芙美子ら. 成人看護学実習に おける看護技術教育経験の実態と課題―学生が経験した 看護技術の実態調査から―. 目白大学 康 科 学 研 究 2009 ; (2): 81-88. 12. パトリシアベナー : 技術習得に関するドレイファスモデ ルの看護への適応. ベナー看護論―達人ナースの卓越性 とパワー―. 東京 : 医学書院, 1992: 10-27. 13. 大西敏美, 名越民江, 南 妙子. 手術室看護師が定着する までのプロセスに関する研究. 香川大学看護学雑誌 2009 ; 13: 1-12.

14. Eiko SUZUKI, Ichiri ITONOME, Yuka KANOYA, et al. Factors Affecting Rapid Turnover of Novice Nurses in University Hospitals. Journal of Occupational Health 2006; 48: 49-61. 15. 真壁幸子, 木下香織, 古越幸子. 職業経験 5年以内の看護 師の早期離職願望と仕事への行き詰まり感. 新見 立短 期大学紀要 2006; 27: 79-89. 16. 関井愛紀子. 新人看護師の勤務継続意欲に関連する職場 環境要因. 新潟医学会雑誌 2010; 124: 501-511.

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Issues and Coping Techniques Among

Novice Surgical Nurses

Hiroko Chida, Masataka Horikoshi, Hiromi Tujimura,

Hiromi Arai, Ayumi Nagai, Yoko Saitou,

Emi Kawamura and Tamae Futawatari

1 Department of Nursing, Gunma University Graduate School of Health Sciences, 3-39-22 Showa-machi, Maebashi, Gunma 371-8514, Japan

2 Tokyo Women s Medical University Hospital, 8-1 Kawata, Sinjuku-ku, Tokyo 162-8666, Japan

3 Tokyo Medical and Dental University, Univesity Hospital of Medicine, 1-5-45 Yushima, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8519, Japan

4 Gunma University Hospital, 3-39-15 Showa-machi, Maebashi, Gunma 371-8511, Japan

Objective: The present study analyzed and investigated issues and coping techniques among novice surgical nurses in order to obtain data regarding measures for preventing early job resignation. Subjects and M ethods: Qualitative induction analysis was conducted on data from interviews with 13 surgical nurses[Consider clarifying the career stage of the subjects.]. Results: The following seven categories of issues were identified : retaining large amounts of information , coping with unfamiliar tasks, lack of knowledge and experience, fatigue due to operating room working conditions, workplace relation-ships, dealing with patients,and tasks with no room for error. The five categories of coping strategies comprised talking to someone, perceiving issues in a positive light, physical refreshment, acquiring knowledge through study, and interacting with colleagues while considering how to treat them. Conclusion : In order to support prevention of early job resignation of novice surgical nurses,opportu-nities for nurses to express their feelings and acquire knowledge and skills should be created,while raising awareness[Consider clarifying whose awareness needs to be raised. For example, among nursing students .]regarding the expertise of surgical nurses is also important.(Kitakanto Med J 2012;62: 277∼286)

参照

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