高校の健康教育における個別指導の充実を図る生徒観察の方法 : 心の健康問題発生を防ぐ観点から
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(2) 2.生徒のタイプ別行動・事柄特性と,生徒がサイ. ているため,観る事柄が少なくなった分“容易”. ンとして用いる可能性のある行動・事柄の対応関 係についての検討. であったが,反面見逃すかもしれないという“不 安”であった.また,質的側面による「観察・把 握」を実施している教師には,これまで自分がそ の生徒に対して用いてきた行動・事柄と,限定し て依頼された事柄が一致せず,限定された行動・. 「温厚」「社交」「奔放」「堅実」「几帳面」のタ. イプ別に見出せる行動・事柄特性は18個得られ た.この18個と上記1で得られた21個の対応に ついてみてみた.タイプ分けによる行動・事柄特 性では18個中3個が,生徒が用いる可能性のある 行動・事柄では21個中6個がそれぞれ対応し難い ことが認められた.すなわち,エゴグラムによる タイプ分けでは,生徒の用いる可能性のある行動 ・事柄すべてを包含することはできなかった.こ のことは,エゴグラムによるタイプ分けに問題の あることを示唆している.養護教諭が「観察・把 握」に用いた21個の内には不必要なものが含まれ ている可能性を示唆していたのか等,について検. 討された.今回の結果は,生徒のタイプ別に限定 された行動・事柄を用いた「観察・把握」を否定 するものではなく,生徒が用いる可能性のある行 動・事柄を明らかにした後,それらのすべてを対 応させ得るタイプ分けの必要性を示唆しているも のと考えられた.. 3.生徒をタイプ分けすれば,教師は「観察・把握」. が容易になるか否かについての検討. 日常の担任教師には,改めるべき・注意するべ き行動・事:柄はないかどうかを「観察・把握」し. ょうとする場合と,その行動・事柄の日々の変化 から「観察・把握」しょうとする場合の二種がう. かがわれた.前者は一般的に反社会的問題行動や 青少年の非行に対する予防に必要な量的側面の「観 察・把握」,後者は質的側面の「観察・把握」と考 えられる.したがって,「観察・把握」に用いた行 動・事柄も異なり,前者は外見上で善悪を判断し 易い行動・事柄を用い,後者は目々の変化を捉え 易いと思われる行動・事柄を用いている傾向がう かがわれた.これら両側面の「観察・把握」は生 徒一人ひとりに対して重要であるが,心の健康問 題発生を未然に防ぐためには,質的側面の「観察 ・把握」が不可欠であると考えられた.. これら量的あるいは質的側面による「観察・把 握」のいずれを実施している教師も,生徒のタイ プに応じて限定した行動・事柄を用いた「観察・ 把握」に対して,“容認”と“不安”の感想を呈し. 事柄から捉えられるのかという“不安”であった.. すなわち,量的側面による観察では広範囲にわた る行動・事柄の「観察・把握」が望ましいことか らの“不安”,質的側面による観察では,用いる行 動・事柄に対しての“不安”であった.. 心の健康問題を防ぐうえで適切な観察であるか 否かの視点でみれば,生徒のタイプ別行動・事柄 を用いる「観察・把握」の妥当性は,質的側面に ついて認められると考えられた.しかし,この場 合,教師が量的側面,質的側面の「観察・把握」 を適宜使おうとする意識・認識の必要性が指摘さ れた.. Iv.要約. 本研究では,心の健康問題発生を未然に防ぐた めの教師の「観察・把握」を現在より容易にする ことを目的にして,1)生徒が心情的な訴えのサイ ンとして用いる可能性のある行動・事柄,2)生徒 のタイプ別行動・事柄特性と,上記1)の行動・事 柄との対応,3)タイプ別に限定した行動・事柄を 用いることで「観察・把握」は容易になったか否 かについて各々検討し,以下の結果が得られた. L生徒がサインとして用いる可能性のある行動・ 事柄として21個が得られた. 2。エゴグラム等による5つタイプ別行動・事柄特 性と,上記1)の行動・事柄とは必ずしも対応しな いことが認められた.. 3.生徒のタイプ別に限定した行動・事柄を用いる 「観察・把握」に対して,量的側面,質的側面に. よる観察のいずれを実施している教師にも“不安 ”が観られたが,生徒のタイプ別に限定した行動 ・事柄を用いる「観察・把握」は質的側面による 観察に対して有効であることが認められた.. 以上の結果から,心の健康問題発生を防ぐうえ で適切な「観察・把握」を実施するには,生徒が 用いる行動・事柄を明確にし,それらをすべて含 めることができるタイプ分けについてさらに検討 する必要があると考えられた.. た.量的側面による観察を実施している場合には,. (主任指導教官 荒木 勉). 教師が注意すべき行動・事柄を「観察・把握」し. (指導教官. 荒木 勉).
(3) 学位論文要旨. 高校の健康教育における個別指導の充実を図る生徒観察の方法 一心の健康問題発生を防ぐ観点から一. 兵庫教育大学大学院学校教育研究科 教科・領域教育専攻 生活・健康系コース. 学籍番号 氏 名. M9876もC. 森 田 晃 充.
(4) 高校の健康教育における個別指導の充実を図る生徒観察の方法 一心の健康問題発生を防ぐ観点から一 壷 攻 教科・領域教育専攻 コース. 生活・健康系コース. 氏 名. 森. 田. 晃. 充. 1.目的.. 対象に上記方法により,「温厚」「社交」「奔放」「堅. 心の健康問題発生を未然に防ぐため,教師は生. 実」「几帳面」の5つにタイプ分けした.. 徒一人ひとりの行動・事柄を「観察・把握」し,「理. 2)上記調査結果を基に選んだ,タイプの違う各校. 解」を図り,それに基づいて,指導目標や内容を 設定していると考えられる,しかし,一人ひとり. 生徒5人一人ひとりについて,担任教師が日常の. に用いる行動・事柄は必ずしも明確でないことか. その理由について各々面接調査した。. ら「観察・把握」は容易でないと考えられる.. 3)上記5人の生徒一人ひとりについて,タイプに 応じて限定された行動・事柄を用いた「観察・把 握」を各教師に依頼し,従来の「観察・把握」に 比べて,容易になったか否かとその感想について. 本研究では,教師の「観察・把握」が現在より 容易になることを目的として,1)生徒が心情的な 訴えのサインとして用いる可能性のある行動・事 柄,2)生徒のタイプ別にみられると考えられる行 動・事柄特性と,生徒がサインとして用いる可能 性のある行動・事柄との対応,3)各生徒をタイプ 分けすれば,教師は「観察・把握」が現在より容 易になるか否かについて各々検討しようとした.. 「観察・把握」に用いている行動・事柄,また,. 各々面接調査した。. 皿.結果および考察 1.生徒がサインとして用いる行動・事柄について の検討. ここでは便宜上,県立高校17校に勤務している 17名の養護教諭に対して,どのような行動・事柄 を用いて「観察・把握」しているかについて面接. 41名の生徒について,「観察・把握」に用いた 行動・事柄として21個が得られた.養護教諭はこ れらの行動・事柄から心の訴えを感じとり,面接 等による「理解」でその訴えが明らかにされた. 結果をみると,心情的訴えは異なっても,生徒間 では同様のサインが用いられたり,またこの逆も みられた.すなわち,一人ひとりの生徒の表すサ. 調査した.. インに関しては多種多様であることが認められた.. 2.生徒のタイプ別行動・事柄特性と,生徒がサイ. ここでは,得られた21個の行動・事柄についてサ インとしての妥当性を検討した.養護教諭がこれ らの行動・事柄を用いた「観察・把握」から,心 の訴えについて明らかにできた事実は,得られた 21個のもつサインとしての妥当性を示唆している ものと考えられた.ただし,各養護教諭が生徒一 人ひとりについて複数の行動・事柄を用いている 現実から,21個の行動・事柄の一つひとつについ ての妥当性は必ずしも明らかにできなかった.ま. ∬.方法 1.生徒がサインとして用いる可能性のある行動・ 事柄の検討. ンとして用いる可能性のある行動・事柄の対応関 係についての検討 ここでは便宜的に,エゴグラムの結果から生徒 を「温厚」「社交」「奔放」「堅実」「几帳面」の5. つにタイプ分けした,各タイプで特徴的と考えら れている行動・事柄特性と,上記1で得られた行 動・事柄の対応について検討した, 3.生徒をタイプ分けすれば,教師は「観察・把握」. の手順で検討した,. た,21個以外にも生徒がサインとして用いる可能 性のある行動・事柄が存在するか否かについて検 討したが,今回は,養護教諭による41名の生徒か ら得られたものであるため,今後両方の対象を拡 大してさらに検討をしなければならないと考えら. 1)公立高校5校の各校第1学年1クラスの生徒を. れた.. が容易になるか否かの検討. 生徒をタイプ分けし,タイプごとに「観察・把 握」に用いる行動・事柄を限定すれば,教師の「観 察・把握」は容易になるかどうかについて,以下.
(5) 2.生徒のタイプ別行動・事柄特性と,生徒がサイ. ているため,観る事柄が少なくなった分“容易”. ンとして用いる可能性のある行動・事柄の対応関 係についての検討. であったが,反面見逃すかもしれないという“不 安”であった.また,質的側面による「観察・把 握」を実施している教師には,これまで自分がそ の生徒に対して用いてきた行動・事柄と,限定し て依頼された事柄が一致せず,限定された行動・. 「温厚」「社交」「奔放」「堅実」「几帳面」のタ. イプ別に見出せる行動・事柄特性は18個得られ た.この18個と上記玉で得られた21個の対応に ついてみてみた.タイプ分けによる行動・事柄特 性では18個中3個が,生徒が用いる可能性のある 行動・事柄では21個中6個年それぞれ対応し難iい ことが認められた.すなわち,エゴグラムによる タイプ分けでは,生徒の用いる可能性のある行動 ・事柄すべてを包含することはできなかった.こ. のことは,エゴグラムによるタイプ分けに問題の あることを示唆している.養護教諭が「観察・把 握」に用いた21個口内には不必要なものが含まれ ている可能性を示唆していたのか等,について検 討された.今回の結果は,生徒のタイプ別に限定 された行動・事柄を用いた「観察・把握」を否定 するものではなく,生徒が用いる可能性のある行 動・事柄を明らかにした後,それらのすべてを対 応させ得るタイプ分けの必要性を示唆しているも. 事柄から捉えられるのかという“不安”であった.. すなわち,量的側面による観察では広範囲にわた る行動・事柄の「観察・把握」が望ましいことか らの“不安”,質的側面による観察では,用いる行 動・事柄に対しての“不安”であった.. 心の健康問題を防ぐうえで適切な観察であるか 否かの視点でみれば,生徒のタイプ別行動・事柄 を用いる「観察・把握」の妥当性は,質的側面に ついて認められると考えられた.しかし,この場 合,教師が量的側面,質的側面の「観察・把握」 を適宜使おうとする意識・認識の必要性が指摘さ れた.. w.要約. 3.生徒をタイプ分けすれば,教師は「観察・把握」. 本研究では,心の健康問題発生を未然に防ぐた めの教師の「観察・把握」を現在より容易にする ことを目的にして,D生徒が心情的な訴えのサイ ンとして用いる可能性のある行動・事柄,2)生徒. が容易になるか否かについての検討. のタイプ別行動・事柄特性と,上記Dの行動・事. 日常の担任教師には,改めるべき・注意するべ き行動・事柄はないかどうかを「観察・把握」し ょうとする場合と,その行動・事柄の日々の変化 から「観察・把握」しょうとする場合の二種がう かがわれた.前者は一般的に反社会的問題行動や 青少年の非行に対する予防に必要な量的側面の「観 察・把握」,後者は質的側面の「観察・把握」と考 えられる.したがって,「観察・把握」に用いた行. 柄との対応,3)タイプ別に限定した行動・事柄を. 動・事柄も異なり,前者は外見上で善悪を判断し 易い行動・事柄を用い,後者は日々の変化を捉え 易いと思われる行動・事柄を用いている傾向がう かがわれた.これら両側面の「観察・把握」は生 徒一人ひとりに対して重要であるが,心の健康問 題発生を未然に防ぐためには,質的側面の「観察. 3.生徒のタイプ別に限定した行動・事柄を用いる 「観察・把握」に対して,量的側面,質的側面に. のと考えられた.. ・把握」が不可欠であると考えられた.. これら量的あるいは質的側面による「観察・把 握」のいずれを実施している教師も,生徒のタイ プに応じて限定した行動・事柄を用いた「観察・ 把握」に対して,“容認”と“不安”の感想を呈し. 用いることで「観察・把握」は容易になったか否 かについて各々検討し,以下の結果が得られた. 1.生徒がサインとして用いる可能性のある行動・ 事柄として21個が得られた.. 2.エゴグラム等による5つタイプ別行動・事柄特 性と,上記1)の行動・事柄とは必ずしも対応しな いことが認められた.. よる観察のいずれを実施している教師にも“不安 ”が観られたが,生徒のタイプ別に限定した行動 ・事柄を用いる「観察・把握」は質的側面による 観察に対して有効であることが認められた. 以上の結果から,心の健康問題発生を防ぐうえ で適切な「観察・把握」を実施するには,生徒が 用いる行動・事柄を明確にし,それらをすべて含 めることができるタイプ分けについてさらに検討 する必要があると考えられた.. た.量的側面による観察を実施している場合には,. (主任指導教官. 教師が注意すべき行動・事柄を「観察・把握」し. (指導教官. 荒木 勉). 荒木 勉).
(6) 学位論文. 高校の健康教育における個別指導の充実を図る生徒観察の方法 一心の健康問題発生を防ぐ観点から一. 兵庫教育大学大学院学校教育研究科 教科・領域教育専攻 生活・健康系コース. 学籍番号 氏 名. M98766C. 森 田 晃 充.
(7) 目 次. 頁. 第一章 本研究の動機と目的 ……一一……一一一…一一…一一一一一一……一……1. 第一節 動機 第一項 第二項 第三項 第四項. 1. 学校における健康問題の現状 心の健康問題発生の現状 心の健康問題発生の原因 心の健康問題発生を防ぐ対応策の現実. 第二節 目的. 1 2 3. 4. 7. 第二章 方 法………一一………一一一………………一一一…一………一一一一一一一g. 第一節生徒がサインとして用いる可能性のある行動・事柄の検討 9 第二節生徒のタイプ別行動・事柄特性と,サインとして用いる可能性のある 行動・事柄の関連についての検討 11 第三節 生徒をタイプ分けすれば,教師は「観察・把握」が容易になるか否かの. 検討. 18. 第三章 結 果……………一一…一…一一……………一…一一……………一一20 第一節サインとして用いる可能性のある行動・事柄の検討 20 第二節生徒のタイプと,サインとして用いる可能性のある行動・事柄の関連に ついての検討 24 第三節生徒をタイプ分けすれば,教師は「観察・把握」が容易になるか否かの 検討 29 第四章 考 察一一………………一…一…一………一一一一一一……一一…一……一一39. 1.生徒がサインとして用いる可能性のある行動・事柄についての検討. 39. 2.生徒のタイプと,サインとして用いる可能性のある行動・事柄の関連に ついての検討 41 3.生徒をタイプ分けすれば,教師の「観察・把握」が容易になるか否かに ついての検討 43. 第五章 まとめと今後の課題 第一節 本論文の総括 第二節 今後の課題. 引用・参考文献 謝 辞 資 料. 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一・. S7. 47 50. 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一. @51.
(8) 第一章 本研究の動機と目的 第一節 動機 第一項 学校における健康問題の現状. 現在,学校現場における児童・生徒の健康問題は,身体的及び精神的側面の両面に ついて指摘されている.. 1998年度学校保健統計調査報告では,児童・生徒の身体的側面をみれば,30年前に 比べ,身長,体重,座高には,年齢に換算して1歳分の向上が認められている8).しか. し,1998年度体力・運動能力調査の概要によると,体力・運動能力は,13歳男子を除 いて,10歳,13歳,16歳の総合点は下回っている15).これらのことは,栄養状態が良. くなり,それにともなって体格が向上したにも関わらず,体力や運動能力は低下した ことを示している.その背景には,生活の変化にともなう学校外での運動量の減少や,. 運動方法の問題点が指摘されている.さらに,健康状態においても,視力低下の低年 齢化,肥満,喘息等の増加が報告されているが,このことについても食生活の変化や, 環境による影響等が指摘されている8).. 精神的な健康問題については,近年,反社会的な問題行動として,「心の荒廃」「新 たな荒れ」が表面化してきている25).これとともに,登校拒否・不登校をはじめとす る非社会的な問題行動も憂慮すべき状況にあり,社会的にも大きな関心を集めている.. このように精神的な健康問題は,反社会的問題行動と非社会的問題行動に区分して扱. われているが,文部省は,表面的に表れた兆候の相違であり,本質的な問題行動の差 異を示すものではないと指摘している(文部省10)p1).. かつて,問題行動といえば,反社会的問題行動を中心として捉えられ,校則や学校 生活に関わる内容が一般的であった.しかし,現在では,このような従来型の問題行 動が更に多様化している状況に加え,学校外での犯罪につながる行為・行動にまで拡 大してきた6),. こうした一連の問題行動と並行して,現在では登校拒否・不登校に代表される学校 への帰属意識の低い生徒が増加し,その対応に苦慮しているのが実態である.指導を 要する事柄の対象が,従来型の“問題行動”だけでは済まなくなってきている.例え ば,問題行動白書14>に示されている項目によれば,暴力行為,出席停止,いじめ,. 不登校,自殺,体罰,教育相談,少年非行等である.これらの項目は従来型の問題行. 一1.
(9) 動とは,やや次元の異なる内容をも含んでいる.. 本論文では,学校での精神的側面の健康問題における,非社会的問題行動を取りあ げ,その解決方法を論じたい.したがって,次項では,非社会的問題行動を中心とし た心の健康問題発生の現状について述べたい.. 第二項 心の健康問題発生の現状 現在の学校教育では非社会的な問題行動に対する「心の教育」が社会的緊急課題と され,教育現場の重要課題の一つとされている.現在,児童,生徒における非社会的 問題行動では,登校拒否・不登校に代表される学校離れ現象が急激に増加している.. 1998年度の学校基本調査によれば,1997年度中に30日以上の長期欠席をした登校拒否 ・不登校の児童生徒数は,はじめて10万人を越えたとの報告が示されている7).. 図1に示すように,児童生徒数は減少しているにもかかわらず,登校拒否・不登校 による長期欠席者は逆に増加している.こうした学校への帰属意識の薄い児童生徒の 増加傾向を,われわれはどのように受け止めればよいのか,また,その原因として考 えられる事柄には何があるのか,どのような対処,指導の方法が考えられるのか,こ. れら一画面事象に対する抜本的な対策が急務とされている.次項では心の健康問題発 生の原因について述べたい。. (万人). (千人). 1450. 120. 1400. 100. .〆騰’. 在1350. 一_,一一鍛!. 籍. 者1300. ,__.._.一・一・幽・・一『』 『 ”一’” F一一幽・一’一『 騒一・一一’艀”. 数. 欠 80席 者 60数. 1250 一◆一児童生徒数. 1200. 一魯一欠席児童生徒数. 1150 1100. 40. 20. 0. 1991. 1992. 1993. 1994. 1995. 1996. 1997(年度). 図1児童生徒数及び30日以上長期欠席児童生徒数の年次推移. 一2.
(10) 第三項 心の健康問題発生の原因. かつて不登校の原因については「不安傾向や社会的未成熟など本人の性格に起因す る」とか「精神分裂や欝病の初期症状」や「生育歴や母子分離不安等,家庭の問題に 起因する」など,様々な考え方が示されている20>.しかし,現在では,こうした考え. 方では説明できない事例などが激増しており,したがって,不登校等への対応策にお いても見直しが必要であると考えられている.. このような心の健康教育が必要とされるに至った問題発生の背景には,様々な考察 がなされている.問題行動は,反社会的問題行動,非社会的問腫行動に分けられてい るが,これらは表現上の違い,あるいは,個人と環境の間に生じてくる緊張感や不適 応感の表れ方の差異であり,兆候上の相違であって,根本に抱える課題は共通してい るという捉え方がされている(文部省10)p1)。. 文部省は,家庭,地域,学校での原因について,以下のような指摘をしている(文 部省10)pp2−4).まず家庭生活においては,経済的な要因,家庭内の不和などにより,. 生活の基盤である家庭が揺らいでいる場合も少なくないと報告している.加えて,極 端な溺愛,過度の干渉,度を超えた放任などにより,生徒の自立を妨げ,不満や不安 を抱かせ,問題行動の素地になりやすくしていると指摘している.また,地域社会に あっては,近隣関係の希薄化により,幼児期からの遊びによって養われる,基本的な 生活習慣や社会性の形成が妨げられたり,人間関係の経験が乏しくなっていると報告 している,さらに,学校においては,今や成績のいかんが将来の進路と密接に関連し. ているため,学業不振は直接的に将来の見通しを暗くし,学校生活からの逃避を助長 するだけでなく,子ども自身を,刹那的,享楽的生活態度に陥らせているなどが指摘 されている.これらの現実は,学校生活だけでなく,他の生活の場にも波及している と考えられる.言うまでもなく,学業成績だけが不適応の主要な要因ではなく,友人. 関係や教師と生徒などの人間関係も複合されて問題行動につながっていくものと考え られる.. 以上のようなことが,生徒の問題行動発生の根本にある共通した原因として考えら れる.これらのことは,生徒自身の生きがいや将来の人生設計,自己実現等に直接関 わってくる自己認識の未熟さであり,いわゆるアイデンティティの確立にむけて適切 な一助となるべき指導を実施すること,すなわち心の健康教育が現在の課題であろう.. 。3.
(11) 次項では,心の健康問題発生を防ぐ対応策が,どのようにされているかの現実につ いて述べたい.. 第四項 心の健康問題法生を防ぐ対応策の現実. これまでは,家庭教育,地域社会教育,学校教育の三者がそれぞれの教育機能を果 たしながら厳然と存在し、子どもの健全育成がおこなわれてきた.ところが昨今,こ. の三者の連携が,従来のようには噛みあっていないと言われている.第15期中央審議 会答申26)は「新しい荒れ」に関わって,幼児期からの心の教育の在り方について,. はじめて家庭教育に対して具体的に踏み込んだ提言をし,家庭教育の在り方について 再考を促している.また,学校だけでは解決のつかない問題行動や,心の健康問題に ついては,学校外部を積極的に活用することを推進している.さらに,従来の関係機 関との連携を踏まえながら,より組織的,計画的,効果的に機能するため,連携の強 化を図り,その情報を有効に生かすための体制の整備が推進されているが,学校に寄 せられる期待は大きいものがある.. これらのことから,学校では,生徒一人ひとりについて,心の健康問題発生を防ぐ ためには,生徒個人個人の身体的,精神的な健康状態を,まずは十分「観察・把握」 する必要があろう。そして,「観察・把握」の結果に基づいて,教師が生徒一人ひと りを「正しく理解」することによって,問題発生を未然に防ぐための個別的な指導内 容を設定することが重要と考えられる.. したがって,学校では,「教師が生徒一人ひとりを正しく理解する」ことによって,. はじめて問題発生を未然に防ぐための指導が可能になると考えられよう.すなわち,. これら「一人ひとりについての理解」の内から,生徒間に見い出した共通の事柄に基 づいた集団指導は,より有効になることが期待されるであろうし,また「一人ひとり についての理解」から見出した,生徒個人の特徴,特性に基づいた個別指導は,より 効果的になる可能性が期待できる.. そのため,一般に,学校では,個別的指導を必要とする生徒の早期発見と充実した 指導を図るため,表1に示す基本的事項11)に留意しながら,表2に示す各種方法19) を用いて「一人ひとりを正しく理解する」ことに努めていると考えられる.. 一4一.
(12) 表1 生徒指導上の基本的事項m 生徒理解における. 1.個々の生徒の個性の把握に努めること. 基本的な在り方. 2.総合的に理解すること 3.共感的に理解すること. 4.生徒の自己理解の深化を図ること 5.理解と指導を切り離さないこと 生徒理解のための. 1.. 具体的な配慮. 生徒との人間的な触れ合いを深めると共に,教師間の協力体 制を推進すること. 2.. 調査や検査を計画的に実施し,指導に生かすこと. 3.. 家庭や地域社会と密接な連携を図ること. 4.. 生徒の資料の整理や保管の仕方を工夫し,活用に努めること. (文部省生徒指導資料第15集 生徒指導研究資料第10集1980より). 表2 生徒理解の方法19) 方. 観察法. 法. 内 容 自然観察法 人の行動の生起に意図的な操作を加えないで,日常のありのままの 行動を観察する.. 参加観察法. 観察者がある程度集団の成員としての役割をとりながら,すなわち 社会生活に参与しながら,観察する,. 面接法. 相手に対して傾聴的態度で接しながら,何が原因なのかを分かろう とするのではなく,原因を理解するための情報を集める.また,時 には騙されていると分かりながら,聞くことも必要である.. 質問紙調査法. 集団に対して,複数の質問項目に回答してもらい,結果を統計的に 分析し,個人や集団の意識,感情などの傾向を推し量っていくもの である.注意することは,個人のプライバシーを侵害してはならな いということである.. 心理検査法. 心理検査は多種にある.人格検査は,質問紙法と投影法などがあり,. 本来専門的な技術を要することが多いため,基本的には教師が実施 するよりは,専門家が望ましい. (小川一夫・濱名外喜男「心理学研究10観察」1974より). すなわち,生徒一人ひとりについての「観察・把握」として,外見的に捉えること のできる,あるがままの姿を「自然観察法」や「参加観察法」で,また外見上では捉. 5一.
(13) えにくい内面については,「質問紙調査法」や「心理検査法」によって捉えようとし ている.そして,これらの方法による「観察・把握」の結果に基づいて,何らかの必 要性を感じた場合に,その生徒について,「面接法」によって「理解」に努め,それ に基づいて指導内容を求めていると考えられる.そうすると,「観察・把握」から,「理. 解」を辿って,その生徒について指導の目標と内容を設定していると考えてよいであ ろう.. しかし,松田ら4)は,「不登校の生徒に対して,生徒は学校に来るのが当たり前, というように暗黙に教師が標準化している」と指摘し,高橋24>は,「教師はともする. と自分の経験だけで物を言い,主観的に断定することが多い」と指摘している.この. ような指摘を受ける例として,次のようなことを挙げることができよう.不登校とい う行為は明らかに不適応であり,この不登校という事象の「観察・把握」だけに基づ. いて,不登校の改善,つまり登校させることに努めている場合も多い.しかし,この 生徒が実は,“いじめ”に合っているので,登校するのが怖い,つまり,“いじめ”に 対する“恐怖心”から“行かない”ということが「理解」によって明らかにされれば, 指導内容の中心は“いじめ”に移行するであろう.. このことを例に挙げてみても,教師は自らの主観によって各生徒における事象のみ について善悪を判断し,その生徒の内面に迫る理解を図らないまま,悪い行動を修正 しようとする対応を試みている場合が多いといえよう.このような例が現場で多くな る原因を探ることは,今後において,問題発生を未然に防ぐための指導の充実を図る うえで必要不可欠であろう.. 前述のような例が多くなる原因としては,前記松田4)や高橋24)の指摘を参考にす. れば,次のようなことが推定できよう.教師による「観察・把握」は多数の生徒につ いて実施しなければならないが,一人ひとりについて「ありのままを客観的に…」と. はいっても,“何について,どうみればよいか”は必ずしも明確でないため,結果的 に,教師自らの判断基準に基づいて“望ましくない”事柄について「観察・把握」し,. それを改善対象とすると同時に,それの矯正に努めるという“指導”に至るのではな いかと推定される.したがって,このような場合には,あえて「理解」は必要でない かのようになってしまうことになる.このような例の多い現実を受けて,問題発生を 未然に防ぐための指導の充実を図るには,生徒の事象を基にした「把握」から,さら. .6.
(14) に「内面的理解」をすすめる必要性が迫られていると考えられる.. このような経過のなかで,著者は,高校における日々の実践のなかで心の健康問題 発生を防ぐうえから,生徒個人個人の「観察・把握」を容易にし,それによって「理 解」の充実を図ろうと実践を試みた.すなわち,担当のクラス生徒にエゴグラム2)の. 調査を実施して,生徒一人ひとりを5つのタイプのいずれかに分け,それぞれのタイ プ別に見出されるとされている行動・事柄と,一人ひとりに対する著者による日常の 「観察・把握」の結果との差異が大きい生徒について,特に「理解」を図らねばなら. ないと考え,そして「理解」をすすめることによって個別指導を行おうと考えた.し かし,結果的に,「理解」を図るべく,その生徒について「面接」に臨めば,悩みのな. い生徒に不必要な不安感を抱かせてしまう場合が多く出現した.すなわち,著者が“ 何かを訴えている”と「観察・把握」した事柄と,生徒自身の心理的内面が一致して いないということであり,このことは,著者による「観察・把握」に問題のあること を示唆しているのであろうと考えられる.つまり,著者の「観察・把握」した事柄は, 生徒が“訴えているサイン”ではなかったといえよう.. 第二節 目的 生徒が学校や社会に不適応症状を訴える原因に関しては,多岐にわたる事柄が提示 されている.また,登校拒否・不登校症状には,生徒一人ひとり異なる種々の態様が あるが,初期段階において多くの場合,似通った前兆として,何らかのサインを呈し, そのサインを見落とさないことが大切とされている29).そのためには,日頃から生徒 一人ひとりについての「観察・把握」を正しく行うことが必要であると考えられよう.. 文部省は12)「学校において登校拒否の生徒を早期に発見できれば,学校による指導 や専門機関に依頼するなどの適切な対応を速やかにすることができる.登校拒否は,. この場合,比較的速やかに回復がはかられるのである」と示している.すなわち,登 校拒否という誰にも分かるサインの前に,その前兆を示すサインを捉えることが,問 題発生を防ぐうえできわめて重要であることが指摘されている.. これらの指摘を待つまでもなく,学校で心の健康問題発生を防ぐための個別指導に おいて,教師は生徒個人個人の日常の行動等にサインを見い出して,注意深く 「観察 ・把握」し,特に指導すべき,要個別指導者を選び出すことが必要となってこよう.. 一7.
(15) このことについては,教師は日常からよく認識しているため,生徒一人ひとりについ て,いかなるサインも見逃すまいと全てにわたって「観察・把握」しょうとし,かえ って生徒自身の重要なサインを見逃す結果となっている可能性も否定できないであろ う.しかし,この点を改善するうえで,前述した,著者の行った実践では,個別指導. のために,特に「理解」を要する生徒を見出すための「観察・把握」で,サインを見 誤ったということである。したがって,生徒が“何かを訴えよう”つまりサインとし て用いる可能性のある事柄がある程度明確になれば,早期対応により問題発生を未然 に防ぐ指導が可能になると考えられる.. すなわち,“何かを訴える”サインとして用いる事柄が生徒一人ひとりについて,. ある程度限定した事柄にしぼられるならば,教師は現在より,「観察・把握」が容易 になり,その結果早期からの,しかも誤りの少ない「面接」機会を保持でき,「理解」. がすすめられ,その生徒についての指導目標や内容が,適切に設定できるようになる 可能性が大いに考えられる.. そこで,本研究では,高校生における心の健康問題発生を防ぐうえから,「個人」. に応じる事前指導を適切に実施することにより,生徒一人ひとりの「観察・把握」を 現在より容易にするための研究に着手した,すなわち1)生徒がサインとして用いる可 能性のある行動・事柄について,2)生徒のタイプ別にみられると考えられている行動 ・事柄特性と,生徒がサインとして用いる可能性のある行動・事柄との対応について,. 3)各生徒をタイプ分けすれば,教師は「観察・把握」が現在より容易になるか否かに ついて,それぞれ検討することを目的とした.. .8一.
(16) 第二章 方 法 心の健康教育における個別指導の充実を図るには,生徒個人個人を「観察・把握」. するために,平常における何を手掛かりにすればよいのか,ということがまずは重要 になると考えられる.この手掛かりとなる生徒の行動・事柄が,一人ひとりについて 明確になれば,問題発生を未然に防ぐ,対応の仕方が見出され易くなるものと考えら れる.. そのため,本研究では,生徒一人ひとりについて,その子なりのサインがあるか否 についての可能性を,以下の方法により検討しようとした.. 第一節 生徒がサインとして用いる可能性のある行動・事柄の検討 第一章でも述べたが,例えば,登校拒否(不登校)という誰にでも「観察・把握」. できる事象の前に,その前兆を示すサインとされる行動・事柄を捉えることが,心の 健康問題発生を未然に防ぐうえできわめて重要とされている11>.生徒は人間であり,. その人間が精神的,社会的不適応症状に陥る前には,何かサインを呈する可能性があ ると考えられる.. 魯魚21)は,ヒトのサイン行動について「……唇に人差し指を当てるのは,日本人,. 中国人,米英人でも “だまれ”の意味を持つ.この時,唇がとがっていても,開い ていても意味する内容には差がない」と指摘している,この指摘されているヒトのサ インとは,誰が観ても把握できる人間のしぐさであり,根本に抱えている内容の意思 表示に対する普遍的な動作,表情などのことを指摘しているものと考えられる.すな わち,教師が「観察・把握」することのできる生徒の行動・事柄は,生徒の表し方の 違いであり,それは普遍的なもので,心理的内面にある根本的な意識にはあまり差が ないとする指摘と考えられる.. このことから,前記荘厳21)の例を参考にすれば,生徒が何らかのしぐさ,いわゆ るサインとするものを表しているときは,生徒の心理的内面において,悩みや不安を 抱いた時ということが考えられる.その悩みや不安にはあまり差がないが,表し方,. すなわちサインにはいくつかの違いがあると考えられよう.このことが登校拒否(不 登校)などの前兆を示す可能性のあるサインとする行動・事柄と考えられる。. .9一.
(17) ここでは,多種多様な生徒がサインとして用いる可能性のある行動・事柄を求めよ うとして,以下の調査を実施した.. 1.調査対象 ここでは,便宜上,養護教諭に対して調査を実施した.その理由としては,「学校 では,養護教諭の存在価値を,保健室に来る子どもが認め…」あるいは,養護教諭が 「先生らしくない先生に徹して子どもに接し,悩みや不安に耳を傾け,解決に努めて. きた」22)と示されていることがあげられる.すなわち,生徒にとって,保健室,養 護教諭という存在は,教室から解放された“場”であり,教科担任などではない“人 ”という独立した価値意識を持っていると考えられるからである.また,学習におけ る不明を解いてくれるのではなく,心身の不快を和らげてくれる場であり,人であっ て,それらの生徒を担当している養護教諭は,担任教師や教科担当とは違った角度か ら生徒を捉えていることを加えることもできる.. したがって,学校において,精神的,社会的不適応症状に陥った生徒,あるいはそ の可能性のある生徒に対して,実際に指導している県立高校17校の養i護教諭17名に調 査を実施した.. 2.調査方法及び内容 ここでは上記17名の各指導者に対して,実際に指導している生徒の例に基づいて,. 面接調査を実施した.すなわち,生徒が養護教諭を訪れて指導を求めた例によるもの ではなく,養護教諭自らが「観察・把握」し,それに基づき「理解」して指導にあた っている生徒について,1)どのような行動・事柄を用いて「観察・把握」したのか,. あるいは,2)その生徒のどのような行動・事柄が「観察・把握」するうえで有効であ ったかについて面接調査した.. 3.調査時期 平成10年7,月∼8月. 10一.
(18) 第二節 生徒のタイプ別行動・事柄特性と,サインとして用いる可能性のある 行動・事柄の関連についての検討 心の健康問題発生を未然に防ぐための個別指導の充実を図るためには,まず生徒一 人ひとりを「観察・把握」することに始まり,内面的「理解」へとすすめられ,その 「理解」に基づいた指導によって問題発生を未然に防ぐことができると考えられる.. しかし,「観察・把握」しょうとはしているが,一人ひとりのがどのような行動・事 柄を用いて何を訴えているかは必ずしも明確ではないため,多くの事柄を見逃すまい とするが故に却って見逃すことも考えられるであろう.つまり,「あるがままの姿を. 客観的に」とはいっても,一人ひとりの生徒のどのような行動・事柄について,それ をどうみればよいのか不明瞭であるため,前記松田ら4)や高橋24)が指摘するように,. “望ましくない”行動・事柄に着眼し,矯正に努める指導になってしまうことも推定. される.このことからしても,「観察・把握」を現在より容易にすることは,緊急の 課題の一つであることが考えられる.. そのため,前述したように,著者は,平常時の「観察・把握」を容易にしょうと試 みたが,この試みは十分でなかった.その大きな理由は,何かを訴えていると著者が 「観察・把握」した行動・事柄は,“何かを訴えている”サインではない場合が多か. ったということである.つまり,著者がサインであると「観察・把握」した行動・事 柄と,生徒のサインとして用いる行動・事柄にはズレが多かったということである.. これらのことは,著者による「観察・把握」に一層の改善を加える必要のあることを 示唆していると考えられる.. したがって,ここでは,「観察・把握」を現在より容易かっ正確にするため,第一 節で得られたサインとして用いられる可能性のある行動・事柄と,人間のタイプ別に 見出されるとされている行動・事柄の対応関係を検討しようとした.. すなわち,生徒をタイプ分けした場合,タイプ毎にみられるとされる行動・事柄特 性と,サインとして用いられる可能性のある行動・事柄との関連性について,以下の 方法で検討した.. 一11.
(19) 1.生徒一人ひとりのタイプ分けについて 本研究では,便宜的に,生徒一人ひとりに対して,一般的エゴグラム質問紙法(岩 井,石川版:東京大学心療内科)18>を実施した.. 一般的エゴグラムを用いた理由は,以下のようなことであった.生徒の特徴を共通した 尺度でタイプ分けを実施しようとしたことであり,もう一つは,生徒からみると,“検査 的イメージ”が少なく,生徒も容易に答えられると考えられたこと等であった.. 宮下によれば,「心理検査は専門的な技術を要するものが多いため,基本的には教師が 実施することは控えた方がよいであろう」と指摘している(宮下‘)p26).また,検査結 果の見方として,文部省は,「科学的な手続きで作成された検査や調査の結果は,教師の 主観的見方の誤りを修正するための良い手掛かりになる.しかし,この場合も,検査自体. の持つ限界,つまり信頼性や妥当性の限界に注意する必要がある.……1回だけの検査で は,かなりの誤差があることを予想しておく必要がある点を忘れてはならない」と指摘し ている(文部省13)p69).これらの指摘も踏まえたうえ,教師の「観察・把握」を少しで も容易にする方法の基礎的な手段として,今回はエゴグラムを用いた. エゴグラムは,交流分析(Transactional Analysis)の理論から発展,開発されたもので,. 基本的に5つの自我状態におけるエネルギーの量をグラフに表したものである.表3は, 5つの自我状態の特色を示したものであるが,この特色が分析の基本となる,図2は交流 分析理論における,自我構造と分析モデルのまとめたものを示す.基本的には,3つの自 我状態があり,親の自我状態と三共の自我状態からは,それぞれ2つの心的エネルギーが あるとされている2圃3’17’18),. 一12一.
(20) 表3 5つの自我状態の特色 信念に従って行動する厳しい父親のような親の心です.自分の価値観 や考え方をゆずろうとせず,他人を批判したり非難したりします.良心. 批判的な 親の心. 保護的な 親の心. ④ 大人の心. や理想と深く関連しくいますが 匝⊃が強すぎると,尊大で支配的 な態度,命令的な口調などが目立つようになります。. 思いやりをもって世話をするやさしい母親のような親の心です.親切 ・いたわり・寛容な態度と関連しており親身になって人の面倒をみる保 護的なやさしさが特徴でt ⊂綱開⊃が強すぎると,過保護やおせっか いになりやすいので気をつけてください.. 事実に基づいてものごとを判断しようとする合理的な大人の心④ で,はコンピューターにたとえられ,データを集めて論理的に処理して いく働をします.④が強すぎると,打算的で冷たく情緒の乏しい人 間味に欠けた人になる恐れがあります.. 自分の欲求のままに振る舞い,自然感情をそのまま表す何ものにも縛 られない自由な子供の心です. 自由な 子供の心. 面を持ち,他人への配慮に欠けるところがあります.. 順応した. 自分の本当の気持ちを抑えて相手の期待に沿おうと努める順応した子 供の心です.(亙⊃ は自分を抑え社会規範に従って行動する傾向を もちますが,それが強くなりすぎると,イやなことをイヤと言えずにス. 明るくて無邪気ですが,わがままな面があり,自分かってで依存的な. 子供の心. トレスを心の中に溜め込むことになってしまいます.. 【3っの基本的自我状態】 【5っの機能的自我状態】【自我構造分析モデル】 P(親の自我状態) CP. CP I階繍■[勲鷺批判白勺. @[Parent]. mP `(大人の自我状態) @[Adult]. A. b(子共の自我状態). FC. @[Child]. m騰灘盤■齢的’親切 `潔創 「:じ準準講FC(自由な子供の心[Free Child])τ麟奔放. `C `C. 怺ョ歩)τ際翫ll『撫. ※Hは高得点,Lは低得点時のモデル. 図2 自我構造と分析モデル. このエゴグラムについては,数多くの臨床例に基づいた研究報告をされており,公式に は,サンフランシスコ・エリック・バーン・セミナーにおいても,エゴグラムの構成には. 一13一.
(21) 一貫性があり,一致することが認められ,その妥当性が報告されている2). あるいは,George S.Thomson’)によれば,「……自然状態が,訓練された観察者間で合. 意的な妥当性が得られたと言うことは,エゴグラムが成立する証拠である」と報告してい る.また,エゴグラムとCMI(Co㎜el Medical Index), Y−G性格検査(矢田部.キ“ルフォード. 性格検査),EPPS性格検査(エドワーズ人格的偏向目録:Edwards Personal Schedule)などの. バッテリー検査においても妥当性が報告されている18).. これらのことによりエゴグラム質問紙法は,学校で生徒個人個人を捉える方法として,. 有効であると考えられ,以下の方法により処理することによって,生徒(人間)のタ イプ分けをおこなった(質問紙については,資料1に示す). (1).質問紙はCP, NP, A, FC, AC(5っの心的エネルギー)のカテゴリーから構. 成され,各カテゴリー毎に10問つつ計50問の質問が設定されている.そのぞれの質問 に対して,はい(○),どちらでもない(△),いいえ(×)で答える.. (2).(1)の調査結果を,○ニ2点,△=1点,×=0点として,5っの項目毎に 合計点数を求める.(一例.CP[7], NP[16], A[10], FC[8], AC[5]となり,図3のよ. うに作図する). 得点. lll ll’ 据 :. 窒. 0. CP. NP. A. FC. AC 5つの心的エネルギー. 図3 エゴグラム質問紙による結果の一例. (3).図3のように示された一人ひとりのグラフパターンと,図4に示した各タイプ を表すパターンを対比し,同型パターンを示すタイプを求めることによって,タイプ 分けをおこなった.. 14一.
(22) 温厚タイプ .20. 1.5. 得点. 0:1.. ・CP .. 刃P .. A;.. FO. Aσ. ちつの心的ニネルギー. 社交タイプ 20.. .5. ・0. CP .. 鰍P. A. FC. 《o. 5つの心的平ネルギー. 堅実タイプ. 20 ..:. セ点. 可5.、. 10.. 5 0:.. .OP:. NP. FC. AC 6つの心的エネルギー. 奔放タイプ. 20. 得 点. A. 15. 10 5 0.. CP. .畑P. A. F¢. .AC::. .5つの心的■ネルギー. 几帳面タイプ 20.: 1:5.. 得・ 1:0. _. T: 0 Cρ. .NP .. A. FC. AC:. 5つの心.的エネルギー.. 図4 5つのタイプ別パターン. 一15..
(23) 2.タイプ別に見出されている行動・事柄の特徴 タイプ別特徴の行動・事柄特性について,新里2),桂ら18),東京大学心療内科編28:. によって示された内容に基づいてまとめれば,表4に示されたとおりである.. 表4 タイプ別にみられるとする行動・事柄特性. 行動・事柄 積極的. タイプ. 一. 層. 騨. 一. 一. ■. 一. 一. 一. 一. 騨. 隔. 曜. 一. 一. 需. 騨. 一. 一. _. 一. 一. 騨. 暉. 騨. 一. 噛. 一. 嘗. 鱒. 禰. 一. 胃. 一. 一. 一. 卿. 騨. 唱. 好奇心旺盛 ■. ■. 一. 一. 一. 一. 一. 騨. 暉. ■. 冒. 一. 騨. 卿. ■. 具 体 的 内 容 ・何事においても自ら進んで働きかけようとしたり, 物事に対して肯定的に受けとめ,対処しようとする. ・珍しいことや変わったことに興味や関心をもったり, それらがどのようなことなのか知りたがる.. 自制心がな. 温 厚. _. 一. 一. _. 一. _. 一. 曹. 一. 一. 一. 胴. 駒. _. 刷. _. 一. 一. ■. 一. 旧. 曽. 一. 一. 一. 鳴. 需. 一. 一. 一. _. 一. 一. 一. 騨. 一. 一. 卿. 曽. 一. 齢. 一. 鴨. _. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 騨. 一. ■. 旧. ■. _. 一. _. 一. 曽. ”. 曹. 一. 一. 零. }. ■. 一. 一. _. 員. 一. 一. 一. ,. 一. 騨. ■. ■. 一. 一. 一. 一. 晒. 一. 一. 卿. 一. 零. 一. 一. ■. 一. 一. 回. 一. 一. 鴨. 一. 一. ・いつも自分の感情をむき出しにする.自分が素直な ので人に対して寛大であり,その結果人に批判的にな. い. れないので,自分を押さえられない言動をする. r. 暉. 一. ■. 一. 一. 一. 糟. 騨. 一. 一. 一. 噌. ”. 贈. 一. 冒. 冒. 何事にも寛. 騨. 一. 一. 一. 一. 曽. 顧. 璽. 一. 腎. 一. 一. ■. 曽. 一. 殉. 一. 騨. 一. 一. 一. 一. 鴨. 零. 一. ■. 一. 讐. 騨. 隔. ■. 一. ■. 雪. 一. 一. 舜. 一. 一. 一. ■. 一. 一. 鴫. 一. 雪. 一. ■. 一. “. 一. ■. 一. 一. 需. 辱. 一. 一. 一. ・心が広くて他人の言動をよく受け入れるようなとこ うがある.他人の失敗や過ちを厳しく非難したりする. 容. ことをしない. 一. 曽. 一. 一. }. 一. 一. 一. 一. 帽. 一. 一. 一. “. 騨. 一. 一. 一. 晴. 一. 一. 騨. 一. 一. 闘. 嘱. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 囎. 一. 一. 一. 階. 一. 一. ,. 一. 一. 一. ,. 卿. 一. 一. 一. 一. 一. ,. 一. 一. 嚇. 一. 一. 一. 騨. P. ■. 一. 一. 一. 一. 騨. 一. 一. 鞠. 一. 贈. 一. 刷. ■. 一. 噂. ”. ・何の飾り気もなく,ありのままの姿でいる.心が正 しく心や気だてが穏やかである.また,ひねくれるこ となく従順な態度で,平穏無事で物事を何も抵抗なく. 素直. 受け入れる.. ・珍しいことや変わったことに興味や関心をもったり,. 好奇心. それがどのようなことなのか知りたがる. 一. 一. 一. 一. ■. 一. 一. 騨. 一. 零. 一. 一. ■. 一. 一. 一. 騨. 騨. 一. _. 一. 隔. 一. 一. 隔. 齢. 曜. 一. 一. ,. }. 辱. ■. 一. 一. 齢. 騨. 層. 暉. 一. 一. 一. 一. 需. 一. }. 冒. 層. 一. 一. 零. 一. 一. 一. ㎞. 騨. 一. 一. 一. 一. 蟹. 隔. P. 一. 一. 冒. 一. 層. 脚. 一. ■. 一. 一. 騨. 旧. 層. 一. ・何事においても自分を中心に考え,他人のことを考 えない言動をする.自分と自分を取り巻くまわりの世 界をはっきりと区別することができない動作や表情を. 自己中心的 社 交. する. _. _. 一. 一. ロ. 一. _. 贈. 脚. 一. 一. ■. 哺. ”. 騨. 一. 一. 冒. “. 騨. 一. 曽. ”. 辱. P. 一. 一. 即. 一 一. 嘗. 一. 一. 一. 一. 一. ”. 一. 騨. 一. 一. 一. 一. ”. 雇. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. ■. 一. 一. 一. ■. ■. 一. 縣. 需. 一. 一. 口. }. }. 一. 雪. 一. 一. 一. 縣. 暉. 一. ■. 一. 謄. ・自分を外に表わそうとする.内面的・主観的なもの を,表情・身振り,ことば,音楽などで外側に表出し. 表現力が豊 か. たり,感性に訴えようとする.. ・満ちたりていてゆとりのある雰囲気がある.ふっく らとした動作や表情をする.話す言葉については十分 にゆとりある会話をする.. ・人間が本来持っている心の動きや,人間が自然に備 えている愛,情け,慈しみ,思いやり,人間らしい優. 人情味がな い. しさなどの暖かい心に欠けるところがある言動をする. 一. }. ■. 槽. 卿. 鴨. ■. 一. 一. 刷. 騨. 一. 一. 胃. 一. 一. 一. 即. 一. _. 一. 鱒. 一. 一. ,. 一. 静. 一 一. ■. 冒. 冒. 一. 一. 一. 一. 膳. ”. 縣. 糟. ”. 需. 脚. 一. 一. 一. 一. 一16. 帰 咽. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 曹 望. 一 胃. 層. 一. 一. η. }. 冒. 層. 曽. ”. ,. 騨. 一. 一. 一. 一. 一. 一.
(24) ・あっさりしている,心にかけない,無関心,思いや. 冷淡 奔 放 ■. P. ■. 一. 一. 一. 闇. 雪. 一. ¶. 一. 輌. 卿. 一. ■. チ極的 的で,内に閉じこもりがちな言動をする.否定・裏・ 陰・静・受動・保守・負などを表す言葉や,進んで働 きかけようとはしなことや,引っ込みがちな動作や表 情をする. 一. 一. 一. 騨. 一. ■. 一. 一. 一. 一. 雪. ■. 一. 一. 一. ■. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. }. 一. 一. 一. 一. 騨. 騨. 卿. 需. 騨. 一. 一. 一. 一. 一. 騨. 騨. 卿. 一. 一. 一. ■. ,. 一. 一. 一. “. 一. }. 聯. ■. 雫. 騨. 需. 鼎. 騨. 騨. 一. 騨. 一. 一. 騨. ■. 一. 騨. 一. 一. ■. ■. 冒. 冒. 曹. 一. 讐. ・ある事柄に,とくに心を引かれることや,気にかけ ること,一定方向に行動を導くことがあまり観られな. 関心が低い. 「.. ・物事のきまり,従うべきのり,秩序,順序,人があ る行為をするにあたって守らなければならない定めを. 規則. 常に守ろうとしている. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 曽. 一. 曽. 讐. 騨. 囎. 麗. 一. 扁. 騨. ,. ■. 一. 一. 一. 零. 一. 一. 一. ■. 一. ■. 一. 冒. 薗. ”. 一. 曽. 讐. ,. }. 一. 騨. 一. ■. 一. }. 一. 一. 一. 薗. 一. ■. 一. 冒. ■. ■. 一. 一. 冒. ■. ■. 一. ■. 一. 一. 一. 冒. ■. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 闇. 一. 謄. 層. 口. 騨. 一. 層. 一. 騨. 一. }. ■. 一. 一. 一. ■. 一. 一. 一. }. 爾. 一. 一. 一. ■. 緊. 一. ■. 一. 一. 一. ■. 一. ■. ■. ■. 雪. 一. 一. 一. ■. 一. 一. ■. 一. 暉. 一. 一. 一. 一. 一. ■. 一. ■. 冒. ■. 一. 一. 一. 働. 一. 一. 一. 一. 凹. 一. 層. 一. 一. 一. 一. }. 一. 一. 唱. ■. ・性格や態度が穏やかで,人に逆らわない.素直.順. 従順さ. 堅 実. 騨. ・法律・道徳・道理などに従い,それを守っている.. 遵守. 序を狂わせないで,正しく従う言動をする. 一. 曽. 零. 一. 曽. 一. 一. 曽. 曽. 一. 層. 囎. 一. 需. 一. 一. 一}騨一一一 一 一一一 幽 一一 一一冒鵬 一 一 一 騨 ” 需需扁一 一 闇 一 需 ,零 騨一 昂} ,} 騨■ 鼎 一國■一 一} 一■ 一 一■ 一冒” 一鴨 騨騨騨 昂 一. 一. ・他のものに頼って生活または存在して動作をする.. 依存的傾向 一. 暉. 一. 一. ■. 一. 一. 一. ■. ■. ■. 冒. 嘗. 一. 一. 曽. ”. 餉. 騨. 一. 一. }. 一. }. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 嚇. 一. 鱒. ”. 胴. 雫. 辱. 鱒. ■. 一. ■. 一. 一. 一. 騨. 一. 一. 冒. 冒. 一. 一. 轍. 騨. 齢. ・もののまわり.ぐるり.四囲.ある物事,人物など を取り巻く環境,外界などを心配する,懸念するよう. 周囲を気に する. な言動をする. ■. 一. 一. ■. 騨. 雫. ■. 一. 旧. 一. 一. 一. 響. 噌. ロ. 口. 一. 旧. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. ,. 鴨. 雫. 一. 榑. 輌. }. 一. ■. 一. 一. 一. ■. 一. 一. 一. ■. ■. 一. ■. 一. ■. ■. ■. 一. ■. 一. 一. 藷. 一. 曽. 一. 一. 櫓. 一. 需. 騨. 一. 需. 一. 聯. 騨. 一. 一. 一. 辱. 一. 一. }. 一. 一. ・お互いに協力して助け合う.利害の相反する双方が. 協調性. 協力して問題を解決しようとする.. ・かたくなで,なかなか考えや態度をまげようとしな い,あるいは,かたいじを張って抵抗しようする. ・ある集団や組織を自分がおさめようとする.指図し たり指揮する.自分の指揮下に入れ,他人の考えや行. 頑固 ■. }. ■. 冒. ■. 一. 一. 一. 闇. 騨. 一. 一. 零. 辱. 閑. }. 一. _ _ 一 _. 支配的. 一. _ 一 騨. 一 , 一. 一 一 一 “ 一 胴 一 雫 一 一 一 ■ 一 一 一 冒 ■ 一 冒 一 冒 ■ 一 翻 鱒 騨 需 聯 騨 帰 一 一 雪 一 一 一 一 一 ■ 一 ■ ■ 一 ■ 一 一 ■ 一 冒 一 一. 動などを規定し,束縛しようとする,. 几帳面 一. 暉. 零. 一. 零. ■. 一. ■. 冒. ■. 一. 糟. 蟹. 一. 一. 一. _. _. 一. 一. 隙. 卿. 昂. 一. 一. 暉. 一. 一. 一. 一. 一. 即. ”. 糟. 層. 辱. 一. 糟. }. 旧. 一. 一. 一. 一. }. ■. ■. 一. 一. ■. 冒. ■. 一. 一. 囎. 讐. 讐. 騨. 一. }. 一. 騨. 騨. 騨. 需. 騨. 零. 一. ■. 一. 一. 一. 一. ■. 一. ・人を恐れさす力や厳めしく重々しい.また,勇まし. 威圧感. さや意気盛ん.人を押さえつけようとする力. 曽. 一. 囎. 一. 一. 層. 需. 一. ,. ■. 甲. 騨. 騨. 一. 一. 一. _. _. _. 一. 喩. 一. 一. 情.r _ _ 一 _. 一. 雪. }. 一. ■. 雪. 冒. 雪. 曽. 曽. 層. 願. 騨. }. 一. 一. 鴨. 一. 一. 一. 曽. ”. 騨. 零. ■. 一. 一. 一. r. r. 一. 一. 胴. 腎. 一. 一. 僻. 一. 一. 一 ,. 零. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. }. 昂. 闇. ”. 一. }. }. 一. 一. 一. 一. 曹. 一. ■. 一. 一. 一. 膳. 塵. 一. 一. ■. ■. 一. ロ. 一. 一. 一. 零. 冒. 一. 一. 一. 一. _ 一. 輔 刷. 一. 縣 一 一 , 一 騨 一 一 雪 一 一 ■ 唱 一 一 一 曽 一 一 一 需 ” } 縣 一 一 一 一 ■ 一 一 胃 冒 一 縣 噂 辱 層 騎 一 一 一 ■ 騨 , 一 騨 ■ } 一 ■. 一. 一. 一. 一. 聯. 一. P. 一. 一. 一. 一. 一. 闇 ,. 騨. r. }. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 曹. 一. 一. }. 零. 騨. 一. 一. ■. 一. ■. ■. 一. 層. 隔. 一. 騨. 需. 一. 雪. 一. 輔. 一. ■. 一. ■. ■. 一. 一. 一. ・他のものに頼って生活または存在する.. 依存的 _. 一. ・人間がそれにしたがって行為すべき正当な根本的法 則._. 一. 一. 一. 道徳的 噂. 暉. ・責めを負ってしなければならない任務を重んじる感. 責任感強い. 闇. 鴫. 騨. 自己中心的. 一. 暉. 曜. 一 一. 一. P 曽 一 一. 騨. 曜. 一 一 一 一 一 暫 一 一 闇 卿 桶 一 胴 一 需 鰯 騨 一 } 騨 層 一 雪 ■ 帰 ■ 一 ■ 一 一 一 齢 一 } 一 一 ■ 一 一 ■ 層 騨 層 一 一 一 η ■ 一 一. ・何事においても自分を中心に考え,他人のことを考 えない言動をする.自分と自分を取り巻くまわりの世 界をはっきりと区別することができない言動をする.. 一17.
(25) 3.対応関係についての検討. 上記第一節で得られた,生徒がサインとして用いる可能性のある行動・事柄と,上 記2における各タイプ毎に見出される行動・事柄特性の関連について検討した.. 第三節 生徒をタイプ分けすれば,教師は「観察・把握」が容易になるか否か の検討 心の健康教育実践において,日常生徒と接することの多い学級担任は,「観察・把 握」がしやすい立場にあり,最も個別指導をすすめやすい立場にあると考えられる.. 実際,多くの担任は生徒に対して「観察・把握」し,「理解」を図り,それに基づい て適切な援助,指導をしょうとしていると考えられる.しかし,一方で,前述したよ うに,この一連の活動,とりわけ多くの生徒についての広範囲の行動・事柄による「観 察・把握」は困難であることも事実である,. したがって,ここでは,上記二節で求めた,生徒のタイプ別行動・事柄特性とサイ ンとして用いる可能性のある行動・事柄の関連に基づく「観察・把握」つまり,各生 徒毎に限定された行動・事柄を用いた「観察・把握」は,現在のやり方に比べて,容 易であるか否かについて検討しようとした, 方法については以下に示す.. 1。平成11年6,月,公立高校5校(全日制普通科男女共学)の各校第1学年各1クラス の生徒を対象に,前述した一般的エゴグラム質問紙の調査を実施し,タイプ分けをし た.. 2.平成11年7月,上記1の調査結果を基に,タイプの違う生徒を5人選び,各生徒に 対して,担任教師は平素からどのような行動・事柄によって「観察・把握」しょうと しているかについて面接調査を実施した.但し,各担任教師には,各生徒のタイプ分 け並びに行動・事柄の特性に関する情報は一切与えなかった.. 3.上記2の調査が終わった後,各担任教師には,上記2の同一生徒について,本章. 一18一.
(26) 第二節の対応関係に基づいた「観察・把握」を依頼した.すなわち,生徒のタイプ毎 に限定された行動・事柄を用いた「観察・把握」を依頼した.そして,上記2におけ る「観察・把握」に比べて,各担任教師は「観察・把握」が容易になったかどうかに ついて面接調査を実施した.. .19.
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